冬馬「苺になっちまった!」 (26)

冬馬『どうなっているんだ!?何で俺が苺になっちまったんだ!?』


冬馬『つい昨日までは人間だったはず…、なのに何でこんなことに』


冬馬『クソッ!夢かどうか確かめたいのに手がねぇから頬を抓れねぇ!』


冬馬『チッ…なっちまったもんはしょうがねぇ…。どうせここで喚いても何も解決しねぇんだ』


冬馬『今は状況を整理するほうが大事だ。一応全方向に眼があるっぽいから周囲を見渡せられるぜ』

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ワイワイ ガヤガヤ


冬馬『この人の量、買い物かご、そして並べてあるたくさんの野菜や果物…』


冬馬『どうやらここはスーパーみてぇだな』


冬馬『そして俺はその中でイチゴとして売られているわけか』


冬馬『はぁ…、意味わかんねぇ。夢なら早く覚めてくれ…』


「このあまおう…とても艶がいいですね」


冬馬『あ?』

「大きさも他と比べてかなり大きい方ですし、流石高級イチゴです」


「決めました。このイチゴにしましょう」ヒョイ


冬馬『ちょっ…、何だ!?』


冬馬『まさか俺、売られようとしているのか!?イチゴとして!?』


冬馬『確かにいつまでもここにいるわけにはいかねぇし外に出られるから正直都合がいいかもしれねぇが…』


冬馬『売られるということは……』


「………円です」


「これで」


「ありがとうございましたー」


「さて、今日はこれでどんなイチゴ料理を作りましょうか」


冬馬『俺、食べられる!?』

「ただいま戻りました」


冬馬『袋の中に入れられてるせいで外のことが全くわかんねぇが俺はこの女子によって買われたんだな』


冬馬『この後のことはあんまり考えたくねぇ…。食われるなんて最悪だ…』


「あら、橘さん。またイチゴを買ってきましたの?」


「ただの苺ではありません、あまおうという高級な苺です」


「もしかしてそれを使ってまたイチゴ料理を作るんですの?」


「ええ、この高級イチゴを使って最高のいちごパスタを作るんです!」


「出来たら桃華さんたちに試食させますので楽しみにしていてください」


「い、一応その熱意は受け取りますわ…」


冬馬『イチゴパスタだと!?なんつー意味わかんねぇものを作ろうとしているんだ!?』


冬馬『てかイチゴパスタってなんだ!?食い物を粗末にするんじゃねぇ!』

「ただいま戻りました」


冬馬『袋の中に入れられてるせいで外のことが全くわかんねぇが俺はこの女子によって買われたんだな』


冬馬『この後のことはあんまり考えたくねぇ…。食われるなんて最悪だ…』


「あら、橘さん。またイチゴを買ってきましたの?」


「ただの苺ではありません、あまおうという高級な苺です」


「もしかしてそれを使ってまたイチゴ料理を作るんですの?」


「ええ、この高級イチゴを使って最高のいちごパスタを作るんです!」


「出来たら桃華さんたちに試食させますので楽しみにしていてください」


「い、一応その熱意は受け取りますわ…」


冬馬『イチゴパスタだと!?なんつー意味わかんねぇものを作ろうとしているんだ!?』


冬馬『てかイチゴパスタってなんだ!?食い物を粗末にするんじゃねぇ!』

―――――――


ありす「さて、お湯も沸騰しましたし、そろそろ取り掛かりましょうか」


冬馬『あれからどうやって切り抜けるのか考えたが…イチゴに何ができるというんだ…。何もできねぇよ』


冬馬『せめて一護だったらなんとかなったのかもしれねぇのに…』


冬馬『はぁ…一体俺どんな風に調理されちまうんだ…』


ありす「まずはパックのラップを剥がして」ビリッ


ありす「苺をミキサーの中に投入」ドバドバ


冬馬『ひっ!?』ビクッ


ありす「…ま、これくらいでいいでしょう、後のいちごは盛り付けのために必要ですから」


冬馬『あ、あぶねぇ、俺は盛り付けのためにあの中に入れられずにすんだのか…。命拾いしたぜ』

―――――――


ありす「さて、お湯も沸騰しましたし、そろそろ取り掛かりましょうか」


冬馬『あれからどうやって切り抜けるのか考えたが…イチゴに何ができるというんだ…。何もできねぇよ』


冬馬『せめて一護だったらなんとかなったのかもしれねぇのに…』


冬馬『はぁ…一体俺どんな風に調理されちまうんだ…』


ありす「まずはパックのラップを剥がして」ビリッ


ありす「苺をミキサーの中に投入」ドバドバ


冬馬『ひっ!?』ビクッ


ありす「…ま、これくらいでいいでしょう、後のいちごは盛り付けのために必要ですから」


冬馬『あ、あぶねぇ、俺は盛り付けのためにあの中に入れられずにすんだのか…。命拾いしたぜ』

―――――――


ありす「さて、お湯も沸騰しましたし、そろそろ取り掛かりましょうか」


冬馬『あれからどうやって切り抜けるのか考えたが…イチゴに何ができるというんだ…。何もできねぇよ』


冬馬『せめて一護だったらなんとかなったのかもしれねぇのに…』


冬馬『はぁ…一体俺どんな風に調理されちまうんだ…』


ありす「まずはパックのラップを剥がして」ビリッ


ありす「苺をミキサーの中に投入」ドバドバ


冬馬『ひっ!?』ビクッ


ありす「…ま、これくらいでいいでしょう、後のいちごは盛り付けのために必要ですから」


冬馬『あ、あぶねぇ、俺は盛り付けのためにあの中に入れられずにすんだのか…。命拾いしたぜ』

ありす「スイッチオン」ポチッ


ギギギギギャイーーーンギャリギャリギャリンッ!!!

ドカシッゴボッグガガガガガガボガボ!!!

ガココココココバキバキバキャキャキャ グチャグチャ!!!

ガコッガコッガコッガコッグゴゴゴゴゴ!!!

グチョグチョグチュグチュギゴガーゴゴー!!!


冬馬『あっ…あぁ……』ガタガタ


冬馬『もしも運が悪かったら……俺があの中に……』


「いい具合にドロドロになりましたね」

ありす「さて、次はパスタを苺に染込ませて…」


冬馬『今ならわかるぜ…苺の…いや、食材の気持ちが…』


冬馬『調理されるって食材から見ればこんなに怖ぇことなんだな…まるで処刑だ』


冬馬『俺はそうとは知らずに煮込んだり切り刻んだりすり潰したりしてたんだな…すまねぇ…』

ありす「あとは色々やって……」テキパキ


ありす「クリームを上に乗せて……」テキパキ


ありす「最後に苺を盛りつければ……」


冬馬『うおっ!』


ありす「できました!あまおうを使ったイチゴパスタです!」バァーン!!!


冬馬『何なんだこいつは…麺の色がピンク色だ…こんなスパゲッティは初めて見た』


冬馬『まるでデザートだな、しかしよくこんなもの思いつくな。一体どんな頭しているんだ……』


ありす「それにしても我ながらいい出来ですね。ちょっと味見でもしましょうか」ヒョイ


冬馬『なっ!?』ビクッ!

冬馬『俺を食うだと!?マジかよ!?冗談じゃねぇよ!苺になったまま死ぬなんてまっぴら御免だ!』


冬馬『クソッ!身体が苺のせいで動けねぇし話もできねぇ!』


冬馬『どうせこれは夢なんだろ!夢だよな!早く覚めてくれ!このままじゃ俺は…!』


冬馬『俺はもっと、ステージに立ってたくさんライブがしたいんだ!それがこんな形で終わるなんて絶対に嫌だ!』



ありす「いただきまぁす」ゴォォォォォォ……


冬馬『わぁああああ!やめろ!俺は食ってもうまくねぇぞ!』


冬馬『やめろ!放せ!共食い!カニバリズム!ギルティ……』


パクッ


ぐちゃっ


ありす「うん、流石あまおうですね。とってもおいしいです」モグモグ

冬馬『あっ……何だ……一体?』ビクン!


冬馬『歯で粉々に砕かれ、舌でぐちゃぐちゃにペーストされ、唾液でネトネトにされてるのに…』


冬馬『なんでこんなに心地よく感じるんだ…?イチゴなのに感覚があるなんて…』


冬馬『まるで母親の胎内に包まれ、羊水に浸かっているような……そんな暖かさと心地よさだ…』


ありす「ふぅ…」ごくん


ポチャン


シュウウウウウ…


冬馬『ああ、感じるぜ…今俺は溶けているんだな』


冬馬『何だろうな…普通消化されるって物凄く怖いことなのに…』


冬馬『なんでこんなに気持ちよく感じるんだろう…』


冬馬『この肌の温度…たまんねぇ…。まるでこいつに抱き着いているみだいだ』


冬馬『そして徐々に一つになっていくのがわかる。食材だからかな、なんかこういうのには敏感になってきたみたいだ』

冬馬『あっ……何だ……一体?』ビクン!


冬馬『歯で粉々に砕かれ、舌でぐちゃぐちゃにペーストされ、唾液でネトネトにされてるのに…』


冬馬『なんでこんなに心地よく感じるんだ…?イチゴなのに感覚があるなんて…』


冬馬『まるで母親の胎内に包まれ、羊水に浸かっているような……そんな暖かさと心地よさだ…』


ありす「ふぅ…」ごくん


ポチャン


シュウウウウウ…


冬馬『ああ、感じるぜ…今俺は溶けているんだな』


冬馬『何だろうな…普通消化されるって物凄く怖いことなのに…』


冬馬『なんでこんなに気持ちよく感じるんだろう…』


冬馬『この肌の温度…たまんねぇ…。まるでこいつに抱き着いているみだいだ』


冬馬『そして徐々に一つになっていくのがわかる。食材だからかな、なんかこういうのには敏感になってきたみたいだ』

冬馬『あっ……何だ……一体?』ビクン!


冬馬『歯で粉々に砕かれ、舌でぐちゃぐちゃにペーストされ、唾液でネトネトにされてるのに…』


冬馬『なんでこんなに心地よく感じるんだ…?イチゴなのに感覚があるなんて…』


冬馬『まるで母親の胎内に包まれ、羊水に浸かっているような……そんな暖かさと心地よさだ…』


ありす「ふぅ…」ごくん


ポチャン


シュウウウウウ…


冬馬『ああ、感じるぜ…今俺は溶けているんだな』


冬馬『何だろうな…普通消化されるって物凄く怖いことなのに…』


冬馬『なんでこんなに気持ちよく感じるんだろう…』


冬馬『この肌の温度…たまんねぇ…。まるでこいつに抱き着いているみだいだ』


冬馬『そして徐々に一つになっていくのがわかる。食材だからかな、なんかこういうのには敏感になってきたみたいだ』

冬馬『あっ……何だ……一体?』ビクン!


冬馬『歯で粉々に砕かれ、舌でぐちゃぐちゃにペーストされ、唾液でネトネトにされてるのに…』


冬馬『なんでこんなに心地よく感じるんだ…?イチゴなのに感覚があるなんて…』


冬馬『まるで母親の胎内に包まれ、羊水に浸かっているような……そんな暖かさと心地よさだ…』


ありす「ふぅ…」ごくん


ポチャン


シュウウウウウ…


冬馬『ああ、感じるぜ…今俺は溶けているんだな』


冬馬『何だろうな…普通消化されるって物凄く怖いことなのに…』


冬馬『なんでこんなに気持ちよく感じるんだろう…』


冬馬『この肌の温度…たまんねぇ…。まるでこいつに抱き着いているみだいだ』


冬馬『そして徐々に一つになっていくのがわかる。食材だからかな、なんかこういうのには敏感になってきたみたいだ』


冬馬『このまま俺は溶かされ、こいつの血となり、肉となり、一部となるのか』


冬馬『これが食い物の一生ってやつか…だかこんな快感を得られるのなら…』




冬馬『食い物の人生も悪くねぇかもな……』



ありす「むむっ、つい食べ過ぎてしまいました。危ない危ない」


ありす「さてと、後はこれを皆さんのところに持っていくだけですね」

冬馬「…んぅ」パチッ


冬馬「……見慣れた天井、夢だったのか?」


冬馬「はぁ…すげぇリアルな夢だったぜ。まだ覚えてやがる」


冬馬「……」



スーパー


冬馬(確かこの辺りにイチゴが…)


ありす「大きさも他と比べてかなり大きい方ですし、流石高級イチゴです」


冬馬「……!」


ありす「決めました。このイチゴにしましょう」ヒョイ


ありす「次はパスタですね」タタタタッ


冬馬「……」

冬馬「もしかして、食べられる素晴らしさを伝えるために俺にああいう夢を見せてくれたのか?」


冬馬「だとしたらよく伝わったぜ、ありがとな。食べられる素晴らしさを教えてくれて」


冬馬「おかげで忘れかけていた食事に対する感謝の気持ちを思い出した。食われることがお前たちにとって最高の瞬間なんだな」


冬馬「これは俺の恩返しだ。お前たちを使って最高の料理を作ってやるよ!」


翔太「冬馬くん、今日も御飯食べに来たよ!」


冬馬「おう!もう後は出すだけだから座ってていいぜ!」


北斗「それで、今日は何を作ったんだ?」


冬馬「ああ、高級イチゴを使った俺特製手料理」


冬馬「イチゴカレーだ!」


二人「は?」


冬馬「たくさん食ってくれよな!」


二人「え?」


終わり

なんか繋がりにくい

961「橘シェフによるもてなしの苺パスタが2皿…来るぞ冬馬!」ガクブル
冬馬「ならば俺はテーブルの伏せ盆をオープン!イチゴカレーをリバース召還!」
961&橘「!?」

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