ウルトラマン ニュージェネレーションバトル (44)


※ストーリー性はないです

※制限時間って何だっけ

※本編との繋がりはないライブステージみたいなノリです



―――ギンガスペース

 ヒュオオオオオ……

ショウ「ぐっ……何だいきなり!?」

ヒカル「雪の季節には早すぎるぜ。何かの怪獣が出たのか……?」

『怪獣ではない。超獣だ』

二人「「!」」

ショウ「この声は……」

ヒカル「まさか……!」

『ワハハハハ! 久しぶりだなぁ、ウルトラマンギンガ! ビクトリー!』

ショウ「お前は……」

ヒカル「ヤプール……!!」


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ショウ「馬鹿な、お前は確かにあの時……」

ヤプール『フフフ、ヤプールは不滅だ。別の宇宙に俺と共鳴するマイナスエネルギーが満ちていてな、それによって復活を果たしたのだ!』

ヒカル「くっ……しつこい野郎だぜ。この吹雪はお前の仕業か!」

ヤプール『その通り。出でよ、超獣アイスロン! スノーギラン! フブギララ!』

「ヒャホホホホホホホ!!」 「ガァオオオオオン!!」 「オォォォォォン!!」


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ショウ「こいつらは……超獣か」

ヒカル「ご丁寧に三体も呼びやがって。やるぞ、ショウ!」スチャッ

ショウ「ああ!」バッ!!

『ウルトラーイブ! ウルトラマンギンガ!』 『ウルトライブ! ウルトラマンビクトリー!』


ギンガ「ショウラッ!」

ビクトリー「ジュアッ!」

ヤプール『フフフ……行け、超獣軍団!』

アイスロン「ヒャホホホホホホッ!!」

ギンガ「デェイヤッ!」

 襲い掛かってくるアイスロンを迎え撃つギンガ。
 振るわれた鞭を屈んで躱し、タックルを入れる。

アイスロン「ヒュォォルルルルル!!」

ヒカル『この程度の吹雪、ギンガには通用しないぜ!』

ギンガ「ギンガファイヤーボール!!」

 ギンガのクリスタルが赤く染まり、周囲に火球を形成した。
 吹雪を消し飛ばしながらアイスロンに突き進む。しかし――


フブギララ「ゴオオオオッ!!」

 フブギララが両目から放ったレーザーに相殺された。

ギンガ「!」

フブギララ「ゴオオオオオッッ!!」

 続いてその口から冷凍ガスが吐き出される。
 アイスロンも加わり、ギンガを極寒で包み込む。

ギンガ「グッ……デアァッ……!!」


ビクトリー「ジュアッ!」

スノーギラン「グオオオオオン!!」

 時を同じくしてビクトリーはスノーギランと交戦していた。

ビクトリー「ハァッ! ドリャッ!」

 ジャブを数発、続けざまにハイキックを繰り出すが、意外にも身軽なスノーギランの動きに躱されていく。


スノーギラン「ガァオオオオンッ!!」

ビクトリー「ジュアッ……!!」

 スノーギランが放つ冷凍光線に悶えるビクトリー。
 辛うじて横に転がり、更に距離を取る。

ショウ『だったら……これだ!』

『ウルトランス! EXレッドキング・ナックル!』

 ビクトリーの右腕にEXレッドキングの太い腕が重なった。

ビクトリー「オォォ……!! デヤッ!」

 炎を溜め込んだ腕を振ると火球が放たれ、スノーギランを襲った。
 しかしダメージになっている様子はない。超獣の身体からは絶えず冷気が放出されており、命中した時には威力は弱まってしまっていたのだ。

ビクトリー「ドリャアアッ!!」

 ならばと、拳を地面に叩きつける。地中からマグマのようにエネルギーが噴き出し、一直線に地面を這い進む。

スノーギラン「グオオオオオオッ!!」

 するとスノーギランが地面に向けて冷凍光線を放った。
 マグマが凍らされ、勢いが止まってしまう。

ビクトリー「グッ……!」


ヤプール『ハッハッハッ! ウルトラ戦士は寒さに弱いということは分かっている! この冷気の中では本来の力を発揮できまい!』

フブギララ「オ゛ォォォォン!!」

 動きが鈍くなっているところにフブギララが突っ込んでくる。

ギンガ「グッ……! ディヤッ!」

 防御姿勢をとってパンチの連打を凌ぎ、反撃に転じる。
 しかし突き出した拳は軽やかに避けられてしまう。ウルトラマンとは対照的に、超獣たちは寒さの中で活発になっていた。

アイスロン「ヒャホホホホホ!!」

 空いた背中にアイスロンが鞭の連撃を加える。
 厚く積もった雪の中にギンガが倒れる。

ヤプール『今こそ復讐の時! 一気にトドメを刺してしまえ!!』

 次元の歪みからヤプールが声を張り上げた時だった。

「――セエアッ!!」

 吹雪が吹き荒れる空中にワームホールが開き、中からウルトラマンが飛び出してきた。

ヤプール『!』

ヒカル『あれは!』


ヤプール『貴様……ウルトラマンエックスだな!』

エックス『その通り。そういう貴様は悪名高いヤプールだな』

ヒカル『エックス! どうしてここに!?』

大地『久しぶりです、ヒカルさん、ショウさん! 次元の歪みを感知してエックスが教えてくれたんです。これは邪悪な気配がするって』

ヒカル『頼りになるぜ、二人とも!』

ヤプール『グッ……だが貴様もウルトラマンならばこの寒さに弱いはず!』

エックス『それはどうかな?』

ヤプール『何……!?』

 そう言うとエックスは身体を縮こめた。
 その身体に赤いエネルギーが溜め込まれていく。そして勢いよく広げると同時に、一気にそれを解き放った。

エックス「アタッカー……エーーーーックス!!!」

 巨大なX字の炎が地上に着弾する。
 膨大な熱量が雪を溶かし尽くし、その熱気が吹雪をも水に変えてしまう。


 ざあああああ……っと雨のように水滴が落ちる中、エックスが地上に降り立つ。
 ギンガとビクトリーも立ち上がった。

ヒカル『サンキュー。助かったぜ』

ショウ『大地、行くぞ!』

大地『はい!』

「ショラッ!」 「ハア――セェヤッ!」 「ジュアッ!」

ヤプール『ぐぐ……負けるな、超獣共ぉ!!』

アイスロン「ヒョホホホホ!!」

 アイスロンが鞭を振るうが、ギンガは逆にそれを掴んだ。
 ぐいっと引き寄せ、膝蹴りを見舞う。肘打ち、裏拳と続け、反撃の間を与えない。

ギンガ「デヤッ!」

アイスロン「ヒョホホルルルルル……」

 仕舞いには蹴り飛ばし、距離を取る。
 両腕を交差させ、身体の前に円を描くように回す。両腕が一直線になったと同時に、全身のクリスタルが深い青に輝いた。

ギンガ「――ギンガクロスシュート!!」

 アイスロンが最後の抵抗に放った冷凍光線を問答無用で押し返し、流星のような光線が激突する。
 照射が終わると同時に超獣の身体が崩れ落ち、爆発した。


スノーギラン「ガァオオオオオン!!」

ビクトリー「ジュアッ!」

 突進してくるスノーギランだったが、ビクトリーの動きの方が速かった。
 飛び蹴りを腹に食らわせる。怯んだところをEXレッドキングの拳で追撃する。

スノーギラン「グオオオオオオン!!」

ショウ『これで決める!』

『ウルトランス! ハイパーゼットン・シザース!』

 纏ったハイパーゼットンの鋏をスノーギランに突き立てる。
 そこに一兆度の火炎が燃え盛り、超獣の身体が派手に吹き飛んだ。


フブギララ「ゴオオオオオッッ!!」

エックス「テヤッ!」

 エックスはフブギララと対峙していた。
 素早い動きから放たれるパンチやキックを何とかいなしていく。

エックス「Xクロスチョップ!」

フブギララ「オォォォォッ!!」

 エネルギーを纏ったチョップもその腕力で相殺されてしまう。


フブギララ「ゴオォッ!!」

エックス「!」

 両目から放たれた光線を横っ飛びして躱し、同時にXダブルスラッシュを放つ。
 それに相手が怯んでいる隙に、大地はサイバーカードをデバイスにセットした。

『サイバーベムスター ロードします』

 エックスの上半身にベムスターを模した紫色のアーマーが装着される。

『サイバーベムスターアーマー アクティブ!』

フブギララ「オォォォォオオッ!!」

 フブギララが冷凍ガスを吐く。エックスは左腕の盾を構えた。
 その中心にガスが吸収されていく。攻撃が止むと、エックスは盾を翻し、地面に突き立てた。

大地『ベムスタースパウト!』

 反射された冷凍ガスがフブギララに襲いかかる。身動きが鈍くなり、仕舞いには凍り付く。

『サイバーゴモラ ロードします』

 ゴモラアーマーを装着したエックスは、その両爪を固まったフブギララに向けた。

大地『――ゴモラ振動波!』

エックス「――イィッ、サァーーッ!!」

 青い波動が伝わり、フブギララの身体は粉々に砕け散った。


ヤプール『チィッ……』

ヒカル『どうだ! これでお前の野望も終わりだ!』

ヤプール『フン……だがこうなることも想定内だ』

ショウ『……何?』

ヤプール『貴様らウルトラ戦士の絆が固いのは昔からよく知っている。だがその絆が貴様らを敗北へと導くのだ!』

大地『……?』

エックス『何を言っているんだ』

ヤプール『出でよ! ベロクロン! バラバ!』

「グォオオオオオン!!」 「キィィィィイイッ!!」

ヤプール『そしてこれが我が切り札……出でよ! エックスキラー!!』

ショウ『なにっ』

ヒカル『エックスキラーだと……!?』


エックスキラー「――――」

 翡翠色の瞳を持つ人型ロボットが出現する。
 右手の刃物を構え、脇目も振らずエックス向けて駆け出す。

エックス「――シュアッ!」

 それを迎え撃つエックス。
 振り下ろされた刃物をゴモラアーマーのアームアーマーで防ぎ、空いた懐を爪で斬りつける。

エックスキラー「――」

 すると、後退したエックスキラーの身体に光が纏われた。

エックス「!」

 エックスが目を見張る。エックスキラーの身体に黒いアーマーが装着されていたからだ。

ヤプール『驚いたか。このエックスキラーには貴様のデータも入れてあるのだ。だがそれだけではないぞ!』

エックスキラー「――」

 エックスキラーが突然、腕を十字に組んだ。

ヤプール『ウルトラマンダイナの力! ソルジェント光線!!』

エックスキラー「――――――」

 右腕から青い光線が放たれる。エックスは咄嗟にバリアを張り、それを防いだ。


ヒカル『まさかお前……!』

ヤプール『その通り。貴様らウルトラ10勇士の力もエックスキラーは備えているのだ! ワハハハハハ!!』

ショウ『大地! そんな奴に負けんじゃねえぞ!』

ヤプール『よそ見をするな! 行け、ベロクロン! バラバ!』

ベロクロン「アオオオオオオオン!!」

ギンガ「! デヤッ!」

 ベロクロンが両手の先からレーザーを放つのを側転して躱す。
 しかし起き上がるとベロクロンの全身から無数のミサイルが発射されていた。

ギンガ「――ギンガセイバー!」

 乱れ飛ぶミサイルを叩き斬る。しかしミサイルの誘爆でギンガが怯むと、続く弾幕が襲い掛かった。

ギンガ「グッ、イヤァァッ……!」


バラバ「キィィィイイイ!!」

 全身凶器の超獣バラバが左手の鎌を振り回しながらビクトリーに突進する。

ビクトリー「――デュアッ!」

 それをスウェーして躱し、左手を地面に置いて身体を支えながらキックを繰り出す。
 バラバは後ずさりするが、右手の鉄球からアンカーを射出した。

ビクトリー「!」

 それを鞭のようにしならせてビクトリーの身体に巻きつける。
 身動きが取れなくなったところに頭部の剣から閃光攻撃を放った。

ビクトリー「ジュアァッ……!」


エックスキラー「――――」

 ゼットンアーマーを纏ったエックスキラーがゼットン火炎弾を放つ。
 バリアを張るがその威力の前に砕け散る。限界を迎えたゴモラアーマーも消滅した。

エックス「グッ……」

ヤプール『行け、エックスキラー! ゼットントルネード!!』

 エックスキラーの周囲にゼットンシャッターが展開され、回転しながら空中に舞い上がる。
 旋回して勢いをつけ、恐ろしいスピードで向かってくる。


エックス「デヤッ!!」

 エックスが飛び上がり、その突進から逃げる。
 しかしエックスキラーは方向転換しエックスを追尾していた。

エックスキラー「――――」

エックス「!」

 スピードはエックスキラーの方が上だった。
 防御姿勢をとるが、弾き飛ばされ、地上向けて真っ逆さまになる。

ヤプール『エースの力! メタリウム光線!!』

 空中で止まったエックスキラーのアーマーがパージされ、同時に光線の構えをとる。
 L字に組んだ右腕から虹色に輝く光線が放たれ、墜落するエックスを襲った。

エックス「グ……デアァッ……」

 よろよろと立ち上がるエックス。エックスキラーも悠然と降りて来る。

ヤプール『トドメだ! ウルトラ10勇士の力――――』

 ヤプールが叫ぼうとした、その時。


ヤプール『グッ、グヌヌゥ……!?』

 突如ヤプールが苦しみ出した。
 一陣の風が吹く。その風に乗って――ハーモニカのメロディーが流れてきた。

ショウ『この音は、一体……?』

ヒカル『なんだ……?』

大地『……あの人は……』

 音の方を見ると、焦げ茶色のジャケットを羽織った男が立っていた。

ヤプール『貴様……何者だ!』

男「お前みたいな奴に名乗る名は持っちゃいねえ」

ヤプール『何……』

男「……が。先輩達にはちゃんと自己紹介しておかないとな」

エックス『先輩?』

男「俺の名はクレナイ・ガイ。そして――」

 男はリング状のアイテムを取り出し、構えた。


ガイ『ウルトラマンさん!』

『ウルトラマン!』

ガイ『ティガさん!』

『ウルトラマンティガ!』

ガイ『――光の力、お借りします!!』


『フュージョンアップ!』


『ウルトラマンオーブ スペシウムゼペリオン!』



 男が光に包まれたかと思うと、その姿が巨大化する。
 爪先からリング状の光が昇り、それと同時に光が弾けていく。

 そこに立っていたのは――

オーブ『俺の名はオーブ。――闇を照らして、悪を撃つ!』


ヤプール『……!』

大地『オーブ……』

ヒカル『ウルトラマン……オーブ』

ヤプール『フン……ひとりウルトラマンが増えたところでエックスキラーには敵わぬわ! ゆけいっ!!』

エックスキラー「――――」

 ファイティングポーズを取ったオーブにエックスキラーが襲い掛かる。
 右腕に砲身を備えたエレキングアーマーを装着し、エレキング電撃波を放つ。

オーブ「――ジュアッ!」

 オーブが飛び立つ。回避されたと見るや否やエックスキラーは砲身を空に向け、電撃波を乱射した。
 それすらも華麗に躱していくオーブ。その体躯の紫色が光ると、スピードがぐんと増した。

オーブ「ハアアアア……!!」

 そしてエックスキラーを中心として円を描くように飛び回る。
 その速度は空中に残像を描くほど。次第にどこにオーブがいるのかわからなくなる。


オーブ「テヤッ!」

 腕を広げ、手のひらに光輪を出現させるオーブ。それをキープしたまま飛び回る。
 エックスキラーはそれでも電撃波を放ち続けていたが、どれもこれも空を切るばかりだった。

エックスキラー「――」

オーブ「スペリオン――――光輪っ!!」

 エックスキラーが電撃波を放った瞬間だった。残像が消え、オーブの姿が一か所に集約する。
 エックスキラーの真横だった。投擲された光輪は唸りを上げて空中を滑り、エックスキラーの左腕を切断した。

エックスキラー「――、――、――」

ヤプール『何ぃっ……!?』

オーブ『やはりな。こいつは俺のデータまではカバーしきれてなかったようだ』

ヤプール『ぐっ……!』


大地『エックス、俺たちも!』

エックス『ああ!』

『ウルトラマンエックス パワーアップ』

 大地はエクスラッガーの柄を握りしめ、Xの字を描くように二度振り下ろした。

二人『『行くぞ! エクシード――――エーーーーックス!!!』』


エックス「――ジュワァッ!」

 虹色の光が纏い、エックスはエクシードエックスへと姿を変えた。
 オーブがその隣に降り立つ。

オーブ『エックスさん! 一緒にこいつを倒しましょう!』

エックス『えっ? あ、ああ! よし、行くぞ後輩!』

オーブ『はい!!』

「――セエヤッ!」 「シュアッ!!」

ヤプール『おのれぇ! エックスキラー、エメリウム光線!』

 額から光線が放たれ、爆発が起きる。二人は左右に散り、それを躱していた。
 エックスはエクスラッガーを出現させ、エックスキラーに斬りかかった。

エックス「デェヤッ!!」

ヤプール『キラートランス! エレキング・テイル!!』

 残った右腕にエレキングの尻尾が纏われ、振るわれる。エックスは短剣でそれをいなす。

オーブ「シュアッ!!」

 その隙にオーブが逆側で光線の構えをとっていた。


オーブ「――スペリオン光線!!」

 光線の奇襲にエックスキラーの動きが鈍る。
 エックスは転がって距離を取り、エクスラッガーを額に戻した。

エックス「エクスラッガーショット!!」

 額から放たれた四色の光線がエックスキラーに命中する。
 抵抗を見せていたエックスキラーだが、部位の所々から火花が噴き出、がっくりとうなだれた。

 二人が光線の照射をやめる。エックスキラーが力なく倒れ伏し、爆炎が立ち昇った。


ベロクロン「グオオオオオオオオ!!!」

 ベロクロンは指先から光のリングを放ち、相対していたギンガを拘束していた。

ギンガ「デアッ……!!」

 何とか抜け出そうとするが、身動きが取れない。

ベロクロン「シャギャオオオ……!!」

 そんな姿を嘲笑うように口を開くベロクロン。今にもその中に収められていたミサイルを発射しようとしていた。


 が、その時。

ギンガ「――ギンガスラッシュ!!」

 ギンガの額のクリスタルから光線が放たれたのだ。
 口内に炸裂し、ミサイルが爆発する。あまりの事態にベロクロンが錯乱する。

ギンガ「ディヤッ!!」

 一方でギンガはリングを破っていた。動けないと見せかけていたのは油断させるための演技だったのだ。

ベロクロン「グオオオ、グオオオオ……!!」

ギンガ「オオオ……!!」

 ギンガが全身に力を溜め込む。クリスタルが七色に明滅し、身体の前に銀河のような光が渦を巻く。

ギンガ「――ギンガエスペシャリー!!!」

 それを一気に解き放つ。エネルギーの奔流がベロクロンを呑み込み、その全身を覆い尽くす。
 爆発音がしたと思うと、超獣は塵になって完全に消滅していた。


『ウルトランス! ウルトラマンヒカリ』

 召喚したナイトティンバーをソードモードに変形させる。
 するとビクトリーの全身が青に生まれ変わり、クリスタルが紅色に染まった。
 潜在能力を覚醒させた姿、“ビクトリーナイト”に変身したのだ。

ビクトリー「ジュアッ!」

バラバ「キィイイイイ!!」

 アンカーを伸ばし、それを振り回す。
 ビクトリーは素早く屈んでそれを躱す。身を翻して剣を振り下ろし、手と錨を繋ぐ鎖を断ち切った。

バラバ「ギィイイイイイ……!!」

 悶えるバラバだが、左手の鎌で応戦する。しかしするりと脇を抜けられ、すれ違いざまに斬りつけられる。

ビクトリー「ジュアッ!」

 振り返りながらナイトティンバーを三回ポンプアクションする。
 剣の峰をさっと払うと、青白い粒子が飛ぶ。それを刀身に集わせながら剣と左腕で十字を組んだ。

ビクトリー「――ナイトビクトリウムシュート!!」

 光線が風のように虚空を駆け抜ける。命中したバラバは一瞬の内に爆殺された。


ショウ『どうだ!』

ヤプール『ぐぅぅぅ……小癪な……!』

大地『お前の切り札ももういなくなった!』

ヒカル『いい加減観念しな!』

ヤプール『おのれぇ……! かくなる上は!』

 空間に浮かんでいた歪みが急に肥大化し始めた。
 その中にいたヤプールの姿がどろどろに溶け、吸い込まれるようにして内部に消えて行く。

ヒカル『何だ……?』

 その時、一際眩しい閃光が辺りに満ちた。
 歪みの中から何か巨大な物が落ちてきて地面が大きく揺れる。

 やがて、土埃が晴れる。
 ウルトラマンたちでも見上げる超巨大な超獣の姿がそこに立ち聳えていた。

ヤプール『このUキラーザウルス・ネオで……捻り潰してくれるわ!!』


Uキラー「グオオギャオオオオオオオオン!!!」

ギンガ「……ショラッ!」

ビクトリー「デァッ!」

エックス「イィッ、サァッ!」

オーブ「シュワッ!」

 300メートル超の超獣に四人のウルトラマンが立ち向かう。
 六本の触手から放たれた赤い電撃光線を躱し、空に飛び上がった。

ギンガ「ギンガサンダーボルト!!」

 ギンガのクリスタルが黄色に染まり、上空に渦巻く電撃を光線にして撃ち出す。
 しかし触手はそれを物ともせず、突き破ってギンガに向かってきた。

ギンガ「! デヤァッ!」

 その先端の爪に掴まれ、凄まじい勢いで地面に叩きつけられた。


ビクトリー「ドリャァッ!!」

 剣を構え、Uキラーザウルス向けて突き進むビクトリーナイト。

Uキラー「ギィィイイイイッッ!!!」

ビクトリー「!」

 しかしその両目から放たれたレーザーを受けてバランスが一瞬崩れる。
 瞬間、ビクトリーは察知した。剣を身体の横に構える。

ビクトリー「グッ――!!」

 触手が鞭のようにしなり、ビクトリーに叩きつけられた。
 受け太刀も意味を為さず、ビクトリーは吹っ飛ばされていく。


エックス「デアアアッ……!!」

 触手の電撃を躱しながら高速飛行するエクシードエックス。
 胴体は巨大だが、その核であろう超獣の頭部は小さい。そこへ攻撃を集中する作戦だった。


Uキラー「グガァァァアオオオン!!!」

 Uキラーザウルスが雄叫びを上げる。すると、その同体に無数に生えていた棘が一斉に発射された。

大地『っ!』

 咄嗟に大地はエクスラッガーのスライドパネルを二度なぞった。

エックス「エクシードイリュージョン!」

 エックスの身体が光に包まれた四つに分裂し、四方に散る。
 それぞれが別の方向から弾幕を掻い潜って突撃する。

エックス「イィッ、サァーーッ!!」

Uキラー「グオオオオギャォオオオン!!」

 しかしUキラーザウルスが目から光線を放った。エックスではなく、自らのミサイルに。
 一発が爆発すると乱れ飛ぶ全弾が連鎖して爆発する。弾幕の中にいたエックスが爆発に呑まれる。

Uキラー「ギャオオオオオ!!」

 触手から放たれた電撃が一体に戻ったエックスを襲った。

エックス「グァァアッ!!」


ガイ『――ジャックさん!』

『ウルトラマンジャック!』

ガイ『ゼロさん!』

『ウルトラマンゼロ!』

ガイ『キレのいいやつ、頼みます!』

『フュージョンアップ!』

『ウルトラマンオーブ ハリケーンスラッシュ!』


オーブ「――光を超えて、闇を斬る!」

 手にしたオーブスラッガーランスのレバーを三回引き、オーブが飛び立つ。
 エネルギーが漲る三叉の刃で迫りくる触手を撥ね退ける。

Uキラー「ギィイイイイイ!!」

オーブ「サァッ!」

 Uキラーザウルスが目からレーザーを放ったと同時にオーブの姿が消えた。
 一瞬にして頭部の背後に瞬間移動する。刃を突き立て、レバーを二回引く。


オーブ「ビッグバン――――」

 しかし発動する前に背後から触手の爪に捕えられた。
 引き剥がされ、空中を振り回される。瞬間移動して逃れる暇もなく、地面に叩きつけられた。

オーブ「デァッ……シュアァッ……」

ヤプール『フハハハハハ!!』

Uキラー「グルルルルルル……」

 Uキラーザウルスが触手を使って四人のウルトラマンを自らの前方に集める。
 連戦であったのも相まって抵抗する力が出せない。四人のカラータイマーは既に点滅を始めていた。

ヤプール『これで一網打尽にしてくれるわあ!』

Uキラー「グルルルルル、グオオオオオオオッッ!!」

 超獣の腹部が発光し始める。
 トドメのためのエネルギーを溜めていることが分かっていても四人は立ち上がるのがやっとだった。


ヤプール『これで終わりだあぁっ!!』


 ファイナル――――


ヤプール『消えろ、ウルトラ戦士共ぉ!!』


 ウルティメイト――――


Uキラー「グガァァァァァアオオオオオオオオン!!!!」

ギンガ「……!」

 四人の目の前に巨大な閃光が満ちる。
 Uキラーザウルスの破壊光線が地を抉り、眼前に迫っていた。

 しかし、その時――――


 ――――――ゼロッ!!!


 突如飛来した銀色の光が、それと激突した。


ビクトリー「!」

大地『この声は――』

エックス『まさか……!』

 破壊光線と銀色の光は長時間拮抗していたが、やがて光線の方が弾けて止んだ。
 銀色の光は弓と矢が合体したような形をした物体だった。それが弧を描き、持ち主の元へ戻っていく。

オーブ「!」

 四人が背後の上空を振り返る。そこに――ひとりのウルトラマンが佇んでいた。

ゼロ「よう、久しぶりだな! ……新顔もいるが」

ヒカル・ショウ『『ゼロ!?』』

ガイ『あれが、ウルトラマンゼロさん……!』

大地『どうしてここに!?』

ゼロ「へっ。お前たちとの絆が俺をここに導いた……ってとこかな。それより――」

ヤプール『ぐぬぬ……!』

 ゼロはUキラーザウルスを一瞥してから言い放った。


ゼロ「もう限界なんて言うつもりじゃねえだろうな、お前ら!」

ショウ『……当然だ……!』

ヒカル『あったりめーだろ! 行くぞ、ショウ!』

ショウ『ああ!』

二人『『見せてやるぜ、俺たちの絆! ――ウルトラターーッチ!!』』

ヒカル『ギンガーーー!!』

ショウ『ビクトリーーー!!』

 ギンガとビクトリーの姿が重なっていく。
 完全に一致した瞬間、周囲に青と金の光が解き放たれる。


二人『『――ギンガビクトリー!!』』


ギンガビクトリー「――デュアッ!」

 濃い青のクリスタルが全身に輝く戦士。
 光の中から現れたのは、ギンガとビクトリーが融合した最強の姿“ギンガビクトリー”だった。


大地『エックス、俺たちも行くぞ!』

エックス『ああ!』

 二枚のサイバーカードをデバイスにセットする。

『ウルトラマン ロードします』 『ウルトラマンティガ ロードします』

 すると赤い光りと青い輝きがその中から浮かんでくる。
 それが神秘のアイテムを形作っていく。“エクスベータカプセル”と“エクスパークレンス”の二つを。

大地『これが、ティガとウルトラマンの力!』

エックス『そしてこの星の持つ――――希望の力だ!!』

 エクスベータカプセルとエクスパークレンスを合体させる。
 するとエクシードエックスの上半身に二人のウルトラマンの意匠を全面に出したアーマーが装着された。

二人『『!』』

 最後に、手中にベータスパークソードを握りしめる。
 銀と金に輝く宇宙最強最高究極装甲。その名は――

二人『『――ベータスパークアーマー、アクティブ!!』』


ガイ『!』

 ガイが一枚のカードを取り出し、オーブリングにリードする。

『覚醒せよ、オーブオリジン!』

ガイ『オーブカリバー!』

 召喚された聖剣“オーブカリバー”を握りしめ、その力を解放する。
 炎・水・土・風、四つのエレメントが集約し、蒼い怒涛の光になって弾ける。

オーブ「――ジュアッ!!」

 大剣を携えながら現れたオーブは、それを大きく回し、空中に光の輪を描いた。

 額に光るクリスタルは森羅万象を見通すような聡明な蒼。
 銀と赤、そして黒に染まった姿。それは100年の月日を経て取り戻したオーブの真の姿――“オーブオリジン”。


オーブ『――銀河の光が、我を呼ぶ!』


 手にした聖剣を鋭く輝かせながら、オーブはそう叫んだ。


ゼロ「いいじゃねえか……行くぜッ!」

ギンガビクトリー「ジュワッ!」

エックス「ハァァ……セアァッ!!」

オーブ「デヤァッ!!」

Uキラー「グオォオオオオオギャォオオオオオオン!!!」

 Uキラーザウルスが触手を伸ばす。標的となったオーブは聖剣に炎のエレメントを灯す。

オーブ「オーブフレイムカリバー!!」

 炎を纏った聖剣が一閃する。超獣が悶え、ぼとりと何かが落ちてくる。
 オーブカリバーがUキラーザウルスの触手を断ち切っていたのだ。

エックス「「――ベータスパークソード!!」」

 エックスもまた剣を振るい、触手を断ち切っていく。
 それを見てギンガビクトリーとゼロも自らの剣を握りしめた。

『ウルトランス! シェパードン・セイバー!』

ギンガビクトリー「ジュアッ!」

ゼロ「ゼロツインソードッ!!」


エックス「ディヤァッ!!」

オーブ「シュアッ!!」

ギンガビクトリー「ショウラァッ!!」

ゼロ「デリャァァッ!!」

 触手を振り回すUキラーザウルスだが四人のウルトラマンが飛び交いながら次々と斬り払っていく。

Uキラー「グガァァァアオオオン!!!」

 ならばと、今度は体中からミサイルを放つ。
 噴射煙を描きながら乱れ飛ぶそれを見てギンガビクトリーが三人の前に出た。

二人『『ウルトラマンネクサスの力よ! ――オーバーレイ・シュトローム!!』

 組んだ両手を開き、L字に組んだ腕から青白い光線が放たれる。
 ミサイルの弾幕に向けて掃射するが、誘爆を引き起こさず、ひとつ残らず粒子に分解した。

ヤプール『グッ……!!』

 武器をなくしたUキラーザウルス向け、残り三人が突撃する。


Uキラー「ギィイイイイイッッ!!!」

オーブ「セエヤッ!!」

 Uキラーザウルスの鋭い鉤爪とオーブカリバーがぶつかる。
 鍔迫り合いをしていると、飛来したゼロとエックスが関節部に各々の剣を振り下ろした。

エックス「ハァァッ!」

ゼロ「デヤッ!!」

 腕が切り落とされ、頭部を仰け反らせるUキラーザウルス。
 三人はその身体を斬り抜けながら飛び、超獣の前に浮かぶギンガビクトリーの元に戻った。

ゼロ「決めるぜッ!」

 ゼロが輝き出す。その全身を眩き銀と金に包んだ最強形態へと変身する。

ゼロ「シャイニングウルトラマン――――ゼロッ!!」


ヒカル『これが俺たち人間と、ウルトラマンの力だ!』

ショウ『受けてみろ!!』

 ギンガビクトリーが両腕を大きく開く。
 ウルトラフュージョンブレスに宿された10勇士の力が全身に漲り、それを両腕に集約させた。


大地『行くぞエックス!』

エックス『おう!』

 ベータスパークソードを弓矢の形態に変え、強く引き絞る。
 矢の先端に光が浮かび、それが円形に広がっていった。


ガイ『っ!』

 ガイがオーブリングに聖剣の刀身を突き入れる。

『解き放て、オーブの力!』

 オーブカリバーに四つのエレメントを灯し、空中に円を描く。

オーブ「テヤァァァァ――――!!」




ゼロ「シャイニングエメリウムスラッシュ!!!」



ギンガビクトリー「「ウルトラフュージョンシュート!!!」」



エックス「「ベータスパークアローーーーーー!!!」」



オーブ「オーブスプリームカリバーーーーーー!!!」




Uキラー「ギィィィイグォォオオォオオオオギャァァオオオオオオオン!!!!」

ヤプール『馬鹿な……ぐ、ぐうぅううう……ぐおおおおおおあああああああっっ!!!』



 四つの光の奔流が超獣の身体を突き抜けた。

 Uキラーザウルスの超巨大な全身がそこを始めとして粉々に砕け散る。

 轟く凄絶な爆音。放散される衝撃波。吹き荒れる爆風。

 それが収まった時には、Uキラーザウルスの姿はどこにもなかった。


ヒカル『……終わったな』

ショウ『……ああ』

 ギンガとビクトリーが分離して元の二人に戻る。
 エックスとゼロも通常の形態に戻り、地上に降り立った。

ゼロ「みんなお疲れ。遅れて悪かったな」

ヒカル『いや、助かったぜ。ありがとう』

ゼロ「ところでそっちのは――」

オーブ『ゼロさん! クレナイ・ガイ……いや、ウルトラマンオーブです! お会いできて光栄です!!』

ゼロ「お、おおっ? 何だ? もしかして俺のファン~?」

エックス『調子に乗るんじゃない』


ゼロ「さてと、俺はもう行くぜ」

エックス『私たちも元の世界へ戻ろう』

大地『そうだな』

ガイ『俺もまだ自分の世界でやるべきことが残ってます。でも、また会いましょう』

ゼロ「ああ。この絆がある限り、いつかまたどこかで会えるさ」

ヒカル『その時は頼むぜ』

ショウ『大地、お前もな』

大地『はい!』

 別れを告げ、ゼロ・エックス・オーブは飛び立っていった。

ヒカル「また会う時……か。きっととんでもない敵が現れるんだろうな」

ショウ「フン。負けないよう、特訓しないとな」

ヒカル「ああ!」

 俺たちの戦いはまだ始まったばかりだ!!


おしまい


※訂正
>>34 「炎・水・土・風、四つのエレメント」→「火・水・土・風、四つのエレメント」
>>35 「炎のエレメントを灯す。」→「火のエレメントを灯す。」

読んでくださった方、ありがとうございました。

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