紬「みんなー今日のおやつはモンブランよー♪」ほか (104)
いくつか書く予定です
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No.1
紬「みんなー今日のおやつはモンブランよー♪」
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201X年 2月16日 AM?:??
澪「まったく、朝練やるから来いっていったのは律なのに結局私より来るのが遅いんじゃないか…」ガチャ
澪「はぁ、誰かくるまで練習でもしてるか…」スタスタ
ガサッ
澪「!?」
澪「い、いま食器棚の後ろから音がしたような…」
澪「き、気のせいだよな…」
澪「…」
澪「い、一応確認しておくか…」スタスタ
澪「こ、怖くなんかないぞ!お化けなんてこの世にいるわけないんだからな!」
澪「そーっとそーっと…」
???「ワァッッッ!!!!」
澪「うわぁあああ!!!!??」バタッ
澪「」
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201X年 2月16日 AM7:45
律「うはぁ、寝坊しちまった!もうみんな来てるだろうな」ガチャガチャ
律「あれ、開いてないや」
律「なんだよみんなまだ来てないのかよー!練習に対する熱意が不足してるぜ」
律「とりあえず部室のカギをとってくるか」
・・・・・・・・
律「ほいよっととりあえずカギを借りてきましたよっと」
律「…部室前で待機している奴もなしか…まぁ2分ぐらいしか経ってないけどな!」
律「私が一番乗りだぜ!」ガチャ
律「よし!次の誰かがくるまでに当然私がすべきことは…」スタスタ
律「今日のお菓子の確認だな!」ガチャ
律「うひょー、今日はモンブランですか!いいですなー」
律「……」
律「ちょっとだけ味見してもいいかな…」
律「も、もちろん味見するだけだぞ!全部は食べない!…たぶん」
律「一口だけ…」ハッ
律「周りに誰もいないか一応確認しておいたほうがいいな…」キョロキョロ
澪「」
律「大丈夫だ。澪がいたけど倒れてる、よって問題はない」
律「…え」
律「ってみおー!な、なんで倒れてるんだ!大丈夫か!!」
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唯「でさー、憂がさー」
梓「はい」
みおー!!
唯「?りっちゃんの声だ…」
梓「なんかただごとではない雰囲気ですね…急ぎましょう、唯先輩」
唯「うん!」タッタッタ・・・
ガチャ
梓「律先輩!何かあったんですか!」
律「あぁ…部室に入ったら澪が、みおが…」
唯「うん」
律「澪が倒れていたんだ」
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201X年 2月16日 AM7:52 保健室
律「先生!澪は大丈夫なんですか!」
先生「えぇ、大丈夫よ。ただ気絶していただけっだったみたいだからね」
律「よかった…」
先生「で、これが澪ちゃんの診断書なんだけど…」
梓「拝見します……なるほど、これによると澪先輩の頭部に殴られたような跡はなかったようです」
律「ま、澪のことだしなー、ゴキブリかなんかを見て気絶しちまったんだろ」
梓「澪先輩は怖がりですからね…」
梓「律先輩、一応澪先輩を発見したときの状況を覚えている範囲でいいので話していただけませんか?」
律「おう、いいぜ!」
律「私が部室に入る前、部室には鍵がかかってたな」
律「で、カギを取りに行って、そして部室に入ったんだ!」
律「そしたら中に澪が倒れてるわけだよ。びっくりするだろー?」
律「思わず叫んじゃったよ。あとは梓たちも知っているとおりだ」
梓「え!?つ、つまりカギがかかっている部室の中に澪先輩が倒れていたわけですか!?」
律「そうだよ。澪もひどいよなー、部室に先に来てるならわざわざ部室のカギも閉めなくていいのに」
梓「…律先輩、澪先輩を発見したときカギは律先輩が持ってたんですよね…?」
律「うん、それがどうした?」
梓「…澪先輩は誰かに気絶させられた可能性があります」
律「!」
唯「あずにゃん、どういうこと…?」
梓「えぇ、澪先輩は持っているはずのものを持っていなかったんです」
梓「澪先輩が本来持っているはずのものとは…その部室のカギです」
律「え?」
梓「考えてみてください。澪先輩は律先輩より先に部室の中にいました」
律「う、うん…」
梓「さらに部室の中には澪先輩以外の人はいませんでした」
律「…まさか!」
梓「そうなんです。澪先輩が先に来て部室を開けたのならカギを持っていなくてはおかしいんです」
梓「そして部室を開けたのが澪先輩でなくその他の先輩で澪先輩が後から来ていたとしても…」
律「そいつが澪を目撃してなきゃおかしいってわけか…」
梓「はい。なので可能性は2つあります。1つは澪先輩のカギを犯人が奪った…」
律「もう一つは澪より先に犯人が澪を待ち伏せしていた、か…」
唯「なるほど…謎は全て解けたよ!」
梓「!いきなりどうしたんですか」
律「随分とはやいな…まぁいいや、君の推理を聞かせてもらおうか唯探偵!」
唯「ズバリ!犯人はりっちゃんです!!」
律「え」
唯「だってりっちゃん、部室のカギを持ってたでしょ?」
律「まぁ、そうだけど…」
唯「それ、澪ちゃんから取ったものなんじゃない?」
律「!何をいうか唯隊員!このカギは職員室から借りてきたんだ!」
唯「そ、そうだったの…」
梓「(つまり澪先輩を気絶させたあと犯人は職員室にカギを返しにいったわけか)」
梓「職員室に行ってみましょう」
唯「え?」
梓「先生がカギを返しに来た人を目撃している可能性があります」
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201X年 2月16日 AM8:01 職員室
律「よし、さっそく先生に聞いてみようぜ」
梓「わかってますよ……すみませーん!」
教頭「何かな?」
律「あれ?今は教頭先生しかいらっしゃらないんですか?」
教頭「あぁ、今は別室で職員会議中だからな」
梓「教頭先生は出席なさらないんですか?」
教頭「私は残って生徒たちの相手をしろということだそうだ」
梓「なるほど」
教頭「で、何用かな?」
梓「あ、今日職員室にカギを返しに来た人をみていませんか?」
教頭「カギというと…音楽室のカギのことですかな?」
律「!よくわかりましたね」
教頭「まぁ今日はまだそのカギしか借りられてませんからな」
梓「それで、カギを返しに来た人は…」
教頭「いや、見てませんな。ずっとここにいたわけじゃありませんからな」
梓「そうですか…」
教頭「いやでも借りに来た人は覚えてますぞ!」
梓「!それは誰ですか!」
教頭「あなたと」
律「!」
教頭「そして秋山澪さんですよ」
教頭「澪さんが借りにきて、数分後にあなたが借りにきたからよく覚えてますよ」
梓「!!(澪先輩は、律先輩より前にカギを使って部室に入ったということか!)」
律「で、でもよく澪のことをご存じで…」
教頭「まぁあの子ファンクラブも持っているみたいだし…」
律「あぁ…」
教頭「いろんな意味で有名ですからな!」
梓「(いろんな意味ってなんですか!)」
教頭「あぁそうそう…あとおそらくあなたと澪さん以外にカギを借りに来た人がもう一人います」
梓「!」
律「えっ!?」
教頭「澪さんがカギを借りにくるまえにも音楽室のカギがなくなっていたんですよ」
梓「(てかそうするとこの人結構職員室から離れてますよね…)」
教頭「でも職員室を離れるといっても一回三分ぐらいですぞ!仕事をさぼっているわけじゃあない!」
梓「!?(心の中を読まれた!?)」
梓「(でもそう考えると……律先輩と澪先輩以外にもカギを借りに来た人がいたわけか…)」
教頭「もうよろしいですかな?」
梓「あぁ、結構です。どうもありがとうございました」
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201X年 2月16日 AM8:10 保健室
紬「あ!りっちゃんたち!さっき学校に来たばかりなんだけど澪ちゃんが倒れたって…」
律「ただの気絶みたいだぜ」
紬「そう…よかった…」
律「しかし犯人は誰なんだろうなー?」
紬「え!?犯人!?澪ちゃんはただ気絶しただけじゃ…」
律「それがそういうわけじゃなさそうなんだよな?なぁ梓?」
梓「はいです。澪先輩はおそらく何者かによって気絶させられました」
紬「そんな…」
律「うーん…でも教頭先生もカギを返しに来た人を見てなかったしなー」
唯「犯人が誰かはまだ全然わかりそうにないね…」
律「でも犯人が澪より後に来て澪を気絶させたのは確実だろ?だったら澪に直接聞くほかは…」
梓「待ってください」
律「え?」
梓「本当に犯人は澪先輩の後に来たんでしょうか」
梓「教頭先生も言ってましたよね、澪先輩の数分後に律先輩がカギを借りにきたと」
律「あ、あぁ…」
梓「その数分間の間に犯人が澪先輩を頭などを殴らずに気絶させられるでしょうか?」
梓「さらにカギを返しにいく時間も必要です。犯行可能時間はこれよりもっと短かったはず…」
律「で、でもその時しか澪を気絶させられる時間はない!」
梓「そうなんです。その時しか澪先輩を気絶させられるチャンスはないんです」
梓「つまり…犯人は何か澪先輩が来る前に下準備をしていたんじゃないでしょうか」
律「でもそんなことをする時間なんて…あっ!」
梓「そうです。澪先輩が来る前にもう一人、部室に入っている人がいます」
律「つまりそいつが…犯人!」
梓「その可能性は高いと思います」
律「なるほど…!」
梓「もう一度部室に行ってみましょうか、何か手がかりが残っているかもしれません」
律「そうだな…よし!唯!ムギ!ちょっと部室に行ってくるぜ!」
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律「で、部室に来たわけだが…梓、何かありそうか?」
梓「いえ、今のところは…」
律「それにしてもすごく高そうだよなー」
梓「はい?」
律「この食器だよ。ムギも毎日お菓子持ってきてくれるしやっぱお金もちなんだろうなー」
梓「なんですか今更…」
律「いや、私は感謝しているのだよ!ムギに!毎日お菓子持ってきてくれてな!」
梓「そういうのはムギ先輩に直接言ってくださいよ…」
律「お菓子と言えば…今日のお菓子はモンブランだったな」
梓「え?」
律「そしてつまみg…ゲフンゲフンしようとしたら澪が倒れてるんだもんなー、ビックリだぜホントに」
梓「律先輩!」
律「いや!してないぞ!つまみ食いなんて!本当に!」
梓「お手柄です」
律「え?」
梓「さぁ戻りますよ、保健室に」スタスタ
律「えっ?ちょっと、梓ー!」
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201X年 2月16日 AM8:18 保健室
唯「もうすぐ授業始まっちゃうね…」
紬「そうね…そろそろ教室に行こっか?」
唯「放課後までには澪ちゃん…よくなるといいね」
紬「大丈夫。きっとよくなるわ」
紬「じゃあ、行きましょうか」
梓「ちょっと待ってください」
唯「あ、りっちゃんとあずにゃん!もうすぐ授業始m」
梓「澪先輩を気絶させた犯人が分かりました」
唯「え…!」
紬「…」
唯「だ、誰なの、それは!」
律「その前にこれを見てもらおうか」
唯「!モンブランだね!おいしそー…くれるの?」
律「食べるのは放課後な」
唯「ぶー」
紬「で、そのモンブランがどうしたの?」
梓「これを持ってきたのはムギ先輩、あなたですよね?」
紬「そ、そうだけど…」
梓「でもそうするとおかしいですねー」
紬「な、何がよ…」
律「さっきムギ保健室に来た時、学校に今来たばかりって言ってたよな?」
紬「…」
梓「でもそんなはずありません。なぜなら律先輩が来た時にこのモンブランはすでに部室にあったんですから」
紬「!」
律「おかしいよなー?今来たばかりの人が持ってきたお菓子が何十分も前に目撃されてるんだもんな」
梓「ムギ先輩?どうしてこんな嘘をついたのでしょう?」
紬「…」
梓「答えないのなら私が理由を示しましょう。それはあなたが犯人であるから」
紬「!!!」
律「自分に疑いを向けられたくないからウソをついた。違うか、ムギ?」
梓「…ムギ先輩、部室に入ったんですね?」
紬「…確かに今日は澪ちゃんより前に来て部室に入ったわ」
律「つまりカギを借りにきた第三の人物はムギだったってわけか…」
紬「でも梓ちゃん、一つ忘れてない?」
梓「何をでしょう?」
紬「澪ちゃんがカギを借りにきたってことはカギは返却されていたってことよね?」
梓「そうなりますね」
紬「それなのにどうしてわたしが部室に残ることが可能だっていうの?」
梓「なるほど。部室に残りましたか」
紬「え?あ!しまっ…!」
梓「そして部室にのこって下準備をした…」
紬「で、でもさっき言ったように私が残るのは不可能だわ!」
律「それは共犯者が…!」
紬「言っておくけど私に共犯者なんていないわよ!」
律「ぬ…!」
梓「部室に来てるならわざわざカギなんてしめなくていいのに」
紬「え?」
梓「律先輩の言葉です。律先輩、これはどういう意味でしょうか?」
律「どうもこうもあの時私は澪が内側からカギをしめたと思って…あっ!」
梓「それです!カギを閉める方法は一つだけではなかったんです!」
梓「つまり…こういうことです」
梓「まずムギ先輩はカギを開け、お菓子を置いた」
梓「そしてそのままカギを閉めずに職員室にカギを返しに行った」
梓「最後に部室に戻って内側からカギを閉めた…」
梓「このようにして密室を作りだしたんです!」
梓「いかがですか、ムギ先輩」
紬「うふふ…」
律「ムギ…?」
紬「たいした推理ね、梓ちゃん」
梓「はい」
紬「わかったわ。百歩譲って私が部室に残ったとしましょう」
紬「でもどうやって私は澪ちゃんを気絶させたっていうの?」
紬「梓ちゃんによると数分間で頭を殴らずに澪ちゃんを気絶させるには下準備が必要だそうだけど」
紬「じゃあその下準備ってのは何だったていうの!?それが答えられるかしら!?」
律「そ、それは…」
紬「私がどんな手口を使って澪ちゃんを気絶させたかわからないようじゃ話にならないわね!」
律「くっ!」
梓「では、こう考えてみるのはどうでしょうか?」
紬「え?」
梓「澪先輩を気絶させた手口ではなく、どんな手口なら澪先輩を気絶させられるか」
梓「澪先輩は周知の通り怖がりです。驚かせられれば気絶させるのはたやすい…」
梓「そして律先輩はこんなことを言っていました」
梓「カギを開けて入った部室の中に澪先輩が倒れていてびっくりした」
梓「それはなぜですか、律先輩?」
律「それはだってカギがかかっている部室の中に人がいるなんて思わないだろ、ふつう」
律「…あっ!」
梓「そうです。同じことだったんです」
梓「澪先輩は部室で本来はいるはずもない人に驚かされたんです!」
紬「!!!」
梓「おそらく、こういうことだったんでしょう」
紬「…やめて」
梓「部室に残ったムギ先輩はどこか物陰に…隠れた」
紬「やめて」
梓「そして部室に入ってきた澪先輩を驚かせて気絶させた」
紬「やめて!」
梓「そして澪先輩からカギをうばいとり」
紬「やめて!!!」
梓「……」
紬「……」
梓「…話していただけますか、ムギ先輩」
紬「…わかったわ」
紬「正直にいうと、ちょっとした思いつきだったのよ」
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紬「私が一番乗りねー♪」
紬「お菓子を置いてと…さてみんなが来るまで練習を…」
紬「!いや、やめにしましょう。いいこと思いついたわ」
紬「そうと決まれば早速準備開始よ!」
五分後
紬「カギを閉めて…と」ガチャ
紬「あとは食器棚の後ろにでも隠れて最初に来た人をびっくりさせちゃうわー♪」
紬「私、人を驚かせるのが夢だったのー♪」
数分後
スタスタ…
紬「!(誰か来たわ!)」
澪「まったく、朝練やるから来いっていったのは律なのに結局私より来るのが遅いんじゃないか…」ガチャ
澪「はぁ、誰かくるまで練習でもしてるか…」スタスタ
ガサッ
澪「!?」
澪「い、いま食器棚の後ろから音がしたような…」
澪「き、気のせいだよな…」
澪「…」
澪「い、一応確認しておくか…」スタスタ
澪「こ、怖くなんかないぞ!お化けなんてこの世にいるわけないんだからな!」
澪「そーっとそーっと…」
紬「ワァッッッ!!!!」
澪「うわぁあああ!!!!??」バタッ
澪「」
紬「って澪ちゃん!大丈夫!?」ユサユサ
澪「」
紬「そ、そんな…!」
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紬「気が付いたら澪ちゃんが持っていたカギを取って、部室から逃げていたわ」
律「なんで今まで黙っていたんだ、ムギ?」
紬「なかなか言い出す勇気がなくて…」
紬「それに」
律「?」
紬「実はこうやって言い逃れる犯人も、やってみたかったの」
梓「…一つ聞かせていただけますか?」
紬「何かしら?」
梓「ムギ先輩が部室に入っているとわかったとき、なぜ嘘をつかなかったのでしょう?」
梓「具体的に言えばその時他の人物を目撃したと嘘をついていれば、その人を犯人に仕立てられたかもしれません」
梓「私たちにそれを否定するだけの根拠はありませんでしたからね」
梓「しかしムギ先輩はそうしなかった。なぜでしょう?」
紬「理由は簡単。そんなことしたら他の人が疑われちゃうでしょ?それに…」
紬「…誰かに暴いてもらいたかったの」
律「え?」
紬「澪ちゃんを気絶させてそのまま逃げちゃったけど、正直怖かったの」
紬「真実が明らかになってしまうことが。そして、真実が明らかにならなかった時のことが」
紬「苦しかったわ。真実がばれてしまうかもしれない。でもそうでなかったら私は澪ちゃんを気絶させて逃げてしまったことを背負い続けなければならない」
紬「そういう葛藤があったからこそ、こういう形でしか真実を明らかにすることができなかった…」
紬「本当に自分勝手だと思っているわ…ごめんなさい、みんな」
梓「しかしどんな形であれ真実は明らかになりました…」
梓「その真実、伝えるべきではありませんか?」
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放課後
澪「…ん」
律「!澪!!わかるか!」
澪「ん…りつ…わたし」
律「ほっ…よかった……本当に…よかった…」
澪「あはは…ごめんなりつ…朝練の時ムギのお化けを見て気絶しちゃったんだ…お化けなんているはずないのに…怖がり、治さなくちゃな」
澪「ムギもごm」
紬「ごめんなさい澪ちゃん!」
澪「…?どうしてムギが謝るんだ?」
紬「実は…」
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唯「大丈夫かなぁムギちゃん、うまく言えたかなぁ」
梓「ムギ先輩なら、大丈夫なはずです」
唯「そうだよね!」
梓「それに、ほら、これ…」
唯「…モンブラン?」
梓「保健室に行きましょう」
ガチャ
澪「そうだったのか…でも、いいよ。わざとやったわけじゃないんだし」
紬「ゆるして…くれるの…?」
澪「当たり前だろだって私たちは…」
澪「仲間じゃないか」
紬「澪ちゃん…!」
梓「真実を話せたようですね」
紬「梓ちゃん…真実を暴いてくれた梓ちゃんのおかげよ」
梓「それはともかく…ムギ先輩、これを」
紬「…モンブラン!」
梓「一緒に食べましょう。私たちは仲間なんですから」
紬「!!」
紬「(ありがとう梓ちゃん、そして…みんな!)」
紬「みんなー今日のおやつはモンブランよー♪」
おわり
No.2
澪「夢か…」
・・・・・・・・
律「澪、お前のベースは私が預かった。返してほしくばキャベツ十個と逃走用の三輪車を今すぐ用意しろ」
澪「そんな無茶苦茶な…!」
律「用意できなければエリザベス(澪のベースの名前)に抱きついたり一緒に寝たりしちゃうぞ!」
澪「うわぁああ!やめろ!エリザベスは私だけのものだ!」
警察「田井中律に告ぐ!ここは完全に包囲されている!おとなしく投降しなさい!」
律「いやだ!私はエリザベスと一緒に寝るんだ!」
右京「まだ分からないんですかッ!!」
律「!?右京さん!?」
右京「そのベースは澪さんのものであなたのものではありませんッ!!」
右京「いつまでも子供のようにわがままを言うのはやめなさいッ!!!」
右京「第一、ベースと一緒に寝たら…」
右京「ベースに傷がついてしまいますよ…」
律「…」
澪「(え…私いつも一緒に寝てたんだけど)」
亀山「右京さん!逃走用の三輪車の準備できました!」
右京「そうですか…田井中さん、ここで逃走するのもあなたの自由です。しかし…」
右京「そのベースはあなたのものでないという事実は変わらないんですよ」
律「うわ!うわぁあ!!!!」ダッ!
亀山「!秋山さん!危ない!」
澪「ぐふっ…!」
亀山「くそっ!千歳飴か!!」
右京「秋山さん!!大丈夫ですか!!!」
澪「う、うう…(意識が…もうろうとして…)」
律「あ…私は…なんてことを…」
右京「救急車!救急車をッ!!」
澪「りつ…私からの最後のお願いだ…」
律「みお、いやだよ…!」
澪「エリザベスのこと…大切にしてやってくれ…」ガクッ
律「みおーッ!!!!」
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澪「」ハッ
澪「夢か…」
澪「まぁいろいろツッコミたい夢だったけど…まだ眠たいな…もうひと眠りくらいできそうだ」
澪「ほんと、なんだった…んだ…あの…ゆ……」
澪「zzz」
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紬「今日のお菓子はケーキじゃないわよー♪」
唯「えっ!?じゃあなになに!?」
律「クッキーか?」
紬「違うわー♪」
唯「じゃあビスケット!」
紬「ノンノン♪」
梓「じゃあ意外に明太子とかですか!?」
紬「いいえ(明太子って…)」
律「うーん、さっぱりわからないな…ムギ!ヒントだけでもくれよ!」
紬「わかったわー♪固いものを舐めるってことがヒントかしらねー♪」
梓「ブー!!」
律「ちょ!なんだよ梓!きったないなぁ…」
梓「すみません…」
梓「しかし!ムギ先輩!!固いものを舐めるなんて!それがおやつというのはいささか問題がありすぎ
ます!!」
紬「?そうかしら?」
梓「あたり前です!!第一誰のものを舐めるんですか!!!」
紬「えっ?澪ちゃんのだけど?」
梓「えっ」
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澪「」ハッ
澪「飴か…」
澪「固くて舐めるものといったらやっぱり飴だよな」
澪「明日みんなにあげようと持っていくつもりだったけど忘れてたよ」
澪「忘れないうちにカバンに入れておくか…」ゴソゴソ
澪「…さて、まだまだ眠気も睡眠時間もたっぷりあるな」
澪「二度寝ならぬ三度…寝…を……」ウトウト
澪「zzz」
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憂「みなさーん、ご飯できましたよー!」
唯「はーい!」ダダダッ
唯「…うわぁ!すごい豪華だねぇ!」
憂「軽音部のみなさんが来ると聞いたから頑張っちゃった」
律「それにしてもすげえなこりゃ…唯、毎日こんなのが食えるなんてお前は幸せものだぞー!」
唯「えへへ…自慢の憂だよー」
梓「でも憂…何か足りなくない?」
唯「えー!ハンバーグもエビフライもコロッケもから揚げもあるよ!何が不満だっていうのさ!」
律「おまけにサラダに漬物に味噌汁にジュースまであるぞ!!まさに至れりつくせりって感じだぞ!!」
憂「梓ちゃん、それでも足りないものがあるの…?」
律「わかった!レモンじゃないか?」
梓「え?」
律「きっと梓はフライにかけるレモンが足りないと思ったんじゃないか?よし!ここは梓のためにレモン
を2、3個…」
梓「そんなにいりませんよ!…それにもっと重要な何かがないというか…」
唯「わかった!七味唐辛子じゃない!?きっとあずにゃんはあらゆる食材に七味唐辛子を…」
梓「そんなことしません!!てか私クレーマーみたくなってきてるじゃないですか!」
律「うーん、でも憂ちゃんの料理に欠点なんか…」
憂「あー!!!」
唯「!憂!どうしたの!?」
憂「みなさんごめんなさい!その…コンセントが抜けてて…」
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澪「」ハッ
澪「米か…」
澪「確かにおかずがたくさんあってもお米がなくちゃ宝の持ち腐れだよな」
澪「ごはんはおかずとはよくいったものだよ」
澪「…一応炊飯器を確認しておくか、朝ご飯が炊けなかったら大変だ」スタスタ
・・・・・・・
澪「さ、まだ時間はある。もう一眠りするか」
澪「私ってけっこう、寝つき…いい…よな……」ウトウト
澪「zzz」
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律「おい唯!あそこの家のも上に上っていってるぞ!」
唯「本当だー!」
唯「りっちゃん!あそこのお家のも!」
律「上に上っていってるな…」
唯「あずにゃんの家のも…!」ガララッ
梓「!!キャー!!…って唯先輩じゃないですか!寒いんで早く閉めてください」
律「…やっぱり上に上がってるな」
唯「だね」
梓「何のはなしですか!なんでもいいから早く閉めてくださいよ!!」
唯「…あひるさんだね」
律「梓も意外と…」
梓「いいじゃないですか別に!早く帰ってください!」ピシャッ
律「…はぁ、カップラーメンでも食べるか」コポポ
唯「…やっぱり上がってくね」
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澪「」ハッ
澪「湯気か…」
澪「周りの空気よりも湯気は軽いから上がっていくんだ」
澪「…そんなこと言ってたら私もお風呂に入ってきたくなったぞ」
澪「ちょっと入ってくるか…」
・・・・・・・
澪「はー、さっぱりした…」
澪「まだ時間あるのか。今日は時間がたつのが遅い気がするな」
澪「少しベットで横になってるか…」
澪「(詩でも考えよう。大切なあなたにカラメルソース。グラニュー糖に…)」ウトウト
澪「zzz」
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澪「梓に体育館裏に呼び出されたけど何の用だろう?」スタスタ
梓「あ!澪先輩…!来てくれたんですね」
澪「大切な後輩の頼みだもん…断れないよ」
梓「あのっ!わ、わたし!今日は澪先輩に伝えたいことがあって!!」
澪「うん。(梓のクッキー、私が勝手に食べちゃったことじゃないよな…?)」
梓「あの!す、好きです!澪先輩!付き合ってください!!!!」
澪「え」
正直驚かなかった。
むしろ、こんなことだろうと思っていたんだ。
放課後に体育館裏なんて、バレバレなんだよ。
まぁ、そういうところも可愛らしい。
そして、私も梓のことが…!
澪「何やってるんだ」ゴンッ
律「好…イデー!!」
梓「律先輩…見てたんですか…最低です…」
律「ごめんなー?」
澪「私も梓のことが好きだよ」
梓律「!?」
梓「ちょっ!澪先輩!律先輩がいるのに!!」
澪「何言ってるんだ。そんなに恥ずかしがることじゃない」
梓「でも女同士だし…」
澪「だから何だっていうんだ。お互いが好きならそれでいいじゃないか」
澪「梓は私が好きといってくれた。だから私も想いを伝えるよ」
澪「私も梓が好きだ。そしてこの事実に気後れする必要なんてないんだ」
梓「み、みおせんぱーい!!」ダキッ
澪「よしよし」
律「うんうん」
紬「キマシタワー!!!!!!!!」プッシャアア
澪梓「キャッキャウフフ」
その後、澪と梓は幸せに暮らしましたとさ
後半へ続く
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澪「」ハッ
澪「百合か…」
澪「てか最後の後半へ続くで全部台無しじゃないか」
澪「でも…悪くない夢だったな…」
澪「…えへへ…うへへへ///」
ガチャ
澪母「澪ちゃーん、お風呂の電気消し忘れてたから気を…」
澪「」
澪母「つけてね…それじゃあね」バタン
澪「」
澪「」ハッ
澪「夢…じゃないよな」
澪「こんなときはもう寝ちゃお寝ちゃお寝ちゃおー!!」
澪「(まったくママもノックぐらいしてくれよ!)」
澪「(朝起きたら言って…やらなく…ちゃ……)」ウトウト
澪「zzz」
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唯「りっちゃん隊員!しりとりをしましょう!」
律「おう!いいぜ!みんなもやるぞ!」
唯「じゃあ私からね……りんご!」
律「唯は本当に食べ物好きだなー…ゴム!」
梓「うわ律先輩!言葉を慎んでください!」
律「何がだよ」
梓「まったく、ゴムだなんて……、虫めがね!」
紬「次は私ねー♪えーと…猫じゃらし!」
澪「梓にぴったりだな!」
梓「やめてください澪先輩///」テレテレ
澪「私の番か…し…終焉!」
澪「あ」
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澪「」ハッ
澪「終わりか…」
おしまい
今日はこれで終わりです
お疲れ様でした
No.3
紬「みんな〜お茶の時間よ〜」
紬「ささっ、みんなケーキもどうぞ〜」
紬(うふふ…実は今日の5つのケーキの中には1つだけ琴吹家が新開発した無色無臭のからしとマスタードが大量に練りこまれたものが混ざってるのー♪)
唯「かぼちゃケーキかぁ…」ヒョイ
梓「おいしそうです」ヒョイ
律「うまそうだな」ヒョイ
澪「……練習」ヒョイ
紬(うふふふふ……誰が当たるかしらー♪)
唯「おいしー♪」モグモグ
律「うめー」ガツガツ
澪「そんなにがっつくなよ律(おいしいな…)」パクパク
梓「たまにはこういう味もいいですね」ムシャムシャ
紬「…」ニコニコ 唯律澪梓「…」モシャモシャ
紬(…………あれ?これって……)
紬(まさか……!からしケーキが選ばれないというのは想定外だったわ……!)
律「ムギもケーキ食えよー」
梓「一緒に食べましょう」
紬「え…、いや…、うふふふふふふふふふ………………あ!今日はあんまりお腹空いてないかな…なんて…」
律「えー…でもムギ今日昼飯忘れたんじゃなかったっけ?」
紬「あ…(そうだったわ…)で、でも、朝ごはん食べすぎちゃったかr」ギュルルルル
澪「……今のムギの腹の音だよな?」
紬「……そうです」
唯「やっぱりお腹空いてるじゃん!さぁ、一緒にケーキを食べよ!」
紬「…う…うん(どうしましょう)」
澪「なんでそんなに遠慮してるんだ……?」
律「あ!まさか」
澪「なんだ律」
梓「ケーキおいしいです」
律「ムギ、もしかしてダイエットを始めたんじゃないか…?」
紬(!チャンスキマシタワー!)
紬「じ、実はそうなの!最近食べすぎちゃってたから!」
澪「そ、そうなのか…(私もダイエットするべきかな…)」
紬「そ、そういうわけだから!今日はケーキいらないの!」
唯「なのにケーキを5切れも持ってきちゃうなんてムギちゃんもおっちょこちょいだね〜」
紬「うふふふ……(危なかったわ…なんとか危機は乗り切ったみたいね)」
律「じゃあ私がムギのケーキもらおうかな!いいよな?」
紬「!!(そ、それは……)」
律「いただきまーす」
紬「ま、待って!!」
律「へ?」
紬「いや…、あの…そのぅ…(本当はロシアンルーレットみたいで楽しみだったのに、セーフだった人に本来
自分が被らなければならないはずのハズレをあげるのは罪悪感がすごいわ……)」
唯「そうだよ!私も食べたいよ!」
律「何をぅ!?私のケーキを奪うというのか唯隊員!」
唯「こうなったらじゃんけんで決着をつけるしかないようだね…」
律「望むところだ!」
紬(ハズレのからしケーキをめぐって争うなんて…!なんて無益な戦いなの…!
どうするの!私!真実をバラした方がいいの!?どーすんのよ私!どーすんのよ!?)
唯「覚悟はいいかな…りっちゃん」
律「おう!やってやるぜ!」
唯「じゃーんけーん…」律
唯「ポン!!」律
唯「やったぁああああ!」
律「ぬぬぬ…!」
梓「唯先輩がパーで律先輩がグーなので唯先輩の勝ちなのにゃん」
紬(!そうだわ!実は私もじゃんけんに参加しててチョキを出してましたー♪
とかいえばさっきの勝負はあいこになって無効試合となって…)ブツブツ
澪「zzz」
律(ムギのやつピースなんかしてなにしてんだ…?)
梓「ケーキうまいです」
唯「じゃあ、じゃんけんにも勝ったしケーキを食べさせてもらうよ! いただきm」
紬「うわぁあああ!」
唯澪律「!?」 梓「ケーキデリシャスです」
唯「な…なに…?」
紬「いや、あの……私絶叫するのが夢だったのー♪(思わず叫んでしまったわ…)」
律「なんだそれ」
唯「なーんだ…ビックリさせないでよー…
気をとりなおしてケーキをたべなきゃね!今度こそいたd」
紬「!あぁあああ!!」
唯澪律「!!!?」
梓「ケーキまいう〜です」
律「な、なんだ!?今度は!?」
紬「あ…あのぅ…えと…」
澪「今日はムギどうしたんだ?」
唯「きっとケーキが本当は食べたいんだよ!まぁ私がムギちゃんの分まで食べてあげるよ!」パクッ
紬「!!!」(終わった…何もかも…さて、救急箱はどこにあったかしら)
唯「おいし〜♪」 律「よかったなー」 梓「ケーキうめー」
紬「!?」(そ…そんな!そのケーキがおいしいわけないわ!
私がからし入りケーキを入れ忘れたのかしら…?そんなことないと思うけど…?)
紬「唯ちゃん、そのケーキ一口だけたべてみてもいいかしら?」
唯「いいよー!一口くらいならダイエットにも影響しないよね!じゃんじゃん食べなさい!」
紬「ありがとう」パクッ
紬「…おいしいわ(どうなっているのかしら…)」
梓「ふぅ…今日のケーキはほどよく辛くておいしかったです!」カチャ
紬「え゛」
No.3完
ムギちゃんごめんね…
No.4
紬「焼きそば」
とある休日
憂「(わ!このぬいぐるみもかわいいなー)」
憂「(お姉ちゃんにプレゼントしたら喜ぶかな…)」ジー
スタスタ…
憂「(ん?あれ?)」
憂「(今紬さんがいたような…)」タタタッ
憂「あれ?いない…見間違いだったのかな…?」クルッ
紬「わっ!」
憂「きゃ!」
憂「て、紬さん!」
紬「うふふ、憂ちゃんを見かけたからお話しようと思ってたの」
憂「はぁ…(紬さんはおしとやかだけど子供っぽい部分もあってかわいいな///…)」
憂「でも紬さんとこんなところで会うなんて意外です。今日はお一人なんですか?」
紬「ええ、たまには一人でお出かけするのもいいかと思って、いろいろなお店を回ってきたの」
憂「…で、その両手いっぱいの荷物ですか…」
紬「実物を見るとついついいろいろ買いたくなっちゃって♪」ドッチャリ
憂「あはは…」
憂「!そうだ!紬さん、私これからスーパーに行くんですけど一緒に行きませんか?」
紬「もちろん、ご一緒させてもらうわ」
紬「私スーパーとかあまり行ったことがないから凄く楽しみ!」
憂「じゃあ、行きましょうか」
紬「うん!」
紬「わぁー…ここがスーパーなのね!果物にお魚にお菓子に調味料に日用品に…何でも揃っているわ!!」キラキラ
憂「はい」
紬「まぁ!2リットルのお水が88円ですって!こっちではティッシュペーパーが5箱で195円!さらにポ
イントまでついてくるの!?なんてお買い得なの…!」
憂(紬さん、楽しそうだな…)
紬「憂ちゃんは今日何を作る予定なの?」
憂「はい、肉じゃがを作ろうと思うのでジャガイモとか牛肉とか玉ねぎを買おうと思ってます」
紬「毎日献立を考えてるの?」
憂「はい。栄養バランスを考えて献立を組むのが楽しいんです」
紬「いいわね、そういうのなんだか憧れちゃう…」
憂「紬さんはお料理とかはしないんですか?」
紬「時々はするのだけど…普段はうち専属のシェフの方が作ってくださるから…」
憂「そうなんですか…(やっぱりお嬢様だなぁ…)」
紬「あ!」
好物の文字が目に入り紬は思わず声を上げた
憂「どうしたんですか?」
憂は不思議そうな顔で紬の方を向く
紬「見てみて!焼きそばって書いてあるわ!」キラキラ
『焼きそば』の文字を確認し 紬は目を輝かせた
憂「あぁこのカップ焼きそばのことですか」ヒョイ
紬「…?屋台で売っている焼きそばとは違うわね…」
首をかしげる紬にちょっとおかしさを覚えつつ 憂は説明を加える
憂「これはカップ焼きそばですから。インスタントラーメンみたいなものですね」
紬「!てことはいつでもどこでも食べられるの!?」
驚きのあまり 紬は身を乗り出して憂に質問した
憂「まぁお湯さえあれば…」
憂は少し驚きながらも 答える
紬「まぁ…!」キラキラ
感心のあまり 紬は無意識に叫んでいた
紬「すいませーん!ここにあるカップ焼きそば、全部ください!!!」
店員「え!?」
憂「ちょっ!?紬さん!?」
・・・・・・・
憂「たくさん買いましたねー?」
紬「うん。十個くらい買っちゃった」
こうしてみると 紬は本当に焼きそばが好きなようだった
世間話を膨らませていると いつの間にか商店街の終わりにまで来てしまっていた
紬「じゃあ憂ちゃん、ここでお別れね 今日は楽しかったわ」
憂「私も紬さんと一緒に買い物できて楽しかったです!」
そういった後 二人は顔を見合わせて微笑んだ
紬「じゃあまたね!唯ちゃんによろしくね」
憂「紬さん、さようなら!」
・・・・・・・・・
家に帰ると紬は 早速買ってきた焼きそばの調理に取り掛かった
紬「あぁ…ついにこの時が来たのね!」
紬「まさか焼きそばが食べられるなんて…!」
感動のあまり 思わず声が漏れてしまう
斉藤「紬お嬢様。お湯の準備ができました」
執事の斉藤も 張り切ってお湯を沸かしてくれた
紬「ご苦労さま。そこにお湯を置いて頂戴」
斉藤「かしこまりました」
調理を前に 気合いを入れなおす
紬「これで準備は万端ね…頑張って作りましょう!」ベリリッ
フタを開けると 様々な袋が入っていることに気づいた
紬「あら!かやくは別の袋に入っているのね!」
箱の側面の注意書きもよく確認する
紬「…ふむふむ、お湯を入れる前に入れてくださいと書いてあるわ、早速入れましょう!」
紬「しゃらんらしゃらんら〜」バララッ
鼻歌を歌いながら紬はかやくを入れていった
紬「!ソースも別なのね!」
再び注意書きを確認する
紬「えーとソースは…お召し上がりの直前にかけるのね!わかったわ!」
紬「じゃあお湯を入れて3分待ちましょう」コポポ
最後の仕上げとばかりに紬は丁寧にお湯を注いだ
三分が経過した
再び注意書きを確認する
紬「…えーと、三分たったらお湯を捨てるのね!」
完成を間近にし 紬の頭にはできたての焼きそばが浮かんでいた
しかし、そこには油断も生まれていた
紬「しゃらんらしゃら…」ドバッ
ボトッ
紬「あ」
紬「」
翌日
紬「…ていうことがあったの」ズーン
紬は昨日の出来事をかすれるような声で話した
澪「あぁ…湯切りの時麺をシンクに落としちゃったのか…」
澪はうんうん、とうなずき共感のそぶりを見せる
律「まぁ、そう落ち込むなって。誰もが一度は通る道だよ」
律も紬を励まそうとする
澪「律なんかコンビニで買ったカップ焼きそばを外で湯切りして地面に麺を落としてたからな」
律「う、うっせーし///」
紬「うふふ…」
澪と律のやりとりを見て 紬も少し元気を取り戻した
唯「そういえば昨日は憂と一諸に買い物したんだって、ムギちゃん?いいなー、私も行きたかったよ」
唯は昨日 憂から聞いたことをうらやましそうに話した
紬「うふふ…今度は一緒に行きましょ?唯ちゃん」
昨日のことを思い出し さらに紬には元気が湧いてきた
律「!そうだ!そういえば近所に新しいやきそば屋さんがオープンしたんだった!ムギ!みんな!行ってみないか!?」
突然、律が提案をする
紬「!?本当!?いいの!?是非!!行きましょう!!」
律のはからいは 紬が元気を完全に取り戻すには十分すぎるものだった
唯「ムギちゃんノリノリだね〜」
澪「ほんと…楽しそうだよな」
律「よーし!そうと決まればしゅっぱ〜つ!」
紬「おー!」
拳を高く上げ 紬は叫んだ
紬が叫んだ後 少し遅れて扉が開く音がした
梓が小走りで部室に入ってくる
梓「申し訳ありません!遅くなりました!」
梓の入室もおかまいなしに 律は扉に向かって歩き始める
律「よーし梓も行くぞー、焼きそば屋さん」
梓「えっ!?ちょっ…練習は!?」
梓の素っ頓狂な声が部室に響いた
終
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