【だがしかし】第ssかし:赤べー黒べー (13)


シカダ駄菓子

ココノツ「急に寒くなってきたなー」

ココノツ「ちょっと早いけどストーブ出すかなー…ん?」

ほたる「…」

ココノツ(う、うわぁ~、この寒いのに半袖で店の前に立ち尽くしてるぅ~)

ほたる「…」

ココノツ「どうしたんですかほたるさん」

ほたる「…寒い」

ココノツ「でしょうね!」


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店内


ほたる「はぁ~」

ココノツ「これ、毛布貸しますんで」

ほたる「ありがとうココノツくん…いやぁ、暑かったり寒かったりしたから今日は寒いんじゃないかって思ったら」

ほたる「このざまよ!!」ニパー

ココノツ(なんで嬉しそうなんだこの人…)

ココノツ「あ、何か用があってきたんですよね?」

ほたる「…ココノツくん…今日は何日かしら?」

ココノツ「今日…?10月31日…」

ココノツ「はッ!!」

ほたる「そう!今日はハロウィーンなのよ!!」


ココナツ「ああ、だからその頭の奴(角みたいなの)つけてるんですね」

ほたる「そもそもハロウィーンというのはキリスト教の様々な聖人の祝日、万聖節(11月1日)の前夜として位置づけられている物なの」

ココナツ(無視された…)

ほたる「ハロウィーンの原型となる行事は、古代ケルト人のドルイド教でおこなわれていたと言われているわ」

ほたる「古代ケルト人は、夜になると死神サムハインが邪悪な霊をよびおこすと信じていたの。こうした不吉な霊を撃退するために、ドルイド僧たちはハローウィーンに大きなたき火をおこすことを習慣にしていたの」

ほたる「この伝統は今日もスコットランドやウェールズにのこっており、こういった理由でハローウィーンに幽霊や魔女が姿をあらわすとされているのよ!!」

ココノツ「…!!」

ココノツ「………!!!」

ココノツ「つまりハロウィーンとはドルイドがサムハインなんですね?」

ココノツは考える事を放棄した


ほたる「そんなのはまあどうでもいいのよ」角ポイー

ココノツ(捨てた…)

ほたる「トリックオアトリートよ、ココノツくん」

ココノツ「…?」

ほたる「お菓子くれなきゃイタズラするわよ」

その時、ココノツのエロセンサーに電流走る

ココノツ(っぶねー!!危うくイタズラ選ぶとこだったー!!)

ココノツ「ま、まぁ、タダは駄目ですけど、店の商品好きなの半額にしますよ」

ほたる「えぇー!本当ぉー!ココノツくんふとっぱらぁー!!」ヒャッホー

ココノツ「ふぅー…」

ドレニシヨウカナァー

ココノツ(ホント、こうして見てると可愛いんだけどなぁ…)


ほたる「決めたわ!ハロウィーンに相応しい駄菓子を!!」

ココノツ「これは…『赤べー黒べーガム』ですか」

ほたる「ま、もちろんココノツくんならこのガムの真の凄さを知っているでしょう…?」

ココノツ「いや、全然」

ほたる「」

ほたる「」

ほたる(いや、全然!?)

ココノツ「置いてあるのは見たことあるんですけど、ガムならもっと手軽に食べられるのあるんで」

ほたる「」はっ、あまりの衝撃で意識が…

ココノツ「カギカッコの外で喋らないでくださいよ、はい、半額で15円です」


ほたる「知っているかしらココノツくん、この赤べー黒べーガム、実はバラで売っているのよ」

ほたる「ああ、もちろん個包装はされているわ、1個10円で片方の色だけで売っているのよ」

ココノツ「へー、色に何か意味があるんですか?」

ほたる「まぁ見てなさいむぐむぐ」

ほたる「わらひはいまくりょいほうをたべたわ」

ココノツ「何言ってるかわかんないです」

ほたる「ん!ん!!」

ココノツ「ああ、黒い方を食べたと」

ほたる「そにょひょおりよ」

ほたる「そして見なさい!」

ほたる「」べー

ココノツ「う、ウワァー!!!ほたるさんのベロが真っ黒になってるー!!!」


ほたる「どうかしらココノツくん…ハロウィーンにぴったりでしょう!」

ココノツ「へぇー…驚きました」

ほたる「もちろん着色料は使ってるわよ」

ココノツ「聞いてないです…」

ほたる「というかパッケージに「な?んとッ口の中が赤になるガム」「お?っとッ口の中が黒になるガム」って書いてあるじゃない」

ココノツ「…ホントだ」

ほたる「このガム、なんで色が変わる風にしたのか分かるかしら?」

ココノツ「なんだろう…インパクト…?」

ほたる「正解よ」

ほたる「まぁ、正確には「インパクトと面白さを追求して出来た商品」だけどね」

ココノツ「へ~」


ほたる「このガムを製造しているマルカワは他にも10円ガムのレジェンド『フィリックスガム』やガムといえばの『マルカワフーセンガム』なんかもあるわ」

ほたる「でもね、そこで止まっていたら駄目なのよ」

ほたる「1996年、この赤べー黒べーガムが発売された年」

ほたる「駄菓子っていうのはただ美味しいだけじゃ駄目なの」

ほたる「安さだったり面白さだったり、遊びを追求したり」

ほたる「子供達を喜ばせるための工夫が大切なの」

ほたる「それが出来る駄菓子だけが、長く残っていくのよ」

ココノツ「…」

ほたる「私はこの駄菓子屋にも、長く残って欲しいと思ってるわ」

ほたる「駄菓子屋に必要なものを全て兼ね備えた店主がいるから大丈夫そうだけどね」

ココノツ「…」

ほたる「じゃあねココノツくん、また来るわ」


ぴしゃん


ココノツ「…」角ヒョイ

ココノツ「…」クンクン

ほたる「毛布借りていくわねー!!!」

ココノツ「ほぁあ!!!」


終わり

コトヤマ先生のだがしかしは好評連載中です
手品先輩もよろしくお願いします(ダイマ)

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