関裕美「ワンステップス」 (34)
短いですが、アイドルマスターシンデレラガールズの関裕美と森久保乃々と白菊ほたるがメインのSSです
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1428342015
『いつも怒ってると思われてるんだ。そんな私がアイドルなんて……』
『プロデューサー、私、アイドル辞め……ううん、もうちょっと頑張ってみる』
『アイドルになって、世界が輝いて見えたの。でも、きっと最初から輝いてたんだよね。Pさんが気づかせてくれたんだ!』
◇
『どうしてもトップアイドルになりたいんです……!どんなに不幸でも!』
『笑顔の練習はしてありますから』
『いつか……私も可愛くてファンシーな衣装を着て笑顔でステージに……。Pさんと一緒なら、そんな私もきっと訪れますよね』
◇
『あの、プロデューサーさん、いきなりで申し訳ないのですけど、あの、あたし、もうアイドルとか辞めようかなって思って……あの、その……』
『こんな私なのに、見捨てずにいるなんて……変わった人ですね……』
『ポジティブになれる魔法……プロデューサーさんがかけてくれれば……』
「桜の季節だから、テーマは春らしく爽やかにいくのとか、どうかな?乃々ちゃんとほたるちゃんはどういう感じがいいと思う?」
白菊ほたる「私も賛成です。春らしく、明るく、幸せな気分になれるような……。そんな気持ちをファンの皆さんに感じてもらえたら素敵だと、思います」
森久保乃々「もりくぼは春眠暁を覚えずなので……、布団に包まれていますので……裕美さんと白菊さんでどうぞです……」
関裕美「乃々ちゃん、そんなこと言わないで、三人で一緒に頑張ろう。大丈夫、私もほたるちゃんも一緒だから」
乃々「むぅーりぃー……」
ほたる「そ、そうですよね。わ、私と一緒のユニットだと不幸に巻き込まれるかも……。そ、それで乃々さんや裕美さんに迷惑を……」
関裕美(14)
http://i.imgur.com/7KfgZGk.jpg
http://i.imgur.com/MbEXiMJ.jpg
森久保乃々(14)
http://i.imgur.com/cfEd2U8.jpg
http://i.imgur.com/kso7saa.jpg
白菊ほたる(13)
http://i.imgur.com/mW2MWop.jpg
http://i.imgur.com/pcdsXgX.jpg
裕美「ほたるちゃん、滅多な事言わない。Pさんや他の皆もLIVEをたくさん盛り上げようと頑張ってくれてるんだから、私達は精一杯その想いに応えなくちゃ」
ほたる「でも……。移動中に渋滞に巻き込まれたり、天井の照明が落下してくるとか……」
裕美「そういう不幸よりも、私達の実力不足でLIVEが失敗しちゃう……。そう考えた方が、もっと怖いよね」
ほたる「は、はい……」
乃々「二人を困らせるのはダメだから……少しだけ頑張ります……少しだけ、ですけど」
裕美「うんっ、二人ともお仕事もレッスンも頑張ってるから、きっと上手くいくよっ」
ほたる「はい、……はいっ!い、一緒に頑張ります!」
裕美「私も二人に負けないように頑張るからねっ、それじゃあ、一旦休憩しよっか。私何かジュース買ってくるねっ」
ほたる「あっ、私も一緒に……」
裕美「大丈夫、ちょっと近くまで行くだけだから。ここは私に任せて、ねっ」
乃々「白菊さんも一緒に行けば、もりくぼはごーほーむなので……白菊さんもご一緒に……」
ほたる「……あのっ、私乃々さんとここにいますねっ」
裕美「ふふっ、お願い。それじゃあ、ちょっと行ってくるね」
乃々「冗談です……。冗談ですけど……」
ほたる「私も裕美さんも、乃々さんがそういう風に逃げ出す人じゃないって知ってますよ」
乃々「逃げ出したいんですけど……。二人みたいなかわいいアイドルとお仕事とか……、プレッシャーで押しつぶされそうです……」
ほたる「乃々さんも可愛いですよ。バレンタインのお仕事とか、リスのふわふわの衣装、凄く可愛かったです」
乃々「リスだから……森に帰ります……」
ほたる「森って……ここ、事務所ですよ?」
乃々「……」
ほたる「……」
乃々「……」
ほたる「……」
乃々「……ぴーっ、ぴっー。緊急地震速報です……」
ほたる「えっ?今の明らかに口笛じゃ……」
乃々「もりくぼは机の下に隠れますけど……、揺れが収まるまで探さないでください……」
乃々「んしょ……んしょ……」
ほたる「の、乃々さん?」
乃々「……ここが私の魂の場所です……」
ほたる「つ、机の下ですよ、そこ?」
乃々「もりくぼは半畳あれば生きていけるのでもうお構いなく……」
ほたる「そ、そういう訳には……」
乃々「隠れたいですし、逃げたいんですけど……。今回もユニットでお仕事ですけど、自分の所為で迷惑をかけるって……考えるだけで」
乃々「怖くて仕方がないんです……。裕美さんも白菊さんもアイドルらしくて……、もりくぼが出ても足手まといにしか……」
ほたる「あの、乃々さん。……お隣、いいですか?」
ほたる「お邪魔しまーす……」
乃々「白菊さん……、ち、近いんですけど」
ほたる「あ……ごめんなさい。でも、私も、こうやって隠れたくなること……よくありましたから」
乃々「……そうなのですか?」
ほたる「はい。私……このプロダクションに所属するまでに、いくつかのプロダクションの……その、倒産の場に立ち会っていまして……」
乃々「お話はその、聞いているんですけど……。その、なんといえばいいのか分からないです……」
ほたる「そうですよね、すいません、急にこんな話して……。でも……、私のことを疫病神って思っている人がいるんじゃないかって」
乃々「……それは、その、無いと思いますけど……。福の神さまみたいなのはいますけど、白菊さんが疫病神は……違うと、思います」
ほたる「そう言ってくれるの、凄く嬉しいです。こんな不幸体質で、それで皆に迷惑をかけて……。逃げたくて、隠れたくて……。それでも、どうしてもトップアイドルになりたいんです……!」
ほたる「だから、一緒に頑張りましょう……!絶対に、LIVEを成功させて……みんなが幸せになってくれたら……それだけでいいんです……!」
乃々「……みんなが幸せ、それだけでいい。は、違うと思うんですけど……」
ほたる「……えっ?そ、それはどういうことですか!?わ、私はみんなを、ファンの人を幸せにしたくて……!」
乃々「ファンだけじゃなくて、白菊さんも幸せにならないと、ダメだと思うんですけど……」
ほたる「わ、私も……?」
乃々「白菊さんの今までが不幸なら、これから幸せになるのが筋だと思うんですけど……」
ほたる「でも私このプロダクションにきて、凄い幸せで……。もう、夢なんじゃないかって思ってるくらいで……」
乃々「それなら、もっと幸せになるべきだと思うんですけど……今まで頑張ってきた白菊さんなら、当然の権利だともりくぼは考えます……」
ほたる「の、乃々さん……!」
乃々「……白菊さんと裕美さんが頑張るらしいので、もりくぼもついていきます……。でも、不安です……」
ほたる「それなら、もう少しだけそばにいませんか?ふたりなら、自信持てそうだから」
乃々「……今更ながらに、近いのが恥ずかしいです……」
ほたる「……そ、そうですね……」
乃々「……」
ほたる「……」
乃々「……裕美さん、立派ですよね……」
ほたる「はい。……一緒に笑顔の練習をしたこともあります。今回一緒にお仕事をすることになって、裕美さんが先頭に立ってくれて……」
乃々「裕美さん、凄くアイドルらしいですね……。もりくぼには、とても無理です……」
ほたる「凄いです、でも、最初からそうじゃなかったってPさんが言ってました」
乃々「……正直に言えば、もりくぼは最初裕美さんと会った時、関に睨まれた森久保状態でした……」
ほたる「どういう状況なのかよく分からないです……」
乃々「怖かったです。いぢめられるかと思いました……」
ほたる「え、えぇー……」
「おーい、お邪魔するよー。差し入れ持ってきたぞー……。あれ?いないのか?」
乃々「この声……プロデューサーさん……し、静かにスニーキングです……」
ほたる「あっ、Pさんっ、今でますねっ」
乃々「お隣さん、急に立ち上がると……あぶな……」
ほたる「~~~っ!……っ!」
乃々「……遅かった……」
ほたる「あ、頭をぶつ……っ、い、いた……っ」
乃々「だ、大丈夫ですかー?ちょっと頭診ますけど……。……こぶにはなってないみたいです……」
ほたる「だ、大丈夫ですっ、こ、これくらいの不幸……な、慣れてますっ!」
乃々「これは不幸とは違うと思うんですけど……」
P「お、おいっ!でかい音したけど大丈夫か!?というか乃々はともかく何でほたるが机の下に……!」
P「ほら、さすってやるから!痛いの痛いの飛んでけー……!」
ほたる「あ、ありがとうございます……!でも、頭を撫でられるのは恥ずかしいです……」
P「そうだな、悪い。でも、びっくりしたぞ、ほたるまでアンダーザデスクに仲間入りするのかと……」
ほたる「その、机の下にもぐっていたのは今度の仕事の事で、乃々さんとお話を……」
P「おぉ、裕美にほたるに乃々の三人のユニットだな、裕美の姿が見えないけど、どうした?」
乃々「裕美さんなら……休憩のためにジュースを買いに行ったんですけど……」
P「タイミング悪かったな……、折角差し入れもってきたのに、入れ違いか」
ほたる「いえ、あの、ありがとうございますっ。嬉しいですっ」
P「まぁ簡単なものしかないんだけどな、春らしくお団子とか、温かい緑茶とか……」
ほたる「お花見みたいですね」
P「団子は三色団子とみたらしとあんこの三つを用意したぞ!どれでも好きなのを選んでくれ」
乃々「……みたらしおひとつ下さいなー……」
ほたる「じゃあ私はあんこのを……」
P「どうぞ。それで、今度のLIVEの打ち合わせはどうだ?進んでいるか?」
ほたる「はい、裕美さんが率先して進めてくれているので、私達も負けないように頑張りたいです……」
乃々「もりくぼは足を引っ張らない程度にいたいので……」
P「そう言っても、本番ではしっかりやってくれるからな。頼りにしてるぞ、乃々」
乃々「プレッシャーで今にも潰れそうなんですけど……」
P「大丈夫、お前達三人なら安心して任せられる。三人とも、大きな仕事も経験して立派になったからな!」
乃々「今度こそむぅーりぃー……」
ほたる「乃々さん、が、頑張りましょうってさっき言ったばかりですよっ!」
P「ほたる安心しろ、乃々の無理はまだまだいけると同義語だ」
乃々「ここに鬼がいるんですけど……鬼、悪魔、プロデューサー……」
P「えっ、ひどくない?」
乃々「ひどくないです……。至極当然です、アイドル虐待です……」
P「ようし分かった!乃々には今度ソロのLIVEを用意しよう!」
ほたる「わぁ……、凄い……!」
乃々「!む、むぅーりぃー!」
P「とまぁ、乃々のソロLIVEの企画も用意しておくが、まずはユニットでのLIVEだな」
ほたる「あの、Pさん。ちょっと聞きたいことが……」
P「お?何だ」
ほたる「この三人でユニットを組んだ理由って、何ですか?あの、結構バラバラな人選だと思って……」
P「それはそうだな……。この写真を見て貰えば、分かりやすいかな」
乃々「これは……もりくぼの黒歴史ですけど」
ほたる「私がここの事務所にきてはじめて撮った宣材……!裕美さんも、乃々さんのも、最初の宣材ですか?」
P「その通り。それでユニットの理由なんだが……」
裕美「ただいまっ。あっ、Pさんも来てたんだ、大目に買ってきてよかったかな」
P「裕美丁度いい所に戻ってきたな。今この三人でユニットを組んだ理由を話していたところだ」
裕美「そうなんだ……。あ、これって……、あははっ、今見ると恥ずかしいな……」
P「これが皆の最初の宣材、そしてこっちが最近の仕事の時の写真だ」
P「この二枚の写真が、俺がこの三人でユニットを組んだ理由だ。ユニット名も、それに因んだものにした」
乃々「ユニット名って……あれですか……」
ほたる「最初見た時素敵な名前だなって思いましたっ!」
裕美「うん。私も、私達にぴったりの名前だなって思ったよ」
P「あぁ、ユニット名は―――」
◇
P「本番だな、……裕美は二人の登場前にMCをするから……。一人で、不安か?」
裕美「ううん。今は一人でも、私がしっかりしていれば、乃々ちゃんもほたるちゃんもちゃんと来てくれるし、ファンの皆も笑顔になってくれる。それに」
裕美「Pさんもいてくれるから。不安なんてないよ」
P「……そうか、……そうかぁ……!」
裕美「……もう、プロデューサーさん、泣くのは早いよっ!まだLIVEが始まってもないのに……」
P「だってよぉ……。裕美がこんなに立派なアイドルになったのが嬉しくて……!最初の頃はアイドル辞めたいなんて言ってたのに……それが、それが……!」
裕美「そ、それは本当に最初の頃!今はもう大丈夫だから!アイドルとして、ファンの皆に笑顔を届けるのが、嬉しくて……」
P「自分の笑顔が皆の笑顔になる。そう言って、ずっと頑張ってきたもんな……」
裕美「うん。私、アイドルになるまで、自分の事が嫌いだったの。そんな自分を変えてくれたのは……Pさんだから」
P「でも、自分を変えようと努力していたのは裕美で、努力の結果が追い付いてきただけだ。本当に、頑張っていたから……」
P「一歩ずつ。でも確かに前に進んでいく。裕美も、乃々もほたるもそうやってここまで来たんだ、だから……」
P「胸を張って、精一杯楽しんできてくれ!」
裕美「うんっ!ありがとう、Pさんっ!それじゃあ……いってきます!」
裕美『LIVEに来てくれた皆ー!今日は私達のステージを見に来てくれてありがとうーっ!』
裕美『私達三人は、このユニットを結成するまでにそれぞれ色々なことがありましたー!』
裕美『アイドルを辞めたいと考えたこともあったけど、諦めきれない想いを抱えて私達はここまで来ました!』
裕美『一歩ずつでも、舞踏会への階段を昇っていく……。シンデレラに憧れて、シンデレラになるために!』
裕美『そんな私達のLIVE、楽しんでいってください!』
裕美『私、関裕美。森久保乃々、白菊ほたるで』
裕美『ワンステップス!』
おわり
以上で終わりです。お付き合いいただきありがとうございました。後でHTML化依頼を出します。
総選挙の中間結果発表後に突然の関裕美のユニットがきたので書きました。
ユニット名、人選、センターの関裕美のお姉さんぶりが最高のユニットでした。
もしも倉庫に投票券が眠っているのであれば、一枚でもいいので、関裕美に投票をしてみてください。そうすれば、もう少しだけ彼女が好きになるかもしれないです。
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません