――未来
日本教育界は世紀末へと突入した
少子高齢化による学生の少数化
企業は高学歴学生を求め、学歴主義化は加速
受験戦争は戦車に乗った保護者が他の受験生を攻撃し始め、文字通り「戦争」となる
正にモンスターペアレント
活字離れが進行し、脳をPCと同期させインターネットを介し不法にダウンロードした漫画を読み漁る学生が急増
電脳学生の誕生である
非行に走るモヒカン学生は今日も町で火炎放射器を振り回している
不登校学生は家を要塞に改造
社会に自分の存在を認めさせる為、議事堂に特攻を仕掛ける者も現れた
いじめや教師による体罰で毎日のように人が死ぬ
もうしっちゃかめっちゃかだ
正直ヤバい
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国家はこれを「あ、これアカンやつだ」と判断し多額の予算を投じた
学校側も色々と策を練り、日本教育としてのありかたを今更ながら見直すことにした
その中で割を食ったのが「部活動」の存在
「優先順位後ろでよくね?」的なアレでないがしろにされてしまっていたのだ
そして
某日、教育委員長…つまり教育委員会で一番偉い人がとある声明を発表した
教育委員長「部活は学校に一つだけあれば良くね?」
教育委員長「ということで、各中学校、高校にあってもいい部(同好会含む)は一つだけ。ってことにします」
教育委員長「名付けて『一学校一部活制度』」
教育委員長「今まであった部? そりゃもう、部同士潰しあいして残った一つの部をその学校の部活にすれば?」
こうして、部活対抗の壮絶な戦いが始まった――
3月
男「俺の名前は男! 中学生!」
男「来月から高校生! そしてこれから受験しに行くんだ! まー受かるだろ!」
男「楽しみだなー特に部活とか!」
男「それと部活とかな!」
道行く人(こいつ一人で話してるぞ…近寄らんとこ)
男「ちなみに俺の受ける高校の名前は…」
↓1 男の受ける高校の名前
男「そうそう『玄信工業高等学校』。中部のそこそこ名のある工業高校さ」
男「実際はよくわからんけど」
男「偏差値で受験する高校選ぶことってあるよな! 俺もそうだし」
男「まぁとりあえず受験頑張るぜ」
男「応援してくれよな!」
↓1~3 コンマ下二桁判定
男「やったー! 受かったぜーバンザーイ!」
男「お、合格通知書と一緒に色々と書類が入っているぞ」
男「なるほど、健康診断を提出しなきゃいけないのか」
男「めんどくせーなー、でもやるかあ。かあちゃーん病院代くれよーバス代もなー」
↓1 コンマ下二桁
男「やっと提出終わったぜ~」
男「学校から手紙が来たぞ。なんだろう」
男「なになに、ステータス? なんだこれ、ゲームみたいだあ」
男「気にすることないだろこんなの。こんなのクシャクシャ…ポイッだ」
――3月終了
☆ステータス
【名前】男
【所属校】玄信工業高等学校
【学年】1年
【部活】未所属
【レベル】1(0/1)
【命】02(小突かれただけで死ぬ)
【友情】06(お前友達いないだろ)
【努力】39(頑張りがたんないんじゃないの~?)
【勝利】65(勝てばいいと思ってんだろどうせ)
【運】05(不運が服着て歩いてるぞ)
――4月
入学式
校長「入学おめでとう。諸君らは晴れてこの玄信工業の生徒となった。これからは自信と熱意をもって勉学に」
男「あーねみー。話だりーよ校長」
新入生A「なんだこいつ」
新入生B「入学式で寝るとか勇気あるな」
新入生C「こいつと同じ中学とかバレたらやべぇよ」
男「すやすや」
…
男「はっ! 気づいたら誰もいねぇ!」
男「入学式終わったのに誰も俺を起こしてくれないのかよ」
男「……」
男「ま、いっか。教室行こ。1-1だっけかな」
男は職員室に呼び出された
職員室
担任「いや、イカンでしょ」
男「さーせん」
担任「中学でも色々やらかしてるらしいじゃない。有名だよキミ」
男「うす」
担任「聞いてんの!?」
男「あーっす」
担任「あのね、キミの為に言ってるの。最終的に怒られるのは僕なんだからね!」
男「ぇぃ」
担任「もう! 職員室で大きな声出すとほかの先生にじろじろ見られるの! それが恥ずかしいの! 僕に恥かかせないでね! 分かった?」
男「ぁーい」
担任からのの評価が下がった
担任「問題児なんか嫌いだよーっ! ああ恥ずかしいっ(友好度01)」
教室
ザワザワ
男「お?」
男「なんか誰に話しかけてもビミョーな返しをされるぞ」
男「じろじろ見てくるし」
男「なんでだろ」
男「あ、でも気にすることでもないか!」
男「自由時間らしいし今のうちになんかしておこうかな」
↓1
1隣の席の人との友情を深める
2することないし勉強でもしてる
3ジロジロ見てくる奴らをハッ倒しに行く
4なんか運が悪いから占いサイトで今日の運勢を見る
5その他(適当にしたいこと書いて)
男「隣の席の人と仲良くしとくか」
男「どいつもこいつも怖い奴だし」
男「やっぱり友達作りは高校デビューの基本!」
男「頑張るぞー」
男「っと、俺の席は窓側の一番後ろか。さびしーなー」
新入生A(独り言クソでかいなこいつ)
↓1 隣の席の人はどんな人ぞ
なんか凄い覇気を感じる筋肉ダルマ(以下覇気筋肉)「ムキ…」
男「うわあなんだかすごい奴がいるぞ」
覇気筋肉「アハハハハ…アハ…」
男「なんでこいつ不敵に笑ってんだ…? 教室でメチャ浮いてるぞ」
覇気筋肉「チラ」
男「あ、こっち見た」
覇気筋肉「ムキ…?」
↓1 コンマ下二桁05以下で友情値UP
男「こわ…なんだこいつ…」
覇気筋肉「ムキ」
男「何故これ見よがしに筋肉を見せつけてくるんだ」
覇気筋肉「…」
男「でもなーこの時代、これくらいゴツくないと生き残れねーよな」
男「この間も隣町で細マッチョなイケメンが通りがかりの性欲有り余るおばさんに色々とアレされたなんて聞いたし」
覇気筋肉「ハハハ…」
男「仲良くなれるかなー、なんて声かけよ」
男「よっ、ムキムキくん! 俺、男。よろしくな!」
男「って感じでどうだ」
覇気筋肉「…」
↓1 コンマ下二桁×0.06 +50(クラスで浮いている者同士の絆)
覇気筋肉「…」
男「ドキドキ…」
覇気筋肉「ムキ」ニコッ
男「おっ!」
覇気筋肉「(握手を求めている)」
男「良かった仲良くなれそう! よろしくな! ムキムキくん!」ガシッ
覇気筋肉からの評価が上がった
覇気筋肉「(久々の友情を感じている) (友好度56)」 (50+3×2)
男「友達もできたし、学校生活もこれで少し楽しくなって来たな」
…
担任「はーい静かにー。これから部活動紹介するから全員体育館に移動しろー」
担任「野良モンぺ(モンスターペアレントの略)には気を付けるんだぞー」
担任「この玄信工業の受験に失敗した生徒の親が空席を作るために新入生を殺そうとしているからなー」
担任「ここで死なれたら怒られるの僕なんだからねーやめてねー」
男「…」
担任「ほら。お前も早く行きなさい」
男「はいはい…」
担任「ったく」
廊下
クラスメイトA「部活何入るか決めたー?」
クラスメイトB「まだだよ。でもなんか教育委員会が学校の部活を一つだけにしようとしてるらしいね」
クラスメイトA「うん…これから部活毎の潰しあいになるんだって」
クラスメイトB「帰宅部もそれに含まれてるんだからめんどくさいよねー。どうしよ、ホント」
男「へー、大変な世の中になってたんだなー」
覇気筋肉「(男は何の部活に入るのか聞こうとしている)」
男「え? 俺?」
男「俺は――」
↓1 男が入る部活
男「サバゲ部」
覇気筋肉「?」
男「サバイバルゲームって知らない? エアガンとか使って銃撃戦ごっこするんだ。俺、あれ好きなんだよねー」
覇気筋肉「ムキ」
男「そっかーあんまり知らないか。ま、なかなか楽しいんだー」
覇気筋肉「(ふーんという態度)」
担任(そう……男。奴は中学時代、国内に部として極少数存在していたサバイバルゲーム部の名門に所属していた――)
担任(中学サバゲ部会伝説のワンマンアーミー!)
担任(身体能力は低いが、それを補う索敵能力と狙撃力でアマチュアの大会でも優勝を勝ち取ってきた)
担任(どんなに汚い手を使ってでも勝とうとするその戦い方にその筋の世界では悪い意味で有名ね)
担任(まぁサバゲ部自体マイナーにも程があるから知名度は半端なく低いけど)
担任(とにかく奴は問題児。早く『処分』しないと…)
担任(……)
担任(奴が〝また〟実弾を持ち出し『なんか気にくわないから』を理由に大量殺戮を行ったりしたら私の立場は――)
担任(急ぐのよ担任!)
担任(奴がこの学校に存在しないサバゲ部を立ち上げるその前に!)
――4月1週 終了
つづく
――4月2週
男「いやぁすごい部活紹介だったなー。まさかあんなことになるなんて」
…
回想 体育館にて
剣道部主将「新入生諸君。入学おめでとう。私がこの玄信工業高校の生徒会長、『剣道部主将』だ」
剣道部主将「これから部活の紹介をはじめたい思う」
剣道部主将「が……その前に」
剣道部主将「新入生諸君らの中でも気になっている者がいたであろう――」
剣道部主将「『一学校一部活制度』について話をしておきたい」
剣道部主将「国が決めたこの制度に無論我が校も従う方針でいる」
剣道部主将「そしてやり方としては」
剣道部主将「先日今日委員長が提案した『部同士の潰し合い』。これを行い、最後の一つになるまで部活同士で戦ってもらう」
剣道部主将「各部活動にはひと月に一つ以上の部活を滅ぼす、というノルマを与えた」
剣道部主将「滅ぼされた部については言うまでもなく。ひと月の間に滅ぼされることもなく、滅ぼすこともなかった部には――」
剣道部主将「厳しい罰が与えられることとなるだろう」
ザワザワ ヤザワ ザワザワ
男「やばすぎだろ」
覇気筋肉「」ガタガタ
剣道部主将「よろしいか」
「「「「「……」」」」」
剣道部主将「返事は?」
「「「「「「は、はいっ」」」」」」
剣道部主将「説明はほどほどにしておく」
剣道部主将「次は具体的に……どのように『潰せば』良いのか。私自らここで実演してみたいと思う」
剣道部主将「副将、『彼』をここへ連れて来なさい」
剣道部副将「はっ」
男「なにするんだ」
ガラガラガラ…
男「檻?」
クラスメイトA「中に人が入ってるぞ。どっから来たんだ」
クラスメイトB「学校の地下牢かららしいぞ」
クラスメイトC「うちの学校地下牢なんかあんのかよ」
剣道部主将「静粛に!」
剣道部主将「この檻の中にいる者は……我が校の不良生徒である」
剣道部主将「これから私は……」
剣道部主将「彼を『処刑』しようと思う」
男「は?」
剣道部主将「驚くのも無理はない。これから諸君らの目の前で『殺人』が行われるのだからな」
剣道部主将「しかし!」
剣道部主将「部活動同士戦う時! それは己の命を懸けた戦いとなるだろう」
剣道部主将「充実した青春を送る為! 諸君らは己の部の為、戦わねばならない」
剣道部主将「ここで目を背けるような者はこの学校から去るがいい」
剣道部主将「覚悟は……できているか。いや、できなくても私は処刑を続行するが」
剣道部主将「副将、檻から彼を出しなさい」
剣道部副将「はっ」
ガチャ…
男「うわ……出て来たぞ」
金髪「……」フラ…
クラスメイトA「ひっ」
金髪「……んだよ、コラ」
剣道部主将「諸君! 彼は元野球部の生徒! 喫煙、飲酒、暴行、染髪など数々の部規律違反や校則違反を起こしてきた者である!」
剣道部主将「このような者は我が校には必要ない」
金髪「……部長は」
金髪「部長はなんて言ってたんだよ」
剣道部主将「『好きにしろ』、そう言っていた」
剣道部主将「君の処刑は野球部の公認の元、行われる」
金髪「へ、そうかよ」
金髪「……」
パサッ
金髪「なんだよ、これ」
剣道部主将「拾いたまえ。見ての通りのグローブだ。君がまだ『ピッチャー』をやっていた頃のな」
剣道部主将「諸君! ここで私がただ処刑するのは面白くない。そして……フェアでない。なので――」
剣道部主将「これから諸君らには彼と私の戦う様子を是非見てもらいたいのだが……どうだろう」
パチパチパチパチ…
男「え? これは俺も拍手しなきゃいけないやつ?」
剣道部主将「ありがとう。では金髪君」
剣道部主将「最期に後輩たちに見せてあげようではないか」
剣道部主将「部同士戦うというとはどういうものなのかを!」
金髪「クソッ、クソがっ! やってやるよ! おめーを殺してこんなところから逃げてやる!」
剣道部主将「その意気や良し! 参るッ!」
男「へー剣道部主将は竹刀、金髪はグローブで戦うのか―」
男「……」
男「いや、おかしくね?」
男「竹刀で処刑ってお前。タコ殴りでもすんのかよ」
男「金髪も金髪でなんでグローブかっこよく構えてるんだよ!」
男「なんだこれ……なんだこれ」
男「なんだこれ!」
クラスメイトA「独り言はうるさいがこれには同意」
剣道部主将「はァッ! だぁァァッ!」
男「あいつの竹刀捌きクソ早くねーか? 見えないんだけど」
男「ってか金髪もすげーかわしまくってる。なにもんだよこいつら」
剣道部主将「突きィィィッ!」
金髪「っ」パシッ
男「竹刀をグローブで掴んだッ!?」
剣道部主将「1か月も牢に入れられていたとは思えない動きだな、金髪君」
金髪「なめんなよ……腐れ生徒会長さんよぉ」
剣道部主将「次はこうはいかないぞ」
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