ほむら「何度でも言うわ」 (9)
~ワルプルギスの夜、当日~
ワルプルギス「キャハハハハ」ズゴゴゴ…
かの魔女の甲高い笑い声とともに、巨大な廃墟と化した高層ビルが宙を舞う。
あっという間にそれは魔法少女暁美ほむらの視界を塞いだのだった。
傍らでその光景を観ていた鹿目まどかは、ありったけの声で叫ぶ。
まどか「逃げて、ほむらちゃん!」
彼女の叫びが、やがて嗚咽に変わった時、がらがらとビルであった残骸から暁美ほむらは姿を現した。
ほむら「ワルプルギス…何度でも言うわ…」
ほむら「北斗真拳は無敵よ」
刻はまさに世紀末に近い世の中、何故彼女は暗殺拳である北斗真拳を体得し得たのか。
それには長い修行と苦難の元より、説明する必要がある…。
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~回想~
病院のベットにて。
ほむら「…」ガバッ
また駄目。
もう数えるのを止めるくらいあいつと戦ったはずなのに、未だに歯が立たない。
一体何が足りない?
火力?魔法の力?はたまた愛?
私には最早何を頼りにすれば良いのか分からない。
ほむら「…いいわ。考えたって結論に至らないし。それより、気分転換でもしましょう」
ほむら「…」パラパラ
漫画。日本人なら嫌いな人はいない。
以前、仲良くなろうとしたきっかけでまどかから借りたけど、まさかこんなマッチョなヤツが戦う漫画が好きだなんて。
私も大胸筋辺りを鍛えたらまどかが好きになってくれるかしら。
ほむら「ま、所詮は漫画。こんな力あるわけない」
パラリ…
ほむら「あら、なにかしら」
ほむら「ほむ…『伝承者募集中!世紀末を乗り越える為にも武術を身に付けませんか?女性も大歓迎!』か」
ほむら「武術ねえ…。まぁ、覚えておいても損はないわね。近頃変態も多い季節だし」
そして私は、北斗神拳という武術を掲げる道場の門を叩いた。
理由?簡単よ。
気分転換とワルプルギスを倒すためのアイディアが思い浮かばないかと思ったから。
しかし、私の軽い気持ちは悉く打ち破られた。
師「おなごか…君は何を目的に我が道場の門を叩いた」
ほむら「…大切な友達を脅威から救うため」
師「…」
ほむら(じっと眺めてる。何なのかしらこのハゲ)
師「良かろう、君の想いはしかと受け止めた。その苦難を越えて、更に大いなる壁を乗り越えようと足掻いている様子、全ての成り行きは眼で分かるわい」
ほむら(……なるほど、北斗神拳、伊達ではないわね)
師「だが、女子とて手加減はせぬ。そこだけは今一度弁えるように」
ほむら「分かりました」
ほむら「私は、大切なあの子を守るためなら、地を這いつくばってでも守り抜きます」
…それから、本当に地を這いつくばりながら、厳しい修行が続いた。
いくら魔法少女とはいえ、師からの修行は余りにも酷く、辛かった。
常人なら間違いなく命のひとつやふたつは落としているはずだ。
何度も止めようかと思ったけど、私は確かに言ったのだから。
『大切なあの子を守る』と。
その想いだけを裏切らない為に、耐え続けた。
やがて、数ヶ月が過ぎた時、師は私と拳を交じり会わせた後、こう言った。
師「…暁美ほむら。君に伝えるべき北斗神拳の技術は全て伝えた」
ほむら「ありがとうございます」
師「行くが良い。もう一度やり直して、それを最後にしてしまいなさい」
ほむら「…何故、その事を」
師「言っただろう。全ての成り行きは眼で分かると」
ほむら「師よ、本当に感謝しています。必ず、私はあの子を守り抜きますから」
ほむら「さようなら、師リュウケン…」カシャ,カシャン
今日はここまで。
北斗神拳、呼び名を間違えるとは…。
指摘して下さった方に感謝。
北斗の拳新台記念で建てました、所謂思いつき。
適当に糞スレだと思って貰えれば、一片の悔いなし。
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