【モバマスSS】貯金箱 (24)
こんばんわ。CS真っ只中、そして戦力外の季節ですが、つれづれと書いていきましょう。
次レスからスタートいたします。
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――この物語はフィクションであり、実在の人物、団体とは一切関係ありません。
モバP「――俺はモバP。とあるアイドル事務所のプロデューサーだ」
モバP「――俺の担当アイドルとの信頼関係は今ものすごく悪い」
モバP「――なぜかって?それは俺が応援しているプロ野球の球団、おりっくすが最下位になってしまったからだ」
ちひろ「…これ、今日の資料です」ドスン
凛「…おはよう。12球団で一番弱いところを応援しているプロデューサー」
モバP「お、おう。おはよう…。今日の予定だが――」
凛「もう分かってるからいいよ。話しかけないで、負け癖が付くから」
モバP「そうだな……」
加蓮「…ねえ。私の顔見ないで。セクハラで訴えるよ?」
奈緒「なあ…。プロデューサーの顔見てると、ゲンが悪くなりそうだからさ、これ被って仕事してくれないかな?」つ目だし紙袋
友紀「大変だねー。プロデューサー!べいが勝っちゃうと、12球団で唯一、ファイナル未経験って言われちゃうね!」
モバP「――というような感じだ。その点、ひろしまやにほんはむを応援していたプロデューサーは、アイドルから『先見性があるプロデューサー』と親愛度が急上昇している」
モバP「――逆に、おりっくすを応援していた俺や、ちゅーにちを応援していたモバDさんは、アイドルとの信頼関係が瓦解しており、はっきり言って大ピンチだ。Dさんの担当である双葉杏は、自宅から出てこないと大変なさわぎになっていた」
モバP「――うちはまだましだとは思うが」
加蓮「あーエースいねえ♪」
奈緒「4番いねえ♪」
凛「ローテもそこまで勝てていねえ♪」
卯月「ベテラン怪我♪」
未央「若手不調♪」
美穂「助っ人まともに働かねえ♪」
全員「おら、こんなとこ(球団)いやだー♪」
全員「おら、こんなファンいやだー♪」
響子「1軍ラス♪(57勝83敗)」
みく「2軍もラス♪(40勝68敗)」
智絵里「交流戦は12位♪(5勝13敗)」
幸子「開幕戦♪」
輝子「サヨナラ負け♪」
美玲「毎度毎度おんなじことよ♪」
全員「おら、こんなとこ(球団)いやだー♪」
全員「おら、こんなファンいやだー♪」
茜「166(自称)♪」
藍子「日本いた(扇風機)♪」
沙理奈「糸井2世の外野手(.187 3本 18打点)♪」
瑞樹「元セ2冠♪(お散歩で負傷)」
千枝「雨男(誕生日に2本もなかったことに)♪」
比奈「みんな合わせりゃ7億超える♪」
春菜「おら、こんなとこ(球団)いやだー♪」
全員「おら、こんなファンいやだー♪」
モバP「――もう、この曲は8度目です…」
モバP「――おりっくすがもっと勝てれば…!もっと強かったら…!」
???「お悩みのようですね!」
モバP「…頭の中から響く音。一体誰だ?」
???「私のことはどうでもいいんです!それよりも、おりっくすに貯金がほしいんですよね?」
モバP「はい!もっと貯金があれば、もっと勝っていれば…。俺はこんな悲惨な目には!」
???「その願いかなえましょう!」
ドササササ!
モバP「何だこれは!?俺の顔をかたどった…。なんだこりゃ?」
???「これは貯金箱です!アイドルの皆さんにこれを配って枕もとに置かせてください」
モバP「…これの一体何の効果が?」
???「あなたはこれ以上、アイドルとこんな関係を続けるんですか?いやですよね?だったら言うとおりにしてください!」
――
凛「…何これ?」
モバP「これはお守りだ。枕もとに置いて眠るように」
加蓮「この顔に見られて眠るとか…」
卯月「お守りというか、呪いの人形ですね…」
未央「うへー。不眠症になりそう…」
奈緒「何だよ…。目つきいやらしいな…」
モバP「――何とか持ち帰ってくれた。事務所のごみ箱や近隣のごみ箱に捨ててられていないことも確認できた」
――その夜
???「起きてください!」
モバP「うわぁー!なんだぁー!?」
???「良いですか?今から言う呪文をこの貯金箱に言ってください!」
モバP「はあ…。明日早いのに…」
???「おりはつよーい」
モバP「おりはつよーい」
???「おりはすごーい」
モバP「おりはすごーい」
???「今のを繰り返してください」
モバP「どれくらいですか?」
???「30分繰り返すと効果がありますよ」
モバP「ええ!?俺、明日5時半おき――」
???「アイドルにこれ以上嫌われると、仕事に支障がきたすかも――」
モバP「おりはつよーい。おりはすごーい」
???「そうそう。その調子です♪」
――
モバP『おりはつよーい』
凛「う、ううん…」
モバP『おりはすごーい』
卯月「うう…」
モバP『おりはつよーい』
加蓮「うーん。うーん…」
モバP『おりはすごーい』
奈緒「ううー…。うー…」
モバP「俺は言われるがまま、30分以上、その呪文を貯金箱の前で言い続けたんだ」
――翌朝
モバP「おっ。あれ?オリックスの借金減ってる?――おはよう。凛」
凛「…おはよう」
モバP「――効果がないのかな?」
???『いいえ!まだ1日目ですから、効果はまだ目に見えていませんが、これを毎日続けて行けば、効果は出ていきますよ』
モバP「大体どれくらいでしょうか?」
???『おりっくすの借金は16なので、半月で元に戻るでしょう!』
モバP「――半月か。でも、それで元に戻るなら…」
モバP「――それから俺は夜な夜な、貯金箱の前で呪文を唱え続けた。すると謎の声の言うとおり、徐々にアイドルたちのとげがなくなりっていった」
――さらに半月後
モバP「オリックスの貯金が増えまくってる…。あれ?試合がないのにおかしいぞ?」
凛「ねえ。プロデューサー。今日は仕事終わりでしょ?うちでご飯食べて行かない?」
未央「あ!しぶりん!今日はあたしんちでご飯の予定だよ!抜け駆けはルール違反だよ!」
モバP「いやいや…。今日は一人で食べるよ。たまには家族に思いきり甘やかされろ」
モバP「――最近、アイドルたちの距離感が近づいてきている。…なんだ?この15って言う数字は?」
???『これは今のおりっくすの貯金額です。アイドルの皆さんとの親愛度と思っていただいて構いません。今、+15という意味です』
モバP「――これは高い方がいいってことですよね?」
???「そうです!プロデューサーさんも、アイドルとの信頼関係はあった方がいいでしょう?毎日、呪文を唱えれば、もっともっと信頼関係は増していきます!」
モバP「――まあ、無いよりはましだよな」
――その夜
???「良い感じで、貯金額が増えていますね。今+25ですか。そろそろ貯金箱の本当の効果、発揮しましょう!」
???「今持っているお金をすべて貯金箱に入れなさーい」
???「今持っているお金を全てを貯金箱に入れなさーい」
モバP「うーん。ムニャムニャ」チャリンチャリン
卯月「ぴにゃ…ぴにゃあ…」チャリンチャリン
ゆかり「ふわぁ…」チャリンチャリン
有香「うーん…」チャリンチャリン
???「今日一日の貯金額は○○万円ですか…。まだ少し早いんですが、次々やっていきましょう!」
――次の日
コンビニ店員「合計で765円でーす」
モバP「えーっと、あれ?現金が一銭も入ってない!――すいません電子マネーで」
コンビニ店員「ありあーしたぁ」
モバP「…おかしいぞ?昨日は飲みにも、外食もしてないから2万円はまだ生きていたはずだが…。どこかで浪費していたのかな?」
凛「…おはようプロデューサー」
卯月「…おはようございます」
未央「…おはよう」
モバP「どうしたんだ3人そろって顔色が悪いぞ?」
凛「実はさ、今朝起きたら財布の中身が全部なくなっていたんだ」
卯月「私もです。朝、飲み物を買おうとしたら一円も入っていなくて、お友達からお金を借りました…」
未央「あたしなんて、お昼学食で食べようとしてないことに気付いて、みんなからご飯を分けてもらう辱めを…」
モバP「お前たちもか…。実は俺も今朝起きてコンビに行った――」
凛「昨日、お母さんからお小遣い貰ったのに…」
モバP「――てな感じで、事務所のアイドル全員の財布から全額が抜き取られるという事件が発生した。警察に相談しようか悩んだが、皆住んでいる場所がバラバラなので、もう一度家を探してみようという形で終える」
――その夜
???「今度は、本人の通帳とキャッシュカード、暗証番号を書いた紙を貯金箱に入れなさい」
???「今度は、本人の通帳とキャッシュカード、暗証番号を書いた紙を貯金箱に入れなさい」
――翌朝
モバP「お金を下ろしたいのに、通帳もキャッシュカードもない!電子マネーももうすぐ底を付く!うわーん!どこいったんだー!何にも買えないよー!」
――その夜
???「さあ、これで仕上げです!」
???「貯金箱を千川ちひろの家まで持ってきなさーい」
ちひろ「貯金箱を千川ちひろの家まで持ってきなさーい」
ちひろ『貯金箱を千川ちひろの家まで持ってきなさーい』
???「…にゃは。変だと思ったけど、やっぱりこういう仕掛けだったんだね」
???「『貯金箱を作ってくれ』と頼まれた時は、随分おせっかいなと思ったが…」
???「これはもう、おせっかいの度を超えてるね」
???「同感だ。少し懲らしめてやらんとな」
――ちひろの家
モバP「」ヨロヨロ
法子「」ヨロヨロ
沙理奈「」ヨロヨロ
比奈「」ヨロヨロ
千枝「」ヨロヨロ
ちひろ「ふふふ…。モバPさんの貯金は――おほー。さすがですね!アイドルの皆さんも良い額ですねー」
晶葉「」ヨロヨロ
志希「」ヨロヨロ
ちひろ「そう言えば、お二人も持っていたんですか。お二人のアイディアはとてもすごかったですよ。感謝していますよ。では、中身を――」パカッ
プシュッ
ちひろ「きゃっ!目、目が…!」
志希「にゃはは。うまくひっかかった!」
晶葉「我々が、騙されるだけで終わりだと思ったら大間違いだぞ」
ちひろ「上手く出し抜けたと思っていましたが…」
志希「そんなわけないでしょー。でも、晶葉ちゃんのおかげってこともあるんだけどね」
モバP「ちひろさん……」
ちひろ「え?」
志希「もう催眠状態は解除しちゃったよーん」
凛「お金が欲しいのはどうして?」
卯月「何か深い理由があるんですか?」
ちひろ「……なんです」
モバP「え?」
ちひろ「私はお金が好きなんです!」ダッ
桃華「キャッ!」
ちひろ「あばよ!」バリーン!
モバP「くそ!あいつ、3階から飛び降りて逃げやがった!すぐに警察を――」
晶葉「助手!その必要はない」
志希「きちんと対策は練ってあるんだよね~」
桃華「後は、時間が解決してくれますわ」
――
ちひろ「――さあ、ここまでくれば、もう良いでしょう。桃華ちゃんの預金通帳とキャッシュカードがあれば、私はお金に」ガチャ
手紙「残念でした。にゃはは~」
ドカーン!!
――
モバP「あれから、ちひろさんがどうなったかは知らない。どこかでまた悪いことしているのか、まともな人生を歩んでいるのか分からない。ただ、あの夜この近くで爆発音が聞こえたらしい」
モバP「貯金もお金も戻って来たし、さて今日もお仕事頑張りますか!」
凛「おはよう。唯一CSファイナルを経験していない球団のファンのプロデューサー」
未央「おはよう!よこはまがファイナルいって悲しいね!ついにファイナル未経験はおりっくすだけだね!」
卯月「ファイナル行くだけなら、みんなできますよね!」
友紀「嘘だ…。キャッツが、スターの球団よりも早くシーズンエンドだなんて…」
モバP「んっほーー!」
ついにオリックスだけがCSファイナル未経験となってしまいましたが、来年優勝してファイナル行けばいいんです。
まずはドラフトで、良い選手獲って、FAは糸井を何とか残して欲しいですね…。今、あの人がいなくなったら…。
では、また…。
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