穂乃果「この前遭遇しちゃったんだど」 (26)
穂乃果「穂乃果、この前遭遇しちゃったんだどさ」
海未「何とですか?」
穂乃果「どこから話そうかな~」
海未「最初から順番にスムーズに話してください」
穂乃果「あ、最初から?スターウォーズパターンはなしって事ね?」
海未「はい、なしで。ルークからではなくアナキンの話から始めて下さい」
穂乃果「穂乃果は今アナキンの話はしないよ」
海未「ちょっと、ライトセーバを持って来ますので待っていて下さい?」
穂乃果「え?何それ?竹刀ってこと?穂乃果を叩くの?ごめんなさい、許して」
海未「…あなたは何度同じ過ちを繰り返すのですか?」
穂乃果「さあ?」
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穂乃果「じゃあ、最初から話すよ」
海未「お願いします」
穂乃果「えっとね、昨日穂乃果はやっとたどり着いたんだよ」
海未「は?どこに?」
穂乃果「辺りは薄暗くって今にも逃げ出したくなってこの扉を開けたらもう最後なんだって」
海未「え?何の話ですか?」
穂乃果「高鳴る鼓動を押さえて扉を開ける穂乃果…」
海未「…はい」ゴクリ
穂乃果「微かにこぼれる光がだんだん眼前に広がっていく…」
海未「…ドキドキします」
穂乃果「やっと…やっとたどり着いた…長かったよ。世界を滅ぼされてからここに来るまで」
海未「…は?何の話を?」
穂乃果「そこで、穂乃果気がついたんだ。あ、メモリーカードがないって」
海未「何の話をしてたんですか?」
穂乃果「昔のゲームってメモリーカードが必要何だよね。いやぁ、最近のゲームはHDD内臓されてるからさ慣れないよね?」
海未「何の話をしてるのです?」
穂乃果「え?ゲームの話だよ」
海未「…今回の話はゲームの話だったのですか?」
穂乃果「え?違うよ?」
海未「では、なぜしたのです?」
穂乃果「最初から話せって言うから。今のがエピローグだよ」
海未「エピローグ?終わっちゃうのですか?」
穂乃果「あ、違った。メトロノームだっけ?」
海未「プロローグの事を言ってます?」
穂乃果「そう。それ」
海未「あの…別に友達との会話にプロローグとか入りませんから」
穂乃果「え?本当?」
海未「ええ。本当です」
穂乃果「じゃあ…いやぁ、東京ってやっぱり有名な人がいっぱいいるよね」
海未「何ですかその入りは…急ですね」
穂乃果「先週の日曜日にね暇だったから街に繰り出したのね」
海未「はい」
穂乃果「で、まあ街に来たはいいけどさ特に予定もなかったからさ」
海未「あなたは家で勉強しようとか家業の手伝いをしようとか思わないのですか?」
穂乃果「ないね。そんな感情は生まれて来た時に母体の中に忘れて来ちまったぜ」
海未「いや、口調」
穂乃果「哀しみと一緒に置いて来ちまったぜ」
海未「いや、意味がわかりません」
穂乃果「意味なんてもんは自然と分かってくもんなんだよぉ」
海未「わかりました。私が悪かったので普通に戻って下さい」
穂乃果「はい。それでね?とりあえず、ブラブラしてたんだよ。我が物顔でね?」
海未「いや、普通にブラブラして下さい」
穂乃果「でさ、とりあえずお茶にしようかなと思ったの」
海未「はい」
穂乃果「そしたらさ、メイド喫茶に入って行ったんだよね」
海未「あ、そうなんですか?」
穂乃果「うん。ことりちゃんまだ頑張ってるんだなって缶コーヒーを片手に穂乃果は見守ってたよ」
海未「缶コーヒーを?え?メイド喫茶に行ったのに?ことりのバイト先に行ったのですか?缶コーヒーを持って?」
穂乃果「違うよ。穂乃果はお茶にしようと思って缶コーヒーを買ったの。そしたら、ことりちゃんがバイト先に行くのを目撃したから頑張ってるなって思ったんだよ」
海未「あ、メイド喫茶に入って行ったのはことりなんですね?そして、あなたはお茶するためにどこかのお店に入らず缶コーヒーを買って済ませたと?」
穂乃果「うん」
海未「なぜ紛らわしい言い回しをするのです?」
穂乃果「海未ちゃん?穂乃果が言葉を巧みに操れたらμ'sの作詞は穂乃果が担当してるよ?」
海未「…まあ」
穂乃果「でね、缶コーヒーを飲み終わって歩いてたらさなんか人が集まって騒がしいんだよ」
海未「なんですか?事件ですか?」
穂乃果「ドラマの撮影をやってたの」
海未「あ、そうなんですか?」
穂乃果「もう、ファンの人が集まっちゃってさ。大栗旬の」
海未「え?大栗旬が撮影してたのですか?」
穂乃果「うん。もう、格好いいね。スーツをビシッと決めちゃってさ。本当に大栗旬にそっくりだったよ」
海未「え?そっくり?大栗旬じゃなかったのですか?そっくりさんですか?」
穂乃果「そうだよ?」
海未「ドラマの撮影だったんでしょ?」
穂乃果「うん。バラエティーの再現ドラマの撮影をやってたんだよ。よく見ると大栗旬にそこまで似てなかったよね」
海未「ドラマって言うからてっきり」
穂乃果「あれ?海未ちゃんは大栗旬のファンなの?あんまり、そう言うの興味ないかと思ったけど」
海未「私の好きな時代劇に出ていたのです」
穂乃果「へえ。サイン貰ったからいる?そっくりさんの」
海未「…結構です」
穂乃果「で、まあ再現ドラマの撮影を見てても仕方ないから近くのゲームセンターにいったんだよ。そしたらさ、なんと」
海未「なんですか?」
穂乃果「太鼓の達人が居たんだよ」
海未「太鼓の達人…太鼓のリズムゲームの事ですよね?居たではなくあったでしょ?」
穂乃果「違う、違う。前にバラエティー番組で凄い特技の人大集合的なのがやっててさ。日曜日の夜にね」
海未「だいたい、何の番組かわかりましたけど」
穂乃果「それに、出てたんだよ。太鼓の達人の達人が」
海未「はあ」
穂乃果「もう、さっきは大栗旬の偽物で肩透かしをくらったから穂乃果興奮しちゃってさ」
海未「します?だって一般人ですよね?」
穂乃果「太鼓の達人の達人の方ですよね?って声掛けちゃったよ」
海未「はあ?何をしてるのです?」
穂乃果「まあ、そっくりさんだったよね?偽物だったよ」
海未「太鼓の達人の達人の偽物?」
穂乃果「うん。逆にμ'sの方ですよね?って聞かれちゃったよ」
海未「あなたはバカなのですか?」
穂乃果「サインも書いたからね。太鼓の達人の達人の偽物の方へ、絢瀬絵里って」
海未「何を勝手に人の名前を使ってるんですか。というか、大して私達のファンじゃないでしょ?穂乃果と絵里の区別がつかないなんて」
穂乃果「で、がっかりしながらさ奥のバッティングドームの方へ行ったらさプロ野球の小谷翔平のそっくりさんが居たよ」
海未「どんだけいるのですか。そっくりさん」
穂乃果「もう、そっくりさんはいいやと思ってプリクラ撮ろうってなって」
海未「は?一人で?」
穂乃果「いやいや、凛ちゃんと花陽ちゃんと真姫ちゃんと」
海未「あ、一年生の3人と一緒だったのですか?仲いいですね?穂乃果は一年生と。私も空いていたのですけどね?連絡なかったなぁ」
穂乃果「プリクラいる?」
海未「自分が写ってないのに欲しいわけないでしょ」
穂乃果「昔はよくクラスで交換とかしたじゃん。自分が写ってなくても」
海未「子供の頃でしょ?」
穂乃果「まあね。でも、最近のプリクラの機械は凄いね。目とか凄くおっきくなるし。撮ってる最中にバッティングドームの方からホームランのファンファーレが何回も聞こえてくるし」
海未「ちょっと待ってください。本物だったんじゃないですか?小谷翔平」
穂乃果「まさかぁ」
海未「だって」
穂乃果「確かにプリクラから出た時にストラックアウトやってて162㎞出してたけど」
海未「思いっきり本物じゃないですか。二刀流を振る舞ってるじゃないですか」
穂乃果「ええ?サイン貰っとけば良かった」
海未「なぜ、あなたは本物の時に限ってスルーしてしまうのです」
穂乃果「まだ、本物だと決まった訳じゃないからね」
海未「160㎞代を出せる人がどれだけ居ると思っているのですか」
穂乃果「大相撲には結構いるんじゃない?」
海未「体重の話をしてるんじゃないです」
穂乃果「でね、ゲームセンターも飽きたからどこ行こっかってなってさ」
海未「一つ聞きたいのですが…一年生の3人は私を誘おうとか言ったりしないのですか?」
穂乃果「…そうだね」
海未「私は嫌われているのですか?」
穂乃果「海未ちゃん基本的に忙しいから」
海未「そんな事はないです。呼ばれれば行きます」
穂乃果「本当に~?」
海未「本当です」
穂乃果「…わかったよ」
海未「なぜ渋々なのです?」
穂乃果「で、ゲームセンターの次はどこにしよっかってね」
海未「まあ、東京ですから。何でもあるでしょう」
穂乃果「とりあえず、ホームセンターに行きたいと言う花陽ちゃんの意見は却下して」
海未「花陽はホームセンターで何をしたかったのでしょう?」
穂乃果「さあ?農作業道具を買いたかったんじゃない?来年は1からお米を作るって息巻いてたから」
海未「東京で?前途多難すぎです」
穂乃果「で、真姫ちゃんの美術館も却下したの」
海未「まあ、穂乃果と凛に美術館は無理でしょう」
穂乃果「失礼過ぎるよ!」
海未「じゃあ、行けば良かったじゃないですか」
穂乃果「ま、まあね。で、凛ちゃんがさ猫カフェ行きたいとか言い出して」
海未「凛が猫カフェで猫と戯れてる姿を想像するだけで…可愛すぎます」
穂乃果「まあ、その夢も儚く散ったんだけどね」
海未「何故です?」
穂乃果「凛ちゃん猫アレルギーなんだよね」
海未「あんだけにゃーにゃー言ってるのに?」
穂乃果「うん。それに、凛ちゃんを猫カフェにつれていったら猫と凛ちゃんの区別がつかなくなっちゃうよ」
海未「いや、凛は人間ですからね?というか、そんな事はどうでもいいです。猫アレルギーにもっと驚きましょう」
穂乃果「本当にびっくりだよね。人の夢と書いて儚い…凛ちゃんは猫だけど」
海未「ですから人間ですって。むしろ、人間の中でも猫から一番遠いですよ。猫アレルギーなんだから」
穂乃果「魚も嫌いだしね」
海未「…凛」
穂乃果「で、猫カフェはダメで鳥カフェなんかもあったけどそれはことりちゃんのバイト先で十分だし」
海未「別にことりのバイト先は鳥カフェじゃないですからね?メイド喫茶ですから」
穂乃果「ことりカフェだね」
海未「そーですね。穂乃果ちゃん頭いいな~」
穂乃果「あれ?軽くキャラ崩壊してるよ?」
海未「おっと、あなたがお馬鹿過ぎるなせいで思考停止してました」
穂乃果「凄い!穂乃果は相手の思考を停止させる能力を身につけた!なんか、世界征服とか出来そう」
海未「本当にポジティブですね」
穂乃果「穂乃果は前しか見ねぇぜぇ」
海未「また、出た」
穂乃果「前しか見ねぇのに通行人と当たって真姫ちゃんに怒られちまったぜぇ」
海未「前以外も見渡しましょう」
穂乃果「そうだね」
海未「戻った」
穂乃果「で、どこに行こうか決めかねてる時に急に声を掛けられてさ」
海未「はあ」
穂乃果「穂乃果から悪いオーラが漂ってるって」
海未「誰に?」
穂乃果「なんか、音ノ木の母とか言う人に」
海未「占い師の方ですか?」
穂乃果「うん。なんか、近々物凄く怒られるから気をつけた方がいいって」
海未「信憑性があるのですか?」
穂乃果「うん。だってね、穂乃果の事を何でもあてちゃうんだよ?あなたはスクールアイドルをやってるんよね?とか実家は和菓子屋さんやね?とかさ」
海未「…本当にそう言う風に言ったのですか?」
穂乃果「うん。今言ったことをそのまんま」
海未「どう考えても知り合いでしょう?」
穂乃果「え?穂乃果の知り合いに占い師なんか居ないよ?」
海未「知り合いに占い師が居るのではなく占い師が知り合いだったと言うパターンです」
穂乃果「海未ちゃんは何を言ってるの?スピリチュアルだね」
海未「わざとですか?わざと言ってるのですか?」
穂乃果「何が?」
海未「とぼけないでください」
穂乃果「よくわからないなぁ。でね、音ノ木の母に占って貰ってたら後ろからガバッて」
海未「な、何があったのです?」
穂乃果「希ちゃんがたまたま通りかかったんだよ」
海未「へ?希が?だって、希は音ノ木の母で…。え?」
穂乃果「何を言ってるの?海未ちゃんは?」
海未「へ?じゃあ、音ノ木の母って誰ですか?」
穂乃果「さあ?なんか、有名な人なんじゃない?」
海未「へ?本物?本物だったんですか?本当に穂乃果の事を当てたのですか?」
穂乃果「さっきから言ってるじゃん。スピリチュアルでしょ?」
海未「だって、口調が…」
穂乃果「…海未ちゃんはよくわかんないなあ」
海未「うぅ」
穂乃果「で、まあせっかくだから希ちゃんも合流したんだよ」
海未「…はい」
穂乃果「で、またどこ行こっかってなったら希はその日絵里ちゃんとにこちゃんと会う約束をしてたんだって」
海未「はい」
穂乃果「だから、二人と合流しようって話になったんだけど噂をすればってやつかな?」
海未「…?」
穂乃果「絵里ちゃんを発見して」
海未「はあ」
穂乃果「絵里ちゃんってさ遠くから見てれば美人だしスタイルいいし賢そうだよね」
海未「…まあ」
穂乃果「で、普通に声を掛けてもつまらないじゃん?」
海未「そうですか?私なら普通に声を掛けますけど?」
穂乃果「うん。だから、海未ちゃんってつまらないじゃん?」
海未「ええ?」
穂乃果「ちょっと…冗談なんだからそこまで落ち込まないでよ」
海未「本当に…本当に冗談ですよね?」
穂乃果「本当だって!それに例え海未ちゃんがつまらなくても穂乃果は親友だよ!」
海未「穂乃果ぁ。もう、嬉しいのか悲しいのかわかりません」
穂乃果「そこは喜んどいてよ。でね、今日有名な人にいっぱいあったからさ」
海未「正確には有名な人は一人だけですが。しかも、その人はスルーするし」
穂乃果「絵里ちゃんに大きな声でね」
海未「はい」
穂乃果「あの、絢瀬絵里さんですよね?ファンです。握手して下さいって言ったの」
海未「はあ」
穂乃果「そしたらさ、周りの人がね、あれ?有名人?あ、私知ってる!なんか、テレビで見たことあるかもとか言い出して絵里ちゃんを囲み始めちゃって」
海未「何をしてるのですか」
穂乃果「中にはμ'sの絢瀬絵里さんですよね?って言ってる人もいてさ。もう、絵里ちゃん大変で。ファンでもない人にもサインを求められちゃってさ」
海未「あなたのせいでしょう」
穂乃果「中には太鼓の達人の達人の偽物の人もいたし」
海未「太鼓の達人の達人の偽物の方も居たのですか?」
穂乃果「穂乃果はあの人に絢瀬絵里って嘘のサインあげちゃったんだよね」
海未「後先考えないからそうなるのです」
穂乃果「まさか、あんな状況になるとは思えないしね」
海未「あなたが招いたんでしょ」
穂乃果「うん、でも悲しいかな。絵里ちゃんはあんだけサイン求められてるのに穂乃果には誰も気づかないんだよね」
海未「コメントしづらい事を言わないで下さい」
穂乃果「まあ、穂乃果のファンなんて居ないのかな?」
海未「…穂乃果!穂乃果のファンはここに居ます。例え、世界が穂乃果の敵だとしても私は穂乃果の味方です」
穂乃果「…海未ちゃん!世界が敵なのは嫌だけど穂乃果嬉しいよ」
海未「穂乃果ぁ」
穂乃果「海未ちゃーん」
海未「アハハ」
穂乃果「えへへ」
…
海未「で、結局穂乃果は何と遭遇したのですか?」
穂乃果「え?ミナリンスキーでしょ?大栗旬のそっくりさんでしょ?太鼓の達人の達人のそっくりさんでしょ?音ノ木の母にスクールアイドルの絢瀬絵里!」
海未「メンバーが二人も入ってる上に小谷翔平はスルーですか。後は全部偽物ですし」
穂乃果「でも、穂乃果が言いたいのはさっきかなりご立腹の絵里ちゃんに遭遇しちゃった」
海未「音ノ木の母の予言的中してる!?」
穂乃果「あの人は本物だったね!」
ー完ー
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