【ガルパン】みほ「戦車道のない生活」 (23)
みほ(決勝戦のあの事件から、わたしは戦車道が嫌になって、練習に顔を出さなくなりました......)
みほ「小梅さんはまだ入院中だし、心配だなぁ」
みほ「それにしても、戦車道のない休日なんて久しぶりだな。宿題も終わっちゃったし、何をしよう.....」
みほ「そういえば、パソコン、エリカさんと一緒に買いに行ったのに全然使ってなかったなぁ」
みほ「うん、せっかくだし、使ってみよう。何か役立つかもしれないし!」
みほ「でも、パソコンって何ができるんだろう?エリカさん....には聞けないし」
みほ「とりあえず、使ってみよう。確かゲームもできたはずだし.....」
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みほ「........」カチカチ
みほ「.......」カチカチ
みほ「.......」カチカチ
みほ「.......あ、やった!できた!」
みほ「ふぅ、ソリティアって意外と面白いなぁ.....今何時......え?もうこんな時間!!」
みほ「.......どうしよう、いつの間にか10時間も経ってるだなんて.......」
みほ「ごはんの時間は過ぎちゃってるし.....なんだか疲れたしもう寝ようかな......」
みほ「どうしよう、戦車道がなくなったら急にぽっかりと何もない時間ができちゃった.......」
コンコン
みほ「は、はい」
まほ「みほ、入るぞ」
みほ「お、お姉ちゃん、どうしたの?」
まほ「いや、今日一日、みほが部屋から出ていないと聞いて、心配だったから......」
みほ「う、うん。ごめんね」
まほ「......決勝のことはもう気にしなくていい。誰もみほを責めたりなんてしていないから」
みほ「......うん」
まほ「その、戦車道を続けるのが辛いならそれでも構わない。その、だからみほ、元気を出せ」
みほ「ありがとう、お姉ちゃん」
みほ(お姉ちゃん、わたしを心配して.....)
みほ(あれ?もしかして、わたしがこのまま引きこもりになるって思われてるんじゃ.....)
~翌週の休日~
みほ「うん、今週は出かけよう!お姉ちゃんを心配させるのも良くないし!」
みほ「でも、用事もなく出かけるのは......一緒に遊ぶ友達もみんな戦車道の練習中だろうし」
みほ「お散歩するだけでも違うかな?」
みほ「.......」テクテク
店員「いらっしゃいませー」
みほ「.......」うろうろ
店員「ありがとうございましたー」
みほ「.......」テクテク
みほ(どうしよう、コンビニに出かけただけで5時間も経ってた......)
みほ「さ、流石に5時間は自分でもドン引きだよ.....最長記録だけど、むしろもうこれ以上更新してはいけない記録だよ.....」
みほ「.......買ってきた雑誌読もう」
コンコン
みほ「はーい、あ、お姉ちゃん」
まほ「みほ、元気?」
みほ「うん、元気だよ」
まほ「その、悩みはないか?」
みほ「え?」
まほ「いや、戦車道のことで悩んでいるのは分かる。ただ、辛い時は言って欲しい。きっと一人で悩む必要はない」
みほ「う、うん」
まほ「それに、ここはお前の家だ。遠慮することはない。その、誰もみほを悪く思ったりしないから」
みほ「お姉ちゃん.....」
みほ(お姉ちゃん、どうしたんだろう?急に......)
みほ(あっ、コンビニに5時間もいたせいで家に居づらいと思ってると思われてる?!)
~さらに翌週の休日~
みほ「今週は!今週はみんなに心配させないように過ごそう!」
みほ「まずお出かけ!目的を持って出かけよう!景色が綺麗なとことか、普段行かない場所に出かけよう!」
みほ「.......」テクテク
みほ「わぁ、すごい。見晴らしが良くてきれい!」
みほ「あ、魚が泳いでる。昔お姉ちゃんとこの川で遊んだっけ」
みほ「この森懐かしいなぁ、虫取りとかしたっけ?」
みほ(うん、久しぶりに充実したお休みだったなぁ)
コンコン
みほ「あ、お姉ちゃん!」
まほ「み、みほ。決勝のことは絶対にみほは悪くないぞ、お姉ちゃん分かってる」
みほ「う、うん」
まほ「だから、だから一人で悩まないで。もしかして、まだ学校でみほを悪く言う子がいるのか!」
みほ「ううん、その、そんな人はいないけど......」
みほ(そういえば、最近誰ともお話ししてない)
まほ「そ、そうか。その、早まるんじゃないぞ。わたしはみほの味方だから、ね?」
みほ(お姉ちゃん何を心配して.......)
みほ(そういえば、今日出かけた場所、川や山や高いところ......)
みほ(ひょっとして死ぬつもりだと思われたっ?!)
~さらに次の休日~
みほ「こ、今週は、適度に外出して、適度に部屋で過ごそう!」
みほ「コンビニに長時間滞在したり、自殺をほのめかすような場所には近づかない!あ、勉強しよう!うん、それなら誰も心配しないよね!!」
みほ「.....」カリカリ
みほ「......」テクテク
店員「いらっしゃいませー」
店員「ありがとうございましたー」
みほ「......」テクテク
みほ「......」ペラペラ
みほ「......ふぅ」
みほ「勉強、すごくはかどったなぁ」
コンコン
まほ「......みほ、勉強頑張ってるって聞いたんだけど」
みほ「う、うん。時間があるから有意義に使おうって思って」
まほ「う、うん。ならいいんだ」
みほ「どうかしたの?」
まほ「いや、なんでもないよ。ほどほどにね」
みほ「うん!」
みほ(よかった、今日は心配かけずに済んだみたい)
~そして次の休日~
みほ「うん、今週も先週みたいに色々やって過ごそう」
みほ「今日はせっかくだし、部屋の片付けでもしようかな?」
みほ「.......」ゴソゴソ
みほ「.......」パサパサ
みほ「.......うん、普段からお掃除してても、引き出しの中とかはごちゃごちゃしちゃうもんね。うん、懐かしいなぁ」
みほ「部屋もきれいになったし、いいことづくめだね!」
みほ「.......」テクテク
みほ「.......あれ?お姉ちゃんと菊代さん、何か話してるみたい」
まほ「菊代さん、みほは急に勉強をしたり、今日は部屋を片付けたり......ひょっとして、この世に未練を残さないようにしてるんじゃ」
菊代「まほお嬢様、大丈夫ですよ。みほお嬢様は強い方です。きっと、きっと今を乗り越えて成長してくださいますから」
まほ「.......そうだな。みほは強い子だ。でも、優しすぎて自分の悩みを一人で抱え込んでしまうから心配で.....」
みほ(お姉ちゃん!心配しすぎだよ!わたしは大丈夫だよ!)
~そしてさらに次の休日~
みほ「もうお姉ちゃんを心配させないっていうのは置いといて、普通の休日の過ごし方を考えよう」
みほ「よくよく考えたら、戦車道始めてから他の子みたいな過ごし方ってしたことなかったし」
みほ「でも、みんなどんな風にお休みを過ごしてるんだろう?漫画読んだり、買い物に行ったりかな?」
みほ「うーん、わたしが戦車道始める前って.....ボコのぬいぐるみで遊んでたっけ?」
みほ「.......」
みほ(ボコ真似)「オイラ、ボコだぜ!」
みほ「えへへ、ボコかわいいなぁ。とりゃ!」
みほ(ボコ真似)「うわぁ、何をする!やめろぉ!」
みほ「えいっ、えいっ!ボコがんばれー」
みほ(ボコ真似)「うわー、やーらーれーたー」
みほ「.......うん、ない。これはない」
みほ「.......コンビニに行こう」
コンコン
みほ(っ!来た!)
まほ「みほ、今いいかな?」
みほ「う、うん」
まほ「そ、その、お姉ちゃんとお話ししよう!」
みほ(わぁ、やっぱり心配されてる......)
まほ「そ、その、今日の練習でエリカがな.....あ」
みほ「う、うん。どうしたの?」
まほ「いや、戦車道の話以外にしよう。えぇっと、ええっとな、.....あれ?何かあったかなぁ」
まほ「ははは、戦車道のことしか分からないなぁ。みほと、みほとたくさんお話ししたいのに変だなぁ」ポロポロ
みほ「お、お姉ちゃん?」
まほ「は、はは、いや、大丈夫だ。泣いてないぞ!ふふ、ダメだなぁ、みほを、ひぐっ、元気付けようと思ったのに、ぐすっ、ごめんね、ダメなお姉ちゃんでごべんね"」
みほ「泣かないで、泣かないで!えっとね、そうそう!お出かけした時にね!」
~翌日~
みほ「もう四の五の言ってられないし、素直にみんなにどうやって過ごしてるか聞こう!自分一人で悩んでる場合じゃないよ」
エリカ「あ、副隊長」
みほ「エ、エリカさん!」
エリカ「気安く呼ばないで!あなた分かってるの?自分が何をしたのか!」
みほ「.....っ」
エリカ「練習ももう1ヶ月もサボって、みんなに心配かけて、いつまでうじうじ悩んでるのよ!」
みほ「......ごめんなさい」
エリカ「......戦車道、辞めるつもりなの?」
みほ「......うん」
エリカ「......っ!だったら!あんたなんかどっか別の学校に転校しちゃえばいいのよ!」
みほ「......え?」
エリカ(い、言いすぎたかしら......)
みほ「て、転校......」
エリカ「ふ、ふん。いつまでもうじうじしないでよね。あんたがその調子なら副隊長の座はわたしのものかしら?」
みほ「そうか、そうだよね......」
エリカ「悔しかったら、さっさと元気出して
みほ「ありがとう!エリ....逸見さん!」
エリカ「練習に....へ?」
みほ「そうだよ!そうすればよかったんだよ!ありがとう!」
エリカ「は?ちょっと待ちなさ.....」
エリカ「......はぁ、ま、元気になったみたいだし何でもいいわ。これであの子が戻って来れば隊長も元気になるでしょうし」
エリカ「何より、ライバルがいないんじゃ張り合いないもの」
みほ「こうして、わたしは戦車道のない大洗女子への転校を決め、普通の子のように普通の生活を送ることを決めました」
みほ「決めたんだけど......」
杏「西住ちゃん、選択科目は戦車道を選んでねぇん」
みほ(結局、戦車道のない生活なんて考えられなさそうです)
おしまい
終わりです。HTML出してきます。
結局、黒森峰にも西住家にも闇なんてなかったんや!優しい世界やったんや!
ちょっと遊ぶつもりが、気づいたら数時間経ってるのでソリティアは怖いです。スパイダーソリティア面白いです。
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