【ガルパン】風紀委員の少し早い朝 (34)
校門前、早朝5時
磯部「よし!今日も一番乗りだ!!」ダダダ
磯部「朝練するぞーッ!!!」ダダダ
近藤・佐々木・河西「オーッ!!」ダダダ
??「待っっちなさーい!!!!」
河西「あなた達は風紀委員の……!」
近藤「そど子さん!ゴモヨさん!パゾみさん!…合ってます?」
パゾみ「合ってます」
そど子「園みどり子よ!名前を略さないで!」
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磯部「一番乗りじゃ無かったのか……!」
佐々木「もう門の中にいるなんて…私達の負けです~…」
そど子「ついに見つけたわよバレー同好会!覚悟なさい!」
磯部「気を落とすな佐々木!また明日勝てばいいんだ!」
佐々木「はい!キャプテン!」
そど子「校門が開くのは7時からよ!用務員さんが開けるまで入っちゃダメなの!」
河西「次は負けませんよ風紀委員さん!」ビシッ
近藤「明日は勝ちます!」
そど子「それと体育館も勝手に使っちゃダメ!体育委員会に許可を……」
磯部「乗り込めーッ!!」
バレー部「「「「オーーッ!!!」」」」ガシガシガシ
そど子「コラーーッ!!!」
河西「あなた達は風紀委員の……!」
近藤「そど子さん!ゴモヨさん!パゾみさん!…合ってます?」
ゴモヨ「合ってますよ」
そど子「園みどり子!2回目じゃない!」
そど子「あなた達いつもそうやって校門を乗り越えて進入してるのね!?ダメじゃない!」
磯部「ダメなんですか?」
そど子「当たり前でしょ!?ダメ!!」
佐々木「じゃあどうやって入ればいいんですか?」
そど子「校門が開くまで待ちなさい!」
近藤「いつ開くんですか?」
そど子「7時よ!」
河西「その時間にはもうバスケ部の朝練が始まってますよ!」
近藤「それじゃダメなんです!」
佐々木「やっぱり乗りこみましょう!」
磯部「根性ーーッ!!!」
バレー部「「「「オーーッ!!」」」」ガシガシ
そど子「ダメーッ!!!!!」
河西「あなた達は風紀委…
そど子「もういいわよ!!」
河西「くっ…ブロックされた…!」
近藤「なんて強固な3枚ブロック…!」
佐々木「どうやって突破すればいいの…?」
そど子「7時まで入れられないの!そういう規則なの!」
磯部「私達はどうしても朝練したいんです!」
そど子「むぅ?…なら許可を取りなさい!」
磯部「許可?」
そど子「私達が今入れてるのも、校門を乗り越える生徒達を注意するという名目で入れてもらっているの!」
そど子「だからあなた達も体育委員会なりなんなりに朝練の許可をもらってから学校に入りなさい!」
磯部「そうか!!あぁ、でも……」
そど子「何よ?」
河西「私達、体育委員会にはもう何度も掛け合ってるんです…」
近藤「でも同好会に体育館は貸せないって言われてて…」
佐々木「それで仕方なく、誰も体育館を使ってない早朝に練習してるんです…」
そど子「そ、そうなの…?」
ゴモヨ「かわいそう…なんとかしてあげようよそど子」
そど子「そうは言っても体育委員が決めたことなら…」
河西「うぅ、苦しい」バタン
そど子「!?」
近藤「しっかりして忍!」
佐々木「あぁ!朝練さえ出来ていれば!」
磯部「ワダシイイゴイナルガラァー!!」
パゾみ「すごく似てる」
ゴモヨ「ほら…こんなに似てるんだし」
そど子「ああもう!分かったわよ!!」
そど子「私から体育委員会に掛け合ってみるから!だからもう…」
バレー部「「「「やったぁーーっ!!!」」」」
磯部「ありがとうございます!!!」ブンブン
河西「アタック決まりましたね!キャプテン!!」
そど子「ちょっと!まだ決まったわけじゃ…」
近藤「ありがとうございます!ゴモヨさん!」ギュッ
パゾみ「私はパゾみ」
佐々木「嬉しいです?!」ピョンピョン
ゴモヨ「ひぇぇ~、飛んだら更に大きい…校門が小さく見える...」
そど子「とにかく!!」
そど子「私達が体育委員会の許可を取り付けるまで無茶しないこと!いいわね!?」
バレー部「はい!!分かりました!!よろしくお願いします!!!」
磯部「よし!これで正々堂々朝練ができるようになるかもしれない!」
河西「でもキャプテン、今からの朝練どうします?」
近藤「1限まで暇ですよ」
佐々木「どこか近くににバレーできそうなところあったかなぁ」
バレー部「「「「う~~ん……」」」」
磯部「いや、待てよ…!ここできるかもしれない!」
近藤「どうやって?」
磯部「あれを使うんだ!!」校門指差し
佐々木「校門をネット代わりに!?」
近藤「なるほど!それなりにいい高さですね!」
河西「しかも相手コートに暇そうな人達がいる!」
磯部「よし!行くぞ!!!」
そど子「えっ?ここでバレーを!?」
磯部「はい!」
パゾみ「確かに、校内入ってないから規則には触れてない」
ゴモヨ「私達も7時まで暇よね」
河西「うぅ、苦しい…」バタン
そど子「あぁああもう!!!天丼!」
そど子「こうなったらもう乗り掛かった船よ!最後まで面倒見てやろうじゃない!」
そど子「ゴモヨ!パゾみ!風紀委員の力を見せつけるわよ!」
ゴモパゾ「「おー!!」」
近藤「そーれっ」バシッ
ゴモヨ「わぁっ!!」ドコ
そど子「ゴモヨ!どこに打ち上げてるのよ!」
ゴモヨ「ごめんそど子?」
磯部「いえ!いい反応でした!アンダーハンドレシーブはしっかり腕を伸ばして姿勢を落として、ボールから目をそらさないこと!後は根性!!!」
ゴモヨ「は、はい!」
パゾみ「…はっ!」パシン
校門「痛い」ガンッ
そど子「コラ!パゾみ!!校門に傷がつくじゃない!!」
パゾみ「わざとじゃ無い」
磯部「いきなりフローターサーブが打てたのは凄いですよ!今の感覚をそのままに力を調整しつつ、後は根性!!!」
パゾみ「はい!」
そど子「オラーッ!!」バコンッ
佐々木「ブローック!」バシッ
そど子「あぁんもう!!こんな身長差無理よ!!」
磯部「素晴らしいジャンプ力です!スパイクの威力も申し分ない!フェイントも視野にいれつつ根性!そして根性ォ!!!」
そど子「前半の適格なアドバイスが根性で台無しよ!!」
磯部「さぁみんな声出していけ!!根性ーーッ!!!」
バレー部・風紀委員「「「「「「ウオォッ!!根性ーーッ!!!!」」」」」」
カエサル「なんだろう、校門の方が騒がしいな」
エルヴィン「こんな朝早くなのに、戦火があがっているのか」
佐江門左「銃声が聞こないから、きっと武者同士の合戦だな」
おりょう「いや…!あれをみるぜよ!」
イクワヨー! バシ! コンジョー!! バシン!
カエサル「な、なんだアレは??」
エルヴィン「アヒルさんとカモさんがバレーボールをしていているな…」
左衛門佐「そして校門がネット代わりなっている…」
おりょう「面妖な光景ぜよ…」
エルヴィン「いや…でも……」
ソレー!バシ!
左衛門佐「これは中々……」
オラオラー!!ドコ!
カエサル「……いい試合だな!」
コンジョー!!バシ
おりょう「熱くなるぜよ…!」
パゾみ「ハァッ!」パシッ
佐々木「くっ!いやらしい位置!!ナイスサーブ!!」バシッ
磯部「いいぞ佐々木!!近藤!河西にあげろ!!」
近藤「はい!忍!」ポン
河西「アターック!!」バシッ
ゴモヨ「やぁっ!」ドコッ
河西「軌道を読まれた!?ナイスレシーブ!!」
そど子「パゾみ!私にあげて!スーパー風紀アタックで決めるわ!」
パゾみ「…これでどう!?」ポン
そど子「完璧!いくわよ!!スーパー風紀アタック!!」
佐々木・近藤「2枚ブローック!!!」
そど子「――っと見せかけて、トス!」ポン
佐々木「しまった?!!」
近藤「ナイスフェイント!」
テーン
そど子「やったぁ!入った!!得点よ!!」
ゴモヨ「凄いよそど子!」
パゾみ「ナイスプレー」
おお~!パチパチパチパチ…
そど子「ん?あそこにいるのは…」
カエサル「いや~!いい試合だった!Fantastico!」パチパチ
エルヴィン「Wunderbar!」パチパチ
左衛門佐「アッパレだ!」パチパチ
磯辺「カバさんチームの皆さん!見てたんですか!?」
そど子「いつからいたの!?」
おりょう「かれこれ一時間位は釘付けだったぜよ」
そど子「い、一時間も!?それって…」
7:04
そど子「ああもう7時過ぎてるじゃない!校門開けなきゃ!!」
イソグノヨゴモヨー!パゾミ-! ガラガラガラガラガラ
エルヴィン「後半の風紀委員さん達の成長は素晴らしかったな!」
佐々木「はい!私もそう思います!」
河西「きっといい選手になりますよ!」
ワカッテルヨソドコ- ガラガラガラガシャン
左衛門佐「合戦並みに熱い戦いだった!」
カエサル「うむ、コロッセオの剣闘のようだった」
おりょう「燃えたぜよ~!」
磯部「私達も久しぶりに試合ができて楽しかった!」
近藤「楽しかったです!」
ガラガラガラガラガラ チ、チカラガハイラナイ…
ガラガラガラ ガシャン
そど子「ハァ……ハァ……急に疲れが出てきたわ…」フラフラ
ゴモヨ「もう動けない~……」バタン
パゾ美「何で朝からこんなことしてるんだっけ……」ゼェゼェ
左衛門佐「朝から良いものが見せてもらった!」パチパチ
エルヴィン「流石、カエサルの卦は百発百中だ」
カエサル「早朝が吉と出たからな」
おりょう「それで、次の試合はいつぜよ?」
風紀「「「………は?」」」
エルヴィン「おお、そうだ。また見に来るよ」
左衛門佐「うんうん、三文以上に得だ」
カエサル「タダで娯楽を楽しめるのはローマ市民の特権だ」
おりょう「我々はローマ市民だったぜよ?」
そど子「い、いや…もうこんなことは二度としな
磯部「明日もやります!!」
風紀「!?」
歴女「「「「おぉ!」」」」
磯辺「ていうか、明日から毎朝やります!」
歴女「「「「おぉ~~っ!!!」」」」
そど子「ちちちちちちちょっと待って」ガクガク
佐々木「そど子さんが面倒見てくれるって言ってくれましたから!」
河西「そう言ってました!」
近藤「私も聞いてました!録音もしてあります!」カチッ
レコーダー「こうなったらもう乗り掛かった船よ!最後まで面倒見てやろうじゃない!」変声
磯部「朝練できるようになるまでよろしくお願いします!」
バレー部「「「「お願いしまーす!!」」」」
そど子「これは早くなんとかしなきゃ……」サァー|||
ゴモヨ・パゾみ「キュゥ~」バタン!
そど子「ゴモヨ!?パゾみ!?し、しっかりしなさい!これから校門の見張りがあるのよ~!?」ガクガク
カエサル「これはいけない、バテバテではないか」
左衛門佐「これでは立ち仕事などできまい、仕方ないでござるなぁ」
エルヴィン「我々が代わってやってやろうではないか」
おりょう「お任せあれ、見物料代わりぜよ」
そど子「な、なんですって!?あなた達みたいな格好の人が校門に立ってたら、「あれ?今日は仮装大会なのかな?」って思われちゃうじゃない!!」
エルヴィン「んん~?聞こえんなぁ??」
カエサル「今日だけと言わずに、我々は万年仮装大会だぞ」
おりょう「そういうおんしらも謎の黒ヘルメット軍団の仮装をしているぜよ?」
左衛門佐「そうだ!ズルいぞ!!」
そど子「誰が黒ヘルよ!!!これは仮装じゃ無くて正装!!!風紀委員の伝統!!!」
エルヴィン「ええい、我々に構うな!ここは任せてアヒルさんチームは先にゆけぃ!」
磯部「でも…!」
カエサル「いいや任せてくれ!我々はアレシア包囲戦でのガリア援軍だ!」
左衛門佐「いやいや!長篠の戦いでの信長軍ではないだろうか!」
おりょう「ここは禁門の変での薩摩藩の援軍ぜよ!」
エルヴィン「バルジの戦いでのアメリカ軍だろうか、ドイツ贔屓の私が言うのもアレなのだが...!」
歴女「「「それだ!!」」」
エルヴィン「あぁ~、それだ!になってしまったかぁ~…不本意だぁ…」
佐々木「全然わかりません!」
近藤「勉強の話は苦手です!手に負えません!」
河西「ここは任せるしかないようです!ていうかやりたがってます!」
磯部「そうだな!では、カバさんチームの皆さん!よろしくお願いします!!」
バレー「「「します!!」」」ズダダダダダー
左衛門佐「最後まで全力だった」
エルヴィン「アヒルさんは汗ひとつかいてなかったな」
おりょう「まだ全力では無かった、ということぜよ」
カエサル「一方、風紀委員達はしかばねと化している」
エルヴィン「そど子さんももう目を覚まさんか、仕方ないから勝手に腕章を拝借しよう」
そど子「……名前…略すな……腕章……返……」ガクン
左衛門佐「腕章三つしか無いな、どうする?」ゴソゴソ
おりょう「あてはいらん、羽織に穴開けたく無いぜよ」
カエサル「そうか、まぁいいか別に」パチン
エルヴィン「自分の人生は自分で演出するものだからな」パチン
左衛門佐「では、門の守りを始めよう」パチン
おりょう「大洗を今一度、せんたくいたし申候」
武部「ちょっと麻子、しっかり歩いてよぉ~」
冷泉「寝てるんだから……歩けるわけ無いだrrr……」ズルズル
武部「ホラ、もうすぐ校門だよ?またそど子さんに注意されるよ?」
冷泉「構うものか…あの変声も聞き飽きた……グゥ……」ズリズリ
カエサル「やぁやぁおはよう冷泉さん!お噂はかねがね」
武部「えっ!?なになに!?今日って仮装大会だったの!?」
エルヴィン「本当に寝ながら来るとは、お噂は真だった」
おりょう「でも遅刻ぜよ」
左衛門佐「間に合わない女の子のマコとはよく言ったものだ」
冷泉「私はそんなボコられ熊のボコみたいに言われてない…ていうかそど子はどうした」
おりょう「あっちで寝てるぜよ」
冷泉「あァ~~!?寝てるだと~!?」グググ
武部「うわっ、急に元気になった」
冷泉「私がぁ寝たくてもいっしょうけんめぇ起きてちゃんと登校してるのに寝てていいと思ってるのかァ!?おきろーそど子ー!」ムニャムニャ
エルヴィン「寝てたじゃないか」
おりょう「起きてなかったぜよ」
武部「私が運んだだけだよね」
カエサル「ちゃんと登校してるとは言えないな」
左衛門佐「遅刻だし」
冷泉「ええい、うるさい!」
エルヴィン「朝の冷泉さんはアホだな」
冷泉「なんでもいい!眠い!そど子起きろ!」ユサユサ
そど子「ウグゥ~…」グラグラ
左衛門佐「止めてやってくれ!」
カエサル「激闘の結果なんだ!」
おりょう「彼女達には彼女達の戦いがあったぜよ!」
エルヴィン「今は!…休ませてやってくれ…!」
武部「えっと…一体何があったの?」
おりょう「校門の戦い」
武部「えぇ…なにそれ汚い…そしていたたまれない…」
カエサル「詳しく聞きたいか?」
武部「絶対イヤ」
カエサル「ならしょうがない」
エルヴィン「あ、いつの間にか冷泉さんも寝ているぞ」
冷泉「ぐぅ」zzz
左衛門佐「もう1限も始まるし、手分けして運ぼう」
カエサル「我々は風紀委員を運ぶから、武部さんは冷泉を」ドッコイショ
武部「おっけー」
おりょう「なんなら交換するぜよ?」
武部「絶対イヤ」
キンコンカンコーン
そうして、そど子が体育委員会にバレー同好会の朝練許可を取り付けるまでの数日間
毎朝、バレー同好会と風紀委員の校門を使ったバレーが行われ
毎朝、仮装した4人組が校門でポーズをとっていたという。
一方、武部沙織は風紀委員に思う汚点を
ずっと胸にしまっておくことにしましたとさ。
めでたし、めでたし。
おしまい
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