【咲-Saki-】三尋木咏「テレビにでたい」【安価】 (154)

七月頃


えり「はあ……」

咏「私もそろそろさ、はやりさんみたいにテレビに出て麻雀以外にも知名度が欲しいわけよ」フリフリ

えり「はあ……」

咏「だから、バラエティ番組とかにでれないかなって」

えり「はあ……」

えり「あのですね三尋木プロ」

咏「んー?」

えり「私は三尋木プロとよく組まされる女子アナというだけで、別に三尋木プロのマネージャーではないんですが」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1475309520

咏「お堅いなーえりちゃん」

えり「……」イラッ

咏「ほら、えりちゃんって女子アナだから、いろんな局にコネがあるじゃん」

咏「だからちょちょっと私をバラエティ番組に出してくれるように掛け合ってくれないかな。って」

えり「はあ……」

えり「わかりました。では次のインハイでの三尋木プロの解説次第で考えます」

えり「真面目な解説をしてくれたら、バラエティ番組に出れるよう掛け合いましょう」

咏(なんだか、次のテストの点数が良ければご褒美をあげる。っていうお母さんみたいだねぃ……)

えり「わかりましたか?」

咏「オッケー。ばっちり任せてねぃ」

……






インハイ後


咏「えりちゃーん」フリフリ

えり「三尋木プロ。どうしたんですか?」

咏「あの話はどうなったのかなー。って」

えり「あの話……?」

咏「ほら、インハイの解説次第で私をテレビに出してくれるってやつ」

えり「ああ……」

咏「私の解説、どうだった?」

えり「……」



咏『わかんねー』

咏『いや知らんし』

咏『全てがわっかんねー』



えり「……」

えり「……わかりました」

咏「お?」

えり「三尋木プロにぴったりの番組を用意しておきますね」ニコッ

咏「さっすがえりちゃん!話がわかるぅ!」

えり「では番組についてはおって連絡をします。おそらく一週間後くらいになるので」

咏「あいよー。頼むねえりちゃん」フリフリ

咏「それじゃ、私は野依さん達と会ってくるからまたねぃ」

えり「……」

えり「……もしもし。はい、私です。例の番組の出演にピッタリのゲストが見つかりました」

……






一週間後


咏「……番組の収録をここでやるって聞いたんだけどさ」

えり「はい。ここで合ってますよ」

咏「ここってーーーーーー」






咏「廃屋じゃん」






えり「ええ。今回の番組は、ゲストを呼んで曰く付きの廃屋を探索してもらう番組ですから」

咏「えー……心霊特番かよ……。もっと華やかなさぁ……」

えり「何を言ってるんですか。夏は心霊特番こそが華ですよ」

咏「そもそも私、ホラーとかその手のものには興味ないんだけど」

えり「三尋木プロ自身、心霊番組に出てくる人形か座敷童みたいな姿してますけどね」

咏「そんな、お人形さんみたいで可愛いだなんて照れるぜえりちゃん///」

えり「とりあえず番組の流れを説明すると、私が廃屋の前でこの家の説明をして、その後に私と三尋木プロとカメラマンの3人で廃屋内を探索する感じです」

咏「それって観てて面白いのかねぃ」

えり「雰囲気があればいいんですよ。あとは勝手にネット上で考察して盛り上がってくれて番組の知名度が上がれば御の字です」

咏「ふーん」

スタッフ「針生さん、三尋木さん!本番入ります!」

えり「わかりました!」

えり「それじゃあ三尋木プロは呼ばれるまで待っててください」

咏「あいよー」フリフリ

……







スタッフ「本番5秒前。5、4、3、2、1……」

えり「こんばんは。本日私たちが訪れたのは、××県の某村にある廃屋です」

えり「この村は谷間風が吹く寒村地域で、農作物の収穫も悪く過疎地帯となった村」

えり「昼間でも人が出歩くことがなく、民家同士が離れたこの村にポツンと建つこの家」

えり「この家では数年前まで、70を過ぎた母親と40を過ぎた娘の二人暮らしでした」

えり「母親は足腰が弱く寝たきりで、それを介護する娘との二人暮らしでしたが、数年前に母親が事故死し、後を追うように娘が首を吊って自殺しました」

咏(げっ……マジモンの事故物件かよ)

えり「その後、住む者もいないこの家は荒れ果て、大家はホームレス対策に窓を板で塞ぎましたが、それが一層荒れ果てた雰囲気を助長しています」

えり「そのせいか、肝試しに若者たちがやってくることもままあります」

えり「そして……入ったもの達の間で、霊の目撃証言がえられました」

咏(えりちゃん、心霊番組なのにニュースキャスターみたいな語りだねぃ)

えり「眉唾物の話もありましたが、幾つかの人の間で共通の目撃談があります」




えり「階段の上にーーーーーーナニかいる……と」



えり「そこで今回はこの私、針生えりと、ゲストの三尋木咏プロと一緒にこの廃屋を探索する事にしました」


カンペ『ここで登場』


咏「どもー。プロ雀士の三尋木咏です。知らんけどよろしくねぃ」フリフリ

えり「それでは、早速中に入ってみたいと思います」

咏「あいよー。ところで、どうやって入んの?」

えり「事前に大家さんに、テレビ番組に使うということで家の鍵をお借りして来ました」


[廃屋の鍵]を手に入れた!


咏「そいじゃ、ガチャりことな」ガチャ






ギイイイィィィ






咏「うわー。真っ暗で何も見えねー」

えり「懐中電灯はこちらで用意しているので、どうぞ」


[懐中電灯]を手に入れた!


咏「よし、心霊廃墟探索。開始するかねぃ」

玄関


咏「廃屋になったのは数年前だってのに、なんか寂しい感じがするねぃ」

えり「確かに……妙に寂しいですね」

咏「……あれ?」

えり「どうしたんですか?」

咏「この玄関……靴が一足しかないんだけど」

えり「ああ……妙なのはそのせいだったんですね」

咏「母と娘さんの二人暮らしなら、靴は二足あるはずじゃないの?」

えり「うーん、母親が亡くなった時に片付けたんでしょうか?」

咏「ま、そんなとこだろうねぃ」






バタン





.

えり「……三尋木プロ。カメラマンがまだ入って来てないんですから、玄関を閉めないでください」

咏「……?今閉めたのえりちゃんじゃないの?」

えり「え……?」

咏「……?」

えり「……」スタスタ



ガチャガチャ



えり「……玄関が開かない」

咏「はい!?ちょっとえりちゃん、私を驚かそうだなんてそんなの……」



ガチャガチャ



咏「ほんとだ……開かない……」

えり「すいません、誰か!スタッフさん!聞こえませんか!?玄関が開かないんですけど!」

えり「……返事がない。どういう事?私たちの声が家の外に聞こえないの……?」

咏「おいおいマジかよ……」

咏「ていうか外のスタッフの人達も、私たちが二人きりで家の中に入ったら異常事態に気づくんじゃないの?」

咏「きっとすぐに助けに来てくれるって」

えり「そうかもしれません……けど」

咏「けど?」

えり「もしかして……私たちの声が聞こえてないんじゃなくて」

えり「既に……聞くことができない状態なんだとしたら……」

咏「ーーーーーー!」ゾワゾワ

咏「そ、それって……」

えり「……とにかく、こんな家の中で助けを待つのは得策じゃありません」

えり「どうにかして外に出ないと……」

咏「どうにかしてって、玄関はこの通り開かないんだぜぃ?」

咏「窓は板が打ち付けられてるし、どうやって外に……」

えり「先ほど言ったでしょう?」

えり「肝試しに何人かやって来ているって」

咏「そーいえばそんな事言ってたような……」

えり「それなら、どこかに進入路があるはずです」

えり「そこからなら出られる可能性だってあります」

咏「おお!さっすがえりちゃん!」

咏「ま、どうせ家の中を探索する予定だったし、早いとこ脱出できるとこを見つけるかねぃと」

えり「あ、この家の地図を渡しておきますね」


[廃屋の地図]を手に入れた!

.

《1階》
玄関
廊下
居間
キッチン
仏間
寝室
物置
トイレ
風呂

《2階》
廊下
寝室

咏「一階の各部屋に対して二回は寝室一つってどゆこと?」

えり「二階の使われてない各部屋は閉じてあって入れるのが一部屋だけだったんです」

咏「てかなんでこんなもんあるの?」

えり「事前にスタッフの方達が家の中に入って調査して作ったものです」

咏「えっ、じゃあ既にこの廃屋は私たちが入るまでもなく調査済みって事?」

えり「まあ床板が腐ってたりガラスが割れてたりと危険なものがあったら困りますからね」

咏「なんかヤラセくせー……」



咏「さて。どうするかねぃ、と」


1.移動する
 >>15から移動先を選ぶ
2.道具を調べる
[懐中電灯]


安価下

キッチン


咏「冷蔵庫の中はなーにっかな~♪」ガパッ

えり(おばあちゃんの家に上がり込んでお菓子を探す孫娘みたい……)

咏「あれ?野菜やら肉やら魚やらあるけど、全然腐ってないねぃ」

えり「この村は山に囲まれてほとんど日が差さないし、キッチンは北向きですからね。電気が止まっても腐らずに済んでるんでしょう」

咏「ふーん。夏でも食べ物が腐らないくらい気温が低いなんて、寂しいねぃ」

えり(……というか三尋木プロは真夏に着物着てて暑くないの……?)


咏「さて。どうするかねぃ、と」


1.移動する
 >>15から移動先を選ぶ
2.この部屋を調べる
3.道具を調べる
[懐中電灯]


安価下

咏「あ、お酒めっけ!」

咏「さてさて、お味は……」

えり「こら!飲んじゃいけません!」

咏「じょ、冗談だよ……」

咏「持って帰るくらいは……」

えり「ダメです!そんな火事場泥棒みたいな真似は!」

咏(……なんかいつになくお母さんみたいに厳しいねぃ)



咏「さて。どうするかねぃ、と」


1.移動する
 >>15から移動先を選ぶ
2.道具を調べる
[懐中電灯]


安価下

一階 廊下


えり「この廊下は玄関からまっすぐ伸び、突き当たりの扉を開けば居間、居間の奥にキッチン」

えり「居間の扉の手前左右にも廊下が伸び、左の突き当たりに物置と風呂トイレ、右の突き当たりに寝室」

えり「玄関から突き当たりまでの廊下の左に階段、右の襖を開けば仏間があります」

咏「説明臭い解説どーもねぃ」



咏「さて。どうするかねぃ、と」


1.移動する
 >>15から移動先を選ぶ
2.この部屋を調べる
3.道具を調べる
[懐中電灯]


安価下

咏「まよーするに、十字に伸びた廊下の北に居間、西に物置、東に寝室、南に玄関があるってことだねぃ」

えり「この地図によるとそうですね。ついでにこの家の中心部は二階の階段を上がった所になるようで……」

咏「ん?どしたのえりちゃん」

えり「……今、そこの居間の前を誰かが通りすぎませんでしたか?」

咏「ちょ……怖い事言わないでよ……」

えり「物置の方から寝室の方に向けて、スッスッスッと何かが……」

咏「あーあー私は何もみてない何も聞こえない」



次の行動


1.移動する
 >>15から移動先を選ぶ
2.道具を調べる
[懐中電灯]


安価下

寝室


咏「誰もいないねぃ」

えり「やはり私の見間違えだったんでしょうか……?」



……ぱさっ



咏「!!」ビクッ

えり「な、なんの音ですか……?」

咏「そこの棚から何かが落ちたような音が……」

えり「これは……手帳でしょうか?」

咏「だ、誰の……?」

えり「これは……娘さんですね」パラパラ

えり「ふむふむ」

咏「何が書いてあるんだぃ?」

えり「ただの日記ですね」

えり「病で足腰が弱くなったうえに認知症気味の母親の介護をした娘さんの苦労がよく伝わってきます」

咏「ふーん」

えり「お医者さんにもわざわざ家に来てもらって診てもらったり薬を置いてもらってたりしたみたいですよ」

咏「最後の方はどーなってんの?」

えり「母親が亡くなった命日で終わって……あれ?」

えり「その後のページがくっついて開かない……」

咏「袋とじみたいに破っちゃえば?」

えり「それが、ページ全体がくっついるんです……」

咏「糊でも塗ってあったのかねぃ」

えり「糊か、もしくは……」

咏「やめて」


[手帳]を手に入れた!



咏「さて。どうするかねぃ、と」


1.移動する
 >>15から移動先を選ぶ
2.この部屋を調べる
3.道具を調べる
[懐中電灯]
[手帳]


安価下

咏「その手帳って娘さんのものなんだよねぃ」

えり「ええ。そうみたいですね」

咏「てことはさ、ここでは娘さんが寝起きしてたのかな?」

えり「そうなりますね」

咏「じゃあ……母親は?」

えり「母親は……残った部屋の二階の寝室じゃないですか?」

咏「ふーん……」

えり「……?」



咏「……」


1.移動する
 >>15から移動先を選ぶ
2.この部屋を調べる
3.道具を調べる
[懐中電灯]
[手帳]


安価下

物置


咏「うへっ……埃っぽい。せっかくの着物が埃まみれだぜぃ……」

えり「すいません……。私が廃屋探索と事前に言っておかなかったせいで……」ぺこり

咏「いや、いいよいいよ!だってこういうのはサプライズ的な方が盛り上がるからさ!ほら、頭上げて!」

えり「三尋木プロ……ありがとうございます」

咏「それよりこの部屋を探索しないと。物置っていったら何か便利な道具がありそうだからねぃ」

えり「そうですね。わかりました」

咏(ちょっとヘコんでるえりちゃんも可愛いなぁ……)


……






咏「お、これは……」

えり「何か役に立ちそうなものが見つかりましたか?」



[熱燗器]を手に入れた!



えり「……」

咏「いや、ほら。お酒って除霊的なのに役に立ちそうだからさ……」

えり「……」

咏「さ……はは……」

えり「……」


咏(怒られる事すらないって怖ぇー)


1.移動する
 >>15から移動先を選ぶ
2.この部屋を調べる
3.道具を調べる
[懐中電灯]
[手帳]
[熱燗器]


安価下

咏「ん……なんだろこれ」

えり「どうしたんですか?三尋木プロ」

咏「ほら、この棚の上のこの置物。小ちゃい角が生えた鬼みたいなの」

えり「これは……恐らく『食屍鬼<グール>』ですね」

咏「グール?」

えり「人の肉を食べるという架空の化け物ですよ」

咏「うっ……怖ぇー。なんでそんなもん飾ってあるのさ」

えり「さあ……?」



咏「気味悪いし、早く出るかねと」


1.移動する
 >>15から移動先を選ぶ
2.道具を調べる
[懐中電灯]
[手帳]
[熱燗器]


安価下

仏間


咏「お、なんかここに入ると気分が和らいだ気がするねぃ」

えり「なにか神的なご加護がある部屋なのかもしれませんね」



咏「さて、気分もスッキリしたし次はどうするかねぃと」


1.移動する
 >>15から移動先を選ぶ
2.この部屋を調べる
3.道具を調べる
[懐中電灯]
[手帳]
[熱燗器]


安価下

咏「ん?仏壇に花が添えられてるねぃ」

えり「これはスイセンですね」

咏「……」

えり「どうしたんですか?三尋木プロ」

咏「いや……なんでこの花は枯れてないのかなーって」

えり「……」

咏「……」

えり「キットカミテキナゴカゴデスヨ」

咏「ソウダネ」



咏(しかし、スイセンかー)


1.移動する
 >>15から移動先を選ぶ
2.道具を調べる
[懐中電灯]
[手帳]
[熱燗器]


安価下

咏「しっかし、寝たきりの母親の介護って大変そうだねぃ」

えり「ええ。この日記にも書かれている通りなかなか大変だったみたいです」

えり「ただ、今まで面倒を見てくれた母親の世話をするのは当然だし」

えり「お医者様も手伝ってくれるし、母の面倒を見る自分を労ってくれるしで、なんとか頑張ってたみたいです」

咏「……ふーん。お医者様が、ね」



咏(ちょっとだけ……見えてきたねぃ)


1.移動する
 >>15から移動先を選ぶ
2.道具を調べる
[懐中電灯]
[熱燗器]


安価下

風呂


咏「埃被ったからシャワー浴びたいねぃ……」

えり「水道は止められてますよ」

咏「水が出たとしても今ここでシャワー浴びようとは思わないけどねぃ」

えり「それにしても大きい洗面器ですね」

咏「母親の体を拭くためのお湯を張ってたんじゃないの?知らんけど」



咏「しっかし、数年間誰も使ってないのにジメジメしてるねぃ」


1.移動する
 >>15から移動先を選ぶ
2.この部屋を調べる
3.道具を調べる
[懐中電灯]
[手帳]
[熱燗器]


安価下

二階 階段


えり「三尋木プロ。どうして二階に行くんですか?」

えり「流石に二階に出口はなさそうですけど」

咏「んー。ちょっと気になることがあってねぃ」






ず……






えり「!」

咏「!」




ず……



ずず……



えり「か、階段の上に……」

咏「ナニか……い……」






老婆『ぐ……る……がは……ぁ……』






咏「ひっ……!」

えり「こんなのいるなんて……聞いてな……」






だんっ!






だだんっ!






えり「階段を降りてくる!」

咏「に、逃げないと!」



逃げ先

1.仏間
2.物置
3.寝室

安価下

仏間


えり「早く襖を!」

咏「わかってる!」



バタン!



がりがりがり


がりがりがりがりがり



えり「扉を引っ掻いてる……」

咏「ってことは、この中には入れないんだねぃ……これは本当に知らんかったけど……」



たんっ



たんっ



たんっ



咏「階段を上がる音……」

えり「た、助かった……」

えり「それにしても、あんなのがいるんじゃ二階には上がれませんね……」

咏「……」

えり「確かこの家の母親が亡くなった事故というのは階段からの転落死だったんです」

咏「……」

えり「だから、階段の上に地縛霊のようになったんじゃ……」

咏「……」

えり「三尋木プロ……?」

咏「……めん」

えり「え?」

咏「ごめん……えりちゃん」

咏「私が……テレビに出たいなんてワガママ言ったせいで、えりちゃんを付き合わて、こんな目に遭って……」

咏「ほんとうに……ごめん……」

えり「三尋木プロ……」

えり「心霊廃墟の探索を選んだのは私なんですから、気に病まないでください」

えり「それに、項垂れてるなんて三尋木プロらしくないですよ。もっと飄々としてないと」

咏「……」

咏「ま、それもそうだねぃ!」ケラケラ

えり(立ち直り早いなぁ……)

咏「さーて、とりあえず二階に行きたいんだけどねぃ」



ゴトッ



咏「んー?」

えり「あ、すいません。手帳を落とし……」

えり「あれ?」

咏「どしたのえりちゃん」

えり「さっきくっついて開かなかったページが開いてるんです」


咏「あれ、ほんとだ」

咏「とりあえず血で張り付いてたわけじゃなさそうだねぃ」

えり「えーっと、なになに……」



『葬式が終わってから家の様子がおかしい

 誰もいないはずなのに、二階を誰かが這う音がする

 間違いなくあれは母だ。私を恨んでいるんだ』



えり「母に恨まれていた……?介護してくれていたの?」

咏「……」

えり「とりあえず続きを……」



『毎晩、階段を降りる音が聞こえる

 少しずつ、少しずつ降りてきている

 だんだん一階に降りてきている』


.




『旅の芸術家に除霊をする方法を教わった

 この家の東西南北の四隅に神像を置き、それぞれに供物を備える



 北の居間には玩具の神像。供物は果実。その果実は孤独の果実。しかし消さなければいけない

 東の寝室には女神の神像。供物は魚。彼女の好きな魚を用意する事

 南の玄関には妖怪の神像。供物は酒。ただし決まった温度の燗酒にすること。78℃でなくてはいけない

 西の物置にはGHOULの神像。供物肉。BF』


.

訂正



『旅の芸術家に除霊をする方法を教わった

 この家の東西南北の四隅に神像を置き、それぞれに供物を備える



 北の居間には玩具の神像。供物は果実。その果実は孤独の果実。しかし消さなければいけない

 東の寝室には女神の神像。供物は魚。彼女の好きな魚を用意する事

 南の玄関には妖怪の神像。供物は酒。ただし決まった温度の燗酒にすること。78℃でなくてはいけない

 西の物置にはGHOULの神像。供物は肉。その肉はBF』



.

咏「なるほど……さっきの物置にはあった置物は、階段の上の亡霊を除霊するための神像だったんだねぃ」

えり「ただ、最後が書きかけなのと供物がないことから、神像を準備したところで間に合わなかったみたいですね」

咏「確か酒も肉も魚も果実もキッチンにはあったし、ちょいとこれに書いてあることやってみるかねぃと」

えり「どうしてそこまでして二階に行きたいんですか?」

咏「んー。まあ気になる事があってねぃ」



咏「さーて、どこから手をつけるかねぃと」


1.移動する
 >>15から移動先を選ぶ
2..道具を調べる
[懐中電灯]
[手帳]
[熱燗器]


安価下

キッチン


咏「んー」

えり「どうしたんですか?三尋木プロ」

咏「いやー、肉も魚も果実もいろいろあるから、どれを供物にすればいいのかな。って」

えり「そうですね……実際にその神像を見なければわからないので、とりあえず一通り持って行きますか」


[肉のセット]を手に入れた!

[魚のセット]を手に入れた!

[果実のセット]を手に入れた!


えり「あとは熱燗ですね」

咏「さっき熱燗器を回収しておいてよかっただろ?」

えり「はいはい。でも電気が来てないんですが」

咏「んー。これは乾電池で動くみたいだねぃ。電池も入ってる」

えり「雪などで停電した時にも使えるようにしているんでしょうね」

咏「この熱燗器は決められた温度で上げ下げできるみたいだねぃ」

えり「えーっと、どうやらこの酒は常温で50℃」

えり「この熱燗器は18℃か7℃の温度で上げ下げできるみたいですね」

咏「うーん。78℃かー」



酒の常温は50℃

熱燗器により18℃か7℃上げるか、18℃か7℃下げる事ができます

ただし100℃以上、0℃以上にする事はできません(93℃以上で18℃あげた場合、100℃で止まります)

9回以上温度をいじると、アルコールがとんでしまいます

8回以内の温度操作で50℃の日本酒を78℃にしてください

正解のレスがでればストーリーが進みます

おう……問題ミスった

訂正



咏「この熱燗器は決められた温度で上げ下げできるみたいだねぃ」

えり「えーっと、どうやらこの酒は常温で50℃」

えり「この熱燗器は15℃か8℃の温度で上げ下げできるみたいですね」

咏「うーん。78℃かー」



酒の常温は50℃

熱燗器により15℃か8℃上げるか、15℃か8℃下げる事ができます

ただし100℃以上、0℃以上にする事はできません(93℃以上で温度をあげた場合、100℃で止まります)

9回以上温度をいじると、アルコールがとんでしまいます

8回以内の温度操作で50℃の日本酒を78℃にしてください

正解のレスがでればストーリーが進みます

またしくじった……もういいや

ちなみに7回でできる方法があるので暇な時にでも考えて見てください

15℃4回上げて100℃止まり
15℃2回下げて70℃
8℃1回あげて78℃

>>64
これが理想とした流れですね
かっこつけたけどどうやら僕は数字の才能がないみたいです……

咏「ちょちょいのちょいとな」

えり「あ、できました!」


[熱燗78℃]ができた!


咏「さて、供物は揃ったし、どこに行こうかねぃと」



1.移動する
 >>15から移動先を選ぶ
2..道具を調べる
[懐中電灯]
[手帳]
[熱燗78℃]
[肉セット]
[魚セット]
[果実セット]

安価下

玄関


咏「これが妖怪の神像だねぃ」

えり「この妖怪は、酒呑童子ですね」

咏「酒呑童子……名前からしてお酒が好きそうな……」


[熱燗78℃]を捧げた!


咏「おっ」

えり「わぁ」

咏「神像が赤く光ってる……」

えり「ここはこれでいいみたいですね」


咏「さーて。次はどこに行こうかねぃと」




1.移動する
 >>15から移動先を選ぶ
2.この部屋を調べる
3.道具を調べる
[懐中電灯]
[手帳]
[肉セット]
[魚セット]
[果実セット]

安価下

寝室


咏「さっきは気づかなかったけど、奥に女神の神像があるねぃ」

えり「これは……木花咲耶姫と書いてありますね」

咏「誰それ?」

えり「日本の神様ですよ」

咏「ふーん」

咏「んで彼女の好きな魚を捧げるんだけど……どれにしようかねぃ」


1.供物を捧げる(複数可)
 ニシン
 マス
 サワラ
 アンコウ
 ホッケ
 ブリ
2.えりちゃんと相談する


安価下

咏「その木花咲耶姫ってどーゆー神様なの?」

えり「ざっくり言えば富士山にいる神様ですね」

えり「なので山の神と火の神、そして桜の神様と言われてます」

咏「ふーん。その神様が好きな魚ねぃ」



1.供物を捧げる(複数可)
 ニシン
 マス
 サワラ
 アンコウ
 ホッケ
 ブリ


安価下

咏「桜の神様なら、春と花が入って漢字の魚が好きなのかねぃ」

咏「だから、鰆(サワラ)とホッケ(𙸽)、と」

えり「あ、こんどは青く輝き出しました」

咏「どうやらこれで合ってたみたいだねぃ」



咏「さーて、残るは半分。次はどこに行こうかねぃと」


1.移動する
 >>15から移動先を選ぶ
2.道具を調べる
[懐中電灯]
[手帳]
[肉セット]
[果実セット]

安価下

物置


えり「このグールの置物、神像だったんですね」

咏「GHOULに捧げる供物は肉。それはBF……」

えり「なんでしょうねそれ」

咏「何かの略称かねぃ」

えり「ボーイフレンド、バリアフリー……さっぱりですね」



咏「どのお肉にしようかねぃと」


1.供物を捧げる(複数可)
 豚肉
 鶏肉
 牛乳
 羊肉
 馬肉
 鹿肉
2.えりちゃんと相談する


安価下

えり「それにしても中途半端なところで終わってますね」

咏「書きかけでナニカに襲われたんだろうねぃ」

えり「ということは、Fのあとにも何かアルファベットが続いてる。って事なんでしょうか」

咏「書きかけか……」

えり「どうしました?」

咏「書きかけなのはスペルだけなのかねぃ」


1.供物を捧げる(複数可)
 豚肉
 鶏肉
 牛乳
 羊肉
 馬肉
 鹿肉


安価下

肝心なとこ間違えた……なんで牛乳があるんだよ……

咏「んー。このFのアルファベット自体が書きかけなんじゃないの?」

えり「といいますと?」

咏「つまり、BFとかいてさらにアルファベットが続くんじゃなくて、Bを書いてからEを書こうとして縦棒一本横棒二本書いたとかろでナニカに襲われた」

咏「だからFになったんじゃねーの?知らんけど」

えり「なるほど……じゃたBEと続くスペルは……」

咏「BEEF。牛肉」


[牛肉]を使った!


えり「あ、白色に輝きました」

咏「なーんか、白くなると健康の悪い人肌みたいでよけい不気味だねぃ……」



咏「さて、残るは一つだねぃ」


1.移動する
 >>15から移動先を選ぶ
2..道具を調べる
[懐中電灯]
[手帳]
[果実セット]

安価下

居間


咏「うーん」

えり「どうしたんですか?三尋木プロ」

咏「玩具の神像ってこれかな……?」

えり「これは……こけしですね」

咏「このこけしに捧げるのは孤独の果実。しかし消さなければいけない。か」

えり「なにを消すんでしょうね」



咏「どれにしようかなーと」

1.供物を捧げる
 柘榴
 ゴーヤ
 ポンカン
 ウリ
 ズッキーニ
2.えりちゃんと相談する


安価下

咏「なんか果物じゃをなさそーなのが幾つかあるんだけど」

えり「確か木から実るのが果物で、草から実るのが野菜でしたっけ」

咏「んー。じゃあイチゴやスイカは野菜なの?」

えり「どうでしょう……用意してあったものなんですし、もう全部果物としての供物として認めていいんじゃないですか?」

咏「んでこの中から孤独の果実を選ぶのか……えりちゃんこけしについて何か知ってる?」

えり「確か……名前は「子消し」から来てるという逸話を聞きました」

えり「昔、口減らしのために殺した子供の供養だとか……」

咏「うへ……怖っ」



1.供物を捧げる(複数可)
 ザクロ
 ゴーヤ
 ポンカン
 ウリ
 ズッキーニ


安価下

咏「子を消す……そして孤独の果実、か……」

咏「なら「孤独」の漢字から「子」を消して、瓜独つ。かな」


[瓜]を置いた!


えり「うわっ。こけしが黒く輝きだした!」

咏「じゃあ、これで四つ全部の神像に供物を置けたんだねぃ」

えり「とりあえず階段に行ってみましょう」



1.移動する
 >>15から移動先を選ぶ
2.この部屋を調べる
3.道具を調べる
[懐中電灯]
[手帳]


安価下

居間


咏「家具とかは普通だね」

えり「人が住まなくなったのは数年前ですからね。テレビも薄型ですよ」

咏「ん?この戸棚に大量に入ってるの……」

えり「薬……ですね。確か日記にも書いてありました」

えり「母親に毎食後あげるよう医者から処方されてたみたいです」

咏「ふーん。処方薬が大量にねぇ」


1.移動する
 >>15から移動先を選ぶ
2.道具を調べる
[懐中電灯]
[手帳]


安価下

咏「えりちゃん、ちょいとその手帳見せてもらっていい?」

えり「構いませんよ」

咏「(ペラペラ)ふむふむ」

咏(処方箋の説明の紙も挟んであるねぃ)

咏(余る事なく、次の往診の頃に薬が無くなるようになってる)

咏(なるどなー)


1.移動する
 >>15から移動先を選ぶ
2.道具を調べる
[懐中電灯]


安価下

咏「それにしても、この懐中電灯あっかるいねー」

えり「この局はこういう暗いところの探索ごとをよくしますからね」

えり「海外の密林に行くこともあるので、かなり強力で長持ちする懐中電灯を用意しているんです」

咏「へー」

咏「それにしても、懐中電灯って照らしてるとこ以外は真っ暗じゃん?」

えり「まあそうですね」

咏「するとさ、この懐中電灯を向けた先に急に何が飛び出てくるかわかんないから怖いんだよねぃ」

えり「やめてください……」


1.移動する
 >>15から移動先を選ぶ


安価下

二階 廊下


咏「さっきのあいつは……」

えり「いない……みたいですね」

咏「よかったぁぁぁ……」ふー

えり「あの除霊方が効いたみたいですね」

咏「何者なんだろうねぃ、その旅の芸術家ってのは」



1.移動する
 >>15から移動先を選ぶ
2.この部屋を調べる
3.道具を調べる
[懐中電灯]
[手帳]


安価下

咏「その母親ってのは、ここから転落して亡くなったんだよね」

えり「そうらしいですよ」

えり「ほら、床に……」

咏「うえっ。爪を立てて這った跡がある……」

えり「痴呆気味だったみたいですし、徘徊しようとして転落したんでしょうね」

咏(そう……そうなるよねぃ。えりちゃんはわかってる)

咏(そしてーーーーーーもっとわかってるべき人物が一人、いや二人いるハズなんだよねぃ)


1.移動する
 >>15から移動先を選ぶ
2.道具を調べる
[懐中電灯]
[手帳]


安価下

咏「……」

えり「どうしたんですか?三尋木プロ」

咏「この日記にでてくるお医者さんは誰なのかわかんないかな」

えり「さあ……隣村から往診にきてる。としか」

咏「処方箋も……手書きだねぃ」

えり「田舎の診療所ならよくある事じゃないですか?」

咏(……こればっかりは謎だねぃ)



1.移動する
 >>15から移動先を選ぶ
2.道具を調べる
[懐中電灯]


安価下

二階 寝室


咏「ここが母親の部屋……」

えり「なんというか……病室特有の陰鬱さが漂っていますね」

えり「ところで三尋木プロ。なんのためにわざわざここにきたんですか?」

咏「んー。この家でちょいちょい気になるところがあってねぃ」ゴソゴソ

咏「……っと。何か見つかるかなとは思ったけど、タンスの裏からおあつらえ向きのものな見つかったぜぃ」

えり「これは……手紙ですか?」

咏「この字はさっきの手帳とは違うから……」

えり「母親のもの、ですね」

咏「書いてある内容は……」





『私は娘に殺されようとしている』





.

えり「……!?」

咏「……やっぱりね」



『娘はわざと私を床に就かせ、献身的に介護する自分に酔っている

 食後に出される薬の量も明らかに少ない

 私が外に出られないように二階の部屋をあてがい、靴まで隠された

 家を出るときは外側から鍵をかけていく

 私は娘の自己満足のための道具として監禁されている』


えり「これは……代理ミュンヒハウゼン症候群ですね」

咏「代理ミョンファ……なんだって?」

えり「代理ミュンヒハウゼン症候群です。一時期『着信アリ』で話題になったでしょう?」

咏「私はホラー作品には疎くてねぃ。で、それはなんぞ?」

えり「精神病の一種です。ミュンヒハウゼン症候群は、周囲の関心を引くために仮病を使う症例です」

咏「あー。そいや私が中学の頃も、なんか悪魔に憑かれてるとか言って眼帯を巻いてる女の子がいたねぃ」

えり「それはまた別の病気ですが……。代理ミュンヒハウゼンは、その対象が自分以外の者に向かっているんです」

えり「つまり、他人の病気等を捏造してそれを献身的に介護して周りに褒められる自分に酔ってる。って事ですよ」

咏「なるほどねぃ。これで合点がいったよ」

咏「母親の靴のない玄関。認知症の俳諧の危険があるのにあてがわれた二階の部屋。居間に大量に残ってた薬」

えり「母親を家の中に閉じ込めていた。って事なんですね」

咏「認知症ははっきりとした外的検査でわかるものじゃないからねぃ。周りがそう言えば医者はとりあえず信じる。本人が監禁を訴えてもボケたと思う」

えり「……けれど、流石に往診していた医者は気づくんじゃないですか?」

咏「そこなんだよなぁ。続きを読んでみるかねと」



『そもそも薬だってまともなものかもわからない

 あの医者は偽物だ。本当の医者じゃない

 娘を調子付かせて診察料を巻き上げる詐欺師だ

 しかもそのおだてによって娘は私をよりいっそう苦しめて、それを介護する自分に酔う

 もはや逃げ出すしかない

 玄関の鍵は閉められているが、仏間の仏壇の裏には、すっかり使っていないゴミ出し用だった小さい扉があるはずだ

 家の中からは仏壇で塞がれ外からは藪で隠れて見えないから、娘も気づいていないはずだ

 なんとか一階まで降り、そこから脱出する

 もし失敗したら、そしてこの手紙を娘以外の誰かが見つけたとしたら……その時は、悪夢に酔ってる娘を助けてあげてください』



咏「……」

えり「……」


咏「なるほど。偽物の医者と偽物の介護。その結果、この母親はとんでもない苦しみを味わっていたんだねぃ」

えり「それでも……そんな娘を助けてあげて欲しい。ですか」

咏「ま、けどやっぱり恨みは捨てきれなかったみたいだねぃ。ここに地縛霊になって娘が首を吊って自殺したくらいだから」

えり「なんにせよ、これで出口は見つかりましたね」

咏「うん……謎も全て解けたし、脱出しよっか」

……






仏間



ゴゴゴ



えり「あった……これが、外にでる扉」

咏「うう……地べたに這いつくばるなんて、また着物が汚れちゃう……」のっしのっし






咏「ふー。やっと出られたー!!」



スタッフ「お疲れ様でーす!」

カメラマン「お疲れ様です、針生さん、三尋木プロ!」

咏「……え?」

スタッフ「いやー。いい映像が撮れましたよ針生さん!」

えり「あ……その……どうも」

咏「えりちゃん……これいったいどういう事……?」

えり「三尋木プロ……」

えり「ごめんなさい!」

……






咏「なるほど……全ては番組の撮影で」

咏「わざと私たち二人を家の中に残して玄関を締めて出られないようにして」

咏「屋内にしかけた隠しカメラで、マジもんの恐怖に襲われながら廃屋から出ようとする私たち……いや、私の様子を撮影していた、と」

えり「すいません……全部企画だったんです」

咏「はぁぁぁ……まあいよ。それなりに楽しかったしね」

咏「けど階段の上から老婆が襲ってくるのはマジでビビったよ」

えり「そうだ!あんなのが出てくるなんて聞いてないんですけど!」

スタッフ「……?なんの話?」

えり「だから!この家の階段の上から亡くなった母親が襲ってきたあれ!」

えり「あんなドッキリがあるなら私には初めから言ってください!ドタバタして危なかったんですよ!」

スタッフ「え……お前知ってる?」

カメラマン「いや、僕は何も聞いてませんけど」

えり「そういうのはいいですから……」

スタッフ「いやいや、ほんとに知らないんだよ」

スタッフ「そもそも、実際にあった事故の被害者を装って脅かすなんて、流石に局としては不謹慎でできないよ」

えり「え……ちょっと待ってください。母親の転落死と娘が首を吊ったって本当にあった事故なんですか?」

スタッフ「そうだよ」

咏「あの手帳も手紙も……小道具じゃないの?」

カメラマン「僕たちはカメラを設置した以外は何もしてませんよ」

咏「……」

えり「……」






今年、三尋木プロと針生アナは今までで一番涼しい夏を過ごせたという



HAPPY END

以上、終わりです

たまには初心に帰ってオーソドックスな脱出ゲームを作ってみたかったんです
謎解きも供物くらいしかないからちゃちゃっと終わるとタカをくくっていたら、書き溜めしていないせいで深夜にまで及んでしまいました……

最初から付き合ってもらった皆様、そして最後まで付き合ってもらった皆様。本当にありがとうございました

スレとは関係ありませんが、皆さんにもホラー作品に興味を持って欲しいと思い、この場を借りて自分のオススメするホラー小説を紹介したいと思います
ちなみに自分は映画が苦手なので、ホラー映画は全く知りません



「リング」著:鈴木光司
言わずと知れた名作
観たら七日後に死ぬ、呪いのテープを観てしまった雑誌記者の浅川和行が、友人の高山竜司と共に呪いのテープ、そして貞子について調べていく話
七日間という期限の中で、呪いを解くためにあちこち駆けずり回る姿はホラーよりもサスペンスに近い作品です
ちなみに貞子の最も有名なシーンでありキャラ付けであるテレビから出てくる姿は、原作にはなく映画オリジナルです。映画版観たことないけど



「らせん」著:鈴木光司
前作リングの続編
監察医である安藤満男の元に回ってきた解剖依頼の遺体は、学友だった高山竜司のものだった
不審死した竜司の遺体からのメッセージ、「RING」。同じような死を遂げた老夫婦とその義息子である浅川和行の残した文章「リング」から、貞子の呪いに巻き込まれる話
今回は貞子の呪いがSF的に解き明かされます
さらに、前回はサスペンスのようにあちこち駆けずり回ったのに対して、今回はじっくりと貞子の呪いが解き明かされるホラーテイストが強い作品です
次回作はループ!乞うご期待!



「エス」著:鈴木光司
リングシリーズの4作目
プログラマー的なジョブをしてる安藤孝則の上司の元に届いた自[ピーーー]る男の映像。そこから例によって例のごとく貞子に関わっていく話
今回は連続幼女殺人事件と自殺動画が色々と関わってくるミステリー色の強い話です
そこに貞子も貞子の呪いも直接的には関わってはきませんが、貞子の呪いが尾ひれをひいています。主人公にも犯人にも
呪いというのは、呪いが無くなって残った人々には影を落としている
消えてもなお影響力のある貞子の恐怖を思い知らされます

「赤いべべ着せよ……」著:今邑彩
夫を亡くした主人公が娘と共に親戚を頼って、幼い頃に過ごした村に戻る
しかしその村には鬼子母神的な伝説と、過去に子どもが殺される事件があった
ホラーというよりミステリーですね
殺されていく旧友たちの子供達。犯人は多分すぐわかります
けれど伝説になぞらえたような、子供を失った母親の狂気が漏れ出る姿はやはり怖いものがあります



「天使の囀り」著:貴志祐介
貴志祐介先生の作品は黒い家がよく薦められますが、個人的にはこちらの方が怖かったです。怖かったというかゾワっとしました
海外に行って以来性格が真逆になった恋人の自殺から、その原因を探る話
今回は幽霊のようなものは出てきません。代わりに出てくるのは線虫
蟲によって脳を支配されるという、生理的嫌悪感が恐怖になります



十三番目の人格-ISOLA」
人の心を聞ける主人公が出会った多重人格の少女
彼女の新たな人格、イソラによって恐怖の事態に巻き込まれる話
凄いのはイソラの名前が解き明かされた瞬間。怖いのはイソラから逃げる時と、イソラが消え去った後
前半はミステリーのように謎の人格イソラについつ調べて行きます
後半。わけのわからないパニック的な恐怖よりも、事態を把握した上でどんなモノが迫っているか理解する恐怖
そして最後にもまた……



「人魚の眠る家」著:東野圭吾
脳死した娘の身体を生きてる人間のように扱おうとする母親の話
脳死体に電気信号を与えて身体を動す事で、自分の娘が生きているように感じる母親
狂気よりも愛を感じる。幽霊のようなものが出てくるわけでもない
けれど、怖い。娘がもはや、死体でも人形でもなく、血と肉が詰まった皮袋のように感じさせられてしまう
人間の怖さという点では、黒い家よりも怖かった作品です


「作者不詳-ミステリ作家の読む本」著:三津田信三
著者、三津田信三が手に入れた「迷宮草子」という七編のミステリー本
そこには作者達の体験した怪異が綴られている
そしてそれを読んだ者には、その怪異が訪れる
怪異を振り払うには、その物語の謎を解くしかない。という話
怪談話を、推理小説のように犯人を探していく話です
上下巻構成七編構成というテンポの良さと、怪談話を推理して解釈していくというのがホラー兼ミステリーな話がたまらなく面白いです
怪談話だったのに「なるほど、真実はこういう事だったのか」という、ミステリー的な爽快感があるので是非読んでほしい作品です



「首無しの如き祟るもの」著:三津田信三
刀城言耶シリーズですが、主人公は最後だけ登場するので初見でも楽しめます
首の無い落ち武者やらなんやらの伝説がある村で、首の無い死体が見つかる事件が起きる話
トリックはミステリー的に面白く、首無し伝説と首無し死体がホラー的に怖いです
首無し殺人は被害者と加害者の入れ替わりやらなんやらはミステリー的にありふれた話ですが、そこにホラー要素を絡めて恐怖の演出を増す事ができるのが流石は三津田信三先生です



「ぼぎわんがくる」著:澤村伊智
主人公が幼い頃に出会った妖怪ぼぎわん。大人になった後、再び彼の元にぼぎわんが訪れる
ぼぎわんがくる第一部、ぼぎわんがくる理由が明かされる第二部、ぼぎわんと戦う第三部の三部構成
最後らへんはラノベチックな感じですが、第一部、第二部の最後は本気でゾッとしてしまいました
同作者の続編「ずうのめ人形」もオススメです



「酔歩する男」著:小林泰三
ある夜に主人公が出会った見知らぬ男。しかし彼は主人公のことを知っているという
そこから語られるのは、見知らぬはずの男と主人公が過去に、手児奈という一人の女性を取り合った結果、とんでもない事に手を出してしまった話です
詳しい内容は避けますが、「永遠」が一番怖いと思い知らされました
そしてまた恐怖を感じるのが、時間も、過去も未来も、絶対的ではなく今にも崩れ去るものであるという事
自分は量子力学の授業をほっぽりだしたから手児奈について理解する事はできませんでしたが、理解できれば最後一行の恐怖を味わえるのかな。と思います

以上です。どれも面白いので是非読んでみてください
ついでにできれば、皆さんのオススメのホラー小説があったら教えてください
また、自分が体験した、誰かに聞いた怖い話等も教えてもらえれば幸いです

咏ちゃんが酷い目に遭うのが見たいんやぁ

>>126
じゃあ今回のノーコンティニュー報酬で一つだけ公開






rァ 物置に逃げる



えり「とにかく逃げないと!」

咏「鍵がかかる部屋……物置に行こう!」



がががががががが



えり「追ってきてる……!」

咏「早く!物置に入って!」

えり「三尋木プロ!」

咏「大丈夫。あとは扉を閉めるだけーーーーー」






老婆『あたが……し……は……』






咏「!!」






咏(目が合っーーーーーー)






……








えり「今日はいい天気ですね」

咏「……」

えり「ほら、綺麗なスイセンが咲いてますよ」

咏「……」

えり「三尋木プロ……」

看護婦「針生さん、時間です。三尋木さんを病室に戻してください」

えり「はい……」

えり「三尋木プロ。また来ますね」

咏「……」

スタッフ「針生さーん」

えり「スタッフさん……」

スタッフ「三尋木プロ、まだあのままなの?」

えり「はい……」

えり「あの老婆と目が合ってから、自我を失ったようになって……今日も車椅子に乗せて、外の景色を見せてるんですが……」

咏「……」

スタッフ「そっか……。うちの局でできる事があったらなんでも言ってよ」

スタッフ「ほんと……こんな事になるなんてね……」

えり「……私のせいで」

えり「私が、三尋木プロを廃屋に誘わなければ……」

咏「……は」

えり「!?」

咏「はい……おく……」

えり「三尋木プロ……?」

咏「か、かいだ……ん……の……ううううううううえええええええええええ」

咏「あがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

えり「三尋木プロ!しっかりしてください、三尋木プロ!」

看護婦「鎮静剤を打ちます!身体を抑えててください!」

咏「わたし……やめ……てぁぁぁだぁぁぁぉぁ!!」

えり「三尋木……プロ……」






BAD END①「青い空と白い病室」





.

《ノーコンティニュークリア達成により、シークレットファイルが解放されました》



『三尋木咏「テレビにでたい」』
ホラーシリーズ13作目。だったはず
初心に返って普通に屋敷から脱出するホラースレを作りたくなり立てたスレ
主人公は例によって例の如く誰でも良かったのだが、そろそろ大人勢を出したかったので、のよりんかうたたんか悩んだ末、咏ちゃんにした
しかしいざ書いてみると咏ちゃんの喋り方を上手く書くことができず、のよりんにしておけばよかったと思ってる


『村について』
この村のモデルは、>>1が以前仕事で訪れた村である
周りが山に囲まれて陽が射さず、稲は収穫の季節にも関わらず青々として、田畑は実りも少なく雑草だらけ
昼間なのに村の中で人の姿を見かけることはない
これで霧でもでていれば、ゴーストタウンにでも迷い込んだ気分になっただろう
ちなみに村の奥の山の中では、じーさんが倒木を集めて自分が隠居するためのログハウスを一人で建ててた

『咏(……なんかいつになくお母さんみたいに厳しいねぃ)』
お酒を飲もうとした咏ちゃんを叱るえりちゃんに対して、咏ちゃんが抱いた感想
これは、えりちゃんがあらかじめ隠しカメラで屋内が撮られていた事を知っていたため
他人の家に上がり込み見つけた酒を勝手に飲むロリという、放送されれば三尋木プロのツイッターが炎上しそうなシーンを撮らせないためである


『えり「こんなのいるなんて……聞いてな……」』
要約すれば

えり「閉じ込めらたフリをして隠しカメラで屋内探索を撮影するって話だったのに、こんな役者まで登場するなんて聞いてない」

という事


『階段の上』
最近の家の階段は、途中で踊り場があり折れ曲がっているので、階段の上を見上げることはあまりない
しかし>>1の祖父母の家は真っ直ぐな階段になっているため、子供の頃は寝るために二階に上がる時、いつも怖がっていた
薄暗い二階の廊下に伸びていく階段の上は、とても不気味で、今にもニュッと腕が伸びてくるのではないかとビクビクした思い出がある
そして階段の上といえば、やはり呪怨の佐伯伽倻子だろう
生前のストーカーっぷりを活かして、マイホームにやってきた輩をつけまわし殺していくメンヘラ女。まあウイルスとなって伝播していく貞子よりはマシかもしれないが
息子の佐伯俊雄の方が知名度が高い気がするが、映画「貞子VS伽倻子」では俊雄より伽倻子の方が強いことが明かされた
まあ呪怨ファイナルだったかでは、伽倻子は初代俊雄の犠牲者という設定だったが……
なんだか結局、伽倻子の説明になってしまった感じがするので、ここはひとつ謎かけでもしてお茶を濁そうと思う
死ぬ時の伽倻子とかけて、あちこち矛盾点を突っ込まれる作者ととく
その心は、どちら身を切られるおもいです。べべべん

『旅の芸術家』
ナントカ義隆さん
自分で芸術家と名乗る芸術家って実在するのかな……
芸術品を作ってあちこちに迷惑かけたりしてるが、除霊を手伝ったりもしてるこのシリーズのオリキャラ
そんな彼の過去を設定はしてるが特に明かす予定はない。咲SSだから咲キャラ以外に焦点を当てたくないのだ


『グール』
レアカードを狙う窃盗団……ではもちろんなく、人の肉を喰らう鬼
今まで読んできたグールのでる作品の中で一番怖かったのは、貴志祐介先生の「クリムゾンの迷宮」
デスゲームの参加者二人が、薬によって残虐性と空腹感が増し、参加者を食い殺そうとするグールになる
人が人を喰らうという禁忌。それは怪物が人を喰らうよりも恐ろしい
その結果、見た目は酷くグロテスクになってしまう
余談だが拙作の京太郎が豊音村に行く話にでてくるグールは、これがモデルになっている


『こけし』
こけしの名前の由来が「子消し」というのはただの都市伝説。人前でドヤ顔で話すと恥をかくから気をつけるように
とはいえ、こけしが不気味だから生まれたし広まった話だろう
何が不気味って、頭が棒に刺さってるように見えるビジュアルやなんかやたら群生してる感もさることながら、手足がない造形
これは昔、こけしというのは端材で片手間に作っていたものであり、手足まで作る余裕はなかったというもの
これがほんとの手抜きである。上手いこと言った


『えり「うわっ。こけしが黒く輝きだした!」』
どんな輝き方だ


『代理ミュンヒハウゼン』
「ついに明華買うぜ!」ではないので間違えないように
要するに他虐型構ってちゃん
子育てや、病人老人の介護でよくみられる
余談だが、虐待をしている親というのは幼い頃、自分も親に虐待を受けていたというケースがままあるらしい
つまり、この親子も……


『えり「一時期『着信アリ』で話題になったでしょう?」』
なってません


『往診にきてくれた医者』
実は偽の薬を売って診察料をふんだくる詐欺師だった人
当初は本物の医者の設定だったが、医者なら二階で寝かせてる介護環境に突っ込むだろ!と思い、急遽詐欺師になっていただいた
彼の名前は「二瀬谷句 漆蔵(ニセヤク ウルゾウ)」




以上、細かいとこの解説。解説になってない気がするが気にしない

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom