王子「お前の昔から可笑しな方向に考えを及ばせる癖はどうにもならないな」ﾊﾊｯ

聖騎士「お見苦しいところをお見せしてしまったようで……」

王子「別に責めようというわけでもないさ」

王子「責めるとすれば、昔から頑なに敬語を使い続けていることの方だが……。お前のことは昔から親友だと思っているというのに」

聖騎士「私にはそのような畏れ多いことはできません。と、これも昔から変わらないことです」

王子「フフッ、そうだったな。しかしお前ほど騎士らしい騎士もいないな。我が国有数の貴族に生まれ、並び立つ者がそういない武と智を併せ持ち、礼節を深く重んじるときた」

聖騎士「……殿下にそのようにお褒め頂き、騎士としてこれ以上の誉れはありません。し、しかし私に男色の気はですね……」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

王子「おい、どう考えを巡らせればそんな酷い結論に至るんだ」

―訓練場――

剣士「おーい、聖騎士のやついるかー？」

聖騎士「これはこれは、剣士殿。遠征から帰ってこられたので？」

剣士「おう。お前は日課のやたら激しい訓練か？」

聖騎士「行住坐臥初心を忘れない。我が家の家訓です。剣士殿も１つお手合わせどうでしょう？ 剣士殿ほどの使い手と戦うことで得られるものは大きいですから」

剣士「おいおい勘弁してくれよ！こちとら長旅で疲れてんのにお前さんの相手なんかしたら倒れちまう！」

聖騎士「ははは、これは失礼。では私の邸宅でおもてなしと行きましょうか？」ﾆｺｯ

剣士「それもいいが、俺は酒場のごちゃついた雰囲気を味わいたいとこなんだ、積もる話もあるしそっちでどうだ？」

聖騎士「もちろんです」

―酒場――

「きゃーーー！聖騎士様よ！」「私が給仕するの、ちょっとどいてよ！」

剣士「がっはっは！ お前って餌があると酒場もさながら娼館みてぇだな」

聖騎士「ああ乙女がそんなに肢体を晒してはなりません！破廉恥です！」

剣士「魔法使いの奴も呼んだんだが、どうも姿が見えねぇな」

聖騎士「年端もいかない乙女を酒に酔わせて剣士殿はなにをなさるおつもりですか？ なりません、なりませんよ！」

剣士「あんな、ちんちくりんの相手を誰がするって？ 俺はもっとこうだな……ッイデェ！」

魔法使い「ちんちくりんとは聞き捨てなりませんね！ カエルにしてスープで煮込んでやりましょうか？」

聖騎士「これは魔法使い殿、お久しぶりです。しかし剣士殿をヒキガエルのスープにしても誰が食べましょう？」

剣士「おいこら、誰がヒキガエルだ！！」

剣士「かーっ！やっぱり、地元で飲む酒ほど美味いものはねぇな！」

聖騎士「ふふ、北の様子はどうでした？」

剣士「昔はあの辺りは魔族がうろちょろしていたが、ほとんど見なくなったようだな。魔獣は相変わらずみてえだが」

剣士「……だが、渓谷の先まで村を広げようとするとやはり例の奴が出る」

魔法使い「……血の魔、紅の女王ですか？」

剣士「ああ。今回も同盟国の先鋭部隊で討伐を試みたが、やっぱりだめだった」

聖騎士「そうですか……」

剣士「乱戦の最中に、確かに俺の剣が奴を捉えたと思ったんだが……」

魔法使い「……！ やはり不死身の噂は本当でしたか」

剣士「物理的に攻撃しても、触れたところが血に変わって矢はすり抜けるし剣で斬っても血をぶちまけるだけで、しかもそれは奴の武器になりやがる」

聖騎士「魔法はどうでしょう？」

剣士「奴の方が早い。魔術士たちは防ぐことに精一杯で攻撃魔法を使う暇もなかったし、唱えたところで、どうだろうな……」

聖騎士「紅の女王が魔王なんでしょうか……」

剣士「さぁな。首実検しようにも倒せないんじゃあ、しょうがねえや」

魔法使い「いいえ倒せますよ！」

剣士「お？ そいつは景気のいい話だな！辛気臭い話じゃ酒が美味くなくて困ってたところだ、１つ頼むぜチビっ子！」

魔法使い「ちゃかさないでください！ 蛇に変えて酒樽に沈めますよ？」

魔法使い「紅の女王と呼ばれるアレが不死の存在であることは前々から噂されていました、なにせ確認されてから20年もの間倒されてないですから」

剣士「だいたい聖騎士がまだかーちゃんの腹の中にいた頃ぐらいか？ 魔族をあと一歩まで追い詰めた時に突然現れた強大な魔だとかな」

聖騎士「奴を倒さずして魔を滅ぼすことは叶わぬとも言われてますね」

剣士「で？ そんなわかりきったことだけか？」ｸﾞﾋﾞｸﾞﾋﾞ

魔法使い「本題はここからです！ ここずっと、倒す手がかりを探ってあらゆる本を読み漁ってたんですが、ついにそれを発見したのです！」

魔法使い「我が王国に伝わる古の３種の神器が１つ、緋色の剣！あれがあれば倒せるのです！」ﾄﾞﾔｧ

聖騎士「それは……それが失われてる場合はどうすればいいんでしょうか？」

剣士「ブフーッ！！」

魔法使い「お、おっと、そうきましたか」

剣士「ひぃぃーｗｗｗうははははｗｗｗｗ役に立たねぇ情報をありがとうよ！こりゃ酒がうめえわｗｗｗ」

魔法使い「むきぃー！！」

聖騎士「まぁまぁ。緋色の剣の話を以前姫様からお聞きしたことがありますし、詳しく聞いてみようと思います」

剣士「しっかし、いいなー。お姫様に無条件でお目通りが叶うのはお前さんぐらいなもんだ」ｸﾞﾋﾞｸﾞﾋﾞ

聖騎士「たかだか一介の騎士風情に恩情あるお人です」

魔法使い「恩情でしょうか？ ともかく、緋色の剣の事おねがいします聖騎士さん！」

剣士「はーっ、顔の筋肉がつりそうだったぜ……ゴクッ……うぇ！？ おい、旦那！ このエール変な味するんだが」

魔法使い「あっ、人面樹のニキビ汁混ぜときました。健康にいいそうです」

剣士「おぼろろろろろ！！」

―王宮――

聖騎士「……という事がありまして」

姫「うふふ、とても楽しそうなお話でした。私も城下に繰り出して酒場ですとか賑やかな場所を見てみたいです」

聖騎士「姫様が望まれるなら……とも思いますが、そんなことをすれば国王や城の者は気が気ではありませんよ」ﾆｺｯ

姫「それは残念です。お話にあった神器の１つ緋色の剣ですが、遥か昔この王国ができて間もない頃、予言によって封印されたと聞きました」

聖騎士「予言……ですか？」

姫「ええ。封じることが国の繁栄に繋がる。そんな話だったと思います。場所は今では竜窟。ドラゴンが棲みついているという話です……」

聖騎士「ドラゴンですか」

姫「そうです、ドラゴンです！火を吹き翼と強靭な尻尾があるんです！ そんな恐ろしい場所ですし、封印された剣です」

姫「つまり、どう考えても危険です！」

聖騎士「姫様？」

姫「そんなところに行ってはダメということですっ」ｷｭｯ

聖騎士「ひ、姫様、なりません！それに、こんな場所でなんて……///」

王子「袖を引かれただけで、そううろたえるのはどうかと思うが……」

姫「お、お兄さま！」

王子「聖騎士が城にきてると聞いてな、邪魔したか？」

姫「い、いえ、そんなことは……」ｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ

王子「そうそう、お前が考案した陣形や役割の分担による防衛拠点の最適化、とても効果があったようだ、父上が褒めておったぞ」

聖騎士「ありがたいお話です。不甲斐なくも中々前線に立たせてもらえないので、これくらいの事は……」

王子「先陣に立てぬのはお前自身の問題ではない、そう気に病むな」

姫「……」ﾑｽｯ

王子「お前が危険に晒されるのを極端に嫌うものがいてな。会議に顔を出しては、あの手この手で理由をつけて城の守りを固めようとするのさ」ﾁﾗｯ

聖騎士「しかし、後ろから指示ばかり出しているようでは騎士の名折れかと……」

王子「……全くお前というやつは」

姫「……やはり殿方は戦うこと、戦が好きなんですか？」

聖騎士「そうではありません。争いなどない誰も傷つかない世の中がくればと毎夜祈っております」

姫「では、なぜですか？ なぜそんなにも戦いに赴こうとなされるのです？」

聖騎士「……幸せすぎるのかもしれません」

姫「幸せ？」

聖騎士「名高い騎士であった父と優しい母の元に生まれ、幼少の折から陛下や両殿下にもよくして頂きました」

聖騎士「城下は魔族に怯えることなく殷賑としていて、聖堂からは風琴の音が聞こえます。とても素晴らしい日々です」

聖騎士「そうした日々に揺られる中、ふと思ってしまうのです。こんなにも恵まれた私が、そこに甘んじてしまっていいのかと」

聖騎士「私は、この世界に受けた偉大なる恩恵を返したいのです。力なく立ちすくむ者の力になり、魔に怯える人がいるなら魔を取り払いたい」

王子「これは感心した、長らく不在であった聖騎士の位が与えられるわけだ」

姫「ですが私は……」

―――
――

王子「緋色の剣の話、確かに、かの神器があればこの状況を打破できるかもしれない。父上に相談しておこう」

聖騎士「ありがとうございます、殿下」

姫「……」ﾑｽｯ

王子「おいおい、そう畏まるのはよしてくれ。しかし、その代わりといったら何ではあるが、１つ頼まれてはくれないか？」

聖騎士「はい、なんでしょうか？」

王子「私も手を焼く保守派のご機嫌取りといったところさ」ﾆﾔｯ

―翌日・城裏手使用人勝手口―

聖騎士「なんだか最近は城へ出向いてばかりのような気がしますね」

聖騎士「さて、新しく城に仕える女中に城下を案内してほしいとの話でしたが……」

女中「はい、私が新しく城にお仕えする女中です！ お目にかかれて光栄です、聖騎士さま！」

聖騎士「こちらこそ……ん？」

女中「こ、この格好似合っていませんか？ ……そんなに見られると少し恥ずかしいです」

聖騎士「えええ姫様！？ どうしてこんな……ぐむんっ……！」

姫「し、静かにしてください、もしバレたらどうするのですか」

聖騎士「しかし姫様」

姫「これは、城下を視察する公務なのです！」

聖騎士「ですが姫様」

姫「もう、しつこいです聖騎士さま！それ以上の反対的な意見は許しませんっ」

聖騎士「まだ何も述べさせて頂いてはおりませんが、はい……」

姫「しっかり護衛してくださらねば、ぷんすかぷんなのですよ？」

聖騎士「どこでそのような言葉を覚えられて……」

姫「女中たちから学んだのです！」

―城下町――

姫「聖騎士さまは城下にはお詳しいのですか？」

聖騎士「私も騎士となって城下の見回りなどするまでは疎かったのですが、今ではそれなりにエスコートできるかと思います」

聖騎士「剣士殿が非番のたびに方々へ連れ出して頂いて、見分を広めさせてくださいました」

姫「ふふっ、とても仲がよろしいのですね」

聖騎士「はい。ふむ、そうですね、私が案内するより剣士殿をお呼びした方がいいかもしれません」

姫「い、いいのです二人っきりで！これはお忍び！秘密なのです！」

聖騎士「そうでしたね、では参りましょう！」ﾆｺｯ

>見分～
見聞の誤字だよな？

姫「何やら、いい香りです」

聖騎士「焼き林檎の屋台ですね、おひとついかがでしょうか？」

姫「まあ美味しそう！　お願いしますねっ」

焼き林檎屋「オウッ！嬢ちゃん可愛いから蜂蜜とシナモン大増量でい！」

姫「ありがとうっ。その聖騎士様……」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

聖騎士「どうなされましたか？」

姫「私、父上の言いつけで食べ物は毒見の済んだものしか口に出来ないのです……」

姫「で、ですから聖騎士様が一口頂いたあとに食べさせていただいて構いませんか？」ｶｧｧ

聖騎士「なんて破廉恥な掟が///」

姫「べ、べつに破廉恥ではありませんわ！」ｶｧｧ

>>18
全くもってその通りでございます

>>17訂正
見分×　見聞○
勢いで書いてるのでわりと誤字多くなるかもしれません、姫騎士とか書きそうになったり

―――
――


聖騎士「もう一時もすれば夕暮れ時ですよ、姫様」

姫「聖騎士さまと過ごす時間は風のようです。あっという間に過ぎ去って、留めることは叶わず、吹き去った後はどこか寂しい……」

聖騎士「しかし風というのは何度でも吹くものです」

姫「本当に？」

聖騎士「ええ。ただ姫様が聞き分けよくして頂けると陛下も王子も城の窓を開けてくださると思うのですが」

姫「もうっ、聖騎士様はいじわるなのですか？」

聖騎士「フフッ、そんな事をおっしゃるのは姫様だけです」


ｶﾞﾔｶﾞﾔ……

姫「あれは何かしら？」

「久々の商品は魔族、それもアルプ族の娘！」
「おお、最近はあまり入荷がないから買い付けにくる者も多いな……」
「多少のお手付きはあるものの、上玉な奴隷です！ さあ皆様よくご覧ください！」

聖騎士「これは姫様がご覧になるようなものでは……」

姫「……これは何なのですか？」

聖騎士「奴隷の売買です。人間の奴隷は禁止されておりますが、魔族は別なのです……」

姫「このような非道が――」

聖騎士「捉えた魔族を隷属させることは古くから行われてきたことです」

聖騎士「魔族との戦争によって受けた損壊を魔族に補填させる仕組みが出来ているのです」

姫「そんな……」

聖騎士「とはいえ、私も見ていて気持ちのよいものではありません。ここを離れましょう」

姫「あの魔族の少女はどうなってしまうのですか？」

聖騎士「……買い手がつきましたら、道具のように扱われます」

姫「どうにか出来ないのでしょうか、あのような……」

聖騎士「この仕組みを変えるのは官職の役割であって私の分を超えた行いで……」

姫「聖騎士さま……」

聖騎士「……そうですね、今できることをしましょう。商人！ その魔族の娘、私が買い受ける」

―聖騎士の邸宅――

姫「かわいそうに、こんなに汚れて、怪我もっ……」

魔族♀「……っ」

聖騎士「後ほどメイドにこの娘の身を清めるのを手伝わせましょう」

姫「この子はどうするのですか？」

聖騎士「私の家名と印が記されたペンダントを持たせ、私の従者として王国内での最低限の身分を保証します」

聖騎士「その後、魔族領付近で野に放ちましょう。そうすればもう酷い仕打ちを受けることもないでしょう」

姫「私の我儘を聞いて下さりありがとうございます」

姫「私はなんと無知なのでしょう……」

聖騎士「陛下も、ご考えがあって姫様には伏せていたのでしょう。どうかご自分を責めぬよう……」

姫「はい……」

聖騎士「今日、お伴を務め、姫様の常識に染まらない心優しい思いが今後の国を変えてくださると確信致しました」

聖騎士「殿下のお傍でどうかその時まで。さあ、お城までお送り致します」ﾆｺｯ

姫「わ、私も聖騎士さまのお傍に、その……///」

聖騎士「そんな破廉恥な///」

姫「えっ！？　ご自分で仰ったのにっ！？///」

―騎士団詰所――

剣士「なるほどな、かの高名な聖騎士様が大枚はたいて奴隷買ったって噂の真相はそういうわけか」

聖騎士「う、噂になってるんですか？」

剣士「ははっ、そりゃあもうな！」

剣士「俺は身分が邪魔して女遊びもできないから欲求不満解消に買ったもんだと思ってたぜ」

聖騎士「は、破廉恥な///」

騎士A「剣士殿！　うちの団長がそのようなことに手を出す訳がないじゃないですか！」

剣士「冗談が通じねえ奴だなぁ。しかし女を知っとくのは大事だ。こんどいい店にだな……」

聖騎士「その話は後日、内密に……」

騎士A「だ、団長！」

聖騎士「冗談です。それに多くを知らぬ方が想像も働くものですし……」

剣士「それもそれでどうかと思うが」

騎士A 「ご冗談も大概にしてください、貴方に憧れる新米の騎士が混乱しております」

聖騎士「そ、そっちの趣味はないのですが……///」

騎士A「団長！」

―王宮――

国王「ふむ、緋色の剣か。神器を取り戻すにしてもドラゴンの討伐を視野に入れねばなるまい」

王子「はい。近衛にあたらせますか？」

国王「近衛は隠密な作戦の遂行には並ぶものはないがドラゴン相手には分が悪いだろうな」

大臣「やはり騎士団が適当ですかの」

国王「うむ。我が娘が少々我儘をいうだろうが、この戦時下に聖騎士を遊ばせておく訳にはいくまい」

王子「では細かな編成を聖騎士と協議し、緋色の剣の奪還作戦を進めるとしましょう」

―王国領南部、藍の湖近辺関所――

聖騎士「炎に対しての対策は君に任せて構いませんか？」

魔法使い「ばっちこいです。火石を媒体に部隊全体に炎の加護を維持しましょう！　なんと私一人で！」

聖騎士「ふふ、さすがは魔法使い殿」

聖騎士「洞窟内で事を進められれば対空防御の必要がなく、対オーガーの陣を流用できるかと思います」

聖騎士「簡単ですが最低限の要塞化した2次拠点としてここを作戦失敗、撤退時に使います。魔法的な防御の首尾はどうですか？」

魔法使い「滞りなく。ちゃんと失敗に備える辺りがどこぞの剣術バカと違いますね！　聡明です！」

聖騎士「しかし、行軍と拠点設営に時間がかかりました。剣士殿が詰めているとはいえ城の守りが気になります」

魔法使い「ははーん、姫様が心配なんですね？」

聖騎士「は、破廉恥な///」

魔法使い「えっ何が！？」

魔法使い「……まあ、魔族に対して絶対の結界が神器の一つ、深碧の鏡によって守護されてるので城にはどんな魔族も近づけませんよ」

聖騎士「そうでしたね、私は竜窟から剣を持ち帰ることに集中せねばなりませんね！」

魔法使い「その通りです！　隊から離れては加護の維持が出来ないので私の守りはお願いしますね？」

聖騎士「はい、我が騎士団の誇りにかけて」ﾆｺｯ

魔法使い「ぐ、イケメンオーラを放つのはやめてください！ 私が惚れたらどうするんですか、責任とらせますよ！？」

―竜窟――

魔法使い「獣臭い、というか死肉の臭いが酷いです……うぇぇ……」

聖騎士「食べ残しが腐敗したのでは……近い……」


グルルルル……


聖騎士「重盾部隊展開！ アンカー固定を急げ！」

騎士A「配置整いました！」

聖騎士「弩砲は合図を待て。落ち着いて狙え。洞窟の大きさから6m級と推定、翼と腹なら抜ける筈だ」

魔法使い『――I invoke the rites of fiery Muspelheim and give my soul up to the flames embrace……』

聖騎士「炎を恐れるな！　騎士の誇りを示せ！　王国に勝利と栄光を！」

ｵｫｰｰｰｯ!!!

酉検索したけど、VIPで書いてた人なのね
待てないから他の読んできたけどすばらしかった。おちんちん侍とか色々とジャンル多彩で好き

レスThanks、勢いに乗らないと中々の遅筆ですが頑張らせていただきます

>>36
ありがとう
しかしなぜ酉を付けた記憶のないものをご存じでらっしゃるのか…こ、こわい…

―――
――

「約束の時が近づいている」

「……ついに、我が命を捧げる時が？」

「ああ、最後の血。悲願の時だ」


―――
――

―――
――

―王宮――


王子「そろそろ機嫌は直ったかい？」

姫「……お見苦しいところをお見せしました、お兄さま」

王子（しかし城の窓という窓を開け放つのは新しいストレスの解消法なんだろうか……）

王子「まあいいさ、そろそろ聖騎士が帰還してもおかしくない頃。既に城下にはみえているようだよ」

姫「お、お父さまに頂いた新しいドレスに着替えてきますっ！」ﾀｯﾀｯﾀｯ

王子「そんなに急がなくとも……」

ﾜｰ! ｷｼｻﾏﾉ ｶﾞｲｾﾝﾀﾞｰ!

王子「と、間が悪いものだな。ふふっ」

兵士「聖騎士様が拝謁に参られました！」

王子「ああ、通してくれ」

聖騎士「殿下、ただいま戻りましｔ――は、破廉恥な///」

王子「ん！？　やれやれ、今回ばかりは全く君の意図がわからんのだが……」

聖騎士「その、殿下の大事なところのチャックが//」

王子「な゛！？」

王「騎士団並びに、今回の遠征で尽力してくれた諸君。大儀であった」

王「して、神器は手に入ったのか？」

聖騎士「はっ！　ここにっ！」

王子「これが緋色の剣……」

聖騎士「勝手ながら照査させて頂いた所、竜の鱗、鉄の鎧を抵抗なく両断する力を示しました」

王「ふむ、伝承どおり秘めた焦熱の力であらゆるものを寸断するか……」

魔法使い「その力、かの悪名高い血の魔をも倒してみせると実際に目にして確信いたしましたっ」

王「ようやくこの長きにわたる戦争に終止符が打たれる時がきたのやもしれぬな」

大臣「王国長年の大願が叶うのですな！　ひとまずは今宵、宴の席をもうけましょうぞ！」

ｶﾞﾔｶﾞﾔ

剣士「おうおう、お前が何か功績あげる度に宮殿で立食会とは羨ましいばかりだぜ」

聖騎士「そうですね……前線で奮戦している兵こそ労いが必要だとは思うのですが」

魔法使い「聖騎士さんは民にそれはもう愛されてますから、こういう場を設けることが皆の希望に繋がるんですっ！」ﾑﾑｯ

剣士「ハハッ、別にやっかんでる訳じゃねえから噛みつくんじゃねぇよ、おちびさん」

魔法使い「むきぃ！」

剣士「それでドラゴンはどうだったよ？　強かったか？」

聖騎士「入念に準備をしましたから、終始一方的な戦いが出来ましたね」

魔法使い「ぶっちゃけ、よゆーでした」

剣士「そりゃあつまらねえな。いつぞやの撤退戦みたいな熱い戦いがしてえもんだ」

魔法使い「ジャイアントオーガーの軍勢相手にたった二人で退路を確保したアレですか？」

聖騎士「あの時の剣士さんのお強さには感服しました」

剣士「そりゃ皮肉か？　お前も討伐数では俺の方が多かったかもしれねえが囮やって攪乱しながら同じような数を潰してたろ」

聖騎士「私は強化と守りに癒しの魔法が使えますので純粋な肉体能力であれ程の戦果をあげられた剣士殿はですね――」

剣士「おうおう、女ならいざ知れず野郎に褒められても気持ちわりぃからその辺で勘弁してくれ」

魔法使い「その、……剣士も強いと思いますよ？」ﾎﾞｿｯ

剣士「お前までとってつけたようにお世辞言わんでもいいからな」

魔法使い「ぐぐ……ぐががぁぁ！」

剣士「うお！　噛みつこうとすんな！」

あばば、ミスが

>>48
×　剣士「そりゃ皮肉か？　お前も討伐数では俺の方が多かったかもしれねえが囮やって攪乱しながら同じような数を潰してたろ」

○　剣士「そりゃ皮肉か？　討伐数では俺の方が多かったかもしれねえが、お前も囮やって攪乱しながら同じような数を潰してたろ」