◆???
「……ろ。……きろ。起きろ! ジョーカー!!」
>……ん
モルガナ「やっと起きたか。明日は処刑される日だったのに、よく寝られるよな」
>処刑?
モルガナ「寝ぼけてるのか? 織田の領地を騒がせた罪とかで明日処刑されるんだ」
モルガナ「処刑される前に逃げようって昨日話したじゃねーか」
>徐々に頭が覚醒してきた
モルガナ「今は見張りもいない。逃げるなら今がチャンスだぜ、ジョーカー」
>ああ。分かった。
>ペルソナを喚び出し鍵の部分だけを壊した。
モルガナ「よし。さっそく逃げるぞ、ジョーカー」
>鉄格子を開けて牢屋から逃げ出した。
「あー、やっと逃げたよ。このまま牢屋にいられたらどうしようかと思っちゃった」
「さて伝達伝達、と」
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◆城内・地下
モルガナ「どうやらココは、地下らしいな。見張りが気づく前にさっさとずらかろう」
>ああ
モルガナ「待てジョーカー。兵士か近づいてくるぜ」
「あいつも明日は処刑か」
「まー、鬼を退治してたとはいえ、織田の領内を騒がせたからには仕方ねぇよ」
「結構、民衆にも人気が出てたって聞くぜ」
「それで謀反やら反乱とか神輿として担がれたんじゃたまったもんじゃねぇだろ」
「そうだな……」
>……
モルガナ「ジョーカーが鬼を退治して回ったのは間違ってないぞ。我輩が保証する」
モルガナ「それよりもパレスと違って地図がない。慎重に出口を探していこうぜ」
>ああ
「おい! 地下牢の囚人が逃げ出したぞ!」
「なにっ。まだ城内にいるはずだ。探せ」
ザワザワザワザワ
モルガナ「――もうバレたのかよ」
モルガナ「どうするジョーカー」
>逃げるしかない
モルガナ「だな。元の世界に戻る手段も分かってないし、今は逃げるしかできないか」
◆城内一階
モルガナ「ようやく窓がある場所まで来られたな」
モルガナ「窓から見える景色からして一階みたいだな――」
モルガナ「我輩なら通れそうだが、ジョーカーには少し無理か」
モルガナ「とはいえペルソナで壁を壊せば、兵士達が押し寄せて来るだろう」
>人目に付かない出口を探そう
モルガナ「そうだな」
モルガナ「それにしても、絶妙な所に兵を配置してるな」
>そうなのか
モルガナ「ああ。まるで我輩たちの行き先を先読みしているようだぜ」
モルガナ「クイーンみたいな優秀な参謀がいるかもしれないな」
>厄介だな
モルガナ「そうだな。でも、なんか無事に逃げてるんだ……ん」
>……
モルガナ「あー、ジョーカーも気がついたか?」
モルガナ「ここまで完璧に兵を配置できる参謀が、我輩達がまるで逃げられるような兵を配置するか、だよな」
>罠かもしれない
モルガナ「だな。でも、もう引くこともできないぜ。我輩達にできるのは進むことだけだ」
◆城内 裏口
モルガナ「駄目だジョーカー。兵が配置されてないのは一本道しかない」
モルガナ「どう考えても罠だ、これは」
>虎穴に入らずんば虎子を得ず、だ
モルガナ「確かに罠を仕掛けてまでするのなら、逃がさないように牢の警備をすればいいだけの話だ……」
モルガナ「向こうが何を考えているか分からない以上、あえて罠にかかるのも一手かもな」
>どの道、向こうの参謀の方が俺たちよりは頭が働く
モルガナ「本当にな。こういう時にクイーンが居てくれたら良いんだけど」
モルガナ「とりあえず先に進むぞジョーカー」
ガチャ
◆城内中庭
モルガナ「よし、後は塀を乗り越えて外へ逃げるだけだな」
>……
モルガナ「どうした?」
>囲まれている
モルガナ「……!」
モルガナ「一旦戻る、」
ダンッ
モルガナ「内側から施錠されてるのかよ!」
「残念ですが、これで詰みです」
モルガナ「前髪で顔は分からないが、きっと美人だぜジョーカー」
>周りに槍を持った少女たちが何人もいる
モルガナ「お、おい、ジョーカー! あれは、ヤバイ。ヤバすぎる!」
「お家流――五臓六腑」
ズドドドドドド
強大な斧が地面に叩きつけられた振動と衝撃波で、ジョーカー達は壁に背中を叩きつけられた
モルガナ「ぶ、ぶじか、ジョーカー」
>……
モルガナ「く、クソッ。どうして。どうしてこんな事になったんだろうな」
モルガナとジョカーか回想する。
事の起こりであ十数日前の出来事を……
◆???
>……ここは。
モルガナ「お。やっと目を覚ましたな」
>青空に草原。なぜこんな所にいるんだろうか
モルガナ「こっちが聞きてぇよ。我輩たちはジョーカーの学校の社会見学とやらで歴史資料館へ行ったんだ」
モルガナ「色々と珍しい物を見て回ってたな」
>……
モルガナ「そこでジョーカーは、銅鏡と刀が置かれている前で止まったんだぜ」
ズキッ
『……外史……どうか………………トリック…………………………』
>あの時、誰かの声を聞いた気がした
モルガナ「声?」
モルガナ「……どうやらまた何か厄介事に巻き込まれたようだな」
モルガナ「我輩には聞こえなかったが、その声を聞いた直後に光に包まれたんだな」
>ああ
モルガナ「ジョーカー。歴史資料館で声が聞こえたときに持った刀はあそこにある奴じゃないか」
>よく似ている
モルガナ「ふぅむ。何かのカギになるかもしれないから持って行こうぜ」
モルガナ「とりあえずココが何処か知るのが先決だな。行こうぜジョーカー」
モルガナ「ん。ジーピーエスが反応しない? 山って訳じゃないんだけどな」
モルガナ「それにアンテナも立たってない?」
モルガナ「んー……。まだ材料がすくないな。もう少し歩いて探索しようぜ」
>……。
モルガナ「ジョーカー?」
モルガナ「うわっ。刀が光ってるじゃねーか! どうなってるんだ!」
>分からない
ヴゥン
モルガナ「! ジョーカー、その格好は――」
>ファントムスーツだ
モルガナ「少しは驚こうぜ――」
モルガナ「でも、ファントムスーツに成ったって事はココは現実ではなく認知世界なのか」
モルガナ「いや……それよりもそれになったということは、敵意を感じてるってことだな」
モルガナ「ジョーカー、気を付けろよ!」
>……。
物陰に隠れながら移動する
しばらく行くと鬼のような生物が三体いた。
モルガナ「……シャドウじゃない、感じがする。でも、鬼が普通にいるのはおかしいよな」
モルガナ「なんなんだこの世界は」
>……。
?「キャァァァアアアア」
モルガナ「少女の悲鳴だ!」
モルガナ「鬼が向かって行ったぜ。追いかけるぞゾョーカー!」
……
…………
………………
「い、いや、こ、来ないで」
モルガナ「ジョーカー。頼む。我輩はなぜか戻れない。ここはジョーカー頼みだ」
>必ず助ける
ジョーカーは颯爽と駆けると、囲まれている少女の前に立つ
鬼「ォォォォォォ」
少女「だ、誰……?」
>――アルセーヌ
アルセーヌ『フハハハ。久しいな我が半身よ。我が力、再び自在に振るうが良い』
ジョーカーは瞬く間に鬼を倒した
きよ「あ、ありがとうございます。私、尾張清洲の城下町にある一発屋に勤めているきよと言います」
きよ「昼間なので鬼が出ないと思って油断してました」
きよ「本当にありがとうございます」
きよ「……」
きよ「えっと、珍しい格好ですね」
モルガナ「まぁ、ファントムスーツは目立つだろうなぁ」
>……。
ヴゥン
モルガナ「元に戻った! え。元に戻れと思ったら元に戻った?」
モルガナ「これも認知なのか――?」
きよ「あ、あの、助けて貰ったお礼をしたいので一発屋に来て貰っても良いですか?」
モルガナ「チャンスだぜジョーカー。このまま闇雲に歩くよりは、付いていって情報を集めようぜ」
>お世話になる
きよ「では、こちらにです」
>きよに付いていく事にした
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