武内P「世界一面倒な誕生日」 (15)

だいぶ遅れたけど

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武内P「……アナスタシアさん、少しよろしいでしょうか?」

アーニャ「?…ダー、いいですよ?」

武内P「…その」


みく(Pチャンがアーニャちゃんと話してるにゃ……!あの小包は
………んふっふっふー、Pチャンもプレゼントを用意するなんて粋なことするにゃー)

みく(これはちょっとどうなるか気になるし、こっそりと)


武内P「……」

アーニャ「?」

みく「……」ドキドキ




武内P「……その、先日の仕事の事ですが」

みく「……って、なんでやねんっ!!?」

武内P「前川さん!?」

みく「Pチャンなにしてんの!?へたれにも程があるにゃ!!!」

武内P「??!、落ち着いてください!」

みく「これが落ち着いて…ムグッ!!?」

未央「はいみくにゃーん?いいこだからこっちにおいでー」グッ

美波「みくちゃん、悪いんだけどちょっといいかな?」

みく「!!!ムーーッ!!」





みく「…いきなりなにするにゃ!!?」

未央「ごめんごめん、でもこうでもしないとみくちゃん黙んないし」

美波「ごめんね?今プロデューサーさん達にあまり入り込んで欲しくなくて」

みく「!…そうだPチャン!!あのへたれっぷりは最低だにゃ!!」

未央「あははは、プロデューサーなりにほら…プレゼントとかは用意してるみたいだし」

きらり「ちひろさんに相談してたのみたよー?きっとー、ずっと前から誕生日のこと考えていたんだにぃー」

みく「でも渡せてなきゃ同じだにゃ!」

莉嘉「アタシ達に渡すみたいにおめでとうございますでいいのにねー」

美波「そう上手くはいかないんじゃないかな、プロデューサーさんの場合」

卯月「自分に言われると迷惑だとか、プレゼントも恩着せがましいとかそんな事を考えていそうですし…」

みりあ「お祝いは誰にしてもらっても嬉しいのにー?」

美波「…ふふふ、そうね
だけどプロデューサーさんはいつだって私達の事を第一だから、自分を卑下しちゃうんじゃないかな」

未央「プロデューサー口下手だし、本人目の前にしたら何を言っていいのかわかんないんだよ」

みく「……うー」

李衣菜「…そもそもプロデューサーさんがアーニャちゃんに壁を感じてるとかあり得るんじゃない?」

みく「…そんなの……Pチャンが勝手に思ってるだけだにゃ
……今からPチャンに言ってくる、アーニャちゃんはPチャンと壁なんて感じてないよって」

美波「…まって、それもダメなの」

みく「?…どうして?」

美波「アーニャちゃんはプロデューサーさんに迷惑かけたくないの、だから私達がプロデューサーさんにそう伝えたら重荷になったってアーニャちゃんが心から喜べないの…」

みく「……めんどくさ!?」


美波「本当はアーニャちゃんだってプロデューサーにおめでとうって言って欲しいんだよ
……昨日だって」






アーニャ「…プロデューサー、アー…今日は何日ですか?」

武内P「…18日ですね」

アーニャ「ンー、明日は19日…早い…ですね?」

武内P「…そうですね、お陰さまで仕事は沢山頂けています
とても充実した毎日を過ごせています、時間も過ぎるのが早く感じますね」

アーニャ「……」

武内P「…アナスタシアさん?」

アーニャ「…明日は何日…でしたか?」

武内P「?…19日です」



アーニャ「……」

アーニャ「…スパシーバ、19日ですね」

武内P「??…えぇ」

アーニャ「9月19日ですね?」

武内P「えぇ、9月19日です」

アーニャ「……」

武内P「……」






みく「両方めんどくさ!!?」

莉嘉「そこまで言ったなら最後まで言っちゃえばいいのに」

李衣菜「なんかもー、じれったいなー」


智絵理「…両方とも人を思いやれる優しい人ですから」

美波「でもこのままじゃまともにおめでとうも言えないまま1日終わっちゃうわ」

莉嘉「!…んっふっふー、莉嘉に任せてー☆良いこと思い付いちゃった」

未央「……んー?スッゴク嫌な予感しかしないなー」

李衣菜「いやー、止めた方がいいんじゃない?」

莉嘉「大丈夫だって☆」

みりあ「みりあもやるー」







武内P「…」カタカタ…

武内P「…」チラッ…

武内P(…手元にある千川さんと二人で選んだ誕生日の贈り物を確認しつつタイミングを伺う、そんな事をしているうちにもう半日も過ぎている)

武内P(これが本田さんや城ヶ崎さんならここまで苦労はしなかったのだろうか…いや、彼女達に優劣をつけるなどいけないことだ
………しかしアナスタシアさんにどのような言葉をかけていいのかわからない)

武内P(……そもそも私に祝われて本当に嬉しいのか?迷惑では……ないのか?
……情けない事だ…私は、彼女とそのようなやり取りすら戸惑うほど彼女とコミュニケーションが取れてなかったのだから)

武内P(……何をやっているんだ私は)






武内P「………はぁ」


アーニャ「……」チラッ

アーニャ(……あの小包は私の誕生日を祝う者…なのでしょうか?
それならとても嬉しい……です、ニェット…だけど違う……かも?…です)

アーニャ(優しい貴方のことです…私の…ンー、特別な?日……誕生日を知っていれば祝ってくれる……そう私は知ってます)

アーニャ(С днем Рождения…とても簡単な言葉…だけど貴方の口から聞きたい
アーニャを見つけてくれた貴方だからこそ…貴方におめでとう…そう祝ってほしい)

アーニャ(…だけど貴方が忘れていたらアーニャが伝えたらきっと自分を責める…そんなプロデューサーはアーニャは見たくありません)

アーニャ(……アーニャは…とっても悪い子……そしてとってもалчность……イズニーチェ…本当に……ごめんなさい)




武内P「…」ガタッ

アーニャ「!」ビクッ




武内P「……あのアナスタシアさん」

アーニャ「…はい、なんですか?」


武内P「……その…今日は19日…でしたね」

アーニャ「!…ダー、はい19日です」

武内P「……それで」

「ひっさーーつ、莉嘉アターック!」ドンッ


武内P「ゴフッ!?…城ヶ崎さん!?」

「すかさずみりあアターック!!」ドンッ

武内P「!…何をっ!?」グラッ

アーニャ「ひゃっ!?」ガバッ



莉嘉「……あー、失敗しちゃった…みりあちゃんダッシュだよ☆」

みりあ「ダーッシュ☆」

アーニャ「ひぅ…」バタン!!

武内P「…アガッ!!?」



アーニャ「…っ…プロデューサー、大丈夫……ですか?」

アーニャ「…プロデューサー?」

武内P「…~~~~?(とりあえず口から指を抜いて頂けませんか?)」アマガミー

アーニャ「……」

アーニャ「…はわわわ////」



アーニャ「ひゃぁぁぁああぁあぁあ!!!!!??」

武内P「ゴガッ!?!」









凛「何してるの?」

莉嘉「だってーキスさせれば万事解決だって奏ちゃんがー」

凛「……何してるの?」ギロッ

莉嘉「っ!?ごめんなさーい!!」

みりあ「凛ちゃんおはよー」


卯月「あ、凛ちゃんおはようございます」

凛「ん、おはよう卯月
……と言うか朝から何を騒いでるの?」

卯月「…あはは、それがですね」

未央「只今説明中ー♪」





凛「ふーん?それであんなことを」

莉嘉「うん♪ほら、やっぱり仲良くするのが一番手っ取り早いでしょ☆」

凛「どうみても逆効果なんだけど」

未央「いやでももしかしたらってあるじゃん?」

凛「……はぁ、プロデューサーの性格考えてみなよ」

莉嘉「……そうかなー」




アーニャ「……はぁ」

アーニャ(私は何て事を……プロデューサーは私を助けてくれただけなのに)

アーニャ「……」

アーニャ「……ん」




武内P「……あの、アナスタシアさん」

アーニャ「!?…プロデューサー!?」

武内P「……そんなに左手を気にして……やはり不快にさせていたようですね
………当然ですよね、申し訳ありません」



武内P「……アナスタシアさん?」

アーニャ「っ!!!?…はわわわ//////」

アーニャ「~~~~(意味不明なロシア語)!!!!///////」ダダダ…

武内P「アナスタシアさーーん!!?」

実はこのSSは僕の7年間の遠距離恋愛がベースになっています。
もちろん、秒速5センチメートルと絡ませるためや特定を防ぐために、無理やり時系列や場所、内容はいじっています。
でも各キャラの言い回しなどは当時のをそのまま使っています。そしてこのSSに登場するキャラにも全てモデルがいます。
ちなみに男はSSの内容を盛り上げるためにモテる設定でしたが、僕は一度も告白されたことがありませんし、
告白したのも小学生の時からずっと好きだった幼馴染のモデルになっている女の子に中学の時に告白をしたのが唯一です。
そしてこれからもずっと死ぬまで好きでい続けたい子もその子です。
ちなみにイケメンのモデルの奴も本当にあんなくそ野郎で幼兄のモデルになった人にボコられました。

じゃあ何でこんなことを蛇足で書くかというと、『あの映画』だけが遠距離恋愛の結果じゃないということを知って欲しかったからです。
すごく上からな発言になってしまっていますが、『距離』に負けなかった『二人』が少なからず実在するんだってこと、
そしてその『距離』に勝つためには、このSSでもキーワードになっていますが、『想いをちゃんと伝え合うこと』、そして『大事な二人だけの約束を交わし、果たすこと』、
これが『距離』に勝つために大切なことなんじゃないかということを僕の実体験をもとにこのSSで皆さんに伝えたかったからなんです。

以上で蛇足は終了です。気分を害された方がいたら本当に申し訳ありません。
でもこれから、遠距離恋愛に挑もうとしている方、もしくはすでに途中の方、そして遠くに好きな人がいる方になんらかの考えるきっかけになればと思っています。
また、あの『秒速5センチメートル』という映画には僕自身とても考えさせられました。確かに僕もあの映画を見て凹みましたが、「あんな結果にならないためにも」と、遠距離恋愛に絶対に負けないという気持ちが逆に強くなったきっかけにもなりました。
そのおかげで僕は7年という年月を乗り越えて彼女と一緒になれました。なので、皆さんにもそういう風にあの映画を捉えてもらえれば、あの映画を見たことも決して無駄ではないと思えるのではないかと思います。

では長々と書いてしまいましたがこれで本当に本当に終わりです。ここまで読んで頂いて本当に本当にありがとうございました。

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