絶望先生「伏線、張ってますか?」 (33)


このSSはさよなら絶望先生のSSです。
最終回のネタバレが多く含まれていますのでご注意ください。
むしろ最終回読んでないと訳分からないネタだらけです。



~2のへ~

奈美「あーテストかー、困ったなー勉強してないよ」

あびる「今回のテストは平均点ちょっと低くなりそうだね」

奈美「人をボーダーラインの物差しみたいに言わないでよ!」



絶望「皆さん!伏線を張っていますね!」

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奈美「伏線?」

絶望「心の弱い人々は常に伏線を張っていなければ生きていけないのです!」

絶望「勉強していないといえば点数低くても仕方ないと思えるし!」

絶望「贈り物には”つまらないものですが…”と前置きするし!」

絶望「登場人物全員18歳以上だと注意書きをする!」

絶望「絶望した!伏線だらけの世の中に絶望した!」



晴美「先生、それは伏線ではありません、ただの予防線です」

あびる「先生でも間違えることってあるのね」

マリア「間違いだらけの人間だけどナ」


奈美「じゃあ実際の伏線ってどんなの?」

晴美「伏線ってのは創作物で用いるテクニックみたいなものでね」

晴美「最初は無意味なものと思われた言動や物が後で大きな意味を持つことになることなの」

晴美「何気なくやってた仕草が、実は変身の仕草だったとか」


あびる「芽留ちゃん初登場回であの子が包帯まいてたこととか?」

晴美「私達の例で言えばそうだね」

千里「ちょっと待ちなさいよ!」


晴美「どうしたの?千里、なんか説明間違ってた?」

千里「それを伏線と言っちゃうってことは、私達卒業した後よね?」

千里「なんでまた授業やってるの!?よく見たら2のへのままだし!」


絶望「別にどうでもいいですよ、ギャグ漫画ですし」

絶望「改蔵くんとかきれいな感じで終わったのに、ガンダム本に載ったりマガジンで載ったりしてるじゃないですか」

絶望「我々も需要があればまたぬるいギャグを続けていくだけなのです」

千里「きっちりしなさいよ!!」


奈美「あれ?でもおかしくない?アニメだとその時あびるちゃんいたよね?」

絶望「まぁ、伏線は伏された線なので、メディア化される時はスルーされる場合もあるのです」

あびる「これこれが伏線とか外部に言うわけにもいかないもんね」


絶望「なにはともあれ予防線も伏線も張っておくべきです」

絶望「伏線を張っておけば意外過ぎる展開でも読者が納得してくれます」

絶望「さらに伏線の多い漫画は格の高い漫画として扱われます!」

絶望「そういうものを多く書いてる漫画家は”漫豪”として尊敬されるのです!」

晴美「どこぞの誰の話ですか…」


晴美「でもあんまり伏線ばかりあっても名作ってわけでもないんですよね」

晴美「伏線ばっかり貼って物語自体がつまらなかったり」

晴美「伏線貼ってあっても全然回収せずに終わったり」

絶望「まぁ、漫画家も日々〆切と打ち切りに追われる立場なので無理に言うのは厳禁かと…」

千里「それはいけません!」

絶望「え……」


千里「伏線をほったらかすなんて、きっちりしてません!」

千里「きっちり回収しないと!!」だっ

絶望「ああ!また厄介事を!」



新人漫画家「そんな!打ち切り決定だなんて!」

新人漫画家「いろいろ考えてたのにこれじゃ台無しですよ!」

編集「とりあえず話をまとめるだけでも…」

千里「伏線は、回収しないと。」

ぎゃああああ…


晴美「ああ、打ち切り漫画のほとんどがソードマスターヤマト状態に!」

絶望「ギャグ漫画だから面白いのに実際にやられるとキツイですよね…」


中堅漫画家「あー終わった終わった」

中堅漫画家「これにてハッピーエンド」

中堅漫画家「まぁ色々キャラ持て余しちゃったけど終わりよければ全てよし!」

千里「伏線は!回収!」

ぎゃあああああ…



晴美「ああっ!今度は全てのヒロインの顛末が数行の文章でまとめられた!!」

絶望「でもこーしないと、メインから外れたヒロインのファンは納得しませんよね…」

あびる「傷口に塩を塗ってるような気もするけど」

千里「伏線の!未回収は!許さ、ぬ!!」


絶望「やめてください!木津さん!そんなことやってたらみんな伏線を張らなくなります!」

絶望「突然突拍子のない展開ばかりが続く漫画が増えていくのですよ!?」

千里「突拍子のない展開……?」

千里「先生もさっきおっしゃってましたよね。伏線があるから突然の展開も納得できる…」

千里「逆に言えば!伏線を張らなければ、そういう展開は許されない!!」

千里「きっちりしないと!!」


絶望「ああ!更に被害が大きくなりそうなことを!」

晴美「先生が余計なこと言うからですよ!」


晴美「そういう展開だって時には必要なんですよ!」

晴美「突然の方向転換で人気出たり!無駄のない展開で勢いがあったりと!」



千里「この漫画!主人公が宇宙人の兄が現れるなんて突然すぎる!」

絶望「ああ!あろうことかドラゴンボールにケチつけ始めた!」

奈美「そこを修正されたら、漫画界の歴史が変わっちゃう!」

千里「きっちりさせないと!!」ダッ

晴美「待って!千里!それにはちゃんと伏線があるわよ!」

晴美「これでも読みなさい!」ドラゴンボール0巻ポイッ

絶望「ええ!?なんですかそれ!?」


千里「ふむふむ。」ペラペラ

千里「納得。」

絶望「一体何読ませたんですか?」

晴美「銀河パトロールジャコですよ、カバーだけ取り替えたの」

奈美「それって伏線じゃなくて後付じゃないの?」

晴美「分かってるよ、でもそれしか止める方向無いじゃない…」

絶望「まぁ、伏線のような後付って結構ありますよね」


千里「あー、面白かった。」パタン

絶望「流石鳥山先生、あの千里さんを黙らせました」

晴美「これに懲りたらこういうこと辞めてよ、千里が暴れると面白い漫画も見れなくなるのよ」

千里「まぁ、漫画にも事情があるのは理解しました。」

千里「ですが、私達は伏線をきちんと扱えているでしょうか?」

絶望「はい?」


晴美「何言ってるのよ、千里、私達はちゃんと伏線を回収したじゃない」

千里「いや、これでもまだ甘いと思うんです。きっちりしてない。」

絶望「ページ数だって限られているんですからそう全ては…」



臼井「そう!回収できてない!」

奈美「あ、いたんだ」

臼井「様々なキャラのことが明かされスッキリしたように見えます」

臼井「でも僕は一体何だったんですか!僕こそ伏線の対象GUYですよ!」

奈美「いいじゃん、除霊の最中に紛れ込んだ低級霊とかで」

臼井「嫌ですよそんなの!」


千里「低級霊の事は放っておいて。まだ回収できてない伏線とかあると思うんですよ。」

絶望「私達その場その場のノリで話展開してるので、伏線はそう多くはない気が…」

千里「ありますよ?例えば絶望先生53話で…」


千里「先生が私の胸を触ったこととか。」

絶望「え」


千里「これは先生が私の心を盗みたいという伏線です!さぁ!回収してください!」

晴美「こ、こじつけ始めた!!単なるギャグ描写を伏線に仕立て上げるつもりだ!」


あびる「読者側でこじつける事ってあるよね、臓物島とか」

奈美「あれって改蔵の頃の伏線じゃないの?」

あびる「それが伏線だとフィリピンってことになるのよ(ウソ地層回)単なるネタの再利用でしょ」


千里「心の中に入れたということは、心を許してる伏線!」

千里「多祢姉さんといい雰囲気になったのは、血の繋がった私を求める伏線!」

千里「先生がサンタということは、私に子宝を授けてくれる伏線!」

千里「さあ!回収してください!」


絶望「ひええええ!これでは何も行動できなくなります!」

絶望「大体私の愛する人は描写されてるでしょう!30X話で!」

千里「一つの可能性と書かれているでしょう!それを決定づけることは許さ、ぬ!」


千里「これでもまだ回収してくれないというのですか!」

千里「そうだ!もっともっと伏線をばら撒けば回収してくれるはず!」ダッ!

絶望「ああっ!また暴走した!」

晴美「いや、今更伏線しようがないじゃない、今何をやっても後付ですよ」

絶望「そ、そうですね、流石に時間を超えたりしなければ…」

マリア「ソレも伏線カ?」

絶望「え…?」

晴美「いや、これは伏線というかフラグ……ってそんなこと言ったら!」


まとい「先生!大変です!これを見てください!」

絶望「いたんですか!?」

まとい「ええ!ずっと!」


絶望「これは私達の漫画ですね……一体何が?」

まとい「何が、どころじゃありません」

まとい「各話のネタが千里ちゃんに侵食されています!」



晴美「本来千里が出てないコマまでも出張してきてる!」

あびる「羅列ネタが千里ちゃんネタだらけに!」

奈美「各キャラのアプローチがことごとく妨害されてる!」

芽留【この漫画全然オチてねーよ!!】

あびる「それはいつも通り」

絶望「本当に時を越えてしまったんですか!?」


絶望「あ、でも、なんだか真ん中分けの子にドキドキしてきたような…」

まとい「大変!木津さんの頑張りにより悪影響が!」



晴美「あれ?30巻まであったのになぜか6冊しか…」

まとい「伏線の貼りすぎで漫画がつまらなくなり打ち切られた模様です!」

絶望「大変なことになってるじゃないですか!!」

奈美「これはマズイよ!丸内さんとか大草さんとか存在消えかかってる!」

まとい「知り合いにタイムマシン強奪した子がいます!それで追いましょう!」

晴美「せかどろネタですか!?」


~バス内~

絶望「木津さんは一体どこへ行ったんでしょうね」

晴美「今漫画を読んで確かめています」

晴美「あっ!第一話で最初に会う子が千里に変わっています!」

奈美「もうそこまで!?希望と絶望が出会うってコンセプト台無しじゃない!」


あびる「でも先生まだ大して変わってないよ」

絶望「まぁ一番最初に会った子ってどうやったってあの子ですし」

晴美「そこです!30X話冒頭へ!」


~X年前~

絶望「……」

奈美「……」


千里「」死ーん

晴美「ちょっ!何やってるのよ千里!いくら正ヒロインになりたいからって代わりに死ぬこと無いじゃない!」

あびる「というかこれって相当歴史変わっちゃいません?」

奈美「そ、そうだよね、ここであの子が死ななかったら私達一体…」

まとい「あ、歴史が、変わって、行きます……」


~昭和81年4月27日~

このクラスは32人のきっちりした生徒たちが集まっていた…

まとい「つきまといが規制された!100m距離を開けてきっちり追わないと!」

晴美「ああ、ここのベタ塗り忘れてる!きっちりしなさいよ!」

奈美「約800kcalって何!?きっちり一の単位まで書いてよ!」

あびる「ああ!この動物どこからが尻尾なの!?きっちりしてよ!」

霧「」←きっちり引きこもり

そんな中一人の教師がこの教室に訪れた…




なんくる先生「なんくるないさー」

きっちりした生徒となんくるない先生、出会ってはいけない人々が、出会ってしまった

【ようこそなんくる先生、連載開始】


~教室の外~

絶望「作品自体が変わってしまったじゃないですか!」

奈美「まぁ、コンセプトを合わせようとするとこうなるよね」

晴美「伏線の貼りすぎで破綻した作品は生まれ変わるしか無いということですか?」


可符香「大丈夫ですよ、先生、出番はあります!」

可符香「第26話にて絶望先生は自[ピーーー]る人として登場」

可符香「けれどなんくる先生はそれを華麗にスルー!」

可符香「後の義務として背景に登場していきます!」

絶望「嫌ですよ!そんな登場の仕方!」



マリア「伏線貼ろうガ貼らまいガ、面白くなかったら意味ないヨナ」

~おしまい~


~おまけ~

まとい「どうやらここは平行世界として処理できるようです、戻すことも可能なようですよ」

晴美「早く千里を助けに行かなくちゃ、先生行きますよ」

絶望「ああ、はい、ちょっと待って下さい」


絶望「こうしてあなたに会うのは久しぶりですね」

赤木「そうですね、でもこれはただの夢」

赤木「今度はちゃんとコラボとか短編とかスタジオパルプで会いましょう」

絶望「はは、そのポジティブさも懐かしいですね、ではさようなら」

これにてお終い
伏線回収が見事だった作品なだけに絶望先生は素敵な作品でした
時間をおいてハマったためBD-BOX集められなくて絶望した!

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年12月22日 (木) 04:28:04   ID: 6_hAQxvv

最期なんか切ないね

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