ラブライブ! (5)
短編集です。
過去に書いた物もあります
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卒業
「どうして卒業なんてものがあるのかな?」
「だって、君達が卒業して進学やら就職やらしないと世の中が大変な事になってしまうじゃない」
彼女は興味なさげに肩に掛かった髪を弄りながら言った。彼女の髪の色は私の髪の色と良く似てい。
「そうじゃなくてさ、もっとこう…文学的な意味で聞いたんだけど」
「あらまあ、君の口から文学なんて高尚な言葉が出てくるとは思わなかったな~」
そう言って彼女は髪を弄るのをやめおどけて見せた。
「ほら、高校生活ってさ3年間しかないじゃない?短い期間だよね?でも、それがいいんだよ。たったの3年間。過ぎてしまったらもう二度と手が届かない。手が届かない物って凄く魅力的に見えるものね?」
彼女の得意気な顔が妙に腹立つ。
「その為の卒業なんだよ」
「なんかドラマや漫画にありそうな台詞だね」
「なんだよ~、せっかく答えてやったのにさ」
頬を膨らます彼女の表情には少女のような健やかさと年相応の切なさが同居している。
「私だって永遠なんて物がないのは知ってるよ。でも、絵里ちゃん達が卒業しちゃったら寂しいんだもん。せめて、もう少し一緒に居られたらって」
少し沈黙が続いた。
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