苗木「僕の才能は超高校級の霊媒師だよ」 (13)
僕の名前は苗木誠。
平凡な高校生…ではなくて、俗に言う霊感が強いとかそういう類にカテゴライズされる、霊能者だ。
まぁ、そこを除けばごくごくどこにでもいるような普通の高校生だ。
そんな僕は今、卒業すれば成功が約束されるという平凡な僕じゃ入学ができないような高校の目の前にいる。
その名も、希望ヶ峰学園。
ある分野で卓越した才能を持つ者たちのみがスカウトされることで入学することのできる特殊な高校。入学する者には必ずその才能をあらわした「超高校級の」と名のつく称号のような者をもらうことになっている。
そして僕も今日「超高校級の」仲間入りを果たすことになった。才能の名前は超高校級の幸運。
平凡な高校生の中から抽選で選ばれて紹介状を送られ入学を認められるっていう、才能と呼んでいいのかよくわからないような才能。
僕と同期になる生徒たちは噂だと超高校級のアイドルとか、野球選手とか武道家なんて才能を持った人たちらしい。
正直に言えば、僕はそんな素晴らしい才能を持った人たちとかたを並べる必要はないにしろ、萎縮せずに接していけるか不安だ。でも、あんまり心配はしてない。
だって、僕の取り柄は人より少しだけ前向きなところだからさ。
そうして、拳を少し握りしめ、これから訪れる学園生活に思いを馳せ覚悟を決めて一歩踏み出したところで、とつぜん目の前がグルグルになって、僕の意識は途切れた。
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「んっうう、、ん?」
目がさめるとそこは教室の中だった。
少し戸惑い教室を見渡してみたけど、僕が見た限りだととても大きな違和感を覚えた。
教室の端には監視カメラが、壁には鉄板が大きなボルトで貼り付けられていた。どう見ても異様な光景だ。
「ここは希望ヶ嶺学園なのか…?」
驚いて気づかなかったが、机を見ると白い紙が置いてあった。
手にとり見てみると、それは入学案内のようだった。
と言っても、おおよそ誰が見てもそれは入学案内ではなく、子供の落書きと言った方が似合っているような、そんな代物だった。
内容はここが僕らの新しい世界になるということ、ただそれだけだ。手書きで、それも雑。妙にクレヨンなどで彩られていて不気味さを感じさせられる。
はっきり言って意味不明だ。あの希望ヶ峰学園がこんなものを作るだろうか。そう一瞬思ったけど、僕は考えるのをやめた。
だって考えることすら馬鹿馬鹿しいからね。
何にせよ、ここで何もせずに時間を潰しているわけにはいかない。
だからとりあえずは玄関ホールに向かうことにした。
時計を見ると、時刻はちょうど8時を指していた。
と言っても窓がふさがれているため本当のところはわからないんだけどね。
ひとまず僕は教室を出た。
最後にゲームをプレイしたのはもう2年以上前になるので間違ってる部分や、苗木くんの思考に違和感があったらあまり気にしないでいただけるとさいわいです。
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