神谷奈緒「チャット」 (533)


奈緒(いやー、今期のアニメも楽しくて良いな)

奈緒(なんだかんだでダークホース枠があって、まんまとそれにハマるあたしが居る……)

奈緒「おっと、いつもの時間だ。危ない、っと」


*benioさんが入室しました

benio:ごきげんよう

junk:姉様、ごきげんよう!

fumi2:こんばんは、お姉様。

strawberry:こんばんは。……いつも気になっているのですが、何故benioさんが姉様と呼ばれているのですか?

junk:目の前の板で『benio 姉様』ってググってみい?

strawberry:なるほど、理解しました。benioさんは生徒会長でシスコンなのですね

benio:おい、橘。ちょっと待ってよ

strawberry:リアルネームはネチケット違反です!

junk:ネチケットって何歳だよ橘……

fumi2:ふふっ。


奈緒(こんな感じで、あたしは時代遅れながらチャットにはまっていた)





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1473564844


奈緒(あたしは自分で言うのには抵抗があるけど、いわゆるオタクという人種だ)

奈緒(最近は割とオープンにしている人も居るんだが、リアルが充実してそうな匂いがする奴ばかりで正直合わないし、やっぱり何となく気恥ずかしいというのもある)

奈緒(そんな気持ちを抱き続けて十数年、今では立派な隠れオタクなんだよな……)

奈緒(自分の趣味を隠して生活するのには、慣れているし別に嫌でもない。ただ、どうしても満たされないものがある)

奈緒(誰かとアニメの話を共有できないこと)

奈緒(皆とアニメの話をして、滅茶苦茶盛り上がってみたい!)

奈緒(fumi2さんの言葉を借りれば承認欲求を満たされたい。そんな気持ちをリアルが充実している人たちの傍目で抱いていた)

奈緒(そんな時あるフリゲの攻略情報のやり取りをしていたら、橘がもっと詳しく話し合いたいと言いだして、junkがチャットルームというものを用意してくれた)

奈緒(チャットっていう言葉は知っていたけど、実際にやってみるのはこの時が初めてで正直難しかった。タイピングもそんなに早くなかったし、話しのタイミングを計るのも色々失敗した。でも、好きなものの話題で盛り上がることが楽しくて、至福の時間だったことは間違いない)

奈緒(そのフリゲ自体はマイナーなもので、チャットをするのはいつもあたし、junk、橘の三人だけ。……いや、改めて考えてみるとほんとこのゲーム、マイナーだよなぁ)

奈緒(円盤と漫画を買ってカツカツな時、急にゲームがやりたくなって辿り着いたのがこのフリゲだけど、想像以上にやりこみ要素が多くて、物凄くはまってしまった。攻略情報が乏しくて、毎日チャットで語り合うくらいマイナーだったけど)

奈緒(まぁ、そんな感じで毎日語り合っていると、自然と別の話題も出てくるわけで。fumi2さんと出会ったのも、そんな別の話題の時だった)




junk:三ターン撃破と爆熱剣装備が必須だな

benio:爆熱剣持ってねーぞ、私

strawberry:エクスカリパーじゃ駄目なんですか?

junk:いや、駄目だろ

benio:エクスカリパー(笑)

strawberry:benioさんに馬鹿にされました。傷付きました、賠償請求します。敬意を込めてstrawberry先輩と呼んでください

benio:樽かよ(笑)

junk;企業秘密です

strawberry:え? 皆さん、知っているんですか?

benio:脈止めるトリックとかたまに甘い部分はあったけど、好きだったなぁ

strawberry:私はネコ耳が今でも訳が分かりません

junk:最後が切なかったよな

benio:あれ? そうだったっけ?

strawberry:2期ありましたっけ?

junk:いや、原作の話。……ごめん、同僚が食いついてきた。参加させても良い?

strawberry:仕事中にチャットとか……。別に良いですよ

benio:いいぜ! 語ろう語ろう

junk:さんきゅー

*fumi2さんが入室しました

fumi2:あの、初めまして。fumi2と申します。




奈緒(fumi2さんはアニメも原作の漫画も読んでいなかったけど、ガチの読書家でノベライズ版を読み込んでいる猛者だった)

奈緒(あの時は結局、fumi2さんについていけているのがjunkしかいなかったけど、文字からでも伝わってくるfumi2さんの人柄と礼儀正しさを私と橘が気に入って、それ以降、彼女がチャットルームに居るのが当たり前の光景となっていた)

奈緒(そんなわけで、この四人がいつものメンバーになるわけだけど、実のところあたしは、junkも橘もfumi2さんもリアルでの姿を知らない)

奈緒(ネットを介した関係なので当然と言えば当然なのだろうが、メンバー内でもjunkとfumi2さんが同僚であるくらいで、互いにチャット以外での交流はない……と思う)

奈緒(それでも続けられているのだから、ネットと言うのは不思議で偉大だなと思う)

奈緒(そう言えば、この間橘が──おっと、そうだな、あたしが橘を橘と呼ぶようになった出来事があったんだけど、いや、すっごい単純な話なんだけど、あれは──)




strawberry:二人ともちょっと待った下さい! 早過ぎます! こっちはフリック入力なんですよ!

benio:なんでフリック入力なんだよ……。あのゲーム、PC用だぞ?

strawberry:え? インターネットはタブレットで操作するものですよ? 常識じゃないですか?

benio:いや、待った下さい(笑)に常識みたいに語られてもなぁ

junk:それじゃあ、音声認識で入力すれば良いんじゃないか? やり方は音声認識ボタンをタッチか、設定ボタン長押しあたりからいけるはず

strawberry:ああー、これで良いですか? なるほど、便利なものもありますね

junk:良かったな、苺

benio:おめでとう、チャン一!

strawberry:橘です! あ!?

junk:良かったな、橘

benio:おめでとう、橘!

strawberry:私はストゥロォゥベェリィーですっ!!

junk:strawberryな

benio:ストゥロォゥベェリィー(笑)

strawberry:ああ、もう! これは罠です!!




奈緒(流石、橘。見事な自爆芸)

奈緒(あたしの予測だけど、多分橘は中学生くらいの子なんだと思う。いつも背伸びしたがっている言動だし、やけにタブレットにこだわっているところも、それくらいの年齢なら合致する)

奈緒(逆にfumi2さんは大人な雰囲気を感じる。いつも一歩引いているところで見守ってくれている辺りとか、凄い大人な女性をしていると思う)

奈緒(今一不明なのがjunk。子供っぽい発言をしたかと思えば、冷静に話の流れを読んでいる部分も見られる。多分、男の人だと思うんだけど、fumi2さんと同僚と言うことからその予測も外れなのかとも思い始めている)

奈緒(まぁ、皆、リアルではどうであっても、接していて気持ちの良い、……その、と、友達だと思う……うん、そんな感じ)

奈緒「って、ヤバイ! こんな時間かよ!」

奈緒(今季のダークホース枠のアニメが始まる時間だった)

ダイスキ♪

奈緒「はぁ、間に合ったー」

奈緒(そう言えば、この部長の声の人、確かアイドルが本業なんだよな……。声の幅が広過ぎてキャスト見ないとこの人だって気付けないし、凄いよな……)

奈緒(声優……良いよな……)

奈緒(大変だって話も聞くし、実際に大変なんだろうけど、やっぱり幼い頃からの夢は引きずる、よな……)

奈緒(こうしてあたしの一日は過ぎていく)




一旦、休憩します




中の人繋がりで夜ノ森紅緒で正解です

スパイラル→すっぱいたる→樽
(スパイラルネタが通じるとは思いませんでした)

割と刹那的に書いていますので、junkの正体も意外性はないです……

ちょっとだけストックできましたので、投下します



*朝・通学路

北条加蓮「おはよう、奈緒」

奈緒「おはよう、加連」ウーン

加蓮「寝不足?」

奈緒「そんなところ」

加蓮「夜更かしはお肌の天敵らしいよ?」

奈緒「ジャンクフードばっかり食べている奴に言われたくないな」

加蓮「ごもっともで」

奈緒(こいつは北条加蓮。学年は一つ下だけど、妙に馬が合ってこうして一緒に登校しているし、一緒に居ることも多い)

加蓮「もしかして受験のために夜更かししていたとか?」

奈緒「いや、そのままここの大学に進学するつもり」

加蓮「うちの学校エスカレーターだもんね。でも、成績悪いと落とされるって話だよ?」

奈緒「そこまで悪くねぇよ!」

加蓮「あはははっ。冗談」

奈緒(こんな感じで付き合いやすい奴だけど、昔から病弱で入退院を繰り返していた影響で、クラスに友達は居ないと加蓮は言っていた)

奈緒(納得できないわけではないけど、それ以上に女子特融の容姿に関するやっかみが含まれている気がするのは私の気のせいだろうか)

奈緒「加蓮はアイドルやれば良いと思う」

加蓮「いやいや、アタシ病弱だし、根性ないし」

奈緒(割と本気そう思ったんだけど、加蓮には冗談だと思われたようでそう返されてしまった。もったいないと思うだけどな)




*昼・情報室(PCルーム)

加蓮「あ、奈緒。見つけた」

奈緒「げ!? 加蓮!?」

加蓮「なんで『げ!?』なのよ?」

奈緒「ど、どうしてここに?」

加蓮「奈緒のクラスの人に聞いた」

奈緒「クラスの奴に知られていたのかよ!?」

加蓮「女子グループの輪を乱す不届き者め!」

奈緒「べ、別にどこグループにも所属していないし、あたし」

加蓮「それで許されるって、奈緒のクラスって良いクラスだよね」

奈緒「そういう加蓮だって、今グループから抜けてきているだろ?」

加蓮「アタシ、ぼっちだし」

奈緒「……ごめん」

加蓮「ところで、こんなところで何してたの?」

奈緒「……言わなきゃ駄目か?」

加蓮「別に良いよ。勝手に見るから」

奈緒「あ、こらっ!」




strawberry:ところで皆さんはLineはやられていないのですか?

fumi2:お仕事で利用させていただいています。

junk:まぁ、俺も仕事での利用がほとんどだな。プライベートだと未だにメールか電話だよ

benio:一応登録はしているけど、四六時中は使わないな。なんでLineの話?

strawberry:今日学校でチャットの話をしたら、今はLineだと言われまして

junk:今時の子はチャット自体知らない子も居るだろうしな

fumi2:私は最近までLineもチャットも使ったことがありませんでした

benio:チャットはともかくLineは珍しいな

strawberry:私もLineはインストールしています!

benio:あ(察し)

junk:俺もfumi2も仕事がなければ橘と同じかもな

fumi2:文明の利器は良いものですが、たまには手紙の良さを味わってみるのも良いかもしれません。

benio:(あれ? これって私が仲間外れのパターン?)

strawberry:ですよね! 時代はチャットですよね!

junk:それはないと思う

strawberry:あれ?




加蓮「え? なにこれ?」

奈緒「……チャットだよ」

加蓮「あ、聞いたことあるかも。Lineみたいなやつ!」

奈緒(クソッ。加蓮もそっち側かよ! 逆なんだよ。Lineがチャットみたいなんだよ!)

加蓮「それで奈緒はどの人?」

奈緒「……benio」

加蓮「benio? ふむふむ、確かに奈緒っぽいかも。でも何でbenio?」

奈緒「べ、別に何でも良いだろ!?」

加蓮「好きなアニメのキャラだったりして?」

奈緒「な、なんでそれを!? と言うかあたしがアニメ見ていること──!」

加蓮「いや、流石に分かるでしょ? アタシがアニメの話振ると目が輝いているよ?」

奈緒「うわぁーっ!?」

加蓮「あと、ツンデレだし」

奈緒「あたしはツンデレじゃないし! 勘違いするなよなっ!!」

加蓮「誰と話していたの?」

奈緒「無視すんなよっ!」

benio:こんにちは☆ benioの友達でーす♪

奈緒「勝手に打ち込むな! あぁーっ!?」




benio:こんにちは☆ benioの友達でーす♪

strawberry:?

fumi2:初めまして。fumi2と申します。

junk:こんにちは。へぇー、benioって友達居たんだ

benio;普通に居るっつーの!

benio;皆さん、フリーターの方ですか?

benio;↑おいっ!?

strawberry:benioさんが大変なことになっているようですね。私はきちんとした学生ですよ?

junk:残念ながら有職者だよ。fumi2と同じ職場で働いている

fumi2:今は休憩時間なんです

benio:あたしも学生だよ

benio:だから! 勝手に書き込むなって!

strawberry:私と同じですね!

junk:多分、橘とは違う分類の学校に通っていると思うぞ

fumi2:実は私も学生です

strawberry:!?




加蓮「結構楽しいね、チャット」

奈緒「好き勝手やるな! ってfumifumiさん学生かよ!?」

加蓮「あ、フミフミさんって読むんだ」

奈緒「いや、勝手にそう呼んでいるだけだけど」


strawberry:良かったら、benioさんのお友達もこれから仲間に加わりませんか?


加蓮「あ、アタシ誘われてるね」

奈緒「橘ーっ!!」


junk:おう、歓迎するぜ

fumi2:はい。お待ちしております。


加蓮「喜んで参加させてもらいます、っと」

奈緒「なに書き込んでんだよ!?」

加蓮「奈緒、血圧上がるよ?」

奈緒「余計なお世話だっ!!」


strawberry:benioさん の ともだちが なかまに くわわった!

junk:チャラチャラチャチャ~


奈緒「ドラクエかよっ!!」




とりあえずここまで



誤字脱字多くなってしまいました……

話の流れで補っていただければ幸いです




*夜・自室

奈緒「くそっ、加蓮の奴!」

奈緒(結局押し切られるような形で、加蓮がこのチャットに参加することになってしまった)

奈緒(知り合いがいるとやりづらいんだよー!)

奈緒(……まぁ、あたしがアニメ好きだとバレてしまっていたから、別に良い気もするけど)

奈緒(ただ、加蓮の場合、何を言いだすか分からなくて怖いんだよな……)

奈緒(いきなり奈緒とか言いださないだろうな……? 別にあいつらにはバレても良いけどさ)

奈緒(あれ? そう言えば、加蓮のハンドルネームって何だろう……?)


*junk2さんが入室しました


奈緒「おいっ!?」




*junk2さんが入室しました

junk2:あ、ども。benioの友達でーす♪

junk:あれ? 俺が居るぞ?

strawberry:junkjunkさん、こんばんは

fumi2:junk2さん、いらっしゃいませ。

benio:なんで! junkと名前被ってんだよ!?

junk2:え? あたしもジュンクフード好きだし

junk:いや、俺、そんなにジャンクフード好きってわけじゃないぞ?

junk2:あれ?

strawberry:私もジャンクフード辺りからとっていると思っていました

junk:Piece of junk、ポンコツだからだぞ?

fumi2:junkさんはポンコツなんかじゃありませn!

strawberry:fumi2さんが感情的になっているの初めて見ました……

fumi2:お恥ずかしい限りです……。

junk:まぁ、ありがとな

benio:とりあえず、junk2。ややこしいから別のハンドルネームにしろ!

junk2:えー。仕方がないな

*junk2さんが退室しました

*karenさんが入室しました

benio:おいっ!?



junk:karenさん、これからよろしく

strawberry:karenさん、よろしくお願いします

fumi2:karenさん、改めましてよろしくお願いいたします。

karen:皆、よろしく!

benio:ああ、まぁ、そっか……。karen、大人しくしていろよな?

karen:junkさんとfumi2さんって恋人ですか?

benio:だから! 色々かき回すな!!

fumi2:あ;;;jjjjjじお;;;;;;;;;;;;jjjjjjjjjjjjjjjjjっじ

strawberry:fumi2さん!?

junk:いや、違うよ。ただの同僚だよ

karen:うーん、勘違いか

benio:fumi2さん、ごめんなさい! karenには私がよーく言い聞かせておくから!

karen:オネガイゴジャイマス!

benio:確かにカレンだけどさっ! と言うか、何で知ってんだよ!?

karen:夜、テレビでやってた

strawberry:分かるわ

karen:ああ、川島瑞樹! 誰かの声に似ているような気がしたんだよね

junk:ははっ。benioも苦労しているな

junk:junk……助けてくれ……



>>28
誤字訂正
junk:junk……助けてくれ……

benio:junk……助けてくれ……



strawberry:junkさん、惜しい人をなくしました

junk;おい、一応生きているぞ

fumi2:おかえりなさい、junkさん。

junk:おう。メールの件は明日話し合おう

fumi2:ふふっ。

benio:(fumi2さん、ちょっと怖くね?)

strawberry:(fumi2さんはいつだって可愛いですよ?)

karen:(カワイイ、ボクですよ!)

benio:どこから出てきた!? 輿水幸子!?

junk:輿水幸子と言えば?

karen:スカイダイビング!

strawberry:スカイダイビング!

benio:スカイダイビング!

junk:ふむふむ

fumi2:ええと、可愛らしい方ですよ。

karen:あたし、楓さんのサイン欲しい~

strawberry:私は鷺沢文香さんのサインが良いです!

karen:ふみふみも良いよね~

fumi2:ふ、ふみふみ、ですか。

strawberry:fumi2さんのサインも欲しいです!

benio:おい。呼び方が似ているからってfumi2さんを困らせるな




junk:やっぱり、若い子はアイドルが好きなのか?

karen:junkさんおじさんくさい。でも、うん、大好き。城ケ崎美嘉良いよね

strawberry:私は鷺沢文香さん一択です!

benio:私も鷺沢文香は良いと思う。声優もやっているし。あ、高垣楓も好き。fumi2さんは?

fumi2:私ですか? そうですね、皆尊敬しています。

strawberry:流石fumi2さん。どんな人にも尊敬を忘れていません

fumi2:いえ、私なんてまだまだ未熟です。

junk:ふみふみのライブ、来月あるからよろしく!

strawberry:もちろん、チケットゲット済みです! junkさんも鷺沢文香さんのファンでしたか

karen:えー、あたしも行きたい

benio:私も行きたい

strawberry:チケットはもう完売ですよ?

karen:そして、お金もない

karen:あ、完売なんだ

benio:かつてない速度で書き込んだな、橘

karen:橘って誰?

junk:苺

karen:なるほど。橘っぽいよね

strawberry:strawberryです! あと、karenさん。橘っぽいって何ですか!?




スパイラル、皆詳し過ぎだろ……(連載からリアルタイムで読んでいたけど!)

そんなわけで、場をかき回す女、加蓮加入回でした。続く



楓さん、仕事に戻りますよ



樽は大昔にネットの書き込みのどこかで見たことがあるような気がしたのもあるけど、
直接タイトルを言わないために無理やりつけた略語になります

とりあえず投下していきます




karen:このチャットはふみふみに監視されています

junk:やっほー、ふみふみ見てるぅ?

strawberry:ファンです! 来月会いに行きます!

fumi2:は、はい。見ています、よ……?

benio:いや、fumi2さん無理に合わせなくても良いから

karan:ところでふりーげーむの話に戻るけどさ

benio:唐突だな!?

karen:そもそもその話の途中じゃん

strawberry:それもそうでしたね。とりあえずダウンロード先のリンク貼っておきます

karen:ありがと

fumi2:とても難しいゲームでした

karen:そんなに難しいの?

junk:人によりけりだろうな

strawberry:最初のキャラクターメイキングで三十時間以上取られました

karen:え?

benio:まぁ、作ってからはそれ以上かかるんだけどな

junk:俺は総プレイ時間は五百時間程度だな

fumi2:junnkさん……。

benio:私は千時間超えているぜ!

strawberry:私もそれくらいですね

karen:それでさ、城ヶ崎美嘉なんだけどさー

benio:なんで話題変えた、karen




*チャット後・加蓮と電話

加蓮『いや、おかしいでしょ! ゲームで千時間とか!』

奈緒「モンハンとかそれくらい普通にプレイしている人居たぞ?」

加蓮『いや、無理! アタシ、ゲーマーじゃないし!』

奈緒「ゲーマーとか関係ねーし! ……まぁ、別に無理には勧めないけど、楽しいんだけどな」

加蓮『奈緒がそこまで言うんだったらやってみるけどさ……』

奈緒「ほんとか!?」

加蓮『いきなり輝きだすし。ところで、junkさんとかどこの誰なの?』

奈緒「会ったことはないな」

加蓮『え、知り合いじゃないの?』

奈緒「ネット上の知り合い。チャットってそういうもんだろ?」

加蓮『……出会い系?』

奈緒「そんなわけあるか!!」

加蓮『junkさんとfumi2さんは付き合っていると見たね』

奈緒「ころころ話変えんなよ……。あと、junkの性別分かんねぇし』

加蓮『普通に男でしょ?』

奈緒「いやいや、加蓮。世の中にはネカマっていうネット上でオカマを演じる奴も居て、文字だけじゃ判別つかないんだぞ?」

加蓮『fumi2さんも男だったり?』

奈緒「……想像もしたくないけど、それがありえるのがネットなんだよ」

加蓮『何それ怖い』




加蓮『橘ちゃんは女の子だよね』

奈緒「まぁ、それは間違いないだろうな」

加蓮『何歳?』

奈緒「中学生くらいじゃね?」

加蓮『小学生じゃないの?』

奈緒「ありえるな」

加蓮『橘ちゃん、可愛い』

奈緒「分かる」

加蓮『fumi2さんは結構謎だよね』

奈緒「仕事していて学生らしい」

加蓮『アルバイトでjunkさんと一緒に働いているのかな?』

奈緒「そうだろうな、普通に考えて。と言うかあたしはjunkが一番謎なんだよな」

加蓮『fumi2さんと仲良いよね』

奈緒「少なくても関心がなければチャットに参加しようとは思わないだろ?」

加蓮『junkさん、美少女なんだっけ?』

奈緒「そこまでは言ってねえよ! 女の可能性もあるってだけ」

加蓮『アイドルのことそれなりに詳しそうだったんだよね。あと、なんて言うか空気読んでるよね?』

奈緒「……やっぱり美少女かも」

奈緒(と言うかおっさんで想像したくない)

加蓮『美少女だよ!』

奈緒(こうして、加蓮とあたしの中でjunkは美少女に決まった)




*朝・通学路

加蓮「奈緒、あのゲームやっぱり無理!」

奈緒「楽しいのに……」

加蓮「最初のステータス変動し過ぎ! 良い数値が出るまで何時間粘れば良いの!?」

奈緒「三十時間くらいか? いや、極めると数百……」

加蓮「聞きたくない!」


男性「名刺だけでも……」

女子生徒「しつこいってば!」


加蓮「……」

奈緒「加蓮? あ、おい!」

スタスタスタ

加蓮「あ、めぐみ! 待ったー? ほらっ、学校行こう!」

女子生徒「……え、私?」

加蓮「何言っているの、めぐみ? ほら、さっさと行く。紅緒も待ってるし」ガシッ

女子生徒「え、え……?」

男性「あの、失礼ですが、人違いをされているのでは……?」

加蓮「あ、間に合っていますから! めぐみは忙しいんで!」

スタスタスタ

加蓮「行くよ、奈緒」ボソッ

奈緒「お、おう」

女子生徒「え、なんなの……?」




加蓮「……ふぅー。ここまで来れば大丈夫だね」

奈緒「相変わらず無茶やるよな」ハァ

加蓮「アタシ、ああいうの嫌いだし」

女子生徒「……助けてもらった、で良いのかな?」

加蓮「アタシが勝手にやったことだから気にしなくて良いよ」

奈緒「まぁ、こういう奴だから」

女子生徒「……ありがとう」

加蓮「うん」

女子生徒「でも、危ないから、ああ言うことはもうしない方が良いよ」

奈緒「それはあたしも同意だ。何かあったら大変だろ?」

加蓮「身体が勝手に動いたの!」

奈緒「病弱な癖に行動力だけはあるんだからな……」

加蓮「でも、分かった。なるべく気を付ける。ところでなんだったのあの男? ナンパ?」

女子生徒「……アイドルにならないかって」

加蓮「ヤバイ。アタシ、絶体絶命のところを助けたっぽい」

奈緒「どう見てもヤの付く職業だったしな」

女子生徒「悪い奴ではないと、思う。たぶん」

加蓮「騙されてるよ、絶対!」




加蓮「アタシ、北条加蓮」

女子生徒「?」

奈緒「?」

加蓮「奈緒、この子、放っておけないよ。このままだとホイホイ悪い男に着いて行っちゃう!」

女子生徒「いや、ないから」

加蓮「アタシたちでこの子を見守ってあげないと!」

奈緒「お、おう……?」

加蓮「ほら、奈緒。自己紹介」

奈緒「か、神谷奈緒」

加蓮「あなたも自己紹介!」

女子生徒「……渋谷凛」

加蓮「凛ね。これからよろしく」

凛「よろしく……?」

加蓮「こっちが奈緒ね」

奈緒「さっき自己紹介しただろ! よ、よろしく」

凛「うん、よろしく。奈緒」

加蓮「加蓮ちゃんには?」

凛「よろしく、加蓮」

加蓮「はい、よくできました!」

奈緒「……たまに加蓮のコミュ力が心底羨ましくなるよ」




*夜・Lineグループ『りんなおかれん(3)』

加蓮:凛、無事だった?

rin:別に何も起こらないから

奈緒:悪いな。加蓮が放課後まで付きまとわって

rin:嫌ではないよ

加蓮:凛を危ない男から守るためだし!

奈緒:こいつなりに心配しているんだよ、きっと

rin:うん、ありがとう。加蓮、奈緒

奈緒:べ、別に私は……

加蓮:出たツンデレ!

rin:ツンデレなの?

奈緒:違うっつーの!

加蓮:(ニヤニヤ)

奈緒:加蓮!

rin:……ところで本当に、二人とも呼び捨てで良いの? 一応先輩でしょ?

加蓮:一応というところが気になるけど、別に気にしないよ

奈緒:と言うか凛が年下の感じがしない

加蓮:分かる

rin:昔から年齢よりも上に見られていたからね

奈緒:まぁ、そうだろうな

加蓮:あ、明日も凛の護衛するから

rin:……はいはい




karen:そんなわけであたしの友達がピンチだったんだよね

strawberry:世の中怖い話もありますね

benio:そう言えば、あの時私のことbenioって呼んでいたなぁ

karen:へへーん、機転を利かせたんですー

fumi2:junkさん、もしかして……。

junk:まぁ、言いたいことは分かる。なぁ、karen。その怪しい男って長身で、一見するとヤの付く職業で、常に敬語で、捨てられた子犬みたいな顔を浮かべる奴か?

karen:うーん、言われてみればそうだったかも

benio:確かに、私たちが去っていく時、捨てられた子犬みたいな顔してたな

karen:そうなの?

junk:……それ、城ヶ崎美嘉の元マネージャーだよ

karen:へ?

benio:マジで!?

junk:ああ、何度か美嘉のライブで見かけたことがあるから間違いないと思う

fumi2:junkさんと一緒に拝見したことがありますが、私もその方を見かけたことがあります。

benio:と言うことは、あいつ本当にアイドルのスカウトされていたってことなのか……?

karen:他人のそら似じゃないの?

junk:まぁ、本当に危ない奴だった可能性もあるから、karenのとった行動は正しいと思うよ。ただ、危ないから今度からは一人で行動するなよ?

karen:はーい




strawberry:と言うか、junkさんは城ヶ崎美嘉さんのライブにも行ったんですか!? ドルオタと言うものでしょうか? いえいえその前にfumi2さんと一緒に行くなんてズルイです!!

karen:まぁまぁ、junkさんは美少女だから

benio:だよな

junk:何の話だよ!?

strawberry:美少女なら仕方がありません

karen:本当のところはどうなの? fumi2さん?

fumi2:ふふっ。皆さんの想像の中にありますよ。

benio:うわっ! 本当に美少女だったのかよ!?

junk:勝手に美少女にするなよ! fumi2も話にのるなよ……

fumi2:はい。ごめんなさい♪

karen:(うわっ、あたし砂糖吐きそうだわ)

benio:(junkは美少女だからな)

strawberry:(私もfumi2さんとイチャイチャしたいです)

junk:fumi2、この子たちいじめてくるんだけど

fumi2:ふふっ。




ゴミ箱にダンクシュートするゲームは一番最初のバージョンからプレイしていますが、別のゲームです

とりあえずここまで(次の投下は時間が結構空くかもしれません)




しぶりんと加蓮の学年に関しては悩んだんですが、誕生日の関係でそれぞれ別の学年にしています
(凛8月、奈緒加蓮9月、作中1学期)

爆裂ロリータさんはほっちゃん(堀江由衣さん)だったかな?




*朝・通学路

加蓮「おはよう、凛」

凛「おはよう、加蓮、奈緒」

奈緒「おはよう」

加蓮「昨日の不審者だけどさ、どうも城ヶ崎美嘉の元マネージャーらしいよ?」

凛「え? あれから調べたの?」

奈緒「いや、知り合いと話していたらそんな話が出てきた」

凛「ふーん」

加蓮「それだけ?」

凛「うん。別にアイドルに興味はないから」

加蓮「アイドルになれるチャンスを潰しやがって、コノヤロー! とかないの?」

凛「いや、昨日も言ったけど感謝しているよ」

奈緒「あ」

男性「おはようございます」

加蓮「うわっ! また現れた!?」

凛「はぁ……。流石にしつこいよ?」

男性「せめて名刺だけでも……」メイシデス

加蓮「なになに……346ダクションプロデューサー。……ねぇ、本当に城ヶ崎美嘉の元マネージャーなの?」

男性「何故、それを……?」

加蓮「知り合いの美少女なドルオタに聞いた」

男性「?」




凛「……名刺受け取ったんだから、もう良いでしょ?」

男性「できればこちらの資料も……」

奈緒「訪問販売の手口かよ!」

男性「お二人もアイドルになってみませんか……?」

加蓮「感染拡大した!?」

凛「ちょっといい加減にして!」

女性「……あの、街頭で騒ぐのはあまりお勧めいたしません」

男性「あなたは……!?」

女性「お仕事に熱心なのは、美徳だと思います。ですが……お相手の気持ちを、大切にしてあげてください」

男性「……はい。私が間違っていたようです」

奈緒「あ、あわ、あわわ……」

男性「ご迷惑をおかけいたしました。謝罪は行動で示させていただきます」

凛「あ、うん。分かれば良いけど……」

女性「……もしお気持ちが向きましたら、そちらに連絡先が書かれていますので……お気軽にどうぞ」

加蓮「え? お姉さん、この人の同僚の人?」

女性「はい。……本気で変わられることを望んでいる方には、良い機会になるかと思います。……それでは失礼いたします」

凛「あ、ありがとう、ございました」ペコリ




加蓮「行っちゃった。それにしてもさっきの女の人、誰かに似ていたような……?」

凛「物静かな人だったね。でも、あれ変装かな?」

奈緒「バカー!」

加蓮「なにいきなり?」

凛「奈緒、壊れた?」

奈緒「あの人、鷺沢文香だよ!!」

加蓮「は……?」

凛「聞いたことある、かな?」

奈緒「変装していたけど、間違いなく鷺沢文香の声だった!」

加蓮「えぇー!? サイン貰っておけばよかった……」

凛「ふーん。よく分からないけど、やっぱり本物の人だったんだ」

加蓮「橘ちゃんに自慢する機会だったのに!」

奈緒「そっちかよ!?」




karen:そんなわけで今日、鷺沢文香に会ってしまった!

strawberry:バカー!!

benio:橘が切れた

strawberry:羨ましいです! 羨ましいです! 羨ましいですっ!!

junk:まぁ、鷺沢文香のお陰でその友達が助かって良かったじゃないか?

karen:まぁね

benio:と言うか、どさくさに紛れてあの男の人、私たちまで勧誘してきたんだけど? 節操なしなのか?

fumi2:いえ、それはbenioさんとkarenさんが素敵な人だったからではないでしょうか?

karen:え? あたしキレイ?

benio:今、あなたの後ろに居るの

junk:混ざってる混ざってる

strawberry:私もふみふみに会いたいです!

benio:来月会えるだろ?

strawberry:今すぐ会いたいです! 今、この瞬間にでも会いたいです!

junk:文香好き過ぎだろ……

karen:うん。でも、同性から見ても素敵な人だったよ? 穏やかだけど確かな存在感があるって言うか、ほんとアイドルって感じ

strawberry:文香さんは最高のアイドルですから(ドヤッ!)

benio:自分でドヤッとか言いだしたし、この橘




benio:でも、よくよく考えてみるとタイミング良すぎるような気もするんだよな

karen:あ、それちょっと思った。昨日の今日だもんね

junk:あー。実はな、あのチャットの後、346プロにメールを送っておいたんだよ

strawberry:当然ですね。アメリカでは訴訟ものですよ

benio:なんでアメリカ出てくるんだよ……

karen:流石出来る美少女junkさん!

junk:まだその設定引っ張ってたのかよ

benio:ところでどんなメールを送ったんだ?

junk:ん? 城ヶ崎美嘉の元マネージャーが女子学生に付きまとわっているので、至急何とかしてくれって感じだな

karen:346プロ対応早いね

strawberry:それで、何で『私の!!』文香さんが出てくるんですか!?

benio:遂に私のとか言いだしたぞ

junk:そこまでは俺の知るところじゃないが、その元マネージャーと連絡がつかなかったんじゃないか?

fumi2:大学生であれば時間の都合がつきやすいですから。

karen:大学って高校よりも授業が始まるのが遅いって聞くけど、ほんと?

fumi2:そうですね。加えて、一時限目がない日もあります。

karen:えー、いいなー

strawberry:junkさん! 実は私のところにも男の人が付きまとっていまして!

junk:はいはい、橘橘




karen:でも、ストーカーって怖いよね

fumi2:あの。お話を聞く限り、その男の人は一所懸命だっただけではないでしょうか?

strawberry:流石fumi2さんは女神ですね!

fumi2:いえ。お仕事をしていると、周りが見えなくなることは稀にあります。それはお仕事に真剣であるが故でしょう。

benio:でも、他人に迷惑をかけるのは駄目だろ?

fumi2:はい。それは確かにそうです。ただ、今回の場合はお二人のご友人に話を聞いてもらおうとしていただけですので、あまり責めるのも酷かと思います。

karen:あー、何となくfumi2さんの言いたいこと分かった。今日はあたしとbenioが居たせいで、あの子ちょっとヒートアップしていたんだよね

benio:ああ、そう言うことか。確かに私たちが絡まなければ一人で飄々と乗り切っていたかも

fumi2:それだけお二人のことを大切に思っていたのですね。

benio:昨日、友達になったばかりだけどな

junk:友達に月日は関係ないさ

benio:美少女がキザな台詞を言いだした!

karen:惚れる

strawberry:照れ隠しですね

benio:うっせーよ、橘

karen:まぁ、あの男の人はfumi2さんに免じて許してあげますか

benio:だな

fumi2:ありがとうございます。

strawberry:(fumi2さんマジ女神!)

junk:(なんか橘がウザい)

benio:(分かる)

karen:(分かる)

strawberry:酷くないですか!?




続きはまた明日




奈緒の休日。たまには女の子らしい話題もね編

ゆっくりです



*休日・自室

奈緒(録画したアニメでも見るかな……)

奈緒(たくさんアニメを放送してくれるのはありがたいけど、いくらなんでも最近は本数多すぎないか? おかげでアニメが貯まる貯まる)ニヘラ

奈緒(滅茶苦茶忙しい一日になりそうだ!)

ピロリーン♪

奈緒「……」ソーッ

Line:新着メッセージがあります

加蓮:やっほー!

奈緒「……」ソットジ

奈緒「いやー! 今日も忙しい一日になるなー!」

ピロリーン♪

加蓮:無視しないでよ!

奈緒「……」スッスッスッ

奈緒:女ってそう言うところ面倒くさいよな

加蓮:奈緒も女の子でしょう!? なんで他人事なの!?




奈緒:それで何? 忙しいんだけど

加蓮:ロフト行かない?

奈緒:いや、だから忙しいって

加蓮:新しいネイル用品欲しいんだよね

奈緒:だから! 聞けよ!

加蓮:ネイルサロンも入ってるけど、高いんだよね~

奈緒:知らねぇよ! 凛でも誘ってやれば良いだろ?

加蓮:実家の手伝いで忙しいって

奈緒:実家何かやってんの?

加蓮:花屋

奈緒:……客に向かって笑顔を振りまいている凛を想像できない

加蓮:お客様~、こちらのお花が似合うナリよ~

奈緒:おい、何で最後コロ助にした!? と言うかコロ助知ってんのか?

加蓮:それでさ、ロフト行こーよー

奈緒:行かねぇって!

加蓮:あのさ、Lineの履歴がどんどんたまっていくんだよ! こうしている間もさ!

奈緒:どこにキレてんだよ! 私はいかないつってんだろ!

加蓮:奈緒のバーカ!




奈緒「はぁ、加蓮の我がままにも困ったもんだ」

奈緒「さて、アニメアニメ……」

奈緒(……)ソワソワ

奈緒「ああー! もうっ! 仕方がない奴だ!」


奈緒:べ、別にロフト行ってやっても良いぞ……?


奈緒「……」

奈緒「?」

奈緒(未読、か……。もう、ロフトに向かったのか?)

奈緒(まぁ、それなら仕方がないな。……アニメの続きを見るか)

奈緒「……」

奈緒「……」ソワソワ

奈緒(未読か……)

奈緒「……」ソワソワ

奈緒(未読だな……)

奈緒「……」

奈緒「ああー! もうっ! 集中できない!」

奈緒「……チャットルームでも見てみるか」




*benioさんが入室しました

karen:へぇー、やっぱり高い化粧品って違うんだー

junk:香料と添加物だけ違うメーカーもあるけど、良いメーカーは顕著だな

benio:こっちに居たのかよ! おい!

karen:あ、benioだ

junk:お前たち、暇なんだな……

benio:ケータイくらい確認しろよ! あと、ここに居るjunkに言われたくねぇよ!

karen:あ、ごめん。ほほーん、ロフト行ってくれるんだ? 忙しいのに?

benio:用が片付いたからな

karen:あたしの誘いを断ったことを気にして、モンモンしながらメッセージ送ってくれたんですよー

junk:流石ツンデレ担当

benio:ツンデレじゃねーし! karen! 勘違いだからな!

karen:はいはい、ツンデレツンデレ

benio:たくっ……。ところで何でチャットやってたんだ?

karen:benioに振られた傷心を美少女に癒してもらってた

junk:もう、俺美少女で良いわ……

benio:さっきは忙しかったんだよ!




junk:まぁ、美少女は置いておいて。karenがネイルの話を振ってきたから、流れで化粧品の話をしていたところだな

benio:流石美少女だな

karen:でしょ?

junk:おっさんが化粧品のことを知っていても良いだろ!?

karen:いや、それはどうなのかな……

benio:中年の化粧が流行っているって聞いたこと……あったような気がしないでもない

junk:おう、今のは俺が悪かった

karen:話戻すけど、やっぱりカウンセリングって受けた方が良いの?

junk:ああ。相手はプロだからな、肌にあったものを選んでくれるし、化粧の仕方も教えてくれる

benio:カウンセリングって化粧品売り場にいる人にやってもらうやつか? なんか高そうなんだよな

junk:基本的には無料だよ。化粧品買わされるかもしれないけど

karen:ただより高いものはない、だね

benio:へー、そんなもんなのか

karen:benio、おしゃれしようぜ☆

benio:気が向いたらな

karen:やらないパターンじゃん!




junk:まぁ、若い子に化粧しろとは言わないけど、早いうちに正しい化粧の仕方は覚えておいて損はないからな

karen:あたしは雑誌で覚えたよ!

benio:私はkarenに実験台にされた……

junk:化粧は大なり小なり肌に負担をかけるから、より負担の少ないやり方が良いんだ。同じ理由で化粧品選びもその肌に合わせる必要がある

karen:やっぱり自己流よりもプロかぁ……。junkさんのオススメのお店ってある?

junk:できればカウンセリング化粧品を置いてある店だな

karen:普通の化粧品と違うの?

junk:名前の通りカウンセリングもして買える化粧品だけど、一部取り扱い店舗を除いて専門店かデパートにしか置いてなくて値段も高い

karane:高いんだ。それはちょっと無理かも

benio:私たちは学生だからな

junk:だよな。だから、そう言ったお店で製薬会社の化粧品を置いてあるところがお勧めだな

karen:製薬会社って薬作っているところだよね? そんなところも化粧品出してるの?

junk:出してる。値段もカウンセリング化粧品よりもずっと安くて、何より肌に良い影響を与えるものが多い

benio:そんなものまで置いている店なんて私は知らないぞ

junk:デパートかドラッグストアだったら大体置いているよ




karen:カウンセリング化粧品よりも安いけど、それでもそれなりの値段はするんじゃないの?

junk:まぁ、な。千円から二千円あたりの値段はどうしてもする。ただ、一本で化粧水や乳液等をまかなえるものもあるから、考え方だろうけど

benio:はっ!? junk、もしかしてこれはステマってやつなのか!?

junk:俺はメーカーの回し者じゃないよ。お勧めを聞かれたからあえてってところだ。自分自身の肌があまり強くないのもある

karen:実はあたしもあんまり肌強くないんだよね

benio:私も化粧品つけると肌荒れる

junk:正直、安くても肌に合えば良いと思うんだが、二人とも薬用化粧品、特に医薬部外品分類のものを選択するのが無難だろうな。特にbenio、その化粧品はもう使わない方が良い

benio:薬用化粧品とか医薬品とかまた新しい単語が出てきた……

karen:結構パッケージで見ること多いよね

junk:薬用化粧品自体、記載するために法律で定められているんだが、その中でも医薬部外品は名前の通りそれなりの効能が期待できる。ちなみに医薬品の分類もあるが、値段も高いし販売するには資格がいるしで、これは本当に困ったら選ぶやつだ

karen:聞いているだけで、あたしの女子力がどんどん上がっていく気がする

benio:バカな……346……765……876……まだ上昇していく!

junk:benioの女子力が低そうなことはよく分かった。まてよ? アイドル事務所なのか!?




karen:今日はありがとう。勉強になったよ

junk:参考になったなら良かったよ。ただ化粧品の話は個々人で変わる部分もあるから、本当に参考程度にした方が良いかもな

benio:junkって化粧品関係の仕事してたりするのか?

junk:メーカーではないけど、関係する仕事ではある……のか?

benio:疑問を抱くような仕事なのか!?

karen:fumi2さんも化粧品は詳しい?

junk:本の虫だけど、あれで中々おしゃれなところがあるからな(ただし、昔は知らん)。もちろん、化粧品も詳しいよ

karen:分かった。今度fumi2さんにも聞いてみる

benio:私は美少女の話だけでお腹いっぱいだな

karen:benio、明日ロフト行くから

benio:いい加減、ロフトから離れろよ!

junk:ははっ、若い子は本当にロフトが好きだな

benio:junkはおっさんか美少女かはっきりしろ!




*strawberryさんが入室しました

strawberry:え? 皆さん、暇なんですか?

junk:その言葉をそのままお前に返そう

karen:あ、橘ちゃんだ。元気ー?

strawberry:strawberryです! まぁ、仕方がないから付き合ってあげても良いですよ?

benio:と言うか、今解散するところだったんだけど

strawberry:え?

strawberry:私も化粧品の話で盛り上がりたい……

benio:しっかり過去ログ読んでるし!

junk:橘にはまだ早いさ

karen:お姉さんがぬいぐるみ買ってあげる

strawberry:子ども扱いしないでください!

junk:ははっ、また今度な。fumi2の仕事に付き合わないといけない時間だ、またな

benio:ノシ

karen:ノシ←よく分からないけど真似した人

strawberry:ノシ←ネット用語で手を振っているのを表しています

junk:橘は利口だな~

benio:お前はいいから仕事行けよ!




とりあえずここまで

個人的には蒼いパッケージの会社の黄色箱のクリームがかなり良い感じ




*休日・買い物後の自室

奈緒「……疲れたー」グデー

加蓮「えー、楽しかったじゃん」

奈緒「これだから女の買い物は……」

加蓮「だから、奈緒も女だって」

凛「え? なんで私も居るの?」

奈緒「本当に今更だな」

凛「今日は花子とイチャイチャする予定だったんだよ!?」

奈緒「誰だよ、花子!?」

凛「うちの愛犬」

奈緒「犬かよ!?」ドキドキ

加蓮「えー、楽しかったじゃん」

奈緒「あ、これ『はい』って答えないと進まないやつだ」

加蓮「凛だって首輪買ってたし」

凛「チョーカーだって! 奈緒、これの二巻見当たらないよ?」

奈緒「メッチャくつろいでいるし!? この漫画面白いよな!」

加蓮「あ、ごめん。アタシ今読んでる」

奈緒「お前ら本当自由だな!?」



あ、本当ですね。奈緒だけ花子にしたつもりが凛も花子になってた
junkに関してひねりはないですが、あくまでもチャットですからね……


*benioさんが入室しました

benio:おっす

junk:ごきげんよう、姉様

fumi2:こんばんは、お姉様。

strawberry:久しぶりに聞きました。>>姉様

karen:え? 何でbenioが姉様って呼ばれてるの?

strawberry:benioさんの好きなアニメの登場人物の名前がbenioなのだそうです

benio:……junk、恨むぞ

junk:あれ? 友達だから知っているものだと思っていたぞ

karen:benioは恥ずかしがり屋だから、趣味のことあんまり話さないんだよね。バレバレなのに

benio:別に良いだろ!

strawberry:karenさんが来てから(笑)とか言われなくなりました

junk:猫を被るというやつだ

benio:過去の傷口を抉るのはやめろ!

karen:姉様(笑)

benio:おい、karen

strawberry:猫を被る(笑)

benio:仕返しなのか? 仕返しなんだな、橘?




junk:まぁ、あの頃のbenioは距離感を今一つ計りかねていたからな。黒歴史みたいなもんだ

benio:冷静に分析されると恥ずかしいから!

strawberry:大人な私は温かく見守ります

karen:benioはコミュ障だからね

benio:コミュ障言うな!

fumi2:私も人付き合いは苦手ですので、コミュ障と言うものなのでしょうか。

strawberry:私も人付き合いは苦手です!

karen:この子、本当にfumi2さんのことが好きなんだね

benio:橘はともかく、fumi2さんも人付き合い苦手なんだ。てっきり大人の女性的なアレで苦手なんかないって感じだと思ってた

junk:benio、語彙力が残念なことになっているぞ? fumi2は会話以前に四六時中本ばっかり読んでいて、基本背景と一体化しているからな

strawberry:絵になりますね!

benio:信者ってこういう奴のことを言うんだぜ

fumi2:もっと周りに目を向けるよう努力します。

junk:もっとも、今は誰かが近づいて来たら本から目を離すようになったしな。出会った時に比べれば大分良くなったさ

fumi2:そう言ってもらえましたら、幸いです。

karen:たまにイチャつくよね、二人とも

strawberry:fumi2さんは私の嫁ですよ!




karen:あ、そうそう。junkさん、この間は化粧品のことありがとう。他の買い物があったからそんなに時間はとれなかったけど、簡単に化粧のこと教えてもらえたよ

benio:私は何故かそれに巻き込まれた……

junk:化粧品?

karen:土曜日に色々教えてくれたじゃん

junk:ああ、そうだったな。役に立ててなによりだ

benio:美少女なのに老化がもう始まっているのか

junk:それは美少女という分類で良いのか?

fumi2:junkさんは多忙ですので。しっかりお休みをとってくださいね。

junk:はい

strawberry:はい!

benio:なんで橘まで答えているんだよ! いい加減慣れたけど!

strawberry:今度はfumi2さんも一緒に語りましょう!

benio:私は要らないぞ(と言うか橘は話題に参加できなかっただろ)

karen:年頃の娘の癖して

fumi2:私などで大丈夫でしょうか。お恥ずかしい話ですが、お仕事をするまでは一切興味がなかったもので。

karen:えー、junkさんが詳しいって言っていたよ?

junk:詳しいよ。謙遜だな

fumi2:いえ、そんなことは。今までは少しでもお金がありましたら、本の購入に使っていましたので、覚えたのは本当に最近のことです。

benio:分かる! 化粧品よりも趣味だよな!

karen:橘ちゃん、benioみたいになっちゃ駄目だからね?

strawberry:はい、fumi2さんみたいになります!

junk:(それもどうなのだろうか)




strawberry:そう言えば、皆さん。今期のアニメは結局何を見ることにしましたか?

benio:見れるのは大体見ているけど、楽しみにしているのはゾンビ、怪盗、戦車、侵略、幽霊、ネトゲのやつと、お決まりの朝の変身少女かな?

strawberry:私もゾンビと怪盗、幽霊、ネトゲは見ていますね。あとは葉っぱとかツーテールとか映画のトライも面白いです

junk:見事なくらい全部鷺沢文香が出ている作品だな……

benio:今更だろ。junkはどうなんだ?

junk:んー? 大体同じだな。あとは模型作るやつも見ている

benio:ああ、作ったことないけど面白いよな

karen:何? 新しい呪文?

benio:お前、人の家でゾンビの漫画読んでただろ。全部、今放送されているアニメだよ

karen:あの漫画、アニメでやってるんだ。あたしはカレンのやつ見てるよ?

benio:結局、見続けていたのか……。でも、あれ再放送だから今期じゃないけどな

strawberry:fumi2さんは確か『私と同じ!』アニメを前に聞いた時は見ていましたよね?

fumi2:はい。今も継続して拝見させていただいております。とても勉強になります。

karen:姉様のアニメってやってないの?

junk:あれは前期のアニメだからな。円盤や本の特典でOVAは見られるけど

karen:円盤? OVA? ???

benio:karenは私がおいてきた。この話題にはついていけないからな

junk:後で教えてくれるってさ、karen

karen:え? 今のそういう意味なの!?




karen:と言うか、アニメってそんなにいっぱい放送しているの? カレンは何故か深夜にやってるし。子供見れないじゃん

benio:同じように基本深夜か衛星放送ばっかりだな。あと、そのアニメは子供向けではないよう気がする

karen:深夜って洋画とかマイナーなバラエティ番組とかじゃないの?

junk:深夜は枠をとるのが他の時間よりも安価だから、少しでも費用を抑えたいところが番組を入れるらしいんだよ

strawberry:昔は十九時辺りであれば毎日のようにアニメを放送していたものなのですが、時代の流れですね

benio:いや、お前何歳だよ!?

karen:ふーん、そんなもんなんだ。アニメも大変なんだね。あ、橘ちゃん、夜更かししていると背伸びないよ?

strawberry:子ども扱いしないでください! 夜更かしくらい大人なら当たり前です!

karen:身体壊しちゃったら大変なんだよ?

fumi2:人様のことは言えませんが、karenさんの言う通りだと思います。

strawberry:……お二人がそう言うのでしたら

benio:あー、今更だけど、ここのメンバーって……

junk:(仕事の関係でとても生活が不規則です)

strawberry:(大人なので夜遅くまで起きています)

benio:(アニメの本数が多すぎるんだよな)

karen:(元々病弱だから)

fumi2:本を読んでいますと、気付けば朝になっていることがあります。

benio:健康的な奴が一人も居ない!




*朝・自室

ピロリーン♪

Line;新着メッセージがあります

加蓮:ごめん、ちょっと入院することになったっぽい(笑)

奈緒「はぁ!? 入院することになった!?」

奈緒「何が(笑)だよ!」

奈緒:大丈夫なのか!?

加蓮:うん、点滴打ったから楽になった。どうも寝てる時に布団がはがれてたっぽくて、気付いたらいつもの病院に居た。あ、学校は凛と行ってね

奈緒(加蓮、想像以上にもろ過ぎるだろ……)

加蓮:これ、フラグ回収ってやつ?

奈緒:バカ。寝てろ

加蓮:うん

奈緒:帰りにお見舞い行くから

加蓮:え、いいって

奈緒:本当に行って駄目なら言ってくれ。でも、どうせいつもみたいに退屈するんだろ?

加蓮:……うん。そう、かも

奈緒:なにか食べたいものあるか?

加蓮:コンビニのプリン。クリームのってるやつ

奈緒:了解。夕方になるけど、それまでおとなしくしていろよ?

加蓮:うん

奈緒:それじゃあな、今はゆっくり休めよ。返信不要だからな、以上




とりあえずここまで

特にシリアスにはならないけど、加蓮が一時離脱



ゾンビはがっこうぐらし 怪盗はまじっく快斗
戦車はガルパン 侵略はイカ娘?か六畳間?
幽霊はレーカン ネトゲはネト嫁かPSO2
葉っぱは三者三葉? ツーテールは俺ツイ
トライはデジモン

こんな感じかな?

>>114
大体正解です。侵略は六畳間(楓・幸子・ゆっこ・あやめ・美波と多目です。サブでさえみくにゃんとトレーナーが)、
葉っぱはわかばガール(三者だと聖なるめぐみキャラになるため△)、ネトゲはネトゲ嫁ですね。
作中で名前が出てきたアイドル(+α)がメインを務めていて、少し前辺りかつ自分の知っているアニメから選んでいます
まぁ、この辺はお遊び要素なので(Lineとかの名詞と同じ)把握しなくても大丈夫です

ボツチャット:それにしても今期は本当に鷺沢文香出まくりだな(加蓮は加蓮でおいしい役が多いな)


*放課後・加蓮の病室

奈緒「加蓮、起きているか?」

加蓮「あ、奈緒、凛。本当に来てくれたんだね」

凛「……大丈夫なの?」

加蓮「うん、大丈夫大丈夫。アタシって暇があったら入院しているくらいだし」

凛「そんな習慣みたいに言われても」

奈緒「割と否定できないところなんだよな……。でも、凛がかなり動揺していたからこれっきりにしてくれよ」

凛「ちょっと! 奈緒!」

加蓮「ごめんね。これからは入院する前に言うようにするから」

凛「それもどうなの?」

奈緒「いや、加蓮の場合大体予兆があるから事前に、『あ、入院するかも』って連絡が来るんだ」

凛「本当に入院が日常なんだね……」

奈緒「だから、今回はあたしも結構びっくりした」

加蓮「うん、アタシもびっくり。まさか布団ごときにやられるとは」

奈緒「本当そうだよな」




凛「あ、お見舞い買ってきたんだけど食べる?」

加蓮「無理しなくても良かったのに」ゴソゴソ

奈緒「そう言いながらさっそく袋漁っているし」

加蓮「コンビニのプリンだ! クリームのってるやつ!」

凛「奈緒が加蓮からのリクエストだって言っていたよ。あと、ゼリーも買ってきたから」

加蓮「やったね! ご飯の後に食べよ」

奈緒「結構元気そうだけど、今回はいつまで入院するんだ?」

加蓮「もぐもぐ。来週の頭まではかかるかな」

奈緒「ご飯の後とか言いながら、早速食ってるし!」

凛「え? 本当に大丈夫なの?」

加蓮「大丈夫大丈夫。ほら、食欲あるし」

奈緒「本人がそう言っているなら大丈夫なんだろ。それじゃあ、加蓮の元気なところも見たし、帰るか」

加蓮「えー、まだ居ても良いじゃん」

奈緒「面会時間そろそろ終わるだろ。また来てやるから我慢しろ」

凛「そうだね」

加蓮「うん、分かった。でも、無理はしなくても良いから」

奈緒「分かってるって。それじゃあ、大人しくしていろよ」

凛「またね」

加蓮「うん。お見舞いもありがとう」




凛「……ねぇ、本当に加蓮大丈夫なの?」

奈緒「大丈夫だとは思う。でも、割と無理してたっぽい」

凛「やっぱり……」

奈緒「弱みは見せないやつだからな。それだけに弱っている時は、気を遣っているのが分かってしまうんだよ」

奈緒(プリンを目の前でわざわざ食べていたのもそうだし、朝のLineだってそうだ)

凛「こういう時ってどうすれば良いんだろ」

奈緒「普段通りに接するのが一番だよ。加蓮もそれを望んでいるから、ああしているんだろうし」

凛「……流石奈緒だね。やっぱり年上なだけのことはあるよ」

奈緒「別に、加蓮との付き合いが凛よりも長いだけだろ?」

凛「そうなのかな。分からないや」

奈緒「まぁ、あたしが言うことじゃないんだろうけど、これに懲りずに加蓮とは末長く仲良くして欲しい」

凛「それは当たり前でしょ?」

奈緒「……それもそうだな」

奈緒(加蓮、早く良くなれよ)




*benioさんが入室しました

benio:ごきげんよう

junk:ごきげんよう、姉様

fumi2:こんばんは、お姉様。

strawberry:こんばんは。あとはkarenさんが来れば全員ですね

benio:あー、karenは入院してしまったんだよ

junk:何かあったのか?

strawberry:どういうことなんですか?

benio:karenも言っていたけど、本当に病弱なんだよ、あいつ。それで昨夜布団をはがして寝ていたら入院してしまったらしい

strawberry:え? 流石に病弱過ぎませんか?

fumi2:容体は大丈夫なのですか。

benio:うん。今日お見舞いに行ったけど、元気そうだったよ

strawberry:そうなんですか。昨日の今日でアレではありますが、安心しました

fumi2:ご自愛するようにお伝えください。

benio:うん、分かった。伝えておく

junk:なぁ、benio?

benio:なに?

junk:karenには気を遣わせないようにしてくれ

benio:あー、流石junkだな。私も同じこと考えてた




strawberry:? どういう意味ですか?

junk:karenが気遣い屋だってことだよ

fumi2:そうですね。とてもお気を遣われる方だと言うことは、普段のやり取りから窺えます。

strawberry:なるほど

benio:橘、分かっていないなら無理しなくても良いんだよ。幼い頃からずっとそうだったから、そういう性格になってしまったんだと思う

junk:難儀だな。それだけにこういう会話もkarenにとっては負担になるかもな

benio:普段通りにしてもらえると私も嬉しいよ

junk:了解

fumi2:分かりました。

strawberry:微妙に疎外感がありますが、分かりました

benio:あ

junk:どうした?

benio:噂をすればkarenからLineが来た

strawberry:お大事にしてくださいと伝えてください

benio:junkたちにはパソコンが壊れたと伝えてくれって

junk:こんな時くらい気を遣うなよな……。とりあえず乗っかっておいてくれ。良いよな?

fumi2:はい。

strawberry:空気を読むのは慣れています。

benio:OK。そう言うことにしておいた




奈緒:了解。junkたちにはそう伝えておく

加蓮:ありがとう。うっかり忘れていたんだよね

奈緒:安心したんなら、さっさと寝ろ

加蓮:いや、昼十分寝たし

奈緒:十分なら全然寝ていないから寝ろ

加蓮:じゅうぶんって書いたの!

奈緒:はいはい。チャット忙しいから明日な

加蓮:むー、分かった。おやすみ

奈緒:おやすみ


奈緒「はぁ」

奈緒(しかしまぁ、junkは本当に大人だな。加蓮が気を遣っているなんて、あたしはしばらく気付かなかったんだぞ?)

奈緒(会話の主導権を握るのも、内容を合わせてくれるのもあたしに対する気遣い。考えてみれば、何も言わないのにチャットではあたしのことを決して奈緒とは呼ばない。疑問も多いだろうに、あたりさわりのないものしか訊ねてこない)

奈緒(たぶん加蓮はそうやって他人の顔色を窺いながら生きてきたんだ。……本当に難儀だよ)

奈緒(そして、そんな加蓮に普段通りでしか返せないあたしが、情けない)




strawberry:そうです! karenさんにはナルテカルシウムを食べさせてください!

benio:なんだナルテカルシムって?

strawberry:身体が弱い人が食べると良いカルシウムです。前にネットで見ました

fumi2:普通のカルシウムと何が違うのでしょう。

strawberry:ちょっと待っててください。今調べます

junk:ナルテカルシウムって言うのは、医薬品のカルシウムのことだよ。効能は主に腺病質の改善。もちろん、日常のカルシウム不足にも効果的だ。ちなみに、ナルテカルシウムは液体だから、飲むだな

benio:あのさ、junkって本当に何者なんだ? アイドルと化粧品も詳しかったよな?

junk:ただの会社員だよ。ナルテカルシウムについては栄養剤分類だから知っていただけだ

fumi2:junkさんは様々な栄養剤を服用されていますから。

benio:え、それはそれで心配になってくるな

junk:美味しいものからマズイものまで大体飲んでいる。最近の流行りは辛いやつ

benio:栄養剤って基本不味くないか? いや、karenも美味しいって言っていたか

junk:味覚の違いもあるだろうけど、低価格のものは美味しい部類だよ。高いものは途端に薬っぽくなって不味くなる

strawberry:そうですね、高いものは不味いですよね。知っています。ちなみに私は元気ハツラツのものをよく飲みます

junk:あれ、ただの清涼飲料水だぞ?

strawberry:

benio:……私は橘のそう言う知ったかのところ結構好きだぞ、うん

strawberry:変な慰めは止めてください!


奈緒「ははっ……」

奈緒(いや、本当に橘のそう言うところに救われるよ。沈んでいた気持ちが少し楽になった)

奈緒(……明日加蓮に聞かせてやろうかな)




気遣いのできる女、加蓮

一応作中では触れていない部分を補足しますと、橘以外は布団が嘘だろうことは薄々気付いています。誰も触れていないのは場の空気を読んでいるため。また、加蓮が自己責任を負える人格と年齢であることを尊重しているため。こんな風にチャットであるため、触れていない部分は割と多くあります

結構長くなってきましたが、大きなイベントが残り三個はあるのでもう少しお付き合いいただけましたら幸いです



そういう事にしておいた
……あれ、このチャットログを遡れる仕様なんじゃ?

>>133
一応チャットログは当日に参加しないと遡れない仕様です
まぁ、ログを個人的に残していると別ですが……


*朝・通学路

奈緒「おはよう、凛」

凛「……おはよう、奈緒」

奈緒「ええと、辛気臭い顔になっているけど、大丈夫か?」

凛「そう見える?」

奈緒「見える」

凛「……自分では普通のつもりだったんだけどね」

奈緒「加蓮のことだよな?」

凛「思い悩んでいるとかじゃないよ。ただ……加蓮は今日も休みなんだなって思っただけ」

奈緒「ああ、その気持ちはよく分かるな。あいつ騒がしいから、居ないと滅茶苦茶静かなんだよ」

凛「私にとっては、加蓮は奈緒の隣に居るのが当たり前だったから、違和感? みたいなのが凄い」

奈緒「あたしと加蓮はセットか……。正直、凛が居てくれて良かったと思う」

凛「? どういうこと?」

奈緒「いや、なんて言うか……加蓮が休み日って、誰とも話さないで学校行って、そのまま家に帰ってきてしまうんだ。お見舞いには行くかもしれないけど。でも、こんな風に加蓮のことを誰かと話題にすることなんてない。それが普通だったんだ」

凛「……そっか、学年も違うから」

奈緒「そういうこと」




凛「でも、ちょっと不思議だね」

奈緒「何が?」

凛「出会ってそんなに日は経っていないのに、昔からの友達みたいな感じがする」

奈緒「誰かさんの言葉を借りれば、友達に月日は関係ないんだとよ」

凛「何それ? キザだね」

奈緒「だろ! あたしも常々そう思っていたんだよ。あの、美少女め!」

凛「美少女?」

奈緒「加蓮によればあたしたち相性が良いんだってさ」

凛「まぁ、相性は良いと思うよ」

奈緒「あたしもそれは思う。自分で言うのもなんだけど、あたしと相性が良い奴なんてそうは居ないぜ?」

凛「それは本当に自分で言うのもだね。何で? 奈緒、可愛いじゃん」

奈緒「おっ、ちょっ、ま、ままま──ちょっと待て!」

凛「滅茶苦茶言いよどんだね」

奈緒「人をからかうな!」

凛「別にからかってないよ。今だって奈緒可愛いし」

奈緒「はいさい! やめやめ!」

凛「何で沖縄?」

奈緒「ち、遅刻するから、急いでいくぞ!」

凛「この話は絶対にまた今度しようと心に決めた渋谷凛であった」

奈緒「心に決めんな!」




*benioさんが入室しました

benio:私だ

junk:それも私だ

fumi2:こんばんは、benioさん。

strawberry:そう、──私だ

benio:いつも思うけど、皆早いな

junk:職場のパソコンを使っているからな!

benio:良いのかそれ!? いや、知ってたけど。個人情報云々とかあるんじゃないか?

junk:会社から許可はとっている

benio:え、マジで?

fumi2:私は叔父からいただいたパソコンを使っています。お仕事はjunkさんがいつも早めに切り上げて下さいますので、本当に感謝しています。

benio:ノートPC? 前に一度だけ昼の休憩中に書き込んでいたことあったよな?

fumi2:はい。普段は持ち歩かないのですが、諸事情でその日は会社に持ってきていました。

strawberry:私はノートPCではありませんが、いつでも持ち運べるタブレットを使っています

benio:……一つ疑問があったんだよな。前も橘はタブレットを使っているって言っていたけど、このチャットルームってPCからしか書き込みできなくないか?

strawberry:やれやれ、これだから素人は困ります

benio:この橘、イラッとするな

strawberry:リモートデスクトップを使えば、なんとタブレットからでもチャットができます!

junk:リモート先のパソコンは点けっぱなしにしないといけないけどな

fumi2:そんな裏技があるのですね。

strawberry:ドヤッ

junk:いずれにしろキーボードで入力しているんだから、パソコンを使った方が早いだろうけどな

strawberry:何故それを!?

benio:音声認識止めた辺りから皆知ってるって。あと、karenのPCの修理は順調らしいよ




junk:それは良かった

benio:おう。ところで橘の名前ってなんて言うの?

strawberry:は? いきなりなんです? あと、strawberryです

junk:橘って分かっているんだし、ついでだから下の名前も教えろや的な?

benio:それ

strawberry:暴論過ぎるでしょう!?

strawberry:あと私は橘ではありません

benio:fumi2さんも聞きたいって言っているぞ?

strawberry:本当ですか!? 私の名前は……日本人らしくなくて嫌い、です

benio:もしかしてキラキラネームってやつか?

strawberry:そんなところです

junk:まぁ、キラキラネームはキツイよな。子供の気持ちが考えられない親が増えているせいで、自分の名前を嫌いになるな、なんて偉そうなことはとても言えないよ

fumi2:風潮の影響なのでしょうか、かつては一般的だった名前が異端視されているとも聞きます。

benio:ああ、聞いたことあるかも。もし付けても漢字を工夫するんだっけ? 友達の犬の名前が花子なんだけど、それを華胡ってつける感じか?

junk:それはまだマシだと思うが、カコって読んでしまうし、日本の人名(犬名)らしくない感じの付け方ではあるな

strawberry:……皆さん、ご理解があるのですね。私の場合はそれに加えて、物語の登場人物の名前なので……

junk:シンデレラとかセリヌンティウスとかは確かにキツそうだよな

fumi2:良い名前だと思いますが、日本人の名前ではありませんね。

benio:逆に白雪、かぐや、アリスあたりはありな気がする

strawberry:ありですか?

junk:正直今のキラキラネームと比較してはいけないくらい真っ当な名前だと思うぞ。出席簿の十割近くが読めないとかどうなっているのかって話だ

benio:もっとも名前ってタイミングと運にも左右されるから、一概に言えないところもあるよな? 国民的アニメの滅茶苦茶憎たらしい敵の名前だったりとかさ

fumi2:善悪のついていない時期でしたら、排斥の対象になるかもしれませんね。

junk:いや、いい歳の大人だろうがやる奴は年齢なんて関係ないさ。内面が幼稚かどうかだよ。本気で殴りとばしたくなる

benio:junk、落ち着け

strawberry:……もしかしたら、この名前もそう悪くないのかもしれませんね

fumi2:そのように思えることは素敵なことです。



ちょっと布団をはがしてしまっていたので、次まで時間が空いてしまったら察していただけましたら

二つ気になったことがある
一つは学年がって言ってたが、このSSでは加蓮奈緒は同級生なんだよな?
なら学年じゃなくクラスがじゃない?学年なら意味的にも勘違いされやすい気がする
二つ目は加蓮が入院してるの話してるんだし加蓮のPCがって今更言い変える必用あったの?
まあ二つ目に関しては加蓮が見てる可能性あるからってことで納得しちゃうけど
学年については意味?が複数あるから勘違いしちゃいそう

うわ、一時間前までずっと寝ていたよ
たまに書いている人物と変なところでシンクロするので困る……
あと、美少女なのはjunk

>>154
1、2、3と学年は階段です
加蓮が見る可能性と、うっかり『karenさんって入院していたんじゃありませんでしたっけ?』とか言わないようにするためです


strawberry:私の名前についてはもう良いでしょう。それより、junkさん

junk:何だね、橘君

benio:ルラギッタンディスカー!

junk:それ、橘さんな

strawberry:……昔のbenioさんの片鱗がありますね。karenさんの早い復帰が望まれるところです

strawberry:鷺沢文香スレッドで話題になっていたのですが、某書店で小説を三冊買うと文香さんのポスターが貰えるとは本当のことですか?

junk:ああ、あれな。しかも百枚に一枚サイン入りだったりする

strawberry:欲しい! 欲しい! 欲しい!!

junk:いや、ねだられても買いに行けよとしか

strawberry:遠いんですよ! 東京、超遠い! 遠いじゃけぇ!

benio:おい、キャラが崩壊しているぞ

junk:東京が遠いって、もしかして今度の文香のライブは大阪参加か?

strawberry:はい。皆が皆、東京に住んでいるわけじゃないんですよ!

benio:ごめん、私東京だわ

junk:悪いな、俺も東京だ

fumi2:実家は長野ですが、今は東京在住です……。

strawberry:私以外全員東京じゃないですか!? 長野は行ったことがあります。文香さんの聖地訪問で行きました。とりあえずズルイです!

benio:何か悪いな、うん




fumi2:あの、実はそのポスターを今日三枚ほどいただいてしまったのですが、もしよろしければstrawberryさんに差し上げましょうか?

strawberry:え? 本当ですか!?

fumi2:はい。ご迷惑でなければですが。

strawberry:いえいえいえ。むしろ本当に貰っても良いんですか!?

fumi2:本当は欲しい方にお渡しするよう店主に言ったのですが、押し切られてしまいまして。

strawberry:そ、それではお言葉に甘えまして!

benio:でも、どうするんだ? 郵送?

junk:念のため、捨てアドに住所を書いたメールを送ってもらうか?

fumi2:申し訳ありません。捨てアドとは何でしょうか?

junk:んー。橘が良ければだが、俺がfumi2との中継をした方が良さそうだな

strawberry:分かりました。それで大丈夫です

benio:でも、橘怖くないか?

strawberry:? 何がです?

benio:一応知り合いとは言え、相手の顔が分からないネット上のものだぞ?

junk:もしかしたら、俺とfumi2が極悪人で橘の個人情報を悪用するかもしれないな

strawberry:別にしないでしょう? 仮に悪用されたとしてもクリーングオフがありますからね、怖くありません。論破です

junk:なるほど、したたかだな。ただ、足元だけはすくわれるなよ?

benio:こうして橘はfumi2さんからポスターを送ってもらえることになった。テレビの前の皆は個人情報には十分気をつけるんだぞ

strawberry:誰に言っているんですか……。それはともかく、fumi2さん大好き! 愛しています!

junk:喜ぶ橘はこの後に起こる悲劇をまだ知らない

strawberry:なんでそう言うことを言うんですか!




*病院へ続く道

奈緒「なぁ、凛はオフ会ってどう思う?」

凛「オフ会? ネットゲームとかで実際会いに行くやつ?」

奈緒「そんな感じ。実際に自分がそれをやるってなるとどう思う?」

凛「ネットゲームとかやらないから分からないかな。と言うか、奈緒はオフ会に行くの?」

奈緒「いや、行くわけじゃないけど」

凛「それなら、気にしなくても良いんじゃない?」

奈緒「それはそうなんだけどさ……。実は昨日、チャットで知り合いと話している時にさ、物を送る話になって」

凛「ああ、加蓮もやっているんだっけ、そのチャット」

奈緒「ああ、そのチャット。パソコン持ってない凛が断念したやつ。それで、一応知り合いだけど、顔を知らない相手に自分の住所を教えることになって、あたしはそれを怖いって思ったんだ」

凛「私もそれは怖いって思うよ。奈緒と加蓮には悪いけど、顔を知らない相手のチャット自体が私は怖い」

奈緒「ネットへの慣れの問題もあるだろうけど、間違ってはいないと思う。そんな中で、もしオフ会をやろうって話になったら、あたしは参加できるのかなってふと思ってしまって」

凛「やめときなよ。奈緒は女の子なんだよ?」

奈緒「それを同意するのは抵抗があるけど、実際問題そこも大きいよな」

凛「それ以前に匿名だから、奈緒も加蓮もチャットを続けられているんじゃないの?」

奈緒「!?」

奈緒(そっか。匿名だから、あたしは素の自分をチャットにぶつけられているのか……。当たり前すぎて、そういうこと忘れてしまっているな。今はそれを自覚できたから良いのかもな。オフ会はその時になったら考えよう)




*加蓮の病室

奈緒「それでさ、橘にfumi2さんが鷺沢文香のポスターを送ることになったんだ」

加蓮「相変わらず好きだね、橘ちゃん。と言うか、アタシも欲しい。奈緒、買ってきて」

奈緒「何でだよ! 明日、退院するんだから自分で行けよ」

加蓮「それもそうでした」

凛「今のアイドルって本屋とかでポスター配っているの?」

加蓮「今のアイドルって言うより、鷺沢文香が本好きだから、その関係じゃない?」

奈緒「多分そうだな。ちなみに百枚に一枚サイン入りだって」

加蓮「商売上手い!」

凛「何だか大変そうだね、アイドルって」

奈緒「実際大変だと思うぜ。CD売るためにライブ抽選券や握手券つけたり」

加蓮「大変でも城ヶ崎美嘉になりたい!」

凛「カリスマJKだっけ?」

加蓮「そうだよ。って言うより、凛はもうちょっとアイドルに興味もとうよ。仮にもアイドルにスカウトされたんだよ?」

凛「高垣楓は知っているよ」

加蓮「誰だって知ってるじゃん。佐久間まゆちゃんって知ってる?」

凛「……ごめん、知らない」

加蓮「元読モで今も最前線で活躍するアイドルなんだよ? 最低限知っとこうよ」

奈緒「おいおい、凛をいじめんな」

加蓮「だって、凛ってたまに奈緒より女子力低い時あるから心配になるよ」

奈緒「おい! ……否定はしないけど」




*病院内通路

奈緒「加蓮、絶好調だったな」

凛「暇持て余していたね」

奈緒「まぁ、あいつはいつもあんな感じだ──ん?」

凛「!? あんたは……」

男性「……ご無沙汰しております」ペコリ

奈緒「……まさか、こんなところで会うとは思っていなかったな」

男性「先日は誠にご迷惑をおかけいたしました。本当はこうして姿を見せることはないようにしていたのですが……」

凛「不可抗力でしょ? 身体でも壊したの?」

男性「いえ。こちらの、私の担当アイドルがレッスン中に足を挫いてしまいまして、念のため診断をしてもらっていました」

少女「初めまして、島村卯月です! プロデューサーさんがいつもお世話になっています?」

奈緒「本当にアイドルのマネージャー、プロデューサー? だったんだな」

凛「捻挫……。大丈夫なの?」

卯月「はい! 元々大したことはなかったんですが、プロデューサーさんが心配して下さいまして!」

凛「……とりあえず外で話そっか」

卯月「……はい」




凛「アイドルのレッスンって大変なの?」

卯月「そうですね……大変です。でも、これが私の夢ですから」

凛「夢?」

卯月「はい。アイドルになって、キラキラしたいなって昔からずっと憧れていました!」

凛「……そう、なんだ」

卯月「はい」

奈緒「あー、あんたに言うのも変だけど、文香さんにはお礼を言っておいてもらえるか?」

男性「……ご存じだったのですか?」

奈緒「声で気付いた。一応鷺沢文香のアニメは一通りチェックしているからな」

男性「……やはり素質がありますね」

奈緒「あのさ、本当にあの時、あたしと加、友達をアイドルにスカウトしようとしていたのか?」

男性「いえ、本当にお話しだけのつもりでした。スカウトはそちらの彼女だけです」

奈緒「あー、やっぱりそう言うことか」

男性「しかしながら、お二人にもアイドルの資質が見受けられますので、遅いか早いかの違いにはなったかとは思います」

奈緒「いや、お世辞は良いよ。まぁ、そう言うことだろうとは思っていたから、あたしも友達もあの時のことは怒っていないから」

男性「いえ、お世辞ではなかったのですが……」




凛「卯月だっけ? その夢、応援するよ」

卯月「ありがとうございます! ええと……」

凛「渋谷凛」

卯月「はい、凛ちゃんですね!」

凛「テレビとかに出る予定はあるの?」

卯月「実はまだデビューしていないので、テレビに出るのはまだまだ夢のお話なんです」エヘヘ

凛「デビューしていないって、どうやればデビューできるの?」

卯月「私の場合はあるプロジェクトでのデビューになりますので、メンバーが揃えばデビューできることになります」

凛「へぇー、そういうもんなんだ」

卯月「あと一人、どうしても決まらないようなんです」

凛「……」

奈緒(あ、凛の奴、初めてこっちを見たぞ。話の流れは大体分かるから、そういうことだろうな)

凛「ねぇ、あんた。最後の一人ってもしかして」

男性「……はい。ご想像の通りです」

卯月「?」

凛「私は断ったはずだけど」

男性「はい。理解しています。その上で、代わりの人財を探しているところです」

奈緒「凛の代わりは早々居ないだろ?」

男性「……はい」

凛「……」

奈緒(いや、話振ってやったのに、気まずい空気出すなよな!)




奈緒「あ、そ、その手に持っている紙袋って何なんだ?」

男性「こちら、ですか? 先ほど言語について学ぼうと購入した本と、おまけでいただいたポスターになります」

奈緒(言語って……。アイドルのプロデューサーなんだよな?)

奈緒「ん? もしかして、それって鷺沢文香のポスターなのか?」

男性「はい。ちょうど鷺沢さんのキャンペーン中でしたもので。……よろしければ、貰い物ですがいかがですか?」

奈緒「え? くれるの?」

男性「はい。ファンの方に貰っていただけますと、鷺沢さんも喜ばれるかと思います」

奈緒「おぉ。……何と言うか、ありがとう。友達がちょうど欲しがっていたから、プレゼントしても良いよな?」

男性「はい。……先日一緒におられた方が入院されているのですか? いえ、立ち入ったことを訊ねてしまって申し訳ありません。お忘れください」

奈緒「いや、別に気にしてないし、ポスター貰ったしな。ちょっと体調崩して、入院しているんだけど、明日には退院だから心配はいらない」

男性「それは、良かったです」

凛「卯月はさ、どんな人と一緒にアイドルをやりたいって思う?」

卯月「そうですね……凛ちゃんみたいな人でしょうか」

凛「え? 私?」

卯月「はい。きっと凛ちゃんとなら、楽しくアイドルを目指せる気がします!」

凛「もしかして、あいつから何か聞いている?」

卯月「? プロデューサーさんですか? 凛ちゃんのお話は聞いたことがなかったと思います」

凛「そうなんだ……」




*加蓮の病室

奈緒「お、何とか間に合った」

加蓮「あれ? 忘れ物?」

奈緒「いや、これ貰ったから届けに来た」

加蓮「? 鷺沢文香のポスター!? どうしたのこれ!?」

奈緒「そこで知り合いに会って、貰った」

加蓮「うわー! 嬉しい! って、これサイン入りだし!」

奈緒「え、マジで!? 羨ましいな、おい!」

加蓮「返そうっか?」

奈緒「別に良いよ。それじゃあ、面会時間、終わるから行くな」

加蓮「うん、ありがとう!」


*帰り道

奈緒「で、どうすんだ?」

凛「……」

奈緒「あの卯月って子を見て、揺れてただろ?」

凛「よく見てるね」

奈緒「無責任なことをあたしは言えない。だから、よく考えて決めたら良いと思う。もちろん、あたしと加蓮が力になれるんだったら相談にも乗るぜ」

凛「……うん、ありがとう」



とりあえずここまで

勘違いされやすい男プロデューサーと島村さん登場回でした

junkが良い感じに混乱を招いていますね

ちょっとだけ投下します。奈緒が最終回風に締めますが、最終回じゃないです


*junkさんが入室しました

junk:おっす

strawberry:こんばんは

benio:おっす。fumi2さんは?

junk:あー。何やら楽しみにしていた新刊が入ったらしい

strawberry:久しぶりに欠席ですね

benio:まぁ、仕方がないか。junk?

junk:なんだ?

benio:例の友達がアイドルになろうか悩んでいるんだけど、私はどうするべきだと思う?

junk:……究極的な話、その子の将来に関わる話だから、その子が決めるしかないことだな

benio:まぁ、それはそうなんだろうけどさ

strawberry:アイドル……私も文香さんと一緒にお仕事したいですね

benio:でも、橘。アイドルって言っても良いことばかりじゃないだろ?

strawberry:アイドルの世界は陰湿と聞きますね。しかし、それを補ってなお文香さんは素晴らしい!

benio:狂信者め! 冗談はさておき、私にできることってないのかな?

junk:話を聞いてやることはできるだろう。あとはそうだな──




*養成所

加蓮「ふーん、アイドルのレッスン場って結構地味なところなんだね」

奈緒「本当に街中にあるんだな」

男性「こちらは養成所のレッスン室になりますので、正式なアイドルとなられましたら、本社の346でレッスンを受けてもらうことになります」

加蓮「高垣楓も居る?」

男性「はい。弊社のアイドルは例外を除き、全員が本社でレッスンを受けております」

奈緒「何だか想像できない世界の話だな」

卯月「準備できました!」

加蓮「よっ、待ってました!」

奈緒「おっさんかよ!?」

凛「……本当にやるの?」

加蓮「聞くより慣れろって言うじゃん」

奈緒(加蓮が退院した日、途中登校してきた加蓮を連れて、あたしたちは卯月のレッスン場を訪れていた)

卯月「では、凛ちゃん。私の真似をしてくださいね」

奈緒(迷いの晴れなかった凛が、実際にアイドルと同じことをしてみて感覚を試してみる。junkのアイデアをあたしは実行させ、今に至る)

凛「……はぁ……はぁ……」

奈緒(卯月の動きを凛がワンテンポ遅れで真似していく。間違うところもあったけど、着いて行けるだけ、なるほど凛は凄いのか)




卯月「……っ……」

奈緒(卯月の動きが止まる。よく分からないけど、見事なステップだったと思う)

凛「……」

奈緒(息を止めて、凛が最後のステップをそのまま真似する。身体はブレなかった)

卯月「プロデューサーさん! 今日は最後のステップ上手くいきました!」

男性「はい。お見事でした」

奈緒「……おいおい、最後のアレ、いつもは失敗しているらしいぞ?」

加蓮「うちの凛だからね。当たり前だね」

奈緒「いつからうちの子可愛いになったんだよ」

男性「渋谷さんも初めてとは思えない程に立派でした」

凛「……はぁ、はぁ、はぁっ! ……そう……身体を動かすのも、悪くない、ね……」

加蓮「めっちゃバテてるじゃん! ほら、ドリンク飲みなよ」

凛「……ありがと」

卯月「凛ちゃん、凄いです!」

凛「……卯月、汗」

卯月「あ、ごめんなさい。汚かったですね」

凛「いや、私の汗が、ね」

奈緒(アイドル渋谷凛か……あり、だな。うん、凛はそっち側に居ても良い人間だと思う)




*帰り道

加蓮「それで、凛はアイドルなるの?」

凛「……正直、悩んでる」

奈緒「昨日も言ったけど、悩みの部分、あたしたちに打ち明けても良いんだぞ?」

凛「……アイドルになる理由がない。卯月はキラキラしたいって言っていたけど、私には何もない」

加蓮「うーん、理由って必要なの?」

凛「多分、動機がないと頑張れないよ、私」

奈緒「……凛って、今まで真剣に、何かに熱中したことってあるか?」

凛「痛いとこ突くね。うん、ない」

加蓮「アタシはネイル、奈緒はアニメ、凛はなしだもんね」

奈緒「それじゃあさ。凛が熱中できる、夢中になれるものを探すために、アイドルをやるんじゃ駄目か?」

凛「夢中になれるものを探すため……」

加蓮「良いと思うよ。自分探し、良いじゃん」

奈緒「どっかの美少女が言っていたけど、結局最後は自分で決めるしかないんだ。だから、悩んで、出した答えが何であれ、あたしは応援する」

加蓮「もちろん、アタシもね」

凛「……ありがとう」

奈緒(一瞬だけ、悩みが晴れた良い笑顔を凛が浮かべた)

凛「どうでも良いけど、たまに出てくるその美少女って何者?」

奈緒「junk」

加蓮「junkさん」

凛「名前じゃなくてさ。もっとこう──」

奈緒(皆で少しふざけながら歩いた帰り道は、いつもより暖かだった)



とりあえずここまで

凛をアイドル渋谷凛でいくか、普通の女子高生渋谷凛でいくか悩みましたが、イベントが多い方面になりそうです

(自分もジュンクって呼んでいるなんて言えない。ちなみにジュンク堂はジュン・クドウ氏が由来です)

>>29に丸々話が抜けているのを今更発見しました。下記が入ります


fumi2:申し訳ありません。落ち着きました。

junk:おかえり、fumi2

fumi2:junkさん、メールを見てみて下さい。

junk:了解

strawberry:おかえりなさい、fumi2さん

karen;ごめんね

benio:うちのkarenが迷惑をおかけして

karen:ところでここって何話すところなの?

strawberry:元々はフリーゲームの攻略に関して議論していました

fumi2;私は小説のお話で加わらせていただきました。

karen:ふりーげーむ? 小説? benioはアニメ以外にも色々やってるんだね~

benio:ほっとけ

strawberry:まぁ、正直最近はただの雑談が多いですね

benio:学校でkarenと話しているノリだな

karen:ふーん。あ、でもそのふりーげーむってやつの話聞かせてもらっても良い?

strawberry:ほう、そこに目をつけるとは有望ですね

fumi2:私には少し難しかったです。

benio:……あれ? junkさっきから書き込んでなくね?

fumi2:ふふっ。

beno:え、なんで笑ったの、fumi2さん!?



もう、楓さんったらどこにでも現れるんだから


*karenが入室しました

junk:パソコン修理完了おめでとうー

strawberry:この機会にタブレットはいかがでしょうか?

fumi2:おめでとうございます。

karen:おぉ、皆ありがとー! 愛しているわー。あと、久しぶり~

benio:テンションが最後で元に戻ったな

karen:不肖karen、こうして無事復活を果たせたのも、皆さまのたゆまぬ努力によるものだと常々

strawberry:karenさん、長いです

karen:改めてよろしくね

junk:それが、らしいな

karen:あたしがいない間、どんなことがあった?

fumi2:本日、strawberryさんへポスターを発送させていただきました。

strawberry:キャー、楽しみー♪

karen:え? この子、橘ちゃん?

benio:キャラ替えを計っているらしい

junk:届くのは多分、明後日かな

benio:ん? そう言えば、junkもfumi2さんも橘の本名知っているんだよな?

junk:まぁ、知ってしまったと言うか

strawberry:この件に関しては全員が黙秘と言う約束にしました

benio:当たり前と言えば当たり前か。橘、自爆しないかな

strawberry:しませんよ!




junk:個人的には同僚の線が消えてスッキリはしたとだけ言っておく

fumi2:正直、私も彼女がstrawberryさんではないかと疑っていた時期がありました。

karen:え? junkさんの会社に橘ちゃんっぽい人が居たの? でも、橘ちゃんは小学生だよ?

strawberry:あの、誰も小学生だと言ったつもりはないのですが

junk:まぁ、そんな感じで前提からして間違っていたからな

karen;む? 橘……文香さん好き……そう言えば、どこかで

benio:一応、橘の下の名前は物語の登場人物の名前で日本人らしくない感じらしい

karen:橘ありす!

strawberry:!?

karen:そう、橘ありすちゃんだ!

junk:karenは橘ありすを知っているのか?

karen:文香さんと共演することの多い子役? でしょう? 雑誌でちょっとだけ触れられていたよ

benio:へぇー、共演することが多いって文香さんと仲が良いのか?

karen:あたしの見た感じだと、橘ありすちゃんが文香さんにメロメロだね

junk:メロメロっていつぶりに聞いたんだろうか

strawberry:ふむ。バレてしまいましたか。そう、私が今をときめく橘ありすなのです!

junk:あ、それロンな

benio:くそっ。トラップカードオープン!

karen:ウノ

strawberry:なんで誰も反応してくれないんですか!? あと、全員違うもので遊んでいますよね!?




karen:いや、正直ね、橘ありすちゃんのことはそこまで詳しく知らないし

junk:本名知っている身からすれば、どう反応して良いか悩むぞ?

benio:橘が誰であっても橘であることに変わりはないからな

strawberry:くー! fumi2さんは私の味方ですよね!

fumi2:素敵なお名前だと思います。

strawberry:ドヤッ! って今は私の名前ではなく、実は私が橘ありすだったと言う事実がですね……

junk:fumi2、お前本読んでいるだろ?

fumi2:はい。

junk:こうなると駄目だな。橘、fumi2からの助けは諦めろ

strawberry:そんな……

karen:私の知っている橘ちゃんはここに居る橘ちゃんだから、それ以外はどうでも良いよ

benio:karenが良いこと言った! そう言うことだよ、橘

strawberry:え? これ喜んで良いんですか?

junk:良いんだよ。……心配はなくなったか?

strawberry:……はい

benio:心配って、結構マジな話だったのか? いつものノリでやってしまったぞ?

junk:いや、それで良いんだ。benioの友達が芸能界に行くかもって言うことで、橘ありすの存在がバレてしまうかもしれない。彼女を知ってしまえば、橘が橘ありすの模倣をしていることがバレてしまう。って悩んでしまっていたんだけど、結局はいらない気苦労だっただけさ

strawberry:うぅ……




karen:なるほど、これがbenioの言っていたネカマってやつなんだね

strawberry:あのね、キミキミ、橘ちゃんはれっきとした女の子なのですわ

benio:橘がハッキングされている!

strawberry:あ、冗談です。私は女子学生ですので、その辺りはお忘れなく

benio:(あれが素なのか?)

junk:(さぁ?)

junk:話のついでだから聞くけど、benioたちの友達の件はどうなった?

benio:本人の気持ち次第かな

karen:そう言えば、皆に相談したんだったね

junk:まぁ、どっちに決めるにしろ、大変だろうから助けてやれよ?

karen:もっちろん!

benio:当たり前だろ

fumi2:お二人はアイドルを目指されないのでしょうか?

junk:読み終わったか

karen:……正直憧れはあったんだけどね、今日実際にレッスンしているのを見て、あたしの身体がついていけないなぁって思った。だから、もし目指す時は、まずこの身体を頑丈にしてからかな

benio:私も正直甘くみていたところがあったんだと思う。もう、見ているだけで気迫が違ったよ。あれが夢を目指している姿なんだろうなって思った。もうちょっと将来について考えてみるつもり

fumi2:なるほど。道は違えども、皆さん先に進まれたのですね。




*朝・通学路

加蓮「凛。もうこれ以上は言わないから、決まったら教えてね」

凛「うん、分かってる」

奈緒「それじゃあ、学校行くか」

凛「奈緒、その前に」

奈緒「ん?」

凛「奈緒って可愛いよね」

奈緒「くそっ、またその話題かよ! 本当に覚えてやがったし」

加蓮「へー、凛分かってんじゃん」

奈緒「お前も乗ってくるな!」

凛「奈緒って、ちょっと自分のこと卑下し過ぎだよね?」

加蓮「分かる! 自分のこと女の子らしくないって言うのに、行動は誰よりも女の子らしかったり!」

奈緒「ちょ、ほんとやめろ!」

凛「言葉遣いも意識して男の子っぽいの選んでいるよね」

加蓮「うんうん」

奈緒「おい! 気遣いの加蓮はどこに行った!?」

加蓮「え? アタシ?」

奈緒「そう、お前。junkも言っていたぞ、加蓮は人に気を遣い過ぎているって」

加蓮「えー。junkさん、それ勘違いし過ぎだよ」

奈緒「実際、チャットに書き込む時とかかなり空気読んでいるだろ?」

加蓮「いえいえ、かなりフラットにやっていますよー。ゲームの話とか割とズバッと切り捨てたりしているし」

奈緒「……あれ?」




加蓮「チャットに書き込む時だって、最低限のマナーを守っているだけだよ? 本名は出さない、地方ルールには則る、親しき中にも礼儀あり辺りかな」

奈緒(そう言われてみればそうなのか……。確かに振り返るとそれらを守っているだけにも……)

奈緒「でも、会話の主導権とか握っているだろ?」

加蓮「それ、アタシの性格」

奈緒(橘に『はい、論破』と言われた気がした)

凛「なんか加蓮の気遣いの話になっていたけど、奈緒は可愛いよ、やっぱり」

奈緒「掘り返すな!」

加蓮「ユー、アイドルやっちゃえよ!」

奈緒「やらないって。……凛はこんな戯言に惑わされるなよ?」

凛「大丈夫、最後はしっかり自分で決めるつもりだから」

加蓮「ここは女子力の達人たる美少女に力を借りるしか!」

奈緒「junk大忙しだな」

凛「確か、ドルおたで化粧品に詳しくて、栄養剤は任せておいてで、一応働いていて、性別不明の美少女だっけ?」

加蓮「こう言われると、junkさん謎だね?」

奈緒「junkの謎はあたしたちの夢さ」

加蓮・凛『?』

奈緒(あ、やべ。滑っちまった)カァー

加蓮「良いものが見れた」

凛「奈緒、顔赤いよ?」

奈緒(くそっ! こいつらめ……)




ここまで

ちなみに現時点で明言できるのは、奈緒=benio、加蓮=karenだけになります

昼寝過ぎた……眠れない

ちょっとした解答編いきます


*strawberryさんが入室しました

strawberry:こんばんは

benio:おっす

junk:うっす

karen:のっす

fumi2:こんばんは、strawberryさん。

strawberry:……benioさん辺りから漂う適当さは何なんですか

benio:junkとkarenが勝手に乗ってきたんだろ。それよりちょっと気になったんだが、結局橘の話はどの辺を受け入れておけば良いんだ? 橘の悩みをメールでjunkが相談にのっていたのはさっき聞いた

strawberry:うー、それは秘密にしてほしいと頼みませんでしたからね。それはそれとして、変な質問をしてきますね

benio:いや、だってさ、橘は橘ありすを模倣していたんだろ? と言うことは好みとか言動とかも真似していたってことで、今までをどう捉えれば良いのか分からないんだ

strawberry:むむぅ。バラしたのは失敗でしたか

junk;直接バラしたのは俺だが、言いづらいところを言わされた部分もあるから、フォローはしないぞ

karen:あたしはbenioと同じ意見

strawberry:まぁ、良いでしょう。苺は好きです。タブレットはもちろん持っています。学生です。鷺沢文香さんのファンです。と言うよりも、彼女のファンだからこそ橘ありすを演じていたわけですから

benio:ちょっと待った。そう言えば、なんで橘ありすについて詳しいんだ?

strawberry:友達ですから

junk:え? ありすに友達っていたんだ

strawberry:何やら、彼女にいわれのない悪評があるような気がします




karen:いわゆる芸能関係者?

strawberry:そんなに大袈裟なものではありません。と言うより、お二人もそうなりそうじゃないですか

karen:あー

benio:橘の名前の話って、全部演技だったのか?

strawberry:一番答え辛いところをピンポイントで……。正直、彼女になり切り過ぎまして……本心でもあり演技でもありました

junk:演じているうちに、本当になっていくってやつか

strawberry:まさにそれを実感させられましたね

benio:音声認識のくだりは?

strawberry:普通にタイピングです。正直、strawberryって入力し辛くありませんか? 私でさえコピペですよ

karen:それなら最初から短い名前にしておけば良かったんじゃない?

strawberry:それだと、橘ありすとして不完全になるのでできませんでした

benio:徹底しているな

strawberry:他人の人生を疑似的に体験してみるのも、中々楽しいものですよ

karen:なんかネットって怖い

junk:ネカマじゃなかっただけマシじゃないか?

benio:ネカマと言えばjunkだよ! 結局、何者なんだ?

junk:俺、ネカマじゃないし




fumi2:junkさんはお仕事でもこちらと変わりありませんよ。

karen:やっぱり美少女だったか

benio:美少女はやっぱり美少女か

junk:いい加減、俺を美少女にするのは止めて欲しい。そこから話進まないし

strawberry:fumi2さんはどうですか?

junk:fumi2も変わらないな。多分、皆が思っているよりも数十倍は本の虫なことを抜かせばだけど

fumi2:お恥ずかしながら、その通りです。

strawberry:やっぱり天使でしたか……

junk:benioは?

karen:学生している時よりも少しだけ弾けている感じがするね

benio:ノーコメントだ

strawberry:可愛いですか?

karen:ちょー可愛いよ

benio:おい! 朝からそればっかりだな!

junk:karenは?

benio:全く変わらない。あと、私より比較にならないレベルで可愛い

karen:いやー、それほどでも

benio:(謙遜しない、だと……)

junk:橘以外はありのままと言うことだな




strawberry:あの、ですね。一応、模倣していると言っても、このチャット中では私が本物ですから。だから、これまで通り橘として扱ってください

karen:分かるような分からないような

junk:二人が言っていたように橘であることに変わりはないって言っているんだ、それで良いだろう

benio:まぁ、納得しておくか。ん、もしかして、橘って逆にfumi2さんの名前とか知っているのか?

strawberry:残念ながら、junkさんしか分かりませんでした

junk:俺が中継したからな

karen:junkさんの名前知りたい!

strawberry:いえ、規定で話せないことになっています

karen:ちぇっ

strawberry:規定で話せないことは無理ですが。junkさん、私気付いているんですよ

junk:おう。思い当たることはあるぞ

karen:秘密暴露大会だね

benio:ワクワクしているだろ?

karen:うん

strawberry:化粧品のお話の時に、ここに居たのは別の人ですよね?

junk:……正解だよ、名探偵




karen:え?

benio:マジかよ……あれ、junkの偽物だったのか?

strawberry:決定的だったのが、後日化粧品について話したのを一瞬忘れていたこと

junk:俺が一番びっくりしたよ。まさかログをあさって、それこそ模倣されるなんてな

strawberry:やっぱりjunkさんはチャットログを残していましたか

karen:ちょっとショックでついていけていないんだけど……

benio:とりあえず、名探偵橘の話を聞いとこう

strawberry:次に疑問を抱いたのが、junkさんがその時だけ自身のことを『おっさん』と呼んでいるんです

junk:ああー。難しい年頃だからな

strawberry:あと、最も違和感を覚えなければいけないのが、化粧品の話題を話している部分ですね

junk:一応、俺も化粧品はそれなりに詳しいから話せないことはないぞ?

strawberry:でも、junkさんであればfumi2さんに意見を求めるはずですよね?

junk:ああ、そうするだろうな

strawberry:以上より、あの日のjunkさんは別人だったとなるわけです。論破です

junk:降参だな。でも、論破の言葉が適当な気がする

benio:ちょっと待て。意図的に話していない部分あるよな?

strawberry:それは規定に抵触しますので

benio:やっぱり、それか……




junk:悪かったな。あいつにはキッチリ灸をすえてやったから、それで何とか許してもらえないか?

karen:ネットの世界の怖さが身に染みて分かったよ。でも、化粧品の勉強になったから許す

benio:なんかどっかのMMOの漫画みたいな展開になってきたな

karen:ワクワクするね。キラトくんになったみたい

benio:勘違いだよ! あと、何人か混ざってるな、それ

strawberry:ちなみにどこの誰だったんですか?

junk:俺の同僚、と言うよりはfumi2の同僚か?

benio:やっぱり、職場でパソコン弄っていたのか……

fumi2:悪い方ではないのですが、あることになると少々周りが見えなくなる方でして……。

karen:珍しくfumi2さんが言いよどんだね

junk:本当に悪い奴ではないんだ。実際に注意して以降、俺のパソコンに触れることはなくなったからな

benio:いっそのことkarenみたいに仲間に入れても良いんじゃないか?

junk:それは本人が嫌がるかもな。あくまでも、俺がどんな世界を見ているのか知りたかっただけのようなんだ

strawberry:知らない人にとっては、チャットは未知の世界の話かもしれないからね

karen:あたしは橘ちゃんに、たまに別の人が宿るから、そっちが未知の世界かな?

strawberry:あ、失礼しました。チャットは物珍しいものですからね

benio:まぁ、こっちが橘らしいな




junk:さて、暴露大会はこんなところか?

strawberry:他にまだ秘密を抱えている方はいませんか?

fumi2:あの、私の本当の名前はお伝えするべきでしょうか?

junk:それは匿名のチャットという前提の話だから、大丈夫だ。どうしても話したいなら別だけど

fumi2:分かりました。機会がありましたら、その時にお話しします。

strawberry:ウヒョー! 楽しみです

benio:やっぱり、橘のキャラが今一慣れないな

karen:あのさ……あたし、前にも言ったけど病弱なんだ。あの時はふざけているタイミングだったけど、本当の持病持ちでね……

junk:ああ

karen:だから、この間パソコンが壊れたって言うのは嘘で、入院してた。……多分、これから先もそう言うことあるかもしれない

fumi2:いつまでもお待ちしております。

karen:え?

strawberry:せっかく互いが思ったことをぶつけられる場なんです。それくらいで失うのは勿体ないですよ。私が言うなって話ではありますが

junk:皆、それぞれに事情を抱えている。だけど、それを話してくれたなら、察することができるくらいに皆大人だよ。だから、病気の時はここを気にしなくても良い。元気な時にまたいつものように書き込んでくれれば、それで良いんだ

benio:karen、ここに居る奴らは、私たちが考えるよりもずっと優しい奴らばっかりなんだよ

karen:そっか……うん!



ここまで

橘関係の大きなイベントは残りライブくらいですね

皆凄いな。想像もしていなかったパターンがとても興味深いです
一旦推理パート(推理ものじゃないです)は離れまして、凛のターンに移ります

今回はここまでってやらないので、気ままに投下していきます


*朝・通学路

凛「私、アイドルになろうと思う」

奈緒「……そうか、決めたか」

加蓮「おめでとう!」

凛「悩んだけど……夢中になれるものを見つけたいって思ったから」

加蓮「うんうん、うちの凛がね……」

奈緒「立派になったもんだ……」

凛「……あのさ、なんでうちの両親と同じ反応なの? 見てたの?」

奈緒「いつ伝えに行くんだ?」

凛「今日の放課後。正確にはあのプロデューサーに連絡済み」

加蓮「加蓮ちゃんからアドバイスがあります!」

奈緒「お、なんだ?」

加蓮「あのプロデューサーって人、絶対コミュ障だから気をつけなよ?」

凛「……うん、分かってる」

加蓮「いいや、分かってないね。何かトラブル起こすから。主に担当アイドルとのすれ違いで」

奈緒「……滅茶苦茶ありそう」

凛「……分かった。こっちから動いてみる」

加蓮「うん、それが良いと思うよ」




rin:明日、本社で色々手続きするから、学校休むことになった

奈緒:もしかして、伝説の学校公認の休みってやつか?

rin:なのかな?

加蓮:勉強ついていくの大変だから、あたしはあんまり休みたくないな

奈緒:そういうもんか

加蓮:手続きって何やるんだろうね?

rin:せんざい写真を撮るとか言ってた

加蓮:洗剤のCM?

奈緒:宣材写真じゃね? 名前の通り、宣伝材料用の

加蓮:なるほど。これからの仕事に関わってくる写真だね。凛、気合入れなきゃ

奈緒:あんまり気合入れるのも駄目なんじゃないか?

加蓮:ふむ、素材の良さを生かすわけですな

奈緒:クールな感じか?

加蓮:よし、凛、クールな感じいこう!

rin:なんで私よりも二人が乗り気なんだろ……?




*朝・通学路

凛「今度の城ヶ崎美嘉のライブで、バックダンサーとして参加することになった」

奈緒「え、マジ?」

加蓮「はっ!? 情報漏洩とか大丈夫? 凛、狙われていない?」

凛「大丈夫。ライブ自体はとっくの昔に告知されているから」

加蓮「ヤバイね。うちの凛が一気に大物女優になっちゃう」

凛「語感だけで話すのやめて」

奈緒「サインって今のうちに貰っておくべきか?」

加蓮「だね!」

凛「だから、うちの親と同じことなんで言うの?」

奈緒「でも、実際のところいきなりバックダンサーってどうなんだ?」

凛「珍しいっぽい感じではあったかな」

加蓮「期待されているんだね」

奈緒「大丈夫か?」

凛「一応、卯月と未央、昨日知り合った子の三人で参加するから大丈夫だとは思う」

奈緒「卯月も一緒か。それは心強いな」

加蓮「知ってる子が居ると居ないとじゃ全然違うもんね」

凛「うん、それは思うよ」




凛「あと、昨日城ヶ崎美嘉と会った」

加蓮「えー! 羨ましい! サイン貰った?」

凛「同業者が貰うのって失礼なんじゃないの? 分からないけど」

奈緒「カリスマJKか。どうなんだ? やっぱりよくある性格悪いパターンか?」

凛「性格はサバサバしていて、良い人ぽかった、かな」

加蓮「流石カリスマ」

凛「と言うか、今日から城ヶ崎美嘉が私たちのレッスンを見てくれる」

奈緒「滅茶苦茶良い人じゃん!」

凛「妹さんも慕ってたかな」

加蓮「あー、そう言えば妹居るって聞いたことあるかも」

奈緒「そう言えば、卯月がメンバーが集まらないとみたいな話していたけど、結局何人デビューすることになったんだ?」

凛「十四人?」

加蓮「そんなに!?」

奈緒「なんとかフォーティーンみたいな感じなのか?」

凛「正直、よく分からない。何だが物凄い速さで物事が進んでて、把握しきれていないかも」

奈緒「大変だろうけど、愚痴はいつでも聞いてやれるからな」

加蓮「サインをもらってくれたらアタシはもっと頑張れるよ!」

奈緒「こいつは……」

凛「ふふっ、ありがとう」




benio:junkは次の城ヶ崎美嘉のライブって参加する?

junk:城ヶ崎美嘉のライブ? ああ、346のライブか

karen:え、城ヶ崎美嘉のライブじゃないの?

junk:城ヶ崎美嘉もライブはやるんだが、今回は346プロで売れているメンバーが集まってライブをするんだよ

benio:なんか凄そうだな

junk:チケットは一瞬で売り切れたな

karen:えー、チケットもう手に入らないってこと?

junk:基本的にはそうだな

strawberry:なんで私の文香さんが参加していないんですか!

junk:売れている人間が全員参加できるわけでもないからな。現に高垣楓も参加していないし。と言うか、チケットの入手を考えたらあっちのライブに参加で正解だろ?

strawberry:むむ、確かに言われてみれば……

benio:junkは今回誰を応援しに行くんだ?

junk:佐久間まゆだな

karen:ままゆ!

benio:ファンの人の前で言うのもなんだけど、あの子の目ちょっと怖くないか?

strawberry:ハイライト薄いですよね

junk:佐久間まゆと話す機会があったら言うぞ、お前ら




*fumi2さんが入室しました

fumi2:こんばんは。皆さん、お揃いでしたか。

strawberry:fumi2さん、愛してる!!

benio:絶好調だな

karen:こんばんは♪

strawberry:今日、ポスターを受け取らせていただきました。本当にありがとうございます!

fumi2:無事に届いたようで安心しました。

junk:予定よりも遅かったな

strawberry:ちょっと不在にしていたもので。それよりも、サイン入りポスターがあって、私のテンションが有頂天です!

benio:いつもよりちょっとおかしいもんな

junk:(あんなもんじゃね?)

karen:(うん)

strawberry:調べたら十枚限定だとかで、私は神に愛されました!

karen:あたしも持ってるよ?

strawberry:Really?

karen:Yes.

junk:凄いな。十分の二がここに揃っているのか

benio:なんかレアなのかレアじゃないのか分からなくなってくるな




karen:ちなみにさ、さっきbenioがライブの話をしていたけど、友達がそのライブで城ヶ崎美嘉のバックダンサーをすることになりました!

junk:新人でいきなりか!?

fumi2:おめでとうございます。

strawberry:橘ありす、もう少し頑張らないと新人に置いていかれるよ?

benio:橘、少し擬態しろ。まぁ、そういうことなんだ

juk:名前は聞いても大丈夫か?

karen:うん、本人に許可はとったよ。名前は渋谷凛、クールなアイドル目指してます!

benio:私たちが勝手に言っているんだけどな

junk:渋谷凛ね。覚えておくよ

strawberry:ふーん、あんたが私のプロデューサー?

benio:何それ?

strawberry:何となくそんなことを言いそうな名前だと思いまして

karen:言いそう

benio:いやいや、流石にそこまで失礼な奴じゃ……言いそう

fumi2:喜ばしいお話だとは思いますが、渋谷凛さんにとっては大変なプレッシャーでしょう。

junk:そうだな。舞台の大きさが違うからな

karen:え? そんなに凄いところでやるの?

junk:準ドームクラスだよ

karen:ひーっ!?



strawberry以外全部手打ちで、割と修羅の道。他にもミスあります
バレて以降の橘は自分の立場で遊んでいるので、あんまり言動が参考にならない、かも?


karen:だ、大丈夫かな、凛

benio:お、落ち着け

junk:二人とも案外余裕あるよな?

karen:まぁ、凛を信じているし?

benio:あいつはやれる奴だ

junk:なるほど。それなら俺も当日は彼女に期待させてもらうかな

karen:あ、そこまでは結構です

benio:凛にプレッシャーをかけないでくれ……

junk:どっちだよ

strawberry:案ずるより産むがやすしです

benio:良いこと言うな……橘

strawberry:いつも良いことしか言っていません。論破です

junk:どの辺に論破する要素があったんだよ?

strawberry:と言いますか、今気付いたんですけど、文香さんのライブ来週じゃないですか!?

junk:ああ、大阪参加だったな。それなら、土曜日にこっちで346、日曜日に大阪で文香のライブになるか

strawberry:ああ、緊張して眠れそうにありません!

benio:もうかよ!?

karen:分かる。あたしも凛のライブを考えると眠れないかも

benio:そう言われると、私まで不安になってくるだろ!

junk:仕事に追われるとそんなこともなくなるぞ?

fumi2:junkさん……。

karen:(ブラックなんだね?)

benio:(ブラックなんだな?)

strawberry:(日本人は、そう言う面に関しては海外を見習うべきですよ)




*朝・通学路

奈緒「大丈夫か? 何だか日に日にやつれていないか?」

凛「……大丈夫。昨日、ようやく一段落ついたから」

加蓮「と言うことは、ようやくトレーナーさんにオッケーを貰えたってこと?」

凛「うん。正直、結構感動したかも」

加蓮「おめでとう!」

奈緒「そっか、間に合ったのか……」ホッ

凛「今日は軽く合わせて、ゆっくり休むよ」

加蓮「うん、それが良いよ」

奈緒「チケットは取れなかったけど、応援しているからな」

凛「うん。やれるだけやってみるから」

加蓮「本当は凛の勇士を見に行きたかったんだけどねー」

凛「それは、恥ずかしいから助かった、かな」

加蓮「えー、アイドルなんだから人に見られてなんぼだよ」

奈緒「junkは応援に行くから、その辺は大丈夫だ」

凛「いや、だから私はその人のこと知らないって」




*翌日・夕方

benio:今頃、ライブやっているんだよな?

karen:ああ、会いに行けないのがもどかしい!

strawberry:珍しく三人だけですね

benio:junkはライブだし。fumi2さんも用事なんだろ?

karen:意外と一緒にライブに行っていたりして

strawberry:私のfumi2さんと一緒に居るなんて許されませんよ!

karen:ほら、benioが突っ込まないから橘ちゃんの『私の』がどんどん広がっていく

benio:私のせいにすんなよ! 突っ込みも疲れるんだぞ?

karen:ねぇねぇ、橘ちゃんって本当は何歳なの?

strawberry:え? いきなりですね

benio:情緒不安定なんだよ。とりあえず付き合ってやってくれ

strawberry:分かりました。十二歳、小学生です

karen:それ、橘ありすちゃんのプロフィールだし

strawberry:調べていましたか。しかしながら、彼女の友人であれば同い年であるのが一番自然ではありませんか?

benio:一理ある

karen:でもさ、そう言っている段階で違うっぽいよね?

strawberry:それじゃあ、学生です。子供ではありません

benio:昔、よく言っていたよな

karen:そうじゃなくて~




karen:ああ! 時間が先に進まない!

benio:落ち着けよ

strawberry:仕方がありません。ここは私が一肌脱ぎましょう

karen:やーん、橘ちゃんのえっち♪

strawberry:もしかして酔っていませんか?

benio:察してやってくれ。それで何をするつもりなんだ?

strawberry:そうですね。まずは皆さん、一度このチャットルームから出ます

karen:ん? 今日は終わり?

strawberry:いえ、そうではありません。その後に全員がランダムなタイミングでルームに入ります

benio:……それの何が楽しいんだ?

strawberry:ここでポイントなのはいつも使っているハンドルネームを使わないことです

karen:あ、つまり橘ちゃんごっこか

strawberry:そう言うことです。幸いこのチャットはIPアドレス等余計な情報が出ないようになっていますので、名前だけでは特定されません

karen:面白いかも

benio:ふーん。使う名前はなんでも良いのか?

strawberry:できれば自分自身が物真似できる名前にしてください

karen:了解

strawberry:それでは始めましょうか


*karenさんが退室しました

*benioさんが退室しました

*strawberryさんが退室しました



個人的に面白そうなイベントが始まりそうなところで、とりあえずここまで

五人だとちょっと多いので、少人数になったこのメンバーで実施となりました

皆楽しんでもらえるならそれで良いので、推理しても全然問題ないです
(一応、全員が最初から明確な正体を設定しているので、今更変えらないですし)
と言うか、皆の予想が予期せぬところを突いているので、こっちも見て楽しんでいます

ちなみに、橘ごっこは二人決まったんですが、もう一人決まらないので、要望があれば290までに書いてもらえれば
参加できるのはチャットメンバー、アニメの346で3話までにデビューしているアイドルです(応えられない可能性もあります)

チャット媒体では超物静かで知的な茜

fumi2が茜の可能性?

>>285
うん、>>279はそうなると思うんだけど、変な解釈してしまったので採用
茜ファンの方、怒らないでいただけると嬉しいです


*sachikoさんが入室しました

sachiko:カワイイボクが来ましたよ。むぅ、まだ誰も居ませんね


*strawberryさんが入室しました

strawberry:論破です!

sachiko:ええ、知ってましたよ。絶対strawberry居ると思っていましたよ!


*akaneさんが入室しました

akane:ボンバーですわ

sachiko:えぇ……

strawberry:……もしかして、日野茜ですか?

akane:ですわー

sachiko:あの、茜さんに見せたら怒られますよ?

akane:わたくしが茜でしてよ

strawberry:うわぁ……

akane:ちなみにわたくしもstrawberryが居ることはよんでいました!

strawberry:最後だけ日野茜らしくなりましたね。sachikoさんは輿水幸子ですか?

sachiko:もちろんボクです!

akane:……

strawberry:……

sachiko:……



……内容はともかく、これはかなり分かりやすくなっていますので、推理したい方はどうぞ
正解は次の投下の本編で

もう一回やりますので、300くらいまでならリクエストOKです

>>290
ごめんなさい。橘ごっこの誰が誰を演じているかの答えのことです

流石です。気付きましたか

次レスで答えを投下しますので、もし推理されている方がいましたらご注意を


akane:……これ、ルールに難がありますわね

strawberry:? どういうことですか?

sachiko:ボクも今気付きました。このルールだとakaneさんに丸分かりなんですよ

strawberry:???

sachiko:akaneさん、答えを言ってみて下さい

akane:strawberryがkaren、sachikoがstrawberryだろ?

strawberry:あ、正解

sachiko:ルール上、自分を選べないのでkarenさんがstrawberryを選んだ段階で、strawberryでない人物がstrawberryで確定するんですよ

strawberry:そっか……なるほど、あたしが失敗しちゃったわけか

akane:もう一回やってみるか?

strawberryうん。でも、その前に一つだけ言わせて、日野茜の真似酷過ぎ!

akane:いや、ボンバーは有名だけど、いざ演じてみると性格がよく分からなくてな……

sachiko:それなら、一層極端なキャラクターでいこうと?

akane:うん

sachiko:それは次禁止ですからね。本当に自分が演じられる人物にしてください。もちろん、ここに居る誰かの名前も駄目です

akane:……了解

strawberry:それじゃあ、スタート!


*akaneさんが退室しました

*strawberryさんが退室しました

*sachikoさんが退室しました



ウサミンは…どうだっけ?

一応他にも理由はありますが、それは次回の橘ごっこで、ですね

あと、楓さんが難し過ぎるので、ちょっと他の人で調整中
多分、今日の投下はここで終わるかと思います

突然の思い付きにお付き合いいただき誠にありがとうございました
次回からは通常通りに戻ります

>>300じゃ理由が足りなかったですね
決定的なのがkarenであれば、間違ってもakaneをあんな演技で演じることはない=benioが茜

>>301
ウサミンはアニメ3話の段階だとマイナーなので……

何とか書けた。休みの日以外は淡々と投下しかできないので、橘ごっこ第2問目を置いておきます
正直、作中のbenioたちのように二択になって分かる部分もあるので、あまり真剣に考えず気楽にと言う感じです

今日は次の2レスで本当に最後になります


*mizukiさんが入室しました

mizuki:わかるわ


*junkさんが入室しました

junk:絶対それ言いたかっただけだろ?

mizuki:あら? まさかのjunk君なのね

junk:ああ、たまにはな。そっちは川島瑞樹だよな?

mizuki:ええ。アナウンサー経験を活かして、このチャットを読ませていただくわ


*sachikoさんが入室しました

sachiko:カワイイボクですよ!

mizuki:あら、幸子ちゃん? さっきも居なかったかしら?

sachiko:ボクは人気者ですからね!

junk:そうくるか……

mizuki:何気に難しいわね……

sachiko:流石のボクもよく分かりません! ヒントをください!

junk:ヒントって会話をするくらいしかないんじゃないか?

sachiko:カワイイボクと

junk:美少女

mizuki:わかるわ

junk:(なんとなくそれっぽくなっているな)




mizuki:はい、幸子ちゃん。歴史の三十

sachiko:えぇー! それはボクが選ぶやつです! パネルはボクが選びます!

junk:(ああ、分かったかも)

mizuki:はーい、junk君も勝手に納得していないで会話しましょうね

junk:そう言えば幸子って、昨日文香とテレビで共演していたよな?

mizuki:あら、そうなの?

sachiko:そうなんですよ! 昨日鷺沢さんと共演しまして!

mizuki:(んー、難しいわね)

junk:ごめん、幸子。それ、嘘

sachiko:ちょ、酷いですよ!

junk:……俺は答えを決めたけど、答えの前にとりあえず皆で一旦チャットルームから出ればいいのか?

mizuki:そうね、私も悩んでいても決められないから、もう良いわ

sachiko:ボクも良いですよ! それじゃあ、junkさんの言う通り、一旦出ましょう! 普段のハンドルネームで入れば良いんですか?

junk:ああ、それで良いと思う


*sachikoさんが退室しました

*junkさんが退室しました

*mizukiさんが退室しました



junk=karen
mizuki=strawberry
sachiko=benio
かなあ
奈緒がkwsmさんを知ってるかは不明だけど幸子は「スカイダイビング」の発言的に知っているはず
そして直前に演技例が出てる幸子をやるのは前期ボロボロの奈緒としては自然なはず
さらに言えばふみふみ関連であれば橘は絶対に引っかからないだろうし加蓮もミーハーでアイドル好き(だったよね?)だから引っかからないと思う
あと関西近辺住みなのは確定してる橘はkwsmさんのアナウンサー時代を知ってる可能性があるから
>mizuki:ええ。アナウンサー経験を活かして、このチャットを読ませていただくわ
このセリフも納得できるかも

さらに余談だけどこの推理だと1回目と出入りの順番が同じになる
これは逆にこの解答が違うという要素になるかもしれないけど

ちょっと休憩中に投下

第2回橘ごっこも皆さん、よく本編を読んでくれていて嬉しく思います
>>314も詳細にありがとうございます。前提までしっかり埋めてくれていますね
(ちなみに私の解答はガチ過ぎて多分皆引くほど長いです……)
ただ、今回は問題に少し難があったようで、ちょっと情報が足りな過ぎましたね

以下、解答兼本編です


*strawberryさんが入室しました

*karenさんが入室しました

*benioさんが入室しました


benio:それでどうすれば良いんだ?

strawberry:答えをコピーしておいて、一斉に皆で貼り付けましょう

karen:クリップボードってやつだね

benio:それじゃあ、準備ができたらいくぞ

karen:ん、オッケー

strawberry:私も大丈夫です

benio:それじゃあ、皆答えを貼り付けろ!

karen:benio=junkさん、橘ちゃん=輿水幸子

benio:karenが幸子、橘が川島瑞樹

strawberry:junnkさん=benioさん、川島瑞樹さん=karenさん

benio:……私だけ外した!?

karen:良かった、合ってた

strawberry:まだまだですね、benioさん

benio:うわー、私、恥ずかしい……




strawberry:それじゃあ、間違ったjunkさんから理由を聞いてみましょう

benio:輿水幸子が一々『!』を使っていたから、橘程慣れていないと思ったのが一点。逆に川島瑞樹の演技力が妙に高かったから、慣れている橘かと

strawberry:そう思ってもらうために、わざわざ同じ人を二回使ったんですよ

benio:くっ、細かい演技しやがって

karen:言わなくても分かっていると思うけど、あたしアイドル好きだから演技は真面目にやるよ。特に川島瑞樹なんてアナウンサー時代から有名でよく見てたもの

benio:……はぁ、karenを少し舐めていたな

strawberry:意外だったのが、間違わなかったkarenさんですね

karen:んー、正直橘ちゃんの演技は見抜けなかったけど、benioのjunkさん、なんかbenioの影が一瞬出てたんだよね?

strawberry:なるほど、やっぱりあそこですか

benio:はぁ!? そんなところあったか!?

strawberry:『ヒントって会話をするくらいしかないんじゃないか?』はjunkさんであれば『ヒントって会話をするくらいか?』と簡潔にすると思いますよ。たまに気分で変えるかもしれませんが

benio:はー、それか……。分かった、完敗だよ

karen:結構楽しかったね

benio:気付けば、良い時間になっていたな

karen:そろそろ凛から連絡あるかも!

strawberry:楽しんでいただけたようで良かったです

benio:妙に最近の橘は大人びているような気がするな

karen:気遣いのできる女だね

strawberry:文香さんのライブが明日ですからね

benio:え、関係あんの? ってLine来た

karen:あたしもだ!

strawberry:それじゃあ、私は明日がありますので、この辺で失礼しますね

benio:悪いな、付き合わせてしまって

strawberry:私よりもお友達を優先してください

karen:ありがとう、橘ちゃん




rin:大成功!

rin:忙しくて返信はできないけど、これ以上ないくらいに上手くいったよ。二人の応援、ちゃんと届いたから!


奈緒(そっか。大成功か……)

奈緒(良かった。本当に良かった……)


奈緒:おめでとう!

加蓮:おめでとう!


奈緒(それ以上の言葉を送りたかったけど、上手い言葉は出てこなかった。だから、おめでとうだけ)

奈緒(このどうしようもないくらい嬉しい気持ちも、凛に届けば良いのに)

奈緒(主役不在のまま、二人でLineが盛り上がったのは言うまでもない)




橘ごっこの正解はbenioがjunk、karenがmizuki、橘がsachikoでした

本編で大体触れていますが(+加蓮の性格から幸子は避ける)、解答への流れも一応用意しています
(滅茶苦茶長いですが、必要であれば言ってください

次回、土産話と凛のデビューライブ


と言うか、答えなしはやっぱりありえないので、書いておきます
下記が第2回橘ごっこのこちらとしての解釈になります。
滅茶苦茶長いので、興味がない方はスルーでお願いします



前提として、川島さんはパーフェクト、幸子も前回より若干劣るものの良好、junkも上手いですが、クオリティはこの順番です
まず、橘は誰を演じても不思議はないですし、クオリティも一定のものを保てますので、現時点で判別がつきません
次に、karenも全員可能性がありますが、アイドル好きを公言している彼女が橘と比較される幸子を演じるのかと言うと……。幸子×
忘れがちなのですが、benioは奈緒なんです。奈緒は割と墓穴を掘りますので、器用に誰かを演じる可能性は低いです。川島さん× 幸子△
それを自覚しているであろうbenioが演じるとしたら、自分に近いキャラクター。言葉遣いも近いjunkを選ぶ可能性は高いでしょう
ただ、それだけだと少し弱いので、橘からの指摘となります
よって、benioがjunk、karenがmizuki、橘がsachikoとなります
細かい部分で他にも理由がありますが、いくらなんでも長すぎるので省略となります

ちなみに、benioが結構揺さぶりをかけていたのが分かりますが、見え見えの手に引っかかるほど橘は甘くありませんし、その辺も踏まえて演じています



以上から、橘の性格が少し見えた方もいるかもしれませんね

最後のえ、関係あるのってlineが気になった

なるほど、橘がわざと引っかかる可能性は考えてなかった
ただ川島さんがアナウンサー時代から有名だったっていうのにちょっと違和感が…


>>327
ごめんなさい。分かりづらかったですね
『え、関係あんの?』ってLineが~という一文ではなく、括弧内のみが橘への反応で、残りが凛からLineがきたことを伝えています

>>328
加蓮の中で有名=加蓮のよく見ていたテレビ(地方局)のアナウンサーだったが正確ですね
加蓮の場合、病室で他の人と違う時間帯の番組も見ていそうですしね……と言う解釈でお願いします


*週半ばの昼・情報室

加蓮「CDデビューライブを行うことになった!?」

奈緒「おお、遂にCDデビューか……って早いな!」

凛「正直、私も驚いてる」

加蓮「今度こそチケットとれるかな?」

奈緒「おう、今回は何としてでも手に入れなきゃな!」

凛「チケットはいらないよ。会場に来てくれたら無料で見れるらしいから。場所は噴水広場だったかな」

奈緒「ああ、あそこか。滅茶苦茶広いからライブやるのも楽勝そうだもんな」

加蓮「絶対行くから! それで、いつやるの?」

凛「来月の日曜日」

奈緒「なんだか毎月ライブがあるな。身体は大丈夫か?」

凛「うん。絶好調みたい」

加蓮「油断しているとすぐやられるから気をつけなよ?」

凛「……説得力あるね。うん」

奈緒「しっかし、どれだけ集まるんだライブって? 声優の場合はピンからキリらしいけど」

加蓮「うーん、新人アイドルのCDデビューライブか……。多くても五十人くらい?」

凛「え……? 未央はむしろ会場に友達が入れないんじゃないかって心配していたけど……?」

加蓮「どれだけ友達多いのよ、その子……。そうじゃなくて、この間のライブはあくまでも城ヶ崎美嘉たちのライブなんだよ? 言い方は悪いけど、凛たちはそのおまけ。会場がどれだけいっぱいになろうとも、それは城ヶ崎美嘉たち先輩アイドルの力に過ぎないし、お客さんは皆凛たちのファンってわけでもない」

凛「むっ……」

奈緒「まぁ、この間のライブで凛のファンになった人もいるかもしれないけど、加蓮の言う通りだとは思う。もちろん、告知とかで人が増える可能性もあるけど、それほど極端にはいかないだろうな。有名声優でも会場を埋めらないことがあるのは、割と有名な話だし」




凛「……」

奈緒(なんか複雑そうな表情しているな)

凛「……ごめん、落ち着いた。多分、加蓮の言っていることが正しい。でもそうなると、未央が危ういね」

加蓮「何だかんだで冷静になる凛がアタシは好きだよ」

奈緒「勘違いは早めに訂正した方が良いぞ? 時間が経てば経つほど引けなくなってくるからな」

凛「分かった。Line送っておく」

加蓮「でもさ、普通は大舞台で成功しちゃえば、その未央って子みたいに思うのが当然だよね? そこをフォローしておくのがプロデューサーって仕事じゃないの?」

奈緒「……コミュ障だからか?」

加蓮「そんなの言い訳にならない。仕事なんだよ? 別に失敗するなとは言わないけど、そこにそんな言い分を挟んでほしくない」

凛「今回のは私たちが勘違いしてしまったことだから、プロデューサーを責めるのは筋違いだよ」

加蓮「新人アイドルにそんな風に気を遣われる段階でアタシは駄目だと思う。前にも言ったけど、本当に気をつけなよ? と言うか、こっちから綿密に意思疎通するしか手段がないかも」

凛「……そうだね。意思疎通は足りていなかったかも」

奈緒(まぁ、何だ。凛のプロデューサー、ドンマイ)




*junkさんが入室しました

karen:そんなわけで、来月の日曜日に凛がライブやるから、皆参加してね!

junk:どんなわけだよ?

benio:おっす、junk

junk:おっす。もしかして、デビューライブの話か? おめでとう

karen:流石junkさん、話が早い!

junk:そのライブ、きっかり一ヶ月後か?

karen:だね

junk:ああ……。その日は別のライブの予約で被ってしまっているな。悪い。土曜だったらなんとかなったんだけどな

karen:ぶーぶー

fumi2:申し訳ありません。私もjunkさんとご一緒にそちらのライブに参加する予定です。

strawberry:junkさんばっかりズルイです! 私もfumi2さんとライブに行きたーい!!

karen:あ、橘ちゃんは大阪だから来れないか

strawberry:大阪に住んでいるわけではありませんが、やっぱり距離的に厳しいです。こっちで、いつも文香さんに送っているエールと共に応援しています

benio:意味が分からないけど、とりあえずありがとう?

karen:結局、参加できるのはあたしとbenioだけかぁ

benio:調べたんだけど、ライブのチケットって高いんだよ。それを捨てて参加しろとは言えないさ

junk:ほんと悪い

fumi2:申し訳ございません。

benio:いやいやいや、そんなつもりじゃないんだって。凛のことを考えてくれただけでもありがたいよ




junk:いや、本当に参加したい気持ちはあるんだ。この間のバックダンサーの三人とも、新人とは思えないくらい堂々としていて、何より楽しんでライブをしていたのが分かって、こっちも嬉しくなったからな

benio:そっか、凛は楽しんでやれていたんだな……

karen:あ、やべえ、涙が

strawberry:karenさん、私が言うのもアレですがそのキャラで大丈夫ですか?

fumi2:私もjunkさん程、ライブに参加しているわけではありませんが、舞台上で楽しんいる姿を見ると観客としても楽しくなってきます。

karen:その言葉だけでも、凛にとっては凄く嬉しいと思う

benio:そうだな……。凛の話題はひとまずにして、橘の参加した文香さんのライブはどうだったんだ?

strawberry:最高でした!

karen:早っ!?

strawberry:文香さんは人類の宝です! 至宝です! あの歌声、あの微笑み、脳が溶けてしまうかと思いました!

benio:さり気なくヤバイな

junk:文香もいつになく張り切っていたようで、本当に最高のライブだったと思う

karen:あれ? junkさんも参加していたの?

junk:ああ。橘とは会えなかったけどな

strawberry:会えたとしても、文香さんのことで頭がいっぱいだったので、会わなくて正解だったと思いますよ?

benio:日帰り大阪両日ライブとか随分な強行軍だな!?

junk:鍛えているからな




strawberry:そう言えば、文香さんのライブの前日、以前から試してみたいことを行うことができました

karen:ああ、橘ちゃんごっこ!

fumi2:strawberryさんごっこ、ですか?

benio:まぁ、楽しかったよ

junk:あー、あれかハンドルネームを使って他の人を演じる感じのやつか?

karen:たまにjunkさんが鋭過ぎて怖い

junk:鋭いというよりも、そういう使い方ができるようにこのチャットルームを設定したのが俺だからな

strawberry:だから、IPアドレスすら出ないのですね

junk:そういうこと

karen:そう言えば、IPアドレスって何?

benio:簡単に言えば、ネット上の住所みたいなもんだよ

karen:個人情報保護法!

benio:だから、このチャットでは出ないって

karen:そっか

fumi2:皆さんはどなたを演じられたんでしょうか?

karen:あたし、橘ちゃんと川島瑞樹!

strawberry:私は輿水幸子さんを二回ほど

benio:敗北の記憶が……っ! 私は日野茜とjunk

junk:俺かよ?

karen:酷かったね、benioの日野茜

strawberry:最早伝説です

benio:ほっとけよ!




junk:そもそもbenioに物真似は向かないだろ?

karen:junkさんの真似は上手かったよ?

strawberry:benioさんの墓穴も私でなければ見逃していました

junk:へぇ、見てみたいな。benioやってみてくれ

benio:できるか!

fumi2:……この間の文香のライブ良かったぞ

fumi2:ごめんなさい! 忘れてください……。

karen:(かわいい)

benio:(かわいい)

strawberry:(ハスハスしたい)

junk:おぉ、確かに良かった。うん、良かった

fumi2:うぅ……。

junk:よし! 皆で橘ごっこやってみるか

strawberry:それはちょっと厳しいです

benio:ああ、前回三人でさえ、誰が誰か分からなかったもんな

karen:楽しかったけど、同時に頭もおかしくなりそうだったよ

junk:それなら仕方がないな

junk:(話題そらし成功)

fumi2:(もう! junkさん!)

strawberry:(fumi2さんが初々しくて、鼻血でそう)

benio:(と言うか、fumi2さんもこのカッコ芸できるんだな)

karen:(芸だったんだ……)



まだちょっとストックがありますが、日にちが進むのここまで
fumi2だってたまには砕けた感じで話したくなります


*いつもの夜

benio:このチャットは橘ありすに監視されています

karen:やっほー、見てる橘ちゃん!

fumi2:先日は美味しい苺をありがとうございました。

strawberry:かつて、ありすだったモノが横たわっている……。ありすのような何かが……

junk:お前あの画像見たのか!?

strawberry:橘ありすのことは、知っていることは知っているからね

junk:そりゃそうだろうよ

benio:画像って何のことだ?

strawberry:このURLを送りましょう。橘ありすが倒れている例の画像のURLを

karen:わ、なにこの子! 可愛い~

strawberry:ありすちゃん……頑張ったんですね。

benio:ほっかほかだな。ってこれが橘ありすなのか!?

junk:ああ。文香の写真とか見ているとたまに写っていることがある

benio:心霊写真かよ!?

strawberry:どうですか? カワイイですか? そう、これこそがカワイイボクです!

benio:残ってる、いつだったかの輿水幸子が残っているから!




junk:fumi2も言っていたけど、苺ありがとうな。わざわざ俺の分まで用意してくれなくても良かったんだけどな

strawberry:ボクは義に厚いですからね!

benio:輿水幸子はもう良いから

karen:苺って、鷺沢文香のポスターの時のお礼?

strawberry:はい。本当はもっと良いものがあればそれにしたかったのですが、私と言えば苺なので、最高のものを選ばせていただきました

junk:産地直送もので、かなり高級な味がしたからな

fumi2:一粒一粒が宝石のようでした。

strawberry:喜んでいただけたなら何よりです

karen:へぇー、そんなに美味しいんだ。私、ポテトが食べたい!

strawberry:私の理解が浅いのでしょうか。文の前後が繋がっていませんよね?

benio:karenはジャンカー(ジャンクフード大好きっ子)だからな

junk:一応、ジャンカーはジャンク品が好きな人の意味だけどな

karen:ポテトのLね

strawberry:え? 私に言っているのですか?

karen:私も産地直送が良いな

strawberry:その辺のお店に行ってくださいよ! 近くにいっぱいあるでしょう!?




*高校三年生の夜

benio:なぁ、junk

junk:なんだ? 昨日のゾンビの話か? 原作読んでいてもあの展開は良かったよな

benio:おお! 私もあの演出にはしびれたぜ! ……じゃなくて!

benio:声優ってどうすればなれるんだ?

junk:唐突だな。そして、何故俺に聞く?

benio:junkって芸能関係やけに詳しいし、多分このメンバーの中で一番年上だろ?

junk:十二歳だぞ

benio:マジで?

junk:マジだ……冗談は止めとくか。結構真剣な質問か?

benio:どうだろう……。最近、凛が毎日頑張っているのを間近で見ているせいか、私はこのままで良いのかって思ってしまうんだよ

benio:一応受験生なんだけど、学校がエスカレーター式の関係で自動的に進学はできるから、それで良いやって今までは思ってた。正直、将来なんてよく考えていなかったんだ

benio:ただそんな私でも、声優に憧れみたいなものを抱いていることには気付けた。他に夢はないのか考えてみたけど、残ったのはやっぱり声優になりたいって夢だけだった

benio:凄い漠然としているのは分かっている。でも、まずは声優になる、ならない以前にどうすれば声優になれるのかを知りたいって思ったんだ

junk:……なるほど。それなら真面目に答えるよ。残念ながら、俺は声優にそれほど明るいわけじゃない。ただ、声優になるための道筋をいくつか知ってはいるがな




benio:道筋……専門学校とかか?

junk:そうだな。俺が知っているのは、俳優やアイドルと言った芸能関係者から声優になるものと、ネット上からスカウトされるパターンだ

benio:前者は鷺沢文香パターンだな。ネット上からのスカウトって?

junk:そもそも声優としての定義が俺は素人だから分からないところがあるが、ネット上を探してみると声優に準ずること、もしくは声優そのままの活動を行っている奴がたくさん居る

benio:動画サイトとかで歌ったりしている感じか?

junk:それも一部だ。準ずるタイプはそう言った動画サイトや自分のブログ等で無償で不特定多数の相手に対して、自分の声を配信している。まぁ、上手くやって小遣い稼ぎをしているのもいるがな

junk:逆に声優そのままのタイプは割合だが有償でゲームやアプリ、アニメの声を演じている

benio:ああ! 同人だな!

junk:今はRPGとかどんなジャンルであれ声がつく時代だ。プロ、アマ問わず同人ゲームだって声がついているのが標準化してきている

benio:ただな……私まだ十八、じゃないからな……

junk:benioがそういう風に考えるのはマスコミが悪いんだろうが、同人は一般向けもたくさんあるだろ? フリゲだってそうだ。有名なところになれば、そのまま一般ハードでゲーム化されることだってある

benio:そ、そうだったな! うん、分かってた!

junk:一般ハードに移植された際に声優の変更の場合もあるが、そのまま起用される場合だってもちろんある。そうなれば、声優としての正式なデビューと言えると俺は思っている

benio:なるほどな……。専門学校を出るだけが声優になれる道じゃないわけか。でも、同人で声優やるのは敷居が高くないか? しかも、金とるんだろ?

junk:無償でも別に良いのだろうけど、個人的には安くても金銭が発生した方が安心はできるな。正直、詳しくないから、これ以上に関してはfumi2に代わってもらうぞ




benio:? なんでfumi2さん?

junk:fumi2の知り合いに声優が居るからだよ

benio:マジで!?

fumi2:はい。お知り合いに何人かいらっしゃいます。

benio:しかも一人じゃないのか!?

fumi2:ただ、私も伝聞でしかありませんので、間違った回答をしてしまうかもしれません。

benio:少しでもプロの話が聞けるんだったら、それくらい気にしないって

junk:ああ……fumi2の話の前に少し良いか?

benio:もちろん。あと、詳しく話を聞かせてくれてありがとう

junk:あんなもの調べればすぐ分かることだ。それよりも、俺個人としては夢を持っているだけでも大したことだと思っている

junk:諦めるか叶えるかは別としても、それは誇れることだ。だからこそ、大学に行って将来を真剣に考えてみるのも、道の一つとして選択肢に入れておくことをお勧めする

benio:おぉ。よく分からないけど、覚えておくよ

junk:それじゃあ、fumi2任せる

fumi2:分かりました。あくまでも聞いただけのお話ですが、専門学校から声優になれる方は一握り、その上で継続してお仕事を貰える方はさらに一握りになるそうです。




fumi2:専門学校よりも養成所から声優になられると伝手でお仕事を貰いやすいと言っている方もいました。

fumi2:ただ、知人には大学と専門学校もしくは養成所のように、何かと両立しながら声優になられたと言う方が多かったように思われます。

benio:どっちつかずにはならないものなのか?

fumi2:これは打算のお話になってしまいますが、専門学校だけを出てしまうと、声優になれなかった場合、他のお仕事に就くのが少々難しくなってしまいます。そう言ったリスク管理をすると、どうしても他の道を残しておく選択となってしまうのでしょう。

benio:確かに、なれなかった時が怖いよな……

fumi2:また、他の知人のお話ですと──

benio:なるほどな。それじゃあ──

fumi2:それは──


strawberry:橘です

benio:おお! 居たのか橘

strawberry:最初から居ましたよ! お行儀よく皆さんのお話を聞いていました。中々興味深く私も声優を目指してみたくなりました

junk:やっぱり普段は空気読める奴なんだよな……。benio、俺たちの話は参考になったか?

benio:ああ! すっごい考えさせられた。とりあえず自分自身でも、真剣に悩んでみることにするよ

junk:それなら良かった。ところでkarenの風邪は良くなりそうなのか?

benio:お見舞いに行ったけど、多分あと数日はかかりそうだったな

junk:そうか、早く良くなれば良いな。……ちなみに、karenが居ないタイミングでこの話だったのは、わざとか?

benio:……リアルでの友達だからこそ、言いづらいこともあるんだよ

junk:……なるほどな




奈緒「声優か……」

奈緒(junkとfumi2さんの話を聞いて、もう一度考えてみる)

奈緒(声優になるための道は一つじゃない。専門学校に通っても良いし、養成所を出ても良い)

奈緒(それこそ、動画サイトで歌ったって良い……これは加蓮とかとカラオケなら良いけど、ネット上だと度胸いるよな……)

奈緒(あとはアイドルから、か……)

奈緒「一応、スカウトはされたっぽいんだよな……」

奈緒(名刺は加蓮が持っているし、今は凛が務めるところだから連絡をしようと思えばいつだってできる)

奈緒(鷺沢文香だって、気軽に連絡しても良いようなことを言っていた)

奈緒(だけど、……違うんだよな)

奈緒(あたしはアイドルになりたいわけじゃない。声優になりたいんだ)

奈緒(正直、皆の前で歌って踊ったりなんかとてもできる性分じゃない。まぁ、今の声優はそれも込みなところがあるから治す必要ありなんだろうけど)

奈緒(だからこそ、あたしはそれをできる凛を密かに尊敬しているんだよな……)

奈緒(第一、声優になるためにアイドルを利用するって、いくら何でも酷過ぎないか?)

奈緒(手段は選んでいられないとは言うけど、やっぱりそれは選べない)

奈緒「……junkが言っていたな。大学に行って将来を考えてみるのも手だって」

奈緒(あの時は先延ばし程度に考えていたけど、これってもしかして……)




ここまで

そろそろ終わりが見えてきました
本当は奈緒の誕生日の日で終わらせる予定が、気付いたら原稿用紙百枚超えているよ……

(SSは最高で200枚まで書いたことあるよ。1ヶ月毎日投下してた)


*ラジオ告知の夜

karen:皆! 今日の高森藍子のゆるふわタイム聞いた!?

strawberry:確かラジオですよね? 私はネットラジオ派なので聞いていません

fumi2:申し訳ありません。先ほどまでお仕事でしたので、拝聴することができませんでした。

junk:まだ仕事中だし

benio:お前は仕事してろよ! でもヤバかったな、あのラジオ

karen:ヤバかった! マジヤバかった!

benio:本当に凛はアイドルなんだな……ってようやく実感したよ……ラジオに友達が出てるってほんとヤバイ

strawberry:今、若者の言葉がヤバイ

junk:それでも、何となく感動しているのは分かるものなんだな

fumi2:ラジオへのご出演おめでとうございます。

karen:ありがとう! あとで凛にLine送るからその時に伝えるね

junk:しかし、まぁ近づいて来たな。CDデビューライブ

benio:本当だよな。今だったら、橘がライブ前に眠れないって言っていた気持ちが凄い分かる

strawberry:わかるわ

karen:でも、橘ちゃんのキャラがたまにわからないわ……




junk:渋谷凛と言えば、昨日発売の週刊誌で善澤記者がインタビューしていたな

karen:はぁ!? 聞いてない!!

junk:隠していたんじゃないか?

karen:凛に文句言ってやる。あと、明日雑誌買う

benio:私も買おう。どんなこと書いてあったんだ?

fumi2:ニュージェネレーションズとラブライカの初CDについてと、ライブについて少し書いてありました。

strawberry:写真はちょっと緊張していたよね~

karen:なんで皆、すでに読んでるの!?

benio:橘に先を越されたぞ……

strawberry:あのですね、私は文香さんの記事のために毎月買っているんですよ?

junk:文香の記事が載ったのは二回だけだろ……。普通に愛読しているだろ?

strawberry:ばれたか!

benio:今日は本当に橘のキャラが不安定だな。何かあったのか?

strawberry:聞きたいですか? benioさん、聞きたいんですね!?

benio:お、おう

strawberry:文香さんゲスト回の公録に当選しました!

benio:マジか! その前に、普段ラジオ聞かないくせに何で公録応募してんだよ!?

strawberry:文香さん情報は常にチェックしていますからね! 新幹線で会いに行きますよ! ヤッホー! イエーイ♪

benio:まぁ、なんだ。橘が楽しそうで何よりだよ……うん




*ライブの日・最前列

加蓮「ヤバイ。緊張してきた」

奈緒「運動会とか文化祭の劇とかを見る親の気持ちってこんなんだろうな……」

加蓮「上に本田未央親衛隊居たね」

奈緒「あれって、クラスメイト全員とかか。凛もクラスメイト連れてくれば良いのに」

加蓮「そう言うキャラじゃないでしょ」

奈緒「それもそうか。……落ち着かないな」

加蓮「うん」

奈緒「……司会の人出てきた」

加蓮「……」ソワソワ

奈緒「……」ドキドキ

奈緒(……最初はラブライカ、か)

美波・アナスタシア『初めまして、ラブライカです』

奈緒(おぉっ! 二人とも凄い美人だな。そして、……良いなこの曲!)

加蓮「これで初ライブなんだよ」コソッ

奈緒「凄いよな」コソッ




美波・アナスタシア『ありがとうございました!』

奈緒「最高だった」パチパチパチ

加蓮「ファンになりそう」パチパチパチパチ

奈緒「おい、連続でニュージェネレーションズが来るって!」

加蓮「ヤバイ。心臓がヤバイ!」

奈緒「倒れるなよ?」

加蓮「別に倒れてしまっても良いんでしょ?」フッ

奈緒「良くねえよ! あと、あたしが言えたことじゃないけど、あんまりアニメの影響受けるな!」

加蓮「だって、ふざけていないと心臓破裂しそうなの!」

女性「おっとっと、間に合った間に合った」

奈緒(なんか綺麗なお姉さん? があたしの隣に来たんだけど)

女性「まだ、ニュージェネレーションズはやっていないんだよね?」

奈緒「あ、はい。まだです」

女性「うーん、あなたがbenioさんで、あなたがkarenさんって感じかな?」

奈緒「はぁっ!?」

加蓮「もしかして、……橘ちゃん?」

女性「の保護者。あの子は公録に行っちゃったからね。あ、始まるよ」

奈緒(あ、そうだ今は凛を応援しないと。橘の保護者とはライブが終わったら、話をしよう)

凛・卯月・未央『初めまして、ニュージェネレーションズです!』

加蓮「キャー! りんー!!」

奈緒(加蓮、あんまり一人で騒ぐなよ! でも……)

奈緒(凛、頑張れ!)




凛・卯月・未央『ありがとうございました!!』

加蓮「キャー! りんー! さいこうー!!」パチパチパチパチ

奈緒「りーん!」パチパチパチパチ

凛『ニュージェネレーションズ、これからもよろしくお願いします!』チラッ

加蓮「キャー! 凛がこっち見たー!」パチパチパチパチ

奈緒「りーん!」パチパチパチパチ


奈緒「……ライブって疲れるな……」

加蓮「奈緒、最高に盛り上がっていたからね」

奈緒「加蓮には負けるけどな」

加蓮「だって、未央親衛隊に負けたくなかったし」

奈緒「あっちも盛り上がっていたもんな」

加蓮「でも、負けてなかったよね」

奈緒「たった二人だけであの人数相手にってのも、どうなんだろうな? あ、橘の保護者の人──」

加蓮「居ないし」

奈緒「……今度のチャットで詳しく聞いてみるか」

加蓮「賛成」

奈緒「まぁ、それはそれとして」

奈緒・加蓮『凛、最高だったー!!』



ここまで

初登場の人が何人か


*週明けの夜

karen:そんなわけで、凛のライブは最高だったわけですよ!

junk:大成功のようで、本当に良かったよ

benio:ああ。junkたちにも是非見てもらいたかったな

karen:と言うか、橘ちゃんの保護者の人来てたよ

benio:そう、それだ!

junk:橘の保護者の人?

strawberry:橘です。十二歳と言う設定なので保護者の一人や二人居ます

benio:設定って言われると途端に嘘くさくなるな

strawberry:私の言葉は割と嘘が多いので、信じてください

benio:信じられねぇよ!

junk:相変わらずのらりくらりとした奴だな。保護者の人なら、今度挨拶したいからもしこっちに来ることがあったら言ってくれ

strawberry:善処します

junk:政治家みたいな答えだな

fumi2:私もご挨拶させてください。

strawberry:はい、次は必ず!

karen:露骨だ……

junk:あいつはああいう奴だろ




benio:でも、凄い美人だったな。あの人アイドルじゃないのか?

karen:ごめん、凛のことでいっぱいであんまり覚えていない

strawberry:benioさんが褒めていたと保護者に伝えておきましょう

benio:まさか、あの人、橘の母親ではない、よな……?

strawberry:benioさんが経産婦だと言っていたと伝えておきます

benio:それ、私の元ネタの人の台詞! あと、やっぱりお姉さんだよな?

strawberry:当たり前です。流石にそんな歳なわけないじゃないですか?

benio:と言うことは、橘はあの人に似ている感じなのか?

strawberry:似ていると言えば似ていますし、似ていないと言えば似ていないです。

benio:どっちだよ!

karen:あたしもちゃんと見ておけば良かったかも

strawberry:まぁまぁ、私の保護者のことはどうでも良いじゃないですか? まぁまぁ眼鏡どうぞ

benio:どっから出てきたんだよ、眼鏡!? ……もしかして、仲悪いのか?

strawberry:良い意味でも悪い意味でも空気みたいなものです

benio:まぁ、そうだよな。仲が悪ければ一緒に遠出なんかしないもんな

strawberry:さぁ、どうなんでしょうね




時間がとれればもう少しいきますが、とりあえずここまでで


karen:いや、今のは上条春菜の真似でしょ? レパートリー広いね、橘ちゃん

strawberry:橘家の末席に連なる者としては当然のことです

junk:橘家じゃないだろ、お前。ところで、文香の公録はどうだったんだ?

strawberry:魂がレクイエムしてしまいました!

benio:死んでないか、それ?

strawberry:それほど文香さんの肉声は素晴らしく、そのお姿はまるで女神!!

karen:公録か。あたしも凛みたいに高森藍子のラジオの公録に参加してみたいな

benio:そう言えば、凛が言っていたんだけど、高森藍子って時間経過をゆっくりさせる特殊能力をもっているらしい

strawberry:ああ、ネットのオカルト記事でありましたね。気付けば周りの時間がクロックアップしているとか

benio:だから、気づいた時には大分時間が経っていたらしい。本人は緊張していた影響とか言っていたけど

junk:高森藍子は独特な雰囲気があるからな。それが魅力でもあるんだが

karen:高森藍子と一緒に暮らせば、逆浦島太郎になるかも?

benio:ないない、とは言えないのがちょっと怖い

strawberry:いい天気だと眠くなっちゃいますね(高森藍子ボイス)

benio:クロックアップ(ぼそっ)

karen:はっ!? benioがおばあさんに!?

benio:私をオチにつかうな!




区切りが悪かったので、とりあえずこれだけ


*翌日・通学路

加蓮「いやー、ほんと凛のライブは最高だったなー」

凛「昨日散々聞いたし、流石に恥ずかしい」

加蓮「このこの、愛い奴め~」グリグリ

凛「加蓮!」

奈緒「あんまりいじめてやるなよ。加蓮の気持ちが分からないわけでもないから、止めはしないけど」

凛「止めてよ!」

加蓮「もう、仕方がないな。それじゃあ、ライブの裏話聞かせてくれたら止めてしんぜよう」ウリウリ

凛「なんで上から目線なの? まぁ、良いや。……プロデューサーでやっぱりもめた」

加蓮「ほら、言った通りになった」

凛「最初は良かったんだよ? 未央に観客のこと話して、私がプロデューサーとコミュニケーションとるように心がけて、卯月もそれにのってくれた」

奈緒「ここまでは順調だな」

凛「でも、未央が今一納得していなくて。それでプロデューサーと直接話をすることになったんだけど……プロデューサー言葉足らずにも程があったよ」

加蓮「誤解招く感じだったんでしょ?」

凛「うん。危うく未央がアイドル辞めかけた」

奈緒「はぁ!? 大ごと過ぎるだろ!?」

凛「決定的なことは言わせなかったよ? でも、プロデューサーがそれに怖気づいてしまって」

加蓮「カッコ悪い、カッコ悪いよ、凛のプロデューサー」

奈緒「……そう言ってやるな。コミュ障は色々あるんだよ」




凛「日にちをまたいでも、プロデューサーと未央の空気が悪くて、……しびれ切らして、叱った」

加蓮「……誰を?」

凛「プロデューサー」

加蓮「よくやった!」

凛「だって、見ていられなかったんだよ! だから、そのままで良いのかって、しつこく私を勧誘していたのに、こんなことくらいで投げ出すのかって、……言ってやった」

奈緒(修羅場だな)

凛「そしたら、何も言わずに風邪をひいた卯月のお見舞いに行った」

奈緒「はぁ!? 意味分かんねえよ!」

加蓮「ぶん殴ってやった方が良いよ、あいつ」

凛「でも、帰ってきたら未央と話して、和解していた」

奈緒「経緯が分かんねえ!」

凛「未央側は部長がプロデューサーの昔話をして、何だか和解する空気になっていたっぽい」

奈緒(それ、凛のプロデューサーが居るところで話したら早かったんじゃないか? いや、本人の前だと駄目か)

凛「卯月は卯月で普通の話しかしなかったらしいし、一応私の話を受け止めてくれたで、良いのかな?」

加蓮「多分、それだね。時間を置いて、凛の言葉をかみ砕けたんじゃないかな? 正直、情けないけど」

奈緒「加蓮の辛辣さは置いておくとして、よくやったな、凛ってところだな」

凛「そんなわけで雨降って地固まるってやつで、プロデューサーも皆とコミュニケーションをとるようになって、少しずつ変わってきているよ」

加蓮「それなら良いけど……でも、凛、泣かせたら殴ってやるから、あいつ」

奈緒「ははっ、怖えな」

凛「話したから、離してよ」

加蓮「え? なんだって?」ウリウリ

凛「加蓮!」

奈緒(……加蓮に、アニメを見せるのは程ほどにしておこうと心に誓った)




*翌日・情報室

加蓮「アタシ、アイドルになりたい」

凛「え?」

奈緒「は?」

加蓮「アイドルなりたい」

凛「……本気?」

加蓮「ちょーマジ」

奈緒「冗談ではないよな?」

加蓮「冗談では言わないよ?」

凛「……プロデューサーに話してみれば良い?」

加蓮「あ、ちょっと待って。それはまだ早い」

奈緒「どうしたいんだよ?」

加蓮「なりたいけど……なれるのかな? 実際のところ」

凛「……身体のこと?」

加蓮「うん。アタシって身体弱いじゃん? そんな子でもアイドルってなれるのかなって」

奈緒「どうなんだ、現実的に?」

凛「正直、体力ないと厳しいね。最低でも成人男性くらいないとやっていけないってトレーナーの人が言っていた」

加蓮「やっぱりかぁ……。うん、この話はなかったことに!」

奈緒「え? それで良いのか?」

加蓮「良くないけど、現役アイドルの凛の言うことだもん、正しいよ」

凛「……ごめん。シビアにしか言えなくて」

加蓮「ううん、その方が良い」

奈緒「……こういう時はあいつに聞くのが一番じゃないか?」

凛「あいつ? ……ああ」

加蓮「美少女!」




junk:無理だな

karen:がーん

benio:即答かよ……

junk:答えなんて、もう自分の中で出してただろ?

benio:そりゃ、そうだけどさ。それでも良い答えがないかってjunkに聞いたんだよ

junk:だから、俺は無理だと答えた

karen:やっぱり、体力ないから?

junk:それが一番大きい。アイドルなんて肉体労働だぞ? 一日中立っていないといけないし、歌って踊る必要も出てくる。第一、そう頻繁に体調を壊していられると、ライブを楽しみにしてくれていたお客さんがどう思う?

karen:それは、駄目だね

junk:だろ? だから、俺は無理だと答えるしかない

benio:で、でもよ、売り出し方とかで何とかできるんじゃないか? ほら、鷺沢文香みたいに

strawberry:それは難しいですね。確かに文香さんは文系寄りの活動をしていますが、それでもライブは行いますし、最低限の体力は備えているはずです

karen:そっか……

junk:……どうしてもアイドルになりたいのか?

karen:え?

junk:どうなんだ?

karen:なりたい。だって、女の子なんだから一度は夢みたいもん。人生なんて、このたった一回なんだから

junk:そうか。……それなら、毎日俺が言った運動をできるか?

karen:……正直、分かんない。でも! 可能性があるならやってみたい!

junk:分かった。それじゃあ──




*自室

奈緒「本当にやるつもりか?」

加蓮『うん。これで可能性が出てくるなら』

奈緒「結構、ハードそうだったぞ?」

加蓮『それでもやってみる。無理だったら、どのみち体調崩すだけだし』

奈緒「それが大変なんだろうが、そこまで言うんだったら止められないな」

加蓮『うん、見てて』

奈緒「分かった。でも、junkの言ったトレーニング内容で良いのか?」

加蓮『我らの美少女を信じているから』

奈緒「まぁ、あいつは美少女だからな」

加蓮『奈緒も薄々気付いているんでしょ?』

奈緒「今日は踏み込んできたな?」

加蓮『踏み込むよ。アタシの夢が懸かっているんだから』

奈緒「多分、予想が正しければそうなんだと思う。まぁ、それっぽいだけで根拠は薄いけどな」

加蓮『結構ヒントはくれてるっぽいけどね』

奈緒「あー、結構露骨だったかもな」

加蓮『だね。……奈緒、アタシ頑張ってみる』

奈緒「ああ、応援するよ。……なぁ、加蓮。あたしの夢も聞いてくれるか?」

加蓮『うん、聞かせて』

奈緒「あたしの夢はな──」




fin……ではないです。続きます

でも、次回最終回

最初から読み直していると何故か、karenがカレンを視聴継続しているところでクスッて笑ってしまう

上から順に
まぁ、延々と続けられる話ではありますが、ここで終わらせないと終わる機会がなくなるので
答え合わせの準備をしていてね(予想と違っていても怒らないでね)
こっちの加蓮の頑張りは時間を参考ください(そして、ヒロインぽい展開です)

>>415
時間を参考→次回を参考

他のメンバーは今のところ考えていませんが、芳乃とか機械に疎そうなメンバーが楽しそうですね
(書くとは言っていません)

ごめんなさい。伏線回収と加蓮の不安解消のイベントでしたが、ちょっと登場人物を不憫にさせてしまいましたね
加蓮は登場人物の中では、割とリアル寄りの性格のため、第一印象が悪いと大体そのままになります




これ以降、チャットメンバーのネタバレ注意

投下を始めます(区切りが良いところがありますので、一旦そこで切ります)




*シンデレラプロジェクトライブ当日

加蓮「すごい……」

奈緒「ああ……」

加蓮「凛、輝いているね」

奈緒「ほんとあいつは凄い奴だよ」

加蓮「凛がどんどん遠いところに行っちゃう」

奈緒「……それはあたしの台詞だよ。加蓮は追いかけているんだろ?」

加蓮「どうだろう? 追いかけられている、のかな?」

奈緒「junkのトレーニング、一度も投げ出していないんだろ?」

加蓮「うん。おかげで体調を崩すことはなくなったよ。何故か持病もほぼ完治っぽい」

奈緒「なら、追いかけられているさ」

加蓮「それなら、嬉しいな」

奈緒「まぁ、ともかくはだ、今は今日の主役を存分に味わおうぜ」

加蓮「うん、凛を食べちゃおう!」

奈緒「高級過ぎて、買えないけどな」

加蓮「だね。ここに居る人の誰かが凛のファンで、アタシたちみたいに、釘付けになっているんだから」

奈緒「ほんと凄いことだよ」

加蓮「アタシもいつかは……そうなりたいな」

奈緒「……応援、しているから」

加蓮「うん!」

奈緒(凛のライブは大成功を収め、シンデレラプロジェクトの名前も世間に、より一層浸透していった)




*karenさんが入室しました

karen:あたしだ

strawberry:橘です。こんばんは

fumi2:こんばんは、karenさん。

junk:おっす

benio:さっきぶり

karen:ねぇねぇ、junkさん

junk:なんだ?

karen:あたし、すっごい体力ついてきたよ?

junk:おぉ、毎日頑張っているのか?

karen:うん。今のところ休みなし!

junk:頑張ったな

benio:本当に頑張ったなって私も思う。でも、junkのメミューの組み方も上手かったよな

karen:そのおかげで続けていられるんだよ。ありがとう、あたしのことを考えてくれて

junk:……実のところあのメニューはリハビリ運動を改良したものだから、そんなに胸を張れる代物ではないんだけどな

karen:だから、健康的になってきたんだ。でも、リハビリはアタシ、したことあるよ?

junk:正直な、明確な目標があるのとないのとでは、本人のやる気が違ってくる。karenはリハビリの時、今ほど頑張れたか?

karen:ううん。嫌々やってた

junk:そう言うことだ




karen:それじゃあ、そろそろあたしアイドルなれるかな?

junk:気が早いな。あくまでもあのメニューは人並みの体力をつけるものだから、もうちょっと頑張らないとな

karen:うん、頑張れるよ!

benio:本当にkarenは夢に近づいているんだな

strawberry:そんなこと言って、benioさんも先に進んでいるじゃないですか?

karen:うんうん。養成所に通うためにバイト頑張っているよね

benio:夕方の三時間と休みの日だけだけどな

junk:それでも、明確な目標をもってやれるなんて偉いさ

fumi2:はい。私など高校生の時はただ親に与えられるのが当たり前と生活をしてきていますので、恥ずかしくなってきます。

benio:いやさ、junkの言葉の意味を考えてみたんだ。大学に行ってから将来を考えてみる。最初は先延ばしかと思ったんだけど、本当のところは見聞を広めてから社会に飛び込んで来いってことだったんだよな?

junk:どうだろうな

benio:いいさ、私の中ではそう言うことだから。だから、私は大学に通いながら、自分で稼いだお金で養成所に通う。今だって、バイト代は一円たりとも手を付けていないんだぜ?

strawberry:ご立派ですね

karen:あたしもbenioにクレープおごれなんて言えない雰囲気だよ

benio:それは自分で買えよ!




junk:立派になったもんだな、二人とも

karen:美少女に鍛えられたからね

benio:まぁ、美少女のおかげだ

junk:もしかして、俺の中の美少女象が間違っているだけで、美少女って師匠的な何かか?

benio:サンキューな、junk

karen:ありがとう、junkさん

junk:……どういたしまして、と言う程のことはしていないさ

strawberry:何だか最終回の雰囲気ですね?

fumi2:本の中での感動的な場面と重なります。

karen:あのー、あたしまだアイドルになっていないから最終回まだ早いんですけどー

benio:私なんて養成所に通えるかどうかすら分からないんだぞ?

junk:最終回って言うのは、そうだな……このチャットが終わる時が一旦、最終回だな

benio:え? 終わんの……?

junk:サーバー終了とかで終わることもあれば、人が集まらなくなって自然消滅もありうる

strawberry:前者は仕方がないですけど、後者は嫌ですね

karen:あたしも嫌だ

benio:私もだ。当たりだろ




junk:……俺はいくつかチャットをしてきているから、いつかは終わりになることを知っている

karen:嫌だよ

junk:いや、終わることは悪いことばかりじゃない。ここに集まらなくなるってことは、それぞれが新しい進路に進んだって言うことだ

fumi2:生活のリズムが変わったと言うことですね。

junk:そうだ。それは新生活、進学や就職、そう言っためでたいことでもある。だから、終わりが来たとしても、悲しむことじゃない

karen:それでも終わるのは嫌だな

strawberry:私もです。そこで、提案があるのですが

benio:提案? 何かあるのか?

strawberry:junkさんの言う通り、いずれは終わりが来るのでしょう。永遠はないと誰かも言っていました。ならば、終わりを迎えてもなお、続く関係を作ることができれば良いのではないのでしょうか?

karen:ふむふむ

strawberry:つまり、一言で言えばですね。オフ会をやりましょう!

junk:オフ会か……

karen:オフ会って、皆で実際に集まる奴だよね? やるやる!

benio:遂にその誘いが来たか……って加蓮、すんなり参加かよ!

karen:えー、楽しそうだよ?

benio:昔の会話忘れたのかよ……ってこれ凛との会話だったっけ? あ、私も参加希望な




karen:さてさて、美少女さんとfumi2さんはどうする?

junk:いつ、どこでやるんだ? その辺も決めないと参加も何もないだろ?

strawberry:それはおいおいで構わないでしょう。今は参加の意思があるかどうかです

fumi2:私は大丈夫です

junk:fumi2!? ……いや、分かった。俺も参加するよ

karen:やったー! 実際の皆に会えるの楽しみ!

strawberry:苺持っていきますね

benio:苺好きだな!? まぁ、私も楽しみだ

fumi2:私も皆さんに会えるのがとても楽しみです。

junk:はぁ、そう決めたわけか

fumi2:はい。


junk:……なぁ、karen。アイドルになりたいか?

karen:うん、なりたいよ





junk:それじゃあ、俺のところに来るか?

karen:うん。あたしをアイドルにしてください、junkさん






あと少しで終了ではありますが、あえてここで止めておきます

今日中に投下します。あと、加蓮が唐突にヒロインぽいですね

お昼に投下予定です。実は残り3レスしかありません
各人の正体もそんなに意外ではないです……


junk:バレバレだったか?

karen:ヒントいっぱいもらったからね

benio:そうだな。最初は勘違いも考えたけど、長い付き合いになって確信したよ

junk:そうか、まぁ、そうか

junk:なぁ、benio。うちの会社いつも雑用の人手が足りていないんだよ。そのくせ人件費をケチる。だから、学生バイトが都合良いんだ

junk:うちでバイトしてみるか?

benio:おう。是非とも頼む

junk:良いのか? 即答で

benio:だって、karenと一緒に居られるんだろ? 願ったり叶ったりだ

karen:わあ! それ最高!

junk:四六時中は居られないけどな

karen:それでも良いよ!

fumi2:それでは、私の正体も明かさせていただきます。

strawberry:fumi2さん、それは止めてください。確かにオフ会を行えば全員に明らかになります。それでも、それでもなお、私はfumi2さんをfumi2さんとして扱いたいのです

benio:橘に賛成かな

karen:異議なし

fumi2:しかし、それでは……。

junk:皆がそれで良いと言うんだから良いんだ。……全員がfumi2であることを望んだんだ

fumi2:皆さん、ありがとう、ございます。

junk:さあて、ほとんどバレているようなものだが、俺の正体は別に良いよな?

strawberry:どうぞどうぞ

karen:良いよ

junk:皆、軽いな……

junk:そうだな、正体と言っても個人としては知らないだろうから、まずは俺の仕事から語らせてもらおうか

junk:俺は──




*benioさんが入室しました

benio:ごきげんよう

junk:姉様、ごきげんよう!

fumi2:こんばんは、お姉様。

karen:ごきげんよう!

strawberry:こんばんは

strawberry:……いつも気になっているのですが、何故benioさんが姉様と呼ばれているのですか?

junk:目の前の板で『benio 姉様』ってググってみい?

strawberry:なるほど……ふふっ、懐かしいね?

fumi2:はい。つい昨日のことのように思い出せます。

karen:ぶーぶー、あたし知らない

benio:karenは最初から失礼な奴だったからな

karen:それ、関係ない!

junk:まさか、ここまで長い付き合いになるとは思わなかったな

karen:あたしも

strawberry:あたしもだね~

benio:そうだな。しかし、私もそろそろ進学か……

junk:金は貯まったか?

benio:ああ、貯まった。と言うよりコネができたから何とかなりそう

junk:コネは重要だな

strawberry:うんうん、重要だね




fumi2:皆さん、先日はライブにお越しいただき誠にありがとうございます。

karen:本当に最高だった! あたしもあんな舞台に立ってみたい!

benio:久しぶりに客席参加だったけど、ほんと盛り上がったよな!

strawberry:fumi2さん、天使~♪ クンカクンカ♪ はっ!? 意識が!?

junk:文字だけでうるせぇよ!

strawberry:良いのかな? 明日もハスハスしちゃうよ~

junk:勘弁してくれ

karen:……まさか橘ちゃんに先を越されていると思わなかったよ

benio:挨拶ってそう言うことだったのかよって……

junk:そう言えば、先日言っていたフリゲの話なんだけど

strawberry:あ、ちょっと詰まっているんだよね

benio:難しいよな。でも、それでこそやりがいがあるってもんだ!

karen:皆、いつゲームで遊んでんのよ……

fumi2:junkさんに遊ばせていただきましたが、やはり私には少し難しいようです。

junk:ここのボスがさ

strawberry:エクスカリパーじゃ駄目なのかな~?

benio:エクスカリパー(笑)

karen:強そう! あれだよね、はぁっ! って感じの

fumi2:エクスカリバーもしくはエクスキャリバーとも言いますね


奈緒(こんな感じであたしたちのチャットは今日も続いていく)



                         終わり






そんなわけで『神谷奈緒「チャット」』は終了となります
下記、説明等を含むため非常に長いです。お急ぎの方は最後の行だけで大丈夫です



チャットメンバーの正体は皆さんの想像と一致していましたでしょうか?
(スレ内で確認できた限りだと橘のみ正解者がいなかったようです。名前だけは別の人で出ていましたが)
短編物語の味付け程度の要素だったので、結末まで見てがっかりしてしまった方には、本当に申し訳ございません
少しでも満足していただける方がいらっしゃいましたら、嬉しい限りです
以下がこちらでの解釈となります。

橘の正体に関しては正体の人の趣味が一番最初にありましたのでそこからと、完璧な擬態ができそうな人物象からです
そのため、序盤では完璧に橘を演じ、素を出す場面でもギリギリ元の彼女に見えるかどうか程度に抑えています
中盤辺りまでの会話だけで彼女を判別するのはかなり難しかったのではないかと思います
どちらかと言えば、趣味、思考辺りから察していた人の方が多かったことでしょう
逆に、junkとfumi2は特にひねりもなくほぼストレートに描いていますので、そのままに捉えてもらって大丈夫です
当初は、橘だけ正体を明かさない予定だったのですが、ここまで来て明かさないと怒られるな(笑)と思い最後で明かしています
(なお、偽junkはキュートな担当アイドルの仕業です)
ちなみにチャットメンバーの実名を今も明かしていないのは、一応オフ会に残しているためです(書かない可能性も高いですが)
あと、全員の正体を前提に最初から読み直すと、なかなか……
個人的にはjunkの立場で読むと、fumi2関係でニヤニヤできて楽しいです

こそあどや口語文等、実際の会話を想定して描いていましたので、読みづらい部分も多々あったかと思います
また、突発企画や誤字脱字も多かった中、読んでいただきまして、感謝いたします

今回のテーマに奈緒を一般人のまま最後まで進めると言うものがありましたが、結局半分は足を踏み込んでいましたね
たまには奈緒のこういう立ち位置も良いものだと思い、今回はそのように描いています



ここまでお付き合いいただき誠にありがとうございました
また機会がありましたら、どこかでお会いしましょう



スレで見ると本当に>>446長過ぎですね。うわって言っちゃったよ……

疲れた! でも、書いていて楽しかった!

長い時間お付き合いいただき本当にありがとうございました!

保護者に関しては、理解した上で橘のそこの台詞を読むと分かるかも

今日はちょっと時間がありましたので、テキストファイル版を用意しました

どうしても理解できない、や、結局正体は誰? 等どうしても疑問が残る方はこのテキスト内の一番下に
設定メモがありますので、それで少しは解決できるかもしれません

ただし、想像の余地とかも潰す直接的なネタバレですので、避けたい方はおすすめできません

ダウンロード先は↓です。若干誤字修正もしています。PASSはbenio
ttp://filescase.com/src/GEN100MB5418.txt.html

保護者のところで来たのがあれだとしたらあっちに行ってなかったってことになるが…
なぜこっちにきたのか

OK。また、アイドル的な知名度がなかった本物の橘も売れてきている模様
>>459
ライブ17~18時、公録19~20時くらいの設定です。個人的に公録は夜のイメージがありまして

知ってから見直すと何か所か素だったり自分の知識を披露してたのねってわかるな

橘のほうはポスターのあたりの会話で
芸能関係者うんぬんで言いよどんだような感じになったのがアイドルやってるって判断の証拠かにゃ?

benioとkarenがおっさんは美少女だって言っていたよ……

>>462
個人的には読み直しでの2回目が一番楽しめるような気がします
その時点じゃまだ違いますね。描いていない空白期間が正解です。ただきっかけはポスターと言えなくもないですね

携帯じゃ見られないんですけど
せめてpixivにあげるとかしてほしい

>>466
スマホでは確認していたのですが、携帯は想定していなかったです(自分もガラケー持ちなんですがね)
pixiv初めてだからこれで良いのかな? 近いうちに消しますので、早目にご確認いただけましたら幸いです
ttp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=7283935

無断使用は一番最後の人だけですね
あれはサブキャラの括りと言うか、あくまでも自分用の設定資料ですから見づらいのは勘弁です

>>469
ありがとうございます
俺の環境が悪かったみたい

>>474
見ることができたようで良かったです


ちなみに、もしオフ会編を書く場合は別スレを立てますので、このスレでの本編は>>445で終了となります
正直内容が難しいので書けるかは分からないですし、気力も現状足りないので、いずれにしろすぐには書けないです
(書く場合は『神谷奈緒「オフ会」』でスレ立てします。書かない場合は立てません)

テキストファイルは、正体を気にせず奈緒の日常を読んでもらえればと言う気持ちもありましたので、お役に立てているようでしたら嬉しいです

質問・感想等ありましたら、答えられる範囲で(答えられれば)返答させていただきますので、そのようにしてスレの残りはご活用下さい
もちろん、そのまま落としていただいても問題ありません

ありがとうございます。少し経ったらHTML化依頼は出しますので、ご安心ください
まゆは普通に怒られて、普通にシュンとしました。何だかんだでそれが一番効くのかもしれません

パス設定はありましたが……そもそも物真似の領域を超えた再現をしていた人なのでそのくらいやってのけるのでしょう
おっさん発言も本人だったら言うと思ったらしいですが、ここは意外に本人がナイーブでした
この辺でなんでも知っているわけではなく、知れるようになりたいと言う過程にあることが分かります。好きよりも、憧れが今は強い感じです

そうですね、以前にも同様のご要望をいただきましたが、とりあえず保留にしています
前回芳乃と書きましたが、幸子を突っ込んでみたいところもありますね。奈緒は居ないといけないので、強制参加です
菜々さんも良いですが、あの人意外に書きづらいところもあるんですよね。いずれにしても、その時の気力次第です

めっちゃ良かった
どんな形であれ次回作に期待

ポロっと喋っちゃうのと違って書き込みというワンクッションあるから自爆芸やりにくそう
音声入力?知らんな

>>483
そう言っていただけると、今回書いて良かったと思えます

>>484
実際に書く時も結構気を遣っています。特にfumi2の場合、『……』を入れすぎるとわざとらしくなるので難しかったです
そんな意味では色々やれた橘はある意味楽でした。音声入力をチャットで使う人は果たして居るのか……

お蔵入りになる可能性がありますので、これだけ投下させていただきます


奈緒「チャット」番外編冒頭


*346プロダクション社内

奈緒「しっかし、広い会社だよな?」

加蓮「さっきエステルームまであったよ?」

奈緒「流石、アイドル事務所だな」

加蓮「大企業だもんね」

奈緒「ん? ここは休憩室か?」

少女「……」カキカキ

加蓮「あ、あれ! 輿水幸子!」

奈緒「あ、マジだ!」

幸子「おや? どこからかカワイイボクを呼ぶ声が」

奈緒「おい、加蓮のせいで休憩中に邪魔したじゃないか!」

加蓮「奈緒の声も大きかったよ!」

幸子「いえいえ、大丈夫ですよ。良かったら、入ってきてください」

奈緒「なんかすみません……」

加蓮「サインください!」シキシデス

奈緒「おい、加蓮!」

幸子「ふふっ。良いですよ」カキカキ

幸子「どうぞ」

加蓮「わぁっ! 大切にします! ありがとうございます!」

幸子「喜んでいただけたようで何よりです」ニッコリ

奈緒(滅茶苦茶良い人だな……)




加蓮「あの、幸子さんは何をしていたんですか?」

奈緒「あれ、もしかして、授業のノート?」

幸子「あ、これはお恥ずかしいところを。授業に遅れがちですので、ノートを清書しているところでした」

加蓮「ノートを清書、ですか?」

幸子「はい。どうしても授業中にノートをとると、板書を写すだけになってしまいますので、理解を深めるためにも再度ノートを整理することにしているんです」

奈緒「へぇー」

加蓮「それ、分かります! アタシも授業は遅れがちなので、後で友達からノートを借りて写すんですけど、ただ写すだけじゃ全然理解できていないんですよね」

幸子「分かってくれますか! いやいや、中々理解されない趣味なので、嬉しい限りです」

奈緒(え? 趣味なの?)

幸子「ところで、失礼ですが新人アイドルの方ですか?」

加蓮「は、はい……と言いたいところなんですが、今日はただの見学です」

奈緒「あたしは来週からここでアルバイトをすることになったから、その下見だ……です」

幸子「良いですよ、普段通りの話し方で。なるほど、見学なのですね。どうです、中々面白いところでしょう?」

加蓮「はい。普通の会社ではありえないんじゃないかなって施設ばかりで、凄いと思います」

幸子「ボクは別の事務所を見たこともありますが、ここまで設備が充実しているのはここくらいですね」

奈緒(そう言って、さわやかな笑顔で説明してくれる。……本当に良い人だな)




加蓮「あ、ごめんなさい。清書の邪魔をしてしまって」

幸子「いえ、手持ち無沙汰なだけでしたので。ボクの趣味を理解できる人とお話できただけでも、今日の出会いは素晴らしいものとなりました」

加蓮「……」ジーン

奈緒(あ、加蓮が感動している)

加蓮「アタシたちとチャットやりませんか?」

奈緒「加蓮!」

奈緒(何でいつもいつも唐突なことを言い始めるんだよ! 幸子さんに迷惑だろ!)

幸子「チャット、ですか? 良いですね!」

奈緒(乗ってきたし!?)

幸子「実は文香さんのプロデューサーさんにチャットルームを作ってもらいましたので、良ければそちらに招待しますよ?」

加蓮「え、junkさん?」

幸子「おや? プロデューサーさんのハンドルネームをご存じでしたか」

奈緒「……実はここを見学することになったのも、junkがチャットで提案してきたからなんだよ」

幸子「プロデューサーさんとチャットをされている方なのですか!? 文香さんも確か参加されていますよね?」

奈緒(もしかして、この会社では有名な話なのか? そう言えば、前にjunkが会社の許可とっているとか言っていたような……)




加蓮「はい。fumi2さんとはいつもお話させていただいています」

幸子「やっぱりそうでしたか。ああ、ボクもそっちに参加してみたいですが、ボクはボクで自分のチャットルームがあるので、そうもいきませんね」

奈緒「普通に参加しても良いんじゃないか?」

幸子「一応、ボクは別の部署ですからね。その辺りはわきまえています。ですが、こちらに参加していただくのは全然問題ありませんので、よろしければ」

奈緒(そう言って、幸子さんからチャットールームのアドレスとPassが書かれた紙をもらう)

加蓮「本当に参加しても良いんですか!?」

幸子「はい。ご遠慮なく参加ください。あ、ただチャットは毎週土日の夕方以降にしか行っていませんので、それだけはご了承ください」

奈緒(そんなわけで、あたしたちは輿水幸子のチャットルームへの参加資格を得た)

幸子「またチャットでお会いしましょう。いつも応援ありがとうございます」

加蓮「はい! サイン、大切にします!」

奈緒(幸子さんは別れ際でも良い人だった)




チャット参加者はbenio、karen、kawaii、robo、???

続きを書けそうだけど、長くなりそうな感じなので保留中の物です

HTML化依頼出してきます

お疲れ様でした、そこら辺を歩いていそうな自然なキャラクターたちの描かれ方や生っぽいセリフがとても好きです。続きがあるなら是非読みたい!
差し支えなければ、過去に書かれたものについて教えていただきたいのですが…。

>>497
注意して描いた部分を気にいっていただけたようで嬉しいです

過去作はこのスレのリンクにもありますが

渋谷凛「もしも武内Pが山育ちのティーチャーだったら……?」
・リハビリ中だったため、ちょっとぎこちないですが、合う方には合うかもしれません

赤城みりあ「ねーねー、プローデューサー」
・スレタイで誤字ってます。内容は短編集。しかし、完全にリハビリのために書いたため、内容が残念なのでお勧めはしないです

実はアイマスSS以外だとそれなりに書いていますので、100点超えて消しづらくなったPixivに一作だけアップしておきました
もし元ネタを知っていましたらどうぞ(このSSの1.3倍くらい長いです。当時の設定メモもあります)

続きに関しては近々報告できそう、かな

500取らせてもらいます。気付いたらテキストファイルのダウンロード数がとんでもないことになっていた……

以前いただいたご要望の別メンバーチャット型式ですが、お応えできそうでしたので下記にサンプルを載せておきます



robo:ああ、junkのところの

sse:junkさんね

karen:やっぱり有名なんだ、junkさん……

robo:何しろチャットルームを用意してくれたのが、彼だからね。今までチャットというものを使ったことがなかったが、いやいや実に興味深いものだよ

sse:Lineともまた違った感じで、私も新鮮に思いながら使っているわ

kawaii:ボクもこうして交流を増やすことができて満足しています

benio:もしかして、junkが用意したチャットって他にもあるのか?

kawaii:ありますよ。誰が行っているのかは不明ですが、密かに流行っているような話題を聞くことがあります

benio:……どっかで流行の最先端とか会話した記憶がよぎるな



今回の曲者枠robo、隠す気のない人sse、お前しかいないだろkawaii

構成で少し悩んでいますが、いずれにしろオフ会と番外編は同一スレになると思います

そんなわけで何とか目途がついてきましたので、近いうちに『神谷奈緒「オフ会」』でまたお会いしましょう

オフ会編はとりあえず20KBくらい書けました。ちょっと迷う部分があってスレ立てはまだですが、一先ず順調かな

それはそれとして、このSSの前日譚(橘)の一部が副産物で出来上がったのですが、賛否ありそうな感じです

とりあえず、Pixivまだ残していましたので下記に投下しています
ttp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=7293756

病み気味の橘と後半シリアス展開必須で需要があるのか悩んでいたりしますので、軽く読んでご意見をお聞かせいただけましたら嬉しいです

497です、過去作拝見させていただきました。どれも方向性は違えど(大なり小なり)ミステリーの要素が含まれていて、今作と一本の筋道でつながっているように感じられました。「内容が残念」と仰られていますが、面白さも偏在していましたよ。ご丁寧なお返事ありがとうございます。
pixivに掲載していただいた続編のスケッチも読みましたが、この作品においての1さんのキャラクターひとりひとりの舵の取り方とストーリーの舵の取り方がとても好きなので、私としては「作者の好きなように書くべきだ」と思います。今作が好きで最後まで読んだ方々も、恐らく1さんの筆を信用していらっしゃると思いますよ。

皆さん、ありがとうございます。前日譚は書けましたら、どこかで日の目を見るようにしたいと思います

>>508
全てのお言葉にありがとうございます
しかも、あの長い作品まで読んでいただけたようで、本当に感謝いたします


神谷奈緒「オフ会」のスレを立てました。↓になります
神谷奈緒「オフ会」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1474875110/)

もしよろしければ次スレでもお付き合いいただけましたら、嬉しく思います

あ、橘ですが、現在書けているところまでPixivを更新していますので、興味のある方はどうぞ

ただ、正式に公開(投下)する時と内容が異なる場合があります

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