敵「新鮮な触手を使ったマリネだ。君の身体は魔法をかけて私の支配下に置いているからなぁ
命令には逆らえんぞ。さぁ、食べろ!」
美少女戦士「くっ……! イヤ!そんな物食べられないぃいい!気持ち悪いのに勝手にぃい! いやぁ……!」
敵「フフ、その内その味の虜になって、触手最高と叫びだすさ」
美少女戦士「そんな訳ないでしょ! ……んむっ!」
美少女戦士(触手口に入れちゃったよぉお、何これ、ヌルヌルできもくて、触手がクニクニコリコリして……)モグモグ
敵「感想を述べろ」
美少女戦士「さ、最初はヌルヌルに戸惑うけど、そのぬめりが酸味をマイルドにして触手を噛めば噛むほどじんわり味がして美味しい……!」
敵「フハハ!そうだろう? クニクニとした歯触りが癖になるだろう?」
美少女戦士「くっ!勘違いしないで。確かにこのマリネは美味しいけれど、触手の栽培は性犯罪の多さから法律で禁止されてるのよ
どうせそういうエッチなことにも使ってるんでしょう!この犯罪者が!」
敵「だから触手を栽培している私を退治するという訳か? やれやれ、この触手はただの食用だというのに。色々な調理法があるんだぞ?」
美少女戦士「嘘をつかないで! 早く私の魔法を解きなさい!」
敵「ふぅ……そう急かなくてもいいだろう。次の触手を見てくれ」
美少女戦士「何あれは……透明な中に緑の……卵?」
敵「そう、この卵、何に使うと思う?」ニヤッ
美少女戦士「ま、まさか……これを私の体に産みつけ……」
敵「ハハハ! このサラダにトッピングするのさぁああ!さ、卵を産んでくれ!」
触手「」ズリュッ…ズプゥ…
美少女戦士「うえ、糸引いててキモ……緑だし……」
敵「さ。食べろ」
美少女戦士「ヤダヤダヤダ!そんなキモイの食べられないいいいぃい!」
プチプチッ
美少女戦士「!」
敵「ふふ、さぁ、お味はどうだ?」
美少女戦士「サッパリシャキシャキした生野菜のサラダの中で卵がプチッと弾けて爽快……!
中から芳醇な液体が出てきて生野菜とよく合ってて、これならドレッシング無しでも食べられる……!」
敵「そう、ドレッシングをかけるとしんなりしたり、変色してしまう野菜もこれなら見た目も食感を損なわず美味しく食べられる!
君にもそろそろ触手の素晴らしさが解ってきたかな?」
美少女戦士「クッ……でもマリネもサラダもさっぱりしているわ。色んな調理法って割には少ないし、やっぱりエッチなやつなんでしょ!」
敵「おや、いつ私がレパートリーがこれだけだと言った」
美少女戦士「なっ、もう触手も卵も食べたのよ! これ以上食べるところなんて無いわ!」
敵「やれやれ。想像力が乏しいな……さぁ、これを見なさい」
美少女戦士「なに? このカップは……赤いけれど、ローズヒップ? 湯気がたって……」
敵「飲め」
美少女戦士「……」ゴクゴク
美少女戦士「……海鮮スープ……? しょっぱい中にもコクがあって、ホッとする味わい」
敵「ほう。命令される前に感想を述べるとは」
美少女戦士「どうせ言わされるんだか先に自分から言うだけよ。一々命令されたくないからね」
敵「フン、生意気な娘だな。お前が今飲んだのは乾燥させた触手で出汁を取ったスープさ」
美少女戦士「これが触手で……」
敵「水の中に天日干しした触手を入れ沸騰と同時に取り出すしたスープ、何度でも口をつけたくなるだろう?」
美少女戦士「……確かに、美味しいし見た目もただのスープでとっつきやすいかも」
敵「ハハハ! 中々解るじゃないか! さて、では次の品を味わってもらおうか」コトッ
美少女戦士「……ジュージュー音をたててるわね」
敵「あぁ。アツアツの鉄板だ。気を付けて食べろよ」
美少女戦士「ありがとう。このナイフとフォークで食べるのね?」
敵「あぁ、大き目の触手をカットして焼いたステーキだ。味付けはシンプルに塩コショウでな」
美少女戦士「……ぐにぐにしてるのかと思ったけれど、案外スッと刃が通るのね。焼くと変質するのかしら?」サクッ
敵「ほう、するどいな」
美少女戦士「……生のヌルヌルした触手とは違って、身が柔らかくホロッと崩れる……
そうね、例えるならレバーみたいな食感で、旨味が溢れて口の中いっぱいに香りが拡がるわ……そして……くっ」
敵「フ……その料理を食べていたら、そろそろおねだりがしたくなってきたんじゃないか?」
美少女戦士「誰が……誰がアンタなんかに……」
敵「ふーむ……これが欲しくないのか」
美少女戦士「あ……」
敵「いらないなら私が食べてしまおう。この触手ステーキとホカホカご飯をなぁああ!」ムシャムシャ
美少女戦士「くぅううっ!」
敵「んん~触手に白いご飯! 溢れてきた旨みを白米が包み込み箸が止まらないっ!」
美少女戦士「ご飯なんか欲しくない……欲しくなんてぇえぇ……っ!」
敵「ほろほろ崩れた身とご飯が絡み合い、白米の甘味が引き立つなぁ……!米も旨い!流石像印!」
美少女戦士「……ぅっう……っ」
敵「おやおや、どうした涎が出ているぞ?」
美少女戦士「よ……っ、よだれなんて出てないわよっ!」ゴシゴシッ
敵「素直にご飯を下さいと言って頭を下げたらどうだ」
美少女戦士「この私が何でアンタに頭を下げなきゃいけないのよ!」
美少女戦士(食べたい……っ、絶対に合う! ご飯とステーキを一緒にかきこみたい……っ!
でもおねだりなんて無理!……ど、どうせ拒否していても魔法で無理やり食べさせるはず……!)
敵「強情だな、気に入ったぞ。ご褒美に魔法をかけてやる」
美少女戦士(ほらね!)
敵「白米が食べられなくなる魔法をな」
美少女戦士「えっ」
敵「意地悪しているのも辛くなってきたからなぁ。白米が口に入った瞬間に霧になってしまう魔法をかけてやる」
美少女戦士「な、なんで……」
敵「そうすればご飯を食べたいのにおねだり出来ない、なんてジレンマに悩まされることも無いぞ?
おねだりしたところで白米が食べられない身体なのだからな!」
美少女戦士「や、やめてっ……!」
敵「なに、一生では無いさ。私が料理を振る舞っている間だけ……さぁ魔法をかけてやる……」スッ
美少女戦士「やめてぇええぇ!食べたいっ! ご飯食べたいのぉおお!!」
敵「んん? 聞こえんなぁ?」
美少女戦士「許して!謝るからご飯食べさせてぇ!」
敵「おやおや、若い子は口の利き方が解らないみたいだねぇ。せっかくこの私が用意しているのにそんな態度とは」
美少女戦士「お願いしますぅう! もうご飯我慢できないんですっ!象印のつやつやふっくらアツアツのご飯かきこみたいのぉお!」
敵「アーハッハッハッ! いいぞ!いいぞ!ほら食べてもいいぞ!」
美少女戦士「うっ、うぅ! 美味しいぃ! 触手がホロホロ崩れて舌の上でペーストになってホカホカご飯と絡む!
塩コショウのシンプルな味付けなのに飽きが来なくていくらでも入っちゃうぅうう!」ガツガツッ
敵「はぁ、そんなに豪快に食べては可愛い顔が台無しだな。飢えていた訳でもないのに……フフッ」
美少女戦士「ハァ、ハァ……一気に食べちゃった……」
敵「さて、では次は……」
美少女戦士「次は何なの!?」
敵「君はせっかちだなぁ。ほら、これさ」
美少女戦士「……ゴロンとそのまま触手ね。不透明になってるけど、火を通したの?」
敵「あぁ、これは触手の先の丸い部分。そしてここを見てくれ」
美少女戦士「あれ……丸くなっていない方が透明でフサフサしてる。これは?」
敵「触手の皮をねじったものだ」
美少女戦士「皮? 皮なんてあるの?」
敵「あぁ、透明な薄い皮に身が入っているのさ、今までの料理はは皮を剥いてきたが
これは触手の先を切り取って、反対側の中身を少しくり抜き皮を捩じったものさ。ウィンナーのようにね」
美少女戦士「確かに見た目もウィンナーみたいね」
敵「あぁ、ボイルした触手さ。さぁガブッといってくれ」
美少女戦士「あぁ……フォークが皮に刺さったところから触手汁が溢れ出す! いただきます!」
敵「召し上がれ!」
美少女戦士「んんー! じゅわっと口の中にあっつい汁が飛び交うわ!
焼いたホロホロした食感と生のクニクニした食感の間の不思議な感覚!」
敵「こっちの2本目の触手も食べてみてくれ」
美少女戦士「こっち?何が違うの?」プチッ
美少女戦士「んっ! 卵ね!ジューシーな触手の中で酸味のある卵が弾けて口の中を爽やかにしていくわ!」
敵「ふふ、いけるじゃないか。さぁ飲み物がほしいだろう? 飲むがいい」トクトク
美少女戦士「さ、サイダー!? そ、そんなの……絶対美味しいじゃない……っ!」
敵「さぁ、グビッと!」
美少女戦士「ぷはーっ!喉越し最高ぅうう! 触手汁を洗い流していって、仄かな甘さがまたしょっぱい触手に手をつけたい衝動を起こしていくわ!」
敵「どうだい? 触手が食用になるってこと、解って貰えたかな?」
美少女戦士「……認めるわ。こんなに美味しい食材だったなんて……!」
敵「しかも痩せた土地でも育つ上に育成も簡単、一部分を切り取ってもすぐ再生!
栄養も豊富で、調理法も色々、揚げ物もサラダにも煮物にもできるのさ!」
美少女戦士「いいことづくめじゃない……っ!」
敵「さて、では一番美味しい味わい方をしてもらおう。さぁ、口を開け!……いけ!」
触手「」ズボッ
美少女戦士「うっ! んんんん!!?」
美少女戦士(く、口の中に触手が! やっぱりエッチなことをする気なの!?)
触手「」ドピュ
美少女戦士(いやぁっ! 口の中に何かドロッとした液が!なにこれ!……ドロッとして、ひんやりしてて
甘くて木の実みたいな香ばしさとマイルドな味わい、それでいて喉ごしスッキリ……!)
美少女戦士「美味しいっ! フルーティだけどアッサリしすぎない甘さ!」
敵「そうだろう? ヤハリ触手は生の搾りたてミルクが一番だ!」
美少女戦士「くっ……完敗よ……もっと」
敵「もっと?」
美少女戦士「もっと色々あるのよね!?」
敵「あぁ、揚げた触手にソースをたっぷりかけたり」
美少女戦士「ふわぁあぁ」
敵「味をしみこませてラーメンに乗せたり」
美少女戦士「絶対美味しいやつぅう! お願い!もっと食べさせてぇ!なんでもいうこと聞くからぁっ!」
敵「ふ、ハハハ! いいぞいいぞ! 我々の仲間にしてやろう!しっかり働くのだぞ!」
美少女戦士「はいっ!」
敵「さぁ、今日の触手のお味はどうだ?」
美少女戦士「イイ! 美味しいのぉお!触手最高ぅううっ!」
おわり
終わりです
依頼出してきます
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