ゴジラ「いやーハリウッドから帰国したけどダイエット失敗したわ」 (124)

シン・ゴジラ「ただいm」


アンギラス「誰だお前ェェェェェェェェェェッ!!!?」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1472738646

※このSSはシン・ゴジラのネタバレしかありません。ご注意ください。

シン・ゴジラ(第2形態)「あっ!?お前……久し振りに会ったやつにそれはないんじゃないの!?」

ズリュズリュズリュ…

アンギラス「キモいキモいキモいキモい!?誰だお前!?なんだその移動方法!?こっち来んな!!」

シン・ゴジラ(第2形態)「おまっ……ヒッデェ奴だなオイ!ホントに俺が誰か見てわかんねーのか?」

アンギラス「見てわかんねーのかってそっちこそ大丈夫!?僕のこと誰かと間違えてない!?ってかその眼なに!?ちゃんと僕のこと見えてんの!?何処見てんの!?」

シン・ゴジラ(第2形態)「あ?ばっかオメー見えまくりだっつーの。お前のタワシみたいなマヌケな姿も上も下も後ろも360°丸見えだっつーの」

アンギラス「余計怖いわ!!」

シン・ゴジラ(第2形態)「お前なぁ……ほんとにわかんないの?俺様の偽者を見破るのに定評のあるアンギラス様の癖にさぁ」

ズリュズリュズリュ

アンギラス「来るな来るな来るな来るな!!怖いんだよその移動方法なんだその中途半端な体型!?」

ゴジラ「あ!お前なぁ!そういうのよくないんだぞ!相手の身体的特徴を悪くいうとか最低の」

ゴジラ「あっ……」ブルッ…

アンギラス「……?」

ゴジラ「やべ、体液漏れた」ダパーッ

アンギラス「ぎゃあああああああエラからなんか出た!?」

ゴジラ「……っ」ブルッ…

ゴジラ「あースッキリした……」フー…

ゴジラ「な?よく見てみろよどっからどう見てもハリウッドスターかつ皆のアイドルゴジラ様だろーが」

アンギラス「な?じゃねーよ!!今の何処見てゴジラと判断できるんだよ!どっから出てきたその『な?』は!!」

ゴジラ「元気だなお前」

アンギラス「よしんば100歩ゆずって仮にお前がほんとにゴジラだとしても50年シリーズ追い続けたファン達でも初見でわかるわけないわ!!」

ゴジラ「いやいや……流石にそれは……いやいや……」

アンギラス「証拠だ!証拠を見せろ!」

シン・ゴジラ(第2形態)「証拠?」

アンギラス「お前がほんとにゴジラならゴジラ本人しか知らない事を話せるはずだ!」

ゴジラ「最近ミニラの身長が2m伸びてさ」

アンギラス「ほんとに本人しか知らなそうな情報出すんじゃねぇよ!真偽わからんわ!!」

ゴジラ「お前は俺にどうしろっていうのよ……」

アンギラス「あ!そうだ!熱線だ!ほんとにゴジラなら熱線を吐ける筈だ! 」

ゴジラ「今無理」

アンギラス「無理なの!?あっさり!?」

ゴジラ「今出るもんっつったらこれしか」ダパーッ

アンギラス「出すな出すな出すな!なんだそれお前ほんとになんなんだよ!」

ゴジラ「だから皆のアイドルゴジラ様だっつってんだろ!!ぶち殺すぞ!!」

アンギラス「あ、今のはゴジラっぽい」

アンギラス「……ほんとにゴジラなの?」

シン・ゴジラ(第2形態)「だからホントだっつってんだろ嘘なんかつくかよ」ダパーッ

アンギラス「……ほんとに?」

ゴジラ「ほんとほんと」

アンギラス「えー……?」

ゴジラ「いやマジだって」

アンギラス「……」

ゴジラ「……」

アンギラス「……」






アンギラス「じゃあ渡辺謙のことなんて呼んでる?」

ゴジラ「ケン・ワタナベ」

アンギラス「久し振りだねゴジラ」

ゴジラ「おう。お前ちょっと殺すわ」

アンギラス「なんなの?どうしたのよ君その姿」

シン・ゴジラ(第2形態)「だからさっきも言っただろ馬鹿野郎ダイエット失敗したらこうなったんだよ」

アンギラス「それが事実なら馬鹿はどう考えてもお前だろうが」

ゴジラ「いや俺ハリウッド言ったじゃん?」

アンギラス「言ったね」

ゴジラ「世界的スターになったじゃん?」

アンギラス「そうなの?」

ゴジラ「ハリウッドスターじゃん?」

アンギラス「そうだっけ?」

ゴジラ「お前俺を傷つけてなんかメリットあんの?」

アンギラス「そういえばハリウッド出たんだったね」

ゴジラ「おう、まぁな」フンス

ダパーッ

アンギラス「それやめろ定期的に垂れるそれ」

シン・ゴジラ(第2形態)「でもさー……映画は世界的にヒットしたけどさー……ちょっと気になる事があってさー」

アンギラス「伊福部音楽がなかったこと?」

ゴジラ「いやちげーよ。確かにあったらもっとワクワクしたけどね個人的に」

アンギラス「英語喋れなかったせいで登場シーン削られた話?」

ゴジラ「誰が俺の恥ずかしいエピソード暴露しろっつったよMUTO出番増えまくって良かったねで片付けたわ」

アンギラス「人妻の口にゲロ流し込んだ怪獣とかネットに書かれてた話?」

ゴジラ「お前は俺と戦争がしたいのか」

アンギラス「じゃあなんなの?何が気になったの?」

ゴジラ「流れでわかんだろ?ダイエットっつっただろーが。つまり」

アンギラス「デブを治したかったのか」

ゴジラ「うん、まぁそうだけど今お前への殺意すごいよ俺話振ったの俺だけどさ」

アンギラス「気にしすぎだと思うけど」

シン・ゴジラ(第2形態)「バカヤローお前俺様はスターだぞ?体型には人一倍、いや怪獣一倍気を付けるに決まってんだろ」

アンギラス「腕と瞼消えて脱色まで起きるダイエットって他にもっと気を付けるとこあったろ」

ゴジラ「うるせーな!お前に俺の何がわかるんだよ!東宝の契約書に遠回しに『ちょっと太りすぎなんで撮影までに痩せてください(はぁと)』って書かれた俺の気持ちがわかるか!?」

アンギラス「デリケートか」

ゴジラ「これでも大分体重戻ったんだぜ?」

アンギラス「そうなの?」

ゴジラ「おう。ここ来る途中までは完全にオタマジャクシみたいな姿になってたからな」

アンギラス「え?そういうもんなの?ってかダイエットなのそれ?」

シン・ゴジラ(第2形態)「そもそもハリウッドで撮影してた時アメリカのスタッフ俺のこと影でなんて呼んでたか知ってるか?」

アンギラス「なんて呼んでたの?」

ゴジラ「ファットマン」(※実話です)

アンギラス「コメントし辛いわ」

ゴジラ「それを知ったとき悔しかった……」

アンギラス「色んな意味で触り辛いんだけど」

ゴジラ「あぁ、思い出す……あの辛いダイエットの日々……」





回想






ミニラ「……」

ゴジラジュニア「……」

ゴジラ(ギャレゴジ)「あーやっぱ休みはゴロゴロするに限るわ……」fatfat

ミニラ「……」

ゴジラジュニア「……」

ミニラ「……父ちゃんさ」

ゴジラ「あー?」ゴロゴロ

ミニラ「……」

ゴジラ「なんだよー……父ちゃん久し振りのお休みなんだぞー?」

ゴジラジュニア「……」

ゴジラ「なんか用かー?」ゴロゴロ

ミニラ「……」

ゴジラジュニア「……すごく言いにくいんだけどさ」

ゴジラ「あー?」ゴロゴロ




ミニラ「……痩せないの?」

ゴジラ「え?」

ゴジラジュニア「正直、太りすぎかなって」

ゴジラ「」

ゴジラ「ばっ……」

ゴジラ「お前らな……お前らこれは違うぞ?これはアレだよお前……太ってるんじゃなくてマッシヴっつって」

ミニラ「そりゃハリウッドで撮影してた時はまだマッシヴで通じてたと思うけどさ……」

ゴジラジュニア「帰ってきてゴロゴロするようになってからはなんていうか、どんどん……」



ミニラ&ジュニア「中年太り……」


ゴジラ「」





ゴジラ「お……お前ら……っいや……でもよ、うん……いや、これは……」

ミニラ「もうすぐ日本でも新しいゴジラの撮影始まるんでしょ?」

ジュニア「流石にその体型は息子として恥ずかしいかなーって……」

ゴジラ「」ガーンッ



ゴジラ「……っ!」ブルブル…

ミニラ「やっぱり僕達怪獣王の息子だしさ」

ジュニア「父さんにはずっとカッコいい父親として映画に出て欲しいかなーって」

ゴジラ「……っ!!!!」ハゥッ

ジュニア「っていうか東宝との出演契約書に「もっと痩せて(要約)」って書かれてるし」

ゴジラ「」グサッ

ミニラ「やっぱり外から見ても太りすぎだと思われてんだよ」

ゴジラ「」グササッ





ゴジラ「……上等だコラ……!」



ミニラ「!」

ジュニア「!!」



ゴジラ「太りすぎだと……?どいつもこいつも言いたい放題言いやがって……やってやる……!」




ゴジラ「ダイエット大作戦だ!!」

モスラ「それでなんで私の方に来るんですか」

ゴジラ「ばっかオメーダイエットについて聞くなら女に聞くのが一番良いに決まってんだろほんと虫頭だなオメーは」

モスラ「仮に私が人間の女性ならオッサンにいきなりダイエットについて聞かれたらセクハラもしくはセクハラでしばき倒してると思いますよ」

ゴジラ「怪獣にセクハラとかあるわけねーだろ。とにかくさぁ、痩せるにはどうしたらいいか教えてくれよ」

モスラ(なんで私が……)

モスラ「それにそれ誰かに物を尋ねる態度ですか」

ゴジラ「俺知ってんだかんな平成モスラ三部作作られる時お前がメチャメチャ気合い入れて体型搾ったりこっそりポーズの練習しまくってたの」

モスラ「……っ!?」

ゴジラ「なー頼むよー!ダイエットの仕方教えてくれよ!経験者だろー!?」

モスラ(他言される前にここで抹殺しておくべきだろうか……)

ひょっとしてゴジラがガメラ締めようとしたら怪獣大戦争になったあの人?

モスラ「あくまで一般的な話ですがダイエットとは基本的に適度な運動や食事制限によって行われるものです」

ゴジラ「適度の度合いがわかんねーな」

モスラ「基本的には少し苦しい程度の運動が効果があるとか」

ゴジラ「それ毎日ってしんどそーだな ……」

モスラ「楽に痩せれたらこの世にダイエットで苦労する人間も怪獣もいませんよ」

ゴジラ「やっぱオメーも苦労したの?」

モスラ「ノーコメントです。あと他言しないでくださいね」

ゴジラ「わかってんよオメー俺様怪獣王だかんな。乙女心もバッチリよ」

モスラ(アホなんかなこいつ)




ゴジラ「よーしまずは適度に身体を動かすからやるか」

ゴジラ「動かしすぎた」マッチョマッチョ

ジュニア「気持ち悪っ!?」

ゴジラ「想像以上に鍛えられてしまった」

ミニラ「何それどうなってんの!?父ちゃんなんか……なんかスゴいことになってるよ!?」

ゴジラ「腕の太さが首ぐらいあるな」マッチョマッチョ

ジュニア「痩せるんじゃなかったの!?横幅広くなってるよ!?」

ゴジラ「今なら筋力だけで全ての物事を解決できる気がする」

ジュニア「脳みそまで筋肉になってる!?」

ミニラ「しっかりしてよ父ちゃん!色々おかしいよ!具体的に言うと多分頭からおかしいよ!」

ゴジラ「ちょっと頑張りすぎただけだろ……そこまで言うなよ……」マッチョマッチョ

ジュニア「無理だよ!言うよ!ここで甘やかしても良い方向に転ばないもの!!」

ミニラ「痩せなきゃダメなんだから脂肪が消えればいい訳じゃないんだよ!?」

ゴジラ「えー……えー……?」マッチョマッチョ

ゴジラ「まさかあそこまで息子たちにボロクソに言われるとは……クソッ格好いいパパのイメージがズタボロだ」マッチョマッチョ

ゴジラ「しかしさっき海面に写った自分を見たけどぶっちゃけキモかったのも事実……アイツらの言うことも一理ある」

ゴジラ「ここはやはり食事制限か……」
ゴジラ「……」

ゴジラ「……俺の食事制限ってどうすりゃいいんだ?」

ゴジラ「……とりあえず何もエネルギーとか補給せず鯨とかも食わずじっと過ごしてみるか」

ゴジラ「……絶対腹減るじゃん」

ゴジラ「こうなったら目を瞑り全く動かず心頭を滅却しあらゆる雑念を払うしかないな」ソレシカネーナ


ゴジラ「……」スゥーッ…


ゴジラ「……」





ゴジラ「ZZZ…」

ゴジラ・食事制限ダイエット1日目


ゴジラ「……」








ゴジラ・食事制限ダイエット5日目


ゴジラ「……」








ゴジラ・食事制限ダイエット2週間目


ゴジラ「──」

ゴジラ・食事制限ダイエット



3ヶ月目……










ミニラ「……最近父ちゃん見ないね」

ジュニア「アンギラスさんのとこにでも行ってるんじゃないの?」

ミニラ「……うーん……」

ジュニア「……ちょっと探してみよっか」

ミニラ「……!うん!そうしよう!」

ミニラ「おーい父ちゃ~ん!!」

ジュニア「お~い!!」

ミニラ「……いないね」

ジュニア「見つからないね」

ミニラ「どこなんだろう」

ジュニア「おかしいなー影も形もない」

ミニラ「ほんとに見つからないね」

ジュニア「いつもはこの辺でゴロゴロしてるのにね」

ミニラ「うん……あるものといえば父ちゃんによく似た118.5mぐらいありそうなやたらノッポなこの置物ぐらいだよ……」

ジュニア「そうだね……うーんどこ行ったんだろう……」

『息子よ……』

ミニラ「わっ!?」ビクッ

ジュニア「父さんの声だ!でも何処から!?」

ミニラ「わ……わかんない!」

『息子よ……ここだ……私はここだよ息子達よ……』

ミニラ「父ちゃん!?何処なの!?ってかキャラどうしたの!?」

ジュニア「父さんどこ!?……これ……上から声が響いて……」チラッ



ノッポなゴジラっぽい置物『……』




ミニラ「……」

ジュニア「……」





シン・ゴジラ『──久し振りだな息子達よ』




ミニラ&ジュニア「ギャアアアアアアアアアアア置物が喋ったぁぁぁぁぁぁぁっ!!!?」

シン・ゴジラ(置物)『置物ではない……私はお前たちの父ゴジラである……』

ミニラ「え……えぇ!?父ちゃん!?父ちゃんなの!!?」

シン・ゴジラ(第4形態)『いかにも』

シン・ゴジラ『我はお前たちの父、ゴジラである』

ミニラ「一人称ブレッブレになってる!?」

ジュニア「というかいかにもって……キャラどうしたの!?どうなっちゃったのそれ!?」

シン・ゴジラ『……』

シン・ゴジラ『極限まで己を追い込むダイエット生活……それが私をここまで変えたのだ』

ジュニア「変えたってレベルじゃないよ!?」

ミニラ「その前に父ちゃん大丈夫なの!?なんか身体ズタズタだけど!?」

シン・ゴジラ『ダイエット初めの頃……エネルギーを少しでも消費しようと体内放射とかしまくってたらお肌がガサガサになったのだ息子達よ……』

ジュニア「いやガサガサってレベルじゃないし!?赤身見えてて若干痛々しいよ!!」

ミニラ「眼も何処見てるかわかんないし……大丈夫!?僕たちのこと見えてる!?」

シン・ゴジラ『360°上下左右前後何処にいても見えているぞ息子たちよ』

ミニラ&ジュニア「逆に怖い!!」

シン・ゴジラ(第4形態)『すごく痩せた気がする』

ミニラ「いや……痩せてるよ!?間違いなく痩せてるけど!痩せてるけども!!」

ジュニア「でも違うよこれは!多分僕達の考えてた痩せてるゴジラとは若干違う感じだよ!?」

ミニラ「つか歯並び悪っ!何それ大丈夫なの!?」

シン・ゴジラ『歯……最早私には必要のない代物なのかもしれない……』

ジュニア「何言ってんの父ちゃん!?食事や喧嘩の時どうするんだよ!?」

シン・ゴジラ『他の怪獣との喧嘩など……最早くだらぬことに興味はない……』

ジュニア「仙人みたいなこと言い出した……」

ミニラ「興味ないって……あんだけ喧嘩っぱやかった父ちゃんは何処にいってしまったの!?」

シン・ゴジラ『私は悟ったのだ息子達よ……』

ジュニア「ほんとに悟ってた……」

シン・ゴジラ『この美しい空……広がる海の前では我々の空腹などちっぽけな問題にすぎないということに……』

ジュニア「空腹なの!?空腹すぎておかしくなっちゃったの!?」

ミニラ「僕たちが悪かったよ父ちゃん!!食べよう!なんか食べよう!?」

シン・ゴジラ『フッ……安心しろ息子達よ……今の私は食事などとうに必要なくなっている……』

ジュニア「んなわけないよ!父さん!なんか食べよう!?それか東宝の病院行こう!?」

シン・ゴジラ『落ち着くのだ息子達よ……そしてこの自然をまずは感じるのだ……』

ミニラ「仙人みたいなことはいいから!行こう!?病院行こう!?」

シン・ゴジラ『ダイエットを続ける内に……私の体は超省エネボディへと変化した……』

ミニラ&ジュニア「超省エネボディ!?」

シン・ゴジラ『今ならなんのエネルギーも補給せずにいつもと同じ運動量がこなせる気がする……』

ミニラ&ジュニア「そんなに!?」

シン・ゴジラ『水と霞さえあれば生きていける気がする』

ミニラ&ジュニア「そんなにっ!!?」

ミニラ「やばいよジュニア!完全に仙人みたいなこと言い出したよ!どうすんのこれ!?」

ジュニア「父さん!やめよ!?もうダイエットやめよ!?無理なダイエットは身体に毒って本当だったんだよ!!これ毒ってレベルじゃないけど!!」グイグイ

シン・ゴジラ『嫌だ!ダイエットまだ続けるんだ!!もっと痩せる!もっと痩せられる気がする!!』

ジュニア「それ以上痩せたらどうなるんだよ!?」

シン・ゴジラ『わかんないけどもっと痩せたらなんとなくサイズとか縮んで色も変わる気がする!!』

ミニラ「それ多分ダイエットじゃないよ!!別のなんかヤバイ奴だよ!!」グイグイ

シン・ゴジラ『離せ!もっと痩せるんだ!もっとダイエットしてそして絶対綺麗になってやる!!』

ジュニア「女子!?女子なの!!?」

ミニラ「今の時点でもう綺麗とはかけ離れてるよ!!やめようよ父ちゃん!!父ちゃぁぁぁぁん!!」

シン・ゴジラ(第4形態)『日本で新しい映画の撮影始まるししっかり痩せて撮影に望むんだ!!』

ジュニア「落ち着いてよ父さん!大体そんな姿じゃ撮影スタッフの人もビックリして……」

ミニラ「ジュニア」

ジュニア「!」

ミニラ「もうほっとこう……」

ジュニア「えっ……でも……」

ミニラ「多分東宝の人達がなんとかしてくれるよ。無理なダイエットがそんなに続く筈もないし」

シン・ゴジラ『よーし昨日より痩せるぞー』

ジュニア「……」

ミニラ「行こう。まぁなんとかなるよ。多分大丈夫大丈夫」

ジュニア「……」

シン・ゴジラ『まだまだ上半身は絞れるな……』

ジュニア「……」

ジュニア「……父さん、1つだけ教えて……」

シン・ゴジラ(第4形態)『……?どうしたのだ息子よ』

ジュニア「……」






ジュニア「……なんで腕ずっと上に向いてるの?」

シン・ゴジラ『……』

シン・ゴジラ『これは新作ゴジラヒットを祈願したレインメーカーの構えだよ息子よ……』

ジュニア(……)

ミニラ(レインメーカーだったのか……)

シン・ゴジラ(第4形態)『まだ……まだ痩せる気がする……』






シン・ゴジラ(第3形態)『心なしかさっきより痩せた気がする……でもまだ痩せれる気がしてきた……』






シン・ゴジラ(第2形態)『気のせいだろうかサイズどころか骨格とか色々変わったような気がする……ここまで痩せたらもう良いんじゃないだろうか……』



シン・ゴジラ(第2形態)『自分でもよくわからんぐらい痩せた気がする……まさかここまで痩せられるとは……自分で自分のダイエット力(ぢから)が怖くなるな……』



シン・ゴジラ(第2形態)『さて、じゃあ早速東宝の撮影スタジオに向かうか』


ズリュッ ズリュッ ズリュッ ズリュッ…


シン・ゴジラ(第2形態)『……?アレ?なんだろう妙に動きづらいな……』

東宝撮影スタジオ




新作ゴジラ監督・樋□「どうだ庵○……映画は撮れそうか?」

新作ゴジラ総監督・庵○「ん~……?うん……」

樋□「……」

樋□(鬱病だったコイツが立ち直り初めて……そこから少しでも良くなるようにと思って持ちかけた特撮の仕事だったが……やはりまだ本調子にはなれてないのか……?)

庵○「……」ハァ…




スタッフ「ゴジラさん入りました~!」




樋□「! おい庵○!ゴジラが来たぞ!生ゴジラだぞ!撮影始めようぜ!なっ!?」

庵○「ん? ……う~ん……」

樋□「……」

樋□「……しかしガメラには昔会ったけど俺もゴジラに会うのは初めてだな~!生ゴジラだ!生ゴジラってなんか刺身みたいだな!なんてな!」

庵○「……うん」ブツブツ

樋□「……庵○……」

樋□「庵野……お前は作りたいもの好きに作れば良いんだよ!特撮とか画作りとか、そういうのは俺が最高に仕上げてやっから!」

庵○「……」



スタッフ「か……監督!総監督!ご……ゴジラさん、来てくれてはいるんですが……」

樋□「おっ!じゃあさくっと適当に挨拶から済ませて撮影に……」

スタッフ「それが……」

樋□「???」

樋□「どうしたんだよ」

スタッフ「そ、それが……ゴジラさん……なんというか……イメチェンされたらしくて……」

樋□「イメチェンんんん~?なんだそりゃ」

スタッフ「その……なんというか、触り辛い大御所というか……なんというか……」

樋□「さっきから何言ってんだお前は?なぁ庵○」

庵○「……ん~?うん。じゃあ撮影始めよっか」

樋□「マイペースだな。で?そのイメチェンしたゴジラさんとやらは何処に……」


ズリュッズリュッズリュッ


樋□「んなんだこの音……?」




シン・ゴジラ(第一形態)『あ、おたく今回の監督さんたちですか?いやー初めまして、ゴジラです』


樋□「 誰 だ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ っ っ っ っ ! ! !
? 」

樋□「誰だお前!?なんだこれ!?なんだこの形容しがたいオタマジャクシみたいなこの……何これ!?」

スタッフ「ゴジラさんだそうです……」

樋□「ゴジラ!?これが!?思ってたのと違う!」

庵○「樋□、初対面の相手にこれ扱いは失礼だよ」ボケー…

樋□「お前は何マイペースに正論吐いてるんだよ!?」

樋□「っていうか……アンタ、ほんとにあのゴジラなのか!?」

シン・ゴジラ(第一形態)「なんだツミはってか」

シン・ゴジラ(第一形態)「そうです。初めまして、私がケン・ワタナベの盟友にしてハリウッドにも進出した怪獣王のゴジラです」

樋□「あ、やべ!こいつ絡み辛い!」

シン・ゴジラ(第一形態)「監督、アンタ特撮スゲェって聞いてるよ。今回は大御所とか立場とか関係なく皆チーム一丸となって、一緒に良い作品作りましょうね!」

ニュニュッ ←尻尾

樋□「良い感じのこと言ってるけどなんっっっだそれ握手のつもり!?どこ持てばいいの?掴んで良いの?どう反応するのが正解なんだよ!?」

庵○「初めましてゴジラさん、僕は今回総監督とかそういうのを務めることになった庵○と申します」

ギュッ

樋□「普通に尻尾握った……」

シン・ゴジラ(第一形態)「初めまして。よろしく。アンタ全然知らねぇな……何やってんだ?」

庵○「普段はアニメとかアニメとか作ってます」

シン・ゴジラ(第一形態)「アニメかー……俺らでアニメっつったらジラんとこのゴジラ・ザ・シリーズとかしか良い感じの無いんだよなー」

庵○「特撮大好きです」

シン・ゴジラ(第一形態)「素晴らしいね」

庵○「ゴジラよりウル○ラマン派です」

シン・ゴジラ(第一形態)「なんで今それ言ったの?」

庵○「じゃあ主人公がスプーンを使って人型ゴジラに変身するシーンから撮ろっか」

シン・ゴジラ(第一形態)「え!?今回そんな内容なの!?攻めすぎてない!?」

樋□「違うわぁぁぁぁぁっ!!違うだろ庵○!今回撮るのはこう、リアリティとかドキュメンタリーとかそういう感じの路線の奴だろ!!」

シン・ゴジラ(第一形態)「なるほどなー」

庵○「大丈夫だよ樋□……なんかインスピレーションというか心なしかテンションが上がってきたもの」

樋□「大丈夫なのか?もう色んな所に取材したり撮影協力頼んだ後だぞ?」

庵○「じゃあゴジラが初めて海で姿を現すシーン撮りましょうか」

樋□(やっぱり少しずつ元気になってる……この仕事やらせて正解だったな)

スタッフ「じゃあゴジラさんスタンバってくださーい!」

シン・ゴジラ(第一形態)「はーい」

ズリュッズリュッズリュッズリュッ

スタッフ「ほんじゃリハからいきまーす……3!2!1!」



……















樋□「ダメだァ!!どうしても撮れねぇ!!」ガシャーンッ

庵○「……」

スタッフ「一旦休憩入りまーす!」

庵○「樋□……大丈夫か?」

樋□「くそっ!ダメだ!どう頑張っても出来ねぇ!!上手くゴジラが撮れねぇんだ!!」

シン・ゴジラ(第一形態)「オイオイあんた……仮にもプロだろ?そんなに泣き言ばっか吐かずにさ、もうちょっとチャレンジしてみようぜ」

樋□「いやどう考えてもお前のせいだろォォ!!どういう撮り方してもお前がゴジラに見えないんだよ!!手も!足も!ないし!!つか色違うし!!」

シン・ゴジラ(第一形態)「え?あ、俺のせいなの?」

樋□「アングル変えるとか水や物で隠してどうこうなるレベルじゃねぇんだよ!辛うじて尻尾が撮影で使えそうなぐらいだろうが!!」

シン・ゴジラ(第一形態 )「まさかダイエットの弊害がこんなところで……」

樋□「ダイエット?ダイエットしたらそうなったの?それダイエットなのか?」

庵○「じゃあ、とりあえず尻尾だけでも撮ろうよ」

樋□「尻尾だけ?」

シン・ゴジラ(第一形態)「尻尾だけで良いのか?」

庵○「海面から尻尾だけ出せばそれだけできっと観てる人は『あ、これはゴジラの尻尾だ!!』って認識してくれるよ。尻尾以外は海面より上に出さずに撮影していこう」

シン・ゴジラ(第一形態)「顔出しNG撮影か。まぁどんな仕事も完璧に俺はこなすよ」

樋□「お……おいおい庵野!確かにそのシーンだけはその方法で誤魔化せるかもしれないけど他にも撮らなきゃいけないシーン沢山あるんだぞ!?上陸シーンとか……そこはどうすんだよ!」

庵○「じゃあ海のとこの尻尾だけ出すシーンから撮ろっか」

シン・ゴジラ(第一形態)「うぃ~っす!」



樋□「おい、庵○!!」

庵○「大丈夫大丈夫なんとかなるよ」

樋□「お前なぁ……ひょっとしてまだ鬱病が治って……」

庵○「樋□」

樋□「んん??」



庵○「最高の画作りを頼む」


樋□「……っ!!」





樋□「……」



樋□「……チッ!しょうがねぇなあ!!」


樋□と庵○は友達だった


……






庵○「良い感じに撮れたねぇ海面から尻尾が出るシーンとか」

シン・ゴジラ(第一形態)「おお~さすがプロだな」

樋□「まぁ俺達にかかればこんなもんよ」

シン・ゴジラ(第一形態)「やるなーあんたら」

樋□「次は上陸シーンとかだが……」

シン・ゴジラ(第一形態)「……?」

樋□「……流石に今日はもう無理だな。庵○、明日にしようぜ」

庵○「ん?……ん~そうだね、そうしよう」

シン・ゴジラ(第一形態)「まぁプロは体調管理とペース配分も大事だからな。身体壊しちゃ元も子もないし良いんじゃないの」

ズリュッズリュッ

樋□「洒落にならなそうな身体の壊れ方してる奴が言ってもなぁ……」

シン・ゴジラ(第一形態)「じゃあまた明日~!お疲れさまでーす」

ズリュッズリュッズリュッズリュッ





樋□「……」

樋□(今日はもう無理ってか……明日からの撮影が無理だよなこれ……)

樋□(ゴジラが手足もない火も吐けないという……あんなんじゃ上陸シーンも街破壊シーンも戦闘シーンも撮影できやしねぇ……つかアレゴジラなのかほんとに……しかも……)



シン・ゴジラ(第一形態)『あー久し振りの撮影でお腹空いてきた……今日ぐらいなんか食おっかなぁー』



樋□「肝心のゴジラがそれに全く気づいてねぇ……明日からの撮影一体どうなっちまうんだ……?」

庵○「見て樋□これさっきの映像ツーパターン撮ったけど二つ目の方が画的に映えるよね」

樋□「……」

樋□(折角庵○が本調子になってきたって言うのに……)

樋□「は~ぁ……せめて足ぐらい生えてくれりゃまだ陸上シーンの撮影も出来たのに……」









翌日



シン・ゴジラ(第2形態)「おはようございまーす」

ズリュッズリュッズリュッズリュッ


樋□「 誰 だ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ っ っ っ ! ! ! ? 」

シン・ゴジラ(第2形態)「なんか昨日より動きやすくなった気がする」

樋□「いや誰だお前!?昨日も言った気がするぞこれ!えっ!?アンタほんとにゴジラか!?」

シン・ゴジラ(第2形態)「他に何に見えるんだよ」

樋□「見えない!わかんない!えっ!?足生えてるの?確かに足ぐらい生えてくれって思ったけど……えっ!?足『だけ』!?マジで!?」

庵○「おはようございます。じゃあ今日は上陸シーンとか撮りましょうか」

シン・ゴジラ(第2形態)「うーっす!」

樋□「いやスルーかよ庵○ぉぉぉ!?これ見てなんも思わないのかお前は!?」

庵○「……んー……?アレ?ゴジラさんなんか変わった?」

樋□「リアクション薄い!つか気付いてなかったの!?」

シン・ゴジラ(第2形態)「実は昨日ロケ弁食べ過ぎちゃって」

樋□「太ってそうなっちゃったの!?そういうシステムなの!?」

シン・ゴジラ(第2形態)「テンション高いなアンタ」

樋□「寧ろなんで周りがそんな冷静なのかにビックリだよ」

樋□「上陸シーンとか確かに撮れるけど……これ客が見てもゴジラじゃなくてゴジラと戦う別の怪獣だと思うんじゃねぇのかこれ……つか顔キモくなってんなアンタ」

シン・ゴジラ(第2形態)「面と向かって言うんだ……」

シン・ゴジラ(第2形態)「……え?そんなキモい?」

樋□「キモいわぁ……」

シン・ゴジラ(第2形態)「自分ではマスコットキャラ枠狙える程度には可愛い顔かなって思ってんだけど……」

樋□「芸歴50年以上のオッサンが何言ってんだ」

シン・ゴジラ(第2形態)「やだ、この人ストレス貯まってるのかめっちゃズバズバ斬り込んでくる」

シン・ゴジラ(第2形態)「考えすぎだって。新作出る度に俺のデザインなんてずっと変わってきてるんだから今回も皆すぐわかるしすぐ慣れるって」

樋□「いや今回はそういうレベルじゃないと思う」

庵○「じゃあ上陸シーンとか撮ろうか」

シン・ゴジラ(第2形態)「オナシャース」

樋□「いやスルーかよ庵○!!流石にこのまま撮影するのか!?アレ見てみろよアレゴジラか!?」

庵○「……んー?」


ズリュッズリュッズリュッ


シン・ゴジラ(第2形態)「さーて撮影頑張るz……あ、やべ……」

ブルッ

ダパーーー ←体液

シン・ゴジラ(第2形態)「あーやべ。エラからなんかいっぱい出た」フーッ…




樋□「……」

庵○「……」

樋□「……庵○……」


シン・ゴジラ(第2形態)「あーやべ……床汚しちゃった……」ダパーーー

ビシャビシャビシャァ



樋□「……」

庵○「……」


庵○「……うん、じゃあ撮影始めよっか」

樋□「尚もスルー!?ちょっ……待て待てほんとにアレでゴジラって通す気か!?例え本人だとしても映画観に来た人らの誰が信じてくれるんだよ!?」

庵○「でも早く撮影終わらせて別のシーン撮りたいし……」

樋□「大丈夫か!?色々噛み合ってないぞ!?会話が!!意思疏通も!!……お前ひょっとしてまだ鬱病治ってないんじゃ……」

庵○「樋□」

樋□「……な、なんだよ……」

庵○「なんとかなるよ。どんな状況でも完璧な画が作れるさ」

樋□「庵○……お前なぁ……」




庵○「この現場には樋□がいるからな」

樋□「……っ!!」



庵○「最高の画作りを頼む」





樋□「……」


樋□「……チッ!しょうがねぇなあ!!」


樋□と庵○は友達だった

シン・ゴジラ(第2形態)「おー良い感じに撮影できたなー」

樋□「ただ街中を突っ切ってるだけだがな。だがどうよこの迫力は」

シン・ゴジラ(第2形態)「いやーやっぱスゲーんだなアンタら。ただズリュズリュしてるだけでこんな迫力になるとは」

樋□「あたりめーだろ俺達を誰だと思ってんだ」

庵○「ここのカメラあと2mm上にあげよう」

シン・ゴジラ(第2形態)「ミリ単位の拘りか」

樋□「まぁこいつはそういう奴だからな。付き合う俺達も大変さ」

庵○「ゴジラさんここあと2リットル体液出して欲しいからもっかい撮ろっか」

シン・ゴジラ(第2形態)「すごい難しそうなハードルさらっと課してくんのなコイツ」

スタッフ『本番いきまーす!』



樋□「じゃあ街中突っ切るシーン後半撮るぞー!」



シン・ゴジラ(第2形態)『……っ!!……っ!!』ズリュッズリュッ

シン・ゴジラ(第2形態)(や……やべぇ……ダイエットのせいか思ったより身体動かし辛い……!!)ズリュッズリュッ

シン・ゴジラ(第2形態)(くそっ……思ったよりしんどいな……)ズリュッズリュッ


シン・ゴジラ(第2形態)(うっ……本番だけど身体が……ゼェ…ゼェ…クソッ!ダイエットし過ぎた……!)ズリュッズリュッ





樋□「あ……あれ?アイツ予定のコースズレてないか……?」

庵○「……んー……?」

樋□「ルート外れてんじゃねぇか……ん!?あっ!オイやべぇぞ庵○!!あれ!」

庵○「……んー?」



進路先のマンション



樋□「や……やべぇ!あそこには今別の撮影チームが!!」

庵○「……!」








別進行チーム・マンションの中から避難するシーン撮影のため待機してる親子役エキストラさんたち(リハーサル中)



母「ほら早く用意して!」イソイソ

父「ちょっと待って!」イソイソ

息子「……」イソイソ



別チーム撮影スタッフ(演技指導担当)「はいOKでーす!本番もよろしくお願いしまーす!」




ズシィィィンズシィィィィン…



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…




スタッフ「……ん?」

エキストラ母「あ……アレ?」

エキストラ父「なんの音ですか……?」

エキストラ息子「……?」




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

シン・ゴジラ(第2形態)「やべ……本番中だけどもう限界……ちょっとこれに寄りかかろ……」


ズシィィィン… ←マンション


メキメキメキッ ←マンション




樋□「あ……あああああああああああああっ!!バカお前そのマンションはまだ中に別のスタッフ連中とかが……」





バキバキバキィッ



ガシャアアアアアアアアアアアアンッッッ





樋□「ああああああああああああああああああああっっっっ!!!?」

樋□「テメェェェェいくら大御所だからってふざけんなよ!!こういうの俺は言うからな!言っちゃうからな俺は!!」

シン・ゴジラ(第2形態)「本当に申し訳ないと思っている」

庵○「まぁ中の人たちもリアル倒壊に巻き込まれたけどなんとかアフロになっただけで怪我人出なかったしもう良いじゃないか樋□」

エキストラ母「……」(アフロ)
エキストラ父「……」(アフロ)
エキストラ息子「……」(アフロ)

樋□「なんでアフロになるの?爆発したとかならわかるけど」

庵○「それに咄嗟に中のスタッフがカメラ回したおかげでスゴいリアルな画撮れたよ。いやスゴいよこれは」

スタッフ(アフロ)「いやー咄嗟のことでしたが頑張りました」

樋□「プロ根性逞しすぎるだろ。安泰だよこの現場」

シン・ゴジラ(第2形態)「いやぁ……本当に心から申し訳ない」

庵○「図らずも大迫力のシーンが撮れたからこれはカットせずにいこう」

樋□「次はいよいよ自衛隊との初戦闘だ」

庵○「自衛隊の人達は今回全面協力だよ。ありがたいね」

シン・ゴジラ(第2形態)「いよいよ華のシーンだな。まぁ大暴れしてやるから任せろよ」

庵○「そこなんだけど……やっぱり低い姿勢のままだと画的に映えないから後ろ足で立ち上がってやろう」

シン・ゴジラ(第2形態)「え?立ち上がるの?」

庵○「立ってる姿を攻撃した方が映えるよねやっぱり」

樋□「まぁな」

シン・ゴジラ(第2形態)(立てるか……?いや、俺はハリウッドスターで芸歴50年以上のベテランだぞ!どんな要望でも応えて見せようじゃねぇか!)


シン・ゴジラ(第2形態)「しゃあ!やってやるぜ!本番いくぞ!!」

樋□「本番いきまーす!自衛隊の方達も準備お願いしまーす!」



自衛隊隊員A「俺生ゴジラ初めて見たよ」ドキドキ

自衛隊隊員B「俺もだ。思ったより色白で顔キモかったな」ドキドキ

自衛隊隊員C「写真とか映画で見るのと生で見るのは違うってホントだったんだな。よし、ヘリ飛ばそう」






庵○「はいそこで立ち上がってー」


シン・ゴジラ(第2形態)(よーし任せろ……こっから……)



グッ


シン・ゴジラ(第2形態)「……っ!」

シン・ゴジラ(第2形態)(あっ……やべ……思ったより身体上がらねぇ……!?)


ググッ…


シン・ゴジラ(第2形態)(あ……あれ?俺こんなに身体動かなかったっけ?)


シン・ゴジラ(第2形態)(ま……まさか……)




シン・ゴジラ(第2形態)(加齢で……!?)ガーンッ…

シン・ゴジラ(第2形態)(や……やべぇ……スタッフ達や皆が見てるのに……)

シン・ゴジラ(第2形態)(くっ……怪獣王が皆にカッコ悪い所見せるわけには……!!)


ググッ…


シン・ゴジラ(第2形態)「ふんグヌヌ……
っ!!」


グググググ…


樋□「おぉっ……立ち上がってきて……」



シン・ゴジラ(第2形態)「ぬぐぐぐ……」






シンゴジラ(第2形態)「ぬあああああああああああああああっ!!!!」


ガバァッ


に ゅ に ゅ っ ←腕




樋□「……」

庵○「……」

スタッフ「……」




シン・ゴジラ(第3形態)「……」




バラバラバラ… ←自衛隊ヘリ



自衛隊隊員A「目標を確に……!?目標が報告と違う!?」ガーンッ


「繰り返す!目標が報告と違う!?」




ワーギャーワーギャー




樋□「……」

庵○「……」

シン・ゴジラ(第3形態)「……」






シン・ゴジラ(第3形態)「やべっ」


クルッ

ドスドスドスドス… ザボォォォォォォンッ



樋□「今のは何だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!?」

庵○「はいOK」

樋□「OKじゃねぇだろ!?本番中に腕生えたぞ!なんなのアレ!?力んだら生えるの!?そういうシステムだったの!?」

シン・ゴジラ(第3形態)「いやー申し訳無い。でも生えた本人もビックリしてるからこれはこれでイーブンってことで」

樋□「いや意味がわからん!あのなぁ……これシーンごとの姿があまりにバラバラ過ぎて編集や切り貼りしようにも大変過ぎるだろ!どう収まりつけりゃ良いんだ!」

スタッフ「確かに最初の尻尾のシーンは兎も角腕生える前と後じゃ全然違いますもんね」

シン・ゴジラ(第3形態)「……まさかここまで自分の身体が予測不能だとはな……うん、プロとしてコンディションの調整を怠った俺に責任がある……申し訳無い」

樋□「うわぁぁぁ……これじゃ全部別の怪獣だよ!どうすんだよ……」

庵○「このままでいこう。スケジュールもあるし撮りたいシーン他にあるし」

樋□「えっ……でもどうすんだ……?」

庵○「『陸上に上がるうちに進化した』という設定にして今のシーンをそのまま使おう」

樋□「!!」

庵○「神が降りた気がする」

スタッフ「おお、なるほど……!」

シン・ゴジラ(第3形態)「オイオイ……こいつ天才かよ……」

樋□「すげぇ……その設定なら撮影したシーン全て無駄にせずにすむ……!!」

庵○「今日はあと編集作業とかに回して一度休んで明日続きを撮り直そう」

シン・ゴジラ(第3形態)「柔軟な現場判断……やるなコイツ」

庵○「映画でもなんでも実際に撮ってみないとわからないこと、浮かばないことってあるからね」

シン・ゴジラ(第3形態)「……!へっ!」



この時、ゴジラは頼もしいスタッフ達に映画の成功を確信したと後に語っている……



樋□「トラブルの原因ほぼお前だけどな」

シン・ゴジラ(第3形態)「じゃあまた明日だな。お疲れーっす」

スタッフ「お疲れさまでーす!」






シン・ゴジラ(第3形態)「……うーむ……アイツの言うことも一理……二理……四理ぐらいあるかもしれん」

シン・ゴジラ(第3形態)「ベテランの俺が現場を引っ掻き回してどうするよ」

シン・ゴジラ(第3形態)「今日はもうグッスリ眠って体力も体調も全快にして明日に備えねぇとな」




シン・ゴジラ(第3形態)「おやすみなさーい」




シン・ゴジラ(第3形態)「ZZZ…」



……


翌日



樋□「よし、今日こそゴジラと自衛隊のバトルシーンを撮るぞ」

庵○「ワクワクしてきた」ワクワク

自衛隊士官「よろしくお願いします」

庵○「なんだか調子が戻ってきたぞ。昨日のうちにホンと設定も大分修正して煮詰まった」ワクワク

樋□「良い感じになってきたもんな」

樋□「よし、改めて確認だ。今回はどんな感じでいくんだ?庵○」

庵○「イメージとしてはいつもみたいにわざと外したりせずに逆に撃つ弾全部ゴジラさんに当てるぐらいの気合いでやってください。普段の練習とかそういうの全部発揮するぐらいの勢いでいって欲しいです」

自衛隊士官「……よろしいのですか?」

樋□「?」

自衛隊士官「自分達で言うのもなんですが我々、普段メチャメチャ訓練してますよ。あまり漏らせませんがぶっちゃけ凄まじく頑張ってます」

樋□「そ……そんなに……?」

自衛隊士官「私は今回ゴジラ映画の撮影に初めて参加しますが……我々の攻撃にゴジラさんは本当に耐えられるんでしょうか?」

庵○「ゴジラさんだし大丈夫だと思います。多分。ダメだったらそれはそれで現場でホン変えるしかないですね。とりあえずそこはもう絵面の迫力優先で」

自衛隊士官「なるほど……わかりました」

樋□(……うーん……つっても今のゴジラって撃たれても大丈夫なんだろうか……あんな肌色っぽいボディじゃ全然強そうじゃないしなぁ)



スタッフ「ゴジラさん入りましたー!」

樋□「お、来たか。よーしじゃあ早速ゴジラと自衛隊の戦闘シーンを……」





シン・ゴジラ(第4形態)「おはようございまーす」



樋□「 も う い い わ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ っ っ っ ! ! ! ! 」

樋□「何だお前!なんだ!?そういう芸風なのか!?ウケると思ってやってんのかそれ!?」

シン・ゴジラ(第4形態)「起きたらスクスク育ってました」

樋□「朝顔か!ビックリしたわなんだその歯並び怖っ!?」

庵○「きっと歯を磨かず寝たんだね」

樋口「いや、多分違うと思う」

自衛隊士官(こ……これが生ゴジラ……スゴい迫力だ……!!)

シン・ゴジラ(第4形態)「いやー多分ダイエットのリバウンドだと思います。でもこれ以上太ることは多分無いような気がするんで撮影いっちゃいましょう」

庵○「じゃあ早速撮影しましょうか」

樋□「いや待て待て待て待て!こんなに一晩で急成長されたら撮影ポイント、角度、距離、位置、ルート、全部1回計り直しだろうが!」

庵○「そういえばそうだった」

樋□「大丈夫なのかよ庵○……ったくアンタほんとに引っ掻き回すな現場を!」

シン・ゴジラ(第4形態)「ベテランなのにわんぱく坊主で申し訳無い」

樋□「なんか腹立つなコイツ……ちゃんと謝るときぐらい相手の目を見ろよ」

シン・ゴジラ(第4形態)「あ、見てますよ360°前後左右上下こう見えて全部見えてるんで大丈夫です」

樋□「こえーよなんだコイツ」

庵○「じゃあ早速修正してから撮影入ろっか」

樋□「お前マイペースだな……付き合うこっちの身にも……今から修正するんだから良い画撮るための計算だって……」

庵○「樋□」

樋□「……!」



庵○「最高の画作りを頼む」

樋□「……っ!!」




樋□「……」



樋□「チッ!しょうがねぇなあ!!」


樋□と庵○は友達だった

スタッフ「もうすぐ本番入りまーす」



ゴジラ(まさかダイエット1つでこんなに大変なことになるとはな……無理なダイエットは身体に悪い……ミニラやジュニア達の言う通りだった……)

ゴジラ(撮影スタッフに迷惑をかけるとはプロ失格だな……猛省せねば)

ゴジラ(よし……こっからはベテランの威厳と堂々たる演技で現場を引っ張るか)




庵○「とりあえずゴジラさんはどんな攻撃くらっても平然としといてください」

ゴジラ「任せろってお前大抵の攻撃なら俺様ダイエットしててもノーダメは余裕よ」

庵○「おー頼もしい」

ゴジラ「へっ!任せろ男だってんだオメー」

庵○「自衛隊の皆さんはさっきも言ったように普段の訓練の成果全部ぶつけるぐらいの勢いでお願いします」

自衛隊士官「ベストを尽くします」



樋□「ほんじゃ本番いくぞー!3……2……1……GO!!」



自衛隊士官「よし、ヘリ部隊、攻撃開始!」

ズババババババババババババ←ヘリの射撃


ビスビスビスビスビスビスッッッ ←ゴジラの右目



シン・ゴジラ「あだぱぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!?」ガシャァァァァァンッ



樋□「カットカットカットカットォォォォォッ!?」

樋□「お……オイ!大丈夫かゴジラさん!?」


シン・ゴジラ「ゆ……油断した……この距離で寸分たがわず全弾右の眼球に撃ち込んできやがった……」プルプル



自衛隊士官「申し訳無い……!訓練の成果を発揮しすぎました……っ」アセアセ

庵○「んーいい絵面ですけど神業過ぎて逆に現実味ないですね。次のテイクでは適当に顔に当たれば良いぐらいに弾散らしてください」

自衛隊士官「わかりました……申し訳無い」

庵○「謝らなくて良いですよ。よくある事故です。寧ろ日本の未来は明るくて安心」

自衛隊士官「そう仰っていただけてあんしんです」フーッ



シン・ゴジラ「び……ビックリした……流石にこの展開は予想してなかったぞ……」

樋□「眼大丈夫か……?」

シン・ゴジラ「うん……眼は余裕だけど完全に油断したわ……」プルプル

樋□(コイツも大概おかしいんだなやっぱ……)


そして撮影は滞りなく進んだ……






樋□「いやーお疲れ。ところで次は米軍が撮影に参加するけど大丈夫か?」

シン・ゴジラ「米軍?ハリウッドの時も一緒に撮影したけどもう余裕のよっいゃんよ」

樋□「よし、じゃあこのままいくか!」

庵○「そうだね。次のシーンは……」



【米軍の爆撃を受けるが無傷で歩き続けるゴジラのシーン】



樋□「まぁ日付変わる前には撮影終わるだろ」

>>87
よっいゃんよ→×
よっちゃんよ→○

です。誤字失礼しました。

スタッフ「そろそろ爆撃入りまーす」

シン・ゴジラ「ういーっす」

樋□「絶対日常生活で聞かないやり取りしてたな今」

庵○「特撮楽しい」ワクワク












雲の上

撮影協力・米軍爆撃機





パイロットA「まさか日本の怪獣映画に出演できるなんてな……それもジャパニーズゴジラだ」

パイロットB「我々もプロ……仕事に私情は挟まない」

パイロットA「うむ。だから我々が今回の撮影にMOPⅡ……通称バンカーバスター(※)を使用するのにも撮影にかこつけて兵器の実験しちゃおうとかそういう感じの考えとか他意とか全くそういうのは無い」

パイロットB「うむ。ハリウッド版ゴジラ公開後にジャパンのネットのレビューに『米軍ほんと役に立たねぇな』『頭までピザだからダメなんだ』とか書かれてた事とかも我々は全く気にしてない」

パイロットA「ないない」

パイロットB「全くない」


パイロットA「……」
パイロットB「……」


キィィィィィィン… ←B29

(※)バンカーバスター……>>1のミリオタの友人いわく『これ効かなかったら人類の技術じゃどうしようもねぇぞ』『これでダメージ通らなかったら戦艦の46cm砲(トップクラスらしい)でもダメージ与えんの無理だぞ』ってレベルの代物。……らしい。

シン・ゴジラ「食らっても無傷で微動だにせず進めば良いのね。楽勝じゃん」フーッ…

スタッフ「本番入りまーす」

シン・ゴジラ「もうね、お前俺が今までどれだけの人類の兵器や苦難に耐えてきたの?って話よこれ。もうね、重みが違うよね。歴史の」ヤレヤレ



ヒュルルルルルルルル… ←バンカーバスター



シン・ゴジラ「大体普段から爆弾とかミサイルとかパトリオットとか核ミサイルとかね、いっぱい受けてるからね。隕石だってお前やっつけちゃったし俺に今さら爆撃とかね」



ヒュルルルルルルルル… ←バンカーバスター



シン・ゴジラ「もうね、今さらこんな爆撃なんかで」



ズ ン ッ ッ ッ

ゴパァァァァァァンッッッ



ブ シ ュ ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ッ ッ ッ


シン・ゴジラ「 あ 痛 っ た ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ っ っ っ っ っ ! ! ! ! ? 」



樋□「 え え え
え え え え え え え っ ! ! ! ? 」ガーンッ

樋□「ちょっとぉぉぉぉぉぉ!?メチャメチャ食らっちゃってるじゃん!?カメラ回ってるのにめっちゃ食らってるし悲鳴あげてるし血まで出ちゃってるよ!?」

庵○「あれはMOPⅡ……!完成していたのか……!」

樋□「! 知っているのか庵○!?」

庵○「痛そうだよね」

樋□「うん。そうだな……」

樋□「じゃねぇだろ!!ゴジラの奴大丈夫か……?」



樋□「……ん?」






シン・ゴジラ「……」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…






樋□「な……なんだ……!?身体が紫に光って……」

庵○「はいこれ樋□」

撮影用防護スーツ

樋□「えっ……つか庵○お前いつの間に着替えて……」

シン・ゴジラ「……っっっっ!!!!」

プルプルプルプル



シン・ゴジラ「あ……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」





シン・ゴジラ「 あ 痛 ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ っ っ っ っ ! ! ! ! 」


ゴバァァァァァァァァァァァァァァァァッッッ


樋□「えええええええええっっ!?あまりの痛さにゲロ吐いたぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」



シン・ゴジラ「いったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!?」


ゴバシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ

“放射線流”



樋□(防護スーツ)「げ……ゲロがあまりの高温によって収束されプラズマのように……!?」

樋□「いやどんだけ痛かったんだよ!?」

庵○(防護スーツ)「あぁ……わかるよ。僕も昔ね、うっかりレゴブロック踏んじゃっておんなじようになったもの」

樋□「……レゴは痛いもんな」



シン・ゴジラ「あぱぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!??」



バシュゥゥゥゥゥゥッッッ



チュドーン

ボガァァァァァァァンッッッ


ギャー!ワー!!


バクゲキキガオチター!

スタッフサンガマキコマレター


ミンナ…ミンナアフロニナッテルー!?




樋□「……」

庵○「いい絵面が撮れたね」ワクワク

樋□「……大丈夫か?」

シン・ゴジラ「いっ……たくねー!全然痛くなかったね。アレ演技だしプロの演技だし全然聞いてねぇし」

樋□「いや明らかに痛がってたろ。血出てたし」

シン・ゴジラ「血じゃないですー!体液ですー!わざと出したんですー!!」

樋□「どんだけプライド高いんだ!もう諦めろ!そして何故すぐバレる嘘をつく!!」

シン・ゴジラ「いやほんと聞いてないからね?ハリウッド版のとき撮影予定より街壊しちゃったからちょっと米軍に気を遣っただけだから!ほんとに聞いてねーし俺もう最強だし!」

樋□「その顔で凄むな!こえぇんだよその顔!」

庵○「いやーしかし良い画が撮れたね。このシーンのこことここ編集したらもっと良くなるよ」

樋□「……別撮りのヘリシーンで待機してた大○漣さんたちのヘリ巻き込まれたときはほんとにビビったけどな」

シン・ゴジラ「いやー肝が冷えたね。アフロにされたのにヘリの中の人皆許してくれて助かったわ。流石大御所は器が広いわ」

樋□「勘弁してくれよなホント……つかなんで大○漣さん達のヘリまで撃ち落としてんだよ……」

シン・ゴジラ「いや、なんか……自分の意思とは関係なくなんか今飛んでるもの撃ち落としちゃう感じになってるみたいで……」

樋□「無意識で!?つか完全にトラウマになってんじゃねぇか!!やっぱり痛かったんだろ!?」

シン・ゴジラ「痛くないですー!最強ですー!!」

庵○「んー……」

庵○「良い感じの画面だったけど……もうちょっと迫力が欲しいよねー」

シン・ゴジラ「え?NGなの?」

庵○「んー……いや、熱線吐く瞬間の顔のアップだけ別撮りで編集ならイケると思うんだけど……吐く瞬間にもっとこう、迫力がほしいかなーって」

シン・ゴジラ「迫力が?自分で言うのもなんだけどさっきのシーン結果的にスゲー迫力になったと思うけど……」

庵○「うーん……インパクトがなー……」



パンッ



庵○「そうだ、アゴを割ろう」

シン・ゴジラ「何言ってんだコイツ」

シン・ゴジラ「アゴ割ろうってなんだ。ダ○エル・ラドクリフみたいなイケメン路線狙おう的な」

庵○「左右にパカッと下顎が割れたらお客さんビックリすると思う」

シン・ゴジラ「俺もビックリだわそんなもん」

樋□「庵○……流石にそれは『そんなのゴジラじゃねぇ!』ってキレる連中とか出てくるぞ。いやこれまでも正直ギリギリの部分沢山あったけど」

庵○「何事も挑戦だよ樋□。絵面優先、やってみる価値はあると思う」

樋□「……確かに口から高熱を吐く以上下顎が割れるのは理には叶ってる部分もあるが……」

シン・ゴジラ「えっちょっと待って、さりげにアゴ自由に割れること前提で話してない?」

庵○「えっ割れないの?」

シン・ゴジラ「割れないよ?」

庵○「えっ」

シン・ゴジラ「えっ」

庵○「下顎割れないの……?怪獣王なのに……?」

シン・ゴジラ「ビックリしてるとこ悪いけど今までアゴが割れた怪獣王いなかったからね?」

樋□「手足ニョキニョキ生えるんだろ?アゴぐらいパカッと割れよ」

シン・ゴジラ「こっちの肩持つのかよ!?お前なぁ!気軽になんでも言っちゃってるけど俺にも出来ることと出来ないことが……」



パピッ


シン・ゴジラ「あ、背ビレから熱線出ちゃった」

樋□「なんでだよ」

シン・ゴジラ「わからん。興奮したから?」




ヒュルルルルルルルルルルルル…


ズガァァァァァァァンッッッ



ラドン「な……何が起きた……?」プスプス




樋□「あ、ラドンだ」

シン・ゴジラ「あー飛んでるものを察知したんだな」

庵○「偶然通りかかったのかな」

ラドン「くそっ……なんだったんだ今のは……せっかく空中散策を楽しんでいたのに……」

ラドン「……?ここは……東宝の撮影スタジオ?」

ゴジラ「よう、久しぶりだな」

ラドン「……?その声はゴジラか……?なんでお前がここに……」


シン・ゴジラ「よっ!」


ラドン「誰だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!?」


樋□(まぁ、そうなるわな)



シン・ゴジラ「会うの久し振りすぎて忘れちまったのか?薄情な奴だなー俺だよゴジラだよ」

ラドン「ゴジラ!?お前……ほんとにゴジラなのか!?なんだ貴様その姿!?」

シン・ゴジラ「ちょっとダイエット失敗しちゃって」

ラドン「ダイエット失敗!?ダイエット失敗でそうなったのか!?」

シン・ゴジラ「うん」

ラドン「お前……なんというか、色々アレだな。阿呆なんだな」

シン・ゴジラ「うるさいよ仕事のない無職の分際で」

ラドン「」ブチッ

ラドン「まぁ良い……貴様がなんであれ私には関係のないことだ。映画の撮影だかなんだか知らんが頑張れよ」

バサァッ

シン・ゴジラ「おう失せろ失せろ」

ラドン「フン!じゃあな」



バサァッ


パピッ ←背ビレ熱線



ラドン「ぐあああああああっ!!?」ズズゥゥゥゥゥゥンッ



シン・ゴジラ「うるせぇ奴だな」

庵○「どう?そろそろ下顎割れたりしない?」

シン・ゴジラ「こっちも忘れてた……」

シン・ゴジラ「あのなぁ、さっきも言ったけど割ろうと思って割れるもんじゃあ」

庵○「絶対インパクトあると思うんだけどなぁ」

ラドン「くそっ……どうなってる……全く……」

バサァッ

パピッ

ラドン「ぐあああああああっ!!?」ズズゥゥゥゥゥンッッ

樋□「頼むよゴジラ……コイツがこんなに食い下がるなんて最近だと珍しい、良い兆候なんだよ……アゴ割ってやってくれよ」

シン・ゴジラ「いやいやいや!そういう話じゃねぇだろ!つかお前はコイツを甘やかすなよ!!」

ラドン「一体どうなってる……ふざけやがって……」

バサァッ

パピッ

ラドン「ぐああああああああああああっっっ!!?」

ズズゥゥゥゥゥンッッ

ラドン「くっそぉ……一体全体どっから私に攻撃が……」プスプス…

ラドン「ん?」



チリチリチリ… ←ゴジラの背ビレ



ラドン「……」

ラドン「……」クイッ←翼

バサァッ

パピッ

バチィッ ←かすった


ラドン「……」



ラドン「……」




ラドン「」ブチブチブチィッ

シン・ゴジラ「だーかーらー!!アゴを割るなんて骨格分割しないとダメなレベルのは無理だってば!!」

樋□「手足生やしてる時点で説得力ねーよ!!頼むよ!!」

シン・ゴジラ「ダメです!割れません!!」

ラドン「おいゴジラ」

シン・ゴジラ「ん?」クルッ

ラドン「……」

バサァッ

ラドン「……」

シン・ゴジラ「……?おいなんなんだよ」

ラドン「……やはり貴様が正面を向いてれば背中の熱線はこっちを狙わんようだな」

シン・ゴジラ「?おいおいなんの話を……」



キィィィィィィンッッ



シン・ゴジラ「!!!?」

ラドン「……!!」ゴォォォォッ


“マッハ3の速度×質量3万トン×超硬いクチバシ”

“超音速衝撃粉砕嘴アタック”!!



ゴバキャァァァァッ!!



シン・ゴジラ「あだぱぁっっっ!!!?」

ゴチィィィンッ

ドシィィィィィィンッッッ




樋□「うおっ!スゲェ威力!!」

庵○「これだけの質量が音速の3倍で突っ込んでくるとそりゃあね」

シン・ゴジラ「ぐあああああああっ!!?が……顔面に……つかアゴに直撃した!!?」

ラドン「フン。自業自得だ馬鹿め」

バサァッ

キィィィィィィンッッ…






樋□「だ……大丈夫か!?」

シン・ゴジラ「わ……わからん……骨が割れたかもしれん……」

シン・ゴジラ「アゴの……アゴの骨が……」

庵○「……」

樋□「……」

シン・ゴジラ「……?」

シン・ゴジラ「……」






庵○「じゃあ撮影入ろっか」

シン・ゴジラ「畜生しかいねーのかこの現場は」


──こうしてテンションが上がっていった庵○は思い付くアイディアを全て組み込んでいった





庵○「今回の映画の設定はね、円○英二が生まれなかったから怪獣についての概念とかが浸透してないって設定なんだよ」

ゴジラ「テメェ俺様の産みの親の存在を抹消しようとは良い度胸だな」ガタタッ

樋□「いや設定!映画の設定の話だから!浸透してないから登場人物達の動きはこうしようって話だよ!寧ろ生まれないだけで怪獣の概念が根付かないってスゴさアピールだから!!」






庵○「米軍がMOPのお詫びに無人機いっぱい撮影で使ってくれってくれたからここで60本位背中から熱線出すシーン撮りたい」

シン・ゴジラ「ゼェ…ゼェ…ちょっと待って……マジで……さっきのシーンでスタミナが……」

樋□「どう考えてもダイエットのせいだな。とにかくスタミナがなさすぎる」

シン・ゴジラ「……くそっ!情けねぇ話だぜ……まさかダイエット1つでこんなことになるなんてな……」ゼェ…ゼェ…

庵○「……熱線20本ぐらいでも良いよ?」

シン・ゴジラ「ゼェ…ゼェ…優しくしてくれてありがとうよ……」ゼェ…ゼェ…







庵○「閃いた。電車を爆発させよう。名付けて無人在来線爆弾!」

樋□「無駄に語感が良いな」

庵○「新幹線とかも爆発させよう」

樋□「それっきゃないな」



シン・ゴジラ「電車が爆弾?まぁどんなシーンでも良いけどね。どうせ俺には大したダメージにはならないし」


チュドォォォォォォンッッ ドゴオオオオンッ

ズドドドドドドォォォォォンッッ





シン・ゴジラ「ぐあああああああああああ!!!?」

ドガシャアアアンッ



樋□「……思ったよりスゲェ爆発と絵面になったな」

庵○「たしかなまんぞくだね」











シン・ゴジラ「……いよいよ次の『血液凝固剤』を飲まされるシーンで俺はクランクアップか……」

樋□「……長いようで短かったな」

庵○「……まだ撮影は終わってないよ」

樋□「……そうだな」

シン・ゴジラ「……」

シン・ゴジラ「……悪かったな」

樋□「……ん?」

シン・ゴジラ「俺がダイエット失敗しちゃったせいで色々トラブル起きまくっちまっただろ。変更とか、予想外とか、色々あったからな」

樋□「……」

庵○「……」

庵○「……あのさ……実はね、僕ずっと鬱病だったんだ」

シン・ゴジラ「……?」

樋□「……」

庵○「……昔作った作品に自分の中の大事なものとか含めて全部出しちゃって使っちゃって……壊れちゃったんだよね」

庵○「だからって訳じゃないしそれが理由って訳じゃないかなぁと思うけど、この映画のゴジラが出ないパート、人間パートは予想外の事態やトラブルにどんだけぶつかっても立ち向かい続ける話で進めてるんだよね」

樋□「……」

樋□「生きてればまぁ、トラブルは必ず起きるからな。この現場みたいに。皆でベストを尽くして解決するしかねぇ」

樋□「アンタには振り回されたどこも確かにあったが……アンタもベストを尽くした。皆一緒さ」



シン・ゴジラ「……」

庵○「この映画はね、皆のベストを尽くしていきたいと思ってるんだよ。だからカメラの角度だってミリ単位で全然こだわっちゃいたいと思うの」

樋□「アンタのダイエットはまぁ、ベストを尽くし過ぎだとは思うけどな!」

シン・ゴジラ「……」



シン・ゴジラ「へへっ……」

シン・ゴジラ「なんつーのかな……上手く言えねーけどよ」

シン・ゴジラ「デキる連中が全力だしたんだからよ……この映画……絶対良い映画になるって思うぜ。俺はよ」


樋□「……」

庵○「……」





シン・ゴジラ「……さーて、じゃあ!最後の撮影いきますか!!」


血液凝固剤注入シーン



チューチュー チューチュー




シン・ゴジラ「!!」カッ




シン・ゴジラ「 マ ッ ズ ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ! ! ! ! ! ? 」ゴバァァァァァンッッッ




マッズゥゥゥゥゥゥ…

マッズゥゥゥ…

ゥゥゥ…

ゥゥ…























シン・ゴジラ(第2形態)「……」

アンギラス「……」

アンギラス「なんやかんや大変だったんだね、撮影」

シン・ゴジラ(第2形態)「あぁ……ただダイエットしただけで俺含めて皆が皆大混乱だったぜ」

シン・ゴジラ(第2形態)「おかげで撮影終わった後燃え尽きてまた痩せちまったよ……。身体のバランスさっさと戻さねーとなぁ」ダパー

アンギラス「……無理なダイエットってやっぱり良くないんだね」

シン・ゴジラ(第2形態)「……だな」

アンギラス「……」

シン・ゴジラ(第2形態)「……」

アンギラス「……」

ゴジラ「……」

アンギラス「……今度の映画は良い感じ?」

ゴジラ「さぁな。変なシーンばっかりいっぱい撮れたけど……後は連中の編集や切り貼り次第だろ」

アンギラス「……」

ゴジラ「……」

ゴジラ「……やっぱり楽しかったよ。日本でゴジラ映画撮るの」

アンギラス「……日本語通じるし?」

ゴジラ「……まぁそれもある」

ゴジラ「……」

ゴジラ「昔からずぅぅぅっと楽しかったんだよやっぱ。街で暴れたり宇宙で暴れたりシェーしたり空飛んだり侍ごっこしたり……どの時もサイコーに楽しかったよ」

アンギラス「……。映画がもっともっとヒットすればシリーズが続いてずっとずっと楽しいが続くかもね」

ゴジラ「……」




ゴジラ「今回の映画……きっとスゲェもんが出来たと思う。皆全力だった。エネルギーがあった。楽しかったよ。俺も」

ゴジラ「……まだ俺は完成品観てねぇけど……きっとアレはスゲェヒットして……沢山の人が楽しんだり議論したり喧嘩するもんになると思う。そんだけのエネルギーが絶対あった」

アンギラス「……そっか」

アンギラス「じゃあ今から観に行こっか。一緒に」

ゴジラ「あ?今から?」

アンギラス「善は急げさ」

ゴジラ「……お前と2匹で?」

アンギラス「ミニラとジュニアも連れていこう。聞いてた間抜けなシーンがどんなシーンに変わってるのか興味あるしね」

ゴジラ「……!」

アンギラス「……大丈夫だよ。きっと良い作品になってる」

ゴジラ「!!」

アンギラス「面白かったら皆も誘ってもっかい行こう。何回でもさ」

ゴジラ「……おもしれぇ!そりゃ良いじゃねぇか!」

アンギラス「フフッ……ねぇ、もし面白すぎたらどうする?『次』のハードル上がっちゃうね?」

ゴジラ「あ?そんなん気にする必要ねーだろ。その時その時でよ、俺や作る連中が本気で楽しんで作れればそれだけで良いんだよ」

アンギラス「……そうか、そうだね」

アンギラス「……アニメで有名な人なんだっけ?作った人」

ゴジラ「らしいな。よく知らん」

アンギラス「そういうとこ取っ掛かりにして君のファンが増えてくれるかもよ?」

ゴジラ「はっ!大歓迎だな!それで人気が出りゃ映画いっぱい作れるぜ!」

アンギラス「その人のアニメとさ、コラボ企画とかやってみれば良いんじゃない?ウケるかもよ?」

ゴジラ「あー?コラボ……コラボか……そこまで考えてなかったな……」

ゴジラ「でも悪くねー案かもな」

アンギラス「それか君がアニメ化するとかどう?」

ゴジラ「アニメ?俺が?えー……イケメン作画が良いな」

アンギラス「あ、満更でもないんだ」

ゴジラ「ウケる……ウケる……うーん、いっそテレビドラマ製作とかどうよ?」

アンギラス「最近流行ってるらしいよ擬人化とか。君もどう?」

ゴジラ「いや、それは……俺2児の父だし……」

アンギラス「アハハ、確かにそうだね」

アンギラス「色々浮かぶねぇ……」

ゴジラ「色々浮かぶなぁ……」

アンギラス「楽しみが広がるね」

ゴジラ「……そうだな」




アンギラス「まぁ先のことは後でわかることだよ。問題は今さ!」

ゴジラ「……確かにそうだな。ならばつまるところ俺達二人がとりあえず優先すべき今は……」

アンギラス「……うん!そりゃあ勿論!」

ゴジラ「……」ニッ


「シン・ゴジラ!!観に行かねぇとな!!」




終わり

ここまでです。読んでくださった方ありがとうございましたm(__)m

シン・ゴジラ、スゴく面白かったです。html依頼出してきます。

html依頼出してきました。遅くなりましたがこのSSは↓のSSの続編というか繋がったものになります。
また、実在の人物、団体、空想の怪獣には一切関係ございません。

ゴジラ「いやーアメリカ行ったらちょっと太ったわ」
ゴジラ「いやーアメリカ行ったらちょっと太ったわ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1407225040/)

>>21さん、仰る通り、現行の↓

ゴジラジュニア「父さんとガメラさんってどっちの方が強いの?」(Part.2)
ゴジラジュニア「父さんとガメラさんってどっちの方が強いの?」(Part.2) - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1444625240/)

のSSを書いてるのは僕です。更新遅れてるのに別SSを書いたりして読んでくださってる方達には申し訳ないことをしました。すいません。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年09月06日 (火) 23:48:52   ID: gG-troD7

何やってんのこんなとこで……


更新頑張ってね。待ってる。

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