※全国高専機構及び他の教育機関を批判する意図は一切ありません
夕張「いや、単純に珍しいなと…っていうか凄いですね」
提督「凄くはねぇよ、どこにでもいるだろ」
明石「高専?」
夕張「あ、明石は高専知らないの?」
提督「ただの専門学校だよ」
夕張「大雑把に言うと5年間通う高校、専門学校って感じかな」
明石「へぇ、5年間…」
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提督「…一応言っておくと高校ってよか大学に近ぇ」
夕張「何でしたっけ、高校が中等教育?でしたっけ?なのに対して高専は高等教育なんだとか」
提督「詳しいな」
明石「中等教育?高等教育?」
提督「簡単に言えば大学と同じレベルでの教育機関ってことだ…多分な」
明石「へぇ~」
夕張「しかもしかも、一部を除いて国立なんだよ!」
明石「わ、ってことはお金のある学校なんだ」
提督「と、いうより学生からすると金のかからない学校、って感じだったな。学費も寮費も国から補助金が出てんのかやたら安かったし」
明石「寮!羨ましいなぁ!」
夕張「それで、提督はどこの学科だったんですか?」
明石「学科?」
夕張「さっきも言ったけど専門校だからね、大体は工業系の学科なんだけど、商船学科とかいうのがあるところもあるって話」
明石「あ!ってことは提督はその商船学科を?」
提督「いや、俺の学校には商船は無かったな…というかそんなの全国高専の中でも極一部のとこにしか無かったぞ」
夕張「じゃあやっぱり機械?」
提督「ハズレ、ご期待に応えられず申し訳ありませんね」
夕張「んー…じゃあ…」
明石「えっと…提督の学校ってどんな学科があったんですか?」
提督「どこの高専も大体代わり映えはしないがな…機械、電気、情報、化学、建築の5学科だ」
明石「ふーむ…その中だと建築と化学は取り敢えず抜きにして…ってことは電気ですか?」
提督「…ハズレ。はいはいすまんな根暗な情報科学生で」
夕張「いやそんなに卑下しなくても…いいじゃないですか情報工学」
明石「情報学科ってどんなことするんですか?」
提督「んー…まぁ大体名前からイメージできることはやってるな」
提督「大雑把に言えばプログラミングと情報社会でのリテラシーとかそのへん。そんだけ」
夕張「ほんとにバッサリまとめましたね…」
提督「情報関連はな。うちの学科は正確に言うと電子情報工学科だったから電子系の勉強もしてたぞ」
明石「やっぱり難しいんですか?勉強とか」
提督「んー…そりゃ難しいには難しいんだがな…何というか…容赦がない?」
夕張「容赦?…ああ、実験とか?
提督「いや、確かに実験とかレポートとかもあるんだが…普通校と絶対的に違うものが一つ」
明石「?」
夕張「?」
提督「高専にはな、留年がある」
夕張「留年?いや、それって普通の学校にもあるんじゃ…」
提督「留年って普通どんくらいの割合の人間がすると思う?」
明石「んー…高校なら学年で1人するかしないかじゃないですか?」
夕張「うん、そのくらい…年に2、3人出たりするんですか?」
提督「クラスの半分」
明石「…は?」
提督「もちろん一年間で全員落ちていったわけじゃないけどな…俺が3年になった時には最初の50人のうち20人と少しが留年するか、それを理由に退学していった」
夕張「ひ、一クラスで…!?」
提督「教授から聞いた話だと俺らの代は特に酷かったって話だが…まぁ、毎年そこまでとは言わずとも落ちるやつはとにかく落ちる」
夕張「で、でも落ちそうな学生は先生が何とかしようとして上げようと…」
提督「らしいな」
明石「らしいって…」
提督「仕方ないだろ、現にそんな光景見たことないんだから…あるのは教授に土下座して単位をせびる奴くらいか」
夕張「総合成績が30だか40だかで赤点ですよね!?それを下回る人がそんなにいるなんて…
提督「60点」
明石「…へ?」
提督「合格点は60点だ。それ以下は赤点として単位をもらえず、一つでも30点を下回った科目がある奴は問答無用で留年だ」
夕張「…ぇぇぇ…」
明石「そんなまるで大学じゃないですか!」
提督「だからさっき夕張が言ってたじゃねぇか、高等教育だって」
夕張「…いや、でもいくらなんでも…」
提督「……つっても別にそんな絶望だらけな場所じゃねぇ。色々いいところもあるにはある」
明石「いいところ…専門校ですし、やっぱり施設は充実してそうですね」
提督「んー…まぁ他のとこってのを知らないから何とも言えないが、確かに変なものはちょくちょく置いてあったな」
夕張「変なもの?」
提督「廊下を跋扈するドローンとか、授業中に乱入してくる誰が作ったか自作のロボとかな」
夕張「外国のハチャメチャ映像みたいな話ですね」
提督「謎の薬品で髪染めようとしたらハゲた奴とか、アイ○ンマン2を見て電気ムチ作った奴とかな」
明石「危なくないですかそれ!?」
提督「皆慣れてるからな」
夕張「慣れでどうにかなるんですかそれ」
明石「そんなとこだったら学校行事とかってどんな大惨事に…」
提督「いや、体育祭とか高専祭とかは割と普通だぞ」
夕張「そうなんですか?」
提督「保護者とか、どっかの企業の偉い人とか来るからな。外面は取り繕う必要があったんだよ」
明石「ははぁ、なるほど…」
提督「だからチ○コもげた奴も2、3人しかいなかったし」
夕張「チ○コ!?」
提督「五年間でだぞ?」
明石「複数人いるんですか!?」
提督「あと警察にお世話になったりとかな」
夕張「もうなんなんですか…」
提督「体育祭といえば部活動リレーだな」
明石「あーいいですねぇ野球部対サッカー部とか!」
提督「いや、その辺はあんまり目立たないな」
夕張「え、何でですか?」
提督「すぐに出番終わるから」
明石「…?いや、リレーってそういうものじゃ…」
提督「目玉はロボコン部と自動車工学部、ソーラーボート部だな」
夕張「それ最早ロードレースですよね?」
明石「ところで、さっき言っていた高専祭というのは?」
夕張「確か文化祭のことね」
提督「そうだな…高専祭といえばあいつ元気かなぁ」
明石「何か印象深い友人でも?」
提督「あぁ、Dr.スペルマってアダ名の奴がな」
夕張「スペッ…」
提督「高専祭当日、自分のシコティッシュを何食わぬ顔で来賓に配って回ってたんだ」
明石「えぇぇえ…ド変態じゃないですか…」
提督「流石に教師陣にはバレないようにやってたがな…後日無事退学していった」
夕張「ダメじゃないですか…」
明石「さっきから話を聞く限り、何でそんな過激派組織が…」
提督「女子の割合が低いからな、ノリは割と男子校に近い感じだった」
夕張「男子校かぁ…そればっかりは私たちには知りえない世界なんですが、どんな感じなんですか?」
提督「んー…そうだな、まだ話してない部分でいうと……高専病かな」
明石「こうせん病?ビームでも撃つんですか?」
夕張「あー、それ聞いたことあります。女子を見る目が変わるとか」
提督「まぁだいたいそんな感じだな」
提督「周りが男子が多いのと、数少ない女子も変り者だらけで話にならなくてな。段々ブスまで可愛く見えてくる」
明石「ブスって…もうちょっと言い方というか」
提督「いやほんとなんだよ、動物園行った時の会話が『どのゴリラなら抱けるか』だからな」
夕張「その動物園って、もしかして彼女と行ったり?」
提督「いや、男数人でだが…というか流石に彼女とそんな話はしないだろ」
夕張「ですよね…」
明石「でも一緒に動物園行くなんて、随分仲がいいんですね」
提督「寮生は基本休日は暇だったからな」
明石「やっぱりいいですねぇ!男の子同士の友情って!」
夕張「あー明石ってそういう趣味の?」
明石「いや違っ、いやまぁ確かにそういうのも嫌いじゃないけど…私はただ純粋に!」
提督「いたぞ、ホモ」
夕張「…えぇ…」
明石「本当ですか!!?!?」
提督「ああ、俺が知ってるだけでもホモ崎、磯(臭)村、グングニルの方の山田、と3人」
夕張「さっきからアダ名酷すぎません!?」
提督「ちなみにホモ崎は彼女持ちのイケメンな」
明石「それホモじゃないんじゃ…」
提督「話が危ない方に来てるな…戻すか、それで何の話だったつけ」
明石「えーもっと詳しく…」
夕張「高専病ですね」
提督「あぁそうだ、まぁそんなこんなで女子なら大抵可愛く見えてくる。ある程度すると男も可愛く見えてくる。って感じでまぁホモも多少はいたな」
明石「うへへぇゴチソウサマデス」
夕張「明石さっきから気持ち悪い…」
提督「俺もホモまでは行かなかったが5年間熟成された仕上がった高専病だったからな。ここに来た時はヤバかった」
夕張「?」
明石「何かありましたっけ」
提督「簡単に言えばここの皆は可愛過ぎる。今でこそ多少は慣れたが…着任当時はそれはもう気が気じゃなかったもんだ。心労で胃に穴が空くくらいな」
明石「逆に大変だったんですね…」
提督「そういえばお前ら、俺と目が合ったことあるか?」
夕張「え?そりゃそれくらい………あれ?」
明石「……………あれ?…えっと、提督の目って…あれー?」
提督「…だろうな」
夕張「だ、だって提督、いつもその帽子目深に被ってますもん!」
明石「ここまでの話からして…高専病と何か関係が?」
提督「…あぁ、鍛えに鍛えられた俺の高専的女子選球眼にはここの皆は綺麗すぎてな…」
提督「ぶっちゃけ目を合わせたら惚れてしまう」
夕張「」
明石「」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・
提督「…何なのお前ら!何でいきなり帽子?ぎ取りに来てんの!?話聞いてた!?」
明石「聞いてたからこそです!」
夕張「ほーら、怖くない、怖くないですから…」
提督「ジリジリ寄ってくんな!あん時みたいで怖いんだよ!」
夕張「あの時?」
提督「…コホン...ホモに寝込み襲われた時だな」
明石「詳しく!」
提督「詳しくも何も…グングニルが俺の寝込みを襲ってきたんだよ、相部屋の奴が助けてくれたから助かったけど…」
夕張「ああ、なるほど…寮って本当にそういうことあるんですね…」
提督「俺も実際に体験するまでは信じてなかったよ…」
明石「寮ってどんな感じだったんですか?」
提督「これはまぁ高専関係なく寮って施設ならどこでもだと思うんだが…まぁ基本的にうるさいよな」
夕張「人が多いですからね。でも毎日泊まりみたいで楽しそうじゃないですか」
提督「いやまぁ確かに楽しかったよ…徹夜でスマブラ大会やったり、棟を繋ぐ超巨大流しそうめん作ったり、半裸で女子寮に殴りこんだり、デリヘル呼んでポーカー大会やったり…色々やったなぁ…」
明石「そんなことやってる寮なんてそこだけだと思います」
夕張「自由なところなんですね、寮って決まりごとは厳しいイメージあったんですけど」
提督「いやもちろん見つかったら一発退寮だけどな」
明石「ですよね…」
夕張「そんな共感も感心も出来ないような話じゃなくて…もっと高専に関する真面目な話とかないんですか…」
提督「俺は大真面目なつもりなんだがな…そうだな、あとはロボコンとプロコンくらいか」
明石「ロボコン!知ってます知ってます!」
夕張「N○Kで中継してるやつですね」
提督「ああ、そうだな」
夕張「やっぱり提督も参加したんですか?」
提督「は?死んでも御免だわあんなの」
明石「えぇえ!?何でですか!」
提督「一般からのイメージとしては高専=ロボコンなんてイメージがあるかもしれないけどな」
夕張「まぁそうですね」
明石「でも実際そうなんじゃないですか?」
提督「確かにそうだな、うちの高専でも一番大きかったのはロボコン部だ」
明石「ほらやっぱり、それなら」
提督「あそこは地獄だ。『奴隷工場』なんてアダ名もあった」
夕張「!?」
提督「ロボコン部ってのはとにかくブラックなんだ。真夏の炎天下、平日休日関係なく朝から夜までこき使われて…部室がデカいプレハブ小屋だから、クーラーも無しで…」
明石「で、でもほら!結局部活ですから、そんなに遅い時間までは…
提督「俺の寮の知り合いは朝6時に出て行って夜の11時に帰ってきたぞ」
夕張「えっ…」
提督「開ききった瞳孔でキョロキョロ忙しなく周りを見ながら『いや部活ほんと楽しい、ロボコン入ってよかった』とか寝言で言い始めた時はほんと怖くてそれ見ながら3、4人で2時間くらい爆笑してた」
明石「心配してあげてくださいよ!?」
提督「まぁそんなクソみたいな努力があってあの大会があるんだ、そう思うと見方もちょっと変わってくるだろ」
夕張「いや何か学生達が社畜ゾンビに見えてきたんですけど」
提督「部畜なんて言葉もあるしな」
明石「それで…さっき言ってたプロコン?っていうのは…」
提督「ああ、ロボコンに対してプロコン、プログラミングコンテストだな」
夕張「プログラミング…何だかロボットと比べると地味な感じしますね」
提督「は?」
夕張「えっ?」
提督「…はぁ…はいはいどうせプロコンは地味だよ…メディアへの露出もないしロボコンほどエンタメ性も高くないし…はぁ…開発間に合わなくて辛いし…」
明石「…何だか知らないけど拗ねちゃったよ?」
夕張「…えぇ~…」
明石「その言い方からして…提督はプロコン部?だったんですか?」
提督「プロコン部ってかコンピュータ研究部だな、コン研」
夕張「いいですよねコン研、いいなぁ私も工学系の集まりがあればなぁ…」
提督「…間違えてもコン研には入るなよ」
明石「え、何でですか?ロボコン部は忙しいって話でしたけど…」
提督「コン研と漫研はダメだ。留年する」
夕張「留年?それはまたなんで…」
提督「通説ってかジンクスってか…まぁそんな部活に入るような奴は留年するっていうか…留年するような性格の奴のわ類友的な場所というか…とにかくその二つの部は留年率が半端じゃなかったな」
明石「…もしかして、提督も留年を?」
提督「いや、俺は留年はしてない。部長としての意地だな」
夕張「あ、部長だったんですね」
提督「名前だけだったけどな。あとは弓道も」
夕張「あとは…って、2つの部を兼部してたんですか?」
提督「緩い部活が多くてな。4つくらい兼部してた奴もいたぞ」
明石「へー…羨ましいなぁ」
夕張「弓道部に入ってたんなら、空母の皆さんとも仲良くなれるんじゃないですか?」
提督「あーダメダメ絶対ダメ」
明石「何でです?」
提督「惚れちゃう」
夕張「…何を真面目な顔して…」
提督「いやマジなんだって、今もお前らのこと好きにならないように必死なんだから」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・
提督「だ!か!ら!何で不意に帽子奪いに来んの!?惚れられて困るのお前ら何だからな!?」
夕張「あぁもう面倒臭いですねこの人…!」
明石「いいから抵抗しないでください!」
提督「馬鹿か!ホント馬鹿か!」
明石「まったく手の掛かる…」
提督「どの口が………でもそうだな、お前らは学校行けないもんな…」
夕張「深海棲艦との戦争が終われば私たちだって普通の女の子ですよ。あーそしたら高専行きたいなぁ…」
明石「いいですね!私もそうしようかなぁ…」
提督「ダメだ」
夕張「え?」
明石「な、何でですか!多少変な人はいるかもしれないですけど…」
提督「そうじゃない、お前らは高専に行くには…可愛すぎる」
夕張「は?」
明石「かわ…えっ」
提督「もし行けたとしてどこの学科に入るつもりだ?」
夕張「んー…やっぱり機械ですかね?」
明石「電気が機械ですねやっぱり」
提督「ダメだ」
夕張「だから何でですか!」
提督「さっきも言ったが…高専には女子が少ない…可愛い女子なんてほぼいないし、そもそも機械科に至っては女子自体いない」
明石「それの何が問題なんですか?」
提督「…言い寄ってくる男が多い、なんてもんじゃない。言い寄ってくる男しかいないんだ…高専に入った女子の9割は一年で処女を失い、二年もすれば経験人数が二桁を越えるのが普通だ」
夕張「……え、いや…えぇ…」
提督「大切な娘がそうなるって分かってて行かせるわけねぇだろ!とにかくダメだ!あんな基地外動物園なんかにお前らをやれるか!」
明石「あ、そこはお父さん視点でも話なんですね」
夕張「さっき惚れるだのなんだの言ってたくせに…」
提督「うるせぇ!」
提督「………」ツ-ン
明石「…何だか娘が彼氏連れてきた時のお父さんみたいな拗ね方しちゃったけど…」
夕張「…いやまぁ心配してくれてるのは分かるんだけどね…」
提督「………まぁ、俺がお前らの未来をどうこう言うのも筋違いだったか…」
明石「…提督…」
提督「…高専に行くってのは取り敢えず反対だが…そうだな、今度、鎮守府内で部活でも作るか」
夕張「…提督…!」
提督「…希望の部活があるなら、今のうちからメンバー集めとけよ」
明石「提督…ありがとうございます!夕張!」
夕張「うん!早速探しに行こうか!」
明石、夕張「「ロボコン部のメンバー!」」
提督「それはダメだ」
終わり
留年は終わりではない、さらなる絶望の始まりである(グングニル山田)
※同性愛を批判する意図はありません
ありがとうございました。多少盛ってはいますが大体ホントにこんな感じのところです。
個人的には高専に行って良かったと思っていますが正直お勧めはできません。
あと寮でシコる人間はトイレ派と夜中に部屋でひっそり派と「今からシコるから5分出てて」派がいました
このSSまとめへのコメント
乙です。仕事中に見てたら爆笑して怒られました(涙)
こういうss大好き
懐かしい、色々と覚えのあることがあって昔を思い出しました。ホモは見なかったが
オナニーの時間を競い合ったりは頻繁に行われてましたね
スペルマくん人道踏み外しすぎじゃないですかね…
頑張って日本を支えてください。高卒提督からの願いです。
私は高専生ですが、普通科の高校がぬるいと思えるような学校、それが高専です。