【モバマス】ボノノ13「普通を討ち破る」 (41)
某TVスタジオ――東京――
MC「さぁ、みなさんの前に運ばれたのが、銀座の老舗洋菓子店から新発売される『塩麹ショートケーキ』です!」
MC「それでは……卯月ちゃんに食べてもらおうかな!」
卯月「あ、はい、いただきます!」
卯月「……」モグモグ
MC「どう?」
卯月「……あっ、美味しい♪」
MC「コメント普通ッ!」
卯月「でも、本当、美味しくて……」アワワ
\ワハハハ/
■この作品は、フィクションです。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1472135961
【Part 1 画面の裏側で】
調整室――
番組プロデューサー(以降PP)「いやぁ~卯月ちゃんは可愛いねぇ」
AD「はい、そうです!」
PP「この調子でいけば、この新番組も成功だよ!」
AD「はい、そうです!」
番組ディレクター(以降PD)「……」ギリッ
PD「ちがーう!!!!」バァン!!
「「!?」」
PP「ど、どうしましたか、PD!?」
PD「確かに彼女は初回ゲストにふさわしいくらい可愛い。それは認めよう」
PD「だが、これは新番組の初回だぞ!」
PD「さっきから視聴率が伸び悩んでいるこの事態を、どうするつもりだ!」
視聴率カウンター『最新鋭のシステムにより、リアルタイムで細かい数値をチェックできます』メガネクイッ
PP「えぇ! 20%超えてるのに!?」
PD「貴様はこの番組の底力が分からないのか!」
PD「この番組は、初回なら50%を叩き出してもらわないと困るんだよ!」
PP「しかし、これは生放送ですよ! もう時間がありませんってば!」
PD「ふぅ~」スチャ...
PD(まったく……コネで成り上がった奴らは、すぐこれだ!)
PD(もっともっと上を狙っていかなければ、スポンサーも納得しないんだぞ……!)
PD「……」
PD「奴に依頼するしかないな」
PP「奴……とは?」
PD「裏世界につながるテレビ業界の、さらに裏で暗躍するプロフェッショナルだ!」
PD「この腐った視聴率をなんとかできるのは、もはや奴しかおらん!」
PD「おい! 今からテロップを流せ! 大至急だ!」
PP「は、はっ!」
AD「はい、そうです!」ダッ
【Part 2 流れたテレップ】
CGプロ――東京――
TV『この生クリームが甘くて、あとしょっぱくて……』
TV『普通ッ!』
凛「フフフ……もう、卯月ったら」
ありす「私だって、もっとコメントできますよ」
小梅「本当かな……?」
乃々「あんなに堂々とテレビに映ってるなんて……さすがシンデレラガールですね……」
奈緒「いやアイドルなら当然だからな?!」
TV『あ! 中にイチゴがはさまれています!』<ニュース速報
TV『おっいいところに気付いた! それで感想は?』<テレビ局に謎の手紙が13万通投函
TV『このイチゴが、甘くてですね、美味しいです!』<文面は『至急来られたし』のみ
TV『普通ッ!』<ニュース速報 終
ボノノ(劇画調)(緊急の依頼……)
奈緒「……今のテロップ、流すほどの内容か?」
奈緒「どう思う?」
乃々「さ、さぁ……?」
乃々「……ちょっと、お手洗いに」ソソクサ
【Part 3 威信に賭けて】
某テレビ局――
屋上――
PD「……」ソワソワ
PD「……」チラッ
時計『テロップが流れてから20分経過したで』
PD「まだか……まだなのか!?」
PD「奴なら、あのテロップの真意に気付いてくれた筈だ……!」
「はい、バッチリ分かったんですけど」
PD「!?」
ボノノ「……」スゥ
PD「貯水タンクの裏……?」
PD「い、いつの間に……!」
ボノノ「私のサイキック瞬間移動のことは、どうでもいいはずですよね?」
PD「あ……あぁ、そのとおりだ!」
PD「すぐにでも取り掛かってもらいたい仕事g――!」ズイッ
ボノノ「動かないでくださいっ!」
PD「!?」
ボノノ「その場で話してください……こちらを見ずに」
PD「わ、分かった……」
PD(スパイを気にしているのか……流石プロフェッショナルだ!)
PD「あのテロップを見たのなら、その時放送されていた番組も見ていただろう?」
PD「あれは我が局の威信をかけた、一大プロジェクトだ」
PD「しかし、現在の視聴率は20%のまま横ばい、このままでは25%にも達せず終了してしまう……」
PD「だから、頼む! この視聴率を上げて欲しい!」
ボノノ「……」ジー
ボノノ(劇画調)「むーりぃー」
PD「なっ……」
ボノノ「『視聴率を上げる』ことは、私の仕事の範疇じゃないので」
ボノノ「そういう依頼は、全部お断りしてるんですけど」
PD「……そ、そうだったな、これは私のウッカリだ……!」
PD「あなたの依頼はあくまで『狙撃』……その後の影響は、ただの副産物に過ぎない……!」
PD「なら、依頼を変更する!」
PD「今ゲストに来ている島村卯月というアイドルは、知っているか?!」
ボノノ「……はい」
PD「5代目シンデレラガールということで、うちの番組プロデューサーがゲストに呼んだんだが……」
PD「彼女の普通力のせいで、視聴率が普通へ下方修正されてしまうんだ!」
ボノノ「……彼女なら、普通のヒット視聴率へと運命操作することくらい、容易いはずですけど?」
PD「普通ではダメなんだ!! 世紀のヒットでなければ、会社の威信を賭けた意味がなくなってしまう!!」
PD「彼女への狙撃で、普通力を操作して欲しい!」
PD「どのように狙撃するか、どのように普通力が変化するか、そこはあなたにお任せする!」
PD「依頼料も、あなたの言い値に任せる!」
PD「……番組は、もう30分しか残されていない!」
PD「頼む! YESと答えてくれ!」
ボノノ「……」
ボノノ「分かりました、やってみましょう」
PD「おぉ、ボノノ13!」
ボノノ「依頼料は、次の仕事で、CGプロのアイドルを起用することです」
ボノノ「なお、森久保乃々というアイドルには絶対に依頼してはいけません」
PD「え? いや、彼女だけ仲間はずれというのはちょっと」
ボノノ(劇画調)「いいから(おこ)」
PD「アッハイ」
ボノノ「これから狙撃ポイントを探すので、許可証をもらいたいのですが……」
PD「あぁ、それなら……」ゴソゴソ
ボノノ「ちょ、ゆっくり! ゆっくり出してください!」
PD「ご、ごめんなさい……」ソォ...
PD「この許可証をお使いください」つ許可証
ボノノ「了解しました」
ボノノ「あなたは調整室に戻っておいてください」スゥ
PD「足音1つ立てず、屋上から消えていった……」
PD「頼むぞ……ボノノ13……!」
【Part 4 資料室の怪音】
資料室――
ボノノ「……」カタカタ
ボノノ(島村卯月――)
ボノノ(CGプロを代表するアイドルの1人であり、キュート属性の頂点の一角――)
ボノノ(第5回総選挙にて1位に輝き、5代目シンデレラガールに任命される――)
ボノノ(自他共に認める『普通』であり、あらゆる事象を普通に書き換える能力を有する――)
ボノノ(これはつまり、こちらがアクシデントを引き起こしても、それが普通の出来事に変換されてしまう恐れがある、ということを意味する……)カタカタ
ボノノ(最善は、普通のアクシデントでありながら、どう取り繕うとも普通ではない事態を発生させること……)カタカタ
ボノノ(このプロフィールに、普通ではない何かが隠されているはずなんですけど……)カタカタ
ボノノ(……)カタカタ
ボノノ(……)
<~っ……!
ボノノ(……?)
資料準備室――
晴「あぁぁぁ~!」
晴P「晴! 晴ゥ!」パンパン
晴「こんな、とこ……せめて、お城に……!」
晴P「それまで俺が待てないんだぁ!!」パンパン
晴「あっだめっ……とんじゃう……とんじゃうっ……!」
晴P「晴ちんきゃわわ~!!」ドクンッ
晴「おぉぉぉ~!」ガクガク
資料室――
ボノノ「……」
ボノノ「……(激おこ)」ドンッ
【Part 5 放送コードに挑め】
調整室――
MC『これが最新のぶら下がり健康器です!』
卯月『うわぁ、大きいですね!』
MC『ただ大きくなったワケではありません! その分様々な機能が追加されました!』
PP「視聴率……23%!!」
AD「はい、そうです!」
PD(くっ……どうしたんだボノノ13!)
PD(番組も、そろそろ終わりに向かっているんだぞ!)
スタジオ――
MC「早速その新機能を、卯月ちゃんに体験してもらいましょう!」
卯月「がんばります!」
MC「これは『上空モード』といいまして、使用者がぶら下がり器を握ったことを判断すると、上へと引き上げてくれる機能なんです」
卯月「えっと、握ればいいんですよね?」ギュッ
健康器『上へまいります』ウィーン
卯月「わっわっ! どんどん上がっていきますよ!?」
MC「これが新機能です!」
MC「卯月ちゃん、足が離れるまで、絶対に離さないでね?」
卯月「は、はい!」
MC「……はい! これで卯月ちゃんが宙ぶらりんになりました!」
MC「卯月ちゃん、ぶら下がり器の感想はどうだい?」
卯月「えっと……腕が大変です!」ブーラブーラ...
MC「いやまあwwでしょうねww」
MC「これは健康器というよりは、筋トレとして使用するのが狙いだそうですよ」
卯月「あぁ! 確かに、腕が大変です!」
MC「それじゃ、しばらくそのままでいいかな?」
卯月「はい! がんばります!」ブーラブーラ...
MC(……卯月ちゃんの胸、いろっぺぇなぁ……)ゴクリ
ボノノ(有罪(ギルティ))
ズキューン!!
卯月「きゃっ!?」ビリィッ!
MC「どうしたのかい、卯月ch――こ、これは……!!」
MC「卯月ちゃんの衣装の胸のボタンが弾けて、中身がこぼれそうになっている!!!!!!!!」
うづぱい『辛うじて衣装で放送コードは守られてるけど……』
卯月「いやーん! これ、恥ずかしいです~!」ジタバタ
MC「あの、スタッフさん、これ一度下ろしt――」チラッ
ボノノ「……」つ『そのまま!!』
MC「――ません!」キリッ
卯月「えぇ~!?」
MC「ちょっと大胆になっただけなので、このまま続行します!!」
卯月「ふえぇ~///」
調整室――
PP「ディレクター! これ、神映像ですよ!!」
AD「はい、そうです!!」
PP「あの卯月ちゃんのうづぱいを、ここまで赤裸々に、しかも合法なハプニングで撮影できるなんて!!」
AD「はい、そうです!!」
視聴率『30%……35%……40%……』
PP「……すごい!! 視聴率がうなぎのぼりだ!!」
AD「はい、そうです!!」
PP「おい、お前ら!! 全カメラに卯月ちゃんを収めろ!! 端っこでも構わない!!」
PP「カメラスイッチしても絶対に卯月ちゃんが放送されるようにするんだ!!」
カメラマンs『『うおぉぉぉ!!!!!!!!』』●REC
卯月『やーん……!!』ポヨンポヨン
PD(そうか……ボノノ13はこれを狙っていたんだ!)
PD(何でも普通にしてしまう島村卯月でも普通にできないこと――それは自分のわがままボディ!)
PD(確かに159cmで83-58-87は、普通のスタイルとはとても言えない……)
PD(そして、それが最も強調される瞬間を狙って、彼女の衣装の胸部だけを狙撃したんだ!)
PD(それもトップアイドルの柔肌を一切傷つけず、しかも放送禁止にならない程度に!)
PD(これが……プロフェッショナルの狙撃……!)
【Part 6 それは電波に乗って】
CGプロ――東京――
奈緒「わ、わ、わ! これ、あとちょっとで零れるぞ?!」
小梅「あ……危ない///」ドキドキ
ありす「これは間違いなく、伝説の回になりますね……!」
凛「アハハハハ……!」ダンダン
奈緒「凛お前笑いすぎだろ!!」
凛「だって……だってあの卯月が、セクシー担当みたいな格好に……ンフフフ……!」ダンダン
ありす「文香さんも、いい加減テレビを見ましょうよ」
文香「……あ、ゴメンなさい……つい夢中になって……」
ありす「それで、今日はどんな本を読んでいたんですか?」
文香「今回は趣向を変えて、ちょっとライトな作品を……」
文香「男勝りな少女が、頼れる近所のお兄さんと……お城のような建物で仲良くするんです……」
ありす「それはまた、普段よりもずっと子供っぽい本ですね?」
文香「でも、あの手この手で仲良くなろうとする姿が、とても美しいですよ」
ありす「へぇ……」
ありす「……あの、私も読んでみたいです」
文香「それでは……私のお膝に、どうぞ……」ポンポン
ありす「お邪魔します」ポフッ
文香「せっかくですから、最初から読みましょう」
ありす「あ……難しい文字が多いですね」
文香「私が耳元で音読してあげますから」ニッコリ
ありす「ありがとうございます」
ありす(文香さんと一緒に読書……楽しみ♪)ルンルン
日本における放送停止事故は、
地上系・衛星系だけでも487件発生しており、
うち重大な事故は27件にものぼる
(平成26年度調査記録より)
END
急募
参考資料用の『猟銃を持った劇画調の森久保乃々』の画像を探しています
見つけた方は貼り付けてください本当にお願いします
次はちゃんみおテーマで書く予定
以上です、ありがとうございました
>晴P「晴ちんきゃわわ~!!」ドクンッ
>晴「おぉぉぉ~!」ガクガク
さいとう・たかを画ならあまりエロくないからセーフだな
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません