武内P「魔法の鐘が鳴った後」【その2】 (30)

※武内Pが各アイドルと結婚した妄想設定。
短いです。

前作
武内P「魔法の鐘が鳴った後」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1469625632/)


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1471780407


case.高峯のあ


武内P「いただきます」パン

p「いただきます」ス

のあ「おあがりなさい……」

武内P「…………」モグモグ

p「あ、これ美味しい……」パク

のあ「そう……良かったわね」

武内P「のあ」

のあ「はい、醤油」スッ

武内P「どうも」

p「……ねえ、お母さん」

のあ「何かしら」

p「今度お料理教えてよ」

のあ「……好きな人でも出来たのかしら」

p「……いや、そういう、訳じゃ」

p「……」

p「うん……実は、そう」///

武内P「のあ」

のあ「はい、塩こしょう」スッ

のあ「いいのよp、恥ずかしがる必要はないわ」

のあ「料理とは個性……相手への情熱を込めて作ったものなら、必ず届く」

p「そう……なのかな」

のあ「私もそうだったわ……」

のあ「ねえ、あなた」

武内P「はい、そうですね」モグモグ

武内P「のあ」ゴクン

のあ「はい、おかわりね」スッ

p(なんで名前呼ぶだけでわかるんだろう……)

のあ「じゃあ明日、教えてあげる。pの選択は正しいわ」

のあ「男を落とすのには胃袋を掴むのが一番手っ取り早い……」

のあ「ねえ、あなた」

武内P「そうですね」パク

p「……飛躍しすぎ。私はまだ、そこまで……///」ゴニョゴニョ


武内P「…………」

武内P「……のあ……」

のあ「お酒ね……飲み過ぎは駄目よ」

武内P「わかっています……しかし」グスッ

p「お父さん……? なんで泣いてるの?」

のあ「pを他の男に取られて悔しいのよ」

武内P「いえ、pに大事な人が出来た……それは喜ぶべき事です」

武内P「しかし……しかし……!」ガタッ

p「だから話を飛躍させすぎ……」

のあ「あなただって、他所の家から私を奪ったのよ」

のあ「だから、私で我慢なさい」

武内P「のあ……」ウルッ

のあ「ふふ……駄目よ、pが見てるわ」

p「…………」

p(私も、いつかお母さんとお父さんのような関係を、他人と持てるのかな)


case.村上巴


武内P「ただいま戻りました」ガチャ

巴「おう、お疲れさん。ちょうどメシできたけぇ、冷めんうちに食おうや」

巴「今日は親父から新巻鮭をもろうたけえの、鍋じゃ」ドン

武内P「これは……いつもありがとうございます」

巴「なに、稼ぎに出る男を労うのは妻の務めじゃけ」

巴「ほいじゃ食うかの」

武内P「はい、いただきます」パン

巴「最近プロデュースの方はどうじゃ、ええアイドルはおるんけ?」モグモグ

武内P「ええ、皆いい子で助かっています」パク

巴「浮気したらあかんぞ」

武内P「しませんよ、私には巴がいますから」

巴「…………あほ、そがいな事言うてもなんも出んぞ」///

巴「……うちとしたことが言い方を間違えたわ。浮気してもええが、どうなっても知らんぞ」モグ

武内P「それは怖いですね……ちなみに浮気したらどうなるか聞いても?」

巴「切り落としたる」パク

武内P(……何をでしょうか)ゾクッ

巴「まぁうちが見初めた男じゃ。Pはそんなことせんじゃろ」



巴「あ、そうじゃ」

武内P「?」

巴「親父がの、会う度にいちーきうるさいんじゃ。Pからばしっと言うたってくれんか」

武内P「何をでしょうか?」ゴク

巴「前から何度も言われとったじゃろ、Pに親父の仕事手伝えて」

巴「今日び、極道も不景気じゃからのお」モグモグ

武内P「ああ……ですが、私はアイドルのプロデュースを」

巴「そんなん親父もわかっとる。親父はうちをPに取られたもんじゃから愚痴が言いたいだけじゃ」

巴「じゃが親父の気持ちもわかる。Pが極道っちゅうのも似合うと思うしの。眼力もあるし体格もええし」

武内P「はは……」

武内P(冗談を、と言えないのが怖い……)

巴「あ、あとな……これも親父の言うとったことなんじゃが……」ソワソワ

武内P「はい?」

巴「あ、跡継ぎはまだか……なんて言いよるんじゃ……ほんまに困った親父じゃけえ……のう?」

武内P「っ!?」バフッ

巴「おわっ!?」

武内P「げほっ、ごほっ」

巴「う、うちが言うたんじゃないけぇの!」

武内P「す、すみません。動揺しました」ケホッ

巴「……ったく……」///


巴「……う、うちはいつでもええからな」ボソッ

武内P「は……?」フキフキ

巴「~~~~っ!」カァァ

巴「おどれのガキの一人や二人、うちが産んだる言うとるんじゃ!」

武内P「…………」

巴「……女に言わせんなや、こんなこと」

巴「……あほたれ」

武内P「……巴」

武内P「すいません、我ながら考えが至りませんでした」

巴「ああもう、クサクサすんな。この話はやめじゃやめじゃ、さっさとメシ食って――」

武内P「では」ヒョイ

巴「おわぁっ!?」

巴「なっ、いきなりなにしよるんじゃドアホ!」ジタバタ

武内P「お姫様抱っこです」ペシッ

巴「見たらわかるわボケぇ!」グググ

武内P「巴相手には百の言葉よりも一の行動の方が想いを伝えることが出来るということを……思い出しました」

巴「こンの……離さんかいワレ!」ゲシッ

武内P「離しません」ボコッ

武内P「離しませんよ、何があっても」ニコ

巴「…………」

武内P「本当に嫌ならば止めますが」

巴「……そりゃ卑怯じゃ」

巴「ほんまに押しが強いのか弱いのかわからん奴じゃの……」ハァ

巴「……まあええ……す、好きにせえ」

武内P「ありがとうございます」

巴「ふん……そう言やうちをアイドルにする時はあの親父相手に真っ向言いよったし、うちを娶る時もうちの若いのに匕首突きつけられて平然としとったの……」

武内P「いや、あれは……」

巴「なんじゃ、なんかあるんか」

武内P「私は顔に出ないだけで相当、動揺していましたよ」

巴「そうなんか?」

武内P「実は、今もです」

巴「…………」

武内P「私は特別強くなんてありませんよ。ただ――」

巴「ただ?」

武内P「惚れた女の前では、格好つけたいだけです」

巴「……ほうか」

巴「なら、これからもうちに格好ええとこ見せてみい」ニッ


case. 本田未央


武内P「おはようございます、未央、p」

未央「おはよう、朝ご飯出来てるよ!」

武内P「はい、いただきます」

p「おはよ、父さん……くぁ」

p「今日は休みだっけ?」

武内P「はい」

p「いいなぁ、俺も休みたい……」

未央「ほらp、文句言ってないでさっさと用意して学校行きなさい」

p「んん……眠い……」ボー

p「朝くらいゆっくりさせてくれ……」

未央「夜更かししてるのがいけないんでしょ。お母さん知ってるんだからね、夜こっそり菜々ちゃん(二代目)のライブ映像スマホで見てるでしょ。ダメだとは言わないけど、ちゃんと自制して規則正しい生活をしないと後悔するのはp自身なんだからね」クドクド

p「…………うん」

未央「しゃきっとしなさいしゃきっと!」

p「ああもう、わかったよ……うるさいな……」ノロノロ

未央「うるさいって何よ!」

p「行ってきます……」フラッ

武内P「行ってらっしゃい」

未央「行ってらっしゃい、車に気を付けてね!」

ガチャ
バタン


未央「はぁ、手のかかる子だなぁ……」

武内P「あの位の年齢ならば普通ですよ」

未央「そうかなぁ? 私はもうちょっとしっかりしてた気がするけど……」

武内P(それはどうでしょうか……)

武内P「未央、コーヒーのお代わりをいただけますか」

未央「うん……えへへ」

武内P「?」

未央「やっと二人きりになれた!」ガバッ

武内P「おっと……」

未央「ねえP、今日は久し振りのお休みだし、二人でデートしようよ」スリスリ

武内P「そうですね。では未央の服でも見に行きましょうか」ナデナデ

未央「やったー♪」

p「忘れ物……」ガチャ

未央「うえっ!?」ビクーン

p「…………」ジー

未央「あっ、あのね、違うのp、これはね」アタフタ

p「いいよ今更……知ってるよ、母さんが甘えたがりな事くらい」

未央「えっ」

p「行ってきます」バタン

武内P「行ってらっしゃい、気を付けて」

未央「ま、待ってよ! 待ってってばー!」


case. 前 川


夏樹「いただきます」

李衣菜「いただきまーす!」パン

前川「どうぞ、おかわりあるからたくさん食べてね!」

夏樹「へえ、美味いじゃないか」パク

李衣菜「本当だ、おいしい!」モグモグ

李衣菜「いやあ、みくも主婦がすっかり板についたねぇ」

前川「あはは……そうかな?」

前川「はぁ……」

李衣菜「なんだ、元気ないじゃん」

夏樹「みくは食べないのか?」

前川「う、うん。お腹減ってないから気にしないで――」グゥ

前川「…………」///

夏樹「あっはっは、身体は正直だねえ」

李衣菜「なに、ダイエット中?」

前川「……実はこの間の健康診断で少し……」

李衣菜「やばかったの?」パク

前川「うん……このままだとおデブちゃんになっちゃうって……」

前川「お酒飲める歳になって、ビールはおいしいし……」

李衣菜「うんうん、わかるわかるー」

李衣菜「お酒ってロックだよね!」

前川「李衣菜チャン、そういうのいいから」

李衣菜「あ、はい。そうですね」

前川「主婦になってずっと家にいるから運動不足になりがちだし……」

夏樹「アイドルのレッスンて予想より結構ハードだからなぁ」

李衣菜「だよねー」

前川「さすがにおデブにはなりたくないにゃあ……Pチャンに嫌われちゃう……」

李衣菜(あのプロデューサーに限ってそんなこと絶対ないと思うけど)

夏樹(面白いから黙っとこう)


前川「決めたにゃ! 私、絶対痩せる!」

前川「ご飯も減らして毎日ジョギングするにゃあ!」

李衣菜「でも食べないのは身体に悪いよみく」

夏樹「そうだな、しっかり食べてその分運動するのが一番だよ」

前川「ううん……わかってるんだけど……」

夏樹「…………」

夏樹「そうだ」ピコン

夏樹「なぁ、だりー。ちょっと耳貸して」

李衣菜「んー?」

夏樹「……」ボソボソ

李衣菜「…………」

前川「ん、なに、何の話?」

前川「内緒話とかイヤな予感しかしないんだけど!」

李衣菜「いいねそれ! ロックだぜ!」

夏樹「いやいや、みくの為を思っての内緒話だよ?」

夏樹「なあ、だりー?」

李衣菜「うんうん、私たち親友だもんね!」

前川「……怪しすぎるにゃあ」

武内P「ただいま帰りました」ガチャ

前川「Pチャン、おかえりなさい!」

李衣菜「お帰りプロデューサー!」

夏樹「こんばんわ、お邪魔してるよ」

武内P「多田さんに木村さん。いらっしゃいませ」

前川「ご飯用意してくるねー」タッ

武内P「お願いします」

夏樹「ねえPさん、今日泊まっていってもいいかな?」

武内P「ええ、勿論。いいですよ」

夏樹「で、ちょっと話があるんだけど――」

武内P「?」


―深夜―

前川「くにゃあ……zzz……」クカー

李衣菜「…………」

夏樹「…………」

武内P「…………」

前川「んん……七海チャンやめて……そんなところにおさかなは入らないにゃあ……」ムニャムニャ

武内P「…………あの」

武内P「本当にやるんですか……?」ヒソヒソ

李衣菜「当たり前だよ、みくの為なんだから」ヒソヒソ

夏樹「Pさんもしっかりやってくれよ」ヒソソソ

武内P「は、はぁ……」

夏樹「……よし、準備は整った。やれ、だりー」

李衣菜「よっし、行くよ……待っててみく……!」スッ

前川「……zzz」ボリボリ


李衣菜「ほらほらみくちゃーん、大好きなハンバーグだよぉん」フリフリ

夏樹「おいっしいぞぉー」

前川「う……にゃ……」クンクン

前川「う……ぅ……」プイ

夏樹「なかなか手強いな……無意識でも拒否するなんて、そこまで意志は固いってことか」

武内P「…………」

李衣菜「ほらほら、ジューシーな黒毛和牛だよん」フリフリ

前川「う……あぁ……」プルプル

前川「にゃ……うぅ……ん」パクッ

李衣菜「食べた! やった!」パァァ

前川「にゃあ……」ポロッ

前川「おい……ひ……ぃ……」ムグムグ

夏樹「食べながら泣いてる……のか?」

李衣菜「みく……あんたそこまでして……!」ウルッ

李衣菜「すごいよみく……今のあんた、世界一ロックだよ……!」ゴシゴシ

武内P「…………」

夏樹「よし、次は……文字通り喰らえ、板チョコレート!」フリフリ

前川「うぅ……ん……」パクッ

前川「ん……にゃあぁ……!」パァァ

李衣菜「みく、喜んでる……この調子だよなつきち! どんどん行こう!」

夏樹「ああ!」


夏樹「ポテトチップス!」

李衣菜「フレンチクルーラー!」

夏樹「照り焼きチキンピザ!」

李衣菜「チーズケーキ!」

夏樹「ビッグカルパス!」

李衣菜「ダブルエクレア!」

夏樹「さけるチーズ!」

李衣菜「抹茶プリン!」

武内P「…………」

夏樹「よーしだりー、そろそろキンキンに冷えたビールを流し込め!」

李衣菜「あいあいさー!」

李衣菜「おらー、のめのめー!」グイ

前川「うぶっ……んぐ……んっ……んっ……」ゴクゴク

夏樹「あっはははは! すげえ、寝ながら一気飲みだ!」

前川「うにゃあ……」ゲフゥ

前川「……うふふ……」ツヤツヤ

夏樹「なんて幸せそうな顔だ……」

李衣菜「やったねなつきち!」

武内P「…………」


―翌日―

李衣菜「おはようー……」

夏樹「ふぁ……おはよう、Pさん」

武内P「おはようございます、多田さん、木村さ――」

前川「に゛ゃあああああああああああああああああ!!!」

李衣菜「なっ、なに?」ビクッ

武内P「みく!」ダッ

前川「あ……Pチャン……」グス

武内P「大丈夫ですか、どうしました?」

前川「た……体重計……」

夏樹「体重計?」

前川「この体重計……は、あははは……」ウルッ

李衣菜「み、みく?」

前川「へへ……ごはんもガマンしてたのに……なんで……?」ポロポロ

夏樹「あー……」

李衣菜(……やり過ぎちゃった?)ボソ

夏樹(いや、あのままだと倒れるまで食わなさそうだったし……)ボソボソ

夏樹(Pさん、頼んだよ)

武内P「みく」

前川「Pチャン……ごめんね、みくおデブさんになっちゃう……」グスッ

武内P「……いいんですよ」

前川「え……?」


武内P「太っていても、私は元気溌剌なみくが好きです。愛しています」ギュ

李衣菜「うわぁ……」///

夏樹「はは……」ポリポリ

前川「ぴ、Pチャン……こんな人前で」///

武内P「だから……無理なダイエットはやめてください」

武内P「自然に任せて健康なのが一番ですよ」

前川「Pチャン……」ウルッ

前川「うわあん」ギュー

武内P「辛かったですね……」ナデナデ

夏樹「……ああいうの見てると恋人欲しいなあ、だりー」

李衣菜「彼氏欲しいよね……」

武内P「それにしてもみくはいい友達を持ちましたね」

前川「へ?」

武内P「多田さんと木村さんです。彼女たちは、やつれているみくを見て寝ているみくに――」

夏樹「ストップPさん!」バッ

武内P「むぐ……」

李衣菜「オチもついたことだし、朝ご飯食べに行こっかみく!」

夏樹「そうだな、お祝いにあたし達が奢るよ!」

前川「李衣菜チャン……夏樹チャン……」ズズズ

李衣菜「……」

夏樹「……」

前川「どういうこと詳しく聞かせてくれるかにゃ……?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ


case.市原仁奈


武内P「ただいま戻りました」ガチャ

仁奈「お帰りなさい、P」

仁奈「おちびさん達、パパが帰って来ましたよ」

p1「ぱぱー、おかえりなせーませー!」

p2「おみやげはねーですか?」

p3「みんなとってもいいこにしていやがりましたよ!」

武内P「はい、三村さんに教えていただいた有名店のオーガニックのケーキです」

武内P「これならばアレルギーの心配もないでしょう」

p1「わーい!」

p2「さすがはぱぱでごぜーます!」

p3「きょうはケーキまつりですよ!」

仁奈「まあ、とっても美味しそうですね」

仁奈「さあみなさん、手を洗って来なさいな」

p123「「「はい!」」」ターッ

武内P「……子供用の着ぐるみ、また増えましたね。とても似合います」

仁奈「ええ。わたしの手作りですよ」

武内P「まだ小学生だった仁奈を思い出しますね」

仁奈「ふふ、そうですね」クス

仁奈「……十年前のPのきもちになるですよ」

武内P「?」

仁奈「うーん」

仁奈「『着ぐるみを身に着けた、愛らしい市原さんが好きです』」

武内P「に、仁奈……」///

仁奈「うふふ」

仁奈「わたしは着ぐるみのおかげでPと一緒に歩くことが出来ました」

仁奈「おちびさん達も、そんな人と出会えるといいですね」

武内P「ええ、本当に」

仁奈「仁奈のきもちになるですよ」

仁奈「うーん」

仁奈「大好きですよ、P」


case.荒木比奈


武内P「お邪魔しま――」ガチャ

武内P「っ」ビク

比奈「……ウス、お疲れっスPさん……」ドヨーン

武内P「……中々の修羅場のようですね」

比奈「そうっスね……最近ちょくちょく部屋の隅にベレー帽のおっさんが見えるっス……」

武内P「……それは幻覚というやつでは」

比奈「趣味を仕事に出来たのは嬉しいっスけど……ここのところスタドリも効かなくなって来まして……ウヘヘ」

比奈「アシさんもさすがに限界で帰しちゃいましたし……」

武内P「て、手伝いましょうか……それか大西さんを召喚して――」

比奈「だいじょうぶっス……寝ながら夢の中で描けば間に合います……から」

武内P「せめて半日ほど休んで――」

比奈「……それよりも」


比奈「Pさんは、アタシみたいに自分の良さにも気付かず埋もれてる女の子を捜してあげて欲しいっス」

比奈「アタシはPさんのお陰で、こんなボサい自分でも輝ける。何か出来るんだ、って気付かせて貰ったっスから」

武内P「……比奈」

比奈「Pさんがいなかったら、アタシは今頃OLでもやりながら趣味で同人描いてたと思いますよ」

比奈「たぶんね」ニコ

武内P「……はい。全力を尽くします」

比奈「あ、あの、ひとつだけお願い聞いてもらっていいっスか?」

武内P「はい、私に出来ることならば、何でも」

比奈「この原稿終わったら、三日くらいオフもらってあるんで……」

比奈「その……久し振りにデートして欲しいっス」///

武内P「ええ、元よりそのつもりで私も休みを合わせてありますよ」

比奈「……へへ」ニマ

比奈「よぉーし! 元気出たし、追い込みかけるっスよ!」

武内P「その前に、少し休んでください」

比奈「え……」

武内P「無理をしても良いものは出来ません……それはアイドルも漫画も同じです」

武内P「それに何より、倒れたらデートも出来ませんよ」

比奈「ん……それもそうっスね、じゃあ、三時間だけ」

武内P「私はここで控えていますので、ごゆっくり」

比奈「えーと……その、次々と申し訳ないんスけど……」

武内P「?」

比奈「そ、添い寝してもらっていいっスか?」

比奈「……寝付くまででいいんで」

武内P「……はい、喜んで」ニコ


case.輿水幸子


p「うっ……うっ……」グス

幸子「あら……どうしたんですか、p」

幸子「泣いたりしたら可愛い顔が台無しですよ?」ナデナデ

p「うえっ……クラス男の子が……」

p「私のこと、ブスだって……いじめるの」ズズッ

幸子「あら……そうなの、ふふ」

p「……?」

幸子「大丈夫ですよp、貴女は世界一カワイかった私が、世界一カワイイと認めた子なんですから」

幸子「その子はきっと、pのことが好きなんですよ」

p「そう……なの、かな……」

幸子「ええ、pくらいの年の子は、好きな相手に構って欲しくて心にもないことを言ってしまうものですよ」

幸子「私もそうでしたから」

p「…………ん」

幸子「次にまた言われたら、私は世界で一番カワイイんだ、って胸を張って言ってあげなさい」

幸子「そうしたら、相手も何も言えなくなりますよ」

p「そ、そうかな……」

幸子「ええ、pは本当にカワイイんですから」

幸子「人は本当のことには逆らえないものですよ」

p「……うん」ゴシゴシ

p「ありがとう、おばあちゃん」

p「わたし、頑張ってみるね!」


幸子「……Pさん」

幸子「ボクももう、しわしわのお婆ちゃんになってしまいましたけれど――」

幸子「それでもボクのこと、カワイイって言ってくれますかね?」

拙文失礼いたしました。
読んでくれた方、ありがとうございました。

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