【モバマス】ボノノ13「愛妻弁当の牙城」 (42)

当然のようにキャラ崩壊注意



CGプロ事務室――東京――



P「……」カタカタ

ちひろ「そろそろお昼ですね」

ちひろ「今日も愛妻弁当が届くんじゃないですか?」

P「茶化さないでくださいよ、ちひろさん」

ちひろ「仲が良いのは結構ですけど、それ以上の関係は厳禁ですからね?」

P「分かってますよ、破ったら現金なことになるってことぐらい」

2人「「HAHAHA」」

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時計『正午やで』

まゆ「失礼しまぁす」ガチャリ

P「まゆ、おはよう」

まゆ「今日もお弁当を作ってきましたので、一緒に食べませんかぁ?」

P「いつも悪いな、俺なんかのために」

まゆ「気にしなくて良いんですよ。私をプロデュースする方が体を壊したら、心配ですから」

P「確かに、まゆのおかげで、体の調子がすこぶる良いよ」

まゆ「栄養バランスを考えてますからねぇ」ニッコリ

Pまゆ「「きゃっきゃうふふ」」









ゴゴゴゴゴ

凛「」ギリィ...!!

ゴゴゴゴゴ

【Part 1 白昼の陰謀】



某公園――東京――



凛「……」イライラ

凛「……」チラッ

時計『13時13分30秒やで』

凛「遅い! もう約束の時間だっていうのに!」

凛(『13時13分公園の13区画で待ち合わせ』――)

凛(指定のルートでそれを伝えたら、現地でその道のプロがやってくる……そういう話だったのに……)

凛「時間通りに動いてこそプロフェッショナルじゃないの?!」









「もう来てるんですけど」

凛「え?!」

ボノノ「……」ス...

凛(す、すぐそばの木陰から……!)

凛「なるほど……私をチェックしていたってことだね?」

ボノノ「……」

凛「迂闊なことはしゃべらない……そう、噂どおりのプロフェッショナルなんだ」

ボノノ「私は依頼人とおしゃべりにきたわけではなくてですね……」

凛「あ、うん、そうだった……」

凛(あらためて見ると、この子……只者じゃない)

凛(細く華奢でありながらステージで踊り続けられるだけの体力……!)

凛(透き通っていながら観客を魅了するだけの声帯……!)

凛(私と目をあわさないのは、それだけ周囲への警戒を怠っていない証……!)









凛(そして、なにより……)

凛(私がアニメ絵だとすると、まるで劇画というか……)

凛(とにかく、この世界とは異なる『空気』を放っている――!!)









ドドドドド

ボノノ(劇画調)「……」

ドドドドド

凛「私が依頼したいのは――」ス...

ボノノ「動かないでくださいっ」

凛「えっ」

ボノノ「そっとですよ……ポケットの荷物は、そっと出してくださいね……」

凛「ご、ごめん……」

凛(私が襲うことまで警戒しての、この言動……)

鈴(さすがプロフェッショナルだね……!)

凛「そこに写っているのは、私のプロデューサー」

凛「彼は毎日、お昼にお弁当を手渡されているの」

凛「私は彼のことが、その……す、好きだから……!」

凛「お弁当なんかに嫉妬することが見苦しいなんて、分かってるけど……」

凛「とにかく! そのお弁当を狙撃してほしいの!」

凛「その写真はどれも、お弁当を受け取るときのシーンを撮影したものだよ。これだけあれば、狙撃の参考になるはず」

凛「お金なら糸目をつけないから! この依頼を受けて……!」

ボノノ「……」ジッ









ボノノ(劇画調)「むーりぃー」

凛「なにっ!?」

ボノノ「ただのお弁当が、あなたの動機とは考えにくいので……」

ボノノ「きっと、この裏にある思惑こそが、あなたの動機のはずかと……」

ボノノ「私は、隠し事をする依頼人の仕事を請けるつもりはないんですけど……」

凛「……ふっ」

凛「さすがはプロフェッショナル……お見事だよ」

凛「すごく言いづらいことなんだけど、全部話さなきゃいけないみたいだね」

凛「実は、このsh――」ス...

ボノノ(劇画調)「だからゆっくり出して欲しいんですけど(涙目)!?」

凛「ごめん……」シュン

凛「その写真に写っているのが、私の最大のライバル、佐久間まゆ」

凛「その女こそが、プロデューサーに毎日お弁当を届けている張本人なの」

凛「あの女のお弁当のせいで、私はいつも彼とお昼を食べることができないでいるんだ……!」

凛「お願い! あの女がお弁当を取り出した瞬間に、それを破壊して欲しいの!」

凛「目の前でお弁当が台無しになって落ち込むまゆ……あわてて何もできないプロデューサー……」

凛「そこへ私が華麗に登場、颯爽と事態を解決し、プロデューサーとお昼を食べ、これまでの差をすべて埋める――!」

凛「それこそが私の『シンデレラガール計画』!!」

凛「でも、この計画にはあなたの協力が必要不可欠……」

凛「お願いします!! あの女のこすい策略を粉砕してください!!」

ボノノ「……」ジッ









ボノノ「分かりました、やってみましょう」

凛「おぉ、ボノノ13……!」

ボノノ「報酬は、明日以降、森久保乃々にあてられる仕事を2回引き受けることです」

凛「えっ? なんで乃々?」

ボノノ(劇画調)「いいから(おこ)」

凛「アッハイ」

ボノノ「あなたのそのこすい計画……そもそも成り立てばいいですけれどね……」スゥ...

凛「なっ……それはどういう――!?」バッ









乃々「ひっ!? ……あ、凛さん……」ビクッ

凛「……あれ、乃々?!」キョロキョロ

凛「ねぇ、今誰かここを通らなかった?!」

乃々「いえ、ちょっと、気付きませんでしたけど……」

凛「そんな……!?」

凛(出てきたときと同じ、そばの木の裏を歩いただけで、ここから消えてみせるなんて……)

凛(ボノノ13……なんて恐ろしくて、なんて頼れる子なんだろう……!)ゴクリ

乃々「あ、あの……?」

凛「……あ、ごめんね。なんでもないの、なんでも」

乃々「はぁ……」

乃々「……」









ボノノ「……」

【Part 2 狙撃地点へ】



CGプロ事務室――東京――



ボノノ「……」キョロキョロ

ボノノ「……」ササッ

ボノノ「……」

ボノノ(あのプロデューサーがお弁当を受け取るのは、決まって自分の席の周辺)

ボノノ(彼の席か、その隣の席でなければ、狙撃は不可能……)

ちひろ「……あら、乃々ちゃん?」

乃々「あ、はい……」

ちひろ「その手に持ってるのは……あぁ、小道具の猟銃ね」

乃々「これをもってると、勇気が湧いてくるんです……」

ちひろ「そう、お仕事頑張ってね」ニッコリ

乃々「がんばります……」

ちひろ「おっとっと、この書類を上に届けないと……」スタスタ

ボノノ(事務員がいなくなった……今のうちに)スタタ...

ボノノ(……むっ)サッ

ボノノ(プロデューサーの隣の机の下に、住人が1人……)

ボノノ(ここは……さらに隣の机の下か)

輝子「フヒ……お隣さん?」

ボノノ「……」

輝子「どうも……ほ、星輝子、です……」

ボノノ「……どうも」アクシュ

輝子「す、すぐ握手してもらえた……フヒ、フヒヒ……」

ボノノ(ボッチか……)

輝子「それにしても、急な入居、だな……」

ボノノ「実は、お仕事で入居することになったんですが……」

ボノノ「手違いで、1つ隣になってしまったんです」

ボノノ「本当は……あなたのところに行きたかったのですが……」

輝子「そ、そうだったのか……」

ボノノ「すみませんが、しばらくだけ、交換したいんですけど……」

輝子「でも、こっちには、と、トモダチがたくさんいるから……」

ボノノ(キノコのことですね……)

ボノノ「では……あなたと親友以上の関係になれば、大丈夫ですか?」

輝子「え」

輝子「あー、その……い、一応、そうなりますけど……」

ボノノ「では……まず、こちらへお越しください」

ボノノ「交流をはかりたいと思いますので……」

輝子「い、いいぞ……フヒ」

輝子(交流……ボッチには眩しい言葉だ……)ウキウキ










輝子「ウオォォ~!」

ボノノ「……」パンパン

輝子「知らにゃい! こんなの、知らないぃぃ~!」

ボノノ「……」パンパン

輝子「り、リア充! リア充してるぞヒャッハアアアアアア~!」

ボノノ「ぅっ」

輝子「あぁぁぁぁ~……ホット胞子ぃ~……」









輝子「フヒヒ……リア充さいこぉ……」ピクピク









ボノノ(もうすぐお昼の時間……)

ボノノ(……)

【Part 3 嵐の前の静けさ】



AM11:45――CGプロ事務室――



P「ただいま戻りました~」

P「午前中に仕事を片す俺、マジ有能だな」

P(……隣の机の下に人影……また輝子か)

P「輝子もたまには日の光を浴びろよー?」

ボノノ「……フヒ」

P「ふぅ~疲れた~」チャクセキ

P(もうすぐ正午……そろそろ来る頃かな)

凛(ふぅ……なんとか間に合った……)

凛(なんとか仕事を全部終わらせて、12時直前に帰ってこられたよ)

凛(姿は見えないけれど、ボノノ13が待機しているはず)

凛(さよなら、まゆ……おまたせ、P)キリッ

時計「AM11:57」チッ...チッ...

時計「AM11:58」チッ...チッ...

時計「AM11:59」チッ...チッ...

【Part 4 正午の陣】



AM12:00――



まゆ「おはようございまぁす」ガチャリ

P「おはよう。時間ぴったりは流石だな、まゆ」

まゆ「アイドルだから、当然ですよ」ニッコリ

凛(白々しい……!)

凛(時間になるまでドアの前で立っているの、知っているんだから……!)

まゆ「Pさん、今日のお弁当を持ってきましたぁ」ガサゴソ

P「いつも悪いな」

まゆ「いえいえ」つお弁当

ボノノ(……!)










ズキュウーン!!









お弁当「がふdふぁいふぁsbffば!!」ガッシャァン!!

まゆ「きゃっ!?」

P「なっ!?」

凛(やった!)

凛(まゆのお弁当が、グッチャグチャのベッキョベキョに粉砕した!)

凛(あんなお弁当、もう誰も食べられないよ!)

まゆ「うそ……」

P「大丈夫かまゆ!?」

まゆ「お、お弁当……」

P「弁当はいいから、ケガはないか!?」

まゆ「Pさんのために……」グスッ

P「おいおい、大丈夫か?」









凛「大丈夫、まゆ!?(迫真)」ダッ

凛「これ……お弁当」

凛「そっか、ショックだよね、今フラフラだよ? しばらく安静になるべきだって」

凛「確か仮眠室があいてたから、私が連れて行くよ」

凛「Pはお昼が終わったらスタジオでずっとこもりきりの作業でしょ? 今日は食べておいたほうが良いよ」

P「しかし、まゆが……」

凛「まゆは私が寝かせておくから。その後、どこかのお店で合流して、お昼を食べながら報告するよ」

P「あぁ……」









凛(計画通り)(ゲス顔)

凛(まゆを再起不能にし、それを餌にPとの食事の約束を取り付ける……!)

凛(この『頼れる私』という強力なイメージを武器に、まゆがちまちま稼いでいた好感度を根こそぎ奪いつくす……!)

凛(これが私の『シンデレラガール計画』!!)



凛(さぁP!! 今日のランチはどこに行く……!?)キリッ

P「あー……」









P「悪いけど凛、まゆは俺が預かるよ」

凛「!?!?!?!?」

P「まゆ、大丈夫か? 1人で立てるか?」

まゆ「はい、なんとか……」

P「それなら俺のランチに付き合ってくれ。食べられなくても、飲み物くらいなら飲めるだろ?」

まゆ「はい……」

凛「……あっ、わ、私も行くよ!」

凛「1人じゃまゆを支えるの大変だろうし! それに私も心配だから!」アセアセ

P「気遣いありがとうな、凛」

P「でも、ランチ中にまゆと仕事の話もしたいから、今日は遠慮してもらえるかな?」

凛(な、なんだって――!?)

凛(今のPに、まゆとの仕事の話は無いはず……!)

凛(これはどう見ても、Pがまゆをかばっている……!)

凛(どうして……なぜ……いったいいつから……?)

P「ホラ、歩くぞ」ギュ

まゆ「はい……」フラフラ

凛(!?)

凛(ふらつくまゆの体を支えようと、Pが伸ばした手は……)

凛(まゆの……腰!)

凛(アイドルとの関係を頑なに深めなかったPが、どうしてこんな行動を……?!)

凛(っ――)ハッ

凛(これはまさか……『夫婦の絆』!?)

凛(まゆのお弁当が……Pの親愛度をMAXにしたとでもいうの!?)

凛(私が恋人になろうともがいている間に、まゆはコツコツと、夫婦になるために動いていたなんて……!)

凛(そんな……私は……!!)ガクッ

【Part 5 深まる親愛】



夕方――



美玲「……おい、こんなところで寝るなよ、輝子」ツンツン

輝子「んっ……あ、おはよう……」

美玲「またキノコいじりで根落ちしたのか? 体に悪いなぁ……」

美玲「キノコもいいけど、たまにはウチとおしゃべりするのも悪くないぞ?」

輝子「……」

輝子「……」ゾクゾク

輝子「な、なぁ……美玲は私の、し、親友……だよな?」

美玲「え? ウチが?」

美玲「……ま、オマエと親友するのも、悪くはない……かな?」プイッ

輝子「実は、簡単にリア充になれる方法……知ったんだ」

美玲「そうなのか? それはちょっと気になるな」

輝子「実践してあげるから……か、仮眠室へ、行こう……」テクテク

美玲「オマエからの誘いなんて……エヘヘ、ちょっと嬉しいじゃんか///」テクテク

アイドルに存在するパラメータ・親愛度――

それはプロデューサーたちにも存在する

そしてお互いの親愛度がMAXになった2人は、

恋人という関係すら凌駕し、

夫婦以上の存在へと昇華するという





END

お詫び



参考資料として貼り付ける予定だった『猟銃を持った劇画調の森久保乃々』の画像がどこにもありませんでした

深くお詫び申し上げます

元はラブライブでウミミ13として1話だけ書き溜めていたんですが、

モバマスの方がネタが作りやすいので、

ちょっと乃々に頑張ってもらいました



以上です、ありがとうございました

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