~午前0時 光彦の家~
光彦「そろそろ時間ですね…」ポチ
光彦「これが地獄通信…」
光彦「ここに名前を書き込んで送信すれば、その人は地獄へ…」
光彦「偶然聞いた噂ですが、もうここまで来たら後には引けません!」
光彦「江戸川コナン…と」ポチ
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シーン…
光彦「何もおきませんね…」
光彦「やっぱりただの噂…」
??「呼んだ?」
光彦「わっ!」ビクッ
光彦(いきなり目の前に黒髪の女の子が…)
??「私は閻魔あい…」
光彦「そうですか、あなたが地獄少女…」
光彦「って、いつの間に僕は夕焼けの木の下に…」
輪入道「お嬢、そいつが依頼人かい?」
一目連「まだガキじゃねぇか」
骨女「その年で恨みを募らせるなんて、一体何があったんだい?」
光彦「何ですかあなた達は…」
骨女「まぁお嬢…地獄少女の下僕っていった所かねぇ」
光彦「はぁ…」
一目連「それで、何があったんだよ?」
光彦「…僕は、もう耐えられないんです!」
光彦「毎日毎日コナン君にスイッチで虐げられる日々…」
輪入道(何だスイッチって…)
光彦「ちょっと前までは友達だったはずなのに…」
光彦「いつの間にか僕は仲間内で最下層に追いやられてしまった…」
一目連「ちょっと見てみたが、ありゃあ酷いもんだな」
光彦「コナン君も以前までは犯罪を憎む正義の味方だったはずなのに今やスイッチの魔物と化してしまった…」
光彦「だから僕が止めるんです!」
骨女「成程ね…どうするお嬢?」
あい「…輪入道」
輪入道「あいよ」シュン
光彦「あのおじさんが藁人形に…」
あい「…受け取りなさい」
光彦「え?」
あい「あなたが本当に恨みを晴らしたいなら、その赤い糸を解けばいい」
あい「糸を解けば、私と正式に契約を交わしたことになる、恨みの相手は速やかに地獄に流されるわ」
光彦「じゃあ…」スッ
あい「但し、契約を交わしたら、あなたにも代償を支払ってもらう」
光彦「代償?」
あい「人を呪わば穴2つ…恨みを晴らす代わりに、あなたの魂も地獄へ…」
光彦「そんな…」
あい「死んだ後の話だけどね」
あい「後は、あなたが決める事よ…」フッ
光彦「消えた…この藁人形の糸を引けば…」グッ
光彦「いや、まだです」
光彦「まずはコナン君と話をしましょう」
光彦「まだ彼に以前の心が残っていればこんな事は…」
~翌日の放課後~
コナン「何だよ光彦話って、今日はスイッチ持ってきてないから遊べねーぞ」
光彦「その事で話があります」
コナン「あ?」
光彦「コナン君はいつからそうなってしまったんですか?」
コナン「何の話だよ?」
光彦「スイッチを使って僕を傷つけるようになってしまった事です!」
コナン「それは博士を怒れよ、スイッチ作ってんのあっちなんだから」
光彦「確かに最初はそう思いました、でもコナン君はそのスイッチをためらいなく使ってるじゃないですか」
光彦「前のコナン君ならそんな非道な博士を止めるはずでしょう?」
光彦「それどころかそんな博士にさらなるスイッチの開発をうながしたりして…」
光彦「こんなの僕の憧れた名探偵コナンじゃないです!」
コナン「・・・・・」
光彦「あの犯罪を憎むコナン君が人を傷つけることを厭わないなんて…」
光彦「こんなの今まで出会ってきた犯人達と一緒じゃないですか!」
光彦「戻ってきてくださいよ、僕達のヒーローに…」
コナン「バーロー…」
光彦「え?」
コナン「バアアアアアアアロオオオオオオオ!!!」
光彦「!?」ビクッ
コナン「何がヒーローだぁ!毎回毎回事件に巻き込まれる身にもなってみろォ!!!」
光彦「ど、どうしたんですかいきなり…」
コナン「旅行に行けば事件、誰かに出会えば事件、普通に生活してても事件…」
コナン「もうウンザリなんだよ!何度人の死に様を見せられたと思ってんだ!」
コナン「そりゃストレスもマッハになるってもんだ!!!」
コナン「このストレス…誰かを痛めつけなきゃやってらんねぇよ!」
光彦「それが僕をスイッチで苦しめてきた理由ですか…」
コナン「ああ!文句あっか!」
光彦「そんな…僕達は友達じゃなかったんですか…」
コナン「バーロー、そう思ってんのはお前だけだ」
コナン「お前らと何て所詮元の姿に戻るまでの付き合いにすぎねーんだからな」
光彦「元の姿?何を言ってるんですかコナン君…」
コナン「こっちは望んでテメーらと一緒にいるわけじゃねーのに寄ってきやがって」
コナン「挙句に少年探偵団だぁ?ガキがナマ言ってんじゃねーよ」
コナン「こっちは一刻も早く元の生活にもどりてーのにヘラヘラしてつるんでくんじゃねーよ」
コナン「だったらテメーらでウサ晴らしするしかねーだろうがあああああ!!!」
光彦「・・・・・」
光彦「コナン君が何を言ってるのかわかりませんが…」
光彦「そんなにイライラするなら事件が起こっても関わらずに警察にまかせればいいじゃないですか…」
コナン「バーロー!そんな事したら迷宮入りになっちまうだろ!」
コナン「犯人共ときたら元々は一般人のくせにオレレベルじゃねーと解けないような難解なトリック考えつきやがって…」
コナン「そもそもそんなトリック考えつくなら殺人以外で復讐する方法考えろよな!」
光彦「そ、それはもっともですが…」
光彦「だからって、僕をストレスの捌け口にしなくてもいいでしょう!」
光彦「友達を売るつもりはないですが、僕だけに集中するのはどうしてですか!?」
コナン「バーロー!歩美や灰原は女の子だから流石に良心が痛むだろ!」
コナン「だからって元太は馬鹿すぎてリアクションがつまらねぇ…」
コナン「光彦!テメーみてーな中途半端に賢くて中途半端に大人びてる奴をヒイヒイ言わせるのが一番スカッとするんだよ!」
光彦「そ、そんな勝手な…」
コナン「どうだ、まだ何か言いたい事あるか!」
光彦「いいえ、よくわかりました…」
コナン「そうか、これからもオレのストレス解消用サンドバッグを続けてくれるか!ハハハハハ!!!」
光彦「僕の知ってる名探偵のコナンくんはもういない…」スッ
コナン「あ?何だよその人形…」
光彦「今僕の目の前にいるのは人を傷つける事をどうとも思わない怪物コナンです!!!」シュルッ
コナン「え…」
ヒュウウウ…
輪入道「恨み…聞き届けたり…」
~謎の空間~
コナン「…ハッ!」パチッ
コナン「光彦が人形の糸を解いたら意識がなくなって…」
コナン「というかここは何処だ?」ガチャガチャ
コナン「な!?手足が鎖で繋がれてる…」
コナン「ここはどっかの研究所か?」
一目連(白衣)「できたぜお嬢、江戸川コナンが10万ボルトの電撃に襲われるスイッチだ!」
コナン「何だと…」
あい(白衣)「そう、早速押してみるわ」ポチ
バリバリバリ!!!
コナン「ギャアアアアア!!!」
コナン「うう…」
骨女「こっちもできたよお嬢、江戸川コナンが全身を蜂に刺されたような痛みに襲われるスイッチだよ」
あい「そう」ポチ
ザクザクザク!!!
コナン「ぐええええええ!!!」
コナン「も、もうやめ…」
輪入道「できたぞお嬢、江戸川コナンが炎に巻かれるスイッチだ」
あい「ふーん」ポチ
ボオオオオオ!!!
コナン「ぎにゃああああああ!!!」
コナン「な、何なんだお前ら…黒の組織の回しもんか…」
骨女「そんな大層なやつらじゃないさ、江戸川コナン、いや、工藤新一君?」
コナン「な、なぜそれを…」
輪入道「そんな事より、少しは彼の彼の苦労がわかったか?」
コナン「は?」
一目連「今まで光彦って奴にしてきた事の痛みがわかったかって言ってんだよ」
骨女「ま、あの子が味わったのはこんなもんじゃなかっただろうけどね」
コナン「何を言って…」
輪入道「これからお前さんは地獄で永遠の苦痛を味わう事になるんだからな」
コナン「ふざけんな!俺は悪くねぇ!スイッチを作った博士が悪いんだ!」
骨女「でも押したのはあんた自身の悪意だろ?」
コナン「それだけじゃねえ!こんなに事件が起きる世の中も悪い!」
コナン「それに何より、オレに推理の才能を与えた親が悪いんだ!」
一目連「おいおい、遂にこの世の全てを否定かよ」
輪入道「もうどうしようもねぇな、どうするお嬢?」
あい「そうね…」スッ
コナン「な、何だお前は…」
あい「闇に惑いし哀れな影よ…」
あい「人を傷つけ貶めて…」
あい「罪に溺れし業の魂…」
あい「いっぺん、死んでみる?」
コナン「わああああああ!!!」
~三途の川~
コナン「こ、ここは…」
あい「・・・・・」ギコギコ
コナン「おい!この船はどこに向かってる!?」
あい「…地獄よ」
コナン「何だって!?おい船を止めろ!」
あい「無理よ」
コナン「なら力づくだ!このキック力増強シューズで…」カチャ
あい「…1つ聞いていいかしら?」
コナン「何だよ?」
あい「あなたが今履いてるのは下駄よ」
コナン「な!?いつの間に!?」
コナン「だったら腕時計型麻酔銃で…」
あい「それが時計?」
コナン「へ?」
蛇「シャアアアアア…」
コナン「うわっ!?」ポイッ
あい「もう無駄よ、契約からは逃れられない…」
コナン「バーロー!オレにはあっちでまだやる事がいっぱいあるんだ!」
コナン「黒の組織の壊滅、難事件の数々、それに蘭…」
あい「あなたがいなくともそれはどうにでもなるわ」
コナン「ふざけんな!オレは完全無欠の高校生探偵、工藤新一だ!他の奴なんて所詮オレの引き立て役なんだよ!」
あい「・・・・・」
コナン「おい、戻してくれよ…頼むよ…」
あい「この恨み…地獄に流します…」
コナン「らあああああああん!!!」
~現世~
光彦「ハハハ…ついにやってしまいました…」
光彦「これで僕にも平穏が戻る…」
光彦「でも、何でしょうこのやるせなさは…」
光彦「結局僕も今まで会ってきた犯罪者たちと変わらないって事ですかね…」
フラッ…
光彦「あれ、意識が…」
~三途の川~
あい「…また会ったわね」ギコギコ
光彦「あれ、何で僕はここに…」
あい「…恨みなんとどこで買ってるかわからないものよ?」
光彦「そ、そうですか…」
あい「意外と驚かないのね」
光彦「ええ、これでよかったのかもしれません…」
光彦「地獄ですか…またコナン君に会えますかね?」
あい「さぁ?地獄も広いから…」
光彦「今度こそ仲良くなれるでしょうか…」
あい「それはあなたが決める事よ…」
光彦「そうですよね…」
あい「この恨み…地獄に流します…」
光彦「コナン君…今行きますからね…」
~現世~
灰原「ま、まさか本当に効果があるなんて…」
灰原「案外オカルトも捨てたもんじゃないわね…」
あい「…送ってきたよ」
灰原「あら、意外と早かったのね」
あい「でもよかったの?」
灰原「後悔はしてないわ、彼…円谷君はとりかえしのつかない事をしてしまったのだから…」
灰原「江戸川君…いえ工藤君は組織を壊滅させる銀の弾丸…切り札だったのに」
灰原「それを消してしまった代償は支払ってもらわないとね」
灰原「でも、これで組織の壊滅への道はほぼ断たれてしまった…」
あい「それで、あなたはこれからどうするの?」
灰原「こうなった以上もうこの町にはいられない…どこかでひっそり生きていくわ」
あい「そう…」
灰原「あなたこそ、もう依頼は終わったのになんで私に構うの?」
あい「私も同じ名前だから…つい、ね」
灰原「…私の「あい」は偽名なんだけど?」
灰原「まぁいいわ、それじゃ私はこれで…」
あい「そう、じゃあねしほ…あい」
灰原「最後までそう呼ぶのね…じゃあね」
あい「ええ」
灰原「さようなら…小嶋君、歩美ちゃん」
~それから~
歩美「コナン君に光彦君に哀ちゃん…どこいっちゃったんだろ…」
元太「突然いなくなっちゃうんだもんな~」
歩美「蘭さんも小五郎のおじさんも知らないって言うし…」
元太「博士や光彦の家族もだぜ」
歩美「やっぱり光彦君イジメ出してから皆変わっちゃったからかなぁ?」
歩美「そういえば、何で歩美達光彦君イジメてたんだっけ?」
元太「そういえば…何でだっけ?」
~阿笠邸~
阿笠「ほひひ、実験は大成功じゃの」
阿笠「探偵バッジに細工をして人の心境を意のままに操ることができるようになるとはの?」
阿笠「まぁとりあえず「光彦君をいじめるのは常識」という心理を試してみたが…」
阿笠「今までの光彦苛めスイッチも探偵バッジに電波を受信させて発動するものじゃがうまくいったわい」
阿笠「後はこれを組織に…」
阿笠「おや?意識が…」バタッ
~とある事件現場~
阿笠「おや?ワシは何で倒れておる…」
阿笠「首にロープが…体も動かんし…」
一目連(刑事)「首吊りか…」
骨女(刑事)「現場も密室みたいだったし…」
輪入道(鑑識)「こりゃあ自殺だな、警部」
あい(警部)「そうね、撤収しましょう」
阿笠「ま、待て!ワシは生きとる!誰かの仕業じゃ!」
一目連「は?何言ってんの被害者さん?」
阿笠「きっと何かトリックを使ったんじゃ!」
骨女「何言ってんだい、外から内側に鍵かけるなんて錠前のプロでもそう簡単にできる事じゃないだろ?」
阿笠「そ、そんな…何でワシがこんな目に…」
輪入道「少しは反省したか?」
阿笠「ほひ?」
一目連「自分の発明で人を苦しめて反省したかって事だよ」
阿笠「な、何の事じゃ?」
骨女「おおかたその発明で自分の組織を強化するってハラだろうけど、もう終わりだよ」
阿笠「な、何故その事を…」
阿笠「ええい!ワシはこの技術を使って世界を支配するんじゃ!」
阿笠「そのためにあの子達は栄光なるモルモットになってもらったんじゃ!文句ないじゃろ!」
一目連「やれやれ、反省の色なしか、どうするお嬢?」
あい「そうね…」
阿笠「な、なんじゃその子は…」
あい「闇に惑いし哀れな影よ…」
あい「人を傷つけ貶めて…」
あい「罪に溺れし業の魂…」
あい「いっぺん、死んでみる?」
阿笠「うわああああああ!!!」
~三途の川~
あい「・・・・・」ギコギコ
阿笠「一体誰じゃこんな事をしたのは…」
あい「・・・・・」
阿笠「おい!何とか言わんかい!」
あい「・・・・・なんとか」
阿笠「」
あい「この恨み…地獄に流します…」
~阿笠邸前~
朝美「これで、いいんだよね」
朝美「光彦の日記にはあいつらにスイッチとかいうので毎日いじめられてるって…」
朝美「行方不明になったのもきっとあいつらのせい…」
朝美「光彦、待っててね、お姉ちゃんもいつかそっちに行くから…」
一目連「姉が弟の敵を討つか…毎度の事だがやりきれねぇよな…」
骨女「何してんだい一目連、帰るよ」
一目連「ああ、悪ぃ」
輪入道「それにしても腑に落ちねぇな」
一目連「何がだよ」
輪入道「あの江戸川コナンの周囲、つまりこの町で異様に事件が起こる事がな」
骨女「確かにそうだね…殺人や強盗、爆弾テロも割と起こってるからねぇ」
あい「元々この地は昔から争いが絶えなかったのよ…」
骨女「お嬢?」
あい「人は憎み合い、殺し合い、そうやってできた怨念がこの地に集まってるのよ…」
一目連「そうなのか…」
あい「そして現在、その怨念はあの少年に降りかかった…」
輪入道「それが江戸川コナン…か」
一目連「じゃあ今は…」
あい「ええ、彼が地獄に流された以上、怨念も消えたわ」
骨女「じゃあもうここで事件がおこることはないって事かい?」
あい「多分ね、この一件に関しては地獄でも問題になってて…」
輪入道「あの蜘蛛も色々大変だな」
あい「でも私達には地獄通信でしか干渉できないから、それにこの辺の人達はオカルトはあまり信じてないみたいだし」
骨女「まぁでもこれでこの町も落ち着くって事だろ」
あい「…ええ」
輪入道「じゃあ、帰るとするか」
一目連「そうだな」
あい「・・・・・」コクリ
スタスタ…
あい「さようなら、米花町…そして探偵達…」
その後、米花町では事件は目に見えて減っていった
たまに起こる事もあるが、以前のような難解なトリックは用いられず、警察だけで解決できるようになった
探偵達は殺人事件に関わることも少なくなり、それぞれの道を歩み始めた
毛利探偵事務所にもそういった類の事件が舞い込んでくることもなくなり、小五郎だけで何とか解決していた
蘭や歩美達は新しい出会いをして新たな生活を始めている
そして、ある犯罪組織が世間の目に触れる前に壊滅した、メンバーの行方もわかっていない
また、江戸川コナン、円谷光彦、灰原哀、阿笠博士の行方も今だ不明である…
あい「あなたの恨み…晴らします」
~終わり~
これで終わりです
以前見たコナン×地獄少女のSSが中途半端だったので書いてみました
地獄少女のあのお仕置きシーンってあいちゃんが台本描いてるんですかね…
あい「・・・・・なんとか」
阿笠「」
あい「この恨み…地獄に流します…」
ここが特に地獄少女っぽくて良かった
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