アパート
居間
理樹(事件が起きたのは、いつものように3人で朝食を取っている時だった。その日はフォークと陶器がぶつかる音くらいしか聴こえないほど静かだったのを覚えている)
葉留佳「ねーねー、あとどのくらいで学校戻れるのかな」
佳奈多「さあね。最低でもあと一ヶ月はかかるかしら」
葉留佳「はあ、最初は学校サボれるなんてラッキー!とか思ってたけどこうも続くと寂しくなりますナァ……」
理樹「僕も、そろそろ食堂のご飯が恋しくなってきたよ」
理樹(僕らは休学届けを出してからこのアパートで暮らすようになってから既に一ヶ月が経っていた。その間に二木さん達の両親や”彼ら”の内部にいた味方の人達によって一族の人間は順当に法的措置が講じられていった。しかしまだ裁判で粘って外にいる人達がいる。どんな手段を取っても勝てないのはあちらも承知のはずだが、それでも時間稼ぎをしているのは、きっと僕らを探すためだろう。つまり、その人達が然るべき場所に移るまでは僕らもまだ安心して学校には戻れないというわけだ)
佳奈多「……なに、私の料理にはもう飽きたって?」
理樹「あっ、いや、決してそういう意味ではなくて……」
佳奈多「葉留佳もちゃんと勉強してる?もしも学校に早く戻れたら中間テストには間に合うだろうし、その時になって『うわー!テスト勉強やってなーい!』なんて言っても言い訳にはならないわよ」
葉留佳「…………や、やっぱりしばらく戻りたくないなー……なんちて」
理樹(とはいえ、ここの暮らしも苦ではない。急いで決めた割には良い街だった。静かでのんびりとした僕向けの田舎で、学校やあの家からはかなり遠い場所にあるので見つかることはまずないだろう。一つ不満があるとすれば映画館が遠いということくらいだ)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1470145149
佳奈多「やれやれね。こうもダラダラした生活を続けていたら戻った時に2人ともどうなることやら」
理樹「まあまあ。少し長めの夏休みと思えば」
葉留佳「そーそー。あっ、もうこんな時間か!そんじゃ行ってきまーす!」
佳奈多「言ったそばから遊びに行くのね……」
理樹(その声には諦めの感情が溢れていた)
葉留佳「えへへ、すぐ戻ってくるから!なんか買って帰る?」
佳奈多「牛乳と玉ねぎを買ってきてちょうだい。あとはまた思いついたら連絡する」
葉留佳「アイアイサー!」
理樹(元気よく扉を閉めて出て行った。きっと夕方にしか返ってこないだろう。一応生活費は出ているから働く必要はないとはいえ確かに僕は怠けすぎているかもしれない。葉留佳さんに至ってはただの開き直ったニートだ)
理樹「じゃあ僕も何かやることある?」
佳奈多「そうね。じゃあ洗濯物を取り込んでおいて」
理樹「了解」
理樹(と、立ち上がった時だった。ずっと正座で食べていたからか足が痺れてバランスが崩れた。思うように立てず、そのまま前のめりに二木さんの方へ倒れかかってしまった
)
佳奈多「きゃっ!?」
ゴンッ
理樹(その時、さらに運が悪いことにテーブルの角に頭をぶつけてしまった。僕の全体重がかかった重い一撃だった)
理樹「ううん……」
佳奈多「なっ……ど、どこ触ってるの!!この変態!変態!!」
ゴツンッ
理樹(自分の足に引っかかり、このまま気を失っては間抜けにも程がある。しかし悲しいかな、さらなる頭への打撃が僕の頭を真っ白にさせた)
理樹「……………………」
佳奈多「このっ!このっ!」
理樹「……………………」
佳奈多「………えっ?」
理樹「……………………」
佳奈多「な、直枝?」
理樹「……………………」
荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」
↓
信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか?
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ
いちいちターキー肉って言うのか?
鳥なんだから鶏肉だろ?自分が世界共通のルールだとかでも勘違いしてんのかよ」
↓
鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科のニワトリの食肉のこと。
Wikipedia「鶏肉」より一部抜粋
↓
信者「 慌ててウィキペディア先生に頼る知的障害者ちゃんマジワンパターンw
んな明確な区別はねえよご苦労様。
とりあえず鏡見てから自分の書き込み声に出して読んでみな、それでも自分の言動の異常性と矛盾が分からないならママに聞いて来いよw」
↓
>>1「 ターキー話についてはただ一言
どーーでもいいよ」
※このスレは料理上手なキャラが料理の解説をしながら作った料理を美味しくみんなで食べるssです
こんなバ可愛い信者と>>1が見れるのはこのスレだけ!
ハート「チェイス、そこの鰹節をとってくれ」
ハート「チェイス、そこの鰹節をとってくれ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1469662754/)
余談
7 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします sage 2016/07/28(木) 09:06:48.44 ID:10oBco2yO
ターキー肉チーッスwwwwww
まーたs速に迷惑かけに来たかwwwwwwwww
9 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします sage 2016/07/28(木) 09:12:33.84 ID:LxY8QrPAO
>>7
はいNG設定
この速さである
相変わらずターキー肉くん=>>1という事を隠す気も無い模様
31 ◆xmciGR96ca4q sage saga 2016/07/28(木) 12:50:19.79 ID:g6WSU+sH0
昨夜寝ぼけてスレ立てミスったんで憂さ晴らしも兼ねて久々のロイミュ飯でした。書き溜め半分残り即興なんで色々アレかもしれませんがアレがアレなんでアレしてください何でもシマリス(熱中症
建てたら荒れると判ってるスレを憂さ晴らしに建てる
つまり>>1は自分の憂さ晴らしにs速を荒らして楽しんでる
うーん、いつも通りのクズ>>1で安心するわー
アパート
昼
ミンミンミンミーン……
理樹「……………」
理樹(次に目を覚ますと、外のセミがやけにうるさかった。もう昼になったんだろうか。なるほど、そこまで意識がなかったのか)
佳奈多「あ、直枝……」
理樹(横を向くと二木さんが正座でこちらを不安そうに見ていた)
理樹「今……何時?」
佳奈多「もう正午よ。お昼、作らないとね」
理樹(僕は布団に寝かされていた。そして何故か氷枕が敷かれていた。その理由は起き上がってから気付いた。頭に大きなたんこぶが出来ていたのだ)
理樹「つつ……」
佳奈多「あっ、まだ起きちゃダメよ!まだ完全に腫れが収まってないんだから…」
理樹(あの時のダブルショッキングはあの二木さんに心配されるほど見ていられないものらしい)
佳奈多「ご、ごめんなさい……本当に酷いことをしたわ」
理樹「いやいや、元はと言えば僕が自分で…」
佳奈多「まさかあんなゲンコツ一つでここまで大きく腫れるなんて思わなかったの」
理樹「は?」
佳奈多「葉留佳が出て行っていきなり飛びかかってくるものだから私てっきり……」
理樹(どうやら二木さんは僕がテーブルで打った所を見てなくて怪我は全部自分がやってしまったと思い込んでいるようだ)
理樹「はははっ、それは違うよ。二木さん、僕は……」
佳奈多「いいえ、違わないわ!私は最低の人間よ!眠り病で倒れたあなたを殴るなんて!」
理樹「………は?」
佳奈多「あなたのその……ナルコレプシーの事は知っているわ。それで倒れてしまったんでしょう?そうとも知らずに勝手にパニックになって………私ったら馬鹿ね……。本当に馬鹿」
理樹(ナルコレプシー。確かにそれは僕の持病だった。しかし、それは今やあの世界から帰ってきて一度も発症したことがない。戻ってきてからまだ医者に見せてはいないが、多分もうそれは治っているはずだ)
理樹「いや、あのね二木さん…」
佳奈多「よく考えれば私ったらそういう事情も考えずにずっとキツく当たっていたわ……本当にごめんなさい……直枝」
理樹「………っ!」
理樹(その時見せた顔は僕に魔を差させてしまった。端に涙をためて上目遣いで見下ろされても勘違いだったと言える人はいない)
理樹「まあ……ちょーっと痛かった……かな?」
佳奈多「あ………うん…」
理樹「いやね。別に二木さんにどうこうしてもらおうなんて思わないよ。いつもご飯作ってもらってるし、むしろ感謝してるくらいさ」
理樹「ただ…」
佳奈多「ただ……?」
理樹「最近どうも肩が凝ってるんだよね」
夕方
ガチャッ
葉留佳「たっだいまー!」
理樹「あっ、おかえりー」
佳奈多「おかえり…んっ!……なさい……ふっ…!」
葉留佳「んなぁーーーーっ!?」
理樹「えっ、どうしたの葉留佳さん?」
葉留佳「な、な、な………」
佳奈多「…………どう、直枝?」
理樹「うん。凄く気持ちいい」
葉留佳「な、なんでお姉ちゃんが理樹君の肩揉んでるの!?」
理樹「なんでって……ねえ?」
佳奈多「ええ。たまに人の肩をほぐしたくなるのよ。葉留佳には内緒だったけど実は整骨院を立ち上げるのが夢なの私」
葉留佳「う、うぇぇえ!?なにそれ初耳ですヨ!?」
佳奈多「聞かれなかったもの」
葉留佳「普通『お姉ちゃんってもしかして整骨院を立ち上げるの夢?』なんて聞かないでしょ!というか理樹君、その頭どうしたの?なんか腫れてない?」
理樹・佳奈多「「ギクッ」」
理樹「そ、それは……」
佳奈多「蚊に刺されたの。どうやら10分間ずっと吸われ続けていたことに気づかなかったようね。本当に間抜けだわ」
理樹「いやぁ、お恥ずかしい」
葉留佳「ええ……」
理樹(今日の肩揉みの代わりにこの事はお互い一切忘れることにした。今回はそれで終わりだが、この事件のお陰で僕は自分が強い武器を持っていることに気付けた)
理樹(そう、とりあえず眠り病のせいにしておけば二木さんは弱い)
続く(∵)
このssは別にナルコレプシーを馬鹿にしている訳ではない。思いきり話のネタにしてるけど
あくる日
アパート
葉留佳「ふぁぁ……」
理樹「…………」
理樹(その日はずっと家でゴロゴロしていた。そろそろ一ヶ月で使えるお小遣いが底をつきかけていたし、特に外でやることもないからだ。こういう時は素直に日向ぼっこをして本でも読むほうがいい。どうやら葉留佳さんはお金がなくて嫌でもそうしているようだけど)
佳奈多「うーん……」
理樹(キッチンから二木さんの困り声が聞こえた)
葉留佳「どーしたの?」
佳奈多「卵を全部使っちゃってたのよ。まだあったと思ったんだけど……」
葉留佳「げっ……」
理樹(次に出る言葉は容易に予測出来た。どちらかが買い物に行かなければならない。あの大きく長い坂の上にあるスーパーへ)
佳奈多「悪いけど2人のどちらか……」
理樹(やるしかない!)
バサッ
佳奈多「買い物に行ってくれない?」
葉留佳「えーー!理樹君じゃんけんしよー……ってアレ?」
理樹「…………………」
理樹(気の毒だが葉留佳さんには犠牲になってもらおう)
葉留佳「あらら、理樹君寝ちゃってる」
佳奈多「えっ……?」
葉留佳「おーい!」
理樹(ゆさゆさと僕を起こそうとする葉留佳さん。そこに二木さんの鋭い声が助けにきた)
佳奈多「こら葉留佳!」
葉留佳「えっ、な、なに!?」
佳奈多「あなた自分が恥ずかしくないの!?」
葉留佳「は、はるちんなにかしましたカ…?」
佳奈多「直枝の病を知らないとは言わせないわ!病人を無理やり起こしてでも買い物に行きたくないっていうのあなたは!?」
葉留佳「あっ、えっ、なっ!?」
佳奈多「ほらっ!あとは私がしておくからあなたはとっとと行きなさい!」
葉留佳「でもただ普通に寝てるだけカモ……」
佳奈多「とっとと行く!!」
葉留佳「う、ウィムシュー!」
理樹(ドタバタと用意して扉を出て行く音が聞こえた。葉留佳さん、君はいい道化だったよ)
佳奈多「まったく…………とりあえず直枝は放っておいていいとは言ってたけど一応ソファーに寝かせようかしら」
理樹(と、二木さんが僕の上半身を起こした。ミントのいい匂いがする)
佳奈多「ふぅ……ヒョロヒョロしてる癖になかなか重たいわね…これでも男の子ってことか」
理樹(二木さんが両肩を持って僕をすぐそばのソファーまで移動させた。ここまでさせて少し罪悪感はあったが、肩に当たる柔らかい感触でそれは既に吹っ飛んでいた)
佳奈多「よいしょっ……と」
理樹「…………………」
佳奈多「…………………」
理樹(僕をソファーに運んだ後も二木さんの気配は近くにあった。いったい何をしているんだろう)
佳奈多「…………………」
佳奈多「…………………」
佳奈多「……………ハッ!」
佳奈多「い、いったい何を考えてるの私は!不謹慎な……」
理樹(本当に何を考えていたんだ!?)
佳奈多「ま、とにかく……おやすみなさい直枝」
理樹(僕にタオルケットをかけると、二木さんは皿洗いに専念した。こうしても目を瞑って水が流れる音を聴いているとなんとなく両親がいた頃の雰囲気を思い出す)
……………………………………………
………………………
…
理樹「………ん……あ…」
理樹(気づかないうちに本当に寝てしまっていたようだ)
葉留佳「あー!もー!起きるの遅すぎだよ理樹君!」
理樹(身体を起こすと洗濯物を畳んでいた葉留佳さんが僕に小言を言った)
葉留佳「理樹君があんなタイミングで寝ちゃうから買い物に行かされたし、その後はお風呂洗いと洗濯物までさせられたんだから!」
理樹「なんだか全部押し付けちゃったみたいだね。ごめん…」
理樹(やったね)
葉留佳「はるちんはもうプンスカですヨーー!!!」
理樹「あれっ、そういえば二木さんは?」
葉留佳「お風呂。もう2人でご飯食べちゃったよ」
理樹「そっか」
葉留佳「おかずは冷蔵庫にあるからね」
理樹「うん」
理樹(ただ買い物をサボるだけのつもりだったが、これは嬉しい誤算だ。やはり二木さんはこの間のこともあり、ナルコレプシーについてかなり敏感になっている)
翌日
夜
アパート
TV『~~~!』
理樹(今日はずっと漫才を見ながら葉留佳さんと涼んでいた)
葉留佳「……こうやってのんびりテレビを見ながらポテチを食っていられるのもあと何日くらいなんですかネ」
理樹「まだ具体的には分からないな。でも確実に短くなっているのは確かだね」
葉留佳「はー。もしも時が止まるなら今ぐらいがいいかもしれないなー」
理樹「本当にねー」
理樹(最近、葉留佳さんのぐうたら癖が移った気がする。しかし、分かっていても変えられないのが癖である)
葉留佳「とりあえずこの一瞬一瞬を大切に噛み締めて生きていくですヨ」
理樹「この台詞だけ抜き出すと立派なんだけどね……」
理樹(なんてくだらないやり取りをしているとそろそろシャワーを浴びたくなった。今日は外に出たのでシャツの汗が冷たくなって着心地が悪くなってきた)
理樹「どっこいしょういち…っと」
風呂場
理樹(服を脱いで自分の腕と足を観察した)
理樹「うーん……」
理樹(昨日はヒョロヒョロなんて言われたが、これからは腕立て伏せやジョギングをして太くなろう。そう決意した)
理樹「とりあえず入るか」
ガチャッ
佳奈多「えっ?」
理樹「…………」
理樹(その瞬間、僕はかつてないほどのスピードで脳内で思考を加速させた)
理樹(これはまずい。ドアを開けたら身体に泡を擦り込ませた二木さんが振り向き、僕と目が合った。今からどれだけ早く扉を閉めても間に合わない。殺される)
理樹(しかし後ろ姿とは言え、普段の厚着の先を見れたのはとても喜ばしい。あの傷の方も塗り薬の成果が出ているのか順調に目立たなくなっている。事情があるとは言え色々と頑張ってきたんだ。これくらいのご褒美はないとね)
理樹(それらのことを頭の中で0.5秒ほどグルグル回転させてからようやくこの状況を打破する方法を考えることにした。遅くても2秒後にはビンタが待っている。どうする、どうする僕?ライフカードが欲しい!)
………………………………………
…………………
…
1秒後
理樹(長きに渡って考え出した結果、これが最善策となった。下手するとビンタより酷い結果になり兼ねないが、ただ死を待つよりも行動した方がいい。僕は目を瞑り、全身の力を抜いて前に倒れた)
バタッ
ゴンッ
理樹「…………っ」
佳奈多「き、きゃあ……?」
理樹「………………」
理樹(受身を取らずに倒れたのでおでこがとても痛い。しかし、無事に二木さんの攻撃を躱せたようだ)
佳奈多「も、もしかしてまた寝たの?」
佳奈多「う、また起こさなきゃいけないのね……」
理樹(しかし、ここで少し面倒くさいことになることに気付いた)
佳奈多「とりあえず仰向けに……キ、キャーー!!」
理樹「………………」
理樹(そう。今の僕は裸の状態なのだ)
佳奈多「あっ、あっ!えと、ど、ど、ど、どうしたら!?」
理樹(仰向けになった僕の前で二木さんがまたパニックになっている)
佳奈多「ハァ……ハァ……!お、落ち着くのよ私!大丈夫、アレを出来るだけ見ないように……うん……大丈夫……ふぅ」
理樹(本当なら僕だって一目散に逃げたいところだが、今回はそういう訳にもいかない)
佳奈多「どうしよう……と、とりあえずタオルで隠して…」
葉留佳『なんか今凄い音したけど大丈夫?』
佳奈多「き、来ちゃダメ!」
葉留佳『へっ?』
佳奈多「い、今はダメなの……分かったわね?」
葉留佳「なんで?」
佳奈多「なんでって……その……直枝が…大変だから」
理樹(とりあえず隠してから喋ってほしい)
葉留佳「えー?どういう意味?…………うわ…」
理樹(忠告を聞かない葉留佳さんがとうとう扉を開けた。そしてめちゃくちゃ生々しいリアクションを取ってきた)
佳奈多「み、見ちゃダメよ!!」
ムニッ
理樹「!?」
理樹(僕のソレに何かが当たった。この感触は…なるほど、二木さんはとっさに手で隠したようだ)
佳奈多「う、うひゃあ!?」
理樹(それから色々とてんやわんやして、結局2人でバスタオルに身を包んだ僕を居間まで運ぶことにしたようだ。この後もパンツをどちらが穿かせるかとかで結構悩んでいた。このまま寝たふりをしていたらその議論だけでも夜が明けていただろう)
葉留佳「じゃーお姉ちゃんがやればいいじゃんか!!」
佳奈多「だから私はまだ直枝にそこまでする程…!」
理樹「ううん……あれ。また寝てたか……」
佳奈多・葉留佳「「ハッ!」」
理樹「あれ?なんで僕バスタオルに巻かれてるの?」
佳奈多「あー……それはその……あなたは覚えてないでしょうけどシャワーを浴びた”後”身体を乾かしていたあとに寝てしまったのよ!」
葉留佳「そうそう!そうですヨ!」
理樹(なるほど。自分達が裸を見たと言いたくないらしい。……というか別にすぐに寝てしまうだけで前後の記憶がなくなったりはしないんだけどな…)
理樹「そっか。また迷惑をかけちゃったね……それじゃ着替えてくるよ」
佳奈多「え、ええ……」
理樹(しかし今そんなことをツッコんだ所で誰も幸せにはならない。眠り病はこんな時の緊急回避にも使えることを覚えながら着替えた)
続く
後日
夜
アパート
理樹(今日は少し攻めた事をすることにした。そう、二木さんのベッドで寝るのだ。ありえない場所で僕がナルコレプシっていたら彼女はどう反応するのだろうか……)
理樹(そしてもうその作戦は実行している。うつ伏せで寝ているがまったく息苦しく感じない。むしろ心地よいくらいだ)
理樹(二木さんのシーツと布団に挟まれてとてもよろしい)
理樹(ちなみに二木さん本人は寝る前のシャワーを浴びている。帰ってきた後のリアクションがどうであれ、立ちのく事になるだろうから今を精一杯生きる事にさた)
理樹「スゥゥ………ハァァ……」
ガチャッ
理樹(およそ数十分後、ドアから人が入ってきた。この歩幅、ドアを開ける時の癖……二木さんだ)
佳奈多「ふわあぁ……………ん?」
理樹(…………………)
佳奈多「えっ………」
理樹(布団は全身を覆うようにして被っているのでまだ二木さんは僕だっていうことは分からない。笑いを堪えるのにはとても苦労した)
佳奈多「だ、誰が寝てるの……?葉留佳?」
理樹(もちろん足の指一本動かさない。そうやって無視を決め込んでいると、遂に決意が出来たのか二木さんが布団をめくった)
佳奈多「……………………」
理樹「………………………」
佳奈多「はぁ…………?」
理樹「………………………」
佳奈多「はぁーーっ!?」
理樹(とりあえず見つかった瞬間叩きのめされるという心配は解消された。さあどう出る)
佳奈多「な、な、な、なんで直枝がこんな所に!」
理樹(大丈夫、大丈夫だ。僕は寝ているだけ…たまたまここで発症しただけ……)
コンコンッ
葉留佳『さっきからうるさーい!なんか壊しちゃった?』
佳奈多「あっ、え!いや…!」
葉留佳『開けるよー』
佳奈多「み、見つかる…!!」
理樹(ここで見つかると僕も困る。二木さんのベッドで僕が寝ている。本人ならイタズラで済ませられるが、これが第三者となると今後の生活に大きな支障が出てしまう。しかし、その辺りは流石二木さんだった。持ち前の決断力でその時に取れる最高の行動を取った)
ガチャッ
葉留佳「………………あれ?」
佳奈多「ど…どうしたの?」
葉留佳「いやー、なんか佳奈多がずっと叫んでたからなにかなーっと思ったんだけど……というかもう寝るの?」
佳奈多「う、うん……それじゃおやすみ…」
葉留佳「うん。おやすみなさーい」
バタンッ
理樹(二木さんは僕と自分をまとめて布団に入れ、結果、無事に済んだ)
今日再開
佳奈多「………………………」
理樹(二木さんはそのあと無言で起き上がり、多分僕を睨んだ)
佳奈多「……まったく、もう少しでバレるところだったわ。どういうつもりで来たの?」
理樹(もちろん本気で問いただしている訳ではないので無言、無表情を決め込む)
理樹「…………………」
佳奈多「突然寝てしまうというのは知ってるけど勝手に私の部屋に来た時点で罪は重いわ。今は勘弁してあげるけど起きたら覚悟しなさい……」
理樹(やはり寝たふりだけじゃダメだった。ならこれだとどうだ!)
理樹「むにゃむにゃ………」
佳奈多「ん?」
理樹「………二木さん……」
佳奈多「寝言……?」
理樹「いつも迷惑をかけてるから今日は二木さんの部屋を掃除してプレゼントを置こうかな……むにゃむにゃ」
佳奈多「な、なんですって!」
佳奈多「実は変態な行為をする気はさらさら無くて、むしろ日々の苦労をねぎらうためにわざわざ掃除してサプライズプレゼントまで用意してようとしていたなんて!」
佳奈多「ああ、私はなんて愚かな……ただ好意でここまで来たのに力尽きた直枝をただの勘違いでベランダで寝かせようとしていたなんて……」
理樹(チョロい)
理樹「うぐぅ………あれ、ここは……?」
佳奈多「あっ、直枝……」
理樹「うわー!二木さん!なんでここに?……はっ!そうか、僕はいつの間にか寝てしまっていたのかー!」
佳奈多「いいのよ。人間誰しも人の部屋で寝てしまうことはあるわ。今日はゆっくり休みなさい。あとでご飯が出来たら呼ぶから」
理樹「あ、ありがとう……でも怒らないの?」
佳奈多「怒る?ふふっ、ただ私の部屋で寝てただけの人を怒るわけないじゃない」
理樹「そっか。ありがとう二木さん」
佳奈多「いいから自分の部屋に戻りなさい」
理樹「はーい」
理樹(僕は部屋に戻った。まさかここまで上手くいくとは……)
明日
アパート
理樹(今日は胸元に飛び込みながら寝ることにした)
佳奈多「…………」
TV『ガッテンしていただけたでしょうか~』
葉留佳「アハハハハッ!!」
理樹(現在、居間にはテレビを見て笑っている葉留佳さんと、ソファーで本を読んでいる二木さんがいる。二木さんは本に集中しているから飛び込みやすいとしても葉留佳さんがいると少しやりにくい。ここはどうにかして葉留佳さんをどこかに追いやらないと……)
理樹「ねえ葉留佳さん。なんか髪伸びてない?」
葉留佳「えっ、そうですカ?」
理樹「うん。そろそろ切った方がいいよ。ちょうど近くに新しく美容院が出来たらしいからそこ言ってくれば?ほら、お駄賃あげるからこれで行きなよ」
理樹(千円あげた)
葉留佳「えー!キャホー!理樹君優しー!」
理樹「シッ、声が大きい……!」
葉留佳「うっ……分かりましたっ……!それでははるちん行ってきます…!」
理樹(元気よく出て行った。今の髪型で千円カットだとどうなるんだろうか)
佳奈多「……………………」
理樹「……………………」
理樹(とにもかくにも障害は取り除かれた)
理樹(僕と二木さんの距離は2mほど。全力で行けば無理のある距離ではない。しかし後々の言い逃れのためにはそんな危険は冒せない。無謀な欲張りより堅実な利益だ!)
理樹「あれー?」
理樹(床を見ながらキョロキョロと歩いた)
佳奈多「……どうしたの?」
理樹(二木さんはこちらを見ようともせずに返事をした)
理樹「いやぁ、ちょっと携帯落としちゃってさ……」
佳奈多「そ。私は見てないから」
理樹(そりゃ自分の部屋に置いているんだから二木さんが見ている訳がない。僕は行ったり来たりして不自然に思われないよう、少しずつ二木さんの方へ近づいていった)
理樹「ええと……どこ落としたかな…?」
理樹(ランデブーポイント残り50cm……ここだ!)
理樹「うっ……!」
理樹(わざとらしく胸を押さえて苦しそうな声で唸った)
佳奈多「?」
理樹「うぐぅ………」
理樹(二木さんの方向へ膝をつき、のしかかるように崩れ落ちた。この時点でもう顔の表情も変えられない)
ドサッ
佳奈多「な、な、な……!?」
理樹(胸板で本を落とし、顔で胸に埋まった。わずか2秒ほどの一連の動き。意識のすべてをその動作に注ぎ込んだ甲斐があった)
理樹(それは永遠とも言える時間だった。僕のおでことまぶたと鼻と口と頬。その全てがこれまでにない柔らかい物覆い尽くされた。僕は呼吸すら忘れてその感覚を脳に刻み込んだ。何故ならその体勢は二木さんが次に瞬きをした瞬間に崩されるだろうからだ)
理樹(うーん。いい匂いだ)
佳奈多「キャーーーッ!!」
理樹(二木さんは慌てて横にずれると、さっきまで読んでいた本を拾いあげる音がした。そのまま倒れている僕を本の角で殺す気だ)
理樹「グーグー!」
佳奈多「!?」
理樹「むにゃむにゃ、もう食べきれないよ!」
佳奈多「ま、まさか……夢を見ているの…?」
理樹(………危ないところだった。もう少し対応が遅ければ痛みに耐えかねて寝たふりどころではなかったはずだ)
佳奈多「な、なんだ……てっきり直枝が獣と化したのかと……あせって損したわ…」
理樹(薄目で二木さんを見ると、どうやら本は降ろしてくれたみたいだ。しかし、少し怒っているのかうつ伏せの僕をこのまま起こそうとする気は起きなかったらしい)
……………………………………
……………………
…
ピンポーン
佳奈多「……また新聞屋かしら?」
理樹(しばらくこのかなりキツい体勢でいるとピンポンが鳴った。葉留佳さんが帰ってくるには少し早いが……?)
佳奈多「はーい?」
理樹(インターホンの辺りで二木さんが応答した)
『お届けものです。斉藤さんのお宅でしょうか?』
理樹(今は偽名で斉藤という名を使っている。大家さんには3兄妹という設定だ)
佳奈多「はい。そうですがどちらから……?」
理樹(インターネット回線すら繋いでいないんだから注文なんて出来るはずがない。ここの住所を知っている人なんて……)
『三枝昌さんからです』
佳奈多「お父さんからっ!?」
理樹「!」
理樹(その名前を聞いてハンコも忘れてドアに向かう二木さん。こんな状況じゃなかったら引き止めていたんだけどな……)
ガチャッ
佳奈多「あっ……!」
理樹「?」
佳奈多「キャッ!……ムグッ……!」
理樹(玄関から二木さんの不穏な声が聞こえたあと、扉がゆっくり閉まった。それからドスの効いた男の声が聴こえたのはすぐのことだった)
男「葉留佳の方はどこだ?叫んだらどうなるか分かっているな……っ!」
理樹「!?」
佳奈多「つっ……どうやってここが分かったの?」
男「質問に答えろ!」
理樹(そうか。この声の持ち主はお家の隠れていた連中か……!)
佳奈多「…………ここにはいないわ」
男「ふん……なら家で待たせてもらおう」
理樹(その声はどんどん近づいてきた)
男「おっと、その前に親父さんに電話をしなくちゃな………ん?」
男「………………」
理樹「……………」
男「……おい。そこのありえない角度で寝ている奴はなんだ?」
佳奈多「えっと……一緒に逃げてくれた私の友達よ…」
理樹(どうすればいいか分からない僕は依然としてソファーに顔を埋めたまま、土下寝の体勢を維持していた)
…………………………………
…………………
……
男「へえ。その通りで……分かりゃした」
ピッ
男「へへっ。これであと1時間もすれば親父さん達が来るぜ」
理樹(2人は後ろの方で会話をしていた。さっき何かを縛る音がしていたので多分二木さんは身動きを取れないんだろう)
佳奈多「……こんな事して何になるっていうの!?もう何をしようとあなた達の運命は変わらないわ!」
男「それはどうかな」
佳奈多「なんですって……?」
男「今回の起訴は形式的にお前らの親が手続きを行った。そして俺たちは追われる身……しかしお前らを人質に取ったら?」
佳奈多「なっ……!」
男「命より大切なお前らのための告訴なんだ。それを盾にされて言うことを聞かないほど親はバカじゃない」
佳奈多「どこまで腐っているのあなた達は!」
男「ふっ…なんとでも言え。とりあえず後ろのあいつも縛っておくかな……」
佳奈多「あなた正気なの!?彼は病人よ!ナルコレプシーと言って突然眠ってしまう病気にかかっているの。一度眠るとしばらく起きないわ」
男「ふむ………まあいい。ロープを使う時に起きて暴れてもらっちゃ困るしな。そういうことなら親父さん達が来てお前らを運び出すまで寝てもらうまでだ」
理樹(いったい僕はどうすれば…!!)
コンコンッ
葉留佳『ごめーん!鍵持っていくの忘れたー!』
佳奈多「葉留佳!」
男「ククク……飛んで火に入る夏の虫とはこの事よ」
理樹(男は廊下へ足を運んだ。おそらく葉留佳さんも捕まえて括り付ける気だろう。となると僕が彼を倒す絶好の隙は今しかない。だが、それには一つ障害がある)
理樹(そう。今まで寝たふりして誤魔化してたのがバレるのだ)
理樹(まだ葉留佳さんをパシらせたのはいい。だけど二木さんの裸を見たり胸にダイブしたのはまずい。これがバレたら絶対あとでしこたま殴られる。それは嫌だ)
理樹(だけどこのまま誘拐されては二木さんにセクハラそのものさえ出来なくなってしまう。ええい、甲乙つけがたい)
男「うっへっへ………」
葉留佳『あれれ?ノックしてもしも~し!』
理樹(むむむ………)
佳奈多「直枝……お願い、起きて…っ!」
理樹「…………!!」
理樹(その時、僕は決意を抱いた)
コンコンッ
葉留佳『ごめーん!鍵持っていくの忘れたー!』
佳奈多「葉留佳!」
男「ククク……飛んで火に入る夏の虫とはこの事よ」
理樹(男は廊下へ足を運んだ。おそらく葉留佳さんも捕まえて括り付ける気だろう。となると僕が彼を倒す絶好の隙は今しかない。だが、それには一つ障害がある)
理樹(そう。今まで寝たふりして誤魔化してたのがバレるのだ)
理樹(まだ葉留佳さんをパシらせたのはいい。だけど二木さんの裸を見たり胸にダイブしたのはまずい。これがバレたら絶対あとでしこたま殴られる。それは嫌だ)
理樹(だけどこのまま誘拐されては二木さんにセクハラそのものさえ出来なくなってしまう。ええい、甲乙つけがたい)
男「うっへっへ………」
葉留佳『あれれ?ノックしてもしも~し!』
理樹(むむむ………)
佳奈多「直枝……お願い、起きて…っ!」
理樹「…………!!」
理樹(その時、僕は決意を抱いた)
間違えて決意抱きすぎた
理樹(わかったんだ、今やっと……僕はこれまでの暮らしでずっと誤魔化し続けてきた…二木さんと葉留佳さんの普通で幸せな日々、それさえ見守ることが出来れば僕はなんだって良いとだけど違う…!俺は飢えている…渇いている…!!女の子2人と一つ屋根の下の共同生活に!!!)
理樹(彼らを全員牢屋にぶち込まないと真の安心は勝ち取れない!僕は乗り切ってみせる!乗り切って2人と添い遂げる!)
理樹「僕は……続けたいぃぃーっっ!!」
佳奈多「えっ!?」
男「なに!?」
理樹(僕は突然起き上がり、そばにあったイスを持ち上げると、男にそのまま突撃した)
理樹「うぉぉおーーーっ!!」
男「う、うわぁああああ!!!」
…………………………………
……………………
…
家の前
「ここか。佳奈多と葉留佳がいる家は」
「はい親父さん。これでやっと逃げ続けずに済むんですね」
「ああ。ここまで我々一族の看板を汚したんだ。あの2人はただではおかないぞ……」
ザザッ
警察「お前達だな。現在捜索中の三枝、並びに二木の一族というのは」
「け、警察だと!?どうしてこんな所に……」
警察「ここに来ると通報を受けた。さあ大人しくお縄につきな。お前達全員分を乗せるタクシーは充分待機してある」
「なっ!ま、まさか……計られたのか!!」
「く、くそぉーーっ!!」
ガヤガヤ
「~~~!!!」
茂みの影
理樹(彼らが家の前で捕まる一部始終を見て葉留佳さんが一言)
葉留佳「うはぁ~…なんか爽快感がありますナ。この光景は」
佳奈多「…………やっと終わったのね」
理樹(今回の事件の首謀者。並びに僕らの生活を脅かしてきた人達が全員パトカーで連行されるのを見送ってからやっと僕らは立ち上がった)
葉留佳「いやはや!それにしても理樹君お手柄ですヨ!あのままはるちんがドア開けてたらどうなることかと……」
理樹「あ……うん……」
葉留佳「およ?どうしたんですカ?」
理樹(確かにさっきの男を気絶させたのはお手柄だったかもしれない。結果的に逆に彼らをおびき寄せて一網打尽に出来たのだから。しかし……)
理樹「そ、その……」
佳奈多「直枝」
理樹「あっ、はい!!」
理樹(お、終わった……)
佳奈多「さっき、ピンチになってから寝ていたあなたは急に起き上がってよく分からないことを叫びながら果敢にあの人に飛び込んで行ったけど……」
理樹「えっと……そ、それは……!」
佳奈多「病を乗り越えて私の声に気付いてくれたのね!」
理樹「…………えっ?」
佳奈多「病で悪夢にうなされながらも私が心の中で念じていた思いが伝わったということよね?そこであなたは必死で小さい頃から支配されてきた眠気に打ち勝ち、見事立ち上がったというわけね!」
理樹「え、えーーっと…………」
理樹「……まあ…そんなところ……かな?」
葉留佳「おおーーっ!!まさか裏でそんなドラマチックな展開になっていたなんてー!!流石理樹君!やり時はやってくれますネ!」
佳奈多「改めてお礼を言うわ。ふふっ、今日は特別に赤飯炊いちゃうわよ」
葉留佳「ウッヒョー!!」
理樹「…………………」
理樹(……………とりあえず真の危機は消え去った。最初は僕のくだらない思いつきで始めた事がこんなにまでなるとは塞翁がペガサスだ。そして、今回の騒動で一つ決心したことがある)
理樹「そ、それじゃあ今から3人でおかず買いに行こっか…!」
理樹(これからはもう絶対嘘はつかないということだ)
終わり
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