モバP「人助けしてたら大変なことになった」 (568)

*キャラ崩壊注意


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1470138232

P「いやぁ、ちひろさん、聞いてくださいよ」カタカタ

ちひろ「何ですか?」カタカタ

P「昨日の夜、飲み会行ったじゃないですか?」

ちひろ「はいはい、行きましたねぇ。私とプロデューサーさんと楓さんの3人で」

P「楓さんが絡んできて大変でしたね本当」

ちひろ(…甘えてただけじゃないですかねぇ)

P「そうそう、それで、その帰り道なんですが……」


P「歩道橋の上にね、若い女性が立ってたんですよ」

ちひろ「ちょ、プロデューサーさん!こ、怖い話ですか~それ」

P「いやいや、そんなんじゃないですって!」

ちひろ「そんなこと言ってー季節的にもあれですし…」

P「まぁまぁ、それで、その人、歩道橋の上からじーっと地面をみてるんですよ。」

ちひろ「うわ」

P「この世の終わりって感じのオーラを纏ってて、今にも…飛び降り自殺しそうな雰囲気があって…」

ちひろ「うわ!うわうわ!」

P「もちろん、すぐに止めましたよ!だって、危ないですから!」

ちひろ「ほ。そ、そうですよね。良かったぁ」

P「それで、どうして自殺なんか?って、聞いたら、その人、なんでも仲の良かった友達にすごい借金押し付けられちゃったらしくて…」

ちひろ「わぁ…」

P「寒くないのにぶるぶる震えていて、あんまり気の毒だったんで。空いていたラーメン屋でついラーメンなんて奢っちゃって親身に話を聞いちゃって…」

ちひろ「へー、でも自殺を思いとどまらせるだなんて。良いことしましたね、プロデューサーさん」

P「ええ。それで酔った勢いで100万なんて大金あげちゃったんですけど…。間違ったことはしてなかったってことですねー」

ちひろ「っぶ!!?」

ちひろ「ちょ、な、なに考えてるんですか!プロデューサーさん!!」

P「え?いやぁ、なんか、かわいそうでしたし。」

ちひろ「かわいそうでしたじゃないですよ!100万あれば、何個スタージュエル買えると思ってるんですか!」

P「いやでも、ほら、泣いてましたし…」

ちひろ「そんなのは、詐欺ですよ!詐欺!プロデューサーはまんまと罠にはめられたんですよ!」

P「えぇ!?」

P「でも、嘘を付くような人には見えませんでしたよ?すごく気が小さそうな人で…」

ちひろ「そういう人に限って、平然と嘘をつくんですよ!」

?「あの…」

P「いや…でも…」

ちひろ「はぁ、もうすぐデレステは1周年記念まで控えてるっていうのに!失望しましたよ!みくちゃんのファン辞めます!」

?「あ、あの…」

P・ちひろ「あ、はい!」クル


?「あの、ここにPさんという方は居ますか?」

美優「き、昨日は、本当にありがとうございました」

P「え、あ、いやいや!どうぞお気になさらず!」

美優「……」

P「……」

P(……気まずい)

美優「あの、昨日のお金なんですが」

P「!え、ああ、昨日の、はい」

P(やっぱり悪いから、持ってきてくれたとか…?)

美優「その、夕べ、家の前にいた借金取りに、そのすぐに持っていかれてしまって……」

P「あ、あ~そうなんですね」

P(まぁ、そんな甘くないかー…)

美優「はい、家も家具も、全て取り押さえられてしまっていて、それでも足りずに私も連れていかれそうになったのですが…」

美優「もらったお金で、どうにか、借金は返し終わって…」

P「そ、そうなんですか?良かったですね!」

美優「は、はい、本当に、ありがとうございます…!」

P(ま、まぁ人一人助けられたと思えば……良いのか?…そう思おう……)

美優「それで、その、何かお礼をと思ったのですが…生憎、今は何も持ち合わせてなくて……」

P「べ、別に良いですよ!気にしなくて!」

美優「す、すみません」

美優「……もうどこにも行く当てもなかったのですが、ふと、昨日、あなたが私に名刺をくださったのを、思い出して…」

P「……え、ええ」

P(なんか、渡したような…渡してないような…)

美優「それで、その、本当に…あの…」ジワ

P「あ、はい。大丈夫ですから!言葉をつづけてください、み、美優さん?」

美優「!は、はい…あの。昨日、Pさんが行く当てがないならウチでアイドルをって、あの……すみません」

P「」

美優「行く当てなんて、ない私にも…ちゃんと、その道が…」ジワァ

P(お、重い……)

美優「ぐす、でもやっぱり、こんな、すみません、すみません……それに、こんな私がアイドルなんて…」 プルプル

P「あー!えっと三船、美優さん、でしたよね!」

美優「!は、はいそうです!」

P「今日から、俺たちと一緒にトップアイドルを目指してませんか!?目指せアイドルマスター!なんて…」

美優「!!?」ポロポロ

P「ちょ、美優さん!?」

美優「す、すみません、嬉しくって、私……」 グス

P(だ、大丈夫かなぁ)

P(まぁ、でも、すごく綺麗な人だし、アイドルとしてはやってけそうだなぁ)

P「美優さん、ほら、泣かないでください。綺麗な顔が、台無しですよ」ハンカチ

美優「!!……ぅ、ううわああ!」ギュ

P「うわ……よしよし、大丈夫ですから。」ナデナデ


凛「!?ちょ、あんた…ふざけたことやってんじゃ…」

ちひろ「やめろ!凛っちゃん!」

凛「離して!ちひろさん!じゃないと私…」

ちひろ「いいえ、離しません!一体ナニをする気ですか!」

ちひろ(それにしても、プロデューサー……その女性は本当に信用できる方なのでしょうか…?)

-レッスンスタジオ-

凛「ほ、っは!」

美優「はぁ…はぁ………」

P(とりあえず実力を見るためにレッスンをつけに来たけれど…)

P(やっぱり、いきなりダンスなんて厳しいかな。どうもつらそうだし…)

美優「」フラフラ

P「あ!危ない!美優さん!」ガシ!

美優「あ…」

P「大丈夫ですか?どこか、気持ちが悪いですか?」

美優「い、いえ、あの……」

ぐぅ~

美優「///」

P(す、すごい、お腹の音だ…)

P「えーっと。美優さん、どうやら、俺すごくお腹がすいてるらしくて…、今から昼食でも行きませんか?」

美優「え、でも、今のは………」

P「では、行きましょう。何か食べたいモノはないですか?」

美優「あ、あの、私は、なんでも…//」

バタン

凛「……」

凛(まぁいいけど…)


ガチャ

P「おーい。凛、行かないのかー?」

凛「!い、行く!」

-事務所(夕方)-

P「とりあえず、まぁ、アイドルってこんな感じですねー」

美優「はい、ありがとうございます。…でもやっぱり、私には…」

P「何を言ってるんですか。今日一日で、間違いなく美優さんは才能があると確信しました」

P「これからも、一緒に頑張りましょう!」

美優「は、はい!」ニコ

P「あ!その笑顔!…すごく、素敵ですよ」

美優「え、あ…///」カァ

P「…さて、じゃあ、そろそろ上がってもらって大丈夫ですよ。明日は…」

美優「……」

P(ん?帰って良いって言ったのに、俯いてあんまり…あ!そうか。家もお金もないのか!)

P「あー、いや、美優さん、一緒に帰りながら話しましょうか」

美優「え?」

P「まぁ、汚いところですが、うちでよければ来てください」

P(数日もすれば多分、自分からどっかに出て行くだろう。女性だし)

美優「で、でも、そこまでしてもらうと、私、何も、返せなくて…」

P「じゃあ、トップアイドルになって、いっぱい俺を楽させてください。えーっと」チラ

美優「あう……」

ちひろ「はいはい。良いですよ~。後は任せてください」

P(すみません、ちひろさん…今度何か奢りますね)

ちひろ(期待してます。はぁ、しょうがないですねー…本当)

P「じゃあ、行きましょうか。美優さん」

-デパート(洋服コーナー)-

美優「あの…ここは」

P「ああ、いや、ちょっとアイドルとして必要なことを忘れてまして」

美優「必要な…?」

P「美優さん、ここで、服を買ってきてください。パジャマとか、普段着とか、4着くらい。」

美優「え?」

P「良いですか、これは服のセンスを見るレッスンですからね。ちゃんと、値段とかより自分に合うものを選んでくださいね」

美優「でも、そんな…」

P「歯ブラシとか、化粧品のセンスも見たいですね……じゃあ、はい、これだけお金を渡すんで、後1時間で選んできてください!!」

美優「えぇ!?あの、あのこんなに」ワタワタ

P「じゃあ、俺は、そこのフードコートで寝て待ってるんで、終わるまで、来ちゃだめですよ」

美優「あ……」

美優「P…さん…」

P(はぁ、流石に財布が寂しくなったなぁ……)

P(まぁでも…今は生活が苦しいだろうし。彼女の生活が軌道にのるまでは…)

美優「あの、Pさん、お待たせしました」

P「あ、ちゃん買ってきましたか?」

美優「は、はい」

P(結構大き目の袋を二つ持って現れた美優さん。ちゃんと服は買ってくれたようだ)

P「じゃあ、後でちゃんとチェックしますよー。あ、夕飯はここで食べてしまいましょうか。」

美優「はい。あ、お釣りを…」

P「それは…今日の給料ってことで」

美優「え、でも、今日は別に…」

P「それより、何食べますか。俺、こういう所のカルビ丼みたいなの好きなんですよねぇ」

美優「あ、う……えっと、私は……Pさんと同じものを…」

P「え、大丈夫ですか?俺カルビ丼食べますよ?」

美優「えっと、あの、はい…」

P「…」

美優「うぅ…」

P「大丈夫ですか?ちゃんと自分に合うものを食べないと…」

P(結局全部食べられずに、オレが半分ほど食べることになってしまった…。食が細いのは昼になんとなくわかっていたが……)

P(それは良いとして……)

美優「す、すみません、すみません」

P「美優さん、大丈夫ですから」

美優「……ぅ」

P(彼女は何かに怯えているようで……やっぱり不安なのだろうか)

P「ほら、ここが俺の家ですよ。あんまり綺麗なところじゃないですが…」

美優「そんな、全然……本当に、すみません…私…」

P「…」

ガチャ

P「ただいまー」

美優「え」

P「いや、中には誰もいませんよ。だから、そういう時は、美優さんがただいまとか、おかえりって言ってくれたら嬉しいですね」

美優「あ…えっと、すみません…」

P「美優さん」

美優「あ、た、ただいま…」

P「はい。じゃあ入り……あ、いや!ちょっと待ってくださいね!?」

P(な、なんかまずいものとかでてなかったか!?…ああぁ、結局締まらないなぁ俺って…)ドタドタ

P「うわ!しまった…」ガン!

P「いひ!?こゆ!こゆぅ……あっ…ちょ、ちょっと待っててくださいね!」ドンガラガシャーン

バタン

美優「くす………変わった人…」

美優(でも、本当に、優しい人…)

P「…ん…」

P「しまった、今何時だ!?」

P「朝7時…、うーん、寝すぎたか…」

P(昨日、美優さんは色々な疲れが溜まっていたのか、お風呂に入り、続いて俺がシャワーを浴びて出てくるとソファで横になって眠ってしまっていた)

P(なぜか、俺のシャツを抱いて……)

P(仕方がないので、そのまま俺の布団に寝かせて、俺はソファで寝ていたのだが……)

P「美優さんの朝ご飯を買いに行かないと……あれ?なんだ、うまそうな匂いが…」クンクン

美優「あ、おはようございます。Pさん」ポニテエプローン

P「え、あ、はい、おはようございます」

P(誰だこの美人…!?)

美優「すぐに支度ができるので、待っていてくださいね」

美優「着替えのシャツは、そこに…アイロンがあったので、使わせていただきました…すみません」

P「あ、いえ」

美優「そうだ、Pさん。トーストはジャムとバター、どちらがお好きですか?」

P「え、あ、マーガリンで…」

美優「はい!」

パタパタ

P「……」

P(だれえええええ!?)

荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」 
↓ 
信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか? 
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ 
いちいちターキー肉って言うのか? 
鳥なんだから鶏肉だろ?自分が世界共通のルールだとかでも勘違いしてんのかよ」 
↓ 
鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科のニワトリの食肉のこと。 
Wikipedia「鶏肉」より一部抜粋 
↓ 
信者「 慌ててウィキペディア先生に頼る知的障害者ちゃんマジワンパターンw 
んな明確な区別はねえよご苦労様。 
とりあえず鏡見てから自分の書き込み声に出して読んでみな、それでも自分の言動の異常性と矛盾が分からないならママに聞いて来いよw」 
↓ 
>>1「 ターキー話についてはただ一言 
どーーでもいいよ」 
※このスレは料理上手なキャラが料理の解説をしながら作った料理を美味しくみんなで食べるssです 
こんなバ可愛い信者と>>1が見れるのはこのスレだけ! 
ハート「チェイス、そこの鰹節をとってくれ」
ハート「チェイス、そこの鰹節をとってくれ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1469662754/)


余談
7 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします sage 2016/07/28(木) 09:06:48.44 ID:10oBco2yO
ターキー肉チーッスwwwwww
まーたs速に迷惑かけに来たかwwwwwwwww

9 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします sage 2016/07/28(木) 09:12:33.84 ID:LxY8QrPAO
>>7
はいNG設定


この速さである
相変わらずターキー肉くん=>>1という事を隠す気も無い模様

31 ◆xmciGR96ca4q sage saga 2016/07/28(木) 12:50:19.79 ID:g6WSU+sH0
昨夜寝ぼけてスレ立てミスったんで憂さ晴らしも兼ねて久々のロイミュ飯でした。書き溜め半分残り即興なんで色々アレかもしれませんがアレがアレなんでアレしてください何でもシマリス(熱中症

建てたら荒れると判ってるスレを憂さ晴らしに建てる
つまり>>1は自分の憂さ晴らしにs速を荒らして楽しんでる

うーん、いつも通りのクズ>>1で安心するわー

P(なんだ、あの美人!?昨日の美優さんも確かに綺麗だったけど、なんか、ええええ!?)

P(すんごいキラキラしてる…)

美優「~♪」

P「…鼻歌聞こえてきた、可愛い」

P(って、一応、俺と彼女はアイドルとプロデューサーじゃないか)

P(何考えてるんだ、一体……)

美優「Pさん、ごはん出来ました~!」

P「可愛い…」

美優「え!?あの//」

P「あ、いや、なんでもないです!」

P(うお、三角形のトースト!ふわっとした感じのオムレツ!程よく健康を考えられたサラダ!)

P(なんじゃこりゃああ)

美優「すみません、勝手に台所をお借りして…でも、何か少しでもお役に立ちたくて」

P「そんな、大助かりですよ!美味しそうだなぁ」

美優「そ、そうですか?」

P「はい、では、いただきまーす。……お!サクサク!それに、オムレツもふわっふわ!うまい!」

美優「ふふ、こんなの誰が作っても同じですよ…」

P「いえいえ、美味しいですよ!それに、普段は惣菜とか、慌ててると食わずに出てきちゃいますから、まともな朝食なんて久々で」パクパク

美優「そうなんですね…」

美優「……よかった、気に入ってもらえて…」ホッ

P(スーツもパリパリ)

美優「あ、Pさん、寝癖が…」

P「あ、すみません」

P(普段凛に怒られながら直してもらう寝癖まで梳いてもらい)

美優「ネクタイも……」シュルシュル

P(ネクタイまで綺麗に締めてもらって…て、ちか!?…良い匂い…!?)

美優「はい…もう大丈夫です」

P「あ。ありがとうございます。その、では行きましょうか」

美優「はい」

P(表情が昨日に比べて数段柔らかい、嬉しいことなんだけど…)

美優「……」ジー

P(理性がやばい!)

美優(Pさん……)

-事務所-

美優「お、おはようございます」キラキラ

ちひろ「」

凛「」

ちひろ「ちょ、プロデューサー!?美優さんに、何かしたんですか!?」ヒソヒソ

P「ま、まさか、そんなことないですよ!大体、俺と彼女はプロデューサーとアイドルですよ!」ヒソヒソ

P「どうやら、化粧をしたみたいで…なんせ、この前のはすっぴんだったらしく……あ、今も薄化粧ですが…」ヒソヒソ

ちひろ「ひええ、この前のがすっぴ!?…いやいや、でも昨日と今日とで別人じゃないですかー!?」ヒソヒソ

凛「くんくん、プロデューサーの匂い…美優さん一緒の車で来た?」

美優「え、あ、はい」

凛「ふーん…」クンクン

凛(この匂い、車だけじゃなくて、プロデューサーの部屋の感じに似てる?でも…)クンクン

美優「あ、あの…」

凛「…ま、良いけど…」クル

P「ど、どうしたんだ、凛」

凛「別に。それより、今日は雑誌の撮影でしょ。早く行こうよ」

P「お、おう。わかった」

P(まだ凛は心を開いてくれてないのかなぁ、俺に対するアタリがキツイよなぁ)

凛(今日は寝癖が付いてない…ネクタイも曲がってない…あ)ショボン

美優「あ、Pさん、肩にゴミが…」

P「わ、ありがとうございます」

凛(先を越された…!いや、まさか寝癖もネクタイも…!?)

凛(これは、もしかしなくても…)

美優「?」

凛(私の正妻としての地位が危うい……!)

凛(こうなったら、いかに私がプロデューサーにとって特別な存在か…)

凛(今一度思い出させないと……)



-事務所(午前11時)-

奈緒「…おはよ…Pさん…ふわーあ」

P「おー、おはよう奈緒。ん、お前また遅くまでアニメ見てただろ。」カタカタ

奈緒「な、み、みみ、みてねぇし!」

P「ははは、奈緒はわかりやすいなぁ。でも、あんまり寝不足が続くと肌が荒れるから、ほどほどにな」

奈緒「う、うん…気をつける…」

奈緒(ん……?)

凛「」ジロ

奈緒「ひっ」

奈緒(り、凛のやつ、なんで無言でPさんのデスクの斜め後ろに立ってんだ!?)

奈緒(すげぇ、睨んでるし……P、気が付いてないのか?)

P「…」カタカタカタ

P(凛がめちゃにらんでくるうううう)

P(お、俺今朝なんか悪いことしたっけか!?撮影も一発OKだったし…)

凛「…」ジロリ

凛(良妻たるもの、数歩引いて旦那を見守るものだよ!)

美優「あ、あの」

奈緒「へ、ほあ!?」

美優「あの、ど、どうも初めまして…あの、み、三船美優と申します…。昨日から、この事務所専属のアイドルになりまして…」

奈緒「え、あ!えっとあの、か、神谷奈緒っていいましゅ」

奈緒(うわー、綺麗な人だなぁ。…でもアニメの話は出来なさそうだなぁ)

美優「あ、こ、こちらこそ、よろしくお願いします。奈緒さん」

奈緒「な、奈緒さん!?な、奈緒で良いですよ!年上だし…」

美優「え、えっと、で、ではその、奈緒ちゃんで…」

奈緒「う、うん」

奈緒(なんか、この人とは波長が合いそうだなぁ~、優しいひとっぽいし…)

凛「…」ジロリ

美優「Pさん、お茶をお持ちしました」

凛「…」ジー

P「お、ありがとうございま…「はい、ストップ」!?」

凛(ふぅん…緑茶ね。プロデューサー、眠くなっちゃうから砂糖多めのコーヒー派なんだけどね)ズズ

凛(…熱すぎず、温すぎず…調整したね……まぁまぁって、とこかな)ズズ

凛「……」ズズ

凛(とまらない!?)ズズ

P「俺のお茶……」

凛(え、なにこのお茶)

凛(ほっとするような香りに、どこか、安らげる風味……)

凛(甘いと思えば、お茶特有の苦みが癖になりそうな…)

凛「このお茶を作ったのは誰!?」

美優「わ、私です」

凛「ど、どうやって?」

美優「え、えっと、ジャスミンティーとほうじ茶をブレンドして…」

凛「へぇ……でも、それだけで、この味は出せないよね?」

美優「そ、それは…」チラ

P「?」

美優「///」

凛(愛情が隠し味ってか!?くわぁ!!)

-レッスン場-

加蓮「おそい…!」

P「すまんすまん、ちょっと事務所でくつろぎすぎた」

加蓮「そっちが、もっとやる気出せっていつも言ってたのに、全く…」ブツブツ

P「面目ない…それにしても、最近の加蓮はやる気十分だな。こんなに早く来るなんて。」

加蓮「そう?」

P「ああ、昔はすぐにレッスンをさぼろうと…」

加蓮「あー!もう、何時の話してるの?…でも、一緒にレッスンさぼってたあの頃も楽しかったね」クス

P「そうだな、また暇が出来たらさぼりにいくか?」

加蓮「あはは、休みの日だったらさぼりじゃなくてデ…」

P「デ…?」

加蓮「///」カァ

加蓮「デ、デデデ大王って、感じじゃん!!」

P「お、おう」

P(よくわからん)

加蓮「それよりほかのみんなは?」

P「ああ、もうすぐ着替えて…」

ガチャ

奈緒「それでさ!それで、そのときのプロデューサーの顔ったら…」

美優「ふふふ、そうなんですね」

凛「ふふ…あの時はおかしかったね」

凛(っく……美優さん、聞き上手……!あの人見知りの奈緒がこんな短時間で…と言うより、私も話すのが楽しい…)

加蓮「わ、すごい美人。新しいアイドルの人?」

P「あぁ、昨日からアイドルになった三船美優さんだよ」

加蓮「へぇ、私も挨拶してこよっと」

P「仲良くしてやってくれよー」

P(…良かった、美優さんもみんなとすぐ馴染めそうだ。そろそろ年の近い楓さんもくるし…)

P「もう何にも心配ないな!はははは!」

-居酒屋-

楓「プロデューサーさん!ちゃんと話聞いていますか!」プンプン

P「あーはいはい、聞いています」

楓「もー……ふふ、えーい!」ぎゅ

P「うわちょっと…近いですよ楓さん」

楓「ちゃんと話を聞かないバツでーす♪」

P(いつもの流れで、楓さんに美優さん歓迎会と称して大人組で飲みにきたのだけれど…)

美優「ちょっと、酔っちゃいました…」

P「だ、大丈夫ですか、美優さん」

美優「少し…肩をお借りしますね」ピト

P「ちょ」

美優「ん……Pさん…」

P(理性がやばいいいい!)

ちひろ「…」

>81 不要 
>77からの続き


2週間後

P「ただいまー」

美優「あ、おかえりなさい、Pさん」

P(バッグを受け取り、スーツの上着を脱ぐのを手伝ってくれる美優さん)

美優「Pさん、今日は暑かったですしお風呂から入りますか?」

P「え、えーっとはい、では、お風呂を…」

美優「はい…あ、今日はPさんの好きなカツカレーにしてみました」

P「本当ですか?嬉しいなー」

美優「でも、お風呂はちゃんと浸からなきゃダメですよ。ふふ」

P(……あれ)


-公園(夜)-

P「ふぅ……」

P「とりあえず、アイスを買いに行くと言って外に出てきたのは良いものの」

P「これからどうしよう……」

P(今更、あそこまで元気になった美優さんに、そろそろ家を出る気はないか、とは言えないし…)

P(かといって、アイドルとプロデューサーが一緒に住んでるってのはもっとまずいし…)

P「はぁ……」

?「あー、何かお困りなのでございますですか?」

P「ん?」

ライラ「わたくしライラさんと申しますです。困った人は助けますです」

P(ちかちかと壊れた街灯の下にいたのは金色の髪をした、褐色肌の少女だった)

P「ライラさん?」

ライラ「わたくしライラさんですよー」

P(片言の日本語、埃っぽい服……)

P「ライラさん、もう暗くて危ないから帰ったほうが良いよ」

ライラ「?ライラさんの家はすぐそこなのですよー」

P「そう?じゃあ、気を付けて帰…」

ライラ「ほらーあそこが今のライラさんのお家ですねー」

P「!?」

P(そう言ってライラさんが指さした方向を見ると…そこには公園の…穴の開いた遊具があった…)

ライラ「この前までアパートに住んでいたのですがー」

ライラ「オオヤという人にお家賃が払えなくて追い出されたのですよー」

P「え……」

ライラ「あそこは雨も風もしのげるし、お家賃も要らないので…」

ライラ「ライラさんはあそこが気に入っているのでございますよー。でもちょっと寒いですねー」

ライラ「それより、何か困ってますか?困ったはよくないでございます」

P「」ブワ

-P宅-

美優「…」カチャカチャ

美優(私、このままここに居たらダメなんでしょうね…)

美優(Pさんを…、困らせてしまってる…)

美優(だけど、こんなに居心地が良い場所は…)

P『ただいま、美優さん』

P『おかえり、美優さん』

美優(こんな、幸せな毎日は生まれて初めてで……)

美優(…私………)

ガチャ

タ、タダイマー

美優「!」パァ

美優「あ、おかえりなさい、Pさん。遅かったですね、心配し…」

ライラ「オー綺麗な人ですねー。わたくしライラさんですよー」

美優「」

美優「P、Pさんこちらの方は…?」

P「え~っと……ライラさんですよ?」

ライラ「ライラさんですよー」

美優(ま、まさかPさん…隠し子?それも…すごく訳ありな匂いがするわ……)

美優(…でも…)チラ

ライラ「?」

美優「…」ナデナデ

ライラ「お?お?」

美優(この子……昔飼っていたゴールデンレトリバーに似てる…)ナデナデ

ライラ「頭を撫でられるとふわふわですねー」

P(よくわからないが、美優さんはライラさんを受け入れてくれたらしい。)

ライラ「久々に暖かいお風呂、ライラさんもサッパリですねー」

P「お、さっぱりしたのか、湯上り美人になったなーははは」

ライラ「ゆあがりさんですねー」

美優「ライラさん、ちゃんと髪は乾かしましょうね?」

ライラ「おー…ドライアーはすごいですねー」ゴォー

美優(ふわふわの金色の髪…ほんとにあの子にそっくり……)


P(うーむ、こうして埃っぽさもなくなって明るいところで見てみると……)

ライラ「?ライラさんの顔に何かついていますですか?」

P(可愛いなぁ。優しく微笑む美優さんとのセットで2度おいしい…)

P「ライラさん、お風呂上りにアイスでも食べる?」

ライラ「アイス?食べていいのです?でもライラさん、お金ないですよー」

P「お金もお家賃もこれからは気にしなくていいよ」

P「お家賃ならその体で払ってもらうからさ」

美優「!?」ゴッ

ライラ「?大丈夫でございますですかー痛い痛いはいやですねー」ナデナデ

美優「あ、す、すみません…」

美優(か、かかかか……//)

ライラ「…すぅ、すぅ」

P「…おやすみ、ライラさん」

ぎぃ…バタン

P「ふぅ…」

美優「はい、プロデューサーさん、お茶を、お入れしましたよ」コト

P「あ、ありがとうございます…」

P(…微笑んでいるのに、なぜか、美優さんから凄まじいプレッシャーを感じる…)

美優「……その、聞かせてくれますか?」

P「……実は……」

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美優「そうですか、公園で……」

P「まぁ不幸中の幸いで、食べ物には困っていなかったようです。公園に来る人から定期的に何かもらっていたらしくて」

美優「でも、16歳の女の子が一人でそんな生活は…」

P「はい、なので彼女には、アイドル候補生として、住み込みで家で働いてもらうことにしました」

美優「……」

P「彼女、才能があると思います。人に喜んでもらいたいと言う、アイドルに一番大切なことを知っています。」

P「まだ、自分がそのつぼみを花開かせられるかわかりませんが」

P「彼女の魅力をもっとほかの人に伝えたいと、そう思えました」

美優「…」

美優(まっすぐな目……ただでさえ、担当アイドルが多くて、私に隠れてドリンク剤を毎日飲んで、倒れそうなくらい忙しいのに…)

美優(…でも、そうなると、流石に、私までこの家に厄介になるわけにはいきませんね…)

美優(ここが…潮時なのかもしれません…)

P「もちろん、自分が輝かせたいのはライラさんだけじゃないですよ」

美優「え?」

P「凛や、加蓮も、奈緒だってそうですし」

P「美優さんだってそうです」

美優「私…ですか?」

P「美優さんは、自分が流されやすくて、面白くない人間だとよく言っていますが…」

P「それは違います」

P「美優さんは優しすぎるので人の意見を尊重してしまうんですよ」

美優(違います、私は、人が嫌われるのが怖くて…)

P「周りをよく見ていて、人の話をよく聞いていて…」

美優(それは…)

P「料理もおいしくて、毎日楽しみになってしまいましたし、」

P「何より、ふとしたときに見せる笑顔がとても素敵だ」

美優「…あ」

P「美優さんの素敵な笑顔は本当に綺麗なんですよ。そんな美優さんのたくさんの魅力を、日本の人に、いや、世界中の人に知ってもらいたいんです」

美優「……!」

P「美優さん」

美優「は、はい!?」

P「(そんな女性に家に住まわれたら理性が死ぬので)出ていきましょう!」

美優「!(……この大海原のような芸能界へとですね!でも、私Pさんとなら…)」

美優「はい……喜んで!」

P(色々とあったが、美優さんもようやくわかってくれたか)

P(自分がどれだけ魅力的か自覚していないから困るんだよなぁ)

P(でもこれで安心だ!新しい家を探してあげないと!)

-不動産屋さん-

P(今日は美優さんの新居探しだ!)

P(すぐに決めて、ちゃっちゃと出てってもらおう)

不動産屋「ニコニコ」

P「へー色々あるんですねー」

P「あ、美優さん、この部屋なんかどうですか」

美優「この部屋ですか?あ、あの、どうせ引っ越すならもう少し広い方が良いかもしれません…」

P(うおう、美優さん意外に住宅にこだわるなぁ…)

美優「あ、この家なんてどうでしょうか。キッチンも綺麗だし、憧れます」

P「え?」

P(でかぁ!確かにキッチン綺麗だけど、さ、流石に部屋4つはいらないんじゃ!?てか、たか!!美優さん一人が住むにはいろいろと…)

不動産屋「良いかもしれませんねー、ここは日当たりもよくてベランダも大きいですし」

P「え?」

美優「そうですよね。素敵な部屋だと思います」

P(ええ?俺の感覚がおかしいのか?)

不動産屋「今急ぎで入居者を探している関係でお安いんですよー。でもこれを逃したら…」

美優「Pさん…」

P「そ、そうですか?うーん」

P(まぁ、最近、彼女は慣れないグラビアの仕事などにも出てくれているし、将来的に大物になると考えて……)

P「じゃあ、ここにしてもらいましょうか」

-新居-

美優「Pさーん。今日はしょうが焼きとなめこのお味噌汁ですよ」

ライラ「なめこさんはぬめぬめでございますねー」

P(美優さんと不動産屋に行って住む場所を探していたら)

P(いつの間にか3人まとめて大きなマンションに住んでいた)

P(何を言っているかわからないだろうが俺にもわからない……)

ライラ「P殿、宿題一緒にやりますです」

P(いや、でも思い返せば俺の言い方がよくなかったか?まぁ、もうしばらくならいいか……)




P(これ以上状況が悪くなることもないしな)

-車-

P(トライアドプリムスの3rdライブ……今日は、ライラさんも見学として連れてきていた)

P「いやぁ、みんな今日もご苦労様」

奈緒「うん!あ~今日のライブは、しんどかったな~……でも気持ちよかった~!!」

加蓮「そうそう、奈緒が途中のトークで噛み噛みになっちゃて!」

凛「……ふふ」

奈緒「な、なんだよ~!加蓮だって、歌詞間違えてたけど、慌てて踊りでごまかしたろ~」

加蓮「あ、私はああいうアレンジも良いかなって思っただけだから!ね、凛」

凛「うん。二人とも、ライブならではって感じで、お客さんは喜んでくれてたよ」

P(……やっぱり凛はクールだなぁ、たまにおかしくなるけど、基本的にクールなやつだ)

P「ライラさんはみんなを見ていてどうだった?」

ライラ(助手席)「そうですね~。みんなキラキラで楽しかったでございますです」

ライラ「でも一番は、ウチアゲのお持ち帰りでしたねー」

P「そうかー。でも、ライラさん。今練習してる新曲が出来て、レコーディングが終わったら、次はライラさんがステージに立つ番だぞー」

ライラ「オー。ライラさんもですか。お金もお持ち帰りもがっぽがっぽですねー」

P「ははは。まだ難しいかもなーでも、そうなるように頑張ろうなー」ワシャワシャ

ライラ「オー…。アイスもハーゲンですよー」

凛(…ライラさん、そこ変わって)

P「じゃあ、今日も家が近い順に送ってくな」

加蓮「はーい」

奈緒「そういえば、ライラって今どこに住んでるんだ?」

ライラ「P殿のお家ですねー」

奈緒「へー!……え!?」

キキィ!

P「……」

凛「……」

奈緒「……」

加蓮「……」

ライラ「ライラさんはP殿の家でぬくぬく生活してますよー」

凛「……どういうこと?」

P「っひ、あ、いやーその?」

奈緒「なんか事情があるんだろ?なぁPさん」

P(!奈緒良いこや……)「ああ、実は……」

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-----------
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P「ということで、ライラさんは俺の家に来たのでした」

P(どうにか、美優さんが居ることは省いて説明できたぞ)

奈緒・加蓮「」ブワ

奈緒「そ、そうだったんだな~、大変だったんだな~ライラ~」ワシャワシャ

加蓮「うぅ…ぐす、今度マック食べにいこう!そして、お洋服買いに行こう?」ナデナデ

ライラ「?よくわかりませんが、ライラさんは幸せ者ですねー」

凛「でもそれって、プロデューサーの家に住み必要なくない?」

奈緒「ライラ―、ぷにぷにだなー」

加蓮「さらさら―」

ライラ「おー、くすぐったいです」

凛「……でもそれってプロデューサーの家に住み必要なくない?」

P「お、お前ら運転中にあんまり手を伸ばしてくるなよー」

奈緒「ごめんごめん、そうだ、ライラ、スマホもってないのか?」

ライラ「スマホ?」

凛「でも!それってプロデューサーの家に住む必要なくない!?」

加蓮「Pさん、買ってあげなよー。女子高生がスマホ持ってないなんてありえないよ?」

P「え、ああ、そうだったな。ちょっと盲点だった…」

加蓮「じゃ、今度みんなで買いに行こう?」

凛(プロデューサーの家えええええええ!!)

凛(大体、プロデューサーの家に一緒に住むなんてことになったら)

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P「ただいまー」

凛「おかえりなさい。今日も遅かったね」

P「あ、もう寝てて良いって言ったのに…ありがとう凛」シュルシュル

凛「良いよ、別に」

凛「そうそう、今日はPの好きなカルビ丼だよ」

P「お!楽しみだなー」

凛「普段頑張ってくれてるからね。たまには…ね」

P「はは、凛は本当にいいお嫁さんになるなー」

凛「…ねぇ、それ本当?」

P「ああ、凛みたいなお嫁さんがほしいなぁ」

凛「だったら、私が…」

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---

凛(良い…!)

P「凛ー、ついたぞ…」

凛「あ、うん?ここ私の家じゃないよ?」

P「どうみてもおまえんちの花屋だよ」

奈緒(まーたトリップしていたのか…)

-事務所(夜)-

P「……」カタカタカタ

P(それにしても、うちの会社も相当ブラックだよなぁ)

P(トライアドプリムスに、楓さんと言った人気アイドルをはじめ…)

P(ライラさんや美優さんという今までにないタイプの新人アイドルが伸び始めて仕事も忙しいのに…

ちひろ「…」カタカタカタ

P(俺とちひろさんしか事務所にいないって……いくら彼女が優秀でもいつか倒れてしまうぞ)

P「ちひろさん、そろそろ上がった方が良いんじゃないですか?定時はとっくにすぎてますよ」

ちひろ「いえ、キリが悪いのでもう少しだけ…」カタカタカタ

P「何言ってるんですか、30分前も同じこと言ってましたよ?」

ちひろ「え?あれ?そうですか?」

P「無理しないでくださいよ~。俺、ちひろさんに倒れられたりしたら……困ります」

ちひろ「え…」ドキ

P(居なくなられたら仕事が回らない…)

ちひろ「あ、あの!ではお先に失礼いたします!」

P「はい、お疲れ様です」

バタン

P「はぁ……新しいアイドルより社員を増やさないと……」カタカタ

-事務所(夜中)-

P(さて、仕事もあと少しか……)カタカタ

P(コンビニに夜食でも買いに行くか…)ギィ

P(ん?ライン…)

P(…美優さんからだ、今日は帰ってこれますか?…か)

P(今日は、無理そうですと……うわ、すぐ既読がついた)

P(無理なさらないでください、か…心配かけてしまったなぁ。帰ったら、謝らないと…)

ガチャ

P(うぅ、もうすっかり夜も寒くなったな。)ヒュー

P(公園でライラさんが寝てなくてよかった…)

P(ん……)

?「……」

P(うおう!誰か道の真ん中で倒れてるぞ!?)

P「ちょ、大丈夫ですか?」

?「…ぁ……」

P「え?」

周子「お腹すいたーん………」

-牛丼屋-

周子「ガツガツ、もぐもぐ」

P(…丼を傾けて飯を掻きこむ行き倒れの彼女…)

P(名前を塩見周子というらしいが……それ以外の情報はご飯を食べ始めてしまって聞けていない。)

P(にしても、行き倒れなんて今時いるんだなぁ……)

周子「ごくごく……ぷはぁ…いやー生き返ったー」

周子「こんなに美味しいカルビ丼は生まれて初めて食べたねー。ごちそうさまー」

P「そ、そうか、お粗末様」

P(結局5杯も丼ものを完食した……。味噌汁とかも随時追加してたし、遠慮がない……)

周子「ふぅー…さてさて、改めまして……どーも恩人さん。あたしシューコね」ペコリ

P「どーも、俺は……」ペコリ

周子「さっき名乗ってくれた通り、Pさんねー。どうぞよろしゅう、なんて」

P「こちらこそ…あれ、関西の出身なのか?」

周子「ん、実家は京都だよー。」

P「へー……って、そんな話じゃなくて」

周子「あぁ、私がなんで倒れてたかって?うーん、ま、ごはんも奢ってもらったし話しちゃおっかな」


-事務所(夜中)-

周子「へーアイドルのプロデューサーだったんだー。お、ポスターまで…って、かえで?楓ってあの高垣楓!?」

周子「うわ、こっちはトライアドプリムスじゃん!…もしかしてPさんって、すごい人?」

P「まぁ、一応彼女たちのプロデューサーをやってるよ。しかし、みんなの知名度も大したもんだなぁ。関西にもちょっとは知られているみたいだし」

周子「そんなもんちゃうよー。もう全国区だと思う」

P「はは、そうかー。まぁ、座って。お茶でも飲んでさ」コト

周子「……ん」ボスン

P「……」ズズ

周子「……」ズズ

周子「……えーっと。じゃあ、しゅーこちゃんの物語、はじまりはじまりー」

P「おー」

周子「まず、高校を卒業したしゅーこちゃんは、実家の和菓子屋で毎日ごろごろまったり生活しておりましたー」

周子「そして、進学も就職もしないしゅーこちゃんに、両親はこう言いました」

周子「しゅーこは何か、やりたいことはないのかーと」

P「…」ズズ

周子「しゅーこちゃんはこう答えました」

周子「毎日楽してゴロゴロしたいと」

P「ぶふっ」

周子「ちょ、だいじょーぶ?もう…」フキフキ

P「いや、ごめん、続けて」

周子「……そして、しゅーこちゃんは両親に当然のように呆れられました。」

周子「でもまぁ、父親はけっこーしゅーこちゃんに甘いのでー、とくに厳しいことは言いませんでした」

P「……」

周子「毎日しゅーこちゃんは望み通り、ゴロゴロして過ごしていました」

周子「でも、ちっとも楽しくありません。楽で望み通りなのに、しゅーこちゃんはなんだか、とてもむなしくなりました」

周子「なので、なので、家を飛び出してやりたいことを探すことにしました」

周子「自分探しってやつ?ま、よくある話じゃん?」

P「まぁ、確かによく聞くけど。それでも、お金は持ってきてたんだろ?」

周子「それが…」

周子「全国旅していると、美味しそうなもんがいっぱいあって…、食べ歩きたくなるんよー」ジュルリ

P「」がくっ

P「はぁなるほどね。で、力尽きたと」

周子「……ん、そういうこと」

P「でも、お金がなくなったんなら、素直に両親に電話して迎えに来てもらうか、帰りの旅費なり振り込んでもらえば…」

周子「……あー…ま、そうだね、うん、そうするよ。ありがとう」

周子「と、言うわけで。しゅーこちゃんのお話は終わり!」

周子「じゃあね、Pさん。京都に来てくれたら。今日のお礼にしゅーこちゃんが案内したげる」

P「楽しみにしてるよ……ん、いや待てよ。」

P「手ぶらだったけか?何か荷物とか…」

周子「ああ、5日前にパクられちった」

P「!?」

周子「まぁ、電話代くらい交番に言えばくれるでしょう」

P「でも、今日泊まるとことか…」

周子「…じゃ!」

P「ちょ、ちょっと待て」ガシ

周子「な、なにさ」

P(こんな細っこいのに、倒れるくらい飲まず食わずで……それに、さっきまで気づかなかったけど)

P(混乱してるっていうか、目の焦点もどことなくあってないし、身体が疲れてるのか抵抗も弱弱しい…)

P「……家に来い」

周子「え」

-自宅-

ガチャ

P「……ゆっくりだぞ、ゆっくり…」

周子「どうしてそんな隠れるみたいに」ヒソヒソ

P「良いから」ヒソヒソ

パチッ

P「!?」

美優「おかえりなさい、Pさん、心配して…」

P「み、美優さん!?」

周子「こ、こんばんはー」

美優「」

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------
---

P「えーっと、というわけで、今日泊めてあげようと……」

美優「そうなんですか……大変でしたね」

美優(っほ、彼女さんではなかったんですね…)

周子「いやぁ、それほどでも……でもPさんみたいな冴えない人ににこんな美人な奥さんがいるなんて、しょーこちゃんびっくりだよ」

周子(ちょっとショックだなぁ)

美優「お、おく……!?///」

P「ははは、そんなわけはないだろ。美優さんはえーっと」

P(あれ、なんで俺んちに住んでるんだっけ……)

P「まぁ、なんだ、成り行きで住んでる担当アイドルであって、奥さんとかじゃないよ」

美優「……」

周子「…ちょ、え?担当アイドルがプロデューサーと住んでるの?えっとさ、それって…世間的にかなりまずいんじゃ…」

P「……まぁ、うん、そうです…はい……」

周子(…ん!?てことは……ティンと来た!!)

周子「ってことはさー、アイドルになれば、ここに住んでいいってことだよね?」

P「いや、その理屈はおかしい」

周子「いいじゃんいいじゃん。あたし、自分で言うのもなんだけど、そこそこ人気あるよー?」

P「うーん」

周子「まだ京都には帰りたくないんよ。それに…」

周子「Pさんがプロデュースするなら、その、アイドルって、ちょっと興味あるかなーって……」

P「………」

周子「………」

P「………」

周子「……」ドキドキ

P「……レッスンとか厳しいぞ?」

周子「!うん」パァ

美優「はぁ、Pさんなら、そういうと思いました……」

P「ははは、でも、あんまりのんびりできないでございますですよー?」

周子「へ?あ、ああ、うんうん、だいじょーぶ、しゅーこちゃんやれば出来る子」(何語?)

P「よし、じゃあ、一緒にトップアイドル目指して頑張ろうな、周子」ス

周子「おー!」ガシ

ガララ

ライラ「ん~……ぁ」ゴシゴシ

ライラ「らいらさんもー」ガシ

P「あ、すまん起こしちゃったかライラ」

周子(何人住んでんの、この家……)

-自宅(朝)-

P(あれから数週間がたった)

ライラ「晴れの日はライラさんが洗濯してあげますですよー」

周子「おっと、あぶないあぶない、下着がとんでっちゃうところだった―」

美優「ふふ……本当、洗濯日和ですね」

P(アイドルたちがエプロンや割烹着を着て並んで洗濯をしてくれている光景)

P(なんとも、微笑ましい光景だ)

P(……そう、ここが俺の自宅でさえなければ!)

周子「ふんふんふーん♪」

P(し、下着をそんな俺のものと一緒に干さないでくれぇ…)

周子「おー…Pさんのおぱんつ」

ライラ「おぱんつさんもゆーらゆらですねー」

美優「//」

P(もうやめて、Pのライフはゼロよ!)

P「ちょ、ちょっと公園に行ってきます」

美優「あ、はい」

周子「行ってらしゃーい」

周子「ほい、ライラさん、今度はシャツだよーん」

ライラ「おー……」

ライラ「ライラさんはP殿のシャツ好きですねー」

ライラ「とっても優しい匂いがしますです」

周子「そう?」クンクン

周子「……//」

ライラ「ナオさんやカレンさんに買ってもらった服もお洗濯ですねー」

ライラ「ライラさんの服は思い出もたくさんですねー」

美優「ふふ、そうね」

美優(……本当に……毎日が幸せな…)

-事務所-

P(かー、なんでこんなにも忙しいんだ…)カタカタカタ

P(あ、そうか、アイドルが増えたからか……)

P(最近、仕事のオファーが減ってるし、頑張らないとなぁ……)カタカタカタ

奈緒「ライラ―、なんか珍しいポケモン捕まえたかー?」

ライラ「ライラさんはコダックさんばかりですねー」

楓(コダックの子沢山…ふふふ)

周子「お、ミニリュウみっけ」

奈緒「うそだろ周子ぉ、どこどこ?」

楓(ミニリュウのみ、二流…ふふふふ)

美優(楓さん…カップを眺めて思いに耽って居ると思えばにやにやと……)

凛「……」

凛「……ねぇ、ライラ、今度ライラの家に遊びに行って良い?

凛「ていうか、泊まりに行って良い?」

ライラ「お泊りですかー良いですねー」

奈緒・加蓮「!?」

凛(……私、気付いちゃったんだよね)

凛(…ライラの家に泊まりに行けば…)

凛(合法的にプロデューサーの家に泊まれるって!)

奈緒(そこに気が付くとは…)

加蓮(やはり天才……)

凛「じゃあ、早速、今日から一か月くらいお泊りし…」

バーン!

ちひろ「た、大変ですプロデューサーさん!外に黒塗りの高そうな車が止まってます!」

P「何だって!?ち、ちひろさん、なんかやらかしたんですか?」

ちひろ「が、ガチャの排出率は正常のはず…まさか、物欲センサーの存在がばれた…?」

P「…よくわかりませんが、すぐに対応します」

ちひろ「はい」タタタ

凛「いや、そんなことより…おとま…」

ライラ「……オー、懐かしい車ですねー」ペター

楓「どこかの社長かしら…」ペター

凛(おとまりいいい!)

-応接室-

小太りの男「おぉ、君があの子のプロデューサーかね!」

P「あ、はい、お世話になります。Pです。よろしくお願いいたします。」

P(この人、どこかで……)

小太りの男「ああ、良いって、そんなに畏まらなくて…はい、これが私の名刺」

P「は、はぁ」

P(この会社名………あ!思い出した!この人山○パンの社長だー!)

小太りの男「早速なんだけど、あの子は居るかな…」

P「あの子…?」

P(か、楓さんか、凛あたりか?)

ガチャ

ライラ「オーお久しぶりでございますですよー」

P「あ、こら、ライラ勝手に…」

小太りの男「ラーイラさーん!お元気でしたか!?」

P「へ」

ライラ「ライラさんは元気ですよーシャチョーももう元気ですかー?」

小太りの男「そりゃもう、あの時ライラさんに公園で色々と話を聞いてくれたおかげでー!」

P(ど、どういうこと…)

奈緒「すげーな!ライラ!あの山○パンのCMに出るなんて!」

ライラ「確かに、パンを食べるだけでお金をもらえるなんてすごいですよー」

楓「パンでかんぱんなお仕事…ふふ…」

凛「ライラさん、さっきのお泊りの話なんだけど…」

周子「あそこのパンって美味しいんだよねー」

P(いや、びっくりした…)

P(あのパン会社に勤めていた社長はある日を境に事業を失敗)

P(社員一同首を吊るしかないと公園でたそがれていたら…ライラさんに出会い…)

P(彼女のおしゃべりによって笑顔を取り戻したのだと言う)

P「いやー、映画化決定ですねこれは」

ちひろ「映画化、良いですねー!関連グッズに次のライブのコンサートが当たるチケットを入れて…」

美優「あ、あの…」

P「ええ、何ですか美優さん」

美優「そ、外に黒塗りの長い車が…もう一台きました…」

P「な、なんだってー!!?」

-応接室-

浅黒い老人「……」ゴゴゴゴ

SP「……」

通訳「……」

P(なんという威圧感だ…)

ちひろ「お、お茶です。その、ごゆっくり……」

バタン

ちひろ「うわ、うわうわ、びっくりですね!外国人でしたよ!」

楓「今度はどんな話してるのかしら」ワクワク

美優「ちょ、みなさん駄目ですよ覗いたりしては…」ジー

凛「ライラさん、ライラさん、さっきの話なんだけどさ」

奈緒「くそー見えないなぁ」


老人「ワフーメンヨウヤーリィウッウー」

通訳「えーこの度は突然の非礼をお詫びいたします」

P「い、いえそんな…」

老人「ヴォイアラアラトカチ」

通訳「今日お尋ねしたのは、他でもありません、実は…」

ガチャ

ライラ「おーオジイサン、お久しぶりでございますですね」

老人「ラーイラさーん!」ガタ

P「」

奈緒「今度はあたしたちも出演できるのか!?」

ちひろ「あ、あの人超有名な車会社の会長さんだったんですよ!それで…」

加蓮「キャンペーンガールに、CM出演かぁ」

楓「ライラへの依頼ら…ふふふ」

凛「ね、そんな話よりお泊りの話しない?」

ライラ「あのオジイサンはキャラメルくれたですよー」

P(ライラさん、一生ついていくよ…)

周子「ぷ、プロデューサー!」

P「ど、どうした周子!また黒塗りの長い車か!」

周子「いや、外に普通のタクシーが!」

P「あ、そう」

P「せめて、次はヘリコプターとかで来てくれないと…」

P「はいはい、どちらさまで…」

美城専務「…」

P「……」

-応接室-

美城「すまなかったな、ヘリコプターでこれなくて」

P「い、いえ!そんな!」

P(み、美城専務だったのかー!さっきの人たちの100倍怖い…)


周子「誰?あの人」

ちひろ「せ、専務ですよ!美城専務!若くして成功を収めキャリア人生を突き進んだうちの事務所のお偉い様です!」

加蓮「私たちが入った時に、ちらっと顔を見せにきてたっけそういえば…」

ちひろ「すごく厳しい人だと有名なんです!あぁ、もしやうちのアイドルも何人かリストラに、いや、まさか私が……」

美優「そ、そんな……」


美城「……ふぅ、君の事務所は騒がしいな」

P「は、ははは、すみません」

美城「…まぁ、良い、そんなことを話に来たのではないのでな」

P「?」

P(そんな話……!ま、まさか…)

P(アイドル3人と同棲してるのがばれた!?)

美城「さて、P」

P「は、はい!」

美城「…単刀直入に聞くが……」

P「…」ゴク

美城「君の仕事の量は適切か?」

P「…へ?」

P「し、仕事量ですか?」

美城「うむ、はっきり言って、私は君の才能を認めている」

美城「高垣楓、トライアドプリムス、三船美優に塩見周子、そして、ライラさん…」

美城「これだけのアイドルを見つけ、育ててきた君は大いに我が社にとって有益な存在だ」

美城(クールな面々でかなり私の理想に近い!)

美城「だからこそ、オーバーワークを見過ごすことができない」

美城「精神的にも、体力的にも常に万全であるように…」

P「」ブワ

P「せ、専務ぅ!ありがとうございます!」ギュゥ

美城「きゃ、な、何を…」

P「そうなんですよ!人が、人が足りないんですよ!事務員もマネージャーも、その他大勢が!」

美城「そ、そうか、苦労してきたのだな…」


凛「……ちょっと、あんた、ふざけたことやってんじゃ…」

奈緒「やめろ凛っちゃん!?」

美城「ゴホン!えー兎に角だ、君の現状はわかった。すぐに有能な人材を派遣しよう」

P「は、はい!ありがとうございます!」

美城「では」コツコツ

P「」ヒラヒラ

バタン

P(やったああああ人が増えるよ!)

ガチャ

ちひろ「やりましたね!Pさん!」

P「ちひろさーん!」ギュウ

ちひろ「ぁ!//」

楓「いえーい、Pさん。今晩は宴会ですね♪」

P「楓さーんいえーい!いきましょいきましょ!」

凛(チャンス)

凛「ついでにお泊りとか言っちゃう感じかな!」

P「え、いや、それはないわ…」

凛「」

周子「ハイタッチハイタッチ」

加蓮「いえい!あはは」






-数日後-

和久井「どうも、派遣されてきた和久井です」

服部「服部です、よろしくお願いします…」

P「おお、早速有能そうな人材がやってきたぞ!」

-さらに数日後-

P「……」

P(彼女たちは今、事務所でマネージャーや事務員といった仕事を淡々とこなしてくれている)

P(そう、淡々と……)

服部「……」カタカタカタターン

P(仕事上必要なこと以外、会話がない。いつの間にか、緊張感あふれる職場になっていた)

ガチャ

和久井「P君、営業先に顔を出したついでに何件か使えそうな仕事を取ってきたわ」

P「あ、はい、ありがとうございます」

ガタ

服部「Pさん、今度のキャンペーンガールの企画書と資料をまとめておいたわ」

P「わお、これ俺がやったら3日かかるやつですね。1時間かー」

和久井「P君、ついでにそろそろ美優さんたちのレッスンが終わるころだろうから迎えに行くわ」

服部「私も、少し市場の調査に……結果はまた報告します」

P「あ、ありがとうございます、いってらっしゃい……」

バタン

P(……やることがないのか!)

>309 ×P(……やることがないのか!)
    ○P(……やることがない!)

P「何なんですか、彼女たちは!優秀すぎるでしょう!」

ちひろ「えー、有り難いじゃないですか。おかげで定時退社できますし…」

P「それだけなら、ありがたいんですが……」

P「どうにも、彼女たちは真面目に‏働きすぎと言いますか……事務所の空気がピリッとしてしまって…」

ちひろ「あ~確かに最近は私語もほとんどなくなっちゃいましたね………暇さえあれば来ていたアイドルたちもみんなスケジュールを徹底管理されて仕事漬けですし…」

P「仕事があるのは良いことなんですがちょっと、厳しすぎる気が……」

ちひろ「まぁ、初めだけじゃないでしょうか?彼女たちも少し気が張っているんですよ!」

P「そうだといいんですが……」

-更に数日後…(自宅)-

周子「ふいーつかれたーん」バターン

P「お、お疲れさま。周子」

周子「Pさん…あーPさんやーあー癒されるー」

P「ははは、いつも見てる顔だろ」

周子「2日ぶりやってーうわー、やばい、ちょっと涙でそう…」

P「おいおい……そんなに和久井さんたちとの仕事はしんどいのか?」

周子「…うん、しゅーこちゃんにはあってない。ちゃんと休憩あるけど、本当に休むだけやし」

P「そうか…」

P(仕事としては有能なんだけど、あまりアイドルの気質とか見てないのかなぁ)

周子「うん、そーだ!明日からまたPさんがしゅーこちゃんのプロデュースすること!」

P「へ?」

周子「だってさー、良い感じのカフェとかもスルーしちゃうし、車の中とか何離しても「そう」しか言わないし、もう無理~」

P「いや、プロデュースは今まで通り俺がしてるんだけど…」

周子「そうじゃなくってさ」

周子「……なんか、最近ようやく何か掴めそうだったのに…楽しないもん」

P「…はぁ……じゃ、仕方ないな。わかったよ」

周子「え!?あ、ほんまに!?」

P「だって、モチベーション上がらないんだろ?周子はちょっとだらけてるくらいが良い顔するし」

周子「……ンフフ、そうそう、さっすがPさん!しゅーこちゃん博士の称号をあげよー」ギューホッペスリスリ

P「ば、くっつきすぎだ」

P(周子が言うんだから、よっぽどだろうな……もしかしたら、他のみんなも……)

-レッスン場-

ベテトレ「ほれ、1,2、1、2」パンパン

ベテトレ「なーお、ターン、遅い!」

奈緒「あ、はい!」

ベテトレ「かれん、笑顔、きーぷ、りーん、おまえはー、やる気だせー」

加蓮「きつ…ちょっと、休憩……」

凛「…」

ベテトレ(はぁ、最近のこいつら、弛みすぎた……なんかいいカンフル剤でもあれば…)

ベテトレ「あ、プロデューサー」

凛・奈緒・加蓮「!!」バッ

凛・奈緒・加蓮「…パッパ、クルクル」シャキーン

ベテトレ(こいつら…)「いや、気のせいだったみたいだ」

凛・奈緒・加蓮「…」グデーン

凛(…プロデューサーが迎えに来ないレッスンなんてなんの意味があるの?)

ベテトレ「お前ら、それでもトライアドプリムスか?やる気がないならもう帰れ!」

凛(……!)クンクン

凛「この感じ…」バッ

ベテトレ「あ、おい凛、本当に帰る気かお前!」

奈緒、加蓮「…」タタタタ

ベテトレ「お、おい、お前らまで……」

ガチャ

P「あれ、凛、よく俺が来るのが分かったな」

凛「別に、たまたまトイレ行こうかなって、思っただけ」

凛(ほわー!生P……生プロデューサーぁ!!)ジワァ

奈緒「ぷ、プロデューサーさんだあ!」パァ

加蓮「遅いよ…プロデューサー…」ウルウル

P「な、なんかしらんが、ごめんな」

ベテトレ「……はぁ、やれやれ…」

-事務所-

P(今回の件に関しては、誰も悪くない)カタカタ

P(和久井さんたちは、きちんと仕事をこなしてくれているし、たまたま彼女たちとの相性が良くなかっただけだ)

P(だから俺にできることは…)ガタ

P「和久井さん、これからお昼でも一緒にどうですか?」

和久井「え!?……私?」

P(彼女たちに、少しでもこの職場に馴染んでもらえるようコミュニケーションを取ることだ!)

-食堂-

ガヤガヤ

P「いやー、ここのランチって美味しいんですよね。週替わりでメニューが変わるので、一回は誰かと来るんですよ」

和久井「…そう」

P「……あー、そういえば、和久井さん、趣味とかあるんですか?」

和久井「趣味…?そうね、しいて言うなら……仕事ね」

P「…仕事」

和久井「…そうよ。それぐらいしか趣味なんてないの。今までも、そして、これからも……」

P「は、はぁ……」

P(これは思った以上に強敵だ……!か、会話が続かない…)

和久井「……」

P「……」

和久井「……はぁ、ごめんなさい、駄目ね、私」

P「…?」

和久井「こんな時に、気の利く面白い話でもできれば良いんだけれど…」

和久井「生憎、目つきも悪いし、趣味もなし、おまけに話題もないし、話を聞くのも下手…」

和久井「本当につまらない女……」

P「……」

和久井「今日話そうと思っているのは、アイドルたちの管理の話?……そうね、明らかに私は彼女たちの力を引き出せていないわ」

和久井「車でも碌に会話をしないし、私が迎えに行ったアイドルは露骨に嫌そうな顔をされる」

和久井「やっぱり、アイドルのことはあなたに任せたほうが…「和久井さんって…」…?」

P「和久井さんって、すごく魅力的な方ですね」ジー

和久井「……へ!?」

和久井「……何言って…」

P「和久井さんって、美人だけど、優秀すぎて近寄りがたい人なのかと思ってました。」

和久井「び、びじ…!?」

P「でも、本当は、そんな自分のことを色眼鏡なしに、客観的に見れる聡明な人で……」

和久井「な、なな」

P「アイドルたちのこと、あまり見てくれてないのかなと思っていたのですが…」

P「そんなことなかったです。みんなのことちゃんと考えてくれてるとても優しい人で…」

P「すごく、魅力的な女性だと思いました」

和久井「……」シュー

P「和久井さん、これからも、お昼に誘っても良いですか?」

和久井「え。そ、それは構わないけれど…」

P「!ありがとうございます」

P「俺、もっと和久井さんのこと、知りたいです」

和久井「」

-事務所-

P「服部さんの企画って、アイドルたちの視点に立ったものが多くて、良いですね」

服部「…そう?……これでも一応昔はアイドルを目指していたの…」

P「え……昔は?」

服部「そう、昔の話よ……」

服部(…誰もが夢を叶えられるわけじゃないのよ。私だって、本当は…)

P「そうなんですか……でも辞めるなんて勿体ないですね」

服部「は!?……勿体ない?」

服部(あなたに、何がわかるの?私だって、本当はあきらめたくなんか…!)

P「服部さん、こんなに綺麗だし、今でもアイドルとしてやっていけると思うんですが…」

服部「へ……!?」

P「声も綺麗で、芯も通ってて……」

服部「な、なにを…」

P「あ、そうか。今からスカウトすればいいんですね」

服部「え、あ…」

P「服部さん、俺と一緒にアイドル…目指しませんか」

服部「」

イェイ!イェイ!イェイ!イェイ!イェイ!

    -=≡ ∩ 彡⌒ミ ∩
 -=≡   .ヽ(´・ω・`) /
-=≡     (    /
 -=≡   (   ⌒)
  -=≡  し  し'

ウォウ!ウォウ!ウォウ!ウォウ!

     彡⌒ ミ
     (´・ω・彡⌒ ミ
   彡⌒ ミつ(´・ω・`) ))ハゲで何が悪い!!
(( (´・ω・`) ( つ  )
   ( つ  ヽ  とノ  
    〉 とノ )^(_)
   (__ノ⌒(_)

P(なんて、流石になるわけないか)

P「ははは、なーんちゃ「良いわ…」?」

服部「…それほど自信があるならいいわ…これがラストチャンスね…今年こそ、アナタに賭けてみるわ…」

P「え?」

服部「信じているわ……Pさん//」

バタン

P(……取り返しのつかないことをしてしまったかもしれん)

P(あれから一週間……)

奈緒「ライラー!この前のポケモンみたか!?」

ライラ「おー、大興奮でしたねー」

P(アイドルたちは普通に事務所にやってくるようになった)

奈緒「なぁ!あの、ゲッコウガとジュプトルのぶつかり合い!くぅ~たまんないよなぁ!、今までの積み重ねがあった分さぁ!」

服部「はい、お茶よ」

奈緒「あ、ありがとう…ございます」

ライラ「ありがとうございますですよー」

服部「ふふ、懐かしいわね、ポケモン。私も最近始めたのよ。ほら、噂の…」

奈緒「え!そうなんですか!?」

服部「ええ、Pさんに入れてもらったの……でも、なぜかカビゴンばかりでるのだけれど…」

奈緒「えー!?か、カビゴンって、すっごくレアなんですよ!」

ライラ「ライラさんはコダックさんばかりですねー」

P(服部さんもアイドルとして活動をはじめ、すっかり皆に馴染んでいる)

和久井「P君、この前行ったあそこなのだけれど…」

P「ああ、猫カフェですね」

和久井「ちょ…声が大きいわよ!」

P(和久井さんも、雰囲気が少し変わった。)

P「別にばれても恥ずかしいことじゃないじゃないですか、むしろかわ」

和久井「きゃ、キャラじゃないのよ、全く……もう」

P(よく笑うようになったし、本人が気にしていた目つきも穏やかなものになった気がする)

和久井「…そ、それで、またあそこに行こうと思うのだけれど?」

P「お、そうですか?そういえば、加蓮のやつも行きたがっていましたね。今度お二人で行かれては…」

和久井「はぁ……察しが悪いわね、あ、あんなだらしのない顔、あなた以外には…」

P「え?」

和久井「んん!……これ、仕事の書類よ、サインしておいて」

P「あ、はい、すみません」

和久井「…よろしくね」

P「はい、猫カフェ、また行きましょうね」

和久井「!え、ええ……」

P「うわ、もうこんな時間だ、行くぞーみんな」

奈緒「あ、ま、待ってよPさん」

バタン

和久井「…」

和久井「…」ニヤ

和久井「……ふふふ」ニヤニヤ

楓「和久井さんがワクワクする……」ニュ

和久井「!!??」ガタガタ

楓「あら、大丈夫かしら?」

和久井「こ、腰が……抜けたわ」ペター

-自宅(夜)-

周子「あっははは!」

女芸人『お、押さないでくださいね!絶対に押さないでくださいね!』

女芸人『可愛いボクがこんなこ、うわあああああ』

美優「っ!!???あは、ははははは!ははは!」

周子「あははっ、美優さん、つぼってるしっ!」

P「ひひひ、く、はぁ、はぁ、苦しい、本当、リアクションが上手いですよねーこの子」

P(美優さんも、あんなに笑うようになって……昔は死にそうな顔してたのになぁ)

女芸人『うわあああん』

美優「あははは、あ、ああっあっ、苦しいですPさんっ…!はははは!」

ピンポーン

ライラ「お?誰か来たですねーライラさんが出ますです」

P「お、ありがとうライラ…あははは!」


ライラ「はいはい、ライラさんですよー」

ガチャ

?「……おや…」

ライラ「こんばんわでございますです。何か御用でしょうかー?」

?「……ふむ、なるほど。便りもなしに引っ越したのは訳ありというわけかな……」

ライラ「?」

?「……いや、失礼。ライラさん、ここにPという男性はいるかな?」

ライラ「いるですよーお呼びしますですか?」

?「すまない」

あい「……東郷あいが来たと、伝えてくれないかな?」

-カフェ(夜)-

P「……久しぶりだな、あい」

あい「……そうだね……P」

P「…元気にしてたか?」

あい「見ての通りさ、君は……フ、相変わらずだな」

P「ははは、失礼な奴だなぁ」

あい「…フフッ」



美優「な、なんなんでしょうか、あのカッコいい女性は…」帽子被り

周子「事件の匂いがする、もしかしたら……元カノだったり?」サングラス

美優「え!?」

ライラ「元カノとは…?」ハナメガネ

周子「ん~、昔お付き合いしていた女性ってことかな」

ライラ「…おー、おつきあい……」

美優「……」


P(こいつの名前は東郷あい、一言でいうなら、幼馴染というやつだ)

P(最近忙しくてあまり連絡も取っていなかったが…)

P「それで今日はどうしたんだ、突然」

あい「…なに、Pに…会いたくなってね」

P「へ「…冗談さ」」

あい「実はね、君のお母さんからお願い事をされてね」

P「…お袋から?」

あい「あぁ、君が一人暮らしで家事もろくにしていないだろうから」

あい「あいちゃん、たまには助けてあげてって」

P「お、お袋め…」

あい「フ…まぁ私も吝かではなかった。久しぶりにこうして君に会う口実もできたわけだしね」

P「あい……」

あい「……ところがどうだ、渡された住所をもとに君の家に行ってみると…」

あい「もう引っ越したっていうじゃないか」

P「う」

あい「色々と情報を探って……今日、ようやく君にたどり着いたと思えば…」

あい「そこには、見知らぬ美人が3人も住んでいて、君は家事に困ってないと言う……」

P「うぐ…」

あい「はぁ、わざわざ仕事を辞めてまで来た私は、お義母さんになんて報告すれば良いんだろうね?」

P「え!?し、仕事!?……辞めたのか!?」

あい「……お宅の息子さんは、アイドルを3人も連れ込んでいて…」

あい「家事の心配はありませんと報告したほうが良いかな?」ジワ

P「い、いや、あの、あいさん…?」

P(な、泣きそうになってるし…)

あい「しかし、それだけでは私の腹は収まらない…」

あい「こうなったら、悪徳出版社にこの情報を垂れ込んで記者にでも…!」

P「あー!あい、その…」

あい「……ん?」

P「えーっと、じゃあ……」

-事務所-

P「あー…というわけで、今日から彼女もうちのアイドルになった。みんな仲良くしてやってくれ」

あい「東郷あいだ。みんなよろしく」

加蓮「わー、何だか爽やかでカッコいい人」

あい「フフ、ありがとう。」

楓「あいの挨拶……ふふふ」

奈緒「よろしくな!あいさん!」

凛「うん、よろしく」

凛(……路線的に男装の麗人って感じかな?ま、正妻ポイントは低そうだね)

周子「…ねー、あいさんってさ……Pさんとは昔からの知り合いだったの?」

あい「うん?」

凛「!?」

周子(昨日、あいさんと別れたプロデューサーに色々と聞いてみたけど、全然教えてくれなかったんだよねー)

ライラ「元カノサンでしょうか?」

凛(ふぁ!?)

周子(ライラさんナイス!)

あい「ははは、いや……そんなんじゃないよ」

あい「彼とはなんてことない、ただの「幼馴染」というやつさ」

凛(よかった、ただの……っって!?おさななな…?!!?)

P「ははは、昔からあいとはよくつるんでたな」

あい「あぁ、と言っても、まさかその君にアイドルとしてプロデュースされる日が来るとはな…」

P「いや、俺はあいならアイドルにもなれるんじゃないかと思ってたよ。ほら、学園祭の時のメイド姿なんてすごく似合って…」

あい「あれは君が似合うから着ろと…その話はやめてくれ。まったく、「昔から」君というやつは…」ヤレヤレ

凛(……ふぅん)

凛(東郷あい、彼女は間違いなく、私と正妻の座を争う者……!)

凛(……この渋谷凛の目をもってしても見抜けなかった…!?)

美優「……昔のPさんですか…」

あい「あぁ、全く彼には、困ったもの……ん?」

和久井「……」

加蓮「……」

凛「……」ドドドドド

あい「……君は本当に相変わらずだな」ハァ

P「え?なんのことだ?」


あい「ふぅ……」チラ

凛(……!?あのタブレットに映っているのは…)

奈緒(ぴ、Pさんだ!し、しかもちっちゃ!か、かわいい~!)

和久井(次の画像は、ちょ、え、うそあんなカット!?)

あい「……良ければ、転送するけれど?」

凛「あいさん、私たち友達になれそうだね!」

加蓮「っていうか、もうマブダチってかんじ!?」

ワイワイ

P「お、早速仲良くなってる、流石だなぁあいのやつは」

ちひろ(…調達してトレカにしたら売れそうですねぇ)カタカタ

-自宅(夕方)-

ライラ「どうぞーあいどるならお家賃はないでございますですよー」ガチャ

あい「そうなのかい?それはお買い得だね…あぁ、ありがとう」

周子「あれ?あいさん荷物はそれだけ?」

あい「あぁ、最小限の荷物で来たからね…それにしても、はぁ、レッスンというのは中々ハードなものだったよ…」

美優「あ、あいさん、センスが良かったからすぐになれますよ…」

あい「お世辞でも嬉しいなぁ、美優さんに言われると」

P(この一日を通して、あいはすっかりほかのアイドルと馴染んだ)

P(……しかし、ここで一つ問題が発生する)

あい「さて、私の荷物なのだが……」

P(……我が家には部屋が4つしかない!!)

P(普通に考えれば、ここは周子あたりと同室にというはずだが……)

P(あいの事だ…)

あい「仕方がない、Pくん、君の部屋に置いておいても良いかな?」

美優「!」

P(ほらきたぁ!)

P「ダメに決まってるだろ」

あい「おや、それはなぜだい?」

P「なぜって……そんなの常識的に考えてだ!」

あい「………しかし、昔は一緒によく寝ていたじゃないか?」

周子「!?」

P「小さいころの話だろ?」

あい「私は今でも構わないけれど?」クスクス

P「おま…「あ、あの」」

美優「あのでしたら…」

P(お、美優さんが同室になってくれるのか?)

美優「あ、あの、Pさんが、私と同じ部屋になるというのは…ど、どうでしょうか」

P「」

P「い、いやいやいや、何を言っているんですか美優さん!」

美優「えっと、Pさんがあいさんと一緒のお部屋だと恥ずかしいようですので…」

美優「わ、私が代わりに…//」

P「いや、そっちの方が色々と問題です!」

周子「…じゃーさぁ、シューコちゃんの部屋にしときなよー」

P「え!?」

周子「今ならさ、夜食のお菓子くらいつけてあげるよー?」

P「いや、それは…」

ライラ「ライラさんの部屋は誰でもお泊めしますですよー」

P「あー、わかりました!じゃあ、オレがリビングのソファで寝ると言うことで良いですね!?」

-リビング(夜)-

P(ふぅ……えらい目にあった。結局俺がリビングで寝ると言っても、美優さんたちは猛反対してきたし…)

ごそごそ

P(ん?)

?「……P起きているかい?」

P「……ああ、起きてるよ」

あい「…良かった。ここではなんだ、ベランダで話をしないか?」

-ベランダ(夜中)-

あい「今日は楽しかったよ」

P「そうか?」

あい「あぁ、アイドルのレッスンも受けられたし、友達もたくさん増えた」

P「…」

あい「……それに……」

P「ん?」

あい「フフ、これから君と毎日顔を合わせるようだしね」

P「俺なんかの顔を見てもしょうがないだろう」

あい「そうかい?私は見ていて飽きないけれど……」

あい「懐かしいなぁ…」

P「そうだな、昔もこうして星を見たっけ」

あい「ああ、君がプロデューサーになると言って飛び出した前日の話だ」

P「……」

あい「私たち5人は、いつも一緒だと思っていた」

あい「だけど、君が居なくなり、文香君が居なくなり…」

あい「気が付けば、誰も居なくなっていた」

P「あい……」

あい「失くしてから、初めて気が付くことの大きさ、というやつか」

あい「胸にぽっかりと穴が開いたような日々を過ごした」

あい「…さて、湿っぽい話は終わりだ。……君もそろそろ覚悟を決めた方が良い」

P「覚悟?」

あい「ここからは全力というわけさ。なに、勝負はフェアじゃないとね」

P「…なにを……」

あい「…ちょっと冷えてしまったね。暖かいホットティーを入れてあげる」

P「…お、おい。あい」

P(な、何の話をしてるんだ?でも、すさまじく嫌な予感がする…)

>>356で留美さんがPに『サイン』をお願いした『仕事の書類』は
本当に『仕事の書類』なのだろうか?

数日後…

-事務所前(朝)-

?「……」

?「……」ウロウロ

?「……」ピタ

?「……」

?「……」ウロウロ

?「……」ピタ

?「や、やっぱり今日は帰…」

凛「早く行こうよ、プロデューサー」ガチャ

凛(久々に、二人だけでのお仕事…!!…ふふ。ちょっとは何かあっても良いよね!ホテルで休憩とか!)

?「きゃ!?」

凛「…?あ、すみません」

?「ア、アノ………」

P「凛、3時間前に現場に行くのは流石に早す………?文香…?」

文香「ぁ!…P……Pお兄さん!」ダキ

凛「!!???」

ちひろ「はい、お茶です」カタン

文香「あ、ありがとうございます……」

P「……」

文香「……」

P「……」

文香「……」

凛(……がるる)

和久井(どっちか何かしゃべりなさいよ)カタカタ

P・文香「あの…」

文香「あ、いや、お兄さんから…」

P「そ、そうか」

服部「……」カタカタカタバキィ

P「文香、お前」

文香「っ!」ビク

P「……綺麗になったなぁ」

文香「…え!?」

凛(う、この流れ…)

ちひろ(まーた始まりましたねぇ…)

P「せっかく綺麗な目をしてるのに、この前髪じゃ見えないな」サラァ

文香「ひぅ!……あ、ああ…」

P「今日は、あいのやつからここの場所聞いて、わざわざ遠いところから来てくれたのか?」

P「ありがとう、文香」

文香「……!」

文香「ぅぁ……」ポロポロ

P「お、おい、文香、泣くな。まったく泣き虫なのはちっとも変わらないなぁ」ナデナデ

文香「ぐす…お兄さんに、だって……こんなの……」

凛「はい、ストップ!ちょっと良いかな?」ドスン

P「り、凛?」

P(なんでわざわざ俺のすぐ隣に座ったんだ?)

文香(!……)

凛「気をつけなよ?ここに居るプロデューサーていう男の人はとんでもない…ケダモノだからね?」

P「り、凛!?」

文香「ケダモノ…ですか?」

凛「うんうん、私たちみたいな女子高生が大好きで、いつもじろじろ見てきたり」

P「ちょ、おま…それは大事なアイドルの体調が悪くないかチェックしているだけで…」

凛「…今の聞いた?凛は俺にとって大事なアイドルだよって」

凛「もう、これ、実質プロポーズだよね?」

P「えぇ!?」

文香「……」

凛「挙句の果てには、見て、ほら」じっ

P「?」

P(なんだ、凛がこっちの目をじっと見て……)

凛「……聞こえた?今テレパシーで、大好きだよ、凛って」

P「!!?ごほっごほ!?」


文香「お話はよくわかりました…」

凛「そうわかってくれ…」

文香「でも大丈夫です。私の知るお兄さんはそんな人じゃないですから」ニコ

凛「!?」

文香「お兄さんは昔から少し誤解を受けるようなことをしてしまいますが…」

文香「基本的に、それはみんな私たちのことを心配してくれているからです」

文香「優しくて、頼りになって……こんな私の事でも、ちゃんと見つけてくれて…」

文香「だから、私はお兄さんを信じています」

P「ふ、文香…」

凛「」

ちひろ(凛ちゃん、完全敗北して真っ白になってるじゃないですか…)

そりゃ幼馴染だから年季が違うわな

ところでVIPのスレッド一覧が旧スタイルでしか表示できなくなってるんだけど、いつ直るんだろ?

ちひろ「あの~横からすみません。先ほどから言っているお兄さんって…」

和久井「まさか、Pさんの妹さん?」ズイ

ちひろ(!?一体どこから…)

文香「い、いえ、実の兄ではないのですが……」

文香「で、でも内気な私を、幼いころから兄のように助けてくれて……」

文香「そ、尊敬しています…//」

服部(一番厄介なパターンじゃないの!)バキバキバキィ

ちひろ(は、服部さんのキーボードがクラッシュしていく!)

P「い、一応聞いておくけど」

P「文香、ここへは遊びに来てくれたんだよな?」

文香「?いえ、引っ越しに…」

P(何故迷いもなくそう答えるんだ……)

P「じゃ、じゃあ新しい家は決まってるんだな……?」

文香「それは…」

P「ま、まだ決まってないのか?じゃあ、早速新しい家を探しに……」

文香「で、でもお泊りセットはちゃんと持ってきました……」

文香「新しいパジャマとか……お、お揃いマグカップもそろえて…//」

文香「これで…夜遅くまでまたお兄さんと……過ごせますね」

P「」

和久井「P君、こんな幼気な子を家に連れ込むなんて、関心しないわね…」

P「!そ、そうですよね。ほら文香、和久井さんもそう言ってるし…」

文香「……そう、ですね…」

和久井「ええ、住むならお互い支え合えるような、大人の女性が良いと思わない?ねぇ、P君」

P「え、ええっと…」

P(もう美優さんが居るんだよなぁ)

和久井「まぁ、泊まるところがないのであれば、私の家に来ても良いわよ?何もなくて面白くないかもしれないけれど…」

文香「あの」

和久井「なに…?これは………文集?」

文香「お兄さんの、小学生時代からの書き物が…この一冊に……」

和久井「…P君、わざわざ遠くから来てくれた彼女を泊めてあげようと思わないの!!?彼女を泊めてあげなさい!」

P「ええぇ!?さっきまで反対してくれてたのに……」

凛「その文集、3冊ください文香お姉さん」キリ

-自宅(夜)-

周子『今日食べ歩きにやってきたのは京都!老舗の空気を醸し出す、和菓子屋さん!』

周子『って、ここあたしの実家やし!』

ドーナツ女『ここにドーナツは売っていますか!?』

周子『売ってるわけないやろ!』

メガネ『じゃあ、メガネの形をした和菓子は売ってますか!?』

周子『あ、それならあるよ』

P「あるのかよ!あー周子一人じゃツッコミきれてないこの番組……今度うちの奈緒あたりを勧めてようかな…」

ライラ「ライラさんも、食べ歩き番組ほしいですねー」

P「ま、まぁ取ってこれたらな」

ライラ「良いございますね~」

P(いつになく、圧が強い……)

美優(……また、Pさんの昔の女性……)

美優(こんなに若くて可愛い子たちに、私が勝てるわけない……)

美優(でも、恩返しのためなら私……たとえ都合の良い女にだって……)

あい「……やはり、文香君が一番乗りだったか」

文香「…?あの、あいさん、それはどういう……」

あい「いや、なに、君は引っ込み思案に見えて、こういった時の行動力は一番優れているからね」

あい「きっと大好きな本すら持たずに、ここに来ると思ったよ」

文香「わ、私はただ、Pさんに……」

あい「フフ、となると、次に来るのは……」

ピンポーン

周子『あ、お母さん……え?昔より今の方が楽しそうって?……当たり前じゃん、だってシューコちゃん、アイドルだよ?』

P(周子……)

ライラ「お客さんですねーライラさんが出ますですよ」

ライラ「はいはい、ライラさんですよー」

ガチャ

宅配員「こんばんわー、お届け物です」

ライラ「オー、食べ物でございますですかー?」

宅配員「いえ、そこまでは……ハンコか、サインをお願いしますー」

ライラ「ハンコあるですよー、下駄箱の上に……」

宅配員「…」キラリ

ライラ「ポンですよー」

宅配員「……ありがとうございますーではー」

バタン

ライラ「大きい荷物でございますねー」

P「宅急便だったのか?って、なんだその荷物は!?」

ライラ「おっとっと、つまずきましたねー」がっ

P「あぶな!」

文香「きゃ!」

どさ!

あい「おっと、ライラ君、怪我はないかい」ダキ

ライラ「おー、ありがとうございますですよー」

P「文香も、けがはないか」ダキ

文香「は、はい、でもし、心臓がバクバク…しています……」

美優「Pさん宛?あの、開けても……」

P「ええ、それは良いですが……」

美優「では……!?」ガサガサ

バサッ

美優「っひ!?」

あい「これは!?」

?「……」

のあ「のあにゃん……だにゃん」ネコミミメイドー

P「の、のあ姉さん!?」

のあ(痛い……)

美優(こ、今度はお姉さんポジションですか…!?)

美優(でもなぜ猫耳メイドさんなのでしょう……)

P「の、のあさん、なぜ宅急便で……?」

のあ「クール便……」

P「そ、そうかなるほど!クールなのあさんをクール便で…って、そんな体を張ったギャグはいりません!」

のあ「……爆笑の渦」

あい「やはり、のあさんだったか」

文香「お久しぶりです…」

のあ「……久しぶりね」

のあ(あんまり受けてない……)

のあ「……Pにとって、私は姉のような存在……」クル

のあ「……いつも、うちのPがお世話になっております」

美優「え?えーっと」

ライラ「おー、これはこれはご丁寧にありがとうございますですねー」

P「の、のあさん、一応、お尋ねしますが、今日ここに来たのって…」

P(またアイドルが増えたらたまらんぞ……)

のあ「……もちろん、P、あなたのペットになるために、よ」

P「なーんだアイドルじゃなくて、ペットに…って、えええええ!?」

美優(ぺぺぺっぺ!?)

あい(流石はのあさんだ……常に私たちの一歩上を行っている……!)

ライラ「そういうのもあるですねー」

のあ「……今なら。妹のアーニャンもついてくるわ」

ガチャ

宅配員「ダー…」

アナスタシア「ついてきます♪」

P「っ!?」

P「だ、駄目です!うちマンションはペット禁止です!」

のあ「……ペットが禁止なら、アイドルになるしかないわね」

アーニャ「ホー……アイドルならお家賃も無料だとアイに聞きました!」

P(しまった、これが狙いか!?)

ライラ「賑やかになるですねー」

美優「……Pさん…」

-事務所-

P「……」カタカタカタ

P(あれから1年の月日が経った)
-事務所-

P「……」カタカタカタ

P(あれから1年の月日が経った)

奈緒「ありす!今度みんなでマックいかないか?!ちょっと、頼んでほしいセットがあるんだけど……」

ありす「わたしがですか?…まぁ、構いませんけど……」

奈緒「ありがとな~!じゃあ、このCっておもちゃを…」

ありす「は、ハッピーセットは嫌です!子供です!」

ライラ「ライラさんならいいですよー」

P(ついの事務所は、既に40人以上の青い感じのアイドルが所属してる)カタカタ

>539
× -事務所-
  P「……」カタカタカタ 不要

×P(ついの事務所は、既に40人以上の青い感じのアイドルが所属してる)カタカタ
○P(事務所には、ついに40人以上の青い感じのアイドルが所属することとなった…)カタカタ

P(トライアドプリムスは売れに売れ)

奈緒「やったー!ライラさん最高ー!」ギュ

ライラ「ライラさんはナゲットの皮が好きですよー」

奈緒「あげるあげる。皮だけあげる~!」

ありす「……」

P(ついにはその実力が世界レベルとまで言われるほどに、その名を轟かせた)

ありす「し、仕方がありませんね、私も、しょうがないので、頼んであげても良いですよ」

奈緒「本当か~!ありがとー!ありすー!」ギュ

ありす「や、やめてください!あと、ありすはやめてください、橘です!」

周子「ブラックありすならいいんだよねー」ボソ

ありす「むか」

飛鳥「クールタチバナ(笑)」

ありす「……うぅうう!文香さーん!」

文香「まぁ…よしよし」

P(いまだにハッピーセットのおまけを欲しがるような奈緒もその一人だ……)

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