モバP「続・雪美食堂」 (29)

デレマスSSです。

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梅雨がまだ去ってないのに太陽は夏の気分というのだろうか。

今日は蒸し暑くシャツが肌に張り付いて過ごしやすいとは言えない気候だ。

魚が水の中で窒息するようなもので、どうも食欲がなくなる。

かと言って足はもう既にあの食堂に向かっている。

神田川沿いの住宅街に入る。今日はなにを食べようかな……

何度も来ているこの食堂でも住宅街に入った途端どこに行けばいいのか分からなくなる。

この道を真っ直ぐ行けばいいのか、この角を左に行けばいいのか。

伝統的な下町は整頓されてない。

行き着くことの出来ないことがこの食堂の魅力であるのだが、やはり三日もたどり着けないと不安になるのだ。

雪美ちゃんや千秋さんは蜃気楼のようにぼんやりしてはっきりしたイメージが掴めなくなる。

彼女達はなぜあんな食堂をしているのか。

こうして迷うと私の幻覚ではなかったのかと少しだけ想像で遊んでみることにした。

ふと、足元を見ると黒い影がいる。足に影があるのは当然だが、この黒い毛並みは猫だ。


「ペロ?」


あの姉妹に飼われている猫の名前を呼ぶ。

食堂にいることはなく、もっぱら店の二階の住居にいるからこうして会うのは久しぶりだ。

開店前にこの猫は少し外に出掛けるらしい。

とするとまだ料理をしていないのかもしれない。

……なぜかペロは私になついて足元をグルグル回っている。

雪美ちゃんと同じ寡黙なペロはズボンに毛がつかない配慮をしているのだろうか。

体を擦り付けるようなことはしない。

店を案内してくれる噂があるあたり賢いのかもしれない。


「お店に案内してくれないか?」


私の言葉を理解したのかしてないのか。

足元から離れてペロはマイペースに歩き始めた。

多分店に行けるだろう。

黒猫に着いていくと見慣れた住宅街に入っていくことが出来た。

よくある家々の中で一つ。

その見慣れた懐かしい食堂があった。

一人黒髪の女の子がその食堂の外に出ている。

小柄な体には大きな看板を出していた。

ペロは私の側を離れて女の子の元に向かった。

黒猫みたいな少女はペロを見て小さくなにかを言ったようだった。

多分、おかえりと言ったのだと思う。

ペロは彼女の言葉を聞いて満足したようで階段を登って二階に行く。

それを見送りながら看板を立てた。

満足そうに看板を見つめた後ようやく私に気がついた。

雪美「まだ……開店前……」

「ああ、やっぱり……ペロがまだ外にいたからそうかと思ってた。時間を潰してくるよ」


雪美ちゃんは少し黙った。

雪美ちゃんはなんと言おうか迷っている。

こんな時は雪美ちゃんが答えを見つけるまで待っている方がいい。


雪美「……中で……待って……」

「じゃあ、お言葉に甘えて」


雪美ちゃんに袖を引かれて店内に入る。

今は案内してくれなくても大丈夫なのに雪美ちゃんは律儀だからしょうがない。

荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」 
↓ 
信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか? 
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ 
いちいちターキー肉って言うのか? 
鳥なんだから鶏肉だろ?自分が世界共通のルールだとかでも勘違いしてんのかよ」 
↓ 
鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科のニワトリの食肉のこと。 
Wikipedia「鶏肉」より一部抜粋 
↓ 
信者「 慌ててウィキペディア先生に頼る知的障害者ちゃんマジワンパターンw 
んな明確な区別はねえよご苦労様。 
とりあえず鏡見てから自分の書き込み声に出して読んでみな、それでも自分の言動の異常性と矛盾が分からないならママに聞いて来いよw」 
↓ 
>>1「 ターキー話についてはただ一言 
どーーでもいいよ」 
※このスレは料理上手なキャラが料理の解説をしながら作った料理を美味しくみんなで食べるssです 
こんなバ可愛い信者と>>1が見れるのはこのスレだけ! 
ハート「チェイス、そこの鰹節をとってくれ」
ハート「チェイス、そこの鰹節をとってくれ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1469662754/)


余談
7 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします sage 2016/07/28(木) 09:06:48.44 ID:10oBco2yO
ターキー肉チーッスwwwwww
まーたs速に迷惑かけに来たかwwwwwwwww

9 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします sage 2016/07/28(木) 09:12:33.84 ID:LxY8QrPAO
>>7
はいNG設定


この速さである
相変わらずターキー肉くん=>>1という事を隠す気も無い模様

31 ◆xmciGR96ca4q sage saga 2016/07/28(木) 12:50:19.79 ID:g6WSU+sH0
昨夜寝ぼけてスレ立てミスったんで憂さ晴らしも兼ねて久々のロイミュ飯でした。書き溜め半分残り即興なんで色々アレかもしれませんがアレがアレなんでアレしてください何でもシマリス(熱中症

建てたら荒れると判ってるスレを憂さ晴らしに建てる
つまり>>1は自分の憂さ晴らしにs速を荒らして楽しんでる

うーん、いつも通りのクズ>>1で安心するわー

今日は手前の方の四人席まで運んで貰った。

前にも言ったがこの店はそんなに広くないので二つの四人席の他にカウンターがあるばかりだ。

私が席に座るのを見届けると雪美ちゃんはさっと奥の方の厨房に向かった。

まだ割烹着を着ていないから着替えるのだろう。

猫みたいに機敏に動く雪美ちゃんは珍しいなと思った。

千秋「今日はずいぶん早いのね」


厨房から千秋さんが顔を出す。

千秋さんは凛とした品のある美人で雪美ちゃんの姉だ。

几帳面に長い黒髪を後ろに縛って料理をする。

料理人としてなかなか様になっていて、私は手際の良さに見惚れることもある。


「ええ、しばらく来れなかったものですから」

千秋「そうね」


千秋さんは準備は出来ているらしく割烹着姿で可愛い給仕係りを待っているようだった。


「今日は運良くペロに会えたんですよ。それで迷わずに済みました」

千秋「ふふっ、ペロはお客さんを運んでくれるからうちにとっての招き猫かしら」

そんな雑談をしていると奥からひょっこり給仕係りが顔を出した。


雪美「……もう……出来る……?」

千秋「ええ、大丈夫よ」


割烹着に着替えた雪美ちゃんはトテトテとこちらに寄ってきた。


雪美「……フライ……」

「うん?」


前に来た時もこんなことがあったなと思った。

前も同じメニューなのはしばらく来れなかった私が悪い。

日替わりは前日と同じメニューは出ないから。


雪美「……ひがわり……」


表情は変わらなかったが、ふふんと雪美ちゃんが笑ったようだった。

ちゃんと前のことを覚えていたようだ。

せっかくだし日替り定食にしよう。

ここに来てなにを食べようか全く考えていなかった。

この店はなんでも美味しいのだ。


「じゃあ、日替り定食で」

雪美「…………」


雪美ちゃんは小さく笑った。

どうやら自分の頑張りを認めて貰ったように思ったらしい。

そしてコクリと頷いた。

大きなポケットから雪美ちゃんには大きな伝票を出しポールペンでヒガワリと書いた。

千秋さんはすでに料理を始めている。

店の中の声はたいてい厨房に届く。

だからといって雪美ちゃんのお手伝いは必要ないと野暮なことは言わないように。

雪美ちゃんが人馴れするために必要なことだ。

そして料理が出来ない雪美ちゃんの出来ることの一つである。

なにより雪美ちゃんに癒される一時はお金に替えがたい。

雪美ちゃんにも客の私にも良いことだ。

雪美「……美味しい……から……」

「そうだね。このお店の料理は美味しい」

雪美「…………」


雪美ちゃんはスキップしそうに喜んで厨房に戻っていった。

もちろん雪美ちゃんはスキップなんてしないし、いつものようにマイペースにゆっくりと歩いていた。

姿が見えなくなる。伝票を渡したようだ。

店の中は冷房が効いていて、外の蒸し暑さは全くない。

どうやら木造家屋の中の特有の涼しさもあるような気もした。

風鈴が鳴るようになるのはもう少し先になるのだろう。

店内には揚げ物の軽快な音とキャベツを切る音がして食欲をそそる。

お米の匂いと油の匂いが私の空腹を叩いて起こしに来ているようだ。

雪美「…………」


雪美ちゃんが無言でお盆を運んでくる。

ご飯とアジフライ、漬け物に味噌汁がゆらゆらゆっくりと近づいてくる。

日替り定食はこの店の人気メニューで、お昼時に来ると先客が食べていることが多い。

ランチメニューはかなりお手頃というのも人気の理由だろう。


雪美「……どうぞ……」


テーブルの上にお盆を置くと雪美ちゃんは厨房の方に。

どうやら一工夫あるアジフライから食べたいところだが、まずは味噌汁から。

今日は合わせ味噌で具は豆腐のようだ。

匂いから察するにカツオの出汁だろう。

ワカメも使っているのは嬉しいところ。

豆腐とワカメを箸で取って口に運ぶ。

いい味噌汁だ。

汁を飲むと魚介出汁の少し青臭さと合わせ味噌の濃く甘い味が口の中に広がっていく。

さて、次はアジフライを食べよう。

恐らくあれが挟まれている。

ソースもあるが今はあえて使わない。

一口かじると爽やかな匂いと独特の味がする。

シソだ。アジフライにはシソが挟んであり、こんな気候にはぴったりだ。

ご飯を頬張りたくなりご飯茶碗に手を伸ばす。

ふと、厨房の方から視線を感じる。

雪美ちゃんが顔を出している。なんだろう。

雪美「…………」

「…………」


実はこの食堂にはなにかの作法があって私はそれに反してしまったのだろうか?


雪美「…………」

「…………」

雪美「…………」

「…………」

千秋「……そのご飯。雪美がよそったのよ」


千秋さんの一声でようやく理解した。

雪美ちゃんがじっと見てきたのはそういう意味があったのか。


雪美「……食べて……」

「いただきます」


ご飯一粒一粒がしっかり立っていていい炊き具合だ。

ぎゅうぎゅうにお茶碗に詰め込んでないから食べやすい。

雪美ちゃんは綺麗にご飯をよそってくれたということだろう。

シソのアジフライとご飯がよく合っていた。

ウスターソースをアジフライにかけても美味しい。

気がついたら食べ終わっていたので、その他の描写は割愛しよう。

一つ付け加えると大根の漬け物も油を中和させるのに一役かっていた。

一息ついて会計をするために立ち上がる。

雪美ちゃんはトテトテとレジに。


雪美「……千円……」


千円札を雪美ちゃんの前置く。


雪美「……ちょうど……」

「ご飯、上手によそれてたね」


雪美ちゃんはなにか言おうとして黙る。

何かあったのだろうか。

雪美「暑いのは……にがて……」

「うん」

雪美「暑いと……ふらふら……ペロも……」

「うん」

雪美「気をつけて……」


これから暑くなるから体調には気をつけてね。ということを言いたかったらしい。


「うん。気をつけるよ」

雪美「…………」

雪美ちゃんはうなずいた。

流石に蒸し暑いので雪美ちゃんは外まで出なかった。

それでもレジの方から雪美ちゃんは手を降っていてくれた。

まだ息苦しい蒸し暑さだが、これから本当の夏が来るのだろう。

梅雨明けが楽しみだ。

入道雲を見ながらまたこの住宅街を迷いたい。

神田川を見る気分にはならなかったから音だけを聞くことにした。

この流れの音も夏が来れば涼しげに聞こえるのだろう。

おしまい。

おまけ


モバP(以下P)「撮影お疲れさま」

千秋「ええ、ありがとう。私は料理人みたいに見えたかしら?」

P「もちろん。千秋はよく似合っていた」

千秋「そう言ってくれると嬉しいわ。そうそうプロデューサーも演技出来たのね」

P「雪美ちゃんも可愛くて思わず演技に熱が入ったよ。と言っても顔は映さないし、声もナレーションだから大したことをしてないけど」

千秋「そろそろ雪美食堂始まるわね」

P「ああ、深夜の短いドラマだけど、気合いだけは入っているからな」

千秋「お腹が空いちゃうわ」

P「その時は千秋がなにか作ってくれればいいんじゃないか?」

千秋「ふふっ」

……



千秋「いいドラマだったわ。雪美ちゃんを可愛く撮るためのアイドルドラマね」

P「まあ、そういう意図で作っているからな」

千秋「お腹空かない?」

P「やっぱりお腹が空いてきた。なにか食べるものはないかな?」

千秋「じゃあなにか作りましょうか?」

P「お願いします」

短いですが終わりです。

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