兵藤レナ「未来は僕等の手の中」 (153)


とある豪華客船



P(とある紹介で、新米のプロデューサーとなった俺は……)

P(事務所の上司に出張兼、スカウトを命じられ、地方に向かう筈だったが……)

P(なぜか今、豪華客船の中にいる……)






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P「スカウトと言ってもなぁ……こんな所にいるのは金持ちのジジババばっかりじゃないか……」

P「はぁ……」



P「まぁ、せっかくだし船内を見て回るか」




P「ん? この扉の先で、何か盛り上がってるみたいだな……」

P「何かのショーかな?」





P「な……!?」



扉を開けると、そこは豪華客船の醍醐味、煌びやかなカジノであった。



P「す、すげえ! カジノだ!」




本来、日本の領内ではカジノは禁止である。

では、なぜカジノがあるのか?



それは、この船は海外行きであるからだ。

プロデューサーはそれを知らずに乗り込んでしまったのだ。



P「でも、俺……ギャンブルは……」




P「…………」



P「ま、まぁ……せっかくだし、見るだけ……」




店内を回るプロデューサー。



P「うおっ! どれも盛り上がってるなぁ」



P「ふーん。スロットにポーカー、ブラックジャックか……」




ガヤ ガヤ



P「ん? あそこだけ異様に騒がしいぞ……」



P「な!?」




P「あれはルーレット! だが、それよりも……!」



???「お客様、BETは?」



P「あ、あのディーラー! す、すげえ美人だっ!」




P「…………」ポケー



???「あの……お客様?」



P「…………」ポケー



???「お客様!」




P「え? あ、はい!」

???「どうかされましたか?」

P「あ、あの……いや……はははっ」

???「?」

P「あはは……」

???「あの、お客様もやられますか?」

P「え? な、なにを?」

???「ふふっ、面白い方ですね。ルーレットに決まってるじゃないですか」




P「え? あ、ル、ルーレットね……ははっ」

???「さあ、どうぞ」

P「あ、あの……俺、ギャンブルは……」

???「カジノにいるのに、ギャンブルをやらないんですか?」

P「ああ、いや……色々ありまして……」

???「お仕事中とかですか?」

P「ま、まあ……それもあるんだけど……」




???「ふふっ、せっかくカジノにいらっしゃったんですから、楽しみましょうよ」

P「え?」

???「今だけは、お仕事を忘れて……ね?」

P「い、いやぁ……」

???「ほらほら、座って座って」ギュッ

P「あ、あの……」



???「少しだけでも楽しみましょう?」ウインク

P「う……! じ、じゃあ少しだけ……」

???「そうこなくちゃ!」



美人のディーラーに押しきられ、着席するプロデューサー。



???「あっ、紹介が遅れました」






レナ「本日、この場を担当させていただきます、兵藤レナと申します」



レナ「よろしくねっ♪」




レナ「そうだ!」

P「?」

レナ「本当はこういうこと聞いちゃいけないんだけど、お客様はお仕事、何をされてるんです?」

P「あ、いや……アイドルのプ、プロデューサーを……駆け出しだけど」

レナ「プロデューサー! かっこいいですね!」

P「そ、そう? えへへっ」

レナ「それじゃあ、プロデューサーさんって呼んじゃおうかな!」

P「あ……好きなように呼んでください。へへっ」




レナ「『Place your bets』 プロデューサーさん。BETをどうぞ」

P「え? あ、じゃあ赤に……」ジャラジャラ

レナ「Last Call」

P「え?」

レナ「そろそろ締め切るので、追加のBETがない場合は『No more bets』と」

P「ノ、ノーモアベッツ」




レナ「『21』『Red』『Odd』」

P「赤……! 当たった……!」

レナ「ふふっ、おめでとうございます。その調子で頑張りましょう」

P「よしっ!」






P「次は……黒の……32っ!」ジャラジャラ



レナ「 『32』 『Black』 『Even』 」



P「よしっ……! よしっ……!」




その後も、順調に勝ち続けるプロデューサー。



P「ツイてる……! 今日の俺はツイてるっ!」



レナ「…………」



P「次はっ……赤の27だっ!」ジャラジャラ




レナ「……Place your bets」



P「それじゃあ……黒っ! 黒の18っ!」



レナ「Last Call」



P「ノーモアベッツ!」




ガチャン



レナ「 『19』 『Red』 『Odd』 」



P「ぐっ……! 外れたか……だがたまには外れることもある……! 切り替えていこう……!」




P「赤っ! 5っ!」



レナ「 『Black』 『32』 『Even』 」



P「ぐぐっ!」




そして、立て続けに負けるプロデューサー。

今までの勝ち分は、全てパー。



P「ぐっ……! こ、こんな筈じゃあ……!」



レナ「ふふっ、プロデューサーさん、もうおしまい?」



P「~~~っ!」




P「イ……」

レナ「イ?」

P「イカサマじゃないのか……?」

レナ「イカサマ?」

P「だって……おかしいだろっ……! 大勝ちした途端に大負け……イカサマ以外何があるっ……!」

レナ「ふふっ、面白いことをおっしゃいますね」




レナ「でも、私はイカサマはしてませんよ?」

P「何……!?」

レナ「プロデューサーさんには内緒で教えてあげますね。これはテクニックなんですよ」

P「え……? サイキック……?」

レナ「テクニック!」




レナ「ルーレットってね、一流のディーラーなら好きな数字を狙えるんですよ?」

P「なっ……!」



事実、兵藤レナはイカサマをしていない。

確かに一流のディーラーは任意の数字を狙える。



昔ならば……



近年のルーレットは溝が浅いタイプが多く、狙った数字を出すのは実質不可能とされている。

だが、兵藤レナは類い稀な努力によって、それを可能にしたのだ!




P「でもっ……! それって……! あまりに……!」



???「カカカ! 騒がしいと思ったら面白いやつがいるじゃないか」




???「ワン・ポーカーの時以来か? 随分久しぶりじゃないか・・・・」





???「 カ イ ジ 」








ざわ・・ ざわ・・



カイジ「お、お前は・・・・和也・・・・っ!」



和也「どうしたんだ? スーツなんか着ちゃってさ・・ カカカッ!」




カイジ「な・・・・なんでここにいやがる・・・・・・和也っ!」

和也「はぁ~~? 金持ちが豪華客船に乗ってるのは当たり前のことだろ?」



レナ「あれ? 誰かと思ったら和也じゃない」



和也「えっ・・・・・・?」

カイジ「えっ・・・・・・?」




和也「なっ・・・姉さん・・・・・・?」

レナ「ふふふっ、久しぶりじゃない!」

和也「なんでここに・・?」





カイジ(はぁ~~~? 今 なんて言った? 姉さん・・・・?)

カイジ(和也とレナさんが姉弟・・?)



カイジ(ふざけんなっ・・・! ぜんっぜん似てねえじゃねえか・・・・・!)

カイジ(こんな不条理・・・あってたまるか・・・・!)

カイジ(でも・・確かに苗字が一緒だ・・・! 兵藤って言った・・・!)





カイジ(え? じゃあ待てよ・・・苗字が兵藤で和也の姉貴ってことは・・あの会長の娘・・・・?)

カイジ(うええぇ~~~っ! ありえね~~~! やっぱり似てないじゃないか!)



カイジ(・・・・はっ!)



その時 カイジに電流走る──!



カイジ(そうだっ・・・! 母親似っ! レナさんは母親似だっ・・・・・!)




カイジ(それならば納得がいく・・・! 父親似なら・・あんな美人なはずがねえ・・・!)

カイジ(そう・・! レナさんの母親は相当な美女なはずだ・・・・!)

カイジ(・・・・はっ!)




またもや カイジに電流走る──!



カイジ(ってことは・・! あのジジイの嫁は・・むちゃくちゃ美人ってことじゃねえか・・・・!)

カイジ(くそっ・・・! おかしいだろっ・・! なんであんなジジイに・・綺麗な嫁が・・・・・!)




カイジ(くそっ・・! ふざけんな・・・! くそっ・・・くそっ・・・ )ボロ ボロ






カイジ(くそっ・・くそっ・・・)ボロ ボロ



レナ「あの……プロデューサーさん?」



カイジ(くぅ~~~)ボロ ボロ



レナ「プロデューサーさんっ!」



カイジ「・・・・え?」




レナ「プロデューサーさんは和也と知り合いなの?」

カイジ「え? あ いや・・・知り合いというか・・・・なんというか・・・ははっ・・・・」

レナ「それならそうと、言ってくれればよかったのに!」

カイジ「はははっ・・」



カイジ(いや・・・普通気付かないだろっ・・! 和也と姉弟なんて・・・・!)





───
─────



あの日・・・・・カイジは和也との死闘の末 敗北!!

しかし なんとか借金はチャラ・・・

そのまま通常の自堕落な生活に戻った・・・・・



はずだった



ある日 カイジに転機が訪れる!




カイジ(はぁ~~~金がねえ~~~)

カイジ(和也から なんだかんだ貰ってたダイヤ付き純金の爪楊枝を売った金も底を尽きる・・・)

カイジ(やっぱり働かないとダメか・・・)

カイジ(でも今更仕事なんて・・・ってあれは!)



遠藤「ふぅ・・中々美味かったな・・・」



カイジ「おいっ・・・!」



遠藤「あ? 誰に声をかけてやが・・る?」




カイジ「遠藤・・・!」

遠藤「カカカ カイジ・・・!?」

カイジ「ここであったが百年目・・・! テメェ! 金を持ち逃げしやがって・・・・・!」

遠藤「ま 待てよカイジ! 」

カイジ「うるせえっ・・! 金を返しやがれっ・・・!」




遠藤「あれは・・正当な契約だ!」

カイジ「何が正当な契約だ・・・! そんなもん・・まかり通るかっ!」

遠藤「わ わかった! とりあえず落ち着こう・・! そこのサ店でコーヒーでも飲もう! 奢るぞ!」

カイジ「え・・? 遠藤さんの奢り・・・?」

遠藤「ああ! 奢りだ! コーヒーだけじゃない! 腹が減ってるならナポリタンも付けよう!」

カイジ「そ・・それじゃあ食後にパフェも・・・・」

遠藤「ああ わかった! パフェも付けよう!」




喫茶店



カイジ「さいこ~~~うまっ・・・・!」はぐはぐ

遠藤「そうか・・それなら良かった・・・・ところでカイジくん」

カイジ「なんですか?」はぐはぐ

遠藤「お前 仕事ないんだろう?」

カイジ「もしかして・・また何かギャンブルあるんですか!?」

遠藤「あ・・いや・・・ギャンブルじゃない ギャンブルじゃない真っ当仕事だ」

カイジ「真っ当仕事・・・」

遠藤「知り合いのツテで・・千川って言ってな・・・ってそんな事はどうでもいいか」

カイジ「それで?」

遠藤「俺とカイジくんの縁だ・・その仕事 カイジくんに紹介しよう」

カイジ「え!?」




遠藤「もうギャンブルなんてしない方がいい」

遠藤「これからは真面目に 真っ当に生きていくべきだ・・!」

カイジ「遠藤さん・・・・!」

遠藤「善は急げだ・・早速連絡してくるよ・・・!」

カイジ「遠藤さん・・・・」

遠藤「すぐに先方からカイジくんに連絡がくるはずだ・・あと会計も済ませておこう・・・!」

カイジ「何から何まで・・・! ありがとう遠藤さんっ!」

遠藤「気にするな・・! あと俺は急用を思い出したから先に出るよ! またな・・・!」

カイジ「はい・・・! ありがとうございましたっ・・・!」




カイジ「・・・・・・・・」



カイジ「あ~~~っ! 遠藤! アイツ! 金の持ち逃げの件 なあなあにしやがった・・・!!」



カイジ「くそっ・・・くそっ・・・!」

店員「あ、あの……お客様? 千川ちひろ様からお電話です」

カイジ「え・・・? 電話・・・?」



─────
───






これが和也戦後のカイジがプロデューサーになるまでの経緯である



カイジ「まあ・・友達ってわけじゃないんですけどね・・・ははっ」

和也「そうだぜ! 決して・・友達じゃ!」

レナ「はいはい。でも良かったわ」

和也「え・・?」

レナ「アンタ、友達いないもんね」

和也「ぐっ・・・!」



カイジ(はははっ・・あの和也がたじろいてやがる・・!)




レナ「ところで、プロデューサーさん」

カイジ「な・・なんです?」

レナ「勝負の続きはどうするの?」



カイジ(はっ・・・! 忘れてた・・! そうだ! 俺はレナさんとの勝負で大敗を喫していたんだ・・・!)




カイジ「それが・・俺もう・・・素寒貧で」

レナ「そうなの? 残念ね……」

和也「カカカッ! なんだカイジ! 金が無いのか?」

カイジ「和也っ・・・・!」

和也「なんなら・・また貸してやろうか? クククッ」

カイジ「は・・はあ~~~?」

和也「だから金を貸してやろうかって言ってんだ! ん~~~?」




カイジ「ふざけるなっ・・! 誰がお前なんかに・・・・!」



カイジ「それに・・俺はもうギャンブルはしないって決めてたんだっ・・・!」



レナ(……え?)



和也「でもよ・・現にギャンブルしてたじゃねえか! たった今っ!」



カイジ「ぐっ・・! うるせえ!」




レナ(ってことは……私のせいでプロデューサーさんはやめたはずのギャンブルを……)



レナ(私……なんて事を……)



レナ「…………」



レナ「……そうだわ!」




レナ「プロデューサーさんっ!」

カイジ「・・・・え?」

レナ「もうひと勝負しましょうっ!」

カイジ「ええ~~~? いや・・だから俺はもう素寒貧で・・」

レナ「ふふっ、この勝負は賭け金はいらないわよ!」

カイジ「ええ!?」




レナ「それにプロデューサーさんが負けても何もなし!」

カイジ「へ?」

レナ「そしてプロデューサーさんが勝った場合は……」

カイジ「勝った場合は・・・・」ゴクリ



レナ「賞品は私よっ!」



和也「な!?」

カイジ「は・・・・はあ~~~?」



ざわ・・ ざわ・・



レナ「どう? 悪くない勝負だと思うけど?」

和也「何言ってんだ・・姉さん! そんな勝負・・・何の意味があるんだよっ!」



カイジ(そうだ・・! そんな勝負っ・・レナさんに何のメリットもない・・・! 和也の言う通り意味がないっ・・・・・!)




レナ「和也、うるさいわね……大体あんた未成年でしょ! 帰って勉強でもしてなさい!」

和也「いやいや・・今はそれどころじゃ!」

レナ「小説家になりたいって夢は応援するけど、アンタの本つまんなかったわよ?」

和也「へ・・・・・?」

レナ「つまんなかったって言ったのよ。もっと勉強して、面白い本を書けるようになりなさい!」

和也「あっ・・・ああ・・・・・」ぐにゃ~~~






レナ「ほらっ! さっさと部屋に戻りなさい!」

和也「あがっ・・・あがが・・・ぐぎぎ・・・・・・」フラフラ



レナ「ふふっ、ごめんねプロデューサーさん。あの子とは歳が離れてるから、シスコンの気があるみたいで」

カイジ「い・・いや・・・ははは~~~」



カイジ(和也・・・お前は悪魔みたいな野郎だけど・・・少し同情するぜっ・・・・!)




レナ「それより、どうするの? 受ける? 受けない?」



カイジ(待て・・騙されるなっ・・・! 相手は和也の姉貴っ! 兵藤の娘だぞ・・・・・?)

カイジ(裏がないわけないだろ・・・!)ジー



レナ「どうしたの? ふふっ☆」ウインク



カイジ(ぐっ・・・やっぱり美人・・可愛いっ・・・・!)にへら~

カイジ(俺の姉貴とは大違いだっ・・くそっ・・・交換して欲しい・・・・・・!)




だが その時 カイジに悪魔的閃き・・・・・!!

嫉妬にまみれた暗い脳に・・光が差し込むっ!!



カイジ(待てよ・・! どんな裏があろうと・・・勝てばいいんじゃないか・・・・・?)

カイジ(そうだ・・・勝てばいいんだよ・・・・!)

カイジ(しかも賞品は私って言ったよな・・?)

カイジ(勝てばレナさんが・・・ぐへへっ・・・・)



下衆っ・・! 圧倒的下衆の思考・・・・!

まさしくクズの発想!!





カイジ「いいぜ・・・・! その勝負 受けるっ・・・・!」

レナ「ふふっ、そうこなくっちゃ!」



ざわ・・・ ざわ・・・



時満ちる・・! カイジ 対 兵藤レナ ・・!



ざわ・・・ ざわ・・・




カイジ「それで・・・・何の勝負をするんだ・・・・・? まさか・・・・このままルーレット・・・・何てことはないよな?」

レナ「ふふっ、流石に勝ちが見えている勝負をしても面白くないじゃない……?」

カイジ「・・・・・・・・」






レナ「……スピード」




カイジ「・・・・・え?」

レナ「スピードよ。知らない? トランプで遊ぶゲームなんだけど」






──スピード



台札のカードと隣り合ったカード次々と出していき

相手よりも早く自分の手札をなくすことを目的とするゲーム

一瞬の判断力と体力を必要とす

トランプゲームとしては異色のゲーム





レナ「まずは、ハートとダイヤの赤色のセット、スペードとクローバーの黒色のセットの2つにわけるわ。それぞれの手持ちのカードは26枚ずつになるわね」

レナ「次に、このお互いのカードをシャッフルするわ」

レナ「トランプを良く切ったら相手に渡して、自分の前に4枚のカードを横に並べて出すの。残りのトランプは、裏返しにしたまま手に持つわ」

レナ「準備が整ったら、掛け声……まぁ、これはなんでもいいわ……そして、手に持っているカードから1枚を表にして、中央の右側に2人一緒のタイミングで出すの」

レナ「場に出た2枚のカードのうち、どちらでも良いから、手元にある4枚のカードのうちの、番号続きになるカードを出していくわ。この時、順番はなくて、出せた方の早いもの勝ち。カードの順番でKとAは番号続きになって、数字は上がっても下がってもオーケーよ」

レナ「お互いに出せるカードがなくなったら、再び掛け声をかけて、新しいカードを2人同時で場に出すの」

レナ「これを繰り返して、先に自分の手札が無くなった方が勝ち……」



レナ「どう? 簡単でしょう?」

カイジ「・・・・・・・・・」





レナ「それじゃあ早速始めましょうか。プロデューサーさんはどっちの色が……」

カイジ「待て・・・・・・」

レナ「え?」

カイジ「ルールはわかった・・・が・・本当に俺が負けた場合には何も無いのか・・・・・・? 」

レナ「ふふふっ、確かに賭け事で何も無しじゃつまらないわね……」

カイジ「・・・・・・え?」




レナ「あ、そんな疑り深い顔をしないで! 簡単な罰ゲームでも受けて貰おうと思ってねっ!」

カイジ「罰ゲーム・・・・! 一体・・何を賭ける・・・・・!? 指か・・耳・・目・・・・それとも・・・・・」

レナ「待って待って! そんなもの賭けないわよ!」

カイジ「ならっ・・・・・!」

レナ「普段何をやってれば、そんな考えが浮かぶのよっ! もう! そんなに難しい事じゃないわよ!」

カイジ「ぐっ・・・・」

レナ「それにプロデューサーさんが勝てばいいだけだし! ね?」




レナ「じゃあ、今度こそ始めましょう。プロデューサーさんはどっちの色がいい?」



カイジ(黒・・・・はどうも気に入らねえ・・・・黒服の奴らを思い出す・・・・・)



カイジ「・・・・・赤だ」



レナ「それじゃあ私は黒ね。はいコレ」







レナ「よく切ってね」シャッシャッ



カイジ(見たところ・・・・何の変哲もないトランプだ・・・・イカサマの気配もない・・・・)シャッシャッ











レナ「切り終わったら、お互いに交換して、場に手札を並べてね」

カイジ「ああ・・・・それより・・・・!」

レナ「?」

カイジ「俺が勝った場合は・・・・!」

レナ「ふふっ、ちゃんと賞品は私よ? でもそんな事ばっかり考えて……エッチね」

カイジ「なっ・・・・!?」

レナ「冗談よっ!」




そして

始まる・・・・・・

勝負・・・・スピード・・・・!!



カイジ(始まる・・・常軌を逸したギャンブル・・・!)

カイジ(負ければ罰ゲーム・・・・罰ゲームの正体がわからない現状・・・絶対に負けられねえ・・・・!)

カイジ(だが勝てば賞品は『兵藤レナ』・・・絶世の美女・・・・!)

カイジ(兵藤の娘・・・というのを考慮しても・・・・まさに至高の賞品・・・!)



カイジ(この勝負・・・勝つ・・・・!!)





レナ「並べ終わったわね?」

カイジ「ああ・・・・・・!」

レナ「それじゃあ開始は『いっせーのせ』で始めましょう」

カイジ「・・・・・・」



レナ「いっせーの……」






レナ「せっ!」




開かれたカード・・・・・!

開示された数字・・・・・!

ついに・・・スピード・・・開始っ・・・!!



カイジ(開示されたカードは3と7・・・!)



カイジ(いける・・・・・!)




カイジ・・・好調な滑り出しっ・・・!



カイジ「よしっ・・・!」



がっ・・・・・! カイジ・・・向かいの兵藤レナを見て戦慄するっ・・・・・!



カイジ「なっ・・・・!?」



なんと・・・・兵藤レナ・・・・!

出せない・・・・!!

出せるカードがない・・・・!!



レナ「くっ……」





カイジ(やったっ・・・! やったっ・・・!)

カイジ(いけるっ・・・! 勝てるっ・・・・・!)



順調に自分のカードを処理するカイジ・・・

しかし・・・・・!



カイジ「ぐっ・・・・・!」



すぐさま出せるカードが無くなる・・・・・!




カイジ「くっ・・・・・」



しかし カイジが出せるカードを出し終わった瞬間・・・・




レナ「ふふっ」



始まる・・・・!

反撃・・・・!

怒涛のラッシュ・・・・!

遅れを取り戻すかのような兵藤レナの猛攻・・・・・・!



カイジ「うっ・・・・・・」




兵藤レナ「ふぅ……ここまでねっ……!」



兵藤レナ・・・カイジが最後に出した『J』に合わせて猛攻・・・・・・!

序盤に許した大量のリードを詰める・・・・!



カイジ「くそっ・・・・・!」





レナ「お互いに出せるカードがなくなったわね」

カイジ「・・・・・・」

レナ「手札を4枚並べたら仕切り直しよ」

カイジ「ああ・・・・・」




レナ「プロデューサーさん、大丈夫?」

カイジ「なにっ・・・・・?」

レナ「最初に広げた差が、一瞬で縮まってしまったものね……」

カイジ「・・・・・・」

レナ「気持ちはわからなくもないけど、まだ始まってばかり。気楽にいきましょう!」

カイジ「・・・・・・!」



カイジ(気楽に・・・・?)

カイジ(な・・・なんで俺のモチベーションを上げるようなことを言う・・・・?)

カイジ(普通逆だろっ・・・・・!)

カイジ(一体何を考えてやがる・・・・?)



カイジ(ぐっ・・・・わからねえ・・・・!)




ざわ・・・ ざわ・・・



レナ「それじゃあ、仕切り直しね」

カイジ「・・・・・・」

レナ「いっせーの……」



レナ「せっ!」




レナ「…………」バババッ



カイジ「あっ・・・・・!」モタモタ



カイジ・・・・!

痛恨のミス・・・・!

遅れるっ・・・・!




カイジ(しまった・・・・! 考えている間に・・・・!)

カイジ(くそっ・・・・! 凡ミスってレベルじゃねぇだろっ・・・・!)



カイジ(くそっ・・・・・・!)



カイジ・・なんとか食らいつくが・・・・

兵藤レナにリードを許す・・・・!




レナ「ふぅ……」

カイジ「ぐっ・・・・・・」



このスピードというゲーム・・・・

常にカードを出し続けられる訳ではなく・・・・

お互いに出せるカードが無くなれば・・・・

このように 何度か仕切り直しがある・・・・




カイジ(くっ・・・・まずい・・・・)

カイジ(少しリードを許しちまった・・・・!)



カイジ(だが・・・・兵藤レナ・・・・)チラッ

レナ「? ふふっ♪」ウインク



カイジ(何を考えているのかわからねえ・・・・)





カイジ(だが・・・・なんというか・・・・)

カイジ(今までの相手と違って・・・・)

カイジ(悪意・・・・・・!)



カイジ(そうっ・・・悪意 邪気 毒心・・・そういうのが悪い部分が感じられねえ・・・・・!)



カイジ(純粋に勝負を楽しんでいるっていうか・・・・)



カイジ(だが・・・あの・・兵藤の娘だぞ・・・?)

カイジ(本当にそうなのか・・・・・?)




カイジ(うぅ・・・わからねえっ・・・・・!)



レナ「そろそろ次、いくわよ?」

カイジ「ぐっ・・・・!」




レナ「…………」バババッ

カイジ「くっ・・・・・!」



カイジ・・・・なんとか食らいつく・・・・!



が・・・・差は縮まらない・・・・!




そして・・・3度目の仕切り直し・・・!



カイジ(ダメだ・・・・・! このままじゃ差は縮まらねえ・・・・・!)



カイジ(切り替えていかないとっ・・・・!)




レナ「うふふっ、楽しいわね♪」

カイジ「え・・・・・・?」

レナ「あら? プロデューサーさんは楽しくないの?」

カイジ「・・・・・・・」

レナ「ああ! 罰ゲームとか言っちゃったものね……でも本当に難しい事じゃないから安心してっ!」




レナ「そういえば、プロデューサーってどんなお仕事をするの?」



カイジ「・・・・・・え?」



レナ「あっ! いや、少し気になっただけなんだけどね! ちょっとした世間話よ!」








カイジ(世間話・・・・? 勝負の最中にか・・・・!?)



レナ「あっ、あんまり答えられない話だった? ごめんなさい!」

カイジ「ああ・・・・いや・・スカウトとか・・書類仕事とか・・・・・・」

レナ「へぇ~、書類とかもやらないといけないのね」

カイジ「ま・・まぁ・・・・・」



カイジ(あっ・・・・!)

カイジ(俺もなんで普通に答えてるんだよ・・・・・!)

カイジ(勝負の最中だぞ・・・・・・!)

カイジ(集中しろ・・・集中・・・・・!)




カイジ(・・・・書類か)



カイジ(・・・・・!?)



その時・・・カイジに電流走るっ・・・!!



カイジ(書類・・・・! そういえば・・・・!)





───
─────



ちひろ『プロデューサーさん、書類置いておきますね』

カイジ『あっ・・・はい・・・・・』

ちひろ『って! 置くところがないじゃないですか! ダメですよ? ちゃんと整理整頓しないと!』

カイジ『あ・・・いや・・・はははっ』

ちひろ『もう……しっかりしてくださいね? また遠藤さんに引き取って貰いますよ?』



カイジ(正直・・・そっちの方が楽になれるんじゃ・・・・?)



ちひろ『それじゃあ、この上に重ねておきますから。よろしくお願いしますね!』




─────
───




カイジ(そうか・・・! これなら逆転・・・・!)

カイジ(よし・・・この方法なら間違いなく・・・)



カイジ(いける・・・・!)



レナ「それじゃあ、仕切り直しいくわよ?」



カイジ「ああっ・・・・・!」




そして・・・

3度目の仕切り直し・・・!



レナ「いっせーのっ」

カイジ「・・・・せっ!」



レナ「…………」バババッ

カイジ「・・・・・・」バババッ



お互いにカードを置いていく・・・・!

そして・・・・!

カイジが勝負に出るっ・・・・・!




カイジ「・・・・・」 バッ バッ


カイジ「・・・・・!」 バッ!!



レナ「!?」



ざわ・・ ざわ・・



カイジ「フフフ・・・これで逆転っ・・・!」

レナ「…………」



カイジの奇襲・・・!

それは・・・!



2段重ねっ・・・・・・!




カイジ「レナさん・・・・」

レナ「……なにかしら?」

カイジ「手札に並んだ同じ数字・・・これを重ねても問題ないはずだ・・・・・・」

レナ「…………」

カイジ「違うか・・・・?」

レナ「いえ……問題ないわ……」



ざわ・・・ ざわ・・・



逆転っ・・・!

逆転っ・・・!

カイジ逆転っ・・・・・!



同じ数字を重ねて出す・・・!

その事によってカイジの出す速度は2倍・・・!



兵藤レナに 壊滅的ダメージを与える・・・

悪魔的奇手っ・・・・!




レナ「ふふっ、やるわねプロデューサーさん……」



カイジ(よしっ・・・! よしっ・・・!)

カイジ(いける・・・・・)

カイジ(このまま行けば・・・・・)



カイジ(勝てるっ・・・・・・!!)




レナ「ふふっ……」

カイジ「?」



レナ「ふふふっ……」

カイジ「な・・・なんだ? 何がおかしい・・・・・?」



レナ「あら、気付いてないの? プロデューサーさん……」

カイジ「・・・・・・え?」

レナ「その戦法って……」




レナ「私にも使えるのよ?」



カイジ「なっ・・・・・・!」







ざわ・・・ ざわ・・・



レナ「だってルール上、誰が使っても問題ないもの。もちろん私にもねっ!」



カイジ「あっ・・・・ああっ・・・・・!」ぐにゃ~~~



レナ「というか、たまたま私には今まで同じ数字が重ならなかっただけで、割と普通のことだもの……」

カイジ「うっ・・・・・!」

レナ「まぁ、何はともあれ、これでほぼ五分と五分……振り出しねっ!」






レナ「さーて……残り枚数も、あと僅かだけど……一旦休憩にしましょうか?」

カイジ「・・・・・・え?」

レナ「スピードって、普通はすぐ決着がつくものなんだけど、思いの外時間が掛かって疲れちゃったのよね」

カイジ「あ・・ああ・・・・・」

レナ「それじゃあ、決まりっ! 飲み物を取ってくるけど、プロデューサーさんも何か飲む?」

カイジ「いや・・・なんでも・・・・」

レナ「なら適当に持ってくるわね!」




そして・・束の間の休息・・・・!



カイジ「ふぅ~~~・・・・」



カイジ「結局のところ・・奇襲も失敗・・・」

カイジ「このままじゃ・・・負ける・・・・!」



カイジ「考えろ・・何かしら・・攻略法がある筈だ・・・・・!」







ざわ・・ ざわ・・



カイジ「・・・・あれ?」

カイジ「今って・・・もしかして・・・周りに誰もいない・・・・・?」



その時・・カイジに悪魔が囁く・・・・



カイジ「これって・・イカサマ仕放題なんじゃないか・・・・・?」




カイジ「そうだ・・それに前に・・何かで読んだぞ・・・・!」



カイジ「確か・・『バレなきゃイカサマじゃあねえんだぜ……』みたいなやつっ・・・・!」



カイジ「・・・・・・・」



カイジ「・・・・行くかっ! ・・・・イカサマ!」



カイジ「手札を何枚か・・・場に捨てる・・・!」




カイジ「よしっ・・・・!」



レナ「…………」



カイジ「うっ・・・・・・!」




カイジ(見ている・・・? もしかしてバレてる・・・・・?)



カイジ(間違いないっ・・・・! 確実に見ているっ・・・・!)



カイジ(でも何で止めない・・・・? 何か裏があるのか・・・・?)




カイジ「ぐっ・・・・くそっ・・・・!」



カイジ・・イカサマを断念っ・・・・!

普通・・明らかなイカサマを発見したときならば指摘するもの・・・・!

確証がない場合は・・指摘した方が悪になるが・・・・

この場合は・・明らかにカイジがイカサマをしていることを指摘出来る・・・・!

が・・兵藤レナは見逃す・・・・!

見ているにも関わらず・・・・!

カイジにはそれが不気味に感じられる・・・・・

故に・・断念っ・・・・・・!




レナ「お待たせ!」



兵藤レナ・・着席・・・・!



レナ「お茶でいい?」

カイジ「あっ・・ああ・・・・」



レナ「…………」

カイジ「・・・・・・」チラッ



レナ「ふふふっ♪」ニコッ

カイジ「うぅ・・・・・!」









兵藤レナは微笑む・・!

カイジがイカサマを出来るにも関わらず しなかった・・!

それが嬉しかった・・!



兵藤レナはイカサマをしない・・・・!

だが・・誰かのイカサマは一度は見逃す・・・・・・!

それが・・兵藤レナのポリシー・・・!



だが・・・・カイジはそれを知らない・・・・!

故に・・・不気味っ・・・・・!





カイジ(わからねえ・・・何もかも・・・・!)

カイジ(くそっ・・・・!)



カイジ(だがイカサマはもう無しだ・・・・!)

カイジ(自力で勝たなきゃならねえ・・・・・・!)

カイジ(だが・・どうすれば・・・・)



カイジ(ぐっ・・・考えろ・・・・!)

カイジ(必ず・・・・攻略法がある筈だ・・・・・・・!)




レナ「さて、そろそろ再開しましょうかっ!」

カイジ「ぐっ・・・・!」



カイジ(何も思い付かねえ・・・・!)

カイジ(だが何か・・・・何か糸口がっ・・・・!)




レナ「…………」バババッ

カイジ「ぐっ・・・・」バババッ



なんとか喰らい付くカイジ・・・!

しかし・・・・残り枚数は無情にもどんどん減っていく・・・・・・!




カイジ「・・・・・・」ジー

レナ「もうっ! さっきから熱い視線を感じるわねっ! まぁ、スタイルには自信があるけどっ!」


カイジ「・・・・・・!!」



その時・・天を突き刺す衝撃・・・・・!

それは 起死回生の策っ・・・・・!



カイジ(そ・・・・そうかっ・・・・!)




カイジ(確か・・研修で教わった・・)

カイジ(『プロデューサーは逐一アイドルの様子を気に掛けろ。些細な事も見逃すな』ってやつ・・・・!)

カイジ(あの時は・・くだらねぇ・・・・とか思ってたけど・・・・)

カイジ(いやはや・・これは中々に理にかなっている・・・・!)



カイジ(同じっ・・・・!)

カイジ(アイドルのプロデュースもっ・・・・)

カイジ(ギャンブルもっ・・・・・・!)



カイジ(そうっ・・・! 相手の動きをよく見ろっ・・・・・!)




レナ「…………」ぷるんっ





カイジ「ここだっ・・・・! 勝機っ・・・・!」

レナ「!?」





カイジ「・・・・・・」バババッ

レナ「くっ……」バババッ




カイジ(そう・・・! 兵藤レナの弱点っ・・・・・!)

カイジ(アイドルとしては・・・・武器かもしれないっ・・・・!)

カイジ(だが・・この勝負においては弱点っ・・・・!)



カイジ(それは・・・・その大きな胸っ・・・・!)



カイジ(テーブルに出す時に・・どうしても胸に当たってしまう・・・・!)

カイジ(だから・・多少のラグが出来てしまう・・・・!)

カイジ(このスピードのようなカードを早く出すゲームだと・・)

カイジ(それは・・・致命的な弱点っ・・・・・・!)




カイジ「悪いが・・・このまま押しきらせて・・貰う・・・・!」バババッ

レナ「…………」ババッ




カイジ(よし・・・お互いにあと数枚・・・・!)

カイジ(だが・・・・レナさんの残りの数字だと・・胸が邪魔でペースは上がらないっ・・・・!)



カイジ(このまま・・・・俺が押し切れるっ・・・・!)






カイジ(ラスト2枚・・・・!)



カイジ「よしっ・・・・勝っ・・・・!」



レナ「…………」バババッ!! バババッ!!





カイジ「あっ・・・・・」






カイジ「ああっ・・・・・・」



カイジ「まっ・・・・まさかっ・・・・!」




レナ「ふふっ……ふふふっ!」



カイジ「あっ・・・・ああっ・・・・・・!」



レナ「残念ね、プロデューサーさん……」






レナ「私の勝ちねっ!」




ざわ・・・ ざわ・・・



レナ「どうしてって顔をしているわね?」

カイジ「ぐっ・・・・・!」



レナ「貴方は私がカードを出す時に、胸に当たって若干遅れる事に気付いた……」

レナ「確かにそうね……その通りよ……」

レナ「最後のカード……もし『右手』で出していたら、胸に当たって遅れていたかもしれない……」

レナ「でもね……」



レナ「実は私、『左利き』なのよ?」




レナ「ふふっ、良いところに目を付けたのは、流石はプロデューサーさんってところねっ!」

レナ「でも、少しだけ甘かったかな?」



カイジ「がっ・・! あがっ・・・・!」ぐにゃあ~~~





レナ「さて、お待ちかねの罰ゲームを発表ね……」



カイジ「うっ・・・ううぅ~~~」



レナ「罰ゲームはっ!」



カイジ「ぐぐぐっ・・・・・・!」








レナ「私をトップアイドルにすることっ!」






カイジ「ぐぐっ・・・・・え?」

レナ「だから、私をトップアイドルにすること!」

カイジ「へ・・・どういうこと?」

レナ「そのままの意味よ! だってアイドルのプロデューサーさんなんでしょ? 私をスカウトして、アイドルにして貰おうかなって!」



カイジ「えっ・・・ええ~~~?」




レナ「私じゃ不満なの?」

カイジ「あっ・・・いや・・・そういう訳じゃ・・・・・」

レナ「正直、こんな心躍る勝負したの初めてなのよっ!」

カイジ「・・・・・・・」

レナ「だから、今度は私をトップアイドルにするっていうギャンブルも面白いかなってね!」




レナ「さて、善は急げって言うし、早速行きましょうか!」

カイジ「あっ・・・いや・・・・・」

レナ「どうしたの?」

カイジ「罰ゲームて言うから・・・凄いことをされるのかと・・・・」

レナ「だから危ない事はしないって言ったじゃない!」

カイジ「でも・・・レナさんの親父は・・・・」

レナ「え!? お父さんも知ってるの!?」

カイジ「あっ・・・! いやっ・・・・!」




レナ「まぁ、いいわ! 早く行きましょう!」

カイジ「い・・いや・・・・ここ海の上だし・・・・」



和也「姉さん・・・! アイドルってどういう事だよ・・・・!」

レナ「和也! あんたいつから!」

和也「それよりもだな・・・・!」

レナ「うるさいわね! あんたは勉強してなさいって言ったでしょ!」




レナ「とにかくっ! プロデューサーさん!」

カイジ「は・・はいっ!」



レナ「私達は、負けるために生まれてきた訳じゃないのよ!」



レナ「だなら、勝ち続けましょう! これからの素晴らしい未来は、私達の手の中よ!」



終わり




おまけ



???「おい」

黒服「はっ」

???「買い占めろ」

黒服「は?」

???「買い占めろと言ったんじゃ・・・! チケット・・・! ライブのチケットをっ・・・・・・!」ビシバシッ

黒服「は・・はいっ!」

???「全く・・・・」




黒服2「会長 お電話です」

???「誰からだ?」

黒服2「レナお嬢様です」

???「なに!? 早く変われ・・・・!」



???「おおっ・・! どうしたレナ・・・・!」

レナ『いや、何か嫌な予感がしたから先に言うけど……』

???「なんじゃ?」

レナ『余計な事をしたら、親子の縁を切るから! それじゃ!』ガチャ

ツー ツー

???『ま・・待ってくれレナっ・・・!』

ツー ツー

???『・・・・・・・・』



本当に終わり





>>148

訂正

×レナ「だなら、勝ち続けましょう! これからの素晴らしい未来は、私達の手の中よ!」

○レナ「だから、勝ち続けましょう! これからの素晴らしい未来は、私達の手の中よ!」


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