日菜子「フォーチュン・ドリーマーズwith佐久間まゆ」 (17)

日菜子「……」

まゆ「……」

日菜子「……むふ」

まゆ「……うふ」

日菜子「むふふ……♪」

まゆ「うふふ……♪」

朋「……何してるの?」

日菜子「むふふふふ……♪」

朋「おーい」

まゆ「うふふふふ……♪」

朋「……」

朋「ねぇってば!」

日菜子「ひゃっ!」ビクッ

まゆ「きゃっ!」ビクッ

まゆ「……あら、朋さん」

日菜子「いつからいたんですかぁ?」

朋「ちょうどさっき来たばっかりよ」

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朋「で、何してたの?」

朋「その……一つだけのクッキーを二人してじっと見つめて」

朋「……あ」

朋「もしかして、どっちが食べるか迷ってたとか?」

日菜子「いえ、違いますよぉ」

日菜子「……あ、でも近いかも知れませんねぇ」

朋「ん?」

まゆ「まゆたち、これを見て妄想してたんです」

朋「……妄想?」

朋「……ああ、だからあんな幸せそうに笑ってたのね」

まゆ「はい」

日菜子「二人で食べてたクッキー」

日菜子「でも一つだけ余っちゃって……」

まゆ「そんなとき、どうするか……って、妄想を」

まゆ「まゆはプロデューサーさんとの……」

日菜子「日菜子は王子様との……むふ」

日菜子「むふふ……だめですよ~、そんな、一緒になんて……唇が……むふふ……♪」

朋「……相変わらず妄想に入るスピードがとてつもなく速いわね」

まゆ「まゆも見習わなきゃ……」

朋「いや、まゆちゃんはそのままでいいと思うわ」

まゆ「あ、そうだ」

まゆ「朋さんもクッキー食べますか?」

朋「ん……あ、いいわよ」

朋「あと1個だし……それこそ二人で半分こでもして食べたら?」

日菜子「いえ、まだたくさんありますよ」

日菜子「この箱に……ほら」

朋「わ、本当!」

朋「……じゃあ、なんでお皿の上には一個だけ?」

日菜子「せっかくだから状況も再現しようと思ったんです」

日菜子「そしたら妄想もはかどりますから……むふ」

朋「ああ、そういう……」

朋「……まあわからないでもないけど」

朋「ほら……その…………ま、漫画とかを読んであたしだったら――とか考えることあるし」

日菜子「それも立派な妄想ですね~」

まゆ「うふ……朋さんも仲間ですね」

朋「いやいや! これくらいだったら誰だってやってるでしょ!」

朋「……やってるわよね?」

日菜子「……やりますねぇ」

まゆ「特に恋愛漫画だとよく……」

朋「そっ、そうよね!」

朋「……よかった、あたし一人だけじゃなくて」ボソッ

まゆ「そうだ、せっかくだから朋さんも一緒に妄想しませんか?」

朋「へ……あ、あたしも!?」

日菜子「むふ……いいですねぇ」

朋「え、や、い、いいわよ、別に」

まゆ「あら」

日菜子「どうしてですかぁ?」

朋「どうしてって言われても……」

朋「その……なんていうか」

朋「……」

朋「……は、恥ずかしいじゃない」

朋「人に聞かれるのって」

まゆ「それは……そうですねぇ」

まゆ「まゆも……全部曝け出すのは恥ずかしいですし」

日菜子「日菜子もです」

日菜子「自分の中で抑えておかないと……赤面しちゃいます……」

日菜子「……朋さんとまゆさんが」

朋「あたしたちが!?」

まゆ「いったいどれだけ過激な妄想なんでしょう……」

日菜子「……聞きたいですかぁ?」

まゆ「え……あ……」

まゆ「……」

まゆ「……い、いいです」

日菜子「むふ……」

まゆ「でも、大丈夫ですよ」

まゆ「こんな感じで、まゆも日菜子ちゃんも、妄想を全部話すわけじゃありません」

まゆ「ただ、こんな感じのはどうでしょう……って話すだけです」

日菜子「……朋さんも、友達と理想のデートとかそういう話したことはありますよねぇ?」

朋「あ、うん……まあ」

日菜子「むふ……それと似たようなもの……というよりは同じです」

日菜子「ある題材で、こんな展開だったらいいですよねぇ……って話をしあうだけですよぉ」

朋「……」

まゆ「……どうでしょうか?」

朋「……あのさ」

朋「あたし、そんな有益な意見とか出せないと思うけど……」

日菜子「うふふ……大丈夫ですよぉ」

日菜子「妄想に有益も無益もありません」

日菜子「どんな妄想でも、本人が幸せなら、それでいいんです」

日菜子「だから、日菜子も……むふ」

朋「……」

まゆ「……それに、人の妄想を聞いたり、聞いてもらったりするのもいいですよぉ」

まゆ「自分の妄想に足りないものを教えてもらえたりしますから」

まゆ「まゆもそれで幅が広がって……プロデューサーさんにしたいこと、してもらいたいことがたくさん増えて……うふふ」

まゆ「……こほん」

まゆ「というわけなので……あの、どうでしょうか……?」

朋「……」

日菜子「……ダメですかぁ?」

朋「……わ、わかった」

まゆ「本当ですか……!」

日菜子「むふ……うれしいですねぇ」

まゆ「そうですねぇ……仲間が増えて……うふ」

朋(……どうしよ)

朋(すっごい頼まれたから、つい了承しちゃった……けど……)

朋(……いや、別に妄想したことがないわけじゃないし)

朋(むしろ良くする方かもしれない……いや、ほかの人がどのくらいかわからないけどさ)

朋(それに……友達がそういう話してたことも、確かにあるんだけどね)

朋(彼氏とキスしたーとか、お泊りしたーとか……そんな話)

朋(……でもあたし、そういうの聞くだけでも、なんか恥ずかしくなっちゃって)

朋(なのに、自分から話すなんて、そんな……)

朋(……昔、友達とみんなの理想のデートについて話した時だって)

朋(子供みたいって、笑われたくらいなのに……)

日菜子「むふ……それじゃあ次は何で妄想しましょうか……?」

まゆ「そうですねぇ……クッキーも全部食べちゃいましたし」

まゆ「んー……」

まゆ「……あ、朋さん!」

朋「ひゃいっ!」

まゆ「……朋さん?」

日菜子「どうしたんですかぁ?」

日菜子「そんなに、驚いて……」

朋「なっ、な、なんでもないわっ!」

朋「うん、なんでもないっ!」

まゆ「……?」

朋「そっ、それで、なに……?」

まゆ「あ、いえ……朋さんって占い好きですよね」

朋「う、うん」

まゆ「……それなら、今日のまゆたちのラッキースポットとかわかるかなって」

朋「……ラッキースポット?」

まゆ「はい」

日菜子「なるほど……そのスポットで妄想するんですね」

まゆ「そういうことです」

まゆ「……場所だったら妄想しやすいでしょうし」

日菜子「そうですねぇ……むふ」

朋「んー……あたしはそういうの占えないから、調べる形になるけど」

朋「ちょっと待ってね……ええっと、二人の星座はなんだっけ?」

まゆ「まゆはおとめ座です」

日菜子「日菜子はおひつじ座ですねぇ」

朋「んー」

朋「……それじゃ、日菜子ちゃんのおひつじ座から行こっかな」

日菜子「むふ……よろしくお願いしますねぇ」

朋「……ラッキースポットだよね?」

朋「えっと……あ、マッサージ店だってさ」

日菜子「マッサージ店……」

まゆ「マッサージ店ですかぁ……」

まゆ「……朋さんはいったことありますか?」

朋「いや……ないわね」

日菜子「日菜子もないですねぇ」

まゆ「……」

日菜子「……」

朋「……え、どうすんのこれ?」

日菜子「さすがに行ったことのない場所で妄想するのは難しいですねぇ……」

まゆ「大体どういうことをするのかっていうのはわかるけど……でも……」

まゆ「あ!」

朋「ん、どしたの?」

まゆ「いえ、キーワードをマッサージ店じゃなく、マッサージにしたらいいんじゃないかなって」

朋「あー」

日菜子「……そうですねぇ」

日菜子「そのほうが日菜子も……王子様との妄想がすぐできそう……むふ」

まゆ「うふふ……じゃあ決まりですねぇ」

朋「……マッサージねぇ」

日菜子「むふ……日菜子はもちろん王子様にマッサージしてもらいます……」

日菜子「最初は背中を向けて……腰のあたりを……こう、ぐっ、って……」

日菜子「でも、その後……我慢できなくなって……むふ……むふふ……♪」

日菜子「むふふふ……♪」

朋「あ、また入った」

まゆ「日菜子ちゃんはこうして妄想に入るのが早いので……」

まゆ「その間にまゆも考えてるんです」

朋「なるほどねぇ……」

朋(……あたしも、考えとかないと、かな)

日菜子「ふぅ……」

朋「あ、帰ってきた」

まゆ「うふふ、お帰りなさい」

日菜子「むふ……ただいまです」

まゆ「マッサージしてもらうのっていいですよねぇ」

日菜子「そうですねぇ……むふ……大きな手でぐっぐっって……むふふ……そこから……」

日菜子「……おっと、この先は止めておきましょう」

朋(その先で何が起きたんだろ……?)

日菜子「さて……まゆちゃんはどうですかぁ?」

まゆ「まゆは……」

まゆ「……まゆはプロデューサーさんをマッサージしてあげたいですねぇ」

日菜子「日菜子と逆ですねぇ」

まゆ「はい」

まゆ「……プロデューサーさん、毎日たくさん働いて……いろいろなところが疲れてそうですから」

まゆ「まゆがそれをマッサージして取り除いてあげるんです」

まゆ「ぐいっ……ぐいっ……って、プロデューサーさんの肩や腰を……」

まゆ「……それで、その後『ありがとな』……って言ってもらって」

まゆ「お礼に……ってプロデューサーさんがまゆをマッサージ……って……うふふ」

日菜子「なるほど……そういうパターン」

日菜子「……でも、いいかも……むふふ」

日菜子「王子様も…………」

日菜子「……王子様も、白馬に乗ったりして疲れてるはずですから」

日菜子「日菜子がそれを……むふ……むふふ……♪」

朋「……」

朋(……これ)

朋(次、たぶんあたしの番よね)

朋(えぇ……どうしよう)

朋(や、妄想できてることには妄想できてるけど……でも……)

朋(……)

朋(……っていうか、結局みんなほとんど全部いってるじゃん!)

朋(あたしもこれ全部言わないといけないのかな?)

朋(……いや、でも別に全部説明しなくてもいいって言ってたし)

朋(じゃあ、かいつまんで……)

朋(……)

朋(……)

朋(……)

朋(……)

日菜子「……朋さんはどうですかぁ?」

朋「ひゃっ!」

日菜子「……朋さん?」

朋「あ、ううん、ちょっと考え事してただけ!」

まゆ「考え事……」

日菜子「……むふふ」

朋「いや、本当にちょっとした考え事だから!」

朋「それでっ、えっと、マッサージ、マッサージよね?」

まゆ「はい」

日菜子「どうですかぁ……?」

朋「あたしは……」

朋「……」

朋「……あの」

朋「……」

朋「あのね、まず……て、手相を見るの」

まゆ「……手相ですか?」

朋「うん……手を貸してもらって」

朋「……で、手相を見て、ちょっと占って」

朋「その後『そういえばテレビでやってたから手のマッサージやらせて』って言って……」

朋「そのままぐいっ、ぐいっ……ってして」

朋「……で、あの、終わって」

朋「『ありがとう』『どういたしまして』って離れて」

朋「……でも、手はまだ暖かくて」

朋「……握ってたんだ、って思って……」

朋「ちょっと、うれしいような、恥ずかしいような、そんな気分になって……」

朋「それで…………」

朋「……」

朋「……あ、いや」

朋「こ、これで終わり……です」

まゆ「……」

日菜子「……」

朋「……あ」

朋「その……あ、あたしの……変、だった……?」

まゆ「……いえ、ぜんぜんそんなことはないですよ?」

朋「ほ、本当……?」

まゆ「はい」

日菜子「むふ……まゆさんや日菜子ではできないアプローチですからねぇ」

日菜子「日菜子たちはどうしても積極的になっちゃいますから……なるほど~」

日菜子「むふ……日菜子も王子様の手をとって……手相を見ようとするけど、ぐいって手を引かれて……抱きしめられて……むふふ……♪」

朋「……あたしのとだいぶ変わってるけど」

まゆ「日菜子ちゃんにとってはその形がベストなんでしょう」

まゆ「……朋さんのもとても素敵な妄想でしたよ」

朋「そっか……」

朋「……よ、よかった……」

朋「ほっ……」

まゆ「先に言っておけばよかったですね」

まゆ「まゆたち……人の妄想の否定はしません」

朋「!」

日菜子「むふ……当然ですけどねぇ」

日菜子「それぞれが一番いいとおもった形が妄想に現れますから、その否定なんてできるわけありません」

日菜子「……自由な妄想じゃなきゃつまらないですから」

まゆ「なので、そんな気負わなくてもいいと思います」

日菜子「むふふ……素敵な妄想でしたよ」

朋「……ありがと、二人とも」

朋「……あの、二人のも、良かったわ」

まゆ「あら、ありがとうございます」

日菜子「ありがとうございます……むふ」

まゆ「でも……」

朋「えっ、な、なに……?」

まゆ「あ、いえ、別に否定するわけじゃなくて」

まゆ「……その」

まゆ「……朋さんって、あの」

まゆ「……かわいいな……って」

朋「っ!」

日菜子「……そうですねぇ」

日菜子「いつもの朋さんと比べると……驚くくらい、消極的というか……」

日菜子「初心というか……」

朋「……」

朋「……だ、だって」

朋「いつもは、ほら……みんな友達だし、そんな……れ、恋愛してるわけでもないし……」

朋「だから……あの……」

朋「……」

朋「……いっ、いいじゃない、別に!」

朋「あたしが、別に、どんなのだって!」

朋「こういう話に慣れてなくたって!」

朋「子供っぽくたって!」

まゆ「いや、別に子供っぽいとは思ってませんよ」

まゆ「ただ、かわいいな……ってだけで♪」

朋「う~……!」

日菜子「むふふ……ギャップですねぇ」

まゆ「そうですね、うふ」

朋「う~~……!」








おしまい

フォーチュン・ドリーマーズはとても良いユニットだったけど、二人と絶対相性いいと思うからまゆも入れてほしいっていうノリと勢い
できればwith佐久間まゆじゃなく、朋、日菜子、まゆの3人のユニットという形でユニット組んでほしい、名前は思いつかないけど

あと、朋ちゃんが恋愛に関してそれこそ子供かってくらい初心だとすばらっていうノリ


誤字脱字コレジャナイ感などはすいません、読んでくださった方ありがとうございました。

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