怜「……なんの薬やて?」 (25)

浩子「だから、飲むと>>2になる薬です」

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健康

浩子「飲むと健康になれる薬ですよ」

怜「……ほんまかいな」

浩子「荒川病院の開発した新薬ですからね。まだ実験はしてないんです」

浩子「だから園城寺先輩にモニターになってもらおうと思って」

怜「んー、でも健康になったら竜華に構ってもらえんかもしれへんしな……」

怜「逆に健康な人が飲んだらどないなるん?」

浩子「>>4になります」

超人

怜「ちょう、じん……?」

怜「それってキン肉マンみたいになるってことかいな」

浩子「男性の場合はそうですね」

浩子「女性の場合は超能力が開花します」

怜「なんやそれ詐欺くさいな……」

浩子「園城寺先輩の能力も大概ですけどね」

浩子「で、どうしますか?飲んでみますか?」

怜「んー」



1.自分で飲んでみる
2.竜華に飲ませてみる


安価下

怜(確かに健康な身体は欲しいけど、竜華と一緒にお風呂入れんくなるしなー)

怜(それに、ほんまに超能力が開花するか見てみたいし)

怜「船Q、それ竜華に飲ませてみたいんやけど」

浩子「私は園城寺先輩が飲んでも清水谷部長が飲んでも構いませんよ」

浩子(どっちにしても面白いデータがとれそうなので)



ガチャ



竜華「ごめん、怜ー。待った?」

怜「お、丁度ええとこに来たな」

竜華「?」

怜「船Qが持ってきたスポーツドリンクがあるんやけど、飲んでみん?」

竜華「あ、美味しそう」

浩子「どうぞ、グイッといってください」

竜華「ありがとなー。丁度喉が渇いとったんよ」


グイッ



竜華「!!!???」

怜「りゅ、竜華……?」

竜華「か、身体が……熱……」

竜華「なんか……身体の奥から湧き出てくる……」



竜華の目覚めた超能力>>12

超人的な運動神経

竜華「……お、収まった」

怜「それで、なんか身体に違和感感じたりしーへん?」

怜「手から炎を出したり時を止めたりできそうな感じしん?」

竜華「んー?なんもないけど?」

怜「船Q、これやっぱ偽物やったんやない?」

浩子「んー。まだ飲んだばかりですから様子を見ませんか?」

竜華「???」

翌日


怜「スポーツテストとか鬱や……なんでこんなんあるねん」

セーラ「怜ー。ソフトボール投げ次は怜の晩やで」

怜「しゃーない。行ってくるわ」

竜華「怜ー頑張ってー」



怜「ていっ」ぽいっ

教師「園城寺、8メートル」

怜「今日はこのくらいにしといたるわ」

竜華「さーて。次は私の番やな」

セーラ「かっ飛ばせよ竜華!」

竜華「えいっ!」ぶんっ



キラーン



竜華「……は?」

セーラ「……は?」

教師「じょ、場外……?」

セーラ「まてまてまてまて!ありえんやろ!」

怜(……まさか)

怜(その後、竜華は超人的な運動神経を見せた)

怜(100メートル走ではスターターをぶっ壊し5秒の記録を出し)

怜(立ち幅跳びは地面をえぐって跳んでグラウンド端のフェンスまで激突し)

怜(反復横とびに至っては残像を残して分身の術をして、数えることすらできなかった)

怜(間違いない。船Qの薬の力や)



昼休み


竜華「なるほど。昨日のドリンクのせいやったんやな」

セーラ「くそー。俺もそれ飲んでみたかったわ」

怜「ほんまに効き目があるなんてビックリやな」

竜華「おかげで色んな部活にスカウトされて大変やったわ」

セーラ「竜華モテモテやったもんな」

怜「これなら私を担いで家までダッシュで送ってもらえるな」

竜華「そんな、人をタクシーみた……い……に……」クラッ

怜「竜華……?」



ドサッ



竜華「……」

怜「竜華……竜華!!」

セーラ「あかん!救急車!」

荒川病院


怜「それで、竜華は?」

憩「今はベッドで安静にしてますーぅ。ただ、酷く衰弱してて……」

怜「いったい何があったんや……」

憩「確か清水谷さんは超人的な運動神経を手にいたんですよね?」

憩「けれど……身体自体がそれについていけなかったんよーぅ」

憩「超人的な運動能力を発揮するために脳と筋肉は限界まで能力を引き出されて、その分の新陳代謝を補うために心臓が激しく動いた結果、衰弱して倒れたんですーぅ」

怜「なら、はよあの薬の効力を消してや!」

憩「それが、解毒剤の調合法はあるんですけど、今は材料が足りてなくて……」

怜「なんやその材料って」

憩「>>17ですーぅ」

怜の体液

怜「……は?」

憩「だから、園城寺さんの体液ですーぅ」

怜「……意味がわからんのやけど」

憩「この薬には万能的な解毒剤はないんよーぅ」

憩「ある程度のベースがあって、そこに飲んだ人に応じたものを入れることでできるんですーぅ」

憩「清水谷さんの場合は強力な身体能力を得たんやから、それを打ち消すには園城寺さん体液の病弱成分を加える必要があるですーぅ」

怜「……なんか信じられないような話やけど、それで竜華は助かるんやな!」

憩「そこは100%保証しますよーぅ」

怜「……わかった。竜華のためや」

怜「唾液でもなんでも持ってたらええ!」

憩「あ、じゃあ遠慮なく」キラン

怜「え、体液ちゃうの?」

憩「血液も体液ですよーぅ」

憩「とりあえず1リットルほど採血させてもらえば完成しますーぅ」

怜「」

翌日


浩子「なるほど。そんなスーパーマンみたいな清水谷部長の姿を私も見たかったです」

怜「冗談やないわ!竜華は倒れるし私は血をめっちゃ採られるしで散々やったんやで!」

怜「それもこれも船Qがもってきた薬のせいや!」

浩子「けれど清水谷部長に飲ませたのは園城寺先輩ですよね?」

怜「ぐっ……」

浩子「まあここは責任は半々という事で納めましょう」

怜「……なんか言いくるめられてない?」

浩子「気のせいですよ」

浩子「それで、清水谷部長はどうなったんですか?」

怜「あの後、私の血液入りの解毒剤を飲んだら治ったで」

浩子「なんかそんな言い方するとヤンデレっぽいですが、治って良かったですわ」

怜「ただ、後遺症があってな」

浩子「?」

怜「>>21になったんや」

標準語で話すよう

浩子「……どういう事ですか?」

怜「身体の異常な強化は治ったんやけど、消耗した脳の能力と筋力は戻らんから、少し前頭葉あたりにダメージが残った結果……」



ガララ



竜華「ごめん、待たせちゃったね怜」

竜華「あ、船Qもいたんだ」

竜華「もう。昨日は船Qの持ってきた薬のせいで散々だったんだからね!」


怜「……この通りや」

浩子「……これはこれでアリですね」



カンッ

これで終わりです。お付き合いいただきありがとうございました

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