勇者「……なんか、重い気がするんだよな」
僧侶「?」
僧侶「あの、勇者様は特別重たい物を持っているようには見受けられませんが」
僧侶「…第一、移動の時は戦士さんが武具などは持っていてくれてますし、今は馬車に乗っているではありませんか」
勇者「そうなんだけどさ……」
僧侶「……………」イラッ
僧侶「あぁ、もう!」
勇者「!?」ビクッ
僧侶「そんなに重たいと思うんなら、次の街に着いた時に捨ててしまえばいいじゃないですか!」
僧侶「勇者様は一体何を捨てたいんですか!?はっきりとおっしゃってください!!」
勇者「あ、え、えっと、>>3だけど……」
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童貞
僧侶「…今、何て?」
勇者「お、俺は童貞を捨てたいんだよ」
僧侶「え、勇者様って童貞だったんですか…?」
勇者「……………」
僧侶「あ、えっと…すみません、勇者様なら童貞くらい捨ててると思っていたので……」
勇者「……惨めになるから、謝らないでほしいかな……」
僧侶「わ、わかりました。……でも、勇者様って今年で17歳ですよね?」
僧侶「童貞なら、今すぐ捨てなくても大丈夫なのでは?」
勇者「そうなんだけど……」
僧侶「?」
僧侶「まだ何か問題でもあるんですか?」
勇者「……………」
僧侶「勇者様?」
勇者「……俺、包茎なんだ」
僧侶「そ、そうだったんですか……」
勇者「…今、これじゃ童貞なんて捨てられないと思っただろ」
僧侶「えっ?あ、そ、そんなことは思ってませんよ!?」
勇者「……………」
勇者「……俺はこれからも、この童貞という重圧から抜け出せないんだろうな」ズ--ン
僧侶「ゆ、勇者様、まだ諦めるには早いですよ」
僧侶(ってゆうか、このままほっとくと魔王討伐すら諦めそうな雰囲気ですし)
勇者「…なら、僧侶はどうすればいいと思うんだよ?」
僧侶「え!?えーと、>>9…ですかね?」
羞恥心を捨て去る
勇者「……これ以上、俺に辱めを与えるつもりか…僧侶、お前って案外鬼畜なんだな……」
僧侶(勝手に勇者様が話してただけだと思うんですが)
勇者「しかし、羞恥心を捨て去るというのは……」
僧侶「…やっぱり、無理ですか?」
勇者「いや…でも、これで童貞を捨てられるとしたら、やってみる価値はある……と思う。…多分」
僧侶「そうですか。…なら、さっそく>>15をしてみましょうか」
下ネタ談議
勇者「!?」
僧侶「ふふ、談議ですから、戦士さんも呼んできますね」
勇者「ま、待て!何故、羞恥心を捨てるのに猥談をする必要があるんだ!」
僧侶「勇者様が恥ずかしい思いをすることと言えば、下ネタ系の話くらいしか思いつかなかったから、としか」
勇者「百歩譲って猥談は良いとしても……戦士だけは、この談議に呼ばない方がいい」
僧侶「……………」
僧侶「…それは、フリとして受け取ってもよろしいのでしょうか?」
勇者「違う!戦士は>>18だから、呼ばない方が良いんだよ!」
インポ
僧侶「えっ……?」
勇者「勃起もできないのに、猥談とか…そんなの、イジメだろ……」
僧侶(いえ…今の勇者様のセリフの方が、かなり酷いことを言ってると思うんですけど)
勇者「……というわけで、戦士をこの下ネタ談議に呼ぶのは却下だ」
僧侶「でも、二人で談議というのは……」
勇者「?」
勇者「それなら、談議をしなければいいだけの話だろ」
勇者「……そう思わないか?」
僧侶「……………」
僧侶「…勇者様、嘘を吐いてはいませんよね?」ジロッ
↓コンマ数50未満で嘘
僧侶「早く…答えてくださいよ」
勇者「……………」
勇者「……戦士の話なら、本当だけど」
僧侶「!?」
勇者「…というか、パーティを組んでから、一度でも俺が嘘を吐いたことなんてあったか?」
僧侶「……それは…その、一度もないですけど……」
勇者「僧侶はさ、俺が猥談をしたくないから、戦士がEDで~みたいなタチの悪い嘘を言うような奴だとでも思ってたのか?」
僧侶「……っ、で、でも、あの戦士さんが勃起をしないなんて信じられなかったから…!」
カタン
勇者「!」
僧侶「ゆ、勇者様…?」ビクビク
勇者「悪い、話は後にさせてくれ」
僧侶「え?」
勇者「たった今、外せない用事ができた」
↓コンマ数
00~60で筋肉ゴリラ系戦士
61~99でイケメン戦士
勇者「……ここに居たのか」
勇者「早く宿屋に戻ろうぜ。この辺りは、夜になるとかなり寒くなっちまうらしいからな」
戦士「……………」
勇者「…さっきは、ごめんな」
勇者「お前、大賢者のところや、教会に行くぐらい悩んでたのに……」
戦士「……気にしてなどいないさ」
勇者「でも、僧侶のこと…好きなんだろ?」
戦士「!」
戦士「お前、なんでそれを知って……」
>>29
①勇者「…なんでだと思う?」
②勇者「俺だって…僧侶のことが好きだからだよ」
③勇者「俺はゲイだ」
2
勇者「…俺だって、僧侶のことが好きだからだよ」
戦士「…!」
勇者「ハハ…このタイミングで言うのもなんだけどな」
戦士「……お前はそんなことを俺に言って、何がしたいんだよ?」
勇者「だって、お前…数週間くらい前から教会に行って治療するのをやめてるじゃないか」
戦士「……………」
勇者「…僧侶に知られたくなかったからだろ?」
戦士「……………」
戦士「…あぁ、そうだよ。俺は惚れた女にEDなのを知られたくなくて、教会で治療するのをやめた」
戦士「……だけどさ、隠し事をしてるストレスからか、頭には10円ハゲが2個もできていた」パサッ
勇者「!?」
勇者「え、お前、室内でも兜をかぶってたのって……」
戦士「無論、ハゲを隠すためだ」
勇者「……………」
戦士「……笑えよ。…頼むから、黙っているのだけはやめてくれ……」
勇者「……っ」
戦士「俺…もう、このパーティから」
勇者「ま、待ってくれ!!」ガシッ
戦士「なんだよ…?」
勇者「…俺の頭には、カツラが乗ってる」
戦士「え……?」
勇者「……俺も、ハゲなんだよ」ファサァ
戦士「!!???」
勇者「真性包茎だって知ってからさ、段々と薄くなってきて……今やもう、数本しか残ってないんだ」
戦士「そ、そんな……」
勇者「…ハハ、みっともないよな?笑ってもいいんだぜ?」
戦士「……笑えるわけないだろ」
勇者「ありがと。…でもさ、いつまでもカツラをかぶっているわけにもいかないだろ」
戦士「……………」
勇者「……だから、二人でハゲということをみんなにカミングアウトしないか?」
戦士「…それは……」
勇者「……やっぱり、言えなさそうか?」
戦士「……………」
勇者「そうか…でも、いつかみんなに話せるように頑張ろうな」
……………………………………………………
勇者「……カツラはもう、捨ててしまおう」
僧侶「ゆ、勇者様!?」
勇者「僧侶か…どうしたんだ、そんなに大声を出して」
僧侶「す、すみません」
僧侶「……って、それより、その手に持っている黒い塊は一体何なんですか……?」
勇者「見ての通りカツラだけど……」
勇者「…やっぱり、本当の姿でみんなと向き合わなきゃ駄目だと思ったから」
勇者「たった今、捨てようとしてたところなんだ」
僧侶「そ、そ、そ…」ワナワナ
勇者「?」
僧侶「それを捨てるなんてとんでもないです、勇者様!」
おわり
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