両津「わしが巡ヶ丘にっ!?」 (38)

ここに1レス目を書きます。

がっこうぐらし!×こちら葛飾区亀有公園前派出所のクロスオーバー作品です。

ふと、思いついたので、ご拝見の程、よろしくお願いします。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1468335309

両津「わしが巡ヶ丘に異動とはどういうことですかぁ~、部長?!」

大原「言葉の通りだ。お前はしばらく巡ヶ丘に行って貰う。以上だ。」

両津「それじゃあ、わかりません。納得に行く説明を・・・」

大原「わかった。いずれわかることだが、教えてやる。実は巡ヶ丘は今、ゾンビとかいうものが大量に発生してな。我々、警察いわば本庁が軍と協力して生存者の救命にあたっているところだ。」

両津「えっ、ゾンビ!?」

大原「そうだ。だから今、お前の力が必要なんだ。」

両津「それはどういう・・・」

麗子「つまりは両ちゃんの人間離れした身体能力と並外れた行動力を本庁に買われたって意味なのよ」

両津「わしの力がかっ!!」

中川「そうですよ、先輩。先輩がいたら百人力、いやそれ以上ですよ。」

寺井「すごいよ、両さん!!」

両津「だけど、ゾンビが大量発生しているんだろ。だとしたら向こうに異動したらパチンコに競馬が出来なくなる・・・」

麗子「もぅ、呆れた・・・。両ちゃん、パチンコ、競馬と人命、どっちが大事だと思うの?」

両津「もちろん、パチンコと競馬に決まってるだろ。わしは普段働いてるんだ。非番にパチンコと競馬が出来ないんじゃ、わしは働かんぞ!!」

麗子・中川・寺井「「「両ちゃん、先輩、両さん」」」

両津「そんな、悪人を見るような目でわしを見るな! とにかく、わしは絶対に行かんぞ」

大原「・・・・・・。そうか、分かった。」

麗子「大原部長っ!?」

大原「両津。お前が行きたくないなら無理に行かなくていい。だが、残念だな。せっかくにお前に特別ボーナスと給料アップの話が来ていたのにな!!!」

両津「何だとっ!?」

大原「お前の異動に際して、本庁はお前の頑張り次第では特別ボーナスを出し、更には給料のアップも考えないこともないとおっしゃってたぞ。」

両津「やります。両津勘吉巡査長、誠心誠意努めるであります」ビシッ!!

大原「そうか。異動の話、承諾してくれるな?」

両津「もちろんであります。」

中川「先輩。完全に給料とボーナスのことしか頭にありませんよ」

麗子「またいつものが出たわね」

寺井「ほんとに大丈夫かな!?」







巡ヶ丘警察署

上司「君が両津勘吉君だね? 私は君の上司にあたる者だ。よろしく。」

両津「あぁ。よろしく(ニシシッ。特別ボーナスに給料アップのためだ。頑張らんとな。)」

上司「さっそくだが、両津君。君に今から行ってほしいところがある。」

両津「いきなりですか・・・。まぁ、いいや。で、その行ってほしいところって一体どこなんですか?」

上司「ここからそう遠くないところだ。場所の名前は「巡ヶ丘学院高等学校」だよ。」

両津「高校ですか?!」

上司「そうだ。さっき、入って来た情報だと、そこに女子高生4人と教師が一人が取り残されていてな。今は学校で生活している状態らしいんだ。」

両津「高校で生活って・・・まるでキャンプか、合宿だな。」

上司「そんなわけで、両津君。君の初仕事は今から巡ヶ丘学院高等学校に向かい、そこにいる女子高生と教師を救い出す事だ。」

両津「わかりましたよ。両津勘吉、今からその高校に向かいます。」

上司「よろしい。君には期待しているよ、両津君。」

両津「ところで行きは歩きと車、どちらですか?」

上司「もちろん。歩きだ。本庁によれば君は「向かうところ敵なし」、「一騎当千」だそうじゃないか。それなら歩きにしても安全だよ」

両津「しかし、いくらわしでも自信が・・・」

上司「まぁ、そういうな。こっちも車を出したいのは山々だが、最近ゾンビの和が異様に増えてきてな。救助用の車はその影響で故障が多く、あまり残ってはいないんだ。」

両津「わかりましたよ。行きゃあいいんでしょ。」

上司「ありがとう。本当に頼んだよ、両津君。」

両津「行ってまいります。」

続きを挙げます。両さんの口調がおかしいのはご勘弁下さい。後、設定上ではみーくんも既に学園生活部に所属し、まためぐねぇも生きています。

巡ヶ丘学院高等学校への道中

両津「それにしても酷い光景だな。あっちこっち廃墟と化した状態じゃないか。だが、警察署だけは軍隊によって守られているから無事。なんか変な感じだな!!」

?「来ないでー!?」ザワザワッ。

両津「何だ!?あっちに例のゾンビが大量に集まってるぞ。それに今、声が・・・」

?「誰か助けて!!!」

両津が見たもの、それは大量のゾンビに取り囲まれた女性の姿だった。ゾンビは今、その女性に噛み付こうとする。

?「いやああああっ」

両津「止めろっーーーーーー!!!」

?「!?」

ヒュー・・・ビシッ!! 両津は履いていたサンダルを女性に噛み付こうとしたゾンビに投げ、見事に命中させた。直後、ゾンビ達は驚いて逃げ出した。

両津「大丈夫か、あんた?」

?「え、えぇ。あ、ありがとうございます。」

両津「いや、礼はいいって。それよりもあんたは」

?「あ、申し遅れました。私、この先にある「巡ヶ丘学院高等学校」の教師をしています佐倉慈です。」

両津「何、巡ヶ丘学院高等学校だと!?」

慈「ご存知ですか?」

両津「あぁ。わしは今からそこに向かおうとしてたんだ。」

慈「向かうって一体どうしてですか? あそこはほとんど、ゾンビだらけで、いるのは私と私の教え子だけですけど・・・」

両津「紹介が遅れたが、わしは両津勘吉。警察官だ。後、あんたの学校に向かう目的はあんたとあんたの教え子を助けることだ!!」

慈「えっ!? それは本当ですか。」

両津「わしは嘘なんぞつかん。本当に助けに来たぞ」

慈「そうですか。なんて、お礼を言っていいか」

両津「だから礼なんぞいらんって。とにかく、今はあんただけだが、あんたの教え子はまだだ。案内してくれないか?」

慈「もちろんです。」

慈「両津さんで、合ってますよね? 両津さんは本当に警察官なんですか?」

両津「あぁ、そうだよ。わしは正真正銘の警察官だが、何か変か?」

慈「いえ。そうではなく、ただ・・・(失礼だと思うけど、両津さんって見た目が悪人っぽい・・・)」

両津「ただ、何だ?」

慈「あ、いえ。何でもありません。」

両津「?」

慈「それよりも見えてきましたよ。あれが巡ヶ丘学院高等学校です。」

両津「おぉ、あれか!! さっそく入ってみるか。」

校舎内

両津「佐倉さんだっけ? どうしてあんなところにいたんだ?」

慈「その、実は食料が無くなってしまって、教え子が困っていたところで私が自ら教師として食料の確保に向かったわけです。ただ、食料の確保には成功しましたけど、その帰りにゾンビに囲まれてしまって、もうダメと思ったところを両津さんに助けられたという訳なんです。」

両津「成る程な。つまり、わしがその場にいなければあんたは死んでいたということか。」

慈「その、死ぬというか、感染して私もあんな姿になるということです」

両津「それよりもその教え子はどこにいるんだ?」

慈「あ、ここです。」

両津が目を配ると、そこには「学園生活部」と張り出された紙があった。よくよく見ると紙の下には「生徒会室」との表示があるプレートを発見した。

両津「学園生活部? 何だ、そりゃ?!」

慈「学園生活部は私が顧問を務める部活です。学校での生活を重視した活動を行います。」

両津「まさにこの出来事にのみ限定の部活って訳か。大変だな、それは」

慈「両津さん、どうぞ入って下さい。私の教え子を紹介します。」ガラッ。

慈が扉を開けると、中には両津が上司から聞いた例の女子高生4人となぜか犬が一匹いた。

?「あっ、めぐねぇ。おかえり♩」

?「マジかよ!? 無事だったんだ。あいつら(ゾンビ)にやられたんじゃないかって思ってたよ」

?「ちょっと、胡桃?! 縁起でもないこと言わないの。」

?「あっ、おかえりなさいです」

?「ワンッ!!!」

慈「ただいま♩ 無事に帰ってきましたよ。後、めぐねぇじゃなくて、佐倉先生でしょ?」

両津「こいつらがあんたの教え子か?」

慈「えぇ♩」

?「何だ? このゴリラは!?」

?「ちょっと、胡桃!?」

両津「何だとっ!? 誰がゴリラだ。」

慈「恵飛須沢さん。両津さんに失礼でしょ?」

?「えっ、両津? 誰、てかっ、めぐねぇが男を連れて来るなんて、どこで知り合ったの?」

慈「それはですね・・・」

慈は全てを説明した。

しばらく間が空いてすみません。挙げます。

慈「というわけです。」

?「成る程な。つまりはめぐねぇの恩人って訳か。」

?「めぐねぇを助けてくれてありがとうございます♩」

?「めぐねぇが助かって良かったぁ♩ 本当にありがとう」

慈「若狭さん、「助けてくれてありがとう」って私がまるで子供みたいなお礼の仕方はやめてぇ~(涙)」

両津「おうっ! 分かってくれればいいぜ」

胡桃「紹介が遅れたよ。あたしは恵飛須沢胡桃。この高校の3年生だ。」

悠里「私は若狭悠里です。同じくこの高校の3年生で、皆からはりーさんって呼ばれています♩」

由紀「私は丈槍由紀だよ。同じくこの高校の3年生だよ!!」

両津「そうか。わしは両津勘吉だ。訳あって、今は巡ヶ丘に異動しているが、元々は東京にある交番に勤務している警察官だ。」

胡桃「両さんって警察官かよ!? とてもそうは見えないけど・・・」

両津「もう「両さん」呼びかよっ!? まぁ、いいか。とにかく、それにはもう慣れてる。見た目だけでも怖いから、偽警官だと疑われたことも良くある。それに犯罪者にしか見えないって周りからは良く言われてる」

悠里「それは気の毒ですね。」

両津「分かってくれるか。ところで、その奥にいる男みたいなのは誰だ?」

?「男っ!?」

由紀「両さん、みーくんは男じゃないよ。」

両津「そうかっ? わしから見れば男に見えるが・・・」

由紀「みーくん、紹介してあげて」

美紀「分かりました。私は直樹美紀です。高校2年生で、正真正銘の女です」

両津「(まるで「男の娘」の逆バージョンだな。) そうか。よろしくな。」

美紀「はい。」

両津「それでこの犬は何だ?」

由紀「あっ、紹介するね。この子は太郎丸って言うの♩」

太郎丸「ワン。」

両津「学校に犬か。まぁ、壊滅した学校だから別にいいのか!!」

慈「ところで、両津さん?」

両津「何だ?」

慈「私と教え子達の救出について何ですが?」

両津「その事か。まぁ、わしに任せろ。」

慈「はぁ。」

ひとまず場所を移した両津とめぐねぇ。

両津「救出の方法に関してだが、わしの知り合いに軍人がいてな。そいつが今、巡ヶ丘警察署と協力関係にある軍に所属しているんだ。」

慈「へぇ~!!(両津さんって見た目の割りにすごいのね・・・)」

両津「実は今、そいつに連絡を取ったんだ。したら、ちょうど時間が開いたから単独でヘリに乗ってこっちに駆け付けるって返答があった訳だ」

慈「いきなりすごいじゃないですか?! もう助かるんですか?」

両津「まぁ、そうなるな。」

バラバラバラッーーーー。

両津「おっ! 噂をすれば何とかだ。さっそく来たぞ!!」

慈「(はっ、早い!?)」

由紀「なっ、何の音?!」

悠里「わ、分からないわ?!」

胡桃「落ち着け。これはヘリコプターのプロペラの音だ。」

美紀「ということは誰かが助けに来てくれたんですか?!」

胡桃「そういうことになるかな。」

悠里「でも、一体誰がヘリを?」

ガラッ。←扉が開く音。

両津「わしだよ!」

胡桃「両さん!!??」

悠里「うそっ、両津さんが呼んだんですか?」

両津「あぁ。わしのツテに軍人がいてな。そいつに頼んで・・・」

美紀「(この人・・・凄い!?)」

由紀「両さんすごい!!」

慈「私も驚きです!!!」

屋上。

両津「よぉ、久しぶりだな。」

?「両津!! 相変わらず、無茶な事するよ。仕事が終わって一休みしようって時にいきなり「来い」なんて連絡するから驚いたぞ!?」

両津「何を言ってる! わしとお前の仲じゃないか!」

?「たくっ、しょうがない奴だ。ところで、その後ろにいるのが例の救助者か?」

両津「そうだ。こいつらは例の教師とその教え子だ。」

?「しかし、本当に女性だけだな。男とかはいないのか?」

両津「男はいないみたいだ。元々、共学みたいだが、男は全滅してゾンビになったみたいだ。」

?「そうか。」

両津「それにしても驚いたぞ。こっちに異動してきた時、巡ヶ丘警察署と協力関係のある軍がまさか「爆竜大佐」率いる軍隊だとはな!!!」

?「巡ヶ丘は爆竜大佐が以前、傷を休めていた街らしく、その恩を少しでも返したいと、自ら協力関係を申し出たとかで・・・」

両津「成る程な。あの鬼軍曹にもそんな可愛い思い出があったのか・・・!!」

慈「りょ、両津さん?」

両津「おっと、いけない。つい話し込んでしまった。紹介する。こいつはボルボ西郷。わしの知り合いの軍人だ。」

ボルボ「ボルボ西郷だ。よろしく。」

慈「そうなんですか! 初めまして、この学校の教師をしています、佐倉慈です♩」

胡桃「あたしはこの高校に通う、三年生の恵飛須沢胡桃だ。」

悠里「私は若狭悠里です。よろしくお願いします♩」

由紀「私は丈槍由紀だよ。それで、こっちは太郎丸。」

太郎丸「ワンッ!」

美紀「私は直樹美紀と言います。」

ボルボ「うむっ。改めてよろしく頼む。」

悠里「ボルボさんで、合ってますよね? 軍人なんてカッコいいですよね。私、強そうな人に憧れちゃいそうです♩」

ボルボ「うっ、うむ。あ、ありがとう、お嬢さん!!」

ボルボ「・・・・・んっ!?」チラッ。

悠里「いいえっ。フフフッ♩」ボイン。

ボルボ「うっ、ブーッ」バタン。

悠里「きゃあ!!」

慈「大変、ボルボさんが鼻血を出して!?」

胡桃「一体どうしたんだ、いきなり?」

由紀「はわわっ!!??」

両津「さ、さぁな(ボルボの奴、悠里って子の胸を見て鼻血を出したな! 確かにあいつが鼻血を出す程の大きな胸だからな・・・。」

美紀「・・・・・・・。」

両津「落ち着いたか?」

ボルボ「あぁ。」←鼻にティッシュを詰めている。

美紀「鼻血を止めるのにティッシュ一箱も使うなんて・・・どれだけすごい量を出したんですか!!」

胡桃「まぁまぁ、落ち着けって美紀。鼻血を出すなんて誰にだってあることだって」

美紀「胡桃先輩。そうではなく鼻血の量が少し異常だったもので、気になってしまって。」

悠里「ボルボさん。大丈夫ですか?」

ボルボ「う、うむ。」←顔を逸らしている。

慈「でも本当に驚きましたよ。」

由紀「鼻血あんなに出している人、初めて見たよ。」

両津「とりあえず、それは置いといて、こいつら乗せてさっさと警察署に行こうぜ。」

ボルボ「OK。行くか。」

胡桃「んっ・・・ちょっと待ってくれ!?」

悠里「どうしたの、胡桃?」

胡桃「何かが来る!!!」

両津「何だとっ!?」

バタバタバタ、バタン。

ゾンビ「うがぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーー」

由紀・悠里「きゃああああっ」

美紀「!!!」

胡桃「くっ!! 一体どこから入ってきやがったんだ?!」

ボルボ「私に任せろ!!」チャキッ。

両津「バカ!? やめろぉーーー」

ドカーーーーーーン。

ボルボ「うぉっ!?」

両津「屋上は狭いんだ。ここで武器を使ったら爆風で吹き飛ばされるに決まっているだろ!?」

ボルボ「いててっ・・・・んっ!?」むにゅっ。

慈「ててっ。って、きゃあ!!??」バイン。

両津から見た状態・・・それは爆風で吹き飛ばされたボルボがめぐねえの胸に顔を埋めている。正確に言えば、爆風に巻き込まれたボルボがめぐねえのいる方へと吹き飛ばされ、着地の衝撃でボルボの顔がめぐねえの大きな胸にめりこんでしまったのだ。まさに不可抗力だった。

ボルボ「うっ、こ、これはたまらん・・・ブッー」バタン。

胡桃「おいおいっ、またかよ!?」

美紀「ティッシュ、ティッシュ」キョロキョロ。

悠里「あららっ・・・」

由紀「あわわっ。」

慈「///////」

両津「なんてラッキースケベな奴なんだ。」

両津「とりあえず、ボルボはダメだな。仕方ない、別の手を考えるか。」

慈「///////」←まだ赤くなっている。

胡桃「めぐねぇ。いつまで赤くなってんだ?」

悠里「きっと、さっきのことがあまりにも衝撃的だったから、動揺してるんじゃないかしら!?」

由紀「よいしょ、よいしょ。このおじさん、ここで寝かせておいた方がいいよね?」

美紀「そうですね。せっかくですし、毛布もかけてあげましょう」

ボルボ「・・・・・・・・・・・・・。」

由紀は鼻血を出して気絶したままのボルボを隅にどかし、美紀はボルボに毛布を掛けてあげた。

両津「それにしてもゾンビが入って来たってことは、ここに来る時に見たバリケードが破られたってことだよな。」

胡桃「だとしたら、本当にヤバいんじゃないか!?」

両津「またいつ、ゾンビが来るか、わからんし。ここは強行突破で警察署まで行くしかない!!!」

由紀・美紀・悠里「「「!?」」」

胡桃「えっ、マジで言ってるの、両さん?!」

両津「当たり前だ、じっとしてたってしょうがない。ここは有言実行で行くぞ!! 皆、準備は良いか?」

胡桃「あ、あたしは別にいいけど・・・。り、りーさんや由紀に美紀、めぐねぇが何て言うか?・・・」

由紀「わ、私行くよ。両さんの言う通り、じっとしていてもしょうがないし」

美紀「私も行きます。由紀先輩と同じ意見で。」

両津「胡桃、由紀に美紀。良く言った。後はそこの佐倉さんと悠里だけだが、どうだ?」

悠里「正直、私は自信がありません。それに無茶なことして失敗したことを考えると・・・ブルブル。」

胡桃・由紀「「りーさん・・・」」

両津「心配するな。いざって時はわしが守ってやる。絶対に!!」

悠里「で、でも・・・」

両津「わしはこう見えても強い。わしに全てを任せて貰えないか? 命に代えても絶対に守ってやる。」

悠里「・・・・・・・・。分かりました。両津さん、あなたを信じます!!」

両津「よし、良く言った。それでこそ学園生活部部長だ。」

美紀「悠里先輩・・・」

慈「わ、私も行きます。両津さんにばかり任せてはいられません。私も教師です。教え子を守れなくては教師失格ですから!!!」

由紀「めぐねぇ・・・・」

両津「よし、決まったな。すぐに行くぞ。」

由紀「うん。」

胡桃「おぅ。」

悠里「えぇ。」

美紀・慈「はい。」

太郎丸「ワン♩」

最初に両津は気絶したボルボからトランシーバーを取り、彼の仲間に連絡してボルボの回収を頼んだ。その後、ゾンビが入ってこれないように屋上の扉を物でふさぐという形で封鎖し、ボルボの安全を確保した。その後、すぐに両津達は行動を開始した。まず、屋上から一階まで移動(途中のゾンビは胡桃がシャベルで撃退し、両津も銃を使ってゾンビに応戦しながら由紀や悠里、美紀やめぐねぇを守った。また、太郎丸は由紀が抱えている。)し、一階まで辿り着いた後は再びゾンビに応戦しながら校庭を潜り抜け、無事に学校からの脱出に成功した。そして・・・・。

巡ヶ丘警察署

両津「ふぅ。何とか無事に辿り着けたな」

胡桃「全くだよ。でも、ゾンビの群れを突破するなんて、良く出来たな。」

両津「胡桃。お前、すごいな。あんな物(シャベル)だけでゾンビに立ち向かうなんて。」

胡桃「そういう、両さんだって。言葉の通り、あたし達を守り抜いたからすごいよ。」

両津「なぁに、約束は約束だ。しっかりと果たしただけさ。(というのは表向き、本当は特別ボーナスと給料アップの為だなんて、死んでも言えんな。)」

胡桃「そういえば、由紀と美紀、りーさんにめぐねぇ、太郎丸はどこだ?」

両津「四人は今、感染してないかの検査を受けてる。後、犬は警察署の犬舎にいるぞ。真っ先に検査が終わって、異常も感染も無かったみたいだが、腹が減っていたみたいだから、訓練士が今、餌をやっているそうだ。」

胡桃「そうか。ところで、なんであたしは検査を受けなくていいんだ? あたしもメンバーの中にいるのに・・・。」

両津「あぁ。実はな、お前にも検査をしようとしたらしいんだが、その直前になって病院関係者って人からお前に関する診断書が送られてきてな。それによればお前の体には抗体みたいなのがあったらしく、警察は感染の危険性はゼロだと判断したみたいなんだ。それでだ。」

胡桃「マジかよ!? あっ、そういえば、あたし、パンデミックが起きる前に風邪をひいて病院が言った事があるんだけど、その時にもしものためって言われて血液検査を受けたんだ。結果は後日になるって聞いて一度は帰ったけど、その後になってパンデミックがあったから結局、結果が聞けなかったことがあったんだ。もしかして、それと関係があるのか?」

両津「間違いない。その時にお前の体からゾンビの感染に対抗するための抗体が見つかり、病院側も急いで本人と人を保護している警察に知らせようとしたが、既にパンデミックが起きた後だったため、一か八かで診断書をポストに投函したんだ。まぁ、パンデミックが起きても郵便局は何とか警察の協力を得て仕事を続けることが出来たらしく、運良くそれが警察の耳に入ることが出来たって訳だな。」

胡桃「あたしの中に抗体かって、これってあたしはどうなるの? 抗体が見つからないから、感染した人が増えてるみたいけど、」

両津「おそらくは念入りに調べられるな。なぁに、調べるって言っても病院は機能してないから、隣の警察病院で簡単に調べるだけだと思うから、手荒なことはしないさ、きっと!!」

胡桃「うっ・・・。それならいいけどさ・・・」

一方、由紀達は・・・。

警察官A「検査のご協力感謝いたします。本当にありがとうございました!!」ペコッ。

由紀「はぁー、疲れたよぉー!」

美紀「レントゲンにエコー検査、血液検査にCTスキャン(MRI)、それに警察病院の医師による問診と婦人警官からの身体検査(もちろん噛まれた部分はないかをチェックする為に裸になった)、色々ありましたからね。」

慈「/////」

悠里「(めぐねえ。赤くなってる、無理もないわね。裸になったから・・・」

ガチャッ。扉が開いて由紀達が出てくる。

胡桃「おっ。終わったか。お疲れー!!」

悠里「胡桃。貴方は大丈夫なの、検査受けなくて?」

胡桃「あぁ。どうやらあたしは体の中に抗体があったらしく、それで検査を受ける必要はなくなったみたいだ、今、両さんから聞いたよ。」

悠里「そう。よかったわね。」

美紀「(胡桃先輩に抗体・・・)」

由紀「胡桃ちゃん、抗体があるの・・・すごいっ!?」

胡桃「よせよ。別に褒められる程じゃない!!」

慈「でも、恵飛須沢さん。抗体があるってことは、すごいことなのよ。もしかしたら世界が救われるかもしれないし・・・」

胡桃「まぁ、そうかもね。」

胡桃が言い終えると・・・。

上司「いやぁ~、両津君。見事だったよ、まさか本当に救助を成功させるなんて・・・。君をわざわざ巡ヶ丘まで異動させた甲斐がありましたよ!!」

両津「いえいえ、上司殿。わしは当たり前のことをしたまでです。(本当は給料アップと特別ボーナスがかかっているからな!!)」

上司「いやいや、そんなに謙遜してなくてもいいですよ。」

慈「そうですよ、両津さん。本当にありがとうございます、私達を救ってくれて。」

両津「本当にいいって、お礼なんて。それよりもあんた、酒はいける口か?」

慈「えぇ。一応、ビールだけは飲みますけど・・・?」

両津「それなら話は早い。さっそく生還できたんだ・・・記念に一杯いかがですか?」

慈「今からですか? でも・・・」

両津「遠慮しないで。ここはわしの酒だと思ってくれてけっこうです。」

慈「そ、それじゃあ、お言葉に甘えて///」

両津「よっしゃあ!! それじゃあ、さっそく屋上に行きましょう。あっ、上司殿、もうあがってよろしいでしょうか?」

上司「うむっ。まぁ、君は今日は良く頑張ったし。少し早いけど、あがっていいよ!!」

両津「はっ!! ありがとうございます。それでは佐倉さん、行きましょうか!!」

慈「はい!」

両津と慈は屋上に移動する。

由紀「あっ、めぐねえ。待ってぇー!」

美紀「由紀先輩。急いで走ると転びますよ!」

悠里「あらあらっ♩ さっそくね!」

胡桃「んじゃあ、あたしらも行くか!!」

上司「あっ、恵飛須沢さん?」

胡桃「んっ、何だ?」

上司「貴方は抗体に関する検査がありますので、また明日ここでお待ちください!!」

胡桃「おうっ、わかった。あたしでよければ協力するよ!」

上司「ご協力感謝します。」ペコッ。

屋上。両津達が来てからしばらく経過した。

両津「がははははははははっ!!!! いやあ、佐倉さん。あんた、いい飲みっぷりしてるねぇ!」←ビール9杯目。

慈「ふふふっ。両津さんのほうこそ、中々いける口じゃないですか///// ヒック。」←ビール8杯目。

由紀・美紀「「・・・・・・」」

悠里「めぐねえが酔ってるところ、初めて見たわ。というか、両津さんとめぐねえって、意外にうわばみなのね・・・。」

胡桃「そりゃあそうだろ! あたしだってめぐねえの酔う姿を見るのは初めてなんだ。てかっ、りーさん・・・うわばみって言葉良く知ってたな!?」

両津と慈はビールで乾杯し、盛り上がっていた。一方で、由紀達は当然、未成年なので酒の代わりとしてジュースを飲んでいた。

両津「それで聞いてくれよ、ヒック。わしはわしなりに一生懸命やってるのに、前の交番にいた大原とかいう部長はいつもわしを叱ってばっかで、褒めてくれたことなんて一度もありゃせん!!」

慈「両津さんの気持ちは痛いほどわかります!! 私も教師として一生懸命やってるつもりなのに、先輩教師にいつも叱られるんです! 褒めて貰ったことなんて一度もありません、ヒック////」

悠里「今度は互いの愚痴をこぼし始めたわ・・・。」

胡桃「あれって、一種の泣き上戸ってやつか!?」

由紀「(めぐねえ、両さん・・・)」←悲しい目で見つめる。

美紀「大人って大変なんですね。」

慈「なんか、楽しゅくなってきましゅたねぇー////// あれっ、なんか呂律が回ってきたような??」

両津「それはかなり酔っぱらって来た証拠ですよ。そうだ、なんか景気づけになるものとかないかな・・・///」キョロキョロ。

慈「あっ、あれなんて、いいかでひょうかぁ~///」ヘロヘロ。

謎の兵器ようなもの。

両津「おっ、いいですな。あれでいきましょう///」ヘラヘラッ。

一方、警察署署長室。

上司「署長。両津君のおかげで何とか、女子高生に教師、犬の救出が成功いたしました。」

署長「そうか。ご苦労。やっぱり、両津は役に立ったか。」

上司「えぇ。」

署長「始末書ばかりを出す問題児と呼ばれているが、一方では軽犯罪ながらも軽挙率は100%だからな。たとえ、小さい犯罪や事件でも腕が立つ警察官は色々と役に立つからな。本当に異動させて正解だったよ。」

上司「そうですね。」

署長「あっ、そういえば、協力関係にある軍から預かっている武器(兵器)は今、どこにあるのかね? あれはもしものための最終兵器だからだと言われて、預かったものだから慎重に取り扱わなければならないのだよ。」

上司「あぁ、あの巨大な大砲みたいなのですね。それでしたら、預かった時に置く場所がなかったので、一時的ですが、今・・・屋上の方に置いてあります。」

署長「そうか。実はある程度の整理が片付いたので、その武器を今からしまおうと思うんだが、いいかな?」

上司「はい。」ビシッ。

署長「うむ、よろしい。あっ、後、屋上といえば、さっきから何やら騒がしいんだが、誰かいるのかね?」

上司「えぇ。確か、両津君と例の救助された人達がいるはずですが。」

署長「一体、何をしているのかね・・・屋上で?」

上司「確か、一杯やると言っておりましたが・・・。あっ!?」

署長「そ、それは・・・ま、マズイじゃないのかね?! 預かった兵器は「最終」だから使用すればゾンビもろともだが、巡ヶ丘がほとんど吹き飛ぶ程の威力がるそうだ。もし、仮に酔ってあの兵器を使用されれば・・・・ゾゾゾッ。」

上司「マズイです、署長」アワアワッ。

署長「急いで、両津達のところに行くんだ。あの兵器を使用される前に何とか止めてくれぇー!」

上司「かしこまりました!!!」ダッ。

ここでいつものBGM。

両津「よっしゃあ、それじゃあ。景気づけにドッカンと一発打ち上げるぞ!!!」

両津が兵器の発射準備をする。

慈「イッエーイッ!!!!!!!!!!」//////←もうすっかり出来上がっている。

由紀「何か、いつものめぐねえじゃない・・・」ポカーン。

悠里「酔った勢いでテンションが異様に高くなっているのね・・・。」

胡桃「ってか、おい!! 勝手に訳の分からない物、使っていいのか!?」

美紀「あれって大砲じゃないですか!? 危ないですよ!!!」

両津「なぁに、心配するな。一発打ち上げるだけだ、一発だけな! がっははははは!!」

慈「いいですよぉー、両津さん。いつでも////」

両津「んじゃあ、いきますかぁ!! はっ・・・」

ガチャッ。「両津君!!! 発射するのは止めて・・・・」

タイミングよく上司が屋上にやって来たが、時既に遅し・・・。

両津「発射ーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!」

ドッカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!????? ヒューーーーーーーーーーーーーーーーーーーン・・・・・・・・・チュッ、ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンっ!!!!????

由紀・美紀・悠里・胡桃「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?!?」」」」

上司「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」←口を大きく、顎が外れるような感じで開いて呆然としている。

両津「おっ、すごい威力だな。流石は景気づけに一番の代物だな////ヒック。」

慈「きれいなはなびでしゅねぇー/////ヒック。」

両津と慈は酔っていて当然の如く認識しておらず、その中で両津は自らがやってはいけないことをしたとは気付かずにいるが、由紀達及び警察署の者達全員がしっかりとこの目で見ていた。いや、ひどいという意味で嫌という程、その目に焼き付けていた・・・自分達が住んでいる街(巡ヶ丘)が発射された兵器のミサイルの一発でほぼ吹き飛ぶ様子を・・。もちろん、ただの軍による滅菌作戦ではなく、両津の軽はずみな行動が一つの街をほぼ壊滅的に追いこんでしまったのだ。

あれから数日後。

いつものオチのBGM。

両津はあの後、亀有交番に戻ってきたが・・・。

両津「・・・・・・・・・・・・・・。」←ショックでしおれている。

中川「先輩。例のニュース、また見ましたよ! それにネットでも。」

麗子「新聞でも一面を飾るかのように載っているわ。巡ヶ丘に壊滅的な被害が及んだ。原因は酔っ払い警官のとんだ不始末。警察の未来は今後、どうなるか・・・ですって。」

寺井「両さん。またいつものトラブルメーカーを発揮したね!」

両津「うるさいっ!! わしだって好きでやったんじゃねぇ。」

麗子「両ちゃん、もう一つ聞いたわよ。被害額が凄まじく、請求書が来たんですって・・・?」

両津「あぁ。せっかく特別ボーナスと給料アップのために模範的に頑張ったのに、それが無しになったばかりか、100億円以上の借金を抱えてしまったんだぞっ!!??」

寺井「それは両さんの自業自得だよ!」

麗子「そうよ。酔ってあんなことからよ・・・普通ありえないわ。」

中川「僕も同感です。」

両津「酔ってやっちまったもんはしょうがねぇだろっ!!!」

大原「バッカモーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!」

両津「ヒィッ!? ぶ、部長・・・いたんですか?!」

大原「いたんですか、じゃない!! しょうがないで済む問題じゃないんだぞ・・・お前があんな事件を起こしたせいで我々、警察官全員の面子が丸つぶれになったんだっ(怒) それに、今は署長や警察庁までもがクレームやらマスコミやらの対応におわれているんだ。これも全部、お前のせいなんだぞ!?」

両津「申し訳ありません!!!」

大原「謝るなら、わしじゃなくて、巡ヶ丘の住人であるこの子達に謝るのが礼儀だろ!」

両津「はぁっ、住人!?」

大原「君達、出てきなさい。」

そこに出てきたのは・・・。

胡桃・由紀「「両さん」」

悠里・慈「「両津さん」」

美紀「どうも・・・」ペコッ。

犬「ワンッ!」

麗子「あらっ、可愛い子達とワンちゃんね。それに綺麗な人も。」

寺井「なになにっ?」

中川「知り合いですか、先輩?」

両津「あっ、胡桃に由紀、悠里に美紀に佐倉さん、それに太郎丸も。皆、どうして!?」

大原「両津。お前が巡ヶ丘を破壊したおかげで住人のほとんどが住むところが無くなり、ほとんどが親戚の家やその周辺などに移住しているが、お前が助けたこの子達はパンデミックにより身内がいないそうなので、わしがここ亀有で暮らすように呼んだんだ。住む家はもちろん、ニコニコ寮の空き部屋だ。」

慈「ちなみに私は遠くの田舎に母親がいるんですが、さすがにすぐに帰郷ってわけにはいきませんですし、それにこの残された教え子達のために傍にいるって意味でここに住んでいます。」

両津「そういうことか。」

大原「という訳だ、両津。この子達のために早く借金を返せるようにしっかりと頑張ることだな。それと、お前に仕事を言いつけよう。」

両津「な、なんですか。」

大原「まずはこの子達学園生活部の全員が通えて、尚且つ教師である佐倉さんが働ける高校を探す事だ。後、高校が決まったら、そこに入れるようにお前が学校に話しを通しておけ。それがお前に与える仕事だ。すぐに動くように。」

両津「えぇーーーーーーーー! 借金返済があるのに、こいつらの世話までしろなんてひどいですよ、部長!?」

大原「黙れ! お前の責任なんだ、しっかりと取れ!!!」

両津「そんなぁぁぁっっっーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」

胡桃「改めてよろしくな、両さん。」・由紀「両さん、よろしくね♩」・悠里「お世話になります♩」・美紀「改めましてよろしくお願いします」・慈「すみません。両津さん!」・太郎丸「ワンッ。」

両津「もう、ゾンビなんて、パンデミックなんて、こりごりだぁぁぁぁっっっっーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」

おしまい。

とりあえず、本編はこんな感じに終わりましたが、正直、出したかったキャラがいまして。美紀の友達である圭なんですが、本編を考えた上での都合上では出すのが難しくなったので、この際におまけも考えて、そのおまけに圭を出すことにしました。

本編では触れられなかった圭の話も含めて、おまけでは本編のその後を執筆する予定です。

更新は明日なのか、いつになるかは分かりませんが、そこはご了承くださいませ。 それでは失礼しました!!

おまけを挙げます。物語は事件から数日後のお話です。

両津「くそぅ。疲れたぞ!!!」

麗子「両ちゃん、どうしたの?」

両津「あぁ、麗子か。実は、由紀達が通う高校と佐倉さんが働く高校が決まってな。わしが由紀達に入学できるよう、また佐倉さんが働けるように交渉したんだ!!」

麗子「由紀ちゃんって、あの巡ヶ丘のでしょ? 確か、胡桃ちゃんと悠里ちゃんと美紀ちゃんもいたわよね??」

両津「そうだ。それで、交渉の末に四人に入学試験を受けさせて、それに合格すれば入学が出来るということになったんだ。」

麗子「そうなの。それで、結果はどうだったのかしら?」

両津「四人とも合格だったよ・・・。ただ、由紀のヤツが大変だったって話だ!」

麗子「由紀ちゃんが・・・どうして?」

両津「由紀は高三のくせに、小学生が出来るような簡単な問題すらろくに出来ない奴でな。結局は胡桃と悠里、美紀に佐倉さんが必死になって教えたみたいで、何とか合格できたみたいだ・・・まぁ、ギリギリだったって感じだな!!!」

麗子「それは大変ね。そういえば、もう一人佐倉さんはどうしたのかしら?」

両津「さっきも言ったようだが、佐倉さんも由紀達と同じ高校に教師として働けるように交渉したら、ちょうど人員が欲しかったそうで、あっさりとOKしてくれたよ! 佐倉さんも喜んでいたなっ。」

麗子「良かったわね♩」

両津「でも、高校探しやら交渉やらで一週間近くもかかっちまったからなっ!! さすがのわしも疲れたよっ!」

麗子「そういうことね。」

両津「そうそう。ニコニコ寮もすごいことになってな・・・わしの隣の空き部屋に由紀達と佐倉さんで暮らしているんだが、由紀はゲーム、胡桃はスポーツという関係で左近寺とすぐに仲良くなるし、悠里はおっとり、美紀はおとなしめという関係で本田と仲良くなってな。後、佐倉さんは料理を作ってはわしや寮のやつらにおすそわけしてるんだが、特に寮のやつらはすぐに佐倉さんを気に入ってな・・・ほぼ毎日彼女がいる度に全員で一気に近寄ってばかり来るから、少し迷惑そうな顔をしてたんだ!!!」

麗子「そうなの。あっ、そういえば、太郎丸って犬はどうしたのかしら?」

両津「太郎丸は寮のおばちゃんが預かっているよ。」

麗子「まぁ、あそこのおばさんが・・・。」

両津「あぁ。そうそう、わしの部屋に遊びに来たこともあってな・・・部屋の散らかり様を見た由紀と胡桃は何も言わなかったが、悠里と美紀、佐倉さんからはきちんと掃除するように、とか注意されてなっ!! でも、一番大変だったのは佐倉さんと一緒に居る時に、マリアが来たことだな!!」

麗子「マリアちゃんね・・・。何となく想像できるわ!」

両津「マリアのヤツ、すぐに目の色を変えてな。「わたくしというものがありながら他の女と一緒に居るとはどういうことですの」って、言われた後に投げ飛ばされたんだ!!さすがに痛かったぞっ。」

麗子「両ちゃん、色々と大変なのね。しかも借金まで抱えているんですもの、余計疲れない?」

両津「思い出させるな! 今、返済が大変なんだ・・・。」

大原「そんなに返済が大変なら、勤務の後にちょっとしたアルバイトでもしてみるのはどうだ、両津?」

麗子「あっ、部長さん。お疲れ様です!!!」

両津「ぶっ、部長っ!? いつの間にっ!!」

大原「さっきからいたぞ!」

両津「そうですかっ。それより、部長。アルバイトというのはどういう意味でしょう?」

大原「言葉の通りだ。正直、これからお前に支給される予定の給料とボーナスの額を合わせても返済額には到底届かないから、私と署長で話し合った末にお前には勤務後にアルバイトをしてもらうことにしたんだ。ちなみに、お前は商店街の人達にも借金をしてるから、商店街の人達は悉くお前の雇いを断ったが、一軒だけお前を受け入れていいというところが見つかったんだ!」

両津「そんな勝手にっ!? というか、わしを受け入れてくれるところは一体、なんて店なんですか?」

大原「あぁ、店の名前自体は忘れたが、確かメイド喫茶というところだったな・・・。」

両津「メイド喫茶ですかっ!? そういえば、最近、商店街にメイド喫茶が出来たとかって聞いたな?!」

大原「そうだ。お前はそこで料理人として働くんだ。確か、料理は得意だったよな?」

両津「まぁ・・・得意ですけど・・・。」

大原「早めに借金を返すためだ。ちゃんとやれよ?」

両津「わかりましたよ。(こうなったら借金のためだ。もうやるしかねぇ!!)」

大原「そうかっ。頑張れるよ、両津!!」

両津「はい。」

あれから両津は勤務の後にメイド喫茶で料理人として働き、大変な勤務をこなした。そして、アルバイトを始めてから一週間が経ち・・・。

両津「今日も疲れたなっ!! 明日は非番だが、アルバイトのシフトがある・・・。もう嫌だ・・・さすがに勤務の後に6時間近くも働くのは体にこたえるし、しかも時給が850円・・・少し安すぎる。これじゃあ、借金の返済の額が貯まる前に倒れてしまうぞ・・・。何かないかっ・・・楽に出来て、あっと言う間に金を稼げる方法が・・・。」

由紀「あっ、両さんだ。両さーーーーーんっ!!」

両津「おっ、由紀じゃないか。それに・・・」

胡桃「両さん。どうしたんだ?」

悠里「何か疲れているみたいだけど・・・?」

美紀「何かあったのですか?」

両津「胡桃に悠里に美紀じゃないかっ! 学校の帰りか?」

由紀「うん♩」

両津「そうかっ! それより胡桃、悠里、美紀。わしがどうして疲れているか、知りたいかっ?」

胡桃「まぁ。」

悠里「気になるわね。」

美紀「私も。」

由紀「ちょっとっ!? 私だけ仲間はずれなんて、ひどいよっ!」プンスカッ

両津「わるい、わるい。由紀も知りたいか?」

由紀「うん!!」

両津「分かった。話そうじゃないか・・・実はな・・・」カクカクシカジカ

由紀「えっ、アルバイトっ!?」

胡桃「両さんがっ!?」

悠里「その借金の返済のために警察の仕事と掛け持ちでアルバイトなんて、大変ですね。」

美紀「同感です。」

両津「そうだろ。だから、何とかして早く稼げる方法を探してるんだが・・・・(んっ、待てよ・・・こいつら、使えるんじゃないか!!??)」

由紀「両さん・・・・どうしたの、黙ったまま?」

両津「なぁ、お前らっ。メイド喫茶で働いてみる気ないか?」

胡桃「えっ!?」

悠里「メイド喫茶でですか? でも、私達がアルバイト、しかもメイド喫茶なんていうのは・・・」

両津「いや、案外悪くはないぞっ!! もちろん時給だが、それなりにバイト代は出るんだ。悪い話じゃないだろ?」

悠里「そうかもしれませんけど、アルバイトしたところで・・・」

胡桃「いいんじゃないか・・・りーさん?」

悠里「胡桃っ?」

胡桃「あたしはいいぜ。今後のためにちょっとだけどこかで働いてみたいと考えてたとこなんだ!!(でも、実際はメイド服にもちょっとだけ興味があったりして。)」

由紀「私もいいよぉっ♩ 面白そうだから♩♩」

美紀「・・・・・・・・。」

由紀「みーくんもやるよねっ?」ダキッ

美紀「ちょっ、由紀先輩/// いきなり抱きつかないでください///」

由紀「面白いと思うよ? ねっ♩」

美紀「・・・・・・分かりました。まぁ、今通っている高校はアルバイト禁止なんて校則はありませんしね。」

悠里「もぅ、しょうがないわね/// 分かったわっ!! 両津さん、私達やってみます。」

両津「おぉ、そうか。良かった!!(よしよし、まずは第一段階成功だ。次は・・・ニシシッ)」

翌日、メイド喫茶。

両津「おっ、メイド服、中々似合ってるじゃないかっ!!」

由紀「わぁぁっー、可愛いっ///」

胡桃「確かに可愛いメイド服だな。(可愛いかっ///)」

悠里「それにしてもやけにメイド服がきつく感じるようだけど、太ったのかしら?」ギュウッー、ボインッ♩

美紀「・・・・・・・。(改めて思いますけど、悠里先輩、胸が大きいなぁっ・・・。)」

両津「店長さん。中々、良い人材だと思いませんかっ?」

店長「そうだな。まぁ、両さんが紹介してくれたから、とりあえず期待はしていますよ?」

両津「分かりました。おーいっ、お前ら、そろそろ始まるから早く持ち場につけっ!!!」

由紀・胡桃・悠里・美紀「「「「はぁーーーい・はいよっ・はい♩・はい」」」」

しばらくして・・・・・・・

両津「ふぅー、やっと休憩だ。そういやぁ、あいつらの様子はどうだ?」

両津「うむ。見た限り、ちゃんとやっているな。」

店長「おっ、両さん。休憩か?」

両津「そうです。ちょっとあいつらのことが気になったもので、様子を見に。」

店長「中々良いですよ、両さんが紹介して来てくれた人材は♩ 悠里ちゃんは胸が大きい上に美少女だから多くの男性客を魅了していますし、胡桃ちゃんは男勝りながらも内面的に秘めている女の子っぽさが表れていて客の評判が良いし、由紀ちゃんは子供っぽいけど、それなりの可愛さもあって受けも良いし、美紀ちゃんはクールだけど、それがまた可愛いと人気だから・・・皆さん、本当にメイドとして完璧に頑張っていますよっ♩♩♩」ニコッ

両津「そうですか。(よし、これならあの話をすぐに出しても・・・)」

両津「なぁ、店長?」

店長「んっ、何だい、両さん?」

両津「最近、メイド喫茶ってメイドがユニットを組んでステージで歌う事があるだろ?」

店長「あぁ。確かにあるね・・・それがどうしたの?」

両津「この際、あの四人にユニットを組ませて、ステージで歌わせるってのはどうだっ?」

店長「う~ん・・・。まぁ、ものは試しって言うし、やってみようかなっ?」

両津「そうですか、よしっ!!(あいつらが使える人材だと店長にアピールさせてから、四人にユニットを組ませてステージで歌わせる、作戦・・・上手くいったぞっ!! 後は歌などで人気を出してから、密かにグッズを・・・・フフフッ。)」

昼の休憩時間

胡桃「えっ、あたしらにユニットを組んでステージで歌え、だって?!」

両津「そうだ。お前達なら、このメイド喫茶を、歌で更に盛り上げることが出来るはずだっ!!」

由紀「わぁっ、それも面白そうっ♩」

悠里「で、でもっ、私、歌はあんまり・・・」

美紀「私もです・・・。」

両津「まぁ、そう落ち込むな! お前達ならやればできるって、わしは信じてるんだっ!! とりあえず、わしが歌詞を考えて作ってきたから、その歌詞の通りにステージで歌ってみてくれっ!!」

午後。ステージで。

由紀「したいからー♩」

胡桃「したいならー♩」

悠里「したいときー♩」

美紀「したいでしょー♩」

四人「「「「一緒に(ハイ)」」」」

男性客A「おっーーーーーーー!!! 由紀ちゃん可愛いっ♩♩」・男性客B「胡桃ちゃん、サイコーーーーーーッ♩」・男性達「悠里たーーーーんっ!!!♩♩♩」・残りの男性客達「美紀ちゃんも良いねぇっーーーーーー!!!」

店長「おぉっーーーーーーーーーーーーーー!!?? これはすごい♩ 更に好評ですよ、皆さん!!」

両津「さすがだ。(だが、わしの計画はこれからだ。グッズは既に作ってある。これを客達に売りつけて、それから握手会なども行おう!! そして・・・いずれは・・・フフフッ。笑いが止まらないなっ!!!」ニヤッ

男性客A「いやぁ、本当に可愛かったなぁ。」・男性客B「俺、ファンになっちゃったな♩」・男性客C「あぁー、ユニットならグッズか、何かないかな・・・あったら欲しい所だ!」・男性客D「歌も中々良かったし、もしCDなんかあったら、絶対に買うぞぉっ!!」

両津「えー、そんなファンの皆様にお知らせがあります!」

男性客達「なんだ?」

両津「なんと、あのユニット「学園生活部」のグッズを用意しました! 欲しい方は順番に並んでください。」

男性客「うぉーっ!!! キタキタキタッーーーーー!!!! 買うぞ、絶対にっ!!」

両津「えー、「学園生活部」のブロマイドにTシャツ、デビュー曲「ふ・れ・ん・ど・し・た・い」のCD(本番前のリハーサルの時に録音してすぐに作成した)などなど発売しております!!」

男性客A「CDをくれぇっ!」・男性客B「俺はブロマイドとTシャツだっ!」

両津「はいはい。押さないで、押さないで。後、明日は握手会を行いますので、ぜひ来てください!」

男性客達「マジかっ!? 行く、絶対に行くぞっ!!!」

帰り道

両津(うひひっ、グッズだけでもけっこう儲かったぞ!)

胡桃「はぁー。疲れたなぁっ!」

由紀「でも、本当に楽しかったなぁ♩」

両津「そうか。それは良かった。そうだっ、お前達にもう一つやってもらいたいことがあるんだが?」

悠里「なんですか?」

両津「明日、握手会を行うことにしたんだ!!!」

美紀「えっ、握手会・・・ですか!?」

由紀「握手会っ!? 楽しそうっ♩」

胡桃「おぃおぃ、両さん。さすがにあたしも握手会なんて自信ないよっ。」

悠里「そうねぇ。歌うことさえ恥ずかしいのに・・・。これ以上は。」

美紀「そうですね。」

両津「・・・・・わしがこんなイベントを考えるのは、お前たちの為なんだ!!」

悠里・美紀・胡桃「「「えっ!?」」」

由紀「?」

両津「実はな、お前達四人の入学金や授業料、これからのお金などはわしが支払っているのだが、さすがのわしも他に借金があるから最近はそこまで手が回らなくなってな・・・!!! そこでお前達がこれから自分の授業料などを支払っているように働き、これからも頑張って学校に通えるようにわしがこのイベントを企画したんだ!!」

悠里「そうだったんですか・・・。」

胡桃「うっうっ(涙)、嬉しいよ、両さん! あたしらのためにそこまで考えていてくれてたなんて!!」

美紀「それよりも両津さんが私達の代わりに入学金や授業料を払っていた事実に気が付かなかった私も恥ずかしいです・・・///」

由紀「よくわかんないけど、さすが両さんだね♩」

両津「そういうことだ。お前達、頑張ってくれるかっ?」

悠里「そういうことなら、わかりました。私、もう嫌な事は言いません! 自分のぶんの授業料や生活費も払っていけるよう、頑張ります!」

胡桃「あたしも。」

美紀「私もです。」

由紀「私も~♩」

両津「よぉし、決まりだな! それじゃあ、わしは明日の握手会の準備でもしておくかっ!!!」

続きを挙げます

両津(ニシシッ、なんてなっ。実際は、わしの借金返済を早めることや金儲けのためなんだよな・・・このイベントを企画したのは!! ここで由紀達がやってくれなきゃ、わしが困るからなっ。)

翌日 交番

大原「両津。メイド喫茶の店長から話を聞いたが、お前・・・由紀さん達四人をメイドとして働かせている上にユニットまで組ませて歌わせているそうじゃないかっ!? 一体、何を考えているんだっ!!」

両津「あっ、部長。これはですね・・・あいつらがこれから自立していけるようにするためです。今のうちに働くことがどんなものを体験させるためでもありますが・・・。」

大原「ふむっ、そういうことかっ! だが、変なことは考えてないだろうなっ? 例えば、由紀さん達を利用して、借金返済や金儲けをしようとか・・・」

両津「(うっ!?するどいっ!!)だっ、大丈夫です、それはありませんっ。私は、私の分で頑張って稼いで、借金を返済していくつもりです。」

大原「それならいいがっ! 両津、あの子達が稼いだバイト代を勝手に着服するって、ことは絶対にするなよっ!!」

両津「しませんよ!! あっ、わし、そろそろバイトの時間なので、あがります!」

大原「待って、両津。もう一つ、お前に言いたいことがある」

両津「何ですか?」

大原「実は、巡ヶ丘で真っ先に救助された高校生の女の子がいるんだが、その子がどうして友達に会いたいと言ってな。 そして、その友達が今、亀有にいるんだ。」

両津「まさか、あの四人の中にですかっ!?」

大原「そうだ。その友達の名前は直樹美紀さんで、会いたがっている女の子の名前は祠堂圭さんというんだ。」

両津「えぇっ!? 美紀の友達ですか・・・」

大原「うむっ。それで会いたいという本人の要望に応えてあげるために今、こっちに向かっているんだが。ついでだ・・・お前が圭さんを連れて行って、美紀さんに会わせてあげなさい!!」

両津「ちぇっ。わかりましたよ。」

5分後

圭「初めまして、祠堂圭と言います。」

両津「わしは両津勘吉だ。お前が美紀の友達だな!」

圭「はい。美紀をご存知ですか?」

両津「もちろんだ。わしが救ってあげたんだっ・・・そして、今はわしの援助である高校に通っているんだが、同時にわしが紹介したアルバイト先でも働いているんだ! だから、今、そちらに案内してやるぞっ!!」

圭「お願いしますっ。えぇっと・・・両津さん?」

両津「わしのことは両さんでもいい。」

圭「じゃあ、お願いします・・・両さん」

両津「おぉう。」

メイド喫茶

両津「えぇー、握手会に参加するためには、グッズを買う必要がありますが・・・。それは1万円以上の買い物が必要となり、その際に発行されるレシートをわしに見せてくれれば、「学園生活部」の好きな子一人と握手が出来ますっ!!」

男性客達「よっしゃぁぁぁっっっーーーーーーーーー!!!!! 買って買って買いまくるぞっ!」

由紀「皆さん、昨日は歌を聞いてくれてありがとうっ♩」ニコッ

胡桃「あたしにファンだ、なんて嬉しいねっ♩」ニコッ

悠里「ありがとうっ♩」ニコッ

美紀「あっ、ありがとう・・・ございますっ///」

客達「うぉぉぉぉっーーーーーー、最高だぁっ♩」

物陰にいる、圭「美紀がいた・・・けど、両さんの言った通り、アイドルみたいなことやってるね! でも、あの時の美紀と違って、一層楽しそうに感じるなぁっ!」ニコッ

両津「おいっ!」

圭「あっ、両さんっ!?」

両津「いつまでも隠れてないで、出てこいっ!! 握手会の客として紛れ込んで、美紀と会えって言っただろ?」

圭「けど、両さんっ! 私、今、緊張しちゃってて・・・」

両津「ばかっ、緊張してる場合じゃないだろっ! 会いたいって言って、ここまで来たんだから・・・勇気を出して行けっ!!」ドンッ←背中を押す

圭「あっ・・・」

美紀「ありがとうございますっ// 次の人、どうぞっ」

?「はいっ!」

美紀「えっ!?」

ギュッ。圭「久しぶり・・・美紀っ!」

美紀「け、圭っ!? えっ、本当に圭っ・・・」

圭「もぅ、そんなに驚かないでよっ! 正真正銘の圭だよっ!」ニコッ

美紀「圭・・・・、うっ、うっ・・・いっ、生きてたんだねっ! よ、よかったぁっ~!!」バッ、ギュウ。

圭「美紀っ!? く、苦しいって、嬉しいけど・・・次のファンの人を待たせちゃっだめだよっ!」

美紀「あっ、ごめん!」

圭「いいよ。じゃあ、また後でね♩」

美紀「うん!」

物陰

両津「どうだ、久しぶりの再会のご感想は・・・?」

圭「うんっ♩ ありがとう、両さん。おかげで美紀に元気な姿を見せて、再会することが出来たよ!」

両津「そうか、そうか。ところで、圭。」

圭「んっ、どうしたの?」

両津「よかったら、お前に手伝ってくれないかっ?」

圭「何をっ・・・もしかして、私も美紀達みたいに歌を歌えって言いたいのっ?」

両津「違うよ!! あいつらをちょっとTVデビューさせたいんだが、それには手伝いがいるんだ・・・。それで、圭・・・お前に頼んだんだがっ?」

圭「えっ、TVデビュー・・・!? ・・・・分かったよ、両さん。両さんは私を美紀に会わせてくれたから、ちょうどお礼がしたいって思ってんだけど、それなら手伝いますっ!」

両津「おぉ、やってくれるかっ?」

圭「はい。」

そして、握手会終了。

両津「皆、お疲れさんっ!? いきなりの報告だが・・・実はお前達のTVデビューが決まったんだ・・・!」

四人「「えっ!?」」

両津「そこで明日から仕事を分担でこなしてもらうんだが、由紀は子供っぽくて可愛いから子供向けの番組に、胡桃は運動神経が良いから色んなことに挑戦するバラエティ番組に、悠里は胸が大きいから大人向けのアダルト番組に、そして美紀は頭が良さそうだから教育番組に、それぞれ出演がさっき決まったんだっ! もちろん、視聴者ゲストとしてな・・・。」

胡桃「どういうことなんだよっ、両さん!? いきなりTVだなんて、正気なのかよっ!!」

美紀「てかっ、どうやってTVに私達のことを売り込んだんですか? 実際に売り込むとなると、それなり有名でないと無理なんじゃ・・・??」

両津「実は、わしのちょっとした知り合いでTV局のプロデューサーをやっている奴がいてなっ・・・。そいつはプロデューサーとして、たくさんの番組を担当しているから、わしがちょっと頼んだらちょいちょいとな・・・・」

由紀「やっぱり両さんは、凄いねっ♩」

悠里「いっ、いくら何でもここまで来たら、すごすぎるんじゃないかしらっ!?」

両津「これもお前達のためなんだ! しっかり頑張ってくれよ!!」

胡桃「ちぇっ。まぁ、せっかく両さんがあたし達のためにここまでやってくれたのに、断るのも申し訳ないから。やってやるよっ!」

由紀「私も♩」

美紀「しょうがないですね・・・」

悠里「もぅっ(溜め息)」

両津(いやぁ、さすがに上手くいったな! 圭に頼んでネットで密かに由紀達の良さを流して貰い、すぐにわしが知り合いに頼むだけでネットの情報とわしの顔ですぐに出演をOKしてくれんだっ!! これは圭にも感謝しないと・・・。そういえばっ・・・)

両津「なぁ。佐倉さんとかはいないのか、今?」

由紀「めぐねぇ? めぐねぇは最近、忙しいって言って、寮をあけることが多くなったんだ!」

両津「そうか、まぁ、それなら無理だな!」

胡桃「? どうしたの、両さん?」

両津「いや。何でもない!(佐倉さんも美人だから、テレビで売り込んだらきっと、金になるだろうが・・・。まぁ、忙しいと言うなら、無理に誘う必要もないかっ!!)」

それからしばらくして・・・・。

由紀「ふぅー、疲れたなぁっ!!」

美紀「無理ないですよ・・・。一度出演してから、急に視聴率が良くなったとかで、また出演を頼まれてしまったんですから・・・」

胡桃「そうそう。というか、あの後、TVを見ためぐねぇから「どうして皆、テレビに出てるの?」って、急に聞かれて訳を話したら、一応は分かってくれたけど・・・。それから学校じゃ、あたしらが出演したことが大評判で、テレビだけじゃなく世間中からも引っ張りだこ・・・本当に大変だぜっ!」

由紀「あれっ、そういえば、りーさんは?」

胡桃「りーさんならグラビアの撮影があるって言って、朝早く出掛けて行ったぞっ! まぁ、りーさん・・・胸が大きいだけじゃなくて、美少女だってことで、視聴者(特に男性の多く)を魅了したこともあって、一気にテレビ出演が決まり、グラビアやファッション雑誌の表紙も飾っているんだからな! ほんと、凄いよっ!!」

美紀「悠里先輩。さまさまですねっ。」

由紀「そうだっ、後・・・両さんはどこにいるの?」

美紀「そういえば、圭も見ないんだよねっ! 両津さんが学校に頼んでくれたおかげで圭も一緒に通えるようになったのは・・・嬉しいんですけど、最近学校で一緒に帰ろうって誘っても、用事があるって言われてまして。」

胡桃「そういえば、最近、見かけないよな・・・両さんも圭も。両さんは休みに派出所に行っても・・・今はいないって、麗子さんとか中川さんとかがいつも答えるし、圭の場合は行くところの見当が良く分からないからなぁ・・・」

美紀「あっ、でも両津さんだけは前に会って、聞きましたが・・・。何でも、借金返済のための良い稼ぎ口が見つかったとかで、そっちの方に追われてて忙しいとかって聞きました。」

胡桃「稼ぎ口?? 何を見つけたんだ、両さん?」

由紀「?」

一方では。

両津「うひひっ。これはすごいぞっ! 有名になったあいつらの裏写真を、ネットで売りさばいたら一気に借金返済に追いつく程の額も稼いでしまったぞっ!!」

圭「両さん! 美紀達のためになるって聞いたから、手伝ってはいるけど、これって犯罪まがいの行為なんじゃっ・・・!?」

両津「違うぞっ!? これはあくまでも商売なんだ! それに裏写真と言っても生着替えとか裸のとかじゃなくて、プライベート用のだぞっ!!」

圭「でも、プライベート用とは言っても・・・部屋にこっそりと仕掛けた隠しカメラで撮影したものだからっ!! それもどうかと・・・」

両津「と、とにかく・・・今、あいつらは売れ時なんだっ!! だから、わしも稼げる時にしっかりと稼いどかなきゃ意味がないだろっ!!」

圭「そんなに、力説しなくても・・・。それともう一つ疑問に感じたんですが、さすがに一回の出演だけで、一気に次の出演が決まるのはおかしいんじゃありませんかっ?」

両津「そ、そうかっ!?」ギクッ

圭「えぇ。普通は、一回の出演だけで引っ張りだこになる程、有名になるのはある意味難しいですからね。まぁ、それが若狭先輩みたいに魅力的な人だったら、別ですけど、さすがに美紀や恵飛須沢先輩、丈槍先輩には難しいと思いませんかっ??」

両津「そ、そうかなっ!? でも、あいつらも最初の出演で頑張ってみたいだし、それが一気に良くなったんじゃないのかっ!!」

圭「そうですかね・・・」

両津「そうだって・・・。(でも、実際・・・悠里はけっこう好評だったんだが、後の三人は次の出演が無くて、ついプロデューサーを脅して(事前に弱みを握っていた)、出演を回してもらったんだからなっ!! さすがにこれがバレたら、わしはある意味破滅だ!!)」

圭「・・・・・・・・。」

両津(それにしても、悠里は本当にすごいなっ!! あいつが最初の番組に出演した後、ぜひCMや次のバラエティ番組の出演、ファッション雑誌の表紙を飾るモデルやグラビアの表紙にも起用したいって、連中がうようよやってくるし、一番はCDで彼女の歌声を聞いた音楽プロデューサーが、ぜひソロ歌手としてスカウトさせたいって話も来たんだからな! でも、わしが悠里のマネージャーと名乗ったら、悠里の出演料として置き土産(もちろん中身は多額の現金)をたんまり貰ったからなぁ・・・その時は笑いが止まらなかったぜっ、うひひひっ。)

圭(両さんの顔・・・なんか怪しいっ・・・)ジッー

更に後日

ガチャッ。両津「しめしめ、あいつらは学校に行ってるから、安易に乗り込めるぜっ! どれどれっ、今日も隠しカメラはどんな映像を・・・・」カチャッ、カチャッ

?「ほぅ。隠しカメラがどうしたって・・・?」

両津「!? そ、その声は・・・!?」スッ

両津が声のする方に顔を向けると・・・

大原「・・・・・・・。」

両津「ぶっ、部長!? どうしてここに・・・」

大原「やっぱりそういうことだったのか・・・この、大馬鹿者があああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

両津「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!!」

その後、両津は勝手に部屋に忍び込んだとして、大原直々の取り調べを受けた。両津がやっていた事が発覚したきっかけは、なんと圭の密告だった。裏写真を売ってるだけじゃないと考えた圭は・・・派出所にいる大原にその事を話し、それを聞いた大原は中川や麗子と共に両津の行動を調べていた。その結果、裏写真のことだけじゃなく、勝手に隠しカメラを仕掛けたことや由紀達に他の番組にも出演させるためにプロデューサーを脅したこと、悠里のマネージャーと名乗って、彼女が貰うはずだった出演料を勝手に着服していたことなどが分かったのだ。そして、今回は証拠となる現場を押さえるために大原は、両津の後をつけていたのだ。
取り調べを受けた両津は、もちろん最初はシラを切っていたものの、証拠や調べたことをすぐに突きつけられたことで全てを白状し、当然の如く大原から大声によるお叱りと軽めの制裁を受けたのだった・・・。

両津「・・・・・・・・・・・・・・・・。」

中川「今回は先輩が悪いんですよっ!! 大原部長から着服はだめだって言われていたのに、それを破ったばかりか、悪いことも色々とやっていたんですからっ!」

麗子「でも、運が良かったわね! 本来なら逮捕と裁判沙汰なのに、パンデミックから助けてくれたことや再就職先のことで両ちゃんにお世話になったって意味で佐倉さんが告訴しないって言ってくれたおかげで・・・。それにアルバイトや出演料で大分、授業料をまかなうことも出来たって由紀ちゃんや胡桃ちゃん、悠里ちゃんに美紀ちゃんも喜んでいたみたいだから、特別に大目に見てくれたこともあったしね・・・。」

寺井「でも、両さんはこれから、大変そうだよね・・・。」

両津「大変どころじゃねぇっ! おかげでアルバイトはクビになるし、それどころか、わしが稼いだ分のアルバイト代が、由紀達の授業料に割り当てられたんだぞっ!?」

部長「当たり前だっ!! 由紀さん達に迷惑をかけたんだ・・・・お前が告訴されないなら、せめて弁償としてそれぐらいのことはしろっ!!」

両津「くそっ・・・・・」

胡桃「両さん、いるかっ?」

由紀「やっほー♩」

悠里「こんにちはっ♩」

美紀「どうも・・・。」

圭「・・・・・・・。」ペコッ

慈「お久しぶりですっ♩」

大原「これは、これは佐倉さんに皆さん。このたびは、このバカが迷惑を掛けて、なんてお詫びをしてよろしいか・・・」

慈「いえいえ。大丈夫ですっ! 両津さんには恩がありますので、このくらいは・・・!! それにこの子達の授業料のこと、ほんとになんてお礼を言って、よろしいか・・・分かりませんっ・・・。」

由紀「両さんのおかげで授業料が払える程の余裕が出来たんだって・・・。ありがとうっ、両さん♩」ニコッ

胡桃「でも、両さんってやっぱり無茶苦茶なタイプなんだなっ。まぁ、両さんのアルバイト代も授業料に加えてくれたのは、良かったけど!」

悠里「私は楽しかったから、別にいいですけど・・・♩ それに、授業料が入りましたので・・・。」ニコッ

美紀「私もです・・・・一応。あっ、授業料は別ですよ!」

圭「両さん、本当は許されることじゃないけど・・・今回は美紀と先輩達、佐倉先生が許したので、私も許します。まぁ、両さんに恩があると言って、裏写真のことまで手伝った私にも非はありますからね・・・。後、授業料のこと、私の分まで本当にありがとうございますっ!!」

大原「だそうだ。良かったな・・・両津」ニヤッ

麗子「ふふふっ♩」

中川・寺井「「あはははっ♩」」

両津「部長にお前らぁー(もちろん麗子や中川、寺井のこと)、変な笑い方しやがって・・・。くそぅーーーーーーーーーーーー、なんでいつもこうなるんだぁぁぁぁっっっっーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」

おしまい

とりあえず、おまけもこれでおしまいとなります。

ここまで読んでくれた方、本当にありがとうございます!

それでは失礼しましたっ。

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