【モバマスSS】お題は星の数だけ 4夜目 (183)
こんばんは
七夕なので書きたいと思います
>>3のお題を頂戴します
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1467893507
では「ほたると蛍」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶっていただければ……
ほたるちゃんが人気あって嬉しいです
蛍を知っていますか?
短い期間だけに見られることができる虫です
暗闇に淡い光を映し、幻想的な光景を見せてくれます
儚くて、でも力強い光
ここにいるんだという存在感を感じます
「ほたる?」
私を呼ぶ声にはっとして振り返ります
「は、はい……何ですか?」
心配そうな顔をしているプロデューサーさんがいました
「いや、ぼーっとしてたからどうかしたのか思って」
そう言いつつ、しゃがみながら私の顔を覗きこんでくる
「べ、別になんでもないです……」
思わずうちわで顔を隠しちゃった
むぅ……この人は本当にもう……
「そうか、疲れたなら言ってくれていいからな?」
こういう時でも気遣ってくれる優しさはずるいです
「はい……」
お仕事も軌道に乗った今
なんでこんなに悩んじゃうんだろう
ほかのアイドルの方とも仲良くなって
お仕事も楽しくて
こんな私でもアイドルを続けられるのが嬉しくて
ここに私の居場所があるのが泣いちゃうくらい嬉しくて
でも、物足りないような気がする……
以前の私ならこんなこと絶対に思わなかったのに
「んー……」
全然わかりません
「難しい顔してないでこれでも食べてな」
差し出されたのはリンゴ飴
おいくらですか? と言いかけた途中で無理やり手渡された
「一人で食っても上手くないからさ」
ちょっと強引だったけど、お言葉に甘えることにします
「いただきますね」
こういうのって舐めて食べるのか齧って食べるのか正直わからない
りんごだから齧って食べてみようかな?
しゃりっとした歯ごたえ
飴の甘さとリンゴの甘酸っぱさ
私も女の子なので、甘味には弱いんです
「わぁ……美味しい」
そもそも、リンゴ飴が落ちないで私の手元にあるのがびっくりです
あ……こういうのフラグって言うんですよね?
あまり言わないようにしようっと
「うん、美味いな」
プロデューサーさんはがりがりと食べています
口の周りに飴が付いていたのでとってあげました
「プロデューサーさん、飴が付いてますよ」
飴をとって私の口の中へ
ん、色は違うけど味は一緒みたいですね
「あ。ありがとう……」
珍しく口ごもるプロデューサーさんに疑問を感じたとき
自分が何をしたのか思い返した
「ち、違うんですよ! これはそういうのじゃなくてですね」
ああああ、なんて言えばいいのかわからない
何でこんなに恥ずかしいことしちゃったの?
これって、間接キスみたいなことじゃないですか!?
嬉しいけど恥ずかしくて、この気持ちは何なの?
お互いに何も言えなくて、しばらく経った時
「あ……」
と、プロデューサーさんが口を開いた
視線を追ってみると、ほわっとした明かり
柔らかな暖かい光
「「蛍……」」
私の名前を呼ばれたのかと思って、どきりとした
「は、はい! ほたるでふ!!」
……噛んじゃった
うわ、すごく恥ずかしい
自分の顔が赤くなってるのがわかります
うう、もうプロデューサーさんの顔が見れません……
蛍とほたる、まぎらわしいのがいけないですよね
「ぷっ……あはは! ほたる慌てすぎだろう」
もう! そんなに笑わなくてもいいじゃないですか
「プロデューサーさんがいけないんですっ」
これは八つ当たりというか、責任転嫁というか……
プロデューサーさんがデリカシーがないのがいけないんです
うん、きっとそう……
「悪かったって、機嫌直してくれよ」
ぷいっとそっぽを向いた私に何か言ってきてますが知らんぷりをします
「悪かった! この通りだからさ」
拝むようなポーズでひたすら謝られました
声のトーンも本気みたいなので許してあげることにします
「今回だけですからね……」
上目使い……ううん、ジト目でプロデューサーさんを見上げる
「わかったよ、本当に悪かった」
もう許したから良いですよ
「流石ほたるだな」
にやにやしないでくだいね
もしかしたら、私もにやにやしてたかもしれません
こんな言い合いなのに
さっきまでの暗い考えがどこかに行ってしまいました
「……うわぁ、凄い」
気付くと淡い光に包まれていました
規則的に光り、また消えていく
どこか幻想的で目を離すことができません
私もきらきらできるかな?
アイドルとして輝けるのかな?
そんな、弱気な考えが頭をよぎります
「ほたるなら大丈夫だよ」
こういう時のプロデューサーさんは鋭いです
「太陽のような明るさじゃなくても良いんだ」
言葉を続けます
「夜に輝く……蛍のような光でも」
大きな手が私の頭を撫でる
「ほたるは充分にきらきらしてるんだから」
そう言われた時
心のもやもやがとれたような気がしました
「だから、大丈夫」
私の背中を優しく押してくれる声
「蛍も綺麗だけど、ほたるも綺麗だよ」
真面目な顔で真面目な声で
そんなことを言われたら、どう反応していいかわかりません……
「えっと……その…」
上手く言葉を話せません
「あはは、顔真っ赤だな」
そんなこと言われても仕方ないじゃないですか……
プロデューサーさんは意地悪です……
でも、私は私らしく
蛍のように
淡く、優しく光るアイドルになるのも悪くないな
と、そう感じました
おしまい
読んでくれた方に感謝を
そして、お題ありがとうございました
次は>>26のお題を頂戴します
人目もはばからずいちゃつき合うラブライカ
では「人目もはばからずいちゃつき合うラブライカ 」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶっていただければ……
「ミナミ……」
「ちょっと待ってアーニャちゃん、皆見てる」
はい、見てるというか見せつけられてる?
すごいストロベリーな空間です、はい
何かのあてつけか何かなの?
プロデューサーおいてけぼりってどうなのよ?
あ、別に怒ってるわけじゃないから
そう、女通しでいちゃついてんじゃねーとか思ってないから
……本当だよ?(血涙)
あと、五分で本番だけど大丈夫だよね、うん
「ほら、アーニャちゃん」
お、美波が時間に気付いたみたいだ
やっぱり常識枠の子は違うね! 見直したよ
「大丈夫です……ミナミ」
こっちのロシアっ子は全然大丈夫じゃないね
「あんっ……アーニャちゃんったら」
満更でもない顔しちゃったかー
俺みたいなおっさん……いや、男には破壊力ありすぎるな
「んっ……ミナミ、私にも……」
切なそうな吐息でスカートをゆっくりとめく……
ぎらりと、今まで感じたことのない視線
局のお偉いさんでも、変態みたいなディレクターでもない
こちらを刺すような視線
ああ、そんな目で俺を見るなよ美波……
「……」
こちらに物凄い視線を送りながら
美波が口パクでこちらに伝えてくる
『出て行ってくださいね♪』
目が笑ってない笑顔でそう語りかける美波
ああ、純だった美波はどこに行ってしまったんだろう?
……いや、もしかしたら俺の思い違いだったのかもしれない
「あっ……ミナミ♪」
「可愛がってあげるわ、アーニャちゃん♪」
嬌声が上がる部屋を後にする
もう俺にできることはない
後はあの二人に任せることにしよう
え? まる投げ?
……だって仕方ないじゃん
あの百合空間どうしろって言うんだよ
愛海でも連れ込んでやろうか
そんなことを思いながら、時間を気にすることをやめた
おしまい
読んでくれた方に感謝を
そしてお題ありがとうございました、本当に短くてすみません……
お次は>>38のお題を頂戴します
飛鳥「ファンにボクの個人サイトが特定された」
では、飛鳥「ファンにボクの個人サイトが特定された」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶっていただければ……(マジで)
あーあーテステス……世界中のキミはボクの声が聞こえているかい?
えっ? ボクのほうこそ聞こえているのかって?
キミがそんな質問するなんて意外……というか面白いね
こんな遠距離だから、聞こえる訳ないじゃないか
あ、勘違いしないでほしい
キミの声は聞こえないけど、キミの『叫び』は聞こえるんだ
「~♪」
うん、今日もキーボードが踊るようだ
自分の思考を文字にする面白さを知ったのはつい最近
ネットサーフィンをしている時に知った一つのサイト
衝撃が走るとは正にこのことだと痛感したね
コレを見て、ボクも表現したいと思ったんだ
ミンナはボクのことを『痛い奴』だと思ってるだろう
でも、そんなことはどうだっていいんだ
周りを気にして自分を表現できないなんて滑稽だろう?
ただでさえ、ボクはアイドルなんてやっているのだから
表現しなくてどうするって言うんだ
……だから、表現してやるのさ、このボクが、このセカイに
「うん、今日はここまでにしようか」
甘ったるいコーヒーを飲んでエンターキーを押す
この心地良い音を聞くと耳がゾクゾクするね
さて、明日も仕事があるからボクは寝ることにしよう
さぁ、キミはボクのことを見つけられるかい?
――そう、思えばアレが序章だったのかもしれない
ボクは別に望んではいなかった
けれど、求められてしまったら?
ボクは答えなければならないだろう
……ボクは表現者なのだから
PCの前に座り電源を入れる
ボクの相棒は最新型じゃないが、頼りになる奴なんだ
しばらくすると機械音と共に窓みたいなマークが立ち上がる
よしよし良い子だ、今日もご機嫌みたいだね
慣れた手つきでマウスを操り、ボクのサイトへ
「んん……?」
いつもと様子がおかしい
何が? と具体的に聞かれるならば
答えは簡単だ
ボクの居場所を見つけてくれた
……そして、ミンナの足跡が刻まれていたという事だ
ゾクゾクしたね
まるでステージに立っているような感覚
「ふぅ……」
こんなにオーディエンスがいたら、ボクも張り切らないといけないな……
その日はベッドに入るのが遅くなったことを覚えている
――気付けば
どんどん増えた足跡でボクの庭は足場がなくなり
そう、ボク自身の居場所もなくなってしまいそうな……
そんな気がしたんだ
……集団心理というのは言うのは怖いもので
一人、また一人と、どんどん連なって止まることがない
始めは面白がっていたボクではあったけれど
もう……余裕がまったくなくなっていた
気取る自分と年相応な自分
相反する二つの考えがボクを葛藤させる
……いつしかボクは嫌悪感さえ抱いていた
キモチワルイ……
ボクの一挙手一投足にこんなにも反応するものなのか
まるでリアルタイムみたいな、ボクのストーカーでもいるんじゃないかとさえ思う
……プロデューサーに相談したほうがいいのだろうか?
しかし、迷惑をかけたらいけないような気がする
悶々とした考えが頭をよぎって、なかなか眠れなかった
そして、ボクは後悔することとなる
特定と言う言葉はご存知だろうか?
日常生活ではなかなか耳にする機会はないだろう
だが、この『特定』という言葉に恐怖することが来るとは夢にも思わなかったな
そう……誰かが本当にボクの居場所を突き止めたんだ
ボクは群れることが嫌いだった
だから女子寮には入らず部屋を借りていたんだ
もしかしたら、それもいけなかったのかもしれない……
ポストに入れられた差出人不明の封筒
面白がっているのだろうか、部屋から呼び出し音が連続で聞こえた時もある
悔しいけれど、ボクも年頃の女の子だ
非力だし、精神的にも弱いところがある
ずっと隠していたけれど、いつまでも隠し通すことなんてできるはずもなく
……プロデューサーにばれたときは、悔しい気持ちもあったけれど
これで、どうにかなるって安心してしまった
「お前、バカか?」
第一声はそれだった
「こんだけ煽ったらどうなるかわかるだろうよ」
言われっぱなしじゃ悔しくて、何か言ってやろうかと思った
けれど、きっと睨みつけたプロデューサーの顔が……
全く笑っていなくて
どうでもいい奴を見るような冷たい視線で……
「ぁ……」
ただ口を開いて、吐息ともとれる小さな声を発することしかできなかった
「お前のキャラがどんなものかはわかっているつもりだ」
……
「けれど、やりすぎたな」
こつん、と頭に鈍い感触
「サイトはこちらで封鎖する」
後始末はちひろさんに任せておくか
キミがそう呟くのを聞いて
……自分が泣いているのに気付いた
鳴き声を聞かれたくないから手でふさいで我慢する
けれど……
「怖かっただろう」
くしゃりと頭を撫でられて
いつものキミの笑顔を見せられたボクは
暖かくて、キミの心音を聞きながら泣きじゃくってしまっていた
おしまい
読んでくれた方に感謝を
そしてお題ありがとうございました
こうですかわかりません><
ちょっと晴ちんを寝かしつけるので中座します
再開はお昼頃から……
では、再開したいと思います
>>65のお題を頂戴します
Pに甘えまくるエロカワイイ前川
では「Pに甘えまくるエロカワイイ前川」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶっていただければ……
「戻りました」
事務所に入った瞬間
「Pちゃーん」
タックルを食らった
「前川……さん?」
「にゃふふー、みくだよ」
そんな笑顔でタックルしなくても……
「Pちゃんは良い匂いするにゃ」
すりすりと頬ずりをして、すんすんと鼻を鳴らしている
「汗臭いですから離れてください」
「嫌にゃ♪」
即答ですか……
心なしか、先ほどより強く体を密着させているような気がする
「あ、Pちゃんお疲れなのに立たせたままにしちゃったにゃ」
はっと気づいたような顔をした前川さんの行動は早かった
言うやいなや、カバンをとられ、デスクのほうへと先導される
手をぎゅっと握ったままで……
小さくてすぺすぺとした手は熱を帯びているようだった
「あ、Pちゃんお疲れなのに立たせたままにしちゃったにゃ」
はっと気づいたような顔をした前川さんの行動は早かった
言うやいなや、カバンをとられ、デスクのほうへと先導される
手をぎゅっと握ったままで……
小さくてすべすべとした手は熱を帯びているようだった
「はい、Pちゃん座って」
チェアーに無理やり座らされ
「お邪魔するにゃ♪」
膝にお邪魔された
心地よい重さを膝に感じる
「んー、落ち着くにゃあ」
前川さんはご満悦だ
「前川さん、そろそろ離れてくれませんか?」
お子様組ならいざ知らず
前川さんはその、スタイルが良いと言うか……男性ならば察してほしい
柔らかくて暖かくて、そして良い匂いがする
これに耐えるのは非常に酷ではないだろうか?
むしろ、逆セクハラでは? と思うほどだ
それに、誰かに見られたらまずい
ちひろさんは言わずもがな
他のアイドルに見られた日にはたまったもんじゃない
「Pちゃんはみくのこと嫌いなの?」
瞳を潤ませ、上目遣いで聞いてくる
……これは反則じゃないですかね
「みくはPちゃんのことこんなに好きなのに……」
首に手を回し、膝に押し付けたお尻をぐりぐりとこすりつけてくる
「Pちゃぁん……」
……
「少しだけですよ」
ふいっと顔をそらして言う
せめてもの抵抗だ
「さっすがPちゃん♪」
ああ、だから抱き着かないで
こんなに密着すると、前川さんの吐息や胸の柔らかさが
「あ、そうだ」
何か思いついた前川さんがおもむろに服に手をかける
「Pちゃんに良いもの見せてあげるね」
楽しそうに言う前川さんとは対照的に、自分は冷や汗が止まらなかった
流されるな自分
まずは前川さんを止めなければ!
「前川さん、止めてくだ……」
言い切る前に前川さんがTシャツを脱いだ
まるでこちらを挑発するような、女の顔で
「ねぇ、Pちゃん……見て」
と、言われて見れるわけがない
ぐりんと顔をそらす
見るな、絶対に見るなよ
プロデューサー人生をかけて、耐えろ
「むぅ……あ、いいこと思いついた♪」
にゃふふ、と笑った前川さんはこう続ける
「このままPちゃんに、ちゅーしちゃうにゃ」
そう言った前川さんの言葉はふざけていなかった
「どこまで我慢できるかな?」
悪戯っぽく笑う前川さんの呼吸が徐々に近くなる
「まだかにゃー」
視線の熱さか、前川さんの体温なのかわからない
けれど、確かな熱さが近づいている
「Pちゃん……」
ほんの数cmだったと思う
前川さんに向き合う
「いい加減にしてください! 前川さん」
……しまった
「にゃふふ、ひっかかったねPちゃん」
がしりと両手で顔を固定されて
前川さんから目を離すことができない
「Pちゃん……」
ほんの数cmだったと思う
まずいと思い、前川さんに向き合う
「いい加減にしてください! 前川さん」
……しまった
「にゃふふ、ひっかかったねPちゃん」
がしりと両手で顔を固定されて
前川さんから目を離すことができない
目の間にはにこりと笑う前川さん
そして……あれ? 水着?
フリルが付いた白い水着
これは今日のグラビアの衣装だった気が……
「おっかしーの、Pちゃん焦りすぎにゃ」
いやいや、焦らないほうがおかしい
「とにかく、Pちゃんはみくを甘やかしてればいいにゃ」
何がとにかくなのかわかりません
「みくね、お仕事頑張ったんだよ?」
「すみません、同行できなくて」
今日は大きな仕事が何件かあったため、前川さんに同行することができなかった
「ううん、いいの……でもカメラマンの人の目がえっちっぽくて」
俯き、体を震わせながら言葉を続ける
「Pちゃんになら、どれだけ見られてもいいのに……」
え? 何言ってるんですか
「だから、Pちゃんで上書きしてほしいにゃ……」
顔を上げた前川さんの表情はどこか違っていた
「Pちゃん!」
ああああ、そんな薄着で抱き着かないでください
さっきよりダイレクトに柔らかさと暖かさが……
「みくだけのPちゃん♪」
形式は皆さんのプロデューサーですが
「ねぇねぇ、なでなでしてほしいにゃ」
いきなりのリクエスト
「それくらいなら……」
前川さんの頭に手を置き、優しく撫でる
「んっ……」
本物の猫みたいに目を細めて気持ちよさそうな声をあげている
「よしよし」
小さいころに飼っていた猫を思い出して、興が乗ってきた
「よしよし、可愛いなー」
下あごをこちょこちょしてやる
「Pちゃ……んっ!」
うちの猫はお腹も触らせてくれたよな
前川さんをぐりんと仰向けにさせる
「ちょ、ちょっと待つにゃ!」
……聞こえないふり
おへそのあたりに手をそわす
「んんっ! Pちゃん……」
潤んだ瞳に甘い声
「ここが気持ちいいのかな」
どこ吹く風で、お腹を撫でまわす
すべすべとした手触りが気持ちいい
ずっと触っていたいくらいだ
――どれくらい撫でまわしていたのだろう
「ふぅ……ふぅ」
顔を赤くし、だらりと弛緩した前川さんはどこか幸せそうな顔をしていた
「……」
対して、真っ青な顔をしている自分
自分の担当アイドルに何てことをしてしまったのだろう……
明日の朝刊には実名が乗ってしまうかもしれない
そう思うと、目がしらが熱くなった
「前川さん、本当にすみませんでした」
とりあえず誠意を見せよう
そして選んだ、ザ・土下座
おでこを床にこすりつけ、心から謝罪をする
「この通りです。なんでもしますので……」
……沈黙
ああ、やっぱり駄目か
ごめん母さん
俺は親不孝者になってしまいます……
そう覚悟を決めたとき
「Pちゃん」
前川さんがゆっくり起き上がった
水着の紐がずれ、髪が乱れた姿はひどく煽情的だ
「さっきのは嘘じゃないよね?」
にっこりと笑う前川さんが、近づいてくる
「前川さん?」
「えいっ!」
素早い動きで腕に抱き着かれた
極上のクッションのような感触が腕に伝わる
「みくね……まだ足りないににゃあ」
呼吸が荒いし、顔も赤い
そして、何かを期待しているかのような瞳
「だから、今日はみくをいーっぱい可愛がって、ね?」
おしまい
読んでくれた方に感謝を
そして、お題ありがとうございました
自分は眼鏡をかけた前川さんが大好きです
席をはずします、再開はお待ちください
再開したいと思います
>>96のお題を頂戴します
Pがアイドルと仲良くしてる姿を見て嫉妬する文香
では「Pがアイドルと仲良くしてる姿を見て嫉妬する文香」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶって頂ければ……
「おはようございます……」
お、おはよう文香
俺を見つけると笑顔で会釈をしてくれた
長い黒髪がさらりと揺れる
相変わらず長い髪だなぁ、綺麗で良いんだけどさ
うーん、夏だし、こうイメージ変えてみるか?
後ろ髪をポニーテールっぽくまとめてみる
「あっ……」
これで、前髪を整えてっと……
おー、これはこれでありだなぁ
角度を変えつつ髪型をチェックする
うんうん、可愛い可愛い
文香はどんな髪型でも似合うかもしれないな
「もう……プロデューサーさんは強引ですね」
くすりと文香が笑う
悪い悪い、ついつい、ね?
あはは、とお互いに笑う
アイドルに慣れてきたのか、最近の文香はよく笑うようになってくれた
クールな表情も素敵だけど、女の子の笑顔はより素敵だと思う
「あ、あの……」
もじもじしながら文香が口を開く
「あ、プロデューサーさん……今日、よかったら私と」
文香が言い切る前に事務所のドアが開いた
「おはようございます、プロデューサーさんに文香ちゃん」
おはようございます千川さん
「もう、ちひろで良いですよ」
おっと、これは失礼しました
ちひろさん、今日もよろしくお願いしますね
「はいっ」
良い笑顔です
「……おはようございます」
ん? 文香の声のトーンがだいぶ低いのが気になった
「あら、文香ちゃん何かあったの?」
「いえ……何も」
「そう? なら良いんだけど」
二人のやり取りの後に、ぼそりと
「ちゃんとケアしてあげてくださいね」
ちひろさんに、そう言われた
ケアも何も思い当たる節が全くないわけで……
そういや、さっき文香が何か言いかけてたけど
「あ、あの……やっぱり良いです」
うん? 言いたいことがあったらきちんと言っていいからな
やっぱりコミュニケーションは大事だし
一人でうんうんと頷く
「はい、ありがとうございます……」
よし、文香に笑顔が戻ったし仕事するかな
「あの、今日は……お仕事を見てくれるんですか?」
ああ、今日は文香につきっきりだ
こんなおっさんで悪いけどね
「いえ……嬉しいです」
とってもいい笑顔をいただきました
……そろそろ時間かな
資料作りを中断し、時計を確認する
文香、そろそろ出るぞ
「はい、わかりました」
待たせちゃって悪かったな
「いいえ……気にしてません」
そっか、じゃあ行こうか
「あープロデューサー!」
このにぎやかな声は……
「こんにちは、文香さん」
おい、俺にあいさつはないのかよ
「ちわーっす」
お前さ、野球部じゃないんだから……
「いいじゃん、私とプロデューサーの仲なんだから」
はいはい、そうですね
未央は適当だね、本当に
「そんなことないよ、ねー文香さん?」
がつんと言ってやれ、文香
「こんにちは……未央ちゃん」
あら、クールですね文香さん
「あはは……それにしても暑いねー」
おい、シャツをぱたぱたするな、見えるぞ
「えー、見えないから大丈夫だよ」
……こいう学校でもこんなことしてんじゃないだろうな
「するわけないじゃん、事務所だけだから」
最近の若い子はこれだから困る
なぁ、文香ってあれ?
「……プロデューサー、暑いですね」
あの、文香さん、目に毒なのでやめてください
「えー、見えないから大丈夫だよ」
……こいつ学校でもこんなことしてんじゃないだろうな
「するわけないじゃん、事務所だけだから」
最近の若い子はこれだから困る
なぁ、文香ってあれ?
「……プロデューサー、暑いですね」
振り返ると、同じくぱたぱたしてる文香
文香さん、目に毒なのでやめてください
ちゃんみおの毒にあてられてしまったのか?
しばらく、未央とは距離をとらなければ……なーんて
そんなことを考えながら、スタジオでの待ち時間を過ごしていた
今日の撮影は無事に終えたいものだ
ぺらりと手帳を開き、内容の確認をする
「プロデューサーさん?」
うわ、びっくりした!
「あ、すみません……」
文香か……その浴衣似合ってるじゃないか
藍色に白い花柄が入った涼やかな浴衣
「そうですか……嬉しいです」
これで最後の撮影かな?
「はい……終わったらご飯ですね」
ああ、じゃあ頑張っておいで
撮影も無事に終了し、時間はちょうどお昼時だ
文香は何か食べたいものある?
「私は……プロデューサーさんが選んだところで良いです」
そっか、じゃあ近くのファミレスで食べちゃおうか
「はい」
じゃあ早速向かいますかねっと
「プロデューサー」
後ろから声をかけられた
周子か、お疲れ
「お疲れさま、文香さんも」
「お疲れ様です……」
じゃあ俺らは飯行ってくるから
「シューコちゃんもお腹すいたーん♪」
お前それ言いたいだけだろ
周子を振り切ることができずにファミレスに到着した
「あたし、プロデューサーの横ゲット」
うお、お前勢いつけすぎだから
「あ……」
そんで文香さんや、泣きそうな顔するな
ほれほれ、早くたべたいもん決めてくれ
周子は雑炊のセット
俺と文香は日替わりのセットにした
「はい、プロデューサー」
え? なんなのこの子
「ん!」
レンゲを差し出してくる周子
「あたしのあげるから、プロデューサーのちょうだい♪」
んだよ、後で肉やるからとりあえずレンゲを置け
「プロデューサーさん……んっ……」
え? 文香まで!? ……お肉ほしいの?
「違います……」
「あははっ! おっかしー」
げらげらと笑う周子
おっさんだけ流れに取り残されてんじゃん……
「まぁ、プロデューサーさんだからね」
まぁって何だよまぁって
「はぁ……」
ため息はやめてくれませんか文香さん
この後会計をして、周子は次の現場に向かっていった
……今日の文香はどこかおかしい気がする
朝の件といい、周子の時もそうだ
パソコンに向かい、まゆが入れてくれたコーヒーを飲みながら作業をする
お、これ美味いな
「まゆが選んできたんですよぉ」
そうか、後で何て豆か教えてな
「もちろんです♪ あ、これもよかったどうぞ」
これはクッキーか、程よい焼き加減でうまそうだ
口に入れると俺好みの固さと甘味
コーヒーに合うなぁ……
……さっきから視線を感じる
ちらりと、ばれないように文香に目線をずらす
じーっと、本をずらしてこちらを見ていた
あはは……クッキーが上手いや、本当に……
「じゃあまゆはこれで」
ああ、お疲れさま
「はぁい」
……さて、事務所に誰もいなくなったな
おーい、文香
「は、はひっ!」
体をびくりとさせて噛みながら返事が返ってくる
あからさまにそっぽ向いてもばれてるって
「な、何の用ですか……?」
用ってわけじゃないけどさ
何か今日の文香おかしくないか?
「私はいつも通りです」
そうかねぇ……あ、電話だ
はい、私です
『プロデューサーさん、お疲れ様です』
お疲れ様です、ちひろさん
……ほかのアイドルを迎えに行けないかと
わかりました、迎えに……あ
背中に柔らかな感触がした
文……香?
「行かないでください……プロデューサーさん」
お前そんなこと言ったってなぁ……
「お願いです……」
首に回された腕に力がはいる
文香は震えているように感じた
『プロデューサーさん、どうかしましたか?』
あーっと、ちひろさんすみません、先方との急な会議が入ってるのを忘れてました
『そうでしたか、では私のほうから連絡しておきますので』
はい、すみません。それでは
……文香
「はい……」
理由を話してくれるかな?
「……私、嫉妬したんです」
文香がゆっくりと口をひらく
「ちひろさん、未央ちゃん、周子ちゃん……ほかの子にも」
弱弱しい言葉、自分を否定するかのような言葉
「プロデューサーさんがどこかに行ってしまうような気がして……」
……なるほどね
「私、ひどい女なんです……」
ふむ、とりあえず……くらえっ!
文香にでこぴんをした、少し強めに
「あぅっ」
可愛い声をだして、おでこをさすっている
わかったよ、どっちにしろ今日はどこにもいけねーし
ちひろさんに嘘ついちゃったしな……ばれたら怖え
「痛いです……」
ちょっとしたおしおきだよ、おばかさん
「むぅ……」
ほっぺたふくらましてると突くぞ
あー疲れちゃったなぁ
美味い飯でも食べに行こうかなーっと
誰か一緒に行ってくれる人はいないかなーっと
ちらりと横目で文香を見る
「あ……」
もうひと押しかな?
「私もお腹すきました……」
よしよし、良い子だ
今から飯食って、文香を送ればいい時間になるだろう
あ、文香ー
「なんですか……?」
さっきの嘘はちひろさんには内緒だからな?
「ふふっ、わかってます」
本当に頼むぞ
「……夜景が綺麗なレストラン」
ぼそっと文香が囁く
うっ……あんま高くないとこな
「冗談です……」
そう言って笑う文香の笑顔はとても綺麗だった
おしまい
読んでくれた方に感謝を
そして、お題ありがとうございました
次は>>133のお題を頂戴します
雪美とペロを探しに
では「雪美とペロを探しに」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶって頂ければ……
「プロ……デューサー……」
事務所に入ってきたぼろぼろの少女
「雪……美?」
綺麗な髪の毛はぐちゃぐちゃになり
青いワンピースは泥だらけになっている
最悪の展開が頭をよぎる
警察か? 救急車か? ……もういい両方とも呼んじまえ
スマホのコールボタンを押そうとした時
「ペロ……いなく……なっちゃった」
雪美が弱弱しい力で抱き着いてきた
「ペロが……?」
話を聞くと、いつの間にかペロがいなくなってしまったらしい
雪美はペロを探していたらこんな格好になったと
怪我は膝を擦りむいただけみたいだ
……ペロには悪いが、ほっとしてしまった
雪美は今ちひろさんが介抱してくれている
いる、が……泣きじゃくってしまって仕事どころではない
仕方ない、今日の仕事はキャンセルするか
それと
「雪美」
ぽんと頭に手を置いて、優しく撫でながら
「二人でペロを探しに行こうか」
「プロデューサーも……探してくれるの?」
「ああ、そのほうが早く見つけられるだろ」
こわばったほっぺたを突く
「くすぐったい……」
ふふっとほほ笑む雪美
「よし、じゃあ行こうか」
雪美の手をぎゅっと握り、事務所を後にした
「ペロがいるところに心当たりはあるか?」
「……よく遊んでるところは……探した」
ふむ、じゃあそれ以外の所になるけど……
ペロは賢い猫だ、無茶なことはしないと思うが
「ペロ……」
「大丈夫。きっと見つけてみせる」
雪美が安心できるように声をかける
公園、ねこのたまり場、路地裏
ペロがいそうなところをとにかく探す
……だが、時間だけが過ぎていく
「もう……ペロは……」
「雪美……」
流石にもう限界かもしれない
体力的にも精神的にも……
もう外も日が落ち始めている
「雪美、今日はもう帰ろう」
心苦しい……
「ペロ……うぅぅ……」
ごめんな、力になれなくて
「明日も探そう、きっと見つけられるはずだ」
泣いている雪美を優しく抱きしめた
雪美が泣き止み、帰ろうとした時に何かが聞こえるのに気付いた
ちりん
ちりん、ちりりん
雪美が顔を上げる
「ペロ……」
雪美が走りだした、音がなるほうへ
どんどん鈴の音が近くなっている
俺も慌てて雪美を追いかけた
何度も転びそうになりながら走る雪美
それでも速度を落とさないで、走る
ちりんちりりん
鈴の音も飼い主がいるのに気付いたのだろうか、さっきより激しく音がする
垣根を一つ越えた時
鈴の音が鳴りやんだ
にゃお
代わりに聞こえたの鳴き声
雪美の一番近くにいる友達の鳴き声
「ペロ……」
雪美がペロを抱き上げて頬ずりをする
にゃおん
ペロも嬉しそうに雪美の頬を舐めている
良かった…というか疲れた
まるで足が棒みたいだ
それに、ひどい格好だ、俺も雪美も
まぁ、いいか
ああ……早く帰ってビールでも飲みたいな
そう思ったとき、スマホの着信音が響いた
――俺は今、雪美とペロを送るために車を走らせている
とうの一人と一匹は後ろの席で熟睡中だ
先ほどの電話で事のあらましをしったのだが……
ペロが動物病院に行ってる間に雪美がいないと勘違いしたらしい
そして、帰ってきたペロも雪美がいないと勘違いをしたと
可愛い勘違いではあるが、巻き込まれたこちらとしては、ね?
ああ、早く帰りたい
おしまい
読んでくれた方に感謝を
そして、お題ありがとうございました
さて、お次のお題を持ちまして最後とさせていただきます
>>150のとびっきりのお題を頂戴します
新妻藍子とPの熱々新婚生活
それでは「新妻藍子とPの熱々新婚生活」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶって頂ければ……
……声が聞こえる
大事な人の声
大切にしなきゃいけない人の声
「あ、あなた……」
んん……藍子……?
「あなた、朝です。起きてください」
まだ「あなた」と呼び慣れていないみたいだ
「あぅ、起きてくれない……」
ど、どうしようかな? なんて困っている声が聞こえる
「あ、あなた」
ゆさゆさと体を揺さぶられる
遠慮しているのだろう、逆に心地よくて眠ってしまうよ
「あなた、起きてください~」
よし、可愛い奥さんのために起きるとしようか
おはよう、藍子
少しだけ乱暴に抱き寄せる
「きゃぁっ! もう、起きてたんですか?」
可愛い悲鳴をあげて、目をぱちくりとさせて藍子が言う
うん、藍子の反応が可愛くてさ、寝たふりしてた
「そういう事する人は知りませんっ」
悪かったって、機嫌直してくれよ
そっぽをむいた藍子に囁くように言う
好きだよ、藍子
そして藍子の頭を優しく抱きしめる
「……卑怯です」
藍子は俺のこと嫌い?
「……です」
ごめん、聞こえない
……本当は聞こえているけれど
「好きに決まってるじゃないですかっ」
大好き?
「大好きですっ!」
俺も藍子のこと大好きだよ
「あぅ、意地悪なんだから」
ああ、俺の奥さんは今日も可愛いなぁ
「そろそろ、起きましょう?」
うーん、もうちょっとだけ
「ご飯が冷めちゃいますから、ね?」
……後10秒したら起きる
じゃあ私が数えますからね、と
「いーち、にー、さーん、しー、ごー、ろーく、しーち、はーち、きゅーう、じゅー……むぐっ」
可愛らしくカウントする藍子の唇をふさぐ
びくりと体を硬直させたが、しばらくしたら目を閉じてこちらに体を委ねた
「んっ……」
藍子の唇は滑らかでもちもちしてて、心地いい
ずっとこうしていたいくらいだ
「んー……」
藍子と目が合った
にやけてるのが藍子にばれて、ジト目をされた
「んっ……?」
名残惜しいけど、起きよう
藍子のご飯も食べたいしね
さぁ、行こうか
「行こうかじゃないです! おろしてください」
え、お姫様だっこ嫌いだったっけ?
「嫌いじゃないですけどっ」
最後のほうはごにょごにょしててわからなかった
ま、嫌いじゃないなら良いよね
「重いから降ろしてくださいっ」
藍子はもっと食べたほうがいいくらいだと思うけどなぁ……
乙女心ってのは複雑だね
顔を洗い、うがいをしてから食卓につく
おお、今日も美味しそうだね
ご飯にみそ汁、焼き魚に卵焼き、とどめにお漬物
毎日美味しいご飯をありがとうございます
奥さん様様だよ、本当に
「ほめても何もでませんよ?」
こんなに美味しい朝ごはんを出してくれるだけで嬉しいよ
「そうですか、よかった」
にこりと笑った藍子の口にお弁当が付いていたので
手で取ろうか、どうしようか悩んだ結果
口で取ることにした
「な、何するんですか!」
慌ててる藍子も可愛いなぁ
我が家は洗い物は俺の仕事にしている
藍子は、私がやりますっと言ってくれるがこれくらいはね?
食器が綺麗になるのって気持ち良いんだよね
きゅっきゅっきゅのきゅーっと
「変な歌ですね」
おお、元アイドルさんに聞かれてましたか
こう、食器が綺麗になるのを表現してみたんだけど、どう?
「どうって聞かれましても……変な歌詞?」
だよねー、俺もそう思ったよ
でも、と藍子が付け足す
「あなたの声はとても素敵ですよ?」
えへへと照れ笑いをしながら言われて……
自分の顔が赤くなってるのがばれないようにそっぽ向いた
家事をする奥さんの後ろ姿を眺めるってのは乙なもので
これは旦那の特権なんだろうなと思う
ぴょこぴょこと髪の毛がゆれるのが可愛らしい
悪戯したいな……
ちょっとくらい良いよね?
あーいーこっ
後ろから抱きしめる
「またですか~」
あきれた声を上げる藍子
でも、「ちょっとだけですよ?」と言ってくれる
うん、藍子成分を補充できたら離すから
「じゃあ、私もあなた成分を……」
そして、はっとしたような顔をする
「すぐになくなっちゃから、ずっとこのままかも」
悪戯っぽく言う藍子
……俺、本気にしちゃうよ? いい?
「家事が終わりませんっ」
今日はどうしようか?
「お散歩しましょうか」
藍子は散歩好きだねぇ
「あなたは好きじゃないんですか?」
俺も好きだよ、藍子に楽しみ方を伝授してもらったからな
今日は暑いから、対策きちんとするように
「はい、お任せですっ」
そんなこんなで近くの公園にやってきた
うちの奥さんは被写体を探しているみたいだ
控えめなフリルがあしらわれた真っ白なワンピースと麦わら帽子
藍子ほど似合う子もいないんじゃなかな、割とマジで
これは見るだけじゃもったいない
トートバッグを漁り、お目当てのものを取り出す
「~♪」
鼻歌なんて歌っちゃってご機嫌だねぇ
ま、これならばれないかな
足音ができるだけしないように藍子に近づく
よしよし、このままっと
ピントを合わせてシャッターを切る
かしゃり
「えっ?」
良い表情だったから撮っちゃった
「ずるいですっ! あれ? そのカメラは……」
藍子のと色違いだよ
いわゆるおそろいってやつ、いいだろー
「あなたが写真を撮りたいなんてちょっと意外かも」
俺の写真だけじゃなくて藍子の写真も増やしたくてね
ぽかんとしてたので、もう一枚撮っちゃった
ふぃー暑い暑い
藍子、ご飯の前にお風呂入ろうよ
「良いですけど、一緒にです、か?」
俺は一緒がいいなーなんて
「うーん……」
どきどき……
「いつもみたいにタオル巻いていいなら入ります」
恥ずかしそうに言う藍子にノックアウトされそうになった
「お背中流しますね」
はい、お願いします
「ん……しょっと、あなたの背中は大きいですね」
んー? 普通じゃないかな
「ううん、大きくて頼りがいのある背中です」
そっか、て……藍子?
急に後ろから手が伸びてきてびっくりする
「あ、こっち見ちゃ駄目ですっ」
……はーい
よーし! 待ちに待った夕飯だー!
「もう、ご飯は逃げませんよ?」
そうだけどさ、藍子のご飯美味しいからテンション上がっちゃった
「ふふ、ありがとうございます」
くすりと笑う藍子
……お酒も飲んでいいよね?
「今日は私も付き合いますから」
お、今日の晩酌は楽しくなりそうだ
「もう一杯ください~」
藍子さん、ほどほどにしておいたほうが……
「まだ大丈夫ですっ」
ウス……
「ほら、あなたも飲んでくださいね?」
くいっとグラスを煽ってから、藍子が近づいてくる
「ん……」
とろんとした瞳が俺をとらえる
自然と唇を合わせる
ん? んんんっ?
藍子の舌と共に酒が入ってくる
「んふぅ……」
楽しそうな顔しちゃってまぁ……
「ぷはっ……」
じーっと見られてるなぁ……
おいで?
「はいっ♪」
「あなた、お願いがあるんですけど……」
歯磨きを終えて、藍子がおずおずとお願いをしてきた
どうしたの?
「ベッドまで運んでくれません……か?」
いいけど、今日は我慢できないけど良い?
「はい、大丈夫ですから」
言い終わる前にお姫様だっこして、ベッドにゴー
んー今日も楽しかったなぁ
「はいっ、とっても」
藍子はいつも可愛いなぁ
よしよし、良い子良い子
「んっ……」
優しく撫でると気持ちよさそうな声を上げている
「ねぇ、あなた?」
なに?
「呼んだだけですっ♪」
ん、そっか
……あーいーこっ
「なんですか?」
ちゅーしようか
「優しくしてくださいね?」
おしまい
これにて【モバマスSS】お題は星の数だけ 4夜目をお開きとさせて頂きます
改めて読んでくれた方に心からの感謝を
そして、たくさんのお題ありがとうございました
また読んで頂ける機会があればよろしくお願いします
ありがとうございます
HTML化を依頼してきます
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