神谷奈緒「美穂と藍子の仁義なき戦い」 (168)
「これは私と私の胃の仁義なき戦いの記録だ」
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神谷奈緒「知ってるか加蓮、胃を殺すのに悪口はいらないんだ」
ーーーーーー
藍子「ーーーって言ったんですよ」
奈緒「あはは、未央のやつはおもしろいなあ」
藍子「だから私ーーー」
ガチャ
美穂「おはようございまーす」
藍子「…」
奈緒「…あ、ああ」
美穂「おはようございます、奈緒ちゃん」
奈緒「お、おはよう、美穂」
美穂「…おはようございます、藍子ちゃん」
藍子「…おはようございます、美穂ちゃん」
藍子「…」
美穂「…」
奈緒「…」
「「「…」」」
藍子「…そういえばこの前」
奈緒「」ビクッ
藍子「プロデューサーさんとお散歩したんです」
美穂「…へえ、そうなんだ」
奈緒「そ、そっか」
藍子「…」
美穂「…」
奈緒「…」
奈緒「…あー…それで終わり?」
藍子「いいえ」
奈緒「…だよな」
藍子「撮影が早く終わったので、近くの公園をお散歩したんです」
奈緒「…あー、藍子が時間余らせるのは珍しいな」
藍子「はい。だから、プロデューサーさんがご褒美にって」
奈緒「…? 藍子が誘ったんじゃないのか? …あっ」
藍子「はい! プロデューサーさんから散歩に行こうって言ってくれたんです!」
美穂「…」
奈緒「…あー…ええと」
藍子「最近はプロデューサーさんのお仕事が忙しいみたいだから、誘うのを控えていたんです。そのときも、本当はお散歩したかったんですけど、プロデューサーさんの負担になるかなって思って、黙っていたんです。そうしたらプロデューサーさんは、私の様子に気付いたみたいで、散歩に誘ってくれたんです。私うれしくって。でも、プロデューサーさんが無理をしているんじゃないかとも思って、疲れてるならいいですよって言ったんですけど、私との散歩はリラックスになるって」
奈緒「お、おう。それは…」チラッ
美穂「…」
奈緒「…あー…よかった、な」
藍子「はい」
美穂「…」
奈緒「…」
藍子「…」
「「「…」」」
美穂「…そういえば」
奈緒「」ビクッ
美穂「この間、プロデューサーさんとひなたぼっこしたんです」
藍子「…へえ、そうなんですか」
奈緒「…そ、そっか」
美穂「…」
藍子「…」
奈緒「…」
奈緒「…えーと、続きがあるんだよな?」
美穂「うん」
奈緒「…どうぞ」
美穂「先週の木曜、プロデューサーさんとひなたぼっこしたんです。とっても気持ちよかったですよ」
奈緒「…それは…Pさんが…誘ったのか?」
美穂「…」
藍子「…」
奈緒「」ドキドキ
美穂「…いいえ、私から誘ったんです」
奈緒「」ホッ
藍子「…」
奈緒「…しかっし、よくPさんのこと誘えたな。あれか、美穂も撮影の終わりとかか」
美穂「いえ、その日はお仕事はありませんでした」
奈緒「え? じゃあいつ誘ったんだよ。…あれ? ていうか木曜? 先週の木曜ってPさんオフじゃなかったっけ? …あっ」
美穂「はいっ。オフが重なったからプロデューサーさんのことを誘ったんですっ」
藍子「…」
奈緒「あ~、あ~」
美穂「プロデューサーさんが忙しいことは知っていたんですけど、ずいぶん長い間、ひなたぼっこできていなかったからさびしくて。でも、プロデューサーさんは私とひなたぼっこすると元気になってくれるんですよ。だから、プロデューサーさんの気分転換になったらいいなって思って誘ったんです。断られないか心配でしたけど、笑顔で受け入れてもらえました。ひなたぼっこしたあとも穏やかな顔をしてましたよ」
奈緒「うん、うん、わかった、わかったから。…あー」チラッ
藍子「…」
奈緒「…よかったな」
美穂「うん」
藍子「…」
美穂「…」
奈緒「…」
「「「…」」」
ガチャ
P「おはようございまーす」
美穂・藍子「「おはようございまーす」」
P「おう、おはよう。美穂、藍子」
奈緒「…おはよう、Pさん」
P「おはよう、奈緒。…なんだその顔、なんかあるのか」
奈緒「…いや、何もないよ…何も…」
P「? まあ、あまり溜め込みすぎるなよ。…三人はおしゃべりしてたのか?」
美穂・藍子「「はい、奈緒ちゃんとおしゃべりしてたんです」」
P「そうか。…ああ、そうだ。藍子、少ししたら出るから準備しておくように。…美穂と奈緒もあまり長居しすぎるなよ。おしゃべりもほどほどにな」
美穂・藍子「はい」
P「奈緒、きいてるか?」
奈緒「…おう」
ーーーーーー
北条加蓮「いや、知らないし」
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呼称間違いのお知らせ
×奈緒-私
○奈緒-あたしorアタシ
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ーーーーーーーーー
奈緒「知ってるか加蓮、相手を直接攻撃することだけが悪口じゃないんだ」
ーーー
ーー
美穂「ーーーってことがあって」
奈緒「ははは、美穂も響子と一緒にやればよかったのに」
美穂「そ、そそそんな。無理です、無理です! 恥ずかしすぎます~」
奈緒「美穂は相変わらず恥ずかしがりやだな」
美穂「だ、だだだーーー」
ガチャ
藍子「おはようございます」
美穂「…」
奈緒「…あ、あああ」
藍子「奈緒ちゃん、おはようございます」
奈緒「…おう。おはよう、藍子」
藍子「…おはようございます、美穂ちゃん
」
美穂「…おはようございます、藍子ちゃん」
奈緒「…」
藍子「…」
美穂「…」
「「「…」」」
奈緒「…っ! そ、そういえば藍子って写真撮影が趣味だったよな。えーと…それで…あのちっちゃいカメラってかわいいよな!」
藍子「…トイカメラっていうんですよ」
奈緒「そう! それ! トイカメラ! トイカメラって…えーと…どんなカメラなんだっ?」
藍子「…トイカメラは名前のようにおもちゃのような部品でできてるんです。ほとんど樹脂でできてるから軽いんですよ」
奈緒「へえ、そうなんだ」
美穂「…でも」
奈緒「」ビクッ
美穂「…その場で確認できないのって不便だよね。大事な一枚が枠からはみ出たりしてたら私だったら悲しいな」
藍子「…」
奈緒「…あ…あ…だ、大丈夫だって。ほら、きっと藍子くらいよく使ってればそんな失敗とかしないから。それに、そういう一期一会なのが味があるというか、ほら、アナログってなんか趣があるじゃん?」
美穂「藍子ちゃんのカメラはデジタルだよ」
奈緒「…えっ? そうなの?」
藍子「…はい。アナログのトイカメラと区別するためにトイデジとも呼びますね」
美穂「トイカメラは値段こそ安いけど、クセが強いから。採光の調整も大雑把だし、ピントもあいまい。同じ製品でも品質にばらつきがあって、はずれを引くとまともに写らない。画素数も高いものでも500万。低いものだと30万くらいしかなくて。最近のスマートフォンは1000万画素を越えるものも珍しくないし。アナログのトイカメラはそれでしかできないものがあるからまだ需要があるけど、普通のデジカメで代用できることが多いトイデジは廃れる一方だよ」
奈緒「…へ、へえ」チラッ
藍子「…」
奈緒「…そっか」
美穂「…」
藍子「…」
奈緒「…」
「「「…」」」
奈緒「…っ、…。…そ、そうだ! 美穂、あたしにひなたぼっこの良さを教えてくれないか!」
美穂「…気持ち良く眠れることかな。見る夢も素敵なことが多いんだよ」
奈緒「へえ、あたしもしてみようかな」
藍子「…でも」
奈緒「」ビクッ
藍子「…寝過ぎは健康に良くないですよ。夜に眠れなくなることもありますし」
奈緒「…う…あ…だ、大丈夫だって。ほら、現代人は寝不足がちだからさ、むしろ寝過ぎぐらいがいいよ、うん。それに、ほら、ひなたぼっこをするとビタミンEが増えるらしいし」
藍子「ひなたぼっこで増えるのはビタミンEじゃなくてDですよ」
奈緒「…え? そうだっけ?」
美穂「…うん、ビタミンDだよ。ちなみに、ビタミンDは骨を作るのを助けるの」
藍子「ひなたぼっこでビタミンDができるのは紫外線のおかげだけど、紫外線の浴びすぎは良くないんです。しみやしわの原因になりますし、最悪の場合、皮膚がんを引き起こします。強い日差しを浴び続ければ日焼けもしますよ。弱い日差しでも、目に当たれば毒ですし、人によっては失明することもあるんです。日焼けサロンのような専用の施設の方が、計画的に紫外線を浴びることができますし、いいと思いますよ」
奈緒「あ…う…あ…う」チラッ
美穂「…」
奈緒「…うん」
藍子「…」
美穂「…」
奈緒「…」
「「「…」」」
ガチャ
P「おはようございまーす」
美穂・藍子「「おはようございまーす」」
P「おう、おはよう。美穂、藍子」
奈緒「…おはよう、Pさん」
P「おはよう、奈緒。…なんだか疲れてるみたいだな。これから仕事だが大丈夫か」
奈緒「…うん、大丈夫。問題ないよ…問題ない…」
P「ならいいが、無理そうだったら言うんだぞ。…三人はまたおしゃべりしてたのか」
美穂・藍子「「…はい、奈緒ちゃんとお話してました」」
P「そうか。…持ってく資料まとめるから、美穂と奈緒は先に車乗っててくれ。…藍子は自主レッスンだったか。ほどほどにな」
美穂・藍子「「はい」」
P「奈緒、本当に大丈夫か」
奈緒「…うん、体はバッチリさ…」
ーー
ーーー
加蓮「へえ、そうなんだ。ところでこのネイルどう?」
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ーーーーーーーーー
奈緒「相手を傷つけるためだったら平気で自分を傷つける。ああ、人はなんと愚かな生き物か」
ーーー
ーー
未央「それでねそれでね。未央ちゃんは言ってやったわけですよ。それは卵だよってね」
美穂「あははっ。た、たまご、たまごって」
奈緒「ははっ、未央はツッコミの名手だな」
未央「そしてそしてこれからがおもしろいのです。なんとーーー」
ガチャ
藍子「おはようございまーす」
美穂「…」
未央「…なんと…なん…と」
奈緒「…ちくしょう」
藍子「おはようございます、奈緒ちゃん」
奈緒「…おう。おはよう、藍子」
藍子「おはようございます、未央ちゃん」
未央「…うん。おはよう、あーちゃん」
藍子「…おはようございます、美穂ちゃん」
美穂「…おはようございます、藍子ちゃん」
奈緒「…」
未央「…」
藍子「…」
美穂「…」
「「「「…」」」」
未央「さて。それじゃあ私お仕事行ってくるね!」
奈緒「! 待て、未央!」ガシッ
未央「…ははは。どうしたんだ、かみやん」ググッ
奈緒「…それって勘違いじゃないか。よく確認した方がいいぞ」グググッ
未央「…お仕事があるのは本当だよ」ググググッ
奈緒「…それってもう少し後でも間に合うんじゃないか」グググググッ
未央「…早めの現場いりは当然さ」ググググググッ
「「…」」グググググググッ
未央「…あっ、ダメだよ! 美穂ちゃん! あーちゃん!」
奈緒「…えっ」パッ
美穂「…」
藍子「…」
奈緒「…あ、あれ? …あっ」
ガチャ
未央「それじゃあ行ってきまーす!」
奈緒「こらっ! 未央!」
未央「後でおみやげ買ってくるからね!」
バタンッ
美穂「…」
藍子「…」
奈緒「…うう…」
「「「…」」」
藍子「…そういえば」
奈緒「」ビクッ!
藍子「以前ハロウィンのお仕事をしたときのことなんですけど」
奈緒「あ、ああ」
美穂「…」
藍子「私、トリックオアトリートの代わりに、トリックオアくろねこさん、ってプロデューサーさんにいったんですけど、高校生にもなって幼すぎるかなって」
奈緒「…? あ、藍子らしくていいんじゃないか」
美穂「…」
藍子「…」
奈緒「…えっと、それで?」
藍子「それだけです」
奈緒「そ、そうか」
美穂「…」
藍子「…」
奈緒「…?」
「「「…」」」
美穂「…そういえば」
奈緒「」ビクッ
美穂「私の趣味ってひなたぼっこだけど」
奈緒「お、おう! そうだったな!」
美穂「高校生なのにひなたぼっこって、笑えちゃうよね。まるでおばあちゃんみたい」
奈緒「…? あ、あたしは別にそうは思わないぞ」
藍子「…」
奈緒「…?? …………はっ!」
奈緒「い、いやいや、全然大丈夫だって! 高校生でひなたぼっこしても大丈夫だって! むしろ、斬新なんじゃないかなあ。その…ひなたぼっこはおばあちゃんみたいじゃないよ。あ、あと、さ、さ…散歩も! おばあちゃんみたいなんてことはないからな。あたしはそう思う。本当にそう思う」
藍子「…」
美穂「…」
奈緒「…ところで、美穂ってハロウィンの仕事したことある?」
美穂「………はい、ありますよ」
奈緒「……その、藍子と一緒だったり」
美穂「…はい、一緒にお仕事しました」
奈緒「………トリックお」
美穂「トリックオアくまさんっていいました」
奈緒「…そっか」
美穂「…」
藍子「…」
奈緒「…」
「「「…」」」
ガチャ
P「おはようございまーす」
美穂・藍子「「おはようございます」」
P「おう、おはよう。美穂、藍子」
奈緒「…おはよう、Pさん」
P「おはよう、奈緒。…何か考えごとか、その顔は」
奈緒「…少し、理解できないものを目の当たりにして」
P「そうか。何のことか知らんが、世の中には考えるだけ無駄なこともあるからな。のめり込みすぎるなよ。…ところで未央はどこだ」
美穂・藍子「「未央ちゃんならお仕事に行きました」」
P「やる気があるのはいいが、同行する予定なんだがな」
奈緒「…あっ、そうだPさん」
P「なんだ」
奈緒「未央にわらび餅お願いって伝えて」
ーー
ーーー
加蓮「そんなことよりポテト食べに行こ」
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ーーーーーーーーー
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ーーーーーーーーー
奈緒「知ってるか加蓮、人は仲のいい相手のことを無意識の内にまねるそうだ」
ーーー
ーー
卯月「そしたら凛ちゃんにあきれられちゃって」
藍子「卯月ちゃんらしいですね」
奈緒「卯月はばかだなあ」
卯月「ええ~。奈緒ちゃんひどいよ~」
奈緒「あはは、ごめんごめん」
卯月「それで私ーーー」
ガチャ
美穂「おはようございまーす」
卯月「あっ、おはようございまーす!」
奈緒「…うわー」
藍子「…」
美穂「おはよう、卯月ちゃん」
卯月「おはようございます、美穂ちゃん」
美穂「おはよう、奈緒ちゃん」
奈緒「…おう、おはよう、美穂」
美穂「…おはよう、藍子ちゃん」
藍子「…おはよう、美穂ちゃん」
奈緒「…」
美穂「…」
藍子「…」
「「「…」」」
卯月「そういえば美穂ちゃんと藍子ちゃんって仲良しですよねっ」
奈緒「…は? え…え?」
美穂「…」
藍子「…」
卯月「どうしたんですか? 奈緒ちゃん」
奈緒「いや、えーと…その」
卯月「? …ほら、二人ってよくおしゃべりしてるじゃないですか。私、二人が一緒にいるのをよく見かけますっ」
美穂「…」
藍子「…」
奈緒「ま、待て! 卯月、おしゃべりしてるからって、仲がいいというのは早計じゃあないだろうか?」
卯月「?? …じゃあ良くないんですか?」
奈緒「えっ!? …いや、そういうけじゃ、なくて…えーと」
卯月「美穂ちゃんっ、藍子ちゃんっ。二人は仲良しですよねっ」
藍子「…」
美穂「…」
奈緒「」ドキドキ
美穂・藍子「「…はい、悪くはないですよ」」
奈緒「」ホッ
卯月「えへへ、そうですよね。…それでですね、続きがあるんですよ。実はわたし、昨日ふたりの共通点を見つけちゃったんです。なんと…ふたりとも血液型がO型、しかも…身長と体重が同じなんです!」
美穂「…」
藍子「…」
奈緒「…あ、あわわ、あわ…そうだ! 卯月、これから、食べに行かないか!」
卯月「今からですか?」
奈緒「そうだ。あたしおすすめのおいしい和菓子の店があるんだ」
卯月「わあ、いいですねっ。私行きたいですっ。美穂ちゃんと藍子ちゃんはどうですか?」
奈緒「え!? …い、いや、ごめん。持ってる割引券が二人しか効かないんだ。だから卯月、二人で行こう、な?」
卯月「ええ? それは二人に悪いですよ」
奈緒「いやいや、二人にはお土産買ってーーー」
美穂・藍子「「実は私B型なんです」」
奈緒「くるか…えっ?」
卯月「ええっ、そうだったんですか?」
奈緒「…ええー…おいおい」
卯月「公式プロフィールで見たはずなんですけど、見間違えちゃったかな。…でも、二人ともB型ならやっぱりおんなじですねっ」
奈緒「…卯月、お願いだ。…それ以上…やめてくれ…」
卯月「??? なにをですか?」
美穂・藍子「「…実は」」
美穂「…」
藍子「…」
美穂「…藍子ちゃん先にどうぞ」
藍子「…いえいえ、美穂ちゃんお先にどうぞ」
美穂「…」
藍子「…」
美穂「…それじゃあ私から」
美穂「実は私、体重で鯖をよんでるの」
卯月「ええっ、そうだったんですか?」
美穂「うん、本当は44kgなんだ」
卯月「知りませんでした。…あっ、藍子ちゃんの方はなんでしょうか?」
藍子「私、本当は身長156cmなんですよ」
卯月「ええっ、藍子ちゃんもですかっ?」
藍子「はい、ですから私と美穂ちゃんは同じじゃないですよ」
卯月「うーん。そっか、違うんですか。…他になにかないかな」
美穂「…」
藍子「…」
奈緒「! う、卯月、さっきのわがーーー」
卯月「あっ! でも、二人の趣味って似てますよねっ!」
奈緒「し…」
卯月「お散歩となたぼっこって似てると思いませんか?」
美穂「…」
藍子「…」
卯月「ほら、似てますよねっ」
奈緒「…ああー…やっちゃった」
美穂「…」
藍子「…」
美穂「」チラッ
藍子「」チラッ
美穂「」チラチラッ
藍子「」パチパチッ
美穂「」チラッ
藍子「…」
美穂「…」
美穂 「…実は私、最近はひなたぼっこよりランニングにはまってるの」
卯月「えっ、そうなんですかっ? 初耳です」
美穂「お芝居の仕事もやりたいから、もっと体力つけなくちゃって思って」
卯月「そうだったんですか。美穂ちゃんすごいですね」
美穂「ふふっ、そんなことないよ」
卯月「…あっ、でも。ランニングとお散歩って似てますよね。ほら、お散歩ってウォーキングともいうじゃないですか。ウォーキングとランニングって似てませんか」
美穂「…そんなことないんじゃないかな」
卯月「いえ、絶対にてますって」
美穂「……そうかな」
卯月「はい。島村卯月、そう思いますっ」
美穂「…」
奈緒「…あーーー」
藍子「実は私、最近はお散歩より水泳をすることの方が多いんです」
卯月「ええー、そうなんですか? びっくりです」
藍子「はい。水の中をゆったりと泳ぐのって、すごく気持ちがいいんですよ」
卯月「へえー、そうなんですか。…あっ、でもでも、水泳とランニングって似てませんか。どちらも持久走ですし。えーっと、確か、有酸素運動?でしたし」
藍子「…そうでしょうか」
卯月「そうですよ!」
藍子「……私はそう思いませんけれど」
卯月「大丈夫ですっ。私が保証します」
藍子「…」
卯月「やっぱり、美穂ちゃんと藍子ちゃんの趣味って似てますねっ」
奈緒「う、卯月、わ、和菓子…」
藍子「……そもそも」
藍子「お散歩とひなたぼっこは全く違うものだと思います。お散歩は動きながらするものですけど、ひなたぼっこはしている間じっとしています。お日様だって関係ありません。ひなたぼっこはお日様がなくちゃできませんけど、お散歩は雨の日だってできます。夜でもできます。他にもいろいろな違いがあります。お散歩は歩きながらするものですから、いろいろなところを通りますけど、ひなたぼっこは一ヶ所です。文字数だって違います。平仮名だとおさんぽは4文字、ひなたぼっこは6文字。漢字にしても、お散歩は3文字、日向ぼっこは5文字。目的や効果だって違います。お散歩は景色を見るのが中心ですし、足腰が弱らないようにするためにする人もいます。でも、ひなたぼっこは暖かくなって気持ちよくなるためです。健康のためにするとしても、ひなたぼっこで得られるのは栄養素ですから、お散歩とは方向性が違います。ひなたぼっこは寝ながらできることも違いますね。お散歩を寝ながらなんてできませんから。それから」
奈緒「ストップ! ストーーップ! わかったから! お散歩とひなたぼっこは違うってわかったから! …卯月もわかったよな! …な!?」
卯月「はい、ごめんなさい…。私にはよくわかりませんけど、全然違うものを似てるって言われたら嫌ですよね。私、仲良しの二人がいっしょだと素敵だなって思って、つい」
藍子「いえ、わかってくれたならいいんです」
美穂「…」
奈緒「…」
卯月「…」
「「「「…」」」」
ガチャ
P「おはようございまーす」
美穂、藍子、卯月「「「おはようございます」」」
P「おう、おはよう」
奈緒「…おはよう、Pさん」
P「おはよう、奈緒。…なんだか今日は特に疲れた顔をしてるな、どうした」
奈緒「後ろから撃たれるとは思わなかったんだ…」
P「アニメの話か? 夜更かしはほどほどにな。…美穂、藍子、この資料まとめたら行くから、先に車乗っててくれ」
美穂・藍子「「…はい、わかりました」」
ガチャ、バタン
「「…」」
卯月「二人になっちゃいましたね。…あの、さっきの話ですけど二人で行きませんか。私、奈緒ちゃんおすすめのお店行ってみたいです。二人には悪いですけど、なんだか気になってきちゃって」
奈緒「…あー、そんな話あったな。…ごめん、今日は疲れた。…また今度で」
卯月「ええ~、そんなあ~」
ーー
ーーー
加蓮「こういうのも悪くないけど、私にはお上品すぎるかな」
ーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
美穂「お誕生日おめでとう藍子ちゃん」
ーーーー
ーーー
藍子「……ありがとうございます、美穂ちゃん」
奈緒「……んんっ?」
美穂「これ、私からのプレゼントです」
藍子「ありがとうございます」
美穂「あけてみて」
藍子「はい」
ガサガサ
藍子「……! ……。……わあ、きれいな簪ですね」
美穂「玉簪だよ。藍子ちゃんが使う紙止めは、お花の形がそのまま残ってるのが多いけど、お花の柄のものも似合うと思って。このとんぼ玉ーーガラス玉はね、ひまわり畑をイメージしてるんだって」
藍子「ひまわりと…それを包む青のコントラストがきれいですね」
美穂「よかった。気に入ってくれたみたいで」
奈緒「…なあ、今日ってーー」
藍子「奈緒ちゃん。試しに着けてみたんですけど、どうですか。似合いますか」
奈緒「え!? ……あ、うん。なんていうか……涼しげでいいよ」
美穂「……」
藍子「ふふっ。…どうですか、美穂ちゃん」
美穂「……うん、とっても似合ってるよ」
藍子「美穂ちゃん、ありがとうございます。こんな素敵なプレゼントを選んでくれて」
美穂「ううん、どういたしまして」
奈緒「……あの、水を挿すようで悪いけど。今日は7ーー」
藍子「奈緒ちゃん、写真とってもらってもいいですか。未央ちゃんや茜ちゃんにも見せたくて」
奈緒「ーーーが……え!? ……お、おう、わかった」
美穂「……」
奈緒「はい、チーズ」
ピピピッ…パシャッ
奈緒「……うん、いい感じにとれたかな」
藍子「ありがとうございます。もう一枚いいですか。今度は美穂ちゃんと並んでお願いします。それから今度はこっちのカメラでお願いします」
奈緒「……お、おう。……ってそうじゃなくて! 今日は7月24日! 藍子の誕生日は明日だろ!!
美穂「……」
藍子「……」
奈緒「……」
「「「……」」」
奈緒「……あっ」
美穂「……ごめんね、藍子ちゃん。私、誕生日間違えて覚えてたみたい」
藍子「……いえ、いいですよ。私もさっきまで気付いてませんでしたから」
美穂「へえ、そっかー」
奈緒「……ぁぁ~またやっちゃった」
藍子「こんな素敵なものをもらったんですから御返しをしないといけませんね。……お誕生日楽しみにしていてくださいね」
美穂「……うん、楽しみにしてるね」
ーーー
ーーーー
茜「あぁ~! いいですねぇ! 藍子ちゃんのかわいさが引き立ついい髪止めです! これを選んだ人は藍子ちゃんのことをよくわかってるとみました! どなたですか! この髪止めをプレゼントしたのは!? …………えっ」
ーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
安価のお知らせ
・別SS(鬱ではない
・モバマスのアイドル
下1から有効3つ
と、とりあえず夕美ちゃん
>>126-128
ーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
奈緒「教える、それは格上のものにだけ許された特権なんだ」
ーーーー
ーーー
奈緒「……」カキカキ
藍子「……」カキカキ
藍子「あ、奈緒ちゃん。ここってどうやって解けばいいんですか?」
奈緒「あー、えっとここはーー」
藍子「……あ、そっか」
奈緒「それとそこ間違ってるぞ」
藍子「え? ……あ、ほんとだ」
藍子「教えてくれる人がいるとはかどりますね」
藍子「でもごめんなさい。奈緒ちゃんも自分の勉強があるのに」
奈緒「いや、かまわないよ。これくらいなら自分の勉強しながらでも大丈夫だし」
藍子「そういってくれて少し気が楽になりました」
藍子「今度お礼にクッキー焼いてきますね」
奈緒「うん、楽しみにしてるよ」
藍子「……」カキカキ
奈緒「……」カキカキ
ガチャ
美穂「おはようございまーす」
藍子「……」ボキッ
奈緒「あっ」ボロッ
美穂「おはよう、奈緒ちゃん」
奈緒「おはよう、美穂」
美穂「……おはよう、藍子ちゃん」
藍子「……おはよう、美穂ちゃん」カチカチ
奈緒(消しゴムもげた)
美穂「……勉強してるんですか」
藍子「……はい、奈緒ちゃんに教えてもらってるんです」カキカキ
美穂「……へえ」
藍子「……はい」カキカキ
奈緒「……」カキカキ
美穂「……」
藍子「……」カキカキ
「「「……」」」カキカキ
美穂「……あっ、そこ間違ってるよ藍子ちゃん」
ボキッ
藍子「……ええー、どこですかー」
美穂「……ここだよ、ここー」
藍子「……あ、ほんとだー」
奈緒(シャー芯折れた)
美穂「……よかったら教えてあげようか」
藍子「……ええー、でも奈緒ちゃんに教えてもらってますし」
美穂「……奈緒ちゃんも自分の勉強があるし、私が教えた方がいいと思うよー。奈緒ちゃんもその方がいいよね」
奈緒「え!? ……あっ」ボキッ
藍子「……」
奈緒「あー、それでいいんじゃないか」ゴソゴソ
美穂「ほら、奈緒ちゃんもこう言ってるし」
藍子「……えー、でも美穂ちゃんに悪いですよ」
奈緒(1、2、3……うん、予備のシャー芯もある)
美穂「……気にしないで。藍子ちゃんのためなら喜んで協力するよ」
藍子「……」
美穂「……」
奈緒(えーと、これがこうなってああなってっと)カキカキ
藍子「……じゃあせっかくだからお願いしますね」
美穂「……うん、まかせて」
奈緒(あれ、この問題どうやって解くんだっけ)カキカ…
藍子「……美穂ちゃんまずはこの教科教えてくれませんか」
美穂「……」
藍子「……」
奈緒(あ、思い出した。こうだ)カキカキ
美穂「……ごめんね、藍子ちゃん。その教科私苦手なんだ」
藍子「……えー、そんなんですか。ごめんなさい。じゃあこちらをお願いします」
奈緒「……」カキカキ
美穂「……ごめんね、その教科も苦手なの」
藍子「……えー、そうなんですか。ごめんなさい。じゃあ」
美穂「私はこの教科とこの教科が得意だよ」
藍子「……」
美穂「……」
奈緒(あっ、間違えた。消ゴム消ゴム)ゴシゴシ
藍子「……じゃあこっちをお願いしますね」
美穂「……うん」
奈緒「……」カキカキ
藍子「……」カキカキ
美穂「……」
奈緒「……」カキカキ
藍子「……」カキカキ
美穂「……あっ、そこま」
藍子「その都度指摘してもらうのは手間だと思うのでまとめて採点お願いしますね」
美穂「……」
藍子「……」
奈緒(やばい、解き方がわからない。参考書参考書)ゴソゴソ
美穂「……うん、わかった」
藍子「……」カキカキ
奈緒「……」ペラ…ペラ…
美穂「……」
藍子「……」カキカキ
奈緒「……」ペラ…ペラ…
美穂「……」
藍子「……」カキカキ
奈緒(やばい。マジでわからない。参考書読んでもわからない)
美穂「……」
藍子「……」カキカキ
奈緒(あっ、そうだ。さっき得意って言ってたし美穂に教えてもらおう)
奈緒「美穂、ここの解き方わからないんだけど教えてくれないか」
美穂「うん、いいよ。ここはねーー」
藍子「……」カキカキ
奈緒「うん…うん…ああそっか。そう解くのか」
藍子「……」カキカキ
奈緒「ありがと美穂」
美穂「ううん、どういたしまして」
藍子「……美穂ちゃん採点お願いします」カタン
美穂「……うん、わかった。まかせてね」
藍子「……」
美穂「……」ピッ,ピッ,
奈緒「……」カタン
藍子「……」
美穂「……」ピッ,ピッ,ピッ,
奈緒「……」ピッ,ピッ,
藍子「……」
美穂「……」ピッ,
美穂「……できたよ、藍子ちゃん」
藍子「……ありがとうございます」
奈緒(あれ、なんでここ答え違うんだ?)
美穂「……ここだけどね、ここはこうじゃなくてーー」
奈緒(あっ、やばい。根本的なところで間違ってる。今気付けてよかった)
美穂「……それからね、ここの部分だけどーー」
奈緒(う~ん。この部分いまいちよくわかんないな)
美穂「……あと、ここがーー」
奈緒(また美穂に聞いてみようかな)チラッ
奈緒(……ん?)
美穂「……それでね、こうすると」
奈緒「なあ、美穂」
美穂「なあに、奈緒ちゃん」
奈緒「そこの採点間違えてないか。ここの部分だけど」
美穂「……」
奈緒「確かこれはこの回答でも良かったはずだと思ったんだけど」ゴソゴソ
美穂「……」
奈緒「……あった。ほら、ここ。別解が乗ってるだろ。これは正解だよ」
美穂「……」
藍子「……」
奈緒「……? ……あっ」
藍子「……美穂ちゃん、気にしないでください。間違いは誰だってありますから」
美穂「……ごめんね、藍子ちゃん」
藍子「……いえいえ、続きお願いしますね。この教科得意なんですよね」
美穂「……うん、今度は絶対に間違えないから」
奈緒「……あー」
藍子「……さっきの分はもう大丈夫なので他の問題解きますね。終わったら採点お願いします」
美穂「……うん」
奈緒「……」
藍子「……」カキカキ
美穂「……」
奈緒(やばい。解き方ききたいけどききづらくなった)
藍子「……」カキカキ
美穂「……」
「「「……」」」カキカキ
ガチャ
P「おはようございまーす」
美穂・藍子「「おはようございまーす」」
P「おう、おはよう。美穂、藍子」
奈緒「……おはよう、Pさん」
P「おはよう、奈緒。……どうした。額にシワよってるぞ。勉強してるみたいだが、難しい問題でもあったか」
奈緒「Pさん、あたしは正しいことをしたと思うんだ。なのになんだろう、このモヤモヤは」
P「なんのことを言ってるのかわからんが、わからないことがあったら人にきくのが一番だぞ。……美穂、仕事行くぞ。準備できでるか」
美穂「はい。……藍子ちゃんごめんね、最後まで見れなくて」
藍子「……いえいえ、大丈夫ですよ。美穂ちゃんがいなくても」
P「よし、それじゃ行くか。……奈緒、藍子、勉強がんばれよ」
ガチャ、バタン
奈緒「……」
藍子「……」
奈緒「……あっ、解き方ききわすれた」
ーー
ーーー
加蓮「ごめん聞いてなかった。そうだ、おわびにネイル教えてあげるよ」
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