右代宮戦人「やはり俺の青春ラブコメは全っ然ダメだ!」 (34)

・うみねこ×俺ガイルのクロスSS
・都合により一部のキャラの性格が、少しだけ変化
・EP8までのネタバレあり


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平塚「右代宮、なぜ呼ばれたか分かるか?」

戦人「いや、さっぱりだ」

平塚「……」ギロ

戦人「そんな睨まないで下さいよ。この間に書いた作文に何か問題なる様な事でも書いたっすか?」

平塚「あの作文自体の出来はなかなかだった。チャラチャラしてそうで意外と知的な文章が書けるんだなお前は」

戦人「恐縮っす」

平塚「……最後の一行を除いてな」

先生は、俺が書いた作文の最後の一行に指をさしながら見せ付ける
そこには真面目な文章内容から一気に脱線した内容が綴られていた

平塚「お前な…『学校を卒業するまでには、大きなおっぱいを揉んでみたい』とはどういう事だ!?」

戦人「ああそれっすか…やっぱダメっすよね?その部分」

平塚「分かっててなぜ書いた!」

戦人「いやいや、自分の素直な気持ちを書けと言ったのは先生っすよ。何ならあの時の言葉を俺が赤で宣言しましょうか?」

平塚「なに意味のわからない事を言ってるんだ…」

>>2(訂正)

平塚「右代宮、なぜ呼ばれたか分かるか?」

戦人「いや、さっぱりだ」

平塚「……」ギロ

戦人「そんな睨まないで下さいよ。この間に書いた作文に何か問題なる様な事でも書いたっすか?」

平塚「あの作文自体の出来はなかなかだった。チャラチャラしてそうで意外と知的な文章が書けるんだなお前は」

戦人「恐縮っす」

平塚「……最後の一行を除いてな」

先生は、俺が書いた作文の最後の一行に指をさしながら見せ付ける
そこには真面目な文章内容から一気に脱線した内容が綴られていた

平塚「お前な…『学校を卒業するまでには、大きなおっぱいを揉んでみたい』とはどういう事だ!?」

戦人「ああそれっすか…やっぱダメっすよね?その部分」

平塚「分かっててなぜ書いた!」

戦人「いやいや、自分の素直な気持ちを書けと言ったのは先生っすよ。何ならあの時の言葉を俺が赤で宣言しましょうか?」

平塚「なに意味のわからない事を言ってるんだ…」

平塚「とにかく…書いて良いこと、悪いこと位分かってるなら、最後まで真面目に書け!」

戦人「うっす」ジトッ

戦人「……」ジーッ

平塚「ん?なんだジロジロとこっちを見て…」

俺の視線は、平塚先生の胸部へと向かう

戦人「先生、俺に二度とあんな作文を書かせない方法がありますよ」

平塚「は?そんなもの自分が気をつければいい事だろう」

戦人「いやいや、生徒の要望を聞くのも教師の役割かと」

平塚「はぁ…何だ、言ってみなさい」

戦人「いっひっひ!それは…先生のその豊満はお乳を是非とも俺に揉」ワキワキ

平塚「職員室で教師にセクハラをするな!!」ボゴッ

戦人「ぶべらっ!!」

両手をさりげに伸ばしたが俺の願望は叶わず、代わりに平塚先生の鉄拳が俺の腹部を襲う

戦人「痛てて…暴力は反対だぜ…」

平塚「セクハラも反対だ!全く…」

平塚「そもそも今日、お前を呼んだのは作文の事だけじゃない」

戦人「へ?まだ何か…」

平塚「女子から右代宮にセクハラをされたと言う苦情が殺到していてだな」

平塚「今日はその事について根掘り葉掘り聞いておこうと思ってな」

戦人「待ってください。俺はセクハラしてません。あれは全部未遂ですって」

平塚「同じような物だ!!」ボゴッ

戦人「ふげ!!」

ちょっとしたイタズラ心で触ってやろうと思っただけだ
そしてその度にぶん殴られて、結局未遂で終わっている。つまりこれはセクハラ自体が成立していない!

だがそんな主張も虚しくまたしても平塚先生の鉄拳を喰らう事に

平塚「全く…残念なイケメンを地で行く男だな」

戦人「先生こそ美人なのに未だに結婚できてない残念な三十路の」

平塚「あ?」パキポキ

戦人「何でもありませんごめんなさい」

平塚「……とにかく、キミには罰が必要だ」

戦人「罰?なんすか掃除でもさせる気ですか」

平塚「付いてきたまえ」

平塚「ここだ」

戦人(…?プレートには何も書かれていない。空き教室か)

空き教室の扉を開けるとそこには、校内でも有名な美少女がイスに座って読書をしていた

雪乃「先生、ノックをして下さい」

平塚「ノックをしても返事をしないじゃないか…まあいい、入部希望者だ」

戦人「乳部希望?なんだか希望に満ち溢れた部活動だな」ニヤニヤ

平塚「漢字が違う。入部希望だ」

雪乃「……F組の右代宮君ね」

戦人「お、なんだ俺の事知ってんのか」

雪乃「変態で有名なの少しは自覚したら?」

戦人「せめておっぱいソムリエと呼んでくれ」

平塚「雪ノ下、見てのとおり彼はどうしようもない変態でな」

平塚「彼の更正を頼む」

雪乃「お断りします。その男の下卑た目を見ていると身の危険を感じます」

戦人「あー…その心配はいらねぇよ。アンタ美人だけど…いや何でもない」

戦人(ちょーっと物足りないんだよなぁ~…)ジーッ

雪乃「……なぜかしら、今物凄くイラッと来たのだけれど」

平塚「それじゃ雪ノ下、あとは頼んだぞ」

雪乃「……」ペラッ

平塚先生が退出してからも、彼女は俺の方など向きもせず読書を再開する

何を読んでいるのだろうか。書店のブックカバーでタイトルが隠されていて分からないから、後ろから中身を覗き見る

雪乃「……」

戦人「なるほど…アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』か」

雪乃「あら意外ね。変態のアナタがこの本を知ってるなんて…しかもちょっと中身を見ただけで瞬時に判断するなんて」

戦人「こう見えて昔から文学少年なんでな」

雪乃「官能小説でも見てたのかしら?」

戦人「へっへっへ。そういうのは文字より写真で見る方が好みだな」

戦人「で、他にはどんなの読むんだ?」

雪乃「……最近では、『さくたろうの大冒険』の原作を読んでるわ」

戦人「ほう。俺もむかし全巻読破したぜ」

雪乃「作者の寿ゆかりの作品は、どれも素晴らしい作品ばかりだわ」

雪乃「数年前に亡くなったのが残念でならないわ」

戦人「……………」

――数分後

平塚「その後の調子はどうだね」ガララッ

雪乃「……」

戦人「先生、この部は一体何をする部活なんすか」

平塚「なんだ、まだ教えてなかったのか。説明してあげなさい」

雪乃「……そうね。ではゲームをしましょう」

雪乃「ここは何部でしょう?」

戦人「唐突だな…」

戦人「ヒントをくれ、ほかに部員は?」

雪乃「いないわ」

戦人(部員は彼女と、今入った俺意外にいない…)

この部屋に来る前、先生に『掃除か何をさせる気か』と聞いた
平塚先生は詳しく話さずスルーしたが、特に否定もしなかった

つまりボランティアに近い事をやっている部活である可能性がある
しかし正直にボランティア部と言わない所を見ると、他の可能性もある

そして先生は彼女に俺の『人格の更正』を委託した

戦人「……」

雪乃「無言という事は降参かしら?」

……よし、こうなったら一か八か賭けてみようじゃねぇか

戦人「赤で宣言するぜ」

雪乃「は?」

平塚「だから何なんだその赤って言うのは」

この部活は奉仕部だ
そして活動内容は悩める生徒、あるいは問題ある生徒を受け入れ、問題解決を共に取り組む事だ!

雪乃「っ!!?」ビクッ

平塚「いっ!?」ビクッ

雪乃(なに今の…脳内に赤い文字が浮かび上がったわ…)

平塚(何なんだ今のイメージは…)

戦人「で、どうなんだ?」

雪乃「……何か腑に落ちないけど正解よ」

平塚「よ、よく分かったな」

戦人「いやー適当に推理をしただけなんすけどね。まさか当るとは」

平塚「……とにかく、お前はここの部活動を通して他の生徒の悩みを聞きながら、自己改革をしていってほしい」

戦人「別に良いっスよ。何か面白そうだし」

平塚「意外だな。もっと駄々こねるとおもったが」

戦人「でも淡々と問題解決をするだけじゃつまんないから、何か報酬とかあると燃えるですけど」

平塚「ふむ、ならばどちらが人に奉仕できるか勝負し、その勝者は敗者に何でも命令できると言うのはどうだ?」

戦人「え、マジ!?」

平塚「おい、鼻の下が伸びてるぞ」

戦人(でもあのおっぱいじゃな…)チラッ

雪乃「私のほうを見ないでくれるかしら?なぜかイラッとするのだけれど」

戦人「ま、よろしく頼むぜ雪乃」

雪乃「い、いきなり下の名前で呼ばないでくれる?」

翌日

結衣「あれ、ウッシー!?何でココにいるの!?」

次の日、俺が部室で雪乃と話していると、同じクラスの結衣が相談に来た

戦人「ああ結衣。昨日からここの部に入部させられてな」

雪乃「F組の由比ヶ浜さんね。どうしたの?」

結衣「えっと実は…」

【家庭科室】

戦人「クッキー作って渡したい人がいる…か」

結衣「う、うん」モジモジ

雪乃「では料理を開始するわ」

結衣「はーい」

雪乃「いい?奉仕部はあくまでアナタの成長の手助けをするだけ」

戦人「飢えた人に魚を与えるのでなく、魚の取り方を教えて自立を促すって奴だな」

――調理後

雪乃の作ったクッキーはなかなか上手かった。その味は魔法で作ったクッキーと同等と言っていい
だが結衣のクッキーは指導してもらったにも関らず、木炭の様だった

結衣「あうう…上手くいかないよう…」

雪乃「先が思いやられるわね…」

戦人「これ、このままでいいんじゃねぇか」

雪乃・結衣「え?」

戦人「何事も心が大事だと思うんだ」

戦人「良いじゃねぇか。マズイ黒こげクッキー。かえってそっちのほうが良い意味で生々しくて、気持ちも伝わりやすいってもんだぜ」

結衣「……ウッシーも、こんなクッキーでも貰ったらうれしい?」

戦人「ああ勿論だ。超うれしいね」

雪乃「……」

戦人「ただひとつ聞かせてくれ」

戦人「そのクッキーを渡したい人ってのはお前にとって何なんだ?」

結衣「え?ふぇ!?///」

聞いた途端にキョドッた様な声を出す
すっかり顔が赤くなっている

戦人「言い辛いなら無理に言わなくても良いが、どうしてクッキーなんて渡そうと思ったんだ」

結衣「えっとね…その…」モジモジ

結衣「昔、アタシのペットが車に轢かれそうなった時、助けてくれた人がいて…」

雪乃「………………」

やけにモジモジと顔を赤らめながら説明する結衣、そしてなぜか急に神妙な表情になる雪乃

結衣「その、まだちゃんと本人にお礼してなかったし…」チラッ

戦人「へー助けてもらったお礼ねー…そういや俺も入学式の日に事故って…」

結衣「」ビクッ

雪乃「」

戦人「……ん?」

戦人「あ、あれ?お前まさか…あの時の」

結衣「あ、えと…分かっちゃった?」

戦人「そうか!お前あの時の犬の飼い主か!」

雪乃「………………」

結衣「ご、ごめんね…今まで黙ってて…」

戦人「良いって良いって!全然気にしてねぇよ」

戦人「いっひっひ。そうか、俺の為にクッキーのプレゼントを考えてたのか。なんか照れちまうな」

結衣「でもまだこんなんだし…やっぱりもうちょっと練習してから渡すよ」

戦人「俺としちゃこの状態でもいいけど…まあいいや」

戦人「いつでも待ってるからよ。気が向いたら渡しに来いよ」

結衣「う、うん///」

戦人「そういやあの時、ぶつかった車は黒塗りの高級車だったんだよな」

結衣「あーそういえばそうだったね!あたしもあの時は気が動転してそこまで気が回らなかったけど」

戦人「あんな高級車に乗るなんてどこぞの金持ちなんだか」

戦人(前世でも乗った事無いんだよなあんな車。親父の趣味じゃなかったんだろけど)

戦人「ん?」

雪乃「……………」

戦人「ところで雪乃、さっきから黙ってるけどお前大丈夫か?顔色悪いぜ」

雪乃「え?あ…いや、べ、別に…」

戦人「……」

目が泳いでいる。そして明らかに顔面が真っ青になっている

あの雪乃がここまで動揺するのは何かあるとしか思えない

そして当然、無意味に動揺するなんて考えられない
よし、せっかくだしここは…

戦人「結衣、お前はいつか俺の為にクッキーを渡してくれるんだよな?」

結衣「え、うん。それがどうしたの?」

戦人「知り合いに雪ノ下に負けないぐらいのクッキー作りの名人がいる。せっかくだから食べさせてやろうと思ってな」

結衣「え、マジ?じゃあ今度一緒に…」

戦人「今度なんて悠長な事は言わせないぜ」

戦人「今すぐさ」

パチンッ

俺が指を鳴らすと同時に、一気に空間が変化する
そして家庭科室から、白く丸い洋室の空間が広がる

雪乃「」

結衣「」

戦人「ようこそ、俺の固有結界へ」

結衣「え?ちょ、これ、なにこれ」

結衣「って言うか何で黒いマントなんか羽織ってるの!?」

戦人「今のおれは右代宮戦人じゃねぇ。魔術師・バトラだ」

結衣「ま、まじゅつし!?」

雪乃「」

戦人「ロノウェ、来い」パチンッ

ロノウェ「これはこれは…長い間、ご無沙汰しておりました」

戦人「久しぶりだな、黄金郷にいる皆や親父達は元気か?」

ロノウェ「ええ。みな戦人様達を温かく見守ってますよ」

戦人「そうか。良かったぜ」

戦人「早速だがそこのふたりにお茶とクッキーを」

ロノウェ「かしこまりました」パチッ

ロノウェが頭をさげ、指を鳴らすと同時に、小さなテーブルが雪乃と結衣の前に現れ、何処からとも無く紅茶とクッキーが置かれる

ロノウェ「どうぞ、お客様」

雪乃・結衣「」

戦人「あ、紹介が遅れたな。こいつはロノウェ。悪魔の中ではそれなりの地位があるみたいだが…まあ実際そんな悪い奴でもない」

戦人「たまに主君への礼儀を欠くが、俺は気にしない。さあ食え」

結衣「おいしい…!」

雪乃「確かに、これは確実に私よりも上のレベルにあるわ…」

ロノウェ「恐縮です」

戦人「気に入ってもらえて何よりだぜ」

雪乃「……で、そろそろこれは何なのか説明してもらえる?」

戦人「まああれだ。ちょっとした余興みたいなもんだ」

雪乃「なぜこんな事を…それにその黒いマントはなんなの」

戦人「だから言っただろ。今のおれは魔術師バトラだって」

雪乃「……………」

理解に苦しんでいるのか、雪乃はテーブルに肘を付け片手で頭を抱える
一方、結衣は純粋に紅茶と菓子の味に感動してるのか、すっかり笑顔になっている

戦人「俺も魔法を使うのは随分久しぶりだからな。まさか使えるとは思わなかったが…試してみるもんだな」

ロノウェ「しかし基本的に人間である故、昔よりもだいぶ魔力は衰えたと思います」

戦人「ま、そこは仕方ないぜ」

雪乃「……」

戦人「さて、んじゃそろそろ本題に入ろうか」

雪乃「ええ、話してくれるかしら」

戦人「ちょっとしたゲームをしたかった」

雪乃「ゲーム?」

戦人「俺は魔術師だから真実を赤でもって宣言する」

戦人「雪乃。お前は人間だから青き真実で答えろ」

雪乃「……話が一方的過ぎて読めないのだけれど」

戦人「これはあくまでも俺の予想だが」

戦人「俺が去年の事故のとき、お前はすぐ近くにいたんじゃないかと思ってな」

雪乃「!?」

戦人「ああ、勘違いしないでくれ。別に責めてるわけじゃない」

戦人「ただ一応事実は知りたかったからな」

戦人「細かいルールとかもあるが、ここでは無視しても問題ない」

雪乃「……」

戦人「さあ行くぜ」

戦人「俺と結衣が事故の件を話していたとき、お前は明らかに動揺してた」

戦人「あの威風堂々としているお前が、事故の話をした時から明らかに様子がおかしかった」

戦人「だから俺はこう思った」

一年前の入学式の朝、雪ノ下雪乃はあの高級車の乗っていた
勿論、運転手は別にいたが確実に事故の現場を窓越しに目撃していた

しかしお前は今日まで、実はあの事故の被害者は俺だと分からなかった

雪乃「ぐっ…」

雪乃(なんなの…言葉ではうまく言えないけれど…心にわずかな痛みが…)

戦人「さあ雪乃、次はお前の番だ」

雪乃「………………」

雪乃「ええそうよ。私はあの車に乗っていたわ。そして窓越しだったから、アナタの姿をキチンと記憶しきれず今日まで忘れていたわ」

雪乃「だからその…ごめんなさい…」

戦人「へ?」

雪乃「本当に申し訳ないわ」

戦人「おい。おいおい…そこは青き真実で語らないとダメだろう」

戦人「これはゲームなんだぜ?そんな事を宣言したら…もう負けを認めたようなもんじゃねぇか」

雪乃「え?」

雪乃は贖罪の想いを浮かべつつも『何を言ってるんだ』とも言いたげな怪訝な表情でコチラをみる

戦人「雪乃なら頭の回転も早いし、良いゲームが出来ると思ったんだがな」

ロノウェ「ぷっ、くくくく…戦人様。何もかも展開が強引過ぎて、彼女はいまいち状況を理解し切れてないと思いますが?」

戦人「そうか。俺の説明不足か…」

雪乃「何がなんだかサッパリだけれど…これだけは言えるわ」

雪乃「私は嘘は付かない主義なの。だから真実を捻じ曲げてまで自己擁護をするつもりは無いわ」

結衣(話が全くついていけない…)

戦人「んじゃ残念だが早々にゲームを終える。じゃあなロノウェ」

ロノウェ「ええ、我が主」

結衣「き、消えちゃった…」

戦人「よし…それじゃ俺たちも現実に戻ろうか」パチッ

指を鳴らすと同時に、白い結界は崩れ去り、元の家庭科室へと戻る

結衣「ん、あれ…あたし寝てたのかな」

雪乃「んん…夢?」

結衣「あれ、雪ノ下さんも寝てたの?」

雪乃「ええ。何か不思議な夢を見ていたわ」

結衣「うんあたしも。なんかウッシーが魔術師になってて、渋いおじさんが作った美味しいクッキーを食べたり…」

雪乃「夢の内容が私と一緒ね…」

雪乃・結衣「……」

戦人「おう、やっと起きたか二人とも」

キーンコーンカーンコーン

戦人「チャイムもなったし、そろそろ帰ろうぜ」

雪乃「待ちなさい。さっきのアレは何だったの」

戦人「ん?何のことだかさっぱりだな」

結衣「とぼけないでよ!ウッシーはなんで魔法なんか使えるの!?」

戦人「お前ら寝ぼけてるんじゃねえの?とっとと顔洗って家に帰りな」

結衣「もう!話をはぐらかさないで!」

雪乃「納得いかないわ…」

――道中

『戦人様、先ほどぶりです』

戦人「おっとビックリした。さっき振りだなロノウェ」

ロノウェは姿こそ見えないが俺の脳内に直接、語りかけてくる

『いつから思い出されたんですか?過去の自分を』

戦人「去年の事故からだ。ショック療法みたいな原理で思い出したっぽいな」

『ぷっくくく…よりによってショック療法で思い出すとは…くくく』

戦人「全くおかしな話だぜ」

戦人「しかも何の偶然か、容姿から性格、名前まで前世と一緒だ」

『おまけに何故か魔法まで扱える』

戦人「自分で言うのも難だが、今風に言うとチート能力ってやつだな…まあ基本人間だから、前よりも衰えてるし使える能力は限られてるが」

『謎を解明するには特化した能力であると思いますけどね』

戦人「……今なら妹が意味不明な中二病的な発言をしていたのも頷ける」

戦人「妹はもうとっくに思い出してるんだろ?」

『妹様は物心が付く頃には全て思い出してました』

戦人「だよな…まあ恐らく俺は二番目だろうな」

『他の方は容姿も性格も変わってる可能性があります。もちろん名前も』

戦人「だよな。前世の従兄弟さがしはまだまだ困難を極めそうだ」

『戦人様、お探しなのは従兄弟の方々だけではないハズですよ』

戦人「ああ、分かってる。ベアトも探さないとな」

戦人「黄金郷から旅立つ時に約束した」

戦人「必ずみんなで再会して、そして皆のその人生を見届けると」

戦人「俺の勘だが多分、容姿が特に変わってるのは、紗音ちゃんに嘉音くん、そしてベアトだろうな…」

『元々の存在は1つでしたからね。個性が完全に分かれた分、個の意識は当然強いでしょうし、それは容姿にも影響が出るはずです』

『それで戦人様、今後はあの奇妙な部活を正式に入部する予定なのですか?』

戦人「ああ。強引に入部させられたが、何か面白そうだしな」

戦人「それに従兄弟探しに役立つかもしれねぇ」

『そうですか、我が主の青春に栄光あることを祈ります』

『ではここで失礼します』

戦人「ああ、またな。黄金郷にいるみんなにもヨロシク伝えておいてくれ」

戦人「……」

必ずしも同じ地域にいるとは限らない、これから社会に出た後に再会する可能性もある
だがいま通っている学校に朱志香や譲治兄さん、真里亞がいる可能性だってある

戦人「よし…問題を解決しまくって、必ず再会してみせるぜ!」

戦人「そして今度こそ現世での幸せを掴み、俺たちは天寿を全うする」

今日はここまで
色々無理ある設定だけど、目を瞑ってくれ

次回はできるだけ早く更新します

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