【ガルパン】優花里「冷泉殿を起こすために戦車発進します!」 (19)

仲良くなってからの試合前みたいな感じ

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倉庫


優花里「空砲の準備完了しました!」

みほ「わかりました!発進します!」

優花里「パンツァー・フォー!」

ゴゴゴゴ

優花里「あああああああ!いつ感じてもたまりません!この揺れ、この音!」

みほ「あはは、パンツァーハイ……」

優花里「パンツァーハイでもいいじゃないですかー!」

みほ「そうだね……実は私もちょっとテンション上がり気味かも」

優花里「そうなんですか?」

みほ「いくつか理由があるんだ。一つ目は寝坊する人起こすために空砲撃つなんてちょっとやんちゃしてた小さい頃を思い出して」

優花里「確かに中々ぶっ飛んでますよね……他の理由はなんですか?」

みほ「他も色々あるけど、みんなのおかげかな?」

みほ「前にも言ったけどみんなと出会って、戦車に乗っているのがすごく楽しくなったんだ」

みほ「みんなと戦車に乗っていると、ふとした時幸せを感じるの」

優花里「西住殿……」

みほ「まあ車長は常に冷静で居ろって仕込まれてるから試合中や練習中は条件反射で冷静になっちゃうんだけど……」

みほ「他にも相手に無礼がないように試合終了直後も……時々抑えきれずにはしゃいじゃう時もあるけど」

みほ「試合会場への移動中も戦術について考えてることも多いかな」

優花里「へぇ~、だからあんなに冷静なんですか……」

みほ「でも今は秋山さんと一緒にはしゃいじゃおうかな。止める人も居ないし」

優花里「あ、じゃあアレ言っちゃいますか?」

みほ「うん!いいね!」

優花里「おお!伝わりましたか!では行きますよ!」

「「ヒヤッホォォォウ!最高だぜぇぇぇぇ!! 」」

優花里「私としては西住殿が普段からやってるアレやってみたいです!」

みほ「アレって何?今度はわからないや」

優花里「車長用のハッチ……キューポラから半身乗り出す奴です!」

みほ「じゃあ、体験してみる?」



優花里「お、おおおおおお、これは中々……!」

みほ「もうちょっとスピード出すよ」

優花里「西住殿は普段こんな景色を見ていたんですね」

みほ「でも優花里さんも戦車から顔を出してたよね?」

優花里「車長の場所から顔を出していると考えるだけで誇らしげになれます!特にこの四号は尊敬する西住殿が車長を務める車両ですからなおさらです!」

みほ「あはは、優花里さんに尊敬されちゃった」

みほ「あ、でも私も優花里さんを尊敬してるよ?」

優花里「ほ、本当ですか!?ど、どんなところでしょうか!?」

みほ「結構勢いとノリで行動するところ」

優花里「私はアンツィオですか!?」

みほ「アンツィオに知略が加わった感じかな。いきなりコンビニの定期便に乗って偵察に行ってきたと報告してきた時はびっくりしたよ」

優花里「あ、あれですか……西住殿の役に立ちたいと思って……」

みほ「うん、すごく助かったよ~」

優花里「あの時の私は西住殿の忠犬になりたいと思っていましたからね~」アハハ

みほ「あはは……」

みほ「じゃあ今の優花里さんはどうなの?」

優花里「西住殿さえ良ければ忠犬を名乗らせてもらっても!」

みほ「わー、でっかいわんちゃんだ~そばにおいで~撫でてあげるー」

優花里「わんわんっ!」

みほ「わー!わしわし」ナデナデ






みほ「……思ってたより私達テンション上がってたんだね」

優花里「で、ですね……」

優花里「でもせっかくだからパンツァーハイを維持しておきましょう!」

みほ「そうだね、戦車の中ではっちゃける機会なんて中々ないし」

優花里「あ、西住殿!コンビニを発見しました!偵察に向かいますか!?」

みほ「いえ、ここは攻撃を仕掛けましょう!駐車場に停車後総員下車、コンビニを強襲!」

優花里「了解!」



イラッシャイマセー

優花里「……ところで何か用事ってありましたっけ?」

みほ「あれ?優花里さんがあるんだと思ってた」

優花里「西住殿ならコンビニに食いつくだろうと思ってノリで言いました」

みほ「あはは…1時間あったらじっくり見ていくんだけどね」

みほ「そうだ、麻子さん用の飲み物でも買っていこうか」

優花里「いいですね。目が覚めそうなの探しましょう」

みほ「これなんてどうかな?」

優花里「お、いいですねー。これにしましょう」

優花里「ところで西住殿」

みほ「なあに?」

優花里「戦車に鍵かけました?」

みほ「え、あ?かけてないかも……見てくるね」




みほ「もう、考えてみたら戦車に鍵なんてないよー」

優花里「あはは、飲み物は買っておきましたから行きましょう」

みほ「ついたね」

優花里「まだ結構時間ありますけどどうします?」

みほ「早く起こすのもあれだからちょっと待ってようか」

みほ「もうちょっとはしゃぎたいし」

みほ「ところで」

優花里「なんですか?」

みほ「少しさっきの事怒っているんだよね」

優花里「え?」

みほ「優花里さんは私の事を何だと思っているんだろうなーって」

優花里「に、西住殿……?」

みほ「戦車に鍵かけ忘れてないかとからかうとか西住流の家元の娘にやることじゃないよね」

みほ「それにまるで私がコンビニに目がないみたいに……」

優花里「え、ええええ……そんなつもりじゃ……」

みほ「そんな優花里さんには……」






みほ「わしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃー!」

優花里「くぅぅぅん♪」

みほ「わしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃ」

優花里「きゃうんきゃうんきゃうんきゃうんきゃうん」

みほ「わしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃ」

優花里「わふー、わふー、わふっー!」

みほ「わしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃ」

優花里「きゃんきゃんきゃんきゃうーん!」

みほ「わしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃ」

優花里「ごろごろごろごろごろごろごろごろ」

みほ「わしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃ」

優花里「にゃにゃにゃにゃにゃ」

みほ「猫さんになったー♪」

みほ「ふぅー、早いけどやっぱりそろそろ行こうか……あっ」

優花里「え、なんですか?」

みほ「キューポラのハッチから麻子さんが覗いてた」

麻子「……いや、私は何も見てなかった。たった今来たところだ」

優花里「……どこから見てましたか?」

麻子「知らん。強いて言うなら秋山さんが撫でられてるところからだ」

優花里「やっぱり見てたじゃないですか!」

みほ「麻子さん早起きじゃない?」

麻子「昨日は19時に寝た。その甲斐あってかさっきⅣ号の走行音で起きた」

麻子「Ⅳ号が家の前に止まったから迎えが来たのかと思ったが中々出てこなかったから覗いてみたんだが……」

麻子「その、なんだ、私は何も見ていなかった」

みほ「麻子さんもどう?」

麻子「さすがに西住さんのペットになるつもりはないな」

優花里「あ、あの、私もペットじゃないです」

麻子「傍から見ていたらペットだった」

優花里「そ、そんなあ」

麻子「そういえば沙織や五十鈴さんは来るのか?姿が見えないが」

みほ「今回は集合場所に居るって」

麻子「そうか、沙織が来ないのは珍しい。じゃあもう出発でいいな」

麻子「すまないが途中でコンビニに寄ってくれないか。朝食が取りたい」

優花里「あ、飲み物なら買ってきました」

麻子「おお、ありがとう……」ゴク

麻子「ぶほっ……な、なんだこれは……濃縮干し芋ジュース?」

優花里「はい、栄養ありそうでしたので」

麻子「すでに普通のサツマイモよりも濃厚な干し芋を濃縮するとかおかしいぞ……」

麻子「そういえばみほさんはコンビニ好きじゃなかったか?」

優花里「そんなこと言ってると西住殿にわしゃわしゃされますよー?」

みほ「わしゃわしゃしないよ?」

麻子「だそうだ」

みほ「優花里さんはわしゃわしゃしやすいからなあ」

優花里「不平等ですー!」

みほ「じゃあ、麻子さんにも」

麻子「ああ、西住さん、撫でないでくれ。寝てしまう」

優花里「私の時となんだか違うー……」

みほ「あれは優花里さんをわしゃわしゃする口実だったし…」

麻子「もしかしてこの飲み物を買ったのって今目指してるコンビニか?」

みほ「そうだよ?」

麻子「だとすると戦車で二度目の入店なのか……目立つな」

麻子「いっそのこと文字通り戦車で入店するか?」

みほ「いいかも」

麻子「じょうだ……きょ、今日の西住さんはノリがいいな」

優花里「今の西住殿はパンツァーハイ気味なんです」

麻子「それにしても目がマジだったぞ……パンツァーハイだと西住さんは戦車でコンビニに突っ込むのか……」

みほ「冗談だよ?」ニコニコ

優花里「目立つというか、そもそも戦車を駐車してる時点で私達だってばれているようなものですし……」

麻子「戦車で入店はともかく、派手に駐車してみるか。運転は任せろ」

優花里「あ、あれ?冷泉殿もパンツァーハイ?」

麻子「こんなすがすがしい目覚めは久しぶりなんだ。ちょっとは気分も良くなる」

みほ「で、でも他の車とか巻き込まない?道路とか傷つけない?」

麻子「そうだな。自信はあるが試合前に厄介ごとを起こすこともないか」

優花里「ちなみにどんな操縦するつもりだったんです?」

麻子「駐車場内で履帯切れる覚悟で三回転して駐車」

優花里「本当にやらなくて良かった」

みほ「ジェットコースターみたいになりそうだね……」

優花里「そんなこんな言っているうちに着きましたね」

みほ「総員下車、コンビニを強襲します」

麻子「なんだそのノリは」

優花里「さっきもやったんですよ」

イラッシャイマセー

麻子「とりあえず水が欲しい」

優花里「濃縮干し芋ジュースはお気に召しませんでしたか?」

麻子「当然だ、会長にでもあげよう」

みほ「私も何か食べておこうかな」

麻子「水、水の次は……ケーキ……」

優花里「冷泉殿、朝からケーキはちょっと」

麻子「なぜだ。なぜおにぎりが許されて同じくほぼ炭水化物であるケーキが朝食として許されないんだ」

麻子「それに最近はパンケーキを朝食として食べる家庭も増えているそうだ。何の問題がある」

みほ「まあ、試合前だし好きな物食べて調子づけるのもいいんじゃないかな」

麻子「買ってきた」

沙織「あ、やっぱり居た~」

優花里「あ、武部殿!おはようございます!」

麻子「沙織がなんでここに居るんだ」

沙織「Ⅳ号がそこにあったから」

麻子「納得した」

華「私も居ますよ」

麻子「五十鈴さんか、おはよう」

優花里「ところで武部殿はどうして今日起こしに来なかったんですか?」

沙織「私が麻子の目覚ましみたいに言うのやめてよ……いや~実は深夜に美容の番組やっててそれを見るから麻子起こすほど早起きできる自信無かったんだ」

麻子「美容のための番組なのに美容に悪い夜更かし前提なのか」

みほ「録画でも良かったんじゃ……?」

沙織「うちのテレビに録画機能ないんだよね、実家ならあるんだけど」

麻子「試合前だというのにお前ときたら……」

優花里「あ、聞いてください!今日の冷泉殿は自力で起きたんですよ!」

華「まぁ!あの麻子さんが!」

沙織「う、嘘、あの麻子が……」

麻子「当然だ」

沙織「あ、じゃあもう起こしに来なくていいね」

麻子「それは困る」

沙織「まあ試合には影響しない程度にはちゃんと寝てるから大丈夫」

華「でも沙織さん、私にモーニングコールお願いしてましたよね?」

沙織「あ、華!それは秘密だって……」

華「しかもそれで起きなかったから起こしに行ったんですが」

優花里「あ~だから集合前連絡があって華さんも来なかったんですね」

麻子「沙織も大概じゃないか」

沙織「うう、麻子に早起きの件でここまで言われるなんて……」

みほ「」ニッコリ

沙織「な、何?みぽりん?」

みほ「」ニッコリ

沙織「も、もしかして寝不足でミスしないか心配してる?だ、大丈夫だから、怖いからそれやめて!」

優花里「武部殿、今西住殿はパンツァーハイ気味ですのでちょっとジョークが過激なんですよ」

みほ「」ニッコリ

沙織「ほ、本当に冗談なんだよね?なんかマジっぽいよ?」

麻子「私もそれに近いことやられたが西住さんは演技がうまいんだな……」

みほ「あはは、冗談だから気にしないでね」

華「そろそろ時間ですねー」

沙織「じゃあそろそろ行こっかー……麻子それケーキ!?」

麻子「朝食だ」

沙織「あー、私も何か買って行こうかなー」

麻子「早くしろ」




沙織「はい買ってきたー!」

麻子「少し遅れそうだな……」

みほ「麻子さん運転頼んでいい?」

麻子「わかった。任せろ」

沙織「こんな朝がしゃっきりした麻子初めて見た……」

みほ「と、とりあえず急ごう」

華「沙織さんは何を買って来たんですか?」

沙織「クリームのショートケーキに、モンブラン、チョコケーキ、ロールケーキ!」

優花里「か、買いすぎではないでしょうか?」

沙織「迷っちゃってー!だから冷静になって食べないなってなった奴は華にあげるから」

華「ありがとうございますー」

沙織「とりあえずあっちついてからね。麻子の運転なら間に合うと思うから」

みほ「すみません遅くなりましたー!」

杏「いやいや間に合ってるから大丈夫大丈夫」

麻子「会長。少しこれを飲んでほしいんだが」

杏「濃縮干し芋ジュース?いいけど」

ゴクゴク

みほ「どうですか?」

杏「芋だね」

麻子「飲むか?」

杏「くれるなら貰うけど」

ゴクゴク

杏「うん、芋だ」



沙織「おいしいー」

華「おいしいですー」モグモグ

優花里「結局半分くらい華さんにあげちゃいましたね……」


終わり

みほ「すみません遅くなりましたー!」

杏「いやいや間に合ってるから大丈夫大丈夫」

麻子「会長。少しこれを飲んでほしいんだが」

杏「濃縮干し芋ジュース?いいけど」

ゴクゴク

みほ「どうですか?」

杏「芋だね」

麻子「飲むか?」

杏「くれるなら貰うけど」

ゴクゴク

杏「うん、芋だ」



沙織「おいしいー」

華「おいしいですー」モグモグ

優花里「結局半分くらい五十鈴殿にあげちゃいましたね……」


終わり

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