提督「川内がバイクに乗り始めたのだが」 (154)
提督「川内君が夜、騒がしいと多数の苦情があった」
扶桑「はい」
提督「それで夜戦に向かうエネルギーを、別の方向に向けられないかと思ったんだ」
扶桑「はい」
提督「で、他に何か趣味を持てばいいと思い、色々模索してバイクを勧めてみたんだ」
扶桑「あの……どうしてバイクなんでしょう?」
提督「俺の趣味です」
扶桑「はぁ……」
提督「そしたら、余計に苦情が増えた」
扶桑「あの、おっしゃっている意味が……」
提督「うん。自分でもよく分からない」
扶桑「はぁ……」
提督「まあ、結果で言えば成功したと思う。彼女はバイクに興味を持った。そこまではいいんだけど……」
ヴォンヴォンヴォン……!!
提督「………」
扶桑「……あの、今外から凄い音が……」
提督「夜になるとああして、バイクに乗って出撃するようになった」
扶桑「ああ……バイクの音だったんですね」
提督「俺としては、良い音だと思うんだ。でもやっぱり、興味が無い人からすると騒音でしかないよね」
扶桑「あ、出撃した……」
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湾岸地帯。
水銀灯に照らされて、疾走する。
辺りには誰も居ない。
彼女の行く先を、誰も知らない。
――夜は良いよねぇ。夜は、さ。
※艦これ×クルマ・バイクのSSになります。
・キャラ崩壊、独自解釈有り。
・趣味過積載。
・パロディ要素、オマージュ等。
・公道では安全運転を。
夕張「やれやれ。今日も出るの?」
川内「まあね。楽しいんだもん」
夕張「気持ちは分かるけど……あんまり無茶しちゃダメよ?」
川内「分かってるって」ニヒヒッ
夕張「それにしても、正直アンタがココまで単車にハマるとは思わなかったわ」
川内「ねー。提督から勧められた時はピンと来なかったけど」
夕張「それにしても、車種がGPZってのが……」
川内「私は好きだよ?丸っこいのにカッコいいし」
夕張「400とは云え、存在感はあるしね。このクロスフレームは素晴らしいわ」
川内「そういうのはよく分かんないな」
夕張(忍者がニンジャに乗ってる……)
川内「……何考えてるか何となく分かっちゃうんだけど」
夕張「だったらそのまま何も言わないで」
川内「夕張は行かないのー?」
夕張「私はパス。エンジン組み終わってないもの」
川内「早く組んじゃってよぉ。たまには誰かと夜戦したいし」
夕張「あのねぇ……二輪と一緒に走るのって結構怖いのよ?」
川内「そうなの?」
夕張「ライン取りも、ブレーキのポイントも全然違うもの。調子狂っちゃうわ」
川内「へぇ。そうなんだ」
夕張「まっ、組み終わったら相手してあげるわよ」
川内「絶対だよ?約束だかんねっ!」
夕張「ハイハイ」
川内「さて、と。そろそろいいよねっ?」
夕張「アイドリング安定……バラつきも無し。うん、大丈夫よ」
川内「よーっし」ヴォンヴォン
――川内っ!GPZ400R!出撃しますっ!
夕張「うん、良い音ね。我ながら良い仕事をしたもんだわ」
夕張「何というか……ただの夜戦バカが、スピード狂の夜戦バカにスープアップしてしまったっていうのも……」
夕張「まあ、こんなのに乗ってる私も大概か」
夕張「しっかし、この熱の問題はどうにかなんないかなぁ……」
夕張「分かっていたこととはいえ……やっぱり詰め込みすぎよね、このクルマ」
夕張「というか、クールダウンで止まっても水温上がるってどんな嫌がらせよホント」
夕張「これも惚れた弱みってヤツか」
夕張「でも、仕上がったらちゃんと走りに行こうね?」
――ねっ?パル君。
深海棲艦の出現以降、都心湾岸線の様子は変わったらしい。
年中無休で眩しかったレジャー施設は営業を自粛し、夜ともなれば道路沿いに設置された水銀灯が僅かに灯るだけ。
場所によっては、立ち入り禁止区域まで設けてある。
24時間止まることなく流れ続けていた交通の運河も年々目減りしていき、今では物流を支えるトラックが疎らに走る程度。
昔からこの場所に通っていた人によると、まるで開通直後のようだと話していた。
すっかり人気の無くなったこのベイエリアは、今の私にとって格好の遊び場になっている。
かつてのような賑わいも灯りも無い、虚像のような街並みはちょっと寂しい気もするけど。
まあ、静かな夜は嫌いじゃない。
誰も居ないこの道を、自由に滑走する。
こんなにも気持ちの良いことがあったなんて、知らなかった。
より大きくスロットルを開けると、途端にレブカウンターの針が跳ね上がる。
夕張曰くだいぶ古い型みたいだけど、そんなことは全く気にはならない。
もっとも、この子以外を知らないけど。
速度は増していき、すでに200キロ近い。
この領域まで来ると、景色が飛んでいく。
光が集約して線となり、鳥のように過ぎ去っていく感じ。
むしろ、今の私が風になっている?
なんてねっ。
もっと知らない景色を見させてよ。
夜は、まだまだ長いんだからさ?
芝ふ浦PA
川内「ムムム。夕張め、また何かイジったな」
川内「何を変えたのかなぁ……少し吹け上がりが早くなったような気もするし」
川内「後で聞いてみるか」
川内「それにしても、今日は全然人が居ないや。貸切かな」ノビーッ
川内「っふう。一休みしたらまた出よっと」
このパーキングで一息入れてから、環状線に向かう。
一周したらまた湾岸へ。外か内かはその日の気分次第。
環状線から見える景色は凄く気に入っている。
陳腐な表現だろうけど、キラキラしていて宝石箱みたいで。
そんな中を疾走するんだから、血液が沸騰するみたいに高揚する。
特に霞トンネルの中はまるでSF映画のようだ。
缶ジュースを片手に、ベンチに腰掛ける。
真正面には、凛と佇む我が愛機。
眺めている内に、いつの間にか頬が緩んでいた。
川内「いいねぇ……やっぱカッコいいなぁ」
最初にこの子を引き取った時は、そりゃあもう酷い状態だった。
何年も放置されていたから外装は埃まみれ。
オマケにタンクの中は錆で真っ赤っ赤。
ブレーキは引き摺るし、左フロントウィンカーはステーが折れて失くなっていた。
勿論セルなんて回らない。
普通だったらまず手を出さない。
ましてや私みたいにまだ乗りたての上、メカの知識も無い様なら尚更。
それでも私はこの子が良かった。
手間や理屈なんてどうでもよくなる位に。
実は修理した時、大半は自分でやった。
まあ……夕張にもだいぶ手伝ってもらったけど。
本当にGPZが気に入ったのなら、自分で触って手を汚せと提督に言われたんだ。
機械も人間も向き合わなくちゃ何も分からないからって。
言われた通り、GPZに触れていた。
時間も忘れてこの手を油や煤で黒く染めた。
艤装の整備で工具の扱いには慣れていたとは云え、やっぱり最初はチンプンカンプンで。
その度に夕張を呼んでは、分からないことを聞きまくった。
ようやくエンジンが掛かった時は本当に嬉しかったなぁ。
大げさでもなく、涙が出そうだったよ。
提督の言葉通り、自分でやったからこそ得た事も多かった。
苦労した分愛着も湧くしね。
エンジンのチューニングは夕張が手を加えてくれているけど、その他の調整なんかは自分でやっている。
キャブにしろダンパーの減衰にしろ、何度も何度も試したね。
バイクって、機械なのにまるで生き物みたいだなぁって。
その日次第で調子も変わるし。
でもそれが楽しくて仕方なかった。
時には悩み、時には失敗もしたけど、それをひっくるめてね。
向き合った分、GPZは応えてくれた。
知らない景色を随分見させてもらった。
今度の休みの時は、ちょっと遠出しようかなぁ……。
気が付くとそんなことを考えるようになり、生活リズムも大分変わったと思う。
さて、と……休憩お仕舞いっ。
そろそろ行きますか!
朝・川内自室
川内 zzz
江風「………」
夕張「あら、江風ちゃん。どうしたの?」
江風「あ、バリさん。おはよっす」
睦月「睦月も居るよっ」ヒョコッ
江風「ん。おはよ」
夕張「川内起こしに来たの?」
江風「そうなンだよ。つか、起こしてって頼まれた」
睦月「気持ち良さそうに寝てるね」
川内「うへへ……」Zzz
夕張「このおバカ、また朝方に帰って来たからね。当分起きないんじゃない?」
江風「また走りに行ってたのか」
夕張「5時よ5時っ。せっかく人が眠りかけてたっていうのに、ズカズカ入ってきて何イジったのか質問責めよ」
江風「ン?バリさんも起きてたン?」
睦月「クルマをイジってたんだって」
江風「川内さんのこと言えねぇじゃんか」
夕張「おかげでこちとら寝不足よ……」フハハ
睦月「自業自得にゃしっ」
江風「ここ最近、ほぼ毎晩だよなぁ。ドハマりしてンな」
睦月「およ?江風ちゃんもバイク乗ってるんだし、誘われたりしないの?」
江風「無理無理。アタシのじゃ着いていけねえよ。高速も乗れないし」
夕張「まあ、原付(KSR)だしねぇ」
江風「そんなに楽しいなら、いっそアタシも乗り換えようかなぁ……ニンジャの150とか」
夕張「あれも良さそうよね。何より今の時代に2ストが新車で買えるんだから」
江風「なー。どうせだったら、次も2スト乗りたい」
川内 ヨダレダラー
睦月「川内さん、ホントに起きないねぇ」ツンツン
江風「今日は組手してくれるって約束だったのに」
夕張「……たまにやってるトコ見るけど、アレ何なの?」
江風「そりゃあ、近接格闘の術をね」
夕張「砲雷撃をしなさいよ」
江風「川内さんもだけど、しぐ姉も相当だぜ?攻撃みんな受け流されンの」
睦月「ジョインジョインニャシィ」
夕張「何をしてるのよ、ホントに……あと睦月は何処でそんなの覚えてきたの?」
川内「パイセーン……パイセーン……」ムニャムニャ
別の日……
提督「……ふぅ、終わり」
扶桑「提督、お疲れ様です」
提督「扶桑さんもお疲れ様」
扶桑「フフ。お茶入れますね」
提督 タバコスパー
扶桑「あら、タバコ吸う人でしたっけ?」
提督「たまにね」
扶桑「私は吸わないので分からないのですが、珍しいタバコですね」
提督「アークロイヤルだよ。確かにあまり売ってないからね」
扶桑「英国の空母ですか?」
提督「由来はそれらしい。原産はウルグアイらしいけど」
扶桑「ちょっと甘い香りがします」
提督「パイプの葉を加えているらしいから、ちょっと違うかもね」
扶桑「私、タバコの臭いはちょっと苦手ですが……」
提督「タバコ臭い男は、やっぱり嫌かい?」
扶桑「普段なら……でも、これは少し好きになれそうです」スッ
提督「扶桑さん……」
扶桑「提督……」
ブォンブォン!!ドッドッドッドッドッド……
提督「………」
扶桑「………」
提督「また川内君かな……」
扶桑「ですかね……」
夕張「フッフッフッフ……ようやくココまで漕ぎ着けたわ」
川内「おーっ。動いてるトコ久々に見た」
江風「相変わらずごっついナー……」
夕張「ホントに苦労したわ……オイルクーラーは上部に移動させたし、インタークーラーは出来る限り小ぶりなモノにしたし……」
川内「前よりボンネットの穴、増えてない?」
夕張「穴って言うな」
川内「でもようやく、これで夕張もバリバリ夜戦が出来るねっ」
江風「駄洒落?」
川内「ん?」
江風「え?」
夕張「とっ、兎に角っ。私のパルサーも復活したことだし、今日は私も出るわ」
川内「よーっし。負けないよっ」
夕張「言っておくけど、今日はあくまでシェイクダウンだからね」
川内「分かってる分かってる。無理しないって」
夕張「ホントに分かってるのかしら」
江風「どうだろねぇ……あの顔見てる限りだと……」
川内 キラキラ
夕張「ダメそうね」
江風「ダメそうだな」
パルサー・車内
夕張「でもどうしたの?横に乗りたいなんて」
江風「まあ、ちょっと興味はあったからサ」
夕張「あらやだ。江風ちゃんまであのバカみたいになる気?」
江風「原付とは云え、ライダーなら間近で見てみたいナーなんてさ」
夕張「流石にタンデムはキツいしねぇ」
江風「ところでサ。そこまでクルマ詳しくないけど、何でコレにしたの?ランエボとかインプの方が良くない?」
夕張「その2台に比べたらマイナーだけど、何か私っぽくない?」
江風「ンー……マニアックっていう部分で?」
夕張「それもあるけど、コンセプト的に『夕張』と似てるかなーって」
江風「小さい車体にハイパワー的な?」
夕張「そうそうっ。しかも詰め込みまくってるからトップヘビーな上にトラブルも多いっていうとこもね」
江風「………」
夕張「……何か言ってよ」
江風「……え?自虐なの?」
夕張「ちょっとしたブラックジョークのつもりだったのに」
江風「何かゴメン……」
川内「んっふっふっふ……やっぱ相手が居ると雰囲気が変わるね」
川内「……って、ミラー眩しっ。反射して眩しっ」
川内「よーっし。振り切っちゃうぞぉ!」
多摩トンネル内――
川内GPZ、加速開始っ。
江風「おっ、川内さんが加速し始めた」
夕張「じゃあ、コッチも行きますか。と、その前に」
江風「ン?どしたん?」
夕張「こういう時には、カッコいいBGMが必要でしょ?」ポチッ
Dismemberment Plan/The Other Side
江風(Other side……向こう側、ねぇ)
夕張「よしっ。しっかり掴まってなさいっ!」
江風「お、おうっ」
トンネル内に反響する、2台分のエキゾーストノート。
GPZのメカノイズが混じった甲高い音色と、パルサーの荒々しい重低音。
それはさながら、複雑に絡み合うジャズセッションの如く。
非日常なスピードと、帯状になって流れる照明。
少なくとも江風はこんな世界を知らない。
ああ、ホントに『向こう側』のようだ……。
途切れない加速Gはいつまでも彼女を押さえつけ、息を呑むことさえ許してくれない。
横目で夕張を見る。
――笑っていた。
いつもの気立ての良い優しいお姉さんの表情でもなければ、よく分からない機械を爛々と弄くる時の表情でもない。
「言ったじゃない?夜は――別の顔だって」
会話さえままならない轟音の中、耳元で囁かれたような気がした。
小ネタ 川内とGPZ400R
黒赤の最終型D4モデル。
ジャンク屋で風化寸前のところを修復した。
レストアついでに吸排気系の見直し・各部材質の変更等、改造箇所は多岐に渡る。
組み上げた夕張曰く、F-3仕様を参考に現代化したとのこと。
夜戦で培われた動体視力と勝負勘は公道においても健在のようで、一部では彼女を
『幻影』
『都高に舞い降りたマジモンの忍者』
『超絶美少女くのいち』
……と呼び、隠れたファンも居るとか居ないとか。
ちなみに、ヘルメットはゲッコ○ガ風。
後頭部分には光る「夜戦主義」ステッカー付。
一旦ここまで。
内容と相反して更新は鈍亀ですが、艦これ好きにもクルマ・バイクが好きな人にも楽しんでもらえたら幸いです。
>>2 Ninjaには違いないですね、うん。
今では大量に下忍を見るけど、あんなに走っていたGPZやZZ-Rは何処にいったのやら……。
こういうの嫌いじゃない
でもあえて言うならばZX-4とかだったらもっと嬉しかった
お帰りいっちー!
また楽しみにしてるよー!
大型取ったら750ターボに乗り換えで
Ninjaいいよねぇ
前のヌー子も悪くはないんだけどさ
嵐ちゃんが出るならホンダのバイク乗りそう(仮面ライダーのバイクは基本ホンダらしい)
お疲れ様です。
ちょこっとだけ投下。
>>20 ZX-4なんて遭遇どころか実車を見たことない……。
GPZにしたのは、単純に自分が乗りたいから選びました。
>>21 ありがとうございます。
蝿も止まるような更新ペースですが、ご期待に添えられるよう頑張ります。
>>23 むしろ夕張がVT系辺りにターボ着けそう。
>>24 現行NINJAも嫌いではないですが、やはりGPZのイメージが強いです。
そういえば何でNSRがヌー子なんて名前になったんだろ……。
>>25 嵐居ないです(半ギレ)
とか言いつつ、嵐も登場させるつもりなのです。
小ネタ 夕張とパルサーGTi-R
RNN14のガンメタ。
クルマに興味を持った夕張が惚れこみ、執念の末購入。
泣き所である冷却系と剛性アップを中心に手を加えつつ、パワーアップを図る。
一応ゼロヨンを主軸に置いたセットアップをしているらしい。
WRC参戦を目的とし、当時の日産が総力を挙げて開発。
トラブル続きで期待される程の活躍は出来なかったものの、ノーマルでゼロヨン12秒台、最高速は230キロの怪物マシンであり、GT-Rキラーの最有力候補だった。
幸か不幸かパルサーの魅力にドップリハマった夕張は、今日も工廠でセットアップに勤しむのであった。
それより、パルサーニスモの日本導入はよ。
江風とKSR-Ⅱ
年式不明の赤。
特に何か改造はしていないが、補修の為チャンバーのみ社外品。
あえてコレを選んだ理由は「よく分かンないけどカッコいいから」
川内がバイクで夜戦(公道)にハマる姿を見て、つられて購入。
流石に川内のようなライディングは出来ないが、最近ウイリーを覚えた。
唯一の不満はオイルで背中が汚れること。
関係ないが、今>>1が真面目に探していたりする。
江風 ゲソー
夕張「ハイ、江風ちゃん。ポカリ」
江風「うん……」
川内「なにー?江風ったら、もうバテたの?」
江風「むしろ何で二人とも、そんな元気なん……?」
夕張「え?別に普通じゃない?」
川内「まだまだこれからだよっ」
江風「ウゲー……」
川内「それにしても、夕張のクルマ速いねー」
夕張「まあね」
川内「コーナーは遅いけど」
夕張「こ、これはゼロヨンを主眼に置いたセッティングだから……」
江風(なンか言い訳っぽい……)
夕張「まあ、特に気にする必要は無いけどアンダーステアは次なる課題ね」
川内「次?水温は?」
パルサー プシュー
夕張「……温度管理はパルサーにとって永遠の課題なのよ」メソラシ
川内「ふーん」
「あれ?アヤネちゃん、今日も来てるの?」
「アヤネちゃーん」
川内「やーやー。どうもどうもっ」
夕張「知り合い?」
川内「まあね。名前知らないけど」
江風「てか、アヤネちゃんって誰?」
川内「うん?私だよ?」
江風「……うん?」
夕張「やってることもアレだし、艦娘って名乗ると色々マズいでしょ」
江風「あっ、そっか」
川内「カワウチアヤネだよっ!よろしくねっ」カワイイポーズ
江風「カワウチは兎も角、アヤネはどっから来たンだよ……」
夕張「……中の人かな」ボソッ
江風「え?なンて?」
川内「ちなみにこちらはは綾瀬さん」
夕張「『夕張』の没ネームを拝借しました」
江風「へぇ。そんなのあったン?」
夕張「普通に名前として使えそうだったし、いいかなって」
江風「他にこういうことしてる人って居るン?」
夕張「他所は知らないけど、ウチではアンタ以外には居ないわ」
川内「天龍がカタナ乗ってるじゃん。ライトがパカパカして面白かった」
夕張「パカパカって……アイツ買ったのってⅢ型?」
川内「よく分かんないけど、天龍ってばやたら私に張り合って来るんだよねー。何でだろ?」
夕張「アンタがニンジャ乗ってるからじゃない?」
川内「えー……それって関係あるの?」
夕張「ある意味ライバルみたいなもんだったからね。忍者対侍みたいな」
江風「ドコのB級洋画だよ」
川内「あと誰か居たっけ?」
夕張「んーと、瑞鳳がラビット乗ってるとか?」
江風「あ、そういえば嵐がマンガの影響でSRに乗りたがってたわ」
夕張「マンガでSR?何かあったかしら?」
江風「何だっけ……“悪魔の鉄槌”がどうとか」
夕張「ああ、うん……そういうの好きそうだもんね、あの娘」
川内「ん?嵐のヤツ、ハーレー乗りたいの?」
夕張「それ元ネタじゃないの。アンタの知識は何でそう偏ってるのよ」
川内「おっ、一台入ってきた」
夕張「随分と弄ってあるゼファーね。珍しい」
江風「何かカッコいいな、あの人……」
川内「私の方がカッコいいでしょ」
江風「え?」
川内「ん?」
「……あれ?見知った顔が居る」
「「「へ?」」」
加古「ふぅ……こんな時間に何してるのさ」ヘルメットヌギー
川内「加古っちゃん!加古っちゃんだー!」
夕張「出た。おっぱいのついたイケメン枠」
川内「私の方がイケメンでしょ?」
夕張「は?」
江風「ん?」
川内「あれ?」
加古「アハハ。ホント面白いなー」
川内「なーんだぁ。加古っちゃんもバイク乗ってたんだぁ」
夕張「というか、ガチのカワサキ乗りがきちゃったわね」
加古「どーもー。川崎造船所組でーす」
川内「どーもー。妹が川崎でーす」
夕張「カワサキか……」
加古「で、マジで何してんの?」
川内「夜戦っ」キリッ
江風「ココは公道です」
川内「じゃあ加古っちゃんは何してんのさ」
加古「……夜戦?」
江風「ココは公道です」
夕張「だからアンタ達はいつも寝不足なのよ」
川内「夜戦!?マジで!?」キラキラ
夕張「あーあ……余計な事言うから、川内に火が点いた」
加古「フフン。何だったら一戦やるかい?」
川内「私と……して、くれるの?」
加古「いいよ……とことん、気が済むまでな……」スッ
川内「素敵!抱いてっ」
江風「コントかな?」
夕張「二人してチラチラ見ないでよ。鬱陶しい」
加古「新環状を右回り。環状に入ったら加速して、辰巳のコーナーを先に抜けた方が勝ちな」
川内「湾岸はいいの?」
加古「んー。湾岸はそっちがキツいかなって」
川内「そうかなぁ?」
夕張「そのゼファー、相当パワー出てるでしょ?何してあるの?」
加古「えーっと……コスワースのピストン組んで、カムにFCRと……」
夕張「わあ、思った以上にガチだった」
川内「加古っちゃんって、実はお金持ち?」
加古「あとはー……あれ?もしかしてノーマルの所探した方が早いか?」
夕張「フォークが倒立になっている時点で察しはついた」
江風「そんなにやるなら、最初から速いの乗ればいいんじゃないの?」
加古「空冷の方がアタシらしい気がしてね」
川内 ウズウズ
加古「まっ……愛車談義なら後にしますかねぇ」
「――やろっか、川内」
区切るトコ間違えた……。
最近夢に夕張と川内が出てきて、自分もいよいよ末期だと思った。
それはまだマシだろ……俺なんて見ず知らずのオッサンとか見た目全く違う女性が夢特有の疑問持たない補正で艦娘として何人も出てきたぞ……オッサンはマジでなんなんだよ……。
ジャマイカ産なんじゃね
乙
川内のほうがカッコいいし、イケメンだと思います(真顔)
乙
どっちもイケメン美少女
乙
加古には背中に第六戦隊ってプリントされたジャケットを着て欲しい
お待ちしてました!今度はどんなんなるか楽しみ♪
>カタナ
同じリトラでも金色フレームなら3型、銀色フレームで燃料計付きなら4型で見分けがつくんだけど、天龍ちゃんはどっちかな?ww
お疲れ様です。
キリンと湾岸ミッドナイトを全巻揃えようか悩む>>1です。
湾岸は兎も角、キリンはちゃんと読んだことないなーとか今更思ったり。
>>35 二人とも実写(?)でしたが、全く違和感がありませんでした。
オッサンは……>>36さんの言う通り、ジャマイカ産だったんじゃないですかね?
もしくはイージス。
>>37 中の人はアレだけどww
いや、あやねる好きですけどね。
>>38 天龍ちゃんがコッチ見てる気がするけど、気にしたら負けですね。
>>39 むしろそのイメージで書いてます。
画力があればホント、その加古を描きたい……。
>>40 Ⅲ型です(唐突なネタバレ)。
というか、リトラカタナは個人的にⅢ型のイメージ強すぎて四型を忘れてました……。
都心高速・環状線――通称、C1
これから通る銀座区間は、特に難しい区間……らしい。
私は難しいというより、楽しいと思う。
都高の中でココが二番目に面白い。
ちなみに一番は霞トンネル。
芝ふ浦の坂を下り、ジャンクションに進入。
10メートル程前方には、加古っちゃんのゼファー。
目が離せない。ゾクゾクする。
速そうなのは勿論だけど、重圧というべきか。
普段の加古っちゃんからはとても想像出来ない、オーラみたいなのが漂っている。
都高のバイク乗りはちょいちょい見るけど、こんな感覚は初めてだ。
昂ぶりが抑えられない。
さっきから口元が吊り上りっぱなしだ。
ギヤを2速に落とす。
急かす様にGPZのエンジンが唸る。
向こうも臨戦状態……その前方に影は無し。
オールクリア、加速態勢――っ
頭の中でカウントを取る。
5……4……3……2……1……
「さぁて……突撃よっ!」
江風「川内さん、勝てンのかなぁ」
夕張「うーん……どうだろ。普通のゼファーだったらまだ勝てただろうけど」
江風「加古さんのバイクって、そんなに凄いの?」
夕張「私もそこまで詳しくないけど、加古のは雑誌で表紙飾れるレベルね」
江風「そンだけ凄いってこと?」
夕張「カリッカリにイジってあるもの。最早ゼファーの皮を被った別車種よ」
江風「マジ?勝ち目無いってこと?」
夕張「多分ね。でも、川内はあんまり気にしないんじゃないかな」
江風「ン?どういうこと?」
夕張「何処かの5500トン級が言いました。夜戦が楽しめれば良い。勝ち負けはオマケだってね」
江風「なんだそりゃ」
夕張「フフ、それ聞いた時は呆気に取られたわ。無類の負けず嫌いのクセに、何言ってるんだって」
夕張「要は快楽主義者なのよ、アイツ。悩みはあっても悩まないタイプ」
江風「快楽、ねぇ……」
夕張「なかなか稀有な存在だと思うよ?ああいう考え方出来る子って」
江風「川内さんって、やっぱりスゲェな……よく分かンないけど」
夕張「私には無理だわ。結果を求めちゃうし」
――ヤバい。めっちゃ楽しい。
ブレーキの度に軋むフレーム。
路面から剥がれようとするタイヤ。
ガードレールが眼前に迫るような錯覚。
プリンカーランプの点滅と、橋桁の威圧感。
全てが刹那の出来事なのに、全てが永劫の中の様で。
視界の中心には、ゆらりと揺れるゼファーのテールランプ。
ちょっと離されたかな……?
ただでさえ滑りやすい都高で、膝が着きそうになる位車体を倒す。
それでもゼファーに届かない。
いや、ツッコミではこっちが勝ってる……?
それでも中間から立ち上がりで一気に離され、縮めた差は一瞬で帳消し。
排気量とパワーの差を考えれば仕方ない。
回転数が落ちて一瞬もたつく間に、ゼファーは悠然と加速していく……。
確かに湾岸辺りじゃ勝負にならなそうだね。
それどころか、向こうはまだ余裕がありそうだ。
何より場慣れしている。
「速いなぁ、加古っちゃん……最高だよっ」
心なしかレッドゾーンへの到達時間が速い気がする。
身体もよく動く。いつもより調子が良い位だ。
それでも今の私では、勝つことは無理だろう。
目に見えて離されているが、気持ちが萎むことはない。
相変わらず心地良い緊張感を保てている。
もっと前へ、もっと速く――
江風「しっかし、ホントに人が居ないなー……こりゃ確かに走り放題だわ」
夕張「昔じゃ考えられないわよ。この時間でも平気で渋滞起こしてたし」
江風「うへぇー……マジかよ」
夕張「今は外環や圏央もあるし、深海棲艦の影響もあってか湾岸部には流れないからね」
江風「ふーん……こんな所にも影響があるンだな」
夕張「まあ、その対抗手段である艦娘がそこを遊び場にしてるんだから本末転倒よね」
江風「遊びも何も違法だヨ」
夕張「それについては何も言えないわー」
江風「分かっててやってるンだ?」
夕張「一応ね。正当化するつもりもないし」
江風「まだまだ分からない世界だゼ……」
夕張「私は試したいから始めたけど、川内はー……どうなんだろ」
江風「夜戦の場所を公道に移したってだけじゃないの?」
夕張「それだけかも知れないし、それだけじゃないかも知れない」
江風「……何だそりゃ」
夕張「真相なんていつも闇の中よ。皆そこで理由を探しているのだから」
江風「ポエムか?」
夕張「ちょっと位カッコつけてもいいじゃないっ」
――楽しい時間は、いつだってあっという間に過ぎてしまう。
あれだけ頭上で輝いていた星達が、陽が昇れば姿を消してしまうように……とてもあっけなく。
木場のS字を抜けると、設定したゴールまでは高速コーナー主体の構成だ。
今までは何とか着いて行けたけど、ここから先は向こうの方が有利だろう。
いや、そんな事はどうでもいい。
この時間が終わってしまうことが何よりも辛い。
トップギア、メーター読み200キロオーバー。
それでもゼファーは離れて行く。
神様はいつも意地悪だ。
どうして簡単に終わらせようとするんだ。
だから私はいつだって手を伸ばしてしまう。
届かないって、知っているのに。
ゼファーのテールランプが灯る。
嗚呼……いよいよ辰巳のコーナーか。
数秒遅れて、私も減速・旋回の体勢へ。
回りきる頃には、ゼファーは既に湾岸に下りてクールダウン――。
終わっちゃったぁ……。
出来れば勝ちたかったけど、それ以上にもっと走りたかったな。
向こうはどうだろう。
私に満足してくれたかな。
東の空が僅かに色味掛かる。
私達の時間は、もうじき終わる――。
東雲運河付近
キィッ
川内「――ふぅっ」ヘルメットヌギ
加古「よっ。お疲れ」
川内「お疲れー。速いねぇ、加古っちゃん」
加古「それ程でも。ホラ、コーヒー」ヒョイッ
川内「サンキュー」パシッ
加古「いやしかし参っちゃったよ。離れやしないんだから」
川内「ウソだぁ。全然着いて行けなかったもん」
加古「マジマジ。割と本気で逃げてた」
川内「加古っちゃんってば、煽てるの上手いんだから」
加古「ホントだって。これで大型乗ってたらと思うとゾッとするわ」
川内「大型かぁ……興味無いワケじゃないけど、まだまだ乗り換える気は無いなぁ」
加古「まあなぁ。あたしも何回か乗り換えは考えたけどさ」
川内「ゼファーより速いバイクは沢山あるもんね」
加古「今となっちゃ、その速いバイクってのを買ってもお釣りが来る位注ぎ込んじゃったけどさ」
川内「アハハッ。でも気持ちは分かるよ」
加古「川内もそのクチだろ?」
川内「まあね。今はただ、この子と夜戦が楽しめればそれで充分っ」
加古「本音を云えば勝ちたいけどって?」
川内「そりゃあ当然よっ」
加古「だろうなっ」ククク
加古 シュボッ
川内「あれ?加古っちゃんって吸う人だっけ?」
加古「こうして乗った時だけな。あっ、古鷹には内緒にしてよ?」
川内「バイクに寄りかかってタバコを吸って……何か画になるねぇ、イケメンだねぇ」
加古「そういうの止めてくれって。何かハズいっ」
川内「……加古っちゃんはさ、何でココ走ってるの?」
加古「アタシ?うーん……何でって云われると思いつかないなぁ」
川内「都高を走るのは楽しいよ。今だって、この時間がもっと続けばいいのにって思ってた」
川内「でもやってる事って本当はダメなことじゃん?なのに何で楽しいのか時々分からなくなってさ」
加古「………」スパー
川内「嫌じゃん。折角楽しんでる時にモヤモヤするのって」
加古「だからじゃないの?」
川内「……えっ?」
加古「それを考える時間こそ、ココを走る理由なんじゃない?」
川内「考える時間……」
加古「そりゃあ頭空っぽの方が楽だろうけどさ。やってる事が事だけに、それじゃ不味いっしょ」
加古「負い目なんて生きてりゃ誰でもある。そしてこの道を選んでしまった以上、ずっと付いて回る」
加古「だからこそってのも変だけど、そーいうのに向き合う時間も案外必要だろ?」
川内「そっかぁ……流石イケメン」
加古「だから止めてって」
川内「うん、でも何か分かった気がした。ありがとう」
加古「いやいやぁ。まあ、今のは割と適当な事言ったんだけど」
川内「感動を返せっ」
加古「あたしゃ、ただ好きだから乗ってるだけだよ。走るトコなんざどーでもいいのさ」
川内「さいで」
加古「じゃあアンタは何が好きで夜戦したいんだ?あ、夜戦ってのは本来の意味でね」
川内「うーん……何でだろ。『川内』になったから、かなぁ」
加古「艤装の記憶、かねぇ……」
川内「多分ね。でも『川内』自体は『神通』や『那珂』に比べると戦果って地味じゃん?」
加古「んー……まぁ何とも云えないけど」
川内「参加した何戦かが、たまたま夜戦だったってだけでさ。何か特別な事が有ったワケでもないし」
川内「だから、最初は顕示欲なのかなって思ってた」
加古「『川内』も妹達のように認めて欲しいってことか?」
川内「どうだろう……何か自分にも、特別なモノが欲しいのかなって」
加古「アイデンティティってヤツか」
川内「でも、やっぱりよく分かんない。そもそも私の感情なのか『川内』の感情なのかもね」
加古「まっ、少なからず人間からは外れた存在だからな……あたしらは」
加古「そもそも、あんな場所を猛スピードで走ってるんだ……まともじゃないよな」
川内「お互いね」
加古「全くだねっ」ニシシッ
川内「……明るくなってきたね」
加古「だなぁ……帰って寝るかぁ」
川内「鎮守府まで、もう一勝負する?」
加古「おっ、いいねっ」
この瞬間がいつまでも続けば良いと思う
でも、いつか終わることも知っている
この子が息絶えてるのが先か
私が底に沈むのが先か
それは分からない
難しいことは考えない方が楽だ
でも、いつだって忘れちゃダメなんだ
何てことない会話も
冷たい缶コーヒーの味も
蒼く滲んだ空の色も
それを忘れてしまったら
私はきっと私でなくなる
夜が明ける――
チュンチュン
夕張「アイツら、いつになったら帰って来るのよ……」
江風「明るいねぇー……朝だねぇー……」Zzz
小ネタ 加古とゼファー1100改
一応B型のRSがベース。加古スペシャル。
エンジンは勿論、倒立化や17インチ変更等で現代化。
加古曰く「ノーマルの所を探した方が早い」らしい。
カラーリングは紺色ベースの火の玉カラー。
艦娘になる前からバイクには乗っていたようだ。
過去にヤンチャしていたのか、愛車遍歴も様々らしい。
今はあまり速さを求めておらず、気軽に乗れるゼファーは特に気に入っている。
しかし勝負となると、好戦的な性格もあってか本気になる。
今回はここまで。
方向性としては何となくではあるけど、こんな感じで行きたいなぁと。
むしろ今までが色々手を出しすぎたんや……。
ところで、新しい睦月型は夕月を希望します。
というか水無月も来いっ!
乙
鎮守府に他にもバイク乗りはいるのかな
若葉あたりがYB-1とか乗ってそうなイメージ、オープンヘルで
お疲れ様です。
何を思ったか、全く手をつけていなかった中部海域攻略に勤しんでいます。
6-3がちっとも進まねぇ……。
>>54 それ、いいですねww
個人的にはジャズとかマグナキッドとかでもいいかなー、なんて。
キッドならネタ的にも、ねww
姉様の水着ハァハァ。
工廠
川内「前から思ってたけどさぁ……」
夕張「うん?」
川内「この子、整備面倒くさいっ」
夕張「何を今更」
川内「だって、プラグの焼け見るだけでもいちいちタンクまで外さなきゃいけないんだよっ」
夕張「マルチなんて大概そんなもんよ」
川内「うー……江風のKSRが羨ましい……」
夕張「パルサーなんかエンジン降ろさなきゃ何も出来ないんだから」ハイライトオフ
川内「……ごめんなさい」
夕張「それで?加古と走ってみてどうだった?」
川内「すっごく楽しかった!」
夕張「それはよござんしたね」
川内「まあ、ボロ負けだったけど」
夕張「何か得られた?」
川内「……新鮮だったよ、色々と」
夕張「そう」
川内「もっと色々知りたくなったよ。バイクのことも、色々とさ」
夕張「すっかり染まったわねぇ……」
川内「ん?そう?」
川内「さてっと。整備終わりっ」
夕張「まさか今日も出るつもり?」
川内「んー……どうしよっかな」
夕張「ココんトコ毎晩じゃない。たまには休めば?」
川内「えー。いくら走っても足りないもんっ」
夕張「バイクだってタダじゃ走れないのよ。ガスにタイヤ、オイル……キリが無いって」
川内「うっ……確かに最近お財布の中身が侘しい」
夕張「せめて走る所が都高じゃなければ……」
川内「通行料金もバカになんないもんねぇ」
夕張「そうそう。休息だって大切なんだから」
川内「ふむ……じゃあ都高はお休みしよっかなぁ」
夕張「うんうん」
川内「今日は参京にしようっ」
夕張「アンタ人の話聞いてた?」
川内「じゃあ埠頭」
夕張「もう勝手になさい……」
夜・海岸公園
扶桑「わぁ……綺麗」
提督「うん。今日は晴れているから、遠くの灯りまで見渡せるね」
扶桑「こんな素敵な場所が近くにあったなんて、知りませんでした」
提督「昔からココから見える景色が好きで……よく一人で来ていたんだ」
扶桑「お一人で……ですか?」
提督「ああ。誰かと来たのは、今夜が初めてだ」
扶桑「フフ。そうやって女性を口説いているのですか?」
提督「……扶桑さんは俺をそういう風に見てたのかい?」
扶桑「いえ。ちょっとからかいたくなったんです」クスッ
提督「扶桑さんも人が悪いよ」
扶桑「提督ほどでもありません」
提督「……今夜は」
扶桑「……ハイ」
提督「月が、綺れ ヴォーーンッ!!フォンフォン!!ヒュイーン……!!
扶桑「………」
提督「」
川内「フッフッフッ……無事に鎮守府を抜け出してきたゼ」
川内「夜戦をしない私は私にあらずっ!やっぱりバイクは走ってナンボよね」
川内「それにしても、平日だから人が居ないなぁ……カップルっぽいのは居たけど」
川内「……夜戦(意味深)かな?」
この辺りは深夜になると人通りも無く、道幅も広いので練習には打ってつけだ。
かく云う私も、乗り始めた頃はココで毎晩のように走り回っていた。
全盛期の頃は路肩に溢れんばかりのギャラリーと、色とりどりのバイクが列を成していたらしい。
所謂バリマシ世代とかいうヤツだ。
最も、その面影は今では薄れてしまったそうだ。
オレンジ色の灯りに照らされる無数のタイヤ痕だけが、かつての熱狂を静かに物語っている。
川内「久々に来たけど、相変わらずココは静かだねぇ」
川内「誰も居ない街並み、古びた倉庫、壁の落書き……」
川内「……突然鳴り出す公衆電話……街灯に照らされる誰かの影……」
シーン
川内「……ギャラリーの一人でも居たら少しは張り合いが出たんだけどなぁ」
――加古と過した夜を思い出す。
帰った後も熱気は冷めず、なかなか寝付けなかった。
純粋に走ることは楽しい。
一瞬で私を非日常に連れて行ってくれる。
その一方で背徳感というか、罪悪感というか……少なからず、そういうモノが有る。
交通ルールを守っていないから?
それは勿論あると思う。都高を60キロで走っている人なんて、まず見たことないけど。
命を粗末にするような行為だから?
ただでさえ明日も分からないような立場なのに。
気が狂っているのだろうか?
ああ、いや……艦娘になった以上、何処かしら狂っていても何ら不思議では無い。
理屈で考えても仕方ないことだと思う。
第一、乗り始めて数ヶ月程度の私がこんな事を考えたところで、結論に至るには知らないことが多過ぎる。
寂れた公園のベンチに座り、缶コーヒーを口にする。
沖に出れば無数に煌く星空も、この辺りではちっとも見えやしない。
頭上は一面黒で被い尽くされて、蒼白の月がぼんやり浮かんでいるだけだった。
「……甘っ」
愛機は今夜も調子が良い。
スロットルを捻れば、すぐさま呼応する。
行きたい方向にちゃんと向いてくれる。
一見当たり前に思えるこの動作も、様々な積み重ねがあってこそ。
毎日の様に手を掛けているのだから。
最近になって、ようやくキャブのセッティングの仕方を掴めてきた。
今までは夕張に聞きながらやっていたけど、構造というか機能さえ分かれば単純なモノだ。
本やインターネットを見て、色々勉強したからね。
おかげで部屋の本棚には整備についての書籍がドドンと大挙している。
まあ、単純だからこそ深みに嵌ることもあるのだけど。
求めれば求める程、正解なんて無いと思い知らされる。
「ふむ……そう考えると、バイクとはそれ即ち人生そのものかもしれない」
後付の水温メーターも、安定して90度以下を表示している。
タイヤのグリップ感も変わらず、ブレーキの感触もしっかりしている。
今夜はまだまだヤれそうだ。
不意に前方から、大きなスキール音が聞こえてきた。
誰も居ないと思っていたが、どうやら私以外にも夜戦に勤しむ人が居るらしい。
「ドリフトの連中かなぁ……珍しい」
数百メートル先の交差点、一瞬だけテールランプが見えた。
赤い光だけが残像のように残っている。
「巻き込まれたら嫌だけど……ちょっと気になるね」
ドリフト族かと思ったけど、どうやら違うらしい。
派手にブン回していることには変わりないが、異様に速い。
「何だろ……外車っぽいなぁ」
そこまでクルマに詳しくは無いが、それ位の判別は出来る。
流線型の車体……実にスポーツカーらしいシルエットだ。
「んーっと、そう。ポルシェだ、あれ」
前に夕張から見せてもらったことがある。
日本のスポーツカーは何処かしらでポルシェを目指しているんだって。
丸い目が可愛いよね、カエルみたいで。
「四輪の相手にするのも、ちょっとやってやってみたかったんだよねぇ」
体勢を低くして、追撃モード……確かに速いけど、着いて行けないワケじゃない。
こんな時間にココを走っているんだから、そういう事でしょ?
向こうもこちらに気付いたらしく、わざとらしくギアを一段落として加速する。
いいね……そうこなくっちゃ。
当たり前だけど、バイクは二輪、クルマは四輪……コーナリング中の速度や安定感はクルマの方が上だ。
ましてやGPZは400ccだ。大型ならまだしも、パワーでは大きく劣っている。
ではもし勝てる要素があるとすれば何処か……それは、
「ブレーキングからの突っ込み勝負っ!」
勿論、ブレーキングだってクルマの方が遥かに安定する。
それでも、単純に軽い方がすぐ止まれるし、コーナーへの進入だって速い……ハズ。
コーナー手前、減速を終えると同時に車体を一気に倒す。
何とか横に並べたものの、出口で負けてしまう。
というか、立ち上がり速過ぎじゃないのアレ!?
スピードレンジが低い分、離されはしないけど……これはちょっとキツいなぁ。
「おおぅっ!?」
前のポルシェが突然の減速。
何事かと思えば、赤信号だった。
追い掛けるのに夢中になっていて気付かなかった。
いつの間にか街の方まで出てきてしまっていたようだ。
ポルシェの右隣に並ぶ。
ドライバーの顔でも拝んでやろうかと思ったが、暗くて分かりづらい。
「んん~……??」
あれ……?
ドライバー居なくない……?
「ま、まさか無人……!?」
待ち切れないとばかりに、ポルシェが吹かし始めた。
獣の咆哮の様な、野太く乾いたエンジン音……夕張が聞いたら、多分興奮するだろう。
だが今はそれどころじゃない。
無人のクルマ……なのに、クルマは動いている。
自動操縦?
確かにCMで流れているのは見たことあるけど、あれってもう実用化されてるの?
いやいや、あんなアグレッシブな自動運転があってたまるか。
エ○スドライバーじゃあるまいし。
じゃあ……もしかして……
信号が青になる。
アスファルトを蹴飛ばすように、ポルシェは夜の闇に消えていった。
で……で……
川内「出たっ!出たんだよっ!ポルシェのお化けっ!」
夕張「お化けってアンタ……」
川内「ホントだって!信じてないでしょ!?」
夕張「ハイハイそうですねー怖いですねー」
川内「バカにして~~っっ!」キーッ
夕張「で、そのお化けがどうしたの?」
川内「人が乗ってないのに、動いてたんだよっ!運転席に誰も居なかったもんっ!」
夕張「……ん?運転席?」
川内「あれはきっと深海棲艦のクルマ版だよっ!やったら速かったし」
夕張「ねぇ川内。アンタ、中覗いたの?」
川内「え?うん。信号待ちで並んだ時に」
夕張「どっちから見た?」
川内「え~っと……右側、かな」
夕張「……それ、ただ単に左ハンドルだったんじゃないの?」
川内「へ?あ……」
夕張「アンタねぇ……」
夕張「でも、速いポルシェってのは興味あるわね。どんなのだった?」
川内「えっとね……白くて屋根が幌になってた」
夕張「幌?オープンってこと?」
川内「そうそう。前に教えてもらったのと、何か形が違ってたよ」
夕張「それって……こんな感じじゃなかった?」つスマホ
川内「あっ、コレだよコレ!」
夕張「ボクスターね。ふぅん、成る程」
川内「何か違うの?」
夕張「大概の人はポルシェ=911になるんだけど、これは全くの別物」
夕張「最大の違いはエンジンの搭載位置。エンジンが車体の中心……運転席のすぐ後ろにあるの」
川内「911ってのもエンジンが後ろにあるじゃなかったっけ?」
夕張「あれは後部座席よりさらに後方。テール部分にあるのよ」
川内「で?やっぱり速いクルマなの?」
夕張「う~ん……出来はポルシェだけあって優秀だと思うけど、速いって云われると……」
川内「夕張のクルマと比べても?」
夕張「よっぽどパルサーの方が過激かもね。ホラ、スペック」カタカタ
川内「……300馬力出てるけど」
夕張「外車のスポーツカーなんて大抵こんな感じよ。インプやランエボなんか、2Lで同じ馬力なんだから」
川内「あー……」
川内「いかん……何か感覚が麻痺している気がする」
夕張「まあ、その辺のクルマに比べたらべらぼうに速いことには違いないわ」
夕張「でもリッター辺りで考えると100馬力出てないのから……そう考えると国産車って化け物だわ」
※リッター辺りの馬力算出
1L換算でどの程度の馬力が出ているかの比較です
馬力÷排気量(L)で計算出来ます(カタログ値参考)
GPZ400R 59ps/398cc 約150ps/L
パルサーGTi-R 230ps/1998cc 約115ps/L
ボクスターS(987) 295ps/3436cc 約86ps/L
スカイラインGT-R 280ps/2568cc 約109ps/L
S2000 250ps/1997cc 約125ps/L
RX-7(FD3S) 280ps/654×2cc 約214ps/L
隼 197ps/1339cc 約147ps/L
F40 484ps/2936cc 約165ps/L
川内「GPZパねぇ……」デンタクパチパチ
夕張「こうして見ると、国産車は厳しい規制の中で如何に努力しているか分かるわね」
川内「ヒエー」
夕張「結局あくまで参考値であって、こんな数字で争っても仕方ないわ」ポイスー
川内「というか、セブンの数字がヤバいんだけど」
夕張「ロータリーを単純にこの数式に当てはめちゃうと、こうなっちゃうのよねぇ」
川内「スペックは置いといて……ボクスターだっけ?何か気になるなぁ」
夕張「まさか見つけだして『夜戦!』とか言い出すんじゃないでしょうね」
川内「えっ?ダメ?」
夕張「やっぱりか……」
川内「上手く云えないけど、引っ掛かるんだよね」
夕張「やれやれ。キリンじゃあるまいし」
川内「キリン?何それ」
夕張「バイクを題材にしたマンガよ。カタナでポルシェ追いかけるの」
川内「おーっ。今の私にピッタリだね」
夕張「最終的に主人公はバトル中、海に転落します」
川内「……前言撤回」
夕張「そうそう。作中、911のことをデカ尻女って呼んでいるのよ」
川内「デカ尻ねぇ……あがのんかな?」
夕張「本人聞いたら怒るわよ」
川内「でもボクスターのお尻は大きくないよ。むしろ美尻」
夕張「まあ、911はRRだから構造的にもね」
川内「うーん……プリケツ女?」
夕張「ブフッ」
川内「えっ?良くない?プリケツ」
夕張「それ、人前で言うのは止めなさいよ」
一旦終了。
ちょっとした小ネタのつもりでリッター辺りの馬力を書いてみたけど、非常に見づらくなりましたね……。
さて、6-3のゲージ破壊に戻ります(白目)
提督と扶桑ねえさまいい雰囲気になりかけたところでいつも邪魔されて可哀想
おつなのです
提督はそろそろキレてもいいと思うww
2st250はリッターあたり180馬力…
チャンバー変えたりすると60馬力くらいにまで伸びたりするからりったーあたり240馬力…
ワイCB72乗り
このスレに触発されて自分のスレにもバイク出す事決める
おつかれさまです。
相変わらず鈍亀更新で申し訳ないですが、ぽいぽいっと投下します。
>>73 まさに不幸型戦艦……(ボソッ
>>74 このスレの間、提督と扶桑さんはずっとこの調子かも知れないww
>>76 あくまで目安ですので何とも言えませんが、レプリカ全盛期のバイクは数字だけで見ても狂ってますねww
最も、現代では300km/h超え、パワーウエイトレシオ1kg/ps代のマシンがゴロゴロしているワケですが……。
>>77 CB72とはまた渋いっ!羨ましいっ!!
そしてこんなスレでもそう言って頂けるのは嬉しいですっ。
資源が大体どれも5万弱なのに、弾だけ12万ってどういうこと……。
川内「そういえばさ」
夕張「ん?なあに?」
川内「前に江風からも聞かれたけど、他に私らみたいなことしている艦娘って居ないもんかね?」
夕張「あー、それね。案外居そうよねぇ」
川内「……夜戦受けてくれないかなぁ」
夕張「要するに手頃な相手が欲しい、と」
川内「そうともいう」
夕張「ホント、ブレないわねぇ」
川内「そこはホラ。私の生き甲斐だし」ニヒッ
夕張「はいはい」
川内「誰かそういう事に詳しい人って居ないかなぁ」
夕張「そんなピンポイントな情報、誰が持ってるっていうのよ」
川内「何かこう……弱み握るのに」
夕張「発想が恐い」
川内「うーん。四六時中艦娘を観察しているような……あっ」
夕張「……あー、居るわね。ダメ元で聞いてみれば?」
川内「うんっ!」
青葉「成る程……それで青葉の所に」
川内「そー。何か知らない?」
青葉「正直、クルマやバイクに関してはあまり明るくはないので、何とも言い様が……」
川内「でも加古っちゃんだってゼファー乗り回してるんだよ?君の同僚の加古っちゃんが」
青葉「加古さんの事は確かに存じていましたよ。本人は秘密にしていたつもりの様ですが」
川内「あっ、やっぱ隠してたんだ」
青葉「古鷹さんが心配するからでしょうねぇ。最も、古鷹さんにもバレてます」
川内「加古っちゃんは隠し事出来る様なタイプじゃないもんね」アハハ
青葉「移動手段の為にバイクやクルマに乗っている人は、この鎮守府内でも沢山居るのでは?」
川内「それは知ってるよー。そうじゃなくて、もっと突っ込んだ人達が居ないかなって」
青葉「つまり、川内さん達が夜戦と称して行っている暴走行為をしているような人達ですね」
川内「暴走って……」ジトッ
青葉「いえいえ。法的に見たら川内さんも立派な暴走族ですよ」
青葉「川内さんが想像している暴走族は『共同危険型暴走族』と呼ばれ、これが一般的な暴走族のイメージでしょう」
青葉「対して川内さん達のような所謂走り屋さん達は『違法競争型暴走族』と区別されます」
川内「むぅ……分かっていた事とは云え、いざ自分を暴走族って呼ばれるのは何かズシンと来るなぁ」
青葉「どちらにせよ違法行為ですから、そこに区別はありませんけどね」
川内「まさか青葉に凹まされるとは……」
青葉「どういう意味ですか」
川内「で……その違法競争型の人は居ないの?」
青葉「そうですねぇ……趣味としてバイクに乗っている人は結構居ますが……」メモトリダシ
川内「原付は兎も角、バイクなんて趣味以外で乗っている人は居ないと思うよ」
青葉「おっ、この人なんか良いかもしれないですよ」
川内「マジかっ。誰々?」
青葉「ズバリ、大淀さんです」
川内「ヨドっち?」
青葉「色々ストレスが溜まっているんでしょうねぇ……彼女、隠れ喫煙者でもありますし」
川内「ああ……私も一回見たことあるわ。死んだ目をして吸ってたよ」
青葉「車種はNC30型のVFR400……川内さんのGPZと同クラスマシンですね」
川内「VFRかぁ。ホンダ選ぶ辺りはヨドっちらしいというか」
青葉「夜な夜なワインディングやサーキットなんかにも行っているようですよ」
川内「ふーん……」
青葉(あ……顔つきが変わった)
川内「で、ヨドっちは速いの?」
青葉「それは判断に困りますねぇ」
川内「えー。だってサーキットも行ってるんでしょ?」
青葉「どちらかと云うと、ツーリングが主みたいですから」
川内「VFRなんか乗ってるのに?」
青葉「アレですよ。K○Fの神楽○づるみたいな感じなのでしょう」
川内「ゴメン。ネタが全然分かんない」
青葉「まあ冗談はさておき。何でしたら、青葉が調べてみましょうか?」
川内「ん、いいや」
青葉「おや、どちらへ?」
川内「決まってるじゃん。ヨドっちの所だよ」
青葉「直接ですか」
川内「大体、何で隠す必要あるの?意味分かんない」
青葉「一応、立場がありますから……」
川内「というかさ、詳しくないとか云って結構知ってるじゃん」
青葉「えっと、加古さんから聞いたりしましたから……」
川内「ふーん……まっ、いいか。そうと決まれば突撃ぃっ!」ダッ
青葉「いってらっしゃーい」ノシ
青葉「……余計な事教えちゃいましたかねぇ」
大淀 シュボッ
大淀 フー
大淀「はぁ……仕事したくない」
川内「ウラァーーッ!!」
大淀 ビクッ
川内「あ、やっぱりココに居た」
大淀「せっ、川内さんっ!?何ですか急にっ!?」
川内「ねーねー。ちょっと小耳に挟んだんだけど、ヨドっちってバイク乗ってるんだって?」
大淀「うえっ!?どうしてそれを……」
川内「まあまあ、それは良いとして」
大淀「良くないですよっ。私にも、プライベートが……」モニョモニョ
川内「でさぁ、ちょっとお願いがあるんだけど」
大淀「嫌ですっ」
川内「……まだ何にも言ってないじゃん」
大淀「大方、夜戦をして欲しいってところですよね?」
川内「あったりー」
大淀「でしたらお断りです。私は艦娘、川内さんの様な暴走行為はしません」
川内「お堅いなぁ。ちょっと一緒に走ってくれるだけでいいのに」
大淀「そもそも、私は競争の為にバイクに乗っているんじゃありませんから」
川内「NC30なんてガッチガチのレプリカ乗っておいてよく言うよ」
大淀「……車種まで分かっているんですか」
川内「おっと。誰から聞いたとか詮索は無しね」
大淀「ハァ……そこまで知っているんじゃ隠しても無駄ですね」
川内「良い趣味だと思うケドなぁ。サンマルってカッコいいじゃん」
大淀「有難うございます……よりにもよって、貴方に知られるとは」
川内「え?私に知られちゃ何かマズいの?」
大淀「先程の自分の言動を思い返してください」
川内「んん?」
大淀「……とは言え、公道で勝負なんて愚行はしませんから」
川内「ふーん……時にヨドっちは、みかんは好き?」
大淀「何ですか急に」
川内「私は好きだよ。あとカマボコとかも美味しいよねぇ」
大淀「……本当に、何処まで知っているんですか……」
川内「あら?割と正解っぽい?」
大淀「………っ!!」
川内「山の方はあんまり行かないからさ。ヤマ張ってみた」
大淀「面白くない冗談ですね……」
川内「まあね。で、どう?あんまり詳しくないから、ヨドっちに案内して欲しいんだけど」
大淀「……私はいつも通りに走れば良い、と」
川内「そういうこと♡サッスガ理解が早いねぇ」
大淀「……良いでしょう。貴方のことですから、簡単に引き下がらないでしょうし」
川内「悪いねっ。付き合せちゃって」ニヒヒッ
大淀「もう……どうしてこんな事に……」
みかん街道
提督「やぁ……たまには山に来るのもいいなぁ」
扶桑「そうですね……まるで今が夏じゃないみたいに、涼しいですね」
提督「折角の休暇だ。存分に楽しもう」
扶桑「ハイッ。あの……提督」
提督「ん?どうしたんだい?」
扶桑「その……今晩泊まるお宿は、混浴もあると……」
提督「そうだね。水着着用であれば問題無いらしい」
扶桑「えっと……それで、新しい水着を買ってみたのですが……」
提督「……えっ?本当に?」
扶桑「ハイ……///」
提督「おおっ……そうか、扶桑さんの水着かぁぁ」
扶桑「あの……あんまり期待されても……」
提督「いや、すまない。でも扶桑さんの水着姿が見れるなんて、夢の様だ……」
扶桑「もうっ。大げさなんですから」
提督「いやいやっ、大げさでも何でもなくっ」
扶桑「ふふっ。提督が喜んでくれるのなら、何よりです」
提督「ああ、それだけでも来た甲斐があったよ」
扶桑「でも……水着だけで、良いん フォアオーーンッ!!
提督「えっ、今なん ヴォアオーンッッ!!
扶桑「」
提督「……ジーザス」
一旦ここまで。
ようやくカワサキ以外のバイクが……。
乙
安定の提督扶桑オチww
ホンダならCB400sfかなぁ
○五一二 スタート地点
川内 ムフー
大淀 ハァ
明石 ニコニコ
夕張「言われるままに着いて来ちゃったけど、何なのこのメンツ」
明石「あれ?何も聞いてなかった?」
夕張「唐突に叩き起こされて、ワケ分かんないクルマ運転させられて……」
明石「ワケ分からないとは心外な。スーパーセブンだよ」
夕張「見れば分かるわよ。というか、ウチにこんなのあったなんて知らなかったわ」
明石「海外からキットを取り寄せて、地道にコツコツ作り上げましたっ」
夕張「よく車検通せたわね……」
川内「そんでヨドっちは何だかんだ言いながら、きっちりツナギ着てるし」
大淀「相応の装備をしたまでです」
川内「しっかしツナギってエロいんだねぇ」
大淀「……へっ?」
川内「ヨドっちってモデル体型だからねぇ。身体のラインがハッキリ出て……ウヘヘ」
大淀「どっ、どこ見てるんですかっ!?」
夕張「おっさんか」
川内「……今更だけど、私って軽装かな?」
夕張「うん。割と」
大淀「改めて確認しますが、あくまで私はいつも通りココを走ります」
川内「うんうんっ。そんで、私が勝手に着いて行くだけっ」
大淀「……ハァ。これは一体誰に対しての言い訳なのでしょう」
明石「アッハッハ」
大淀「それで?どうして明石はビデオカメラを持っているの?」
明石「勿論、撮影の為」
川内「おっ、今撮ってるの?イエーイッ」
大淀「まさか貴方」
明石「正解っ。夕張ドライブで追っかけまーす」
夕張「ふえっ!?聞いてないわよ、そんなのっ」
明石「そりゃあ、今初めて言ったから」
川内「いいじゃん、楽しそうで」
大淀「その映像が流出したらどうする気ですか……っ」
明石「まあまあ。その時はその時で」
大淀「危機感が無さ過ぎですよっ」
川内「そんなことよりっ。早く行こうよぉ」
明石「ゴーゴー大淀!」
夕張「もう何がなにやら」
大淀「もう……どうにでもしてください……」
夕張「ついに諦めちゃったよ」
明石「激流に同化することも時には必要ってことで」
川内GPZ400R vs 大淀VFR400R
(追っ掛け 夕張&明石スーパーセブン)
フォンフォンフォン……!!
大淀「改めて言っておきますが、私はいつも通り流します」
川内「ホイホイ」
大淀「着いて来れないからって、無茶はしないでくださいね」
川内「言ってくれるねぇ」
大淀「当然のことを言ったまでです。ココは路面も荒れているし、キャッツアイも埋め込まれていますから」
夕張「ワインディングなんて何処もそんな感じじゃない?」
明石「先人達からの置き土産、といいますか」
川内「んっふっふ……良いねぇ、この高揚感」
大淀「私は胃が痛いです……」
川内「大丈夫?おっぱい揉む?」
大淀 ガシッ
川内「ちょっ……握力っ!痛いイタイッ!!」
大淀「ふぅ……早いトコ済ませちゃいましょう」
川内「もげるかと思った……」
夕張「何やってんのよ」
川内「もう……ヨドっち激しい……」
大淀「誤解を招くような言い方しないでください!」
ツーリングという名のバトルは、ゆっくり始まった。
先行するのは大淀のVFR……。
うん、何だかサマになっている。すごく速そうだ。
GPZと同じ400のスポーツバイクだけど、趣きは全く異なる。
ツアラー然としたGPZとは違い、VFRは純粋なレーサーレプリカ。
かつて若者達が熱狂した“あの時代”のバイクなのだ。
まあ、GPZも同世代だけど。
V型4気筒の発する重厚な音は、同じ四発のGPZとは正反対。
プロアームだっけ?片持ちのスイングアームのせいか、動きも違って見える。
いや、ライダーのテクが良いのか。
加古は捻じ伏せるように飼い馴らしていたが、大淀のフォームはやたら丁寧で綺麗だ。
無駄が無く、簡単に隙を与えてくれそうにない。
性格が出てるね、うん。
「さぁてっと……どうしようかな」
元々不利を承知で挑んだのだ。
対策が無いワケじゃないけど、なまじマシンに差が無い以上、膠着状態が続くことは明白。
だけど、何もせずに終わるのはつまらない。
呼吸を整える――。
まずは、突っつき回してやりますかっ。
明石「やれやれ。ようやくスタートしましたねぇ」
夕張「ところでコレ……妙にパワーあるんだけど、エンジン何載せてるの?」
明石「5バルブの4A-G」
夕張「またなんちゅうモノを……」
明石「キャブにするか迷ったんだけどね。フリーダムが安く手に入ったから、4スロを活かそうかなって」
夕張「随分と本格的だこと」
明石「どうっ?感想は?」
夕張「接地感がちょっと無いわね。軽い所為もあるんだろうけど、ブレーキングでちょっと乱れる」
明石「やっぱり?足回りはまだまだ煮詰めないとダメかぁ」
夕張「でも全体としては良く出来てると思うな。振り回して乗る分には最高だわコレ」
明石「ンフフッ。お褒め頂き、光栄です」
夕張「比較対象がパルサーしか無いから、あんまり当てにしないでよね」
明石「それで、夕張はこのバトルをどう見る?」
夕張「大淀はココ走ってる人なんでしょ?普通に考えれば、川内に勝てる見込みは無いと思う」
明石「ふーむ。じゃあ川内さんが勝つには?」
夕張「何しでかすか分からないからねー……どうせまたバカなこと考えてるんじゃない?」
「よっ……っと」
ココは細かいコーナーが多くて、兎に角忙しい。
それでも全体的にスピードがノリやすいから、なかなか楽しいね。
これを機にワインディングにも進出してみようかな。
ベイエリアには無い面白さがある。
それにしても、大淀の正確無比なライン取りは見ていて惚れ惚れする。
本当に……綺麗過ぎる位だ。
付け入る隙があるとすれば、そこだろう。
普段どんなのを相手にしているか知らないけど、道を知らない初心者を相手にする程怖いものはないからね。
あえて減速を遅らせて、突っ込み重視でコーナーに進入。
切り返しは若干こちらの方が分があるみたいだ。
無理を通して道理を引っ込める、ってね。
あ、ちょっと違うか。
問題は……この揺さぶりに対して、大淀が反応してくれるかだ。
最後まで自分の走りに徹せられてしまったら、私には勝ち目は無い。
んー……かといって、何を持ってして勝ちかが分からないなぁ。
前に出れば良いんだろうケド、今のペースは大淀が作ってくれてるようなもんだし。
細かいリクツとかを考えるのは苦手だけど、戦略を立てるのは割と好き。
そしてそれは、独りの時はあまり成立しない。
要は駆け引きだよね。
相手が居るとそれを組み立てられるから、それが面白い。
さてさて。
大淀は今頃何を感じているのかな?
ファルコラスティエ
大淀のツナギとかたまんねぇな!
みかん街道…うちの裏手の山が昔そんな感じの名前で呼ばれた有名スポットだったなぁ…www
龍神を良く走るけどほんと慣れててヤバい奴は本当にヤバい。
あんな乗り方を良くNSR250でやるなっておもうレベルの走りだからなぁ
夕張「話には聞いていたけど、ホンットにコーナーバカッ速……」
明石「軽さは正義!ってところですか」
夕張「こんなもん売るなんて反則よ」
明石「前は相変わらず膠着しているね」
夕張「さっきから川内がチョコマカとラインを変えているのが気になる」
明石「走り慣れていないから、とか?」
夕張「それはあると思うけど……何だろう、違和感がある」
明石「違和感?」
夕張「確かにコースを知らなければ、ライン取りは滅茶苦茶になるわ」
明石「道を知らないのだから当然ですね」
夕張「でも見ている限り、とっちらかっている感じでもない……」
明石「何かを試している、とか?」
夕張「そこまでの余裕があるとは思えないけど」
明石「同じヨンヒャクでマシンはほぼ同等。テクニックもそこまで差は無さそうだし……」
夕張「そういえば、大淀ってココだと結構速い方なの?かなり上手いのは分かるんだけど」
明石「あー……そればっかりは分からないなぁ。私はメンテしかしていないから」
夕張「あ、やっぱり明石がやっているんだ」
明石「まあね。サーキットを走っているトコは何回も見てるけど、公道を走っているのを見るのはコレが初めてかな」
夕張「ふむ……」
――息苦しい。
切り離すことが出来ない影の様に、何処までも追いかけてくる。
さっきからGPZが右へ左へ、視界の端に入り込んでくる。
いつでも追い抜けるということ?
そんな余力なんて無いハズなのに。
同じラインを走っていては前に出られないから?
それにしても、動きが極端過ぎる。
今もそうだ。
アウト側に居たと思ったら、真後ろにピッタリと着いている。
かと思えば、ブレーキングを目一杯遅らせてアプローチに掛かる。
分からない……相手の狙いが、読めない。
そもそも、公道でレース紛いの行為をしている事が間違っている。
ましてや私達は艦娘……この国を、海を守る存在だ。
下手をすれば大惨事にも繋がりかねない。
それなのに……
何処かに高揚感を覚えている自分が居る。
もっと速く――
もっと前へ――
気持ちが逸る。
完調なハズのVFRが、いつもより遅く感じる。
右の高速コーナー。
一見緩やかに見えても、出口へ向かうにつれ徐々にRがキツくなる。
この場所では一番の難所だ。
後半に備え、クリッピングを奥へ。
荷重を少しずつ移し、ゆっくりと車体を倒しこんでいく……。
………っ!?
GPZがインから飛び込んできた!?
そのスピードで曲がれるハズがない!
一瞬の出来事だった。
誰しもが、最悪の事態を想定した。
夕張「………」
明石 アングリ
夕張「ホンットに無茶やるわね、アイツ……」
明石「え……?今どうやって曲がったんですか……?」
夕張「云っちゃえばドリフトよ。強引に曲げたのよ」
明石「んなアホな……」
夕張「今のアイツの主戦場は都高だからね……コレ位の芸当、朝飯前とか思っているんじゃない?」
VFRの前には、GPZが立っていた。
まるで何事もなかったかのように、悠然と――。
大淀「……一体、何が……」
呆気に取られたのは、大淀も同様だった。
こんな所で抜かれるとは、想定外……いや、理解出来ない。
何とか巻き返しを図ろうとするも、既にゴール地点間近。
GPZの後塵を拝むしかなかった。
川内「ふぃ~……肝が縮んだわぁ」ヘルメットヌギ
大淀「……何故ですか?」
川内「ん?何が?」
大淀「あのコーナーは、パッシングポイントにはなり得ません。危険過ぎます」
川内「うん。だから行ったんだよ」
大淀「なっ……!?」
川内「ヨドっちに負けたって思わせるには、ああいうやり方が一番かなって」
大淀「そんな……そんなバカなこと……っ」
川内「ヨドっちさぁ。バイクでの実戦って初めてでしょ」
大淀「……っ!?」
川内「バイクの仕上がりはほぼ互角。そうなったら、あとは乗り手の方でどうにかするしかないじゃん」
大淀「だからと云って……!」
川内「虎穴に入らずんば虎子を得ず、ってね」
大淀「リスクを承知、ですか」
川内「要はアプローチの違いだよ。都高だとああいうコーナーって多いからさ。最初から切り離して考えたワケ」
大淀「切り離して……?」
川内「そっ。ヨドっちを抜いた時は、言っちゃえば私は最初のクリップに着いていただけ」
川内「あとは早めに向きを変えて一気に曲げちゃえば、攻略完了って感じかな」
夕張「その曲がり方が無茶苦茶なんでしょうが……」
川内「あ、夕張だ」
明石「ホントにあれ、どうやって曲がったんですか……」
川内「えっとね、こう身体をクンッ!っと」
明石「分からん……」
夕張「アンタ後でビデオ見返してみなさい。如何にトンでもないことしてるか分かるから」
川内「マジで?見る見る」
大淀「………」
明石「大淀……?」
大淀「全く……本当に大馬鹿ですね。理解出来ない」
明石「そうですね。でもその割には、充実したような顔をしているよ」
大淀「そうですか?」
明石「うーん……何となくだけど」
大淀「あぁーーっ!!すっごく悔しいーーっっ!!」
明石「!?」ビクッ
川内「アハハ。でも楽しかったでしょ?」
大淀「ええ。不謹慎ではありますが……」
川内「じゃあ、またやろうっ!今度は夜戦でねっ」
大淀「いえ、夜のワインディングは危険なので遠慮しておきます」キッパリ
川内「えーっ。いけずぅ~」
カポーン
夕張「ふぅ……」チャプ
川内「あー……極楽極楽ぅ」
夕張「折角温泉があるんだから、入らないと損よねぇ」
川内「バイク乗ってると汗かくし、ちょうど良いわぁ」
夕張「それにしても、どうして大淀がバトルをしたことないって分かったの?」
川内「んー……?実戦と演習って違うじゃん?」
夕張「まあ、そりゃあね」
川内「ヨドっちのラインが、あまりに綺麗過ぎたんだよねー……逆に、それしか知らない位に」
夕張「ふむ」
川内「相手が居る時って、必ずしも想定の範囲内で収まるってことないじゃない?」
夕張「生き物を相手にしているワケだから……当然よね」
川内「抜かれたくなかったら、大なり小なり何かしら反応するじゃん?それが全く無かったら」
夕張「ああ、それでラインを妙に変えてたのか」
川内「そういうことぉ」
夕張「アンタは普段バカなクセに、そういう所は頭働くのね」
川内「まあ、ホントはその前にも抜けるポイントもあったんだけどさぁ。あえて抜かなかった」
夕張「あら、どうして?」
川内「ヨドっちのお尻を眺めていたかったからっ」
夕張「オッサンか」
川内「バレてしまっては仕方ない……チチ揉ませろぉ」ワキワキ
夕張「カエレ!」
川内「ありゃ……意外とあるね」モミモミ
夕張「そりゃどうもっ」
川内「コッチはどうなってるのかにゃ~?」ツツツ
夕張「流石にソッチはやめれっ!」
この後滅茶苦茶乳を揉みあった
バトルシーンの描写は、毎回本当に困る……。
せめてもう少し自分に経験があればなぁ、と思ってしまいます。
>>89 不幸だわ……。
>>90 それでピンクにオールペンですね、わかります。
>>97 そのバイクを存じなかったのでググってみたら「何じゃコリャア!!」となりましたww
数十年も前にこんなモノを……さっすがスズキ!
>>98 ツナギはエロ。はっきりわかんだね。
>>99 このスレはフィクションです。実際の人物・地名・団体名とはry
実際に行った事はありませんが、あの当時は本当に凄かったみたいですね。
>>100 また有名スポットの名前がww
真似をしたら命が幾つあっても足りないなぁ……する気もありませんがww
夏イベは水無月と英国戦艦かぁ……。
で、夕月は?
乙
ツナギのお尻いいよね
ヲジサンも夕張さんのボディラインを攻めてみt…(#゚Д゚)┌┛)`д);∴
>みかん街道ww
農家のおっちゃんが野焼きを始める=狼煙で警察に通報なんてアホな都市伝説があったとか何とかww
>夜のワインディングは危険
その危険極まりない夜のワインディングで明かり点けると走ってるのがばれて通報されるからと無灯火で走り回ってた連中がいてな?
まあ、ブレーキランプと音でばれるから結局通報されるんですけどね…ホント、あの時代の走り屋の頭のネジの飛び具合はおかしい
なんてレベルじゃないwwwwww
ドーモ、ヘイ=テイトクデス。
ひとまず攻略が終わり、資源もある程度回復したのでE-4秋月掘りを始めました。
ちなみに今回は甲乙丙丙。
プリンツ、秋津洲、ニムも掘れた。アクィラ?いえ、知らない娘ですね。
>>110 長年胸&太ももフェチを自称していましたが、ツナギのお尻に魅力を感じた次第でありますww
>>111 狼煙吹いたww
映像見てると、ホントに今じゃ考えられない位のぶっ飛び様ですよねww
リアルタイムで体験してみたかった……。
ニムの太ももを一日中ニムニムしたい。
小ネタ乱舞
川内「我が愛器、GPZに乗り始めてから早幾月。古いバイクだけど、大変気に入っています」
川内「重さは走り出しちゃえば気にならないし、整備の度にタンク外さなきゃいけないのは……まあ大目に見よう」
川内「しかし……しかしだよ。どうしても気になるというか、許せないことがあるのですよっ」
川内「それは……っ!」カッ
川内「 タ イ ヤ が 売 っ て な い 」
夕張「16インチだしねぇ」
川内「ヴォー……何なのさ、コレ。何でこんな選択肢が無いワケ?」
夕張「だから17インチにしようって、最初に言ったじゃない」
川内「だってまずはそのまま乗ってみたかったんだもん」
夕張「今履いているのって、ダンロップのバイアスでしょ?」
川内「そー。ラジアルってのを履いてみたい……」
夕張「じゃあ、17インチ化する?ゼファーとかの足回り使えばイケるみたいだけど」
川内「うーん……今の乗り味変わるのは嫌だなぁ……」
夕張「そればっかりは仕方ないじゃない。直進安定性も良くなるし、何よりタイヤは選び放題になるわよ」
川内「……あっ、妖精さんが作れたりしないかなぁ」
夕張「いくら妖精さんでも、そんな事は……」
妖精 デキタヨー
川内「えっ、マジ?」
夕張「嘘でしょ!?」
川内「え?マグネシウムやチタン材のモノも作れるの?」
夕張「どういう技術よ……」
※ちなみにボーキテーブルでNSXが作れるらしい。
青葉「あっ!夕張さーんっ」
夕張「ん?どうかしたの?」
青葉「あのですね、実はお願いがありまして」
夕張「よしっ。断る」
青葉「ちょっと!話は最後まで聞いてくださいよっ」
夕張「まあ、聞く“だけ”なら聞いてあげる」
青葉「実はですね、青葉もバイクに乗ってみたいんですよ」
夕張「あら、そういうことは先に言いなさいよ。で、どんなのがいいの?」
青葉「場所を問わずに走破出来るようなバイクが欲しいです。最近写真にも凝っていまして、色んな景色を撮ってみたいな、と」
夕張「そうなると、やっぱりオフ車というかデュアルパーパスみたいななのがいいかしら」
青葉「青葉もそう思って、一応素人なりに良いと思ったモノをリストアップしてみましたっ」リスト
夕張「どれどれ……?」
・スズキ DR800S
・カワサキ 天涯
夕張「オラアァァァーーッッ!!!」バシーンッ
青葉「ああっ!?何てことするんですかっ!」
夕張「それはコッチの台詞よ!よりにもよって何でこの2台なのよっ!」
青葉「ツーリングにも余裕を持って対応出来るオフ車となると、やはりこういったモデルの方が……」
夕張「せめてアフリカツインとかにしなさいよっ!新型出たんだし!」
夕張「というか天涯って!知ってる人の方が少ないわっ!日本に何台あると思ってるのよ!?」
青葉「多分両手で数えられますね」ニパッ
夕張「編成限定ドロップの方がよっぽどマシよっ!」
夕張「ウチの鎮守府も海外艦増えたわねー」
川内「ついにイギリス人まで来ちゃったねー」
夕張「たまに見かけるけど、よその鎮守府にはアメリカ艦も居るものね」
川内「なんだろね、この多国籍軍」
夕張「独、伊、米、英……響ちゃんも含めたら、五カ国よ」
川内「なんかさー、どこもかしこもクルマ大国じゃない?」
夕張「まあね。米英は兎も角、平和条約でクルマ屋に転身ってパターンが多かったから」
川内「へぇー。それぞれの国によって特徴とかあるの?」
夕張「んー……勝手なイメージで語るなら、ドイツは質実剛健、イタリアは官能的で……」
川内「日本は?」
夕張「ショッピングモール」
川内「何その例え」
夕張「あれもこれも取り揃えてます、みたいな」
川内「分かるといえば分かるけど、もう少し他に言葉は無かったの?」
夕張「海外と違って国産車は商売上の折り合いみたいなのがあるから、振り切った事が出来ないのよねぇ」
川内「パルサーも充分振り切ってると思うけど」
夕張「……いっそランエボとかに乗ってみようかしら」
川内「好きだねぇ、そういうの」
夕張「小型の車体にハイパワー4WD……胸がときめくわっ」
川内「どれどれ?」ムニムニ
夕張「なにナチュラルに人の乳揉んでるのよ」
川内「……勝った」
夕張「うっさい」
川内「大規模作戦終わったら、また走りに行きたいなぁ」
夕張「流石にアンタも自重するのね」
川内「……バイクに細工されたみたいで、動かそうとすると警報が鳴り出すんだよ」
夕張「ああ、夜中工廠から変な音がすると思ったらソレだったの」
川内「ちょーっと乗ろうとしてもダメーって。おかげでコンビニにも行けないよ」
夕張「それ仕込んだの、大淀?」
川内「そー。警報鳴ったら、即飛んで来る」
夕張「徹底してるわねぇ」
川内「夕張はー?パルサー手に掛けてるの?」
夕張「空いた時間とかにね。タービン加工しちゃった」
川内「ふーん。やっぱパワー出るの?」
夕張「まだ暫定的なセッティングしかしてないけど、400位は出るんじゃないかな」
川内「うへぇ~……何に使うの、そんなの」
夕張「自己満足の世界なんだし、細かいことは気にしちゃダメよ」
川内「あー……加古っちゃんのゼファーもワケ分かんないもんねぇ」
夕張「世の中、趣味ってのは色々あるものなのよ」
川内「そういえば、作戦前に暇だったからツーリングに行ったんだけどね」
夕張「ふーん。何処行ったの?」
川内「エコーライン」
夕張「蔵王じゃない。いくら暇だからってまた随分と遠い所まで……」
川内「温泉に入って、チーズ工場とかにも行ったんだー」
夕張「一人で?」
川内「うんにゃ。友達と」
夕張「友達居たの?」
川内「失敬な。写真もあるよ」つスマホ
川内&軽巡棲鬼@肩組み自撮り写真
夕張 ブハッ
川内「自撮り棒だっけ?あれ便利だねぇ」
夕張「……いや、アンタ……」
川内「あとねー、チーズとかバター作ってる時の写真もあるよ」ポチポチ
軽巡棲鬼@必死で牛乳シェイク
夕張「一応聞くけど、コレ軽巡棲鬼よね……」
川内「うん。可愛いよね、セイちゃん」
夕張「……え?何処で知り合ったの?」
川内「三浦で。コペンに乗ってるんだー……ってあれ?どしたの、夕張?」
夕張「私達、何で争っているんだっけ……」
川内「今更かもしれないけどさ……」
夕張「なにが?」
川内「この夜偵の妖精さんにくっ付いているコレは何?」
夕張「ああー、そういえば……何だろ?」
古鷹「それはメンダコですよ」
夕張「古鷹さん?知ってるの?」
古鷹「水族館に行くのが趣味なので、こういう可愛い海洋生物は憶えちゃいましたっ」
夕張(古鷹さん……水族館……あっ)
川内「へぇ~。タコなんだコイツ。墨吐くかな」ツンツン
古鷹「深海に住んでいるから、墨袋が無くなっているんです」
川内「タコなのに……」
古鷹「でも不思議だなぁ。水から上がると体を支えられなくなってペッチャンコになるハズなのに……」
川内「え?なんで?」
夕張「深海ってことは、水圧が違うからじゃないの」
川内「ふーん?でもコイツ、普通に生きてるね」
古鷹「妖精さんと一緒に居たから、何か影響があったのかな?」
夕張「なにそれこわい」
川内「よしっ。お前の名前はローラだ!」
夕張「ローラって」
川内「夜偵にくっ付いてたからローラ」
夕張「えっと、よく分かんない」
※その後、ローラことメンダコさんは鎮守府の人気者になったとか。
尚、これを機に古鷹さんの手により大アクアリウムが作られたがそれはまた別のお話。
次回からまた本編というか、続きをスタート。
秋月早く来ないかなぁ……ニム可愛いなぁprpr
このSSまとめへのコメント
カワサキ車のメカノイズ良いですよねぇ、俺も20年以上前のカワサキ250乗ってます。まあ最近までマイチェン続けて売ってましたが。更新頑張ってください。応援してます。
やっぱニンジャかー
四輪とつるむ二輪に良いイメージは無いや。
このスレ見てやる気が出たのでまだズレてるキャブセッティングしてきます。
天涯乗るなら最近のKLR650にすればいいのに、つか古いカワサキのオフ車はスタンド折れよるし。後は古めだけどKLE400とか重いけどベルシス。最新のアフリカツインはかなり精度の高いオートマで乗りやすいし簡単らしいけどコケて油圧系やったら絶対動かんから従来のアナログな発動機積んだバイクのが山行く初心者なら良いと思う。
16インチもタイヤないけど18インチと21インチもロード走ろうとするとタイヤない。けど17インチにしたら負けな気がして。