【ラブライブ!】凛「ただいま、かよちん」 (141)

やり直しスレです。
前スレから引き継がない部分があります。あまりにも酷いぐだりと設定の矛盾でカットしました。
似たようなタイトルでまだ残ってるので自己責任でどうぞ。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1467112092

凛「う~、頭痛い・・・」ガチャッ

花陽「凛ちゃん、大丈夫?」

凛「間違えただけだけど、お酒なんて飲むんじゃなかったよ・・・」ウップ

花陽「すぐ寝る?」

凛「うん、そうする・・・」

花陽「じゃあお布団敷いてくるから、チョット待っててね」





寝室


凛「んん~~・・・」フラフラ

花陽「凛ちゃん、本当に大丈夫?」

凛「だめかも・・・」

花陽「ほら、おいで?」ポフポフ

凛「かよちんと暮らしててよかったよ・・・」ポスッ

花陽「花陽は、一緒に暮らしてなくても凛ちゃんの家までついてったかも」
凛「そう・・・?」

花陽「うん。明日は日曜日だけど予定も何もないし」

凛「そっか、日曜・・・。凛も仕事ないんだっけ・・・」

花陽「じゃあゆっくり休めるね」

凛「寝て過ごす~・・・」モソモソ

花陽「うん、わかった」



凛「・・・みんな変わってなかったね」

花陽「うん。7年前の9人と、何も変わらなかった」

凛「今日はいい日だったなあ・・・」

花陽「全部、ことりちゃんが企画してくれたおかげだね」

凛「ことりちゃん・・・。ううん、みんなとも、またしばらく会えないのかなあ・・・」

花陽「きっとまたすぐ会えると思うよ」

凛「そう・・・?」

花陽「うん、絶対!」

凛「えへへぇ・・・」


花陽「じゃあおやすみなさい、凛ちゃん」

凛「おやすみ・・・」







・・・・・・・・・


穂乃果『今の私たちなら、どんな夢だって叶えられる!』





ことり『じゃあ、みんな、またね』





真姫『ごめん、もうスクールアイドルの活動、できなくなったの』





花陽『・・・バイバイ、凛ちゃん』





・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


6年前・夏

屋上


凛「今日から、凛たちがこのアイドル研究部を引っ張っていくんだよね」

花陽「うん。後期に入って3年生は受験で忙しいみたいだから」

真姫「頑張りましょ。ラブライブのドーム大会も控えてるし」

凛「うう・・・」プルプル

花陽「凛ちゃん?」

真姫「何?緊張してるの?」



凛「・・・テンションあがるにゃーっ!!!」

真姫花陽「わっ!?」ビクッ

凛「凛たちが、この部活と学校を守っていくんだ!!気合い入るにゃーーー!!!」

真姫「い、いくら屋上だからってうるさいわよ!」キーン

凛「あっ、ごめんね・・・」

花陽「・・・ふふっ」

凛「・・・えへへ」

真姫「・・・もう」クスッ



・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・



部室


花陽「じゃ、じゃあ、いくよ・・・?」ドキドキ

凛「う、うん」ドキドキ

真姫「何回目だろうと、緊張するわね・・・」ドキドキ





廊下


穂乃果「ふふふんっふんっ~ふふふんっふんっ♪」

穂乃果「ふふんっふふんっふんふんふふ~ん♪」




『やったああああああああああ!!!!!!』




穂乃果「わっ!?」

穂乃果「え?なに?なに?」


穂乃果「今の声・・・凛ちゃんたち?」

穂乃果「部室かな・・・?」

穂乃果「おじゃましまーす・・・」カチャッ



凛「やった!!やったにゃ!!」ピョンピョン

花陽「これで、またあのステージに立てるね!」

真姫「ふふっ、今回はもっと大きいステージでしょ?」

花陽「あ、そっか」エヘヘ

凛「ドームかあ・・・。頑張らなきゃね!」

真姫「ええ。絶対、優勝するわよ」

花陽「うん!・・・あれ、穂乃果ちゃん?」



穂乃果「あ、気づかれた・・・」

穂乃果「も、もしかして?もしかして??」


凛「凛たち、ドームで歌えることになったよ!!」

花陽「これで夏も合わせてラブライブ決勝3回連続出場ですっ!」

真姫「穂乃果たちと掴んだドームの舞台、絶対モノにしてくるわ」


穂乃果「!!」

穂乃果「・・・っ」ジワッ

穂乃果「・・・おめでとう!凛ちゃん、花陽ちゃん、真姫ちゃん!」

穂乃果「絶対、観に行くからね!」

凛「うん!待ってるにゃ!」

海未「失礼します・・・。あ、やっぱりここでしたか」

穂乃果「げっ!見つかった!」

海未「げとはなんですか!ほら、受験勉強に戻りますよ!」

穂乃果「え~!?まだやるの~!?」

海未「当然です!!誰のために放課後居残って勉強していると思ってるんですか!!」

ことり「頑張ったら、お菓子もあるよ?」

穂乃果「それホント!?・・・じゃなくて!!」

穂乃果「聞いてよ!凛ちゃんたち、決勝まで残ったんだって!」

海未「え!?そ、それは本当ですか!?」

凛「にゃっ!」ブイッ

海未「さすがです・・・!悔いのないようにしてくださいね!」

ことり「おめでとう!3人とも、頑張ってね!」

花陽「うん!」

海未「しかし、結果が今日わかるなら教えてくれれば良かったではないですか」

穂乃果「そうだよー。青臭いよ?」

ことり「・・・水臭い、かな?」

穂乃果「ああ!それそれ!」

海未「青臭いのは穂乃果です・・・」

花陽「あ、え、えっとね」

凛「実は、サプライズ発表でーす!って感じにしたかったんだけど・・・」

穂乃果「えっ」

真姫「穂乃果が部室に来ちゃったせいで、台無しね」

穂乃果「うぐぅっ!?」グサッ

海未「そういうことですか・・・。穂乃果がご迷惑をおかけしました」ハァ

穂乃果「だ、だって!大きい声が聞こえたんだもん!」


穂乃果「ね、ねえ!それよりさ、ラブライブ絶対観に行くよね!?ね!?」

海未「・・・」

穂乃果「え、う、海未ちゃん・・・?」

海未「・・・私とことりはともかく、穂乃果は難しいかもしれませんね」

穂乃果「ええっ!?」

海未「穂乃果がセンター試験で合格を勝ち取れなかった場合、一般入試の試験期間とラブライブの決勝が恐らく重なります」

穂乃果「うそぉっ!?」

海未「ですから、今は絶対にセンターで受かるように追い込みをしなくてはいけないのに・・・」

ことり「ちょっとトイレって言って、なかなか帰ってこないから探しに来たの」

穂乃果「あ、あはは・・・」

海未「ほら、戻りますよ。凛たちの晴れ舞台、観に行きたいでしょう?」

穂乃果「うう・・・。はい・・・」トボトボ

ことり「じゃあ、応援してるね!みんなで行くから!」

花陽「う、うん!」



パタン



真姫「もうセンター試験まで1か月無いのになにやってるのよ・・・」

凛「でも、きっと穂乃果ちゃんなら大丈夫にゃ!」

花陽「うん!じゃあ、花陽たちも最高のステージを見せられるように頑張らなきゃ!」

真姫「ええ」

凛「今日も練習、いっくにゃー!」



・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

2月

アキバドーム


凛「うっ・・・ううっ・・・」グスグス

真姫「もう、いつまで泣いてるのよ」

凛「真姫ちゃんだっで、さっきまで泣いてたぐぜにぃ・・・」ズビッ

真姫「う、うるさいわね!」

花陽「凛ちゃん、一番頑張ってたもんね」

真姫「なに?私が頑張ってなかったってこと?」

花陽「あ、いや、そうじゃなくて・・・」

凛「みんな、みんなが輝いでたよぉ・・・」ズビーッ

真姫「・・・そうね」

花陽「順位なんて関係なく、みんなが頑張ったもんね!」

穂乃果「みんなーっ!」タッ

花陽「あ、穂乃果ちゃん!」

穂乃果「ステージ、すっごく良かったよ!穂乃果も踊りそうになっちゃった!」

海未「本当にステージに上がっていきそうだったので止めるのが大変でした・・・」

にこ「ほんとよ・・・。無駄に体力使ったわ」

希「それだけ、あのステージにパワーが込められてたってことやん?」

絵里「ええ。私もまたスクールアイドルをやりたくなったわ」

ことり「みんな、お疲れ様!」



凛「みんな・・・」グスッ

真姫「いい加減泣き止みなさい。ほら、ティッシュ」

凛「ありがと・・・」フキフキ


凛「・・・あの」



穂乃果「待った!」

穂乃果「まずは私たちから!じゃあいくよー?」

穂乃果「せーのっ・・・」



6人「ラブライブ優勝、おめでとーっ!!」



凛「・・・ありがとーっ!!」ダキッ

6人「おうっ!?」

凛「うぇっ・・・うううっ・・・」グスグス

花陽「えへへ・・・。ほんとに、優勝したんだね・・・」ポロッ

真姫「ちょっと、花陽まで泣く気?」ウルッ

花陽「真姫ちゃんも・・・。目、潤んでるよぉ・・・」グスッ

真姫「・・・ふふっ」





絵里「本当に、スクールアイドルに関われててよかったわ。去年からもう3連覇よ?」

海未「そうですね・・・。結成したての頃を思うと、感慨深いです・・・」

にこ「すっかり音ノ木坂も有名校ね。あのUTXにも負けないぐらいの」

希「入学者がどのくらい増えるか・・・。4月が楽しみやね!」

穂乃果「うん!その頃には、穂乃果たちも音ノ木坂にはいないけど・・・」

ことり「凛ちゃんたちがいるから大丈夫だよね?」

凛「うんっ!任せてにゃっ!」

真姫「じゃあ、私たちは帰り支度してくるわ」

花陽「たぶんインタビューとかもあって遅くなっちゃうから、ここで一旦バイバイだね」

穂乃果「うん!みんな、本当にお疲れ様っ!」

絵里「また日を改めて慰労会でも開きましょ」

海未「ええ。では、その時にまた会いましょう」

にこ「あんた達、インタビューじゃしっかり風格を見せつけるのよ?」

希「そんなん必要ないと思うけどなあ。今の3人ならありのままでも輝いとるよ!」

ことり「じゃあ、みんな、またね!」





凛「あ・・・」


凛「・・・・・っ」グッ



真姫「さ、衣装着替えちゃいましょ。・・・凛?」

花陽「凛ちゃん?どうしたの?」


凛「・・・ううんっ!いこっ!」


花陽「・・・?」



・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

5月

部室


凛「真姫ちゃん遅いにゃー・・・」

花陽「そうだね・・・。先に練習始めちゃう?」

凛「うーん・・・。いや、たぶんそろそろ来るから待つにゃ」

凛「どうせなら、雪穂ちゃんと亜里沙ちゃんに指揮をやらせてみる?」

花陽「あ、そうだね。どんどん経験を積んでもらったほうがいいかも」

凛「凛たちも、あと3か月しか残ってないもんね・・・」

花陽「・・・うん」



カチャッ



真姫「・・・」

花陽「あ、真姫ちゃん!」

凛「もー、真姫ちゃん遅いにゃ!練習始まる時間だよ?」

真姫「・・・ごめんなさい」

凛「じゃあ早く着替えて、屋上行くにゃ!」



真姫「・・・」



花陽「真姫ちゃん?」

凛「真姫ちゃんどうしたの?・・・具合悪いの?」

真姫「・・・そうじゃ、ないの」




真姫「・・・ごめん」


真姫「もうスクールアイドルの活動、できなくなったの」




花陽「えっ・・・?」


凛「・・・へ?」


凛「どう、して・・・?」



真姫「・・・先月受けた模試の結果が、返ってきたの」

真姫「このままじゃ、志望校に届かないレベルだった」

真姫「パパにも言われたわ。いい加減受験勉強に打ち込んだらどうなんだって」

真姫「・・・見通しが甘かったの。スクールアイドルをやりながらでも、今まで通りやればいけると思ってた」

真姫「私は、私の夢を捨てきれないっ・・・」ポロッ



花陽「そんな・・・」

凛「・・・」



真姫「自分勝手だっていうのは分かってる」

真姫「でも、もう後がないの・・・」



凛「・・・やだよ」

凛「・・・やだ!!凛はそんなのやだ!!」

凛「この3人で出れる最後のラブライブに優勝して、胸張って引退したいの!!」

凛「練習も減らしていいから!!辞めないでよ、真姫ちゃん!!

真姫「・・・半端な態度で優勝できるほど、ラブライブは甘くないわ」

真姫「私がいたら、きっと迷惑になる。本選出場すらできなくなるかもしれない」

真姫「せめて、2人はあのステージにもう一度立ってほしいのよっ・・・」



凛「嫌だって言ってるでしょ!!」

凛「9人じゃないとμ’sじゃなかったみたいに、3人じゃなきゃ意味が無いの!!」ウルッ

凛「そんなの、やだよぉっ・・・!!」ポロッ



花陽「凛ちゃん・・・」


花陽「・・・真姫ちゃんの想いを、尊重してあげよう?」


凛「かよちん・・・!?」

凛「ねえ、かよちんはそれでいいの!?」

凛「かよちんは、真姫ちゃんがいなくてもいいの!?」



花陽「いいわけないよっ!!!」

凛「っ!」ビクッ



花陽「・・・でも、しょうがないの」

花陽「私たちのせいで、真姫ちゃんの未来が奪われるなんてこと、あっちゃいけないから」

花陽「真姫ちゃんも辛いのを我慢してるの」

花陽「・・・わかってあげて?」

凛「わからないよぉっ・・・。なんでスクールアイドルを諦めなきゃいけないのっ・・・」



真姫「・・・本当に、ごめんなさい」

真姫「でも、もう無理なの」ポロッ

真姫「ごめんなさい・・・」ポロポロ



花陽「真姫ちゃん・・・」ギュッ

花陽「・・・うぅっ」グスッ



凛「うううっ・・・」ギュッ


凛「うああああぁっ・・・」グスグス



凛「うわああぁあぁぁあぁあああんっ!!」



・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

7月

アキバドーム


『さてさて!栄えある第5回ラブライブ決勝大会、結果を発表したいと思いますっ!』


『優勝は――――――――――!!』



凛「あっ・・・」


花陽「・・・っ」


凛「・・・はは」


凛「だめ、かあ・・・」ヘタッ


凛「やっぱり、2人じゃ・・・」


凛「・・・」グスッ


花陽「・・・お疲れ様、凛ちゃん」ギュッ


凛「・・・」ギュッ


凛「くぅっ・・・うっ・・・」


花陽「・・・いくらでも、泣いていいんだよ」


花陽「花陽は、ここにいるから」ナデナデ


凛「うっ・・・うああっ・・・」グズグズ



・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

9月

3年生教室


花陽「凛ちゃん、帰ろう?」

凛「・・・」ボーッ

花陽「凛ちゃんっ」

凛「・・・うん」



凛「・・・真姫ちゃん、今日も学校来なかったね」

花陽「うん・・・。音ノ木坂の授業じゃ医大レベルには届かないだろうし、しょうがないのかも・・・」

凛「ねえ、家に行ってみない?」

花陽「うーん・・・。勉強の邪魔になっちゃうから、やめておこう?」

凛「・・・」



凛「そういえば、さ」

花陽「?」

凛「かよちんはもうどの大学に行くか決めたの?」

花陽「あ、うん。一応ここならってところは見つけたよ」

凛「へー・・・」


凛「じゃあ、凛もそこに行こうっと」

花陽「え!?」

凛「ダメ?」

花陽「ダメじゃないけど・・・。」

凛「大丈夫、ちゃんと勉強もするよ」

凛「もうやることもなーんにも無いし」

花陽「・・・そんなに簡単に決めちゃっていいの?」

凛「うん。凛は、かよちんが行くところに行きたいな」

花陽「凛ちゃん・・・」

凛「・・・ねえ、かよちん」


花陽「? なに?」


凛「凛たちがラブライブで3連覇した時の事、覚えてる?」


花陽「・・・うん。忘れるわけないよ」


凛「優勝して、みんなに祝ってもらって・・・」


凛「それで、みんなとまた今度ねって別れた時にね」


凛「みんなが、凛たちから離れて行っちゃう感じがしたの」


凛「もう会えないとかそういうわけではないって分かってるのに」


凛「凛がみんなから、置いて行かれるような感じ」


凛「真姫ちゃんがもう練習に来れないって言ってた時もそうだった」


凛「凛、それがすっごい怖くて、怖くて・・・」



花陽「・・・」


凛「・・・かよちん」


凛「かよちんは、凛から離れないでいてね」


花陽「・・・うん」



・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

翌年3月

音ノ木坂学院


真姫「・・・久しぶりね」

凛「うん」

花陽「真姫ちゃん、元気だった?」

真姫「ええ。・・・さすがに受験では苦労したけど」

凛「医大受かったんだってね。すごいなあ」


真姫「・・・ごめんなさい」

凛「? なんで謝るの?」

真姫「私、凛の・・・2人の想いを踏みにじって、結局自分だけ良い思いして・・・」

花陽「真姫ちゃん・・・」


凛「気にすること無いよ。真姫ちゃんには真姫ちゃんの人生があるもん」

凛「それに、凛は真姫ちゃんが医大に受かって嬉しいよ?」

凛「ラブライブで勝てなかったのは実力不足。しょうがないよ」

真姫「・・・凛?」

凛「なに?」

真姫「・・・なんだか、変わったわね」

凛「んー。そうかもね」

凛「成長したんだよ、凛も」

花陽「あ、ほ、ほら!凛ちゃんすっごい勉強頑張ってね、春から花陽と同じ大学に行くの!」

真姫「へえ。あの凛が、ねえ・・・」

凛「もー。凛だってやればできるんだよ?」

真姫「ふふっ、確かに、少し見直したわ」

花陽「・・・えへへ」ウルッ

真姫「え、ちょ、ちょっと花陽?」

凛「かよちん?」


花陽「最後に、3人で前みたいに話せて、嬉しくて…」グスッ

真姫「・・・そうね」

凛「・・・うん!」


凛「ねえ、卒業式までまだ少し時間あるし、最後に校内を見て回らない?」

花陽「あ、それいいかも!」

真姫「そうね。もう当分来ることも無くなるし」

凛「真姫ちゃん、学校来るのも久しぶりじゃない?どこがどこだかわかる?」

真姫「失礼ね!合格の報告には来たし、そんなに物忘れ酷くないわよ!」

花陽「じゃあ、行こっか!」



・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

4月中旬

大学内学食


花陽「あっ、凛ちゃん!ここだよー!」

凛「おまたせー」

花陽「やっぱり、学部が違うとお昼ぐらいしか会えないね…」

凛「凛も農学部受けたかったなー。なんで文系選択しちゃったんだろ」

花陽「それは2年生の時の凛ちゃんに聞いてみるしかないね・・・」


花陽「そろそろ友達はできた?」

凛「うん!授業で話す子は何人かいるよ」

凛「さすがに入った直後みたいに有名人扱いされることももう無いし」

花陽「あはは。大変だったよね」


凛「その、みんなが集まってくる時さ」

凛「みんな、前に『μ’sの』がついてなかった?」

花陽「・・・そういえば、そうかも?」

凛「μ’sが解散した後の、凛たちのグループ名が付くこと、あった?」

花陽「え?えーっと・・・」

凛「少なくとも凛の周りでは、全然いなかった」

凛「みんな、μ’sの星空凛しか見てなかったの」

花陽「・・・」

凛「凛たちがやってきたこと、ちゃんとみんなに見てもらえてるよね?」

花陽「・・・えっと」

凛「・・・なーんて」

凛「ごめんね、せっかくのご飯が美味しくなくなっちゃうね」

花陽「あ、ううん・・・」

凛「じゃあかよちんにビッグニュース教えてあげる」

花陽「?」


凛「凛、教職課程を受けることにしたよ」

花陽「え、ほんとに?」

凛「うん」

凛「少しの間だったけど、アイドル研究部で先輩っていう立場に居て、すごく楽しかった」

凛「それで、将来は指導者になってみたいなあ、それなら音ノ木坂で先生をやりたいなあ、って」

凛「忙しくなるだろうから、もしかしたらこれから昼くらいしか会えなくなるかもしれない・・・。ごめんね」

花陽「う、ううんっ!気にしないで!」



キーンコーンカーンコーン…



凛「あ、やばっ。行かなきゃ」バッ

花陽「じゃ、じゃあ頑張ってね!」

凛「うん、またねっ!」ダッ

花陽「・・・」


花陽「凛ちゃん、目標ができて、本当によかった・・・」



花陽(卒業式の日に真姫ちゃんも気づいたみたいだけど、凛ちゃんは少し変わった)


花陽(最後のラブライブが終わってから、文字通り燃え尽きたみたいに静かになって)


花陽(・・・猫語も使わなくなった)


花陽(この大学に入るって決めた後は時間を全部勉強に費やしてて、また凛ちゃんに火がついたみたいで・・・)


花陽(私はそれが嬉しくて、何回も勉強会を開いたし分からないところは教えたり一緒は考えたりして・・・)


花陽(・・・けど)



花陽(時々見せる、まるで何にも興味が無さそうな無表情の凛ちゃんを見るのが、とても辛かった)


花陽(それを見る度に、胸がぎゅって締め付けられるみたいで・・・)


花陽(・・・あんな表情、もうしてほしくない。凛ちゃんには、笑顔でいてほしい)



花陽(花陽が、そばにいてあげなきゃ)



花陽「凛ちゃん・・・」



・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

8月下旬

某デパート・フードコート


花陽「それで、真姫ちゃんはどんな感じなの?」チュー

真姫「どうって・・・。想像してる通りよ。正直しんどいわ」コクッ

凛「彼氏とかできないの?」ズゴー

真姫「そんな暇無いわよ。恋愛にかまけてたら医者になんてなれないわ」

真姫「凛と花陽はどうなのよ。男寄ってくるんじゃない?」

花陽「花陽は全然・・・」

花陽「・・・」チラッ


凛「凛は・・・」

真姫「なに?あるの?」



花陽(え?)



凛「・・・ちょっと有名だからって、軽そうな人たちによく合コンに誘われる」



花陽(えっ?えっ?)



真姫「まさか行くの?」

凛「行かないよ。そんな人たちと遊んでも楽しくないし」

真姫「・・・まあ、そうよね」

花陽(なんだ・・・)ホッ


花陽(・・・もし凛ちゃんに恋人ができたら、花陽はどうするんだろう)


花陽(祝ってあげて、末永くお幸せにって言って・・・)


花陽(・・・それだけ?)



凛「それに、凛も勉強忙しいもん」

真姫「ああ・・・。教師になるんだっけ」

凛「うん。まだなれるかは分からないけどね」

凛「とりあえず前期の単位は全部取ったから、スタートダッシュは決めれたかな」

真姫「へえ、すごいじゃない。花陽は?」


花陽「・・・」

真姫「花陽?」


花陽「・・・へ?」


花陽「あ・・・ごめんね。話聞いてなかった」

真姫「単位よ。ちゃんと取れたかって」


花陽「あっ・・・」

真姫「・・・まさか」

花陽「・・・1つ、落としちゃった」ガクッ

真姫「何やってるのよ・・・」

花陽「絵を描くサークルに入ってるんだけど、そっちで出すコンクールの提出期間とレポートの期間が重なってて・・・」

真姫「両立できなかったわけね・・・」

凛「しかもバイトも結構入ってたよね」

真姫「え?まさかその期間に?」

花陽「・・・だって、人足りないからって、まかないはずむからって言われて・・・」

真姫「3足のわらじなんて無理に決まってるでしょ・・・。今回落とした単位は勉強代ね」

花陽「後期は気を付けます・・・」

凛「かよちん、もう落としたら駄目だよ?下手したら留年しちゃうかもしれないし」

花陽「やめてよぉ・・・」


真姫「・・・今は凛が花陽を諭す立場なのね」

凛「んー、勉強に関してはそうかもね。すっかり逆転しちゃった」

花陽「凛ちゃんが頭良くなるのは嬉しいんだけど、複雑な感じがする・・・」

凛「かよちんも頑張ってると思うよ?1つ落としただけで済んだんだもん」

真姫「それは済んだとは言わないわよ」

花陽「もうこの話やめよう・・・?」パタリ



・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

翌年2月14日

小泉家


花陽「はい、凛ちゃん!これ!」スッ

凛「ありがとう!」

凛「凛は今年も、お店で買ったやつだけど・・・」スッ

花陽「ううん!嬉しいよ!・・・って、ええっ!?こ、これ!?」

凛「今年はちょっと奮発してみたよ。貯金も貯まってたし」

花陽「だ、だからって、これ、高いけどすごく美味しいって噂のチョコレート・・・」

凛「かよちんは毎年いろんなのを作ってくれるのに凛は毎年スーパーで買ってるの、なんだか申し訳ないなって・・・」

花陽「凛ちゃん・・・。ありがとう!」

花陽「これ、一緒に食べよう?」

凛「え、いいの?」

花陽「だって、これ買うのに結構並んだだろうし、高いし、逆に花陽のほうが申し訳なくなっちゃうよ・・・」

花陽「それに、美味しいものは他の人と食べる方がもっと美味しくなるだろうし!」

花陽「花陽は、凛ちゃんと一緒に食べたいな♪」

凛「かよちん・・・」

凛「・・・そこまで言われたら、食べないわけにはいかないや」

花陽「えへへ・・・。じゃあ、はい!」スッ

凛「ありがと!」


花陽「いただきます・・・!」パクッ

花陽「~~~っ!!♡」

花陽「はああ・・・♡幸せ・・・♡」


凛「・・・!」

凛「・・・?」

凛(あれ、なんだろうこの感じ)

凛(かよちんの幸せそうな顔見たら、なんだか・・・)

凛(胸がきゅんってして・・・)

凛(あったかい・・・?)


花陽「凛ちゃん、食べないの?」

凛「あ、うん、食べるよ」パク

凛「・・・!これ、ほんとに美味しいね」

花陽「さすが、噂のチョコレート・・・♡」プワプワ

凛「・・・」チラチラs



花陽「凛ちゃん、これ買ったのって一個だけ?」

凛「うん。個数制限あったし、今年はかよちん以外にはあげないもん」

花陽「え?大学の友達とかは?」

凛「春休み入ったからたぶん会わないし、他の友達も一緒だよ」

花陽「そ、そうなんだ・・・」



花陽「花陽は、サークルのみんなでチョコを交換したから今年はちょっと疲れちゃった」エヘヘ


凛「・・・っ」ズキッ

凛「・・・?」



花陽「凛ちゃん?どうかしたの?」

凛「・・・ううん、なんでもない」

凛(・・・なんだろう、今の)


凛(いきなり、胸を刺されたみたいな・・・)


凛(さっきのきゅんっていうのと似てて、ちょっと違う・・・)



花陽「えっと・・・それでね、みんなからは美味しいって言ってもらえたんだけどね」

花陽「実はその時に分量とかを変えて1つで3種類ぐらい持って行ってね」

凛「そ、そんなに作ったんだ」ズキズキ


花陽「うん、みんなに食べてもらって一番美味しいのを選んでもらったの!」

凛「そ、そうなんだ」ズキズキ



凛(なにこれ)


凛(かよちんの一言一言が、胸に刺さる)


凛(痛い、苦しい)



花陽「食べてみて!きっと今までで一番美味しいから!」

凛「あ、う、うん」


凛「じゃあ開けるね」カサッ

凛「えーっと・・・これ、なんて言うんだっけ?」

花陽「トリュフ!今まで作ったこと無かったよね?」

凛「うん。・・・すごいや、お店に売ってるのみたい」

凛「じゃあ、いただきます」パク


花陽「ど、どうかな?」ドキドキ

花陽「あ、さ、さすがに噂のチョコレートには負けちゃうけど・・・」

凛「・・・ううん、そんなことないよ」

凛「これ、すっごく美味しい。さっきのに負けないかも」

花陽「ほ、ほんと?」

凛(なんだろう、食べてると、安心して)

凛(さっきまでの痛みが抜けていく感じがして・・・)



凛「・・・かよちんの愛が詰まってる味がする」


花陽「あ、愛!?///」カアァ

凛「・・・え?」



凛(凛、今なんて言ったの?)

凛(・・・愛?)



花陽「り、凛ちゃんはおませさんだね・・・///」

凛「あ、いや、その」

花陽「ちょ、ちょっとお手洗いに行ってくるね!」ガチャッ

凛「か、かよちん!?」



パタン



凛「あっ・・・」


凛(・・・なんで、あんな言葉が出てきたんだろ・・・)



凛「・・・・・あーーー・・・」



凛(そっか、凛は・・・)


凛(かよちんのこと・・・)

花陽「・・・ふう」ドキドキ


花陽(まだ、胸がドキドキしてる・・・)ドキドキ


花陽(急にあんなこと言われたら、照れちゃうよ・・・///)


花陽「・・・えへへ」





ガチャッ



凛「あっ・・・」ピクッ

花陽「お、お待たせ―・・・」


凛「・・・かよちん」

花陽「な、なあに?」



凛「・・・来年のバレンタインも、楽しみにしてるね」

花陽「・・・うん!」



凛(・・・来年は、自分で作ってみよう)


凛(その方が、想いがこもるみたいだから)



・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

3月

星空家


凛「・・・」カリカリカリカリ


凛「・・・・・」カリカリ


凛「・・・・・んー・・・」パタン


凛「・・・集中できない」


凛(この前の、バレンタインデー)


凛(あの日、この気持ちを自覚してから、何かが変になってる)



ピロリン♪



凛「ん・・・」



はなよ:凛ちゃん、明日って何か予定ある?

はなよ:よければ、買い物に行きたいなあって思うんだけど・・・

はなよ:勉強とか、忙しいかな?



凛「・・・」



凛(いつもは思いついたままに返してる連絡を、かよちん相手だといちいち内容を考えて返したり)



りん:ううん、大丈夫だよ



凛(凛は・・・あまり頭の出来が良いほうじゃないから、人より努力しなきゃいけないのに)


凛(かよちんのことを考えると作業も手が付かなくなって、胸が少し苦しくなる)


凛(そうなるぐらいならって、最近は誘いを断らなくなってきたし)

はなよ:ほんと?

はなよ:ありがとう!

はなよ:真姫ちゃんも誘ってみる?



凛「・・・」



りん:真姫ちゃんは、凛より忙しいんじゃないかな

りん:また今度にしよう?



凛(他の人も来るのが、嫌だなって思うようになってきた)


凛(2人きりの時間が欲しい)


凛「かよちん・・・」





十数分前

小泉家


花陽(春休みに入ってから、なんだか寂しい)


花陽(その原因は・・・。きっと、凛ちゃんに会えてないから)


花陽(学校がある時も頻繁に会ってたわけじゃないけど、お昼はいつも一緒だったしそれだけで満足だった)


花陽(・・・ううん、我慢してた)


花陽(本当はもっと会っておしゃべりしたいし、もっと一緒にいたい)


花陽(なのに、なのに、こんなに長く会えないなんて・・・)


花陽(・・・耐えられない)



はなよ:凛ちゃん、明日って何か予定ある?

はなよ:よければ、買い物に行きたいなあって思うんだけど・・・



花陽(結局、こうやって遊びに誘っちゃう)


花陽(凛ちゃんは教師になるために毎日勉強してて、頻繁に遊んでる暇は無いのに)



はなよ:勉強とか、忙しいかな?



花陽(だから、こういう一文を送って花陽自身の保身をする)

りん:ううん、大丈夫だよ



花陽「・・・!」パアァ


花陽(最近は凛ちゃんも断らずに付き合ってくれる)


花陽(花陽がしつこかったからかな。ごめんね)



はなよ:ほんと?

はなよ:ありがとう!



花陽(ほんとなら、明日どこに待ち合わせて、どこに行くかとかを話し合いたい)


花陽(でも・・・)



はなよ:真姫ちゃんも誘ってみる?



花陽(なんだか2人きりが恥ずかしくなって、こういうことを持ちかけてみる)


花陽(でも、凛ちゃんは優しいから)



りん:真姫ちゃんは、凛より忙しいんじゃないかな

りん:また今度にしよう?



花陽(こういう返事が来ることも、わかってた)


花陽(そして、わかってた返事が来て、ほっとしてる自分が嫌いで・・・)


花陽(・・・いつから、こうなっちゃったのかな?)



・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

7月

学食


花陽「凛ちゃん、暑いのによくラーメンなんて食べられるよね・・・」

凛「これだけはやめられなくって。午後のテストに向けて体力つけとかなきゃ」ズルズル

花陽「あ、そっか。花陽は午前でテスト全部終わったよ」モグモグ

凛「どうだった?」

花陽「去年みたいなことにはならないよ。・・・たぶん」

凛「凛も頑張らなきゃ。あとは午後の1科目で終わりだし」

花陽「・・・あ、そうだ凛ちゃん」

凛「?」ズルズル

花陽「良かったら、この後少しお出かけでもしない?」

凛「え、でも結構待つことになっちゃうよ?時間目一杯使ってくるし」

花陽「その間はここで待ってるから・・・。ダメ?」

凛「うーん・・・。まあ、かよちんがいいならいいよ」

花陽「ありがとう!じゃあ、待ってるね!」

凛「凛も、なるべく早めに終わらせて出てくる」

花陽「頑張ってね!」

凛「うん!じゃあ、また後でね」ガタッ

80分後


花陽「あ・・・」



ゾロゾロ…
アーツカレター
ダリー



花陽(途中退出した人たちかな・・・?)

花陽(凛ちゃんは・・・まだだよね)



「ねーそこでなにやってんの?」



花陽「え?」クルッ



チャラ男1「暇してんなら俺らと遊びいこーよ」ニヤニヤ

花陽「あ、いや、友達を・・・」

チャラ女1「えーなに聞こえなーい」アハハ

チャラ男2「つーか君可愛いね!何年?学部は?」ズイッ

花陽「あ、の、農学部の、2年、です・・・」

チャラ男3「タメじゃん!テスト終わったし暇でしょー?」

花陽「い、いや・・・」

チャラ男4「ん、君どっかで見たことある・・・ひょっとして有名人?」

チャラ女2「えーなにそれやばくない!?」ギャハハ

花陽「や、やめて、ください・・・」



凛「・・・なにしてるの?」

花陽「あ、り、凛ちゃん!」


チャラ男1「あ?なにお前。この子の友達?」

チャラ男2「こいつあれじゃん!いつも教卓の真ん前陣取ってるやつ!」

チャラ男3「あー!いるいる!真面目ちゃん!」

チャラ女1「てかあたしらこの子と少人数授業で一緒じゃね?」

チャラ女2「そうじゃん!そういや、あんた授業終わるとすぐどっか行っちゃうよねー」


凛「・・・それがどうしたのさ」


チャラ女2「あんたの友達が噂してたよー?いつも昼になったらどっか行っちゃうってー」

チャラ女1「なにそれウケる!」ギャハハ


凛「・・・ふーん」


花陽「あっ、それって・・・」



花陽(花陽の、せい・・・?)



チャラ男1「なんか冷めちまったしもう行こーぜ」

チャラ男4「この子も、どっかで・・・」ムムム

チャラ女1「どーせ授業かなんかでしょー」



ゾロゾロ…



凛「・・・なにあれ」

凛「かよちん、大丈夫?変なことされてない?」

花陽「あ、う、うん。大丈夫・・・」

凛「行こ。あいつらが帰ってこないうちに」グイッ

花陽「あわっ、ちょっ、ちょっと、待って!」

凛「・・・なに?」

花陽「さっきの・・・。凛ちゃんが、陰口言われてるって話・・・」


花陽「花陽のせい・・・だよね?花陽が、お昼ぐらいは会いたいなんて言うから・・・」

花陽「あの・・・」


花陽「い、嫌だったら、いいから・・・ね?」



花陽(・・・あっ)


花陽(違う、そうじゃないよ)


花陽(今言うべき言葉は、それじゃないよ)


花陽(だって、こんなこと言ったら、凛ちゃんは・・・)



凛「・・・別に、陰口ぐらい気にしないよ」


凛「それに凛はかよちんといる時間が、一番大事だから」


花陽「凛、ちゃん・・・」



花陽(嬉しい。凛ちゃんがそんなことを言ってくれるなんて、嬉しいよ)


花陽(でも嫌なの。これを嬉しいと感じる花陽が嫌なの)



凛「さ、買い物いこ?」

花陽「・・・うん」

凛「嫌なことあったしテスト終わったし、何か甘いものでも食べよっか!」

花陽「・・・うん」

凛「んーっ・・・。やっと羽が伸ばせる・・・」ノビッ

花陽「・・・うん」



・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

9月

キャンパス内


花陽「・・・」チラッ


花陽「そろそろ出てくるかな・・・?」


花陽(夏物の在庫処分セール、凛ちゃんに何を選んであげようかな・・・)

花陽(・・・たぶん2人ともウィンドウショッピングで終わるけど)

花陽(お金貯めなきゃだもんね。車の免許も取らなきゃだし、大人になったら独立もしたいし・・・)



チャラ男1「あれ、この前の子じゃん!」



花陽「へっ?・・・っ!」


チャラ男2「おー久しぶり!ねえねえ、今度こそ俺らと遊ばない?」

チャラ男3「女どもがドタキャンしやがってさー。数足らないんだよね」

チャラ男4「おごるからさ!ねえ、いいでしょ?」

花陽「い、いや、今日も・・・」

チャラ男1「あーまたあいつ?」

チャラ男2「でも俺らと遊んだ方が絶対楽しいっしょ!」

チャラ男3「じゃーいこっか!」グイッ

花陽「や、やめてください!」

チャラ男1「大丈夫、なんも怖くないからさ!」

チャラ男2「ほら、早くしないとあいつが・・・」



凛「かよちんっ!!!」



チャラ男1「げっ・・・」

チャラ男2「あーあ」

花陽「り、凛ちゃん!」

凛「やめてよ!!かよちん嫌がってるじゃん!!」

チャラ男3「うるせえなあ・・・」パッ

花陽「あっ・・・」


チャラ男4「・・・あーーーーー!!!」


チャラ男1「んだようるせえな」

チャラ男4「思い出した!!この2人、μ’sだよ!!俺らが高1の頃のスクールアイドル!!」


凛花陽「!」


チャラ男2「スクールアイドル・・・?ああ、そういえばそんなのいたな」

チャラ男4「しかも確かトップだよ!!」


凛「!!」

凛(やっぱり、μ’sが終わった後は・・・)


チャラ男3「で、この2人がそれ?マジで?」


凛「それがどうしたのさ!!もう終わったことだよ!!」


チャラ男3「なんでキレてんだよ・・・」

チャラ男1「にしてもアイドルねえ。だからこんな可愛いのか」ソッ


凛「凛のかよちんに触るな!!」バッ


チャラ男1「わっ・・・と。何ムキになってんだよ」


チャラ男2「おい、今なんつった?『凛の』つったか?」


凛「あっ・・・」


チャラ男1「まじで!?デキてんのこいつら!?」

チャラ男2「そいつは失礼しましたねえレズ共」ケラケラ


凛「ち、ちが…」


チャラ男4「おい、もう行こうぜ」

チャラ男3「めんどくせえなあ・・・」



凛「・・・」

花陽「・・・」

凛「・・・ごめん」

花陽「え!?」

凛「凛が、もう少し早く来てれば、あんな奴らと絡まれることなんて無かった」

凛「いや、もし遅ければ、連れて行かれてたかも・・・」

花陽「で、でもっ!凛ちゃんは守ってくれたし・・・」

凛「・・・ごめん」

凛「今日はもう、帰ろっか」

花陽「凛ちゃん・・・」

花陽「・・・うん」







星空家


凛(くそっ!!くそっ!!)


凛(なんで、なんでかよちんばっかりこんな目に合うの!!)


凛(なんで凛はかよちんをちっとも守れないの!!)


凛(またこんなことがあったら、その時は・・・)


凛(凛の、凛のかよちんに手出しなんてさせない・・・)


凛(凛にはもうかよちんしか、かよちんしかいないんだ)





同時刻

小泉家


花陽「・・・」


凛『凛のかよちんに触るな!!』


花陽「・・・//」


花陽(『凛の』って、そういうことなのかな・・・?)


花陽(凛ちゃん・・・。かっこよかったなあ・・・)

花陽(・・・けど)

花陽(ちょっと、怖かった・・・)


花陽「・・・・・」

翌日

大学内教室


凛「・・・」ガチャッ



凛「あ、おはよ」



凛「・・・どうしたの?」



凛「えっ・・・」



凛「・・・・・そうだよ」



凛「・・・・・」




凛「・・・なるほどね」



凛「いいよ、無理に構わなくても」



凛「分かってるからいいって」



凛「・・・構わなくていいって言ってるじゃん!!」



凛「あっ・・・」



凛「・・・ごめんね」



凛「・・・・・」



学食


花陽「あ、凛ちゃん」


凛「・・・」ガタッ


花陽「どうしたの?何か浮かない顔してるけど・・・」


凛「・・・」


凛「・・・昨日の、凛があいつらに言った言葉」

凛「授業のクラス内で広まってた」

花陽「え・・・?」

凛「誰が広めたのかなんてすぐわかるけどさ」

凛「凛が仲良くしてた子たち、なんだかよそよそしくなっちゃって」

凛「凛に構うのが辛そうだったから」

凛「構わなくていい、って言ってきちゃった」

花陽「!」

凛「あはは・・・。これで授業内でも1人ぼっちになっちゃった」

凛「元々、授業でしか絡まない子だったけど・・・」

花陽「い、今からでも、誤解を解きに行こうよ!」

凛「いいよ別に」

凛「・・・誤解じゃないし」ボソッ

花陽「え?」

凛「ううん、なんでもない」

凛「凛は、かよちんさえ居てくれればいいよ」

花陽「凛、ちゃん・・・」

凛「あ、そうだ!」

凛「かよちん、家を出てみたいって言ってたよね?」

花陽「え?あ、うん。でも、せめて大人になってから・・・」


凛「もう出ちゃおうよ!凛とルームシェアしよ!」

花陽「ル、ルームシェア!?」

凛「凛も、かよちんほどじゃないけどお金はちょっと貯まってるから!」

花陽「で、でも・・・」

凛「ねっ!お願いっ!」

花陽「でも・・・」

花陽「・・・」

花陽「・・・一応、考えてはみるね」

凛「やった!じゃあ早めに返事ちょうだいね!」

花陽「う、うん・・・」

凛「えへへー。じゃあ今日は奮発してラーメンにトッピングいっぱい乗せちゃおっかな!」

凛「ちょっと買ってくるね!」

花陽「い、行ってらっしゃい」

凛「~♪」


花陽「・・・」

花陽(なんだか、昔の凛ちゃんに戻ったみたい・・・)

花陽(・・・無理、してるよね)

花陽(ルームシェアかあ・・・)


花陽「凛ちゃんの、一番近く・・・」



・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

10月


花陽「んしょ、んしょ・・・」モタモタ

凛「かよちん、大丈夫?」

花陽「うん、このくらいなら・・・」



ドスン



花陽「ふう・・・」

凛「これで全部かな?」

花陽「うん。ひと段落だね」

凛「まさか夕方までかかっちゃうとは思わなかったけど・・・」

花陽「しょうがないよ。全部自分たちでやれって言われちゃったもん」

花陽「許してもらえただけでも感謝しなきゃ」

凛「そうだね。お金ももらったし、贅沢言っていられないや」


凛「・・・ここから、新しい生活が始まるんだね」

花陽「・・・うん」


凛「うー、ちょっと手とお尻が痛いや」サスサス

花陽「電車で荷物持ってひたすら往復だったもんね」

凛「大学とアキバのちょうど真ん中辺りにしてよかったー」

花陽「どっちにも近いとも遠いとも言えない、微妙な場所だけどね・・・」アハハ

凛「どっちにも行きやすくなるって考えなきゃだよ。前より長く寝られるし」

花陽「あ、そうだ。ご飯とかどうする?」

凛「交代制がルームシェアの定番ってイメージがあるけど・・・。どうしよっか」

凛「・・・かよちん、凛が何作っても食べてくれる?」

花陽「え?あっ・・・」



凛「・・・」

花陽「・・・」


凛「・・・かよちん、お願いしていい?」

花陽「・・・うん」



凛「その分、家事は凛がやるよ」

花陽「ううん、凛ちゃんはお勉強とかで忙しいでしょ?」

花陽「花陽が家事も料理もやって、凛ちゃんをサポートするね!」

凛「・・・ごめんね」

花陽「ううん、好きでやることだから!」

凛「凛、絶対教師になるから」

凛「かよちんには、一番近いところで凛を見ててほしいな」

花陽「うん!頑張ってね、凛ちゃん!」

凛「・・・ありがと!」

凛「ねえかよちん、早速だけど凛、かよちんの手料理が食べたいな」

花陽「え!?えーっと・・・。今日は花陽も疲れちゃったから・・・」

凛「そっか、そうだよね・・・」シュン

花陽「そ、そうだ!この近くにテレビで紹介されたっていうラーメン屋があるらしいんだけど・・・」

凛「ラーメン!?」

花陽「行ってみる?」

凛「いくいく!早く行こう!」

花陽「うん!」



・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

11月1日


凛「ただいまー」

花陽「おかえり!」

凛「んん、なんだかすごく美味しそうな匂い・・・」

花陽「えへへ。今日は凛ちゃんのお誕生日だから、お夕飯はちょっと頑張ってるの!」

凛「へー!何作ってくれるの?」

花陽「それは・・・これっ!」バッ

凛「・・・チャーシュー?ということは・・・」

花陽「うん!ラーメン!さすがに麺とかは作れないから、具材だけは自分で作ってみようと思ってちょっと前から準備してたの!」

凛「ほんとに!?すごいねかよちん、ありがとう!」

花陽「もうすぐ出来上がるから待っててね!」

凛「うん!」



花陽「お待たせ!」ゴトッ

凛「わあ・・・!ほんとにラーメンだ・・・!」


凛「・・・じゃあ、これはあんまり合わなかったかも」ゴソゴソ

花陽「? 何か買ってきたの?」

凛「うん、これなんだけど・・・」ゴトッ

花陽「わっ、お酒?」

凛「今日からオトナだから何個か種類選んで買ってみたんだけど、せっかくのラーメンが台無しになっちゃうかも」

花陽「でもたまにラーメン屋さんで生ビール飲んでる人見かけるよ?」

凛「ううん、まずはかよちんのラーメンを食べたい!」

花陽「そ、そう?//」テレッ

凛「ほら、早くしなきゃ麺が伸びちゃうよ!」

花陽「あ、そうだった!じゃあ、いただきます!」

凛「いただきまーす!」





凛「美味しかったー・・・」

花陽「えへへ、喜んでくれたなら花陽も嬉しい♪」

凛「誕生日じゃなくても、また作ってほしいな」

花陽「うん、時間のある時に作ってみるね!」


凛「さて、じゃあそろそろ・・・」

花陽「凛ちゃん、お酒は初挑戦だよね?」

凛「もちろん!ちゃんと飲めるかな・・・?」ゴトッ

花陽「ビールと、これは・・・レモンのお酒?それと・・・ウイスキー!?」

凛「さすがに割って飲むよ?水も買ってきたし」

花陽「あ、そうだよね・・・」エヘヘ

凛「じゃあまずはビールからかなあ」プシッ


凛「ぅ・・・」ドキドキ

花陽「うう、花陽もなんかドキドキしてきた・・・」ドキドキ

凛「・・・いただきます」ゴクッ


凛「ぅぇっ!?」

花陽「り、凛ちゃん!?」

凛「んっ、ん~~~っ!!」ゴクン

凛「げぇぇ・・・。なにこれ、全然美味しくない・・・」

花陽「そ、そうなの?」

凛「なんか、苦いっていうか、変な味がして、吐き出そうかと思っちゃった・・・」

花陽「CMとかではごくごく飲んでるのに・・・」

凛「まだ口に味が残ってる・・・。うぇっ」

花陽「あ、お、お水持ってくるね!」


凛「・・・いい」

花陽「えっ?」

凛「凛にはまだ、これがあるから・・・」プシッ

花陽「ええ、まだ飲むの!?」

凛「これはレモンだから、変な味はしないと思う・・・」ゴクッ

凛「・・・」ゴクン

凛「・・・うぇっ」

花陽「だ、大丈夫?」

凛「レモンと、何かまた変な味した・・・」ウルウル

花陽「もうやめにしよう?きっと、向き不向きがあるんだよ」

凛「ううん、最後にこれだけ・・・」キュッキュッ

花陽「それきっと一番強いやつだよ!?」

凛「えっと、ネットでは水とウィスキーで1:1が美味しい・・・」トクトク

花陽「ほ、本当に大丈夫・・・?」

凛「大丈夫大丈夫・・・。よっし、できた・・・」コクッ


凛「・・・んんっ」ゴクン


凛「・・・・・うっぷ」


花陽「り、凛ちゃん!?顔色悪いよ!?」

凛「吐きそう・・・」

花陽「ま、待って!トイレ行こう!?」

凛「んんっ・・・」ヨロヨロ

花陽「が、頑張って!凛ちゃん!」





凛「・・・もうお酒なんて飲まない・・・・・」

花陽「うん、それがいいと思う・・・」

凛「頭ガンガンするー・・・。きもちわるい・・・。でもきもちいい・・・?」


凛「えへへー・・・」ユラユラ


花陽「り、凛ちゃん、今日はもう寝よう?」

凛「そうするー・・・」


凛「ねー、かよちんも一緒に寝よー・・・?」


花陽「えっ?いい、けど・・・」

凛「やったー!かーよちんと一緒!かーよちんと一緒!」

寝室


花陽「お布団、狭くない?」モゾモゾ

凛「んー、ちょっと狭いかもー」



凛「じゃーあー」ギュッ


花陽「へっ!?」



凛「こうすれば狭くないよー?凛ってあったまいいー!」

花陽「り、凛ちゃん!?恥ずかしいよ・・・」

凛「凛は恥ずかしくないよー?」

花陽「そういう問題じゃなくてぇ・・・」



凛「凛ねー、かよちんのこと大好きなの!」

花陽「え?う、うん。ありがとう・・・?」

凛「かよちんはー?」

花陽「は、花陽も、好き、だよ・・・?」

凛「ほんと!?」

花陽「う、うん」


凛「やったー!両想いだったんだね!」

花陽「え?」

凛「かーよちんっ!」ギューッ

花陽「り、凛ちゃん、好きって、そういう・・・?」

凛「かよちん、凛と付き合って!」

花陽「ほ、ほんとに?」

凛「凛、かよちんに嘘はつかないよー?」

花陽「う、嬉しい・・・。嬉しいけど・・・」


花陽(お酒の勢いに任せてなんて・・・いいのかな・・・?)



ムニュッ



花陽「へ?」


凛「かよちんのおっぱい、やっぱりおっきい・・・」モミモミ


花陽「り、凛ちゃん!?///」


凛「あ、離れちゃ駄目だよー?離れられないけどねー」ギュッ


花陽「いや、だって、こんなの・・・」


凛「もー、うるさいっ!」



チュッ



花陽「んんっ!?///」

凛「んーっ・・・ぷはっ」パッ


花陽「りん、ちゃん・・・」ハァハァ


凛「かよちん、キスとか初めてだよね?」


花陽「うん・・・」


凛「凛も初めて!」


凛「ファーストキス、かよちんにあげちゃったー」エヘヘ



凛「じゃーあー」




凛「凛の初めて全部あげるから、かよちんの初めても全部ちょうだい?」





・・・・・・・・・




翌朝


凛「んっ・・・」


凛「もう朝・・・?」ゴシゴシ


凛「・・・頭ガンガンする・・・・・」


凛「・・・ううっ、さぶっ」ブルルッ


凛「・・・あれ、なんで凛何も着て・・・・・」



凛「」ハッ



凛「か、かよちん!?」バッ




花陽「んぅ・・・?」モゾモゾ



花陽「・・・」ボー



花陽「・・・///」ポッ



花陽「・・・おはよ、凛ちゃん///」

凛「ほんとに、ごめんね」

花陽「ううん、花陽も、その、気持ち良かったし・・・///」

凛「でも、でも・・・」


花陽「そ、そんなことより//」モジモジ


花陽「昨日言ってくれたことって・・・嘘じゃ、ないよね?」


凛「・・・うん」


凛「凛は、かよちんのことが、1人の女の子として、好きだよ」


花陽「・・・そっか」



凛「・・・ごめん、ちょっと外に出て―――



グイッ


凛「へっ!?」



チュッ



凛「・・・え?」

花陽「///」モジモジ



凛「か、かよ、ちん・・・?」



花陽「花陽も、1人の女の子として凛ちゃんが好き」



花陽「・・・これからも、よろしくね?」



凛「・・・」



凛「・・・うん!」



・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

6月


キーンコーンカーンコーン…


凛「ふう・・・」


凛(暑くなってきたなあ・・・。もっとクーラーの効いた部屋にいたいや)

凛(もう夏、かあ・・・)

凛(学生生活も残り半分。そろそろ就活の対策を始める人もいるのかな?)

凛(凛も教師になれるように、頑張らなきゃ)



凛「さて、そろそろお昼・・・」


ピロリン♪


凛「ん・・・」



はなよ:今日のお昼なんだけど、ゼミの先生に呼ばれて会えなくなっちゃった・・・

はなよ:ごめんね



凛「・・・」



りん:ううん、仕方ないよ

りん:また家でね



凛「・・・一人でご飯、久しぶりかも?」

食堂


凛「・・・」モグモグ



凛(最近、かよちんと話す時間が減ってきてる気がする)

凛(凛は講義ばかりで帰りが遅くなりがち。3年生になってもちっとも時間割に余裕ができないんだもん)

凛(かよちんはバイトを詰めてる。仕送りはもらってるけど、自分で稼げるだけ稼がなきゃって張り切ってる)

凛(・・・ううん、それでも家にいないわけじゃないし、時間は増えてるはず)

凛(なんだろう、なんだか)



凛(・・・あんまり、充実してない?)



凛「・・・」ゴクン


凛「・・・さて、次の講堂行かなきゃ・・・・・」





夜・同居宅


凛「ただいまー」

花陽「あっ、おかえり、凛ちゃん」カリカリ

凛「? なにか描いてるの?」

花陽「うん。花陽のゼミ、今度のオープンキャンパスで出し物をするらしくて、その宣伝用チラシを描いてるの」

凛「あ、昼呼ばれたのってそのためだったんだね」

花陽「絵を描くサークルに入ってるって覚えられてたみたいで・・・」

凛「大変だね・・・。がんばって!」

花陽「うん!あ、夜ご飯作ってあるから、チンして食べてね!」

凛「かよちんは食べないの?」

花陽「チラシを一気に終わらせちゃおうって思って、先に食べちゃった」エヘヘ

凛「ふーん・・・」





凛「・・・」モグモグ



凛(また、1人のご飯)

凛(やっぱりかよちんの作るご飯は美味しいなあ。学食のとは全然違う)

凛(・・・いつもなら、美味しいって言って、かよちんの喜ぶ顔を見て)

凛(今日は何があったとか、明日どこか行こうとか話して・・・)

凛(そんなことをし始めて、もう半年・・・)

凛(・・・・・)



凛(刺激が、足りない)

花陽「・・・」カリカリ

花陽「・・・ふう」


ギュッ


花陽「へぇっ!?」

凛「お疲れ様、かよちん」

花陽「り、凛ちゃん。びっくりするよぉ・・・」ドキドキ

凛「えへへ。なんだろ、ぎゅってしたくなっちゃった」

花陽「もぉ・・・」

凛「ねえかよちん、今日他にすることはある?」

花陽「え?ない、けど・・・」

凛「じゃあ一緒にお風呂入って、一緒に寝よう?」

花陽「ええっ!?」

凛「いや?」

花陽「いや、じゃない、けど・・・」

花陽「は、恥ずかしいよ・・・//」

凛「今更恥ずかしがることなんてないよ!ほら、先週の夜だって・・・」

花陽「わあああああ!!?凛ちゃんストップ!!!///」

凛「んー?」

花陽「もうっ!!///」

凛「じゃあ、先入ってるからねー!」

花陽「う、うぅ・・・//」


パタン


凛「・・・・・」



・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

7月

同居宅


凛「違う・・・。こうじゃない・・・」カタカタ

凛「あー・・・。まだ資料足りないんだ・・・」

凛「こんな難しいレポート初めてだよ・・・」


花陽「凛ちゃん、大丈夫?」

凛「全然大丈夫じゃない・・・」

花陽「お茶でもいれようか?」

凛「・・・ううん、ちょっと大学の図書館まで行ってくるね」ガタッ

花陽「あ、じゃあ家の鍵も持って行って!」

凛「? かよちん、どこか行くの?」

花陽「明日テストの講義取ってる友達に勉強教えてほしいって言われてて・・・」

凛「今から?」

花陽「うん。お昼過ぎにその子の家に行くことになってるの」

凛「へぇー・・・」

凛「・・・かよちんは、優しいね」

花陽「あ、ありがとう・・・?」

凛「じゃあ今日の夕飯はどうすればいい?」

花陽「うーん・・・。帰りが少し遅くなるかもしれないから・・・」

凛「凛が帰りにどこかで買ってくればいいかな?」

花陽「そうだね・・・」


花陽「ごめんね、作ってあげられなくて」

凛「ううん、行ってらっしゃい」

花陽「うん!凛ちゃんも行ってらっしゃい!」

電車内


凛「・・・」

凛(凛も、友達とかいれば一緒に勉強とかしてたのかな)

凛(その時は凛が教える役なのかな。人に教えられるぐらいの勉強はしてるはずだし)

凛(朝から家で参考書を開いたり、徹夜でレポートしたり・・・)

凛(・・・一緒にレポートする友達がいれば、こうしてわざわざ図書館まで行く必要も無かったのかな)


凛(・・・考えるの、やめとこ)








凛「・・・」モグモグ



凛(コンビニのお弁当、こんなにご飯パラパラだったっけ)

凛(それにあんまり美味しくない。特に、ご飯が)

凛(かよちんのおかげかな。違いがわかるようになっちゃった)

凛(かよちん・・・)


凛(寂しいよ・・・)



夜中


花陽「ただいまー」ガチャッ


花陽「わ、真っ暗・・・。電気電気・・・」パチッ


花陽「凛ちゃーん?」


花陽(・・・寝ちゃったのかな?)



凛「・・・かよちん」スッ



花陽「わっ!?」


凛「おかえり、かよちん」


花陽「び、びっくりした・・・。ただいま、凛ちゃん」



花陽「・・・どうかしたの?電気もつけないで、何かしてたの?」



凛「・・・」グイッ

花陽「ひゃっ!」


凛「・・・こっち」グイグイ

花陽「り、凛ちゃん!?」



ドサッ



花陽「きゃっ・・・」


凛「かよちん」ガシッ

花陽「やっ、本当にどうしたの!?」


凛「かよちん、凛にはかよちんしかいないの」


凛「でもかよちんは、友達も先輩も後輩もいて」


凛「凛以外に使う時間がいっぱいあって」


凛「ねえ、その時凛はどうすればいいの?」


凛「答えてよ、かよちん」



花陽「り、凛ちゃん、ほんとにどうしちゃったの?」


凛「どうもしてない。凛はいつも通りだよ」


花陽「違うよ、私の知ってる凛ちゃんは、もっと優しくて・・・」


凛「好きだよ、かよちん」チュッ


花陽「んっ・・・。こんな、無理やり・・・」プハッ


凛「愛してる」チュッ


花陽「んぅっ・・・」



凛「服、脱がすよ」グイッ


花陽「やっ!やめて!」


凛「凛知ってるよ。かよちんのやめてはやめてじゃないって」


花陽「やだ!本当にやめて凛ちゃん!!」ジタバタ


凛「この前だってあんなによがってたもんね」


花陽「違うよ!こんなの凛ちゃんじゃない!こんなことしたくない!」


凛「大丈夫、すぐその気にさせてあげるから」



凛「まだ夜は長いよ、かよちん」

翌朝


凛「うん、やっぱりかよちんの炊くご飯が一番美味しい」


花陽「・・・」


凛「昨日コンビニ弁当食べてみて、改めてかよちんのありがたみがわかったんだ」


凛「いつもありがとね、かよちん」


花陽「・・・・・うん」



凛「じゃあ凛はそろそろ行くね。かよちんは全休だったよね?」


花陽「・・・」コクリ


凛「家の事、いろいろよろしくね」


花陽「・・・・・うん」


凛「いつもありがとう。愛してるよ、かよちん」


花陽「・・・・・うん」


凛「いってきます」



バタン



花陽「・・・・・」


花陽「・・・・・」ツー



花陽(・・・あれ、なんで泣いてるんだろう)

花陽(あんなに気持ちよくない夜は初めてだった)

花陽(無理やり脱がされて、いつも感じる思いやりや優しさなんてこれっぽっちも無くて)

花陽(痛いって言ってもやめてくれないし、むしろ段々エスカレートして・・・)



花陽「ううっ・・・・・」ポロポロ


・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

8月


花陽(学校は3回目の夏休み)

花陽(来年はきっと就活に忙しいだろうから、最後のお休みになるのかな?)

花陽(私はたぶん最後になる絵の作品を完成させるために、家と学校を行ったり来たり)

花陽(凛ちゃんは講座を受けるのと自習とで毎日学校に行ってる)


花陽(・・・2人で過ごす時間、無くなってきてる?)

花陽(きっと去年の今頃なら、帰る時間を合わせたり、1日ぐらいは遊びに行ったり、お買い物をしたり・・・)

花陽(いくら忙しくても、少しぐらいは一緒にいる時間があったと思う)


花陽(でも最近は、花陽が家事を全部やって、凛ちゃんが帰ってくるころには夜ご飯が出来上がってるようにして)

花陽(夜は凛ちゃんが攻め続けるだけで、そこに言葉は何にも無くて)

花陽(朝になったらお弁当を作って、凛ちゃんを見送ってからまた家事をして・・・)


花陽(花陽は、こんな生活を望んでたんだっけ)



花陽「・・・夜ご飯、作らなきゃ」






凛「お風呂、あがったよー」

花陽「うん」

凛「先にお布団敷いて待ってるからね」

花陽「・・・うん」





シャワァァァァ


花陽「・・・」キュッ


花陽「・・・」





凛「あ、かよちん、こっちこっち」チョイチョイ

花陽「・・・うん」

凛「んっ」ギュッ

凛「・・・えへへ、シャンプーの良い匂い」

凛「凛、また興奮してきちゃった」

凛「今夜も、シよ?」

花陽「・・・うん」




チュパッ ジュッ ジュルルッ


凛「かよちん、調子悪いの?」

凛「いつもより、濡れてこない」ペロッ

花陽「んっ・・・」ビクッ

凛「声我慢してる?」ペロッ チュッ



花陽「んぅっ・・・んっ・・・・・」


凛「・・・指、これじゃ入んないかも」



花陽「りん・・・ちゃっ・・・」



花陽「すきっ・・・」ギュッ


凛「・・・」ギュッ



凛「・・・今日はもう、やめにしておこうか」


凛「調子悪いのに、ごめんね」



花陽「・・・・・っ」


花陽「・・・・・ううん」


凛「・・・おやすみなさい」


花陽「・・・おやすみなさい」



花陽(・・・結局、言ってくれなかったなあ)


花陽「・・・」ポロッ


花陽「・・・」グシグシ


花陽「・・・」





花陽「・・・バイバイ、凛ちゃん」





翌朝


ピピピピピ…


凛「・・・んぅ」タシッ



凛「・・・」ボー



凛(・・・静かな朝だなあ)



凛(・・・あれ)



凛(・・・いつもの音も匂いも、何もしない)


凛「・・・かよちん?」





凛「かよちーん・・・?」ノソノソ



凛「ん・・・」



凛「封筒・・・?」



凛「なんだろ・・・」カサッ



凛「・・・手紙?」


凛「・・・」




『今までありがとう。
でも、もうダメみたい。
また学校で会ったらよろしくね。
花陽』




凛「・・・」



トサッ



凛「・・・うそだ」

凛「・・・ねえかよちん、隠れてないで出てきてよ」


凛「今日はエイプリルフールでもなんでもないよ?」


凛「こんな嘘ついて、凛を驚かせようって言ったってそうはいかないよ」





シーン…





凛「・・・っ!!」


凛「ねえ!!そろそろ出てきてくれないと怒るよ!?」


凛「どこにいるの!?ねえ!!」


凛「かよちん!!」





シーン…





凛「お願いだからぁっ・・・出てきてよっ・・・」



凛「凛には、かよちんしかいないって言ったじゃんっ・・・」ウルッ



凛「凛が泣き虫なの、知ってるくせにぃっ・・・」ポロッ



凛「ううっ、うああぁぁあぁっ・・・」ポロポロ



同時刻

秋葉原周辺


ザワザワ…


花陽「・・・」テクテク


花陽「・・・」ピタッ



『かーよちんっ!』



花陽「!」クルッ


花陽「・・・」


花陽「・・・」グスン


花陽「っ!」グシグシ


花陽「・・・だめ、振り返っちゃ・・・・・」


花陽「・・・けど」


花陽(これから、どうしよう・・・)


花陽(・・・家に帰ってみようかな)


花陽(・・・ううん、凛ちゃんが連絡してるか、来てるかもしれない)


花陽(そしたらきっと、またあの怖い凛ちゃんになって・・・)


花陽(・・・考えたく、ない)

花陽(でも、財布と携帯ぐらいしか持ってきてないし・・・)


花陽(ネットカフェかどこかに入って考えようかな・・・)


花陽(うーん・・・)



「・・・花陽?」



花陽「えっ?」クルッ



真姫「何してるのよ、朝からこんなとこで」



花陽「真姫ちゃん・・・!」


真姫「久しぶりじゃない。夏休みで帰ってきたの?」

花陽「え、えっと・・・」

真姫「あら、目真っ赤よ?・・・ていうかすっぴん?」

花陽「う、うん・・・」

真姫「ふぅん・・・」

真姫「・・・凛は?ルームシェアしてるんでしょ?近くにいるの?」

花陽「り、凛ちゃんは・・・」



『答えてよ、かよちん』



花陽「・・・ひっ」ゾクッ



真姫「?」



花陽(やだ、やだやだやだやだやだやだやだやだ)


花陽「ぅっ・・・」ポロッ


真姫「え?」


花陽「凛ちゃんっ、はぁっ・・・っ」ポロポロ


真姫「ちょ、ちょっと花陽!?泣いてるの!?」


花陽「うううっ、ううっ・・・」

真姫「お、落ち着きなさい!人もいるのよ!?」キョロキョロ

花陽「うああぁっ・・・」ポロポロ

真姫「ほ、ほら、こっち来て!」


路地


真姫「・・・落ち着いた?」

花陽「・・・うん」ズビッ

真姫「まったく・・・。いきなり街中で泣きだすんじゃないわよ」

花陽「・・・ごめんなさい」

真姫「・・・何かあったのね?」

花陽「・・・」コクリ

真姫「そしてそれに、凛が関わってる」

花陽「・・・」コクリ

真姫「・・・」


真姫「・・・とりあえず、ウチに来なさい」

花陽「えっ?」

真姫「お茶でも飲んで、少しゆっくりしましょ」

花陽「で、でも・・・」

真姫「何よ。不満?」

花陽「い、いや、その・・・」

花陽「あ、ま、真姫ちゃん、用事があってアキバにいたんじゃないの?」

真姫「別に、学校の図書館で勉強しようと思ってただけよ」

真姫「ほら、行くわよ」

同居宅


凛「・・・」



シュー…



凛「・・・・・」



ピィィィィィィィ…



凛「・・・・・・・・・」カチッ



凛「・・・凛の、何がいけなかったのかな」



凛「家事、かよちんに任せっきり」



凛「お金、稼いでるのはかよちん」



凛「ご飯、凛じゃこんなカップラーメンしか作れない」



トポポ…



凛「かよちんは、凛の身の回りのことをなんだってしてくれた」



凛「・・・凛は、何してたんだっけ」



凛「日中は学校で勉強して、夜はかよちんのご飯を食べて」



凛「かよちんの沸かした風呂に入って、あがったらかよちんの敷いたベッドで待って」



凛「・・・愛し合って」





凛「・・・愛し合って?」

凛「愛し合えてた?」



凛「かよちんは、いつも凛がすると気持ちいいって言ってくれてた」



凛「・・・違う、ここ最近は、自分からは一言も言ってくれてない」



凛「そうだ、この前だって、その前も・・・」





『やだ!本当にやめて凛ちゃん!!』





凛「あっ・・・」ヘタッ



凛「あぁああぁっ・・・」



凛「違うっ・・・凛はっ・・・」



凛「自分がしたいように、かよちんを弄んでただけっ・・・!?」



凛「うぅぅうぅっ・・・うあぁぁあぁあぁっ・・・」



凛「ごめんっ・・・・ごめんなさいっ・・・・」



西木野邸


花陽「・・・ふぅ」カチャリ

真姫「ちょっとは落ち着いた?」

花陽「うん、ありがとう真姫ちゃん」

花陽「・・・ごめんね」

真姫「別に、謝ることないわよ」

真姫「と・・・友達、でしょ?」

花陽「・・・うん」クスッ

真姫「な、なんで笑うのよ!」

花陽「えへへ、つい・・・」クスクス

真姫「・・・もうっ」


花陽「そっか・・・これが普通、なんだよね・・・」

真姫「?」

花陽「・・・ねえ、真姫ちゃん」

花陽「これから話すこと聞いても、ずっと友達でいてくれる?」

真姫「な、何よいきなり・・・」

花陽「・・・」ジッ

真姫「・・・当然でしょ」

真姫「私は、逃げも隠れもしないわ」

花陽「・・・ありがとう」

花陽「実は・・・」


同居宅


凛「・・・んっ」パチッ


凛「ふあぁ・・・」


凛「・・・」ゴシゴシ


凛「・・・いつの間に寝てたんだろう」


凛「・・・あっ、カップラーメン・・・・・」



デローン



凛「うわあ・・・。これじゃ食べれないや・・・」

凛「・・・凛、1人じゃほんとに何もできないんだ」

凛「少しは成長したと、思ってたんだけどなあ」

凛「もういいや、寝よう」

凛「このままずっと寝続けて、何もかも忘れちゃおう」ゴロン



『凛ちゃん!』



凛「!」ビクッ

凛「・・・」



『凛ちゃん、起きなきゃ遅刻しちゃうよ?』



『はいこれ!今日はね、お弁当作ってみたの!』



『花陽も、凛ちゃんのこと、大好き!』



凛「・・・うぅっ」グッ


凛「忘れられるわけ、ないよぉっ・・・」

西木野邸



花陽「・・・っていうわけなの」

真姫「・・・」

花陽「・・・真姫ちゃん?」

真姫「・・・あっ」

花陽「どうかしたの?」

真姫「い、いや・・・。話が突拍子も無さすぎて、少し驚いただけよ」

真姫「えっと、整理すると・・・」

真姫「花陽と凛が付き合って同棲したけどうまくいかなくなってきて家出してきた、ってとこかしら」

花陽「うん、そんな感じでいいと思う」

真姫「まさか、2人が付き合ってたなんてね・・・」

花陽「・・・ごめん、やっぱり、気持ち悪いよね」

真姫「そんなこと無いわよ。・・・少なくとも私は」

真姫「そもそも恋愛すらよくわからないけど、理解はあるつもりだから」

真姫「好きになった相手が、たまたま同性だったってだけでしょ」

花陽「・・・ありがとう」


真姫「・・・それで、花陽はどうしたいわけ?」

花陽「・・・わかんない」

花陽「どうしようか考えてた時に、真姫ちゃんに会って・・・」

真姫「・・・なるほどね」

真姫「・・・1つ、ここまでの率直な感想を言っても良いかしら」

花陽「・・・」コクリ

真姫「さっきも言った通り、私は恋愛とかはよくわからないけど・・・」

真姫「今の花陽は、ただ逃げてきただけに見える」

花陽「・・・逃げてる?」

真姫「そうよ。キツい言葉を浴びせてる自覚はあるけど」

真姫「自分の内心、自分がどう思ってるかを口にしないのは花陽の悪い癖ね」

真姫「もう少し、凛と話し合うとかはできなかったの?」

花陽「・・・・・」


真姫「・・・質問を変えるわ」

真姫「今、花陽は凛のこと、どう思ってるの?」

花陽「花陽は・・・・・」


花陽「・・・どう、思ってるんだろう・・・・・」


真姫「・・・まあ、すぐには答えを出さなくてもいいわ」

真姫「答えが出るまでは、ウチにいていいから」

花陽「え、でも・・・」

真姫「行く場所も無いんでしょ?だからあんなところで突っ立って」

花陽「う、うん・・・」

真姫「客室が空いてるから、そこを使って。ママには私が言っておくわ」

花陽「でも、迷惑じゃ・・・」

真姫「さっきも言ったでしょ。友達なんだから、遠慮すること無いわよ」

真姫「ただし、なるべく早めにきちんと解決してから出ていくこと」

真姫「いいわね?」

花陽「・・・うん、わかった」

真姫「じゃあ案内するわ。あ、服も私のを着ていいから。後で持ってくわね」

花陽「うん、いろいろありがとう、真姫ちゃん」


真姫(・・・さて、私はどう動くべきかしら)

真姫(こういう仲裁役みたいなのは初めてだけど・・・」

真姫(親友、が悩んでるんだもの)

真姫(黙って見てられるほど、私は人間できちゃいないわよ?)



翌日

昼間


凛「・・・・・んん・・・」パチリ


凛「・・・・・」ムクリ


凛「何時・・・?」


凛「・・・うわっ、もう13時・・・」


凛「いつから寝てたんだっけ・・・?」


凛「・・・いいや」


凛「もうひと眠り・・・」



ピーンポーン



凛「・・・!」ピクッ


凛「・・・」


凛「・・・また出直してもらおう・・・」ゴロン




ピーンポーン



凛「うるさいなあ・・・」


凛「伝票だけ置いて早く帰ってよ・・・」


凛「・・・あれ、そういえば何か頼んでたっけ?」



ピーンポーン



凛「・・・しつこい」イラッ


凛「宅配便じゃなかったら、宗教か何かかな」


凛「この際、凛がガツンと一言・・・」スッ



ピーンポーン



凛「ああっうるさいっ!!今出るから!!」ドタドタ


凛「あの!!うち宗教とかならお断り・・・!!」ガチャッ


凛「・・・えっ?」



真姫「いたなら早く出なさいよ・・・」ハァ



凛「ま、真姫ちゃん!?」

真姫「久しぶりね、凛」


凛「な、なんでうちに!?」


真姫「話があるからよ。あがっていい?」


凛「え、あ、うん・・・」





真姫「ふうん・・・。良い部屋じゃない」キョロキョロ

凛「ね、ねえ、話って?」

真姫「その前に、身だしなみぐらい整えてきなさいよ。見た感じ寝起きでしょ?」

凛「あ、う、うん。ちょっと待っててね」タタタ


真姫「・・・」


真姫「さて・・・」



真姫(リビング。掃除は・・・してるのかしら)

真姫(花陽が出て行ったのが昨日の明け方だから、よくわからないわね・・・)


真姫「・・・!」


真姫(花陽と凛の写真、こんなに・・・)

真姫(ってことは、少なくともまだ凛は・・・)

真姫(キッチン。コップは2人分ある)

真姫(黄色が凛で、緑が花陽かしらね)チラッ

真姫(・・・食器を捨てた痕跡も無い)



真姫「うわ、なによこれ・・・」

真姫(完全に伸びきって、しかも冷めたカップラーメン・・・)

真姫「これ、いつ作ったのかしら・・・」


凛「あ、ごめん!それ昨日のやつ!」ヒョコッ

真姫「なんで昨日のが置いてあるのよ!」

凛「え、えーっと、お湯いれたら、そのまま寝ちゃって・・・」

真姫「・・・まさか、私が来るまでずっと寝てたんじゃないでしょうね?」

凛「ちゃんと一回起きたよ!?」


グゥゥゥゥ,,,


凛「あっ・・・//」

真姫「・・・もしかして、何も食べてないの?」

凛「・・・うん」コクリ

真姫「・・・昨日の朝から?」

凛「な、なんでわかったの!?」

真姫「・・・」


真姫「花陽が、今ウチにいるのよ」

凛「!?」

真姫「昨日の朝、アキバで立ち尽くしてるのを見かけたの」

真姫「とりあえず家に迎えて、だいたいの話は聞いたわ」

真姫「・・・なにやってるのよ」

凛「・・・ごめんなさい」

真姫「謝るのは私にじゃないでしょ」

凛「・・・真姫ちゃんの家だよね、わかった」ガタッ


真姫「待ちなさい!」

凛「なんで!?かよちんに早く謝らなきゃでしょ!?」

真姫「今の凛じゃたとえヨリを戻せたとしても同じことの繰り返しだからよ」

凛「・・・どういうこと?」

真姫「花陽はなんでこの家を出て行ったかは分かる?」

凛「・・・凛が、かよちんをちゃんと愛せてなかったから」

真姫「そうね」

凛「でも、今の凛ならっ・・・!」

真姫「それがダメだって言ってるの!」

凛「だからどういうこと!?」

真姫「花陽の気持ち、ちゃんと理解できてる?」

真姫「凛が怖くて出てきたのに、それが翌日になってまた自分の目の前に現れたら、どう思うかしら」

凛「あっ・・・」

真姫「きっと凛が思ってるようにはいかないわ。最悪、絶縁されるかも」

真姫「凛は一旦一人になって、これまでとこれからを考える時間が必要だと思う」


真姫(花陽も、それは同じだけれど)


凛「そんな・・・」

真姫「そんなに落ち込むことないわよ。すぐ会えるわ」

凛「そんな確証どこにあるの?」

真姫「それは・・・」

真姫「・・・凛の、これから次第ね」

凛「・・・これから、どうしよう」


グゥゥゥ…


真姫「・・・とりあえず、ラーメンでも食べに行くわよ。おごってあげるから」







西木野邸


真姫「ただいま・・・」

真姫(トッピング全部乗せって・・・。図太いわね、凛・・・)

真姫(食べ過ぎでお腹痛い、かも・・・)


花陽「あっ、おかえりなさい!」

真姫「ああ、花陽・・・。ただいま」

花陽「・・・?どうかしたの?」

真姫「ただの胃もたれよ・・・。たぶん・・・」

花陽「だ、大丈夫?」

真姫「ちょっと横になるわ・・・」

花陽「あ、そうだ。聞きたいことがあるんだけど・・・」

真姫「何・・・?」

花陽「本が読みたいんだけど、真姫ちゃんは何か持ってるかなあ?って・・・」

真姫「ああ・・・。確かに、家にいるだけじゃ暇よね」

真姫「読みたくなったら私の部屋から勝手に持って行っていいわよ。私は明日も家にいないから」

花陽「ほんとに?ありがとう!」

真姫「じゃあ、少し休むわね・・・。おやすみなさい」

花陽「うん!おやすみなさい!」





真姫部屋


ゴロン


真姫「ふう・・・」

真姫(これで、あとは二人がどう動くかね・・・)

真姫(うまくまとまると良いけど・・・)



真姫「・・・お腹痛い・・・・」ゴロゴロ

ここまでです。
やり直してすぐですけどあと1、2回の投下で終わると思います。
7月中に、終わらせたいなあ、と。
では。

7月中に投下すらできませんでした…。
1週間以内に1回投下、残り2回で終わらせる予定です。
もうしばらくお待ちください…。

翌朝

真姫「じゃあ、学校に行ってくるわね。夜には帰って来るってママに言っておいて」

花陽「うん!行ってらっしゃい!」フリフリ

真姫「行ってきます」クスッ



同刻



ウィィィィィィィィ…



凛「ホコリ、結構たまっちゃってるなあ・・・」ウィィィィィ…

凛「2日3日何もしなかっただけで、家ってこんなに汚くなっちゃうんだ・・・」ウィィィィィ…

凛「かよちんの部屋がこれだと、凛の部屋なんてもっと・・・」ウィィィィィ…

凛「机の下とか、きっとすごそう・・・」ウィィィィィ…


凛「・・・かよちんは、こまめに掃除してたんだね・・・」ィィィン…


凛「・・・」シュン


凛「・・・かよちんがいつ帰ってきてもいいように、ちゃんとキレイにしておかなきゃ!」スクッ



ガン!



凛「いだぁーーーっ!?」

凛「ほ、本棚・・・」

凛「うう、頭たんこぶできちゃうよ・・・」サスサス



トサッ



凛「あ、本落ちてきちゃった・・・」

凛「もどさな・・・」



ドドドドサドサドサッ!!



凛「えっ、ちょっ、えーーー!?」


凛「・・・・・なんで全部落ちてくるの・・・」ガクッ

凛「うえっ、ホコリっぽいし・・・」ケホッ

凛「はぁ・・・」

凛「えっと、下巻は・・・あ、あった」ヒョイ

凛「次は・・・」

凛「・・・ん?」ヒョイ

凛「あっ・・・」

凛「これ・・・」





同刻

西木野邸


花陽「失礼しまーす・・・」ソーッ

花陽「勝手に取っていっていいって言われたけど、なんだか緊張しちゃうなあ・・・」

花陽「早めに選んで持っていこうっと・・・あ、これ本棚かな」

花陽「わっ、これも、これも、これも、全部医学書・・・?」

花陽「すごい・・・。真姫ちゃん、これ全部勉強しなきゃいけないのかな・・・」

花陽「やっぱり医大って大変なんだ・・・」

花陽「・・・あ、そうだ、読む本読む本・・・」

花陽「あ、これは・・・?」ヒョイ

花陽「DTMガイド・・・。DTMって、パソコンで作曲するやつだよね」パラパラ

花陽「発行が5年前ってことは、もしかしてあのファーストライブの前に買ったのかな・・・?」

花陽「最初からちゃんと教本まで買って曲を仕上げてたんだね・・・。その頃は乗り気じゃなかったって聞いたけど・・・」

花陽「真姫ちゃん、この話したら怒るかなあ?」クスッ



花陽「・・・あっ」

花陽「これって、もしかして・・・?」ヒョイ



花陽「・・・やっぱり!」

花陽「これ、音ノ木坂の卒業アルバム・・・!」

花陽「懐かしいなあ・・・」パラパラ



・・・・・・・・・



凛「懐かしいなあ・・・。これ開くの、届いて以来かも」

凛「・・・ていうか、凛これどこにやったっけ?」

凛「こっちの家に持ってきた覚えは無いから、たぶん実家のほう・・・だよね?」

凛「うあー!不安になってきた!ちゃんと取っておいてあるよね!?」

凛「今度帰った時に確認しなきゃじゃん!大事な思い出いっぱいあるのにー!」

凛「はあー・・・」


凛「・・・音ノ木坂は、ホントに楽しかったなあ・・・」パラパラ

凛「・・・あっ」

凛「部活動紹介のページ・・・」

凛「アイドル研究部は・・・あった」

凛「ふふっ・・・。衣装姿ももう見慣れなくなっちゃったかも」

凛「そういえば、これ撮るときどう写るかで少し揉めたっけ・・・」

凛「凛は部長のかよちんが真ん中が良いって言ったのに、リーダーだから真ん中は凛だーって・・・」

凛「・・・そうだよね。凛、リーダーやってたんだよね」

凛「練習でリズム取ったり、ライブでセンターに立って踊ったり」

凛「・・・本当に、楽しかった」


凛「凛でも人の上に立てるんだって驚いたし、自分が指揮を取ったチームで良いライブを見せれるのが嬉しかった」

凛「かよちんや真姫ちゃんに頼ってばっかりじゃなくて、やっと同じステージに立ててるあの感じが・・・」

凛「だから、今度は頼られる自分になろうって、将来は教師になろうって・・・」


凛「・・・そうだ」

凛「今の凛の原点は、全部ココにあったんだ」

凛「スクールアイドルとして過ごした3年間の、良いことも悪いことも、全部が今の凛につながってる」


凛「・・・でも、自分を成長させることに夢中で、独りよがりになっちゃってた、かも」

凛「自分が満足することを最優先して、人の事なんて考えないで」

凛「・・・思い当たる節がありすぎて、あんまり考えたくないかも」

すぎて、あんまり考えたくないかも」



凛「・・・でも」

凛「凛は、1人じゃやっぱり何にもできないよ」

凛「かよちんが・・・ううん、誰かが、居てくれなきゃ」

凛「部屋の掃除だって、料理だって、何にも」


凛「・・・大事なのは、これからどうするか」

凛「・・・」

凛「・・・よしっ!」



・・・・・・・・・



花陽「アイドル研究部のページ・・・」

花陽「撮ったの、確か5月とかだよね。真姫ちゃんが学校に来なくなる前だから」

花陽「この頃の凛ちゃん、カッコよかったなあ・・・」

花陽「締めるところはしっかり締めて、それでいてみんなに好かれるリーダーで・・・」

花陽「部長の仕事なんて、事務作業ぐらいだったし」

花陽「・・・この頃からだっけ」

花陽「凛ちゃんを、意識するようになったのって」


花陽「最後のラブライブが終わって凛ちゃんが燃え尽きちゃったみたいになって」

花陽「大学受験でまた少しだけ火がついたみたいになって、勉強会とかで練習とか無しに放課後一緒にいることが増えて」

花陽「いろんな顔の凛ちゃんを見てきたけど、何かに打ち込んでる凛ちゃんがとってもカッコよくて」

花陽「・・・気づいたら、好きになってて」ポロッ



花陽「・・・あれ」ポロポロ

花陽「なんでっ、なんで・・・?」グズグズ

花陽「悲しくなんて、ないのに・・・」

花陽「・・・ううん」ゴシゴシ


花陽「つらい、つらいよ、凛ちゃん」

花陽「ずっと一緒だったのに、たった3日会えないだけで、顔が見れないだけで」

花陽「つらくて、胸が痛いよ。苦しいよ」


花陽「・・・そっか、考える必要なんて、無かったんだね」

花陽「悩む時点で、答えなんて出てたんだ」

花陽「花陽は、凛ちゃんのことが・・・」



・・・・・・・・・



医大図書館


真姫(とりあえず、文献から知識を得なきゃ)

真姫(私自身恋愛経験が無いのに、これ以上動いたらミスになってしまうかもしれないし)

真姫(恋愛・・・いえ、人間関係の本とかがいいかしら)

真姫(カウンセリングなら心理学・・・?)

真姫(ううん・・・)


真姫(・・・とりあえず、それっぽいのは全部読めばいいかしら)



パラ…パラ…



真姫(恋愛を医学的視点から掘り下げるって、ロマンチックも何も無くて悲しくなってくるわね・・・)

真姫(・・・期待なんて、してないケド)


真姫「・・・ん」

真姫「・・・・・これ・・・」

真姫「・・・」

ここまでです。次の投下で完結予定。
余談ですが、μ'sが活動を終えてから数年後と思われるサンシャインの世界で未だにμ's「だけ」が騒がれる世界、なんとなくこのSSとリンクしてるんじゃないかなんて思いました。
当然ですがサンシャインが終わるまでにはこちらも終わらせます。
では。




真姫「はぁ・・・。すっかり遅くなっちゃった」

真姫「まあ、関わり方はだいたいわかったし、これで何とかなるかしら・・・」



ガチャッ



真姫「ただいま」

花陽「あっ真姫ちゃん!お帰りなさい!・・・っととと」ヨタヨタ

真姫「えっ、ちょっ、花陽?その荷物なに?」

花陽「洗濯物を畳んじゃおうと思って!お世話になったわけだし!」

真姫「・・・なった?」

花陽「あ、うん。決めたの!」


花陽「明日、私たちの家に戻ってみる」


真姫「・・・!」

花陽「今日ね、これまでのこととか、これからのこととか、いろいろ考えちゃって」

花陽「・・・答えは出たんだけど、すごく、モヤモヤしちゃったの」

花陽「だから、一回凛ちゃんと会って話をして、確かめてくるね」

花陽「花陽がこの先、どうすべきなのか。とか・・・」

花陽「・・・いろいろしてもらったのに、ごめんね」


真姫「花陽・・・」

真姫「・・・それが自分でちゃんと考えて出した結論なら、私に止める権利は無いわ」

真姫「・・・頑張りなさいよ?」

花陽「・・・うんっ!」

花陽「あっ、お夕飯は用意してあるからいつでもってお手伝いさん言ってたけど、どうする?」

真姫「そうね、もう時間も遅いし、ぱっぱと食べちゃうわ」

花陽「はーい!じゃあ洗濯物のついでに伝えてくるね!」

真姫「ええ、お願い。荷物置いたらすぐ行くわ」



真姫「・・・花陽がお手伝いさんみたいね」クスッ

真姫「・・・さて、これで良いのかしら」

真姫「いろいろ勉強してきた意味、無くなっちゃったけど・・・」

真姫「やっぱり最後は、2人に任せるしかないのね」


真姫「・・・」ゴソゴソ


真姫「・・・これも、役に立つときが来ないといいけど」ピラッ

真姫(共依存。人間関係に対する依存症)

真姫(自身よりも相手のことに関して気を配り、相手に認められることで喜びを感じようと過剰なほど献身的に接する傾向がある)

真姫(だんだんとそれは支配的なものになり、自己中心的な行動があらわれ、その関係から抜け出せなくなる)

真姫(概要はこんなところかしら)

真姫(前半は花陽、後半は凛によく当てはまる・・・。考えたくないけど)


真姫「・・・大丈夫、よね?」


翌日夕方

路上


凛「つっかれたぁー・・・」

凛「たった数日行かなかっただけで、学校ってこんなに遠くなるんだっけ・・・」

凛「明日からは家で勉強するようにしようかな・・・」

凛「でも、図書館のクーラー環境は離れがたいなぁ・・・」

凛「とりあえず、ご飯食べて早くお風呂に・・・」


凛「・・・って」


凛「コンビニ寄ってくるの忘れたぁー・・・」ガクッ

凛「うーん、今から戻るのは面倒だし、どうしよ・・・」

凛「・・・ここは、自殺覚悟で凛が手料理を・・・」

凛「・・・胃腸薬、あったっけなあ」トボトボ


凛「あれ?」


凛「電気ついてる・・・」

凛「消さずに出てきちゃったんだ・・・。ああ、電気代・・・」


凛「えっと、カギは・・・。よかった、さすがに閉めてる」ガチャッ


凛「なんか、今日はダメな日だったなあ・・・」ガチャッ


凛「はぁー・・・。ただいまー・・・なんて」



「・・・おかえり」



凛「・・・え?」



花陽「・・・おかえり、凛ちゃん」



凛「・・・!!」



凛「かよ、ちん・・・?」



凛「・・・っ」グッ



凛「・・・ただいま、かよちん」

花陽「・・・今ご飯作ってるから、もう少し待っててね」



凛「・・・うん」



・・・・・・・・・



花陽「じゃあ・・・」


凛「・・・うん、いただきます」


凛「・・・」モグモグ


花陽「・・・どう?」


凛「・・・んっ」ゴクン


凛「・・・やっぱり、かよちんの炊くご飯が一番美味しいよ」


花陽「それ、この前も同じこと言ってたよ?」


凛「え?そ、そうだっけ?」


花陽「うん」


花陽「・・・嬉しい」


凛「・・・だって、ホントのことだもん」


凛「ここ最近、ちゃんとしたご飯食べてなかったし」


凛「余計に、美味しく感じちゃうのかも」


花陽「・・・そっか」

凛「・・・ねえ、かよちん」


凛「凛ね、この数日でいろいろ考えたんだ」


凛「これまで凛がかよちんに何をしてきたかとか、これからどうするかとか」


凛「これまでは、凛が教師になるっていう目標のせいでいっぱい迷惑かけてきたよね」


凛「家事は任せっきりだし、ちょっと構ってくれないだけでキツく当たって」


凛「凛がしたいようにしてただけで、かよちんの気持ちなんて全然考えてなかった」


凛「ごめんなさい」


花陽「・・・ううん、もう気にしてないよ」


花陽「それに、花陽だって」


花陽「何にも話とかしないで、勝手に出て行ったりしてごめんなさい」


花陽「掃除とか、してくれたんだよね?ホコリとか溜まってなかったし」


凛「あー・・・。うん。昨日、ちょっとね」



花陽「ありがとう、凛ちゃん」ニコッ


凛「・・・っ!」ドキッ

凛「・・・かよちん」


花陽「・・・なあに?」


凛「これからについて、なんだけど」


凛「この数日で、凛わかったんだ」


凛「凛、1人じゃ生きていけないって」


凛「ご飯は作れないし掃除だって雑だし、洗濯物も実は洗濯機の回し方がわかんなくて放置してあるし」


凛「・・・それに、1人の時間がすっごく辛くて」


凛「・・・だからね」


凛「これからは、家事とかできるだけ手伝うし、かよちんに嫌な思いなんてさせないから」


凛「もう一度、凛と一緒に暮らしてください」

花陽「・・・」


花陽「花陽もね、いろいろ考えたの」


花陽「でも、答えは1つしか出なくって」


花陽「だからそれを確かめにきたの」


花陽「・・・やっぱり、間違ってなかった」


花陽「花陽は、凛ちゃんが大好きで、離れたくなくて」


花陽「・・・ずっと、側にいたいから」


花陽「・・・これからも、よろしくお願いします」



凛「・・・うんっ」ズビッ

凛「ね、ねえ、早く食べなきゃご飯が冷めちゃうよ!」バタバタ


花陽「そ、そうだね、いただきます!」


凛「あ、あれ、なんでだろ」ガツガツ


凛「ご飯、ちょっとしょっぱくなっちゃってる」グズグズ


花陽「・・・花陽のも、ちょっとしょっぱいかも」グスッ


凛「か、かよちん、炊くときに塩いれちゃったんじゃない?」


花陽「そ、そう、かもね・・・」


凛「あはは、だめじゃん、間違えちゃ」


花陽「えへへ、ごめんね?」


凛「・・・っ」ゴシゴシ



凛「ねえ、かよちんっ!」


花陽「?」



凛「・・・おかえりっ!」

翌月

某デパート・フードコート


真姫「それで?今はすっかり仲良し夫婦ってわけ?」ジトー

凛「ま、真姫ちゃん!?///」ガタッ

花陽「ふ、夫婦ってわけじゃ・・・///」テレテレ

真姫「まんざらでもなさそうじゃない・・・」

真姫「・・・まあ、これなら心配はなさそうね」

凛「?」

花陽「何の話?」

真姫「なんでもない。さ、早いとこ買い物済ませちゃいましょ」

凛「あーっ、待って!!まだラーメン食べ終わってない!!」

真姫「もう!いつまで食べてるのよ!」

凛「真姫ちゃんが変な事言うからぁー!」ズルズル

花陽「ま、まあまあ真姫ちゃん、まだ時間はあるんだし・・・」

真姫「まったく・・・。じゃあその間にお手洗い行ってくるわね」

凛「それまでには食べちゃう!」ズルズル

真姫「焦って喉詰まらせないでよ?」ガタッ



凛「ふいー・・・。ごちそうさまー・・・」

花陽「あっ、凛ちゃんちょっとごめんね」ゴソゴソ

凛「?」

花陽「ほっぺた、スープ飛んじゃってる」フキフキ

凛「あっ・・・。えへへ、ありがと!」

花陽「うん!」


花陽「ねえ凛ちゃん、さっきの話、どう思った?」

凛「へ?さっきの?」

花陽「ほら、夫婦がどうとかって・・・」

凛「あ、ああー・・・」

凛「・・・別に、悪い感じはしなかったよ」プイッ

花陽「それだけ?」

凛「う・・・」

凛「・・・そうなったらいいな、とか、考えちゃった//」


花陽「・・・えへへ///」

凛「もぉー!何言わせるの!///」

花陽「ごめんね、ちょっと聞いてみたくなっちゃって///」

凛「・・・もうっ!///」


花陽「・・・ずっとずっと、一緒だよ?」

凛「・・・うん!」





おわり

これにて完結となります。ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。
1つ完結させるのにどんだけかかってんだという感じですが、なんとか大枠は自分の書きたいものが書けて満足しています。
いつになるかはわかりませんがまたSS速報でスレを建てると思うので、見かけたら読んでやってください。サンシャインも1個は書いてみたい。
では。

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