早霜「…やんでれ?」 提督「そうだ」 (29)


ちょっと長めです。
早霜SSが少ない気がしたので投稿です。




※キャラと口調が違うかもしれません。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1466847932

早霜「なんですか…そのやんでれというのは?」

提督「病的なデレのことだ」

提督「主に刃物を装備している」


早霜「え…刃物……?」ぱちくり

提督「そうだ」

早霜「疑問が多いです……そもそもでれというのが…わかりません」

提督「うーむ」


コンコン

提督「どうぞ」

ガチャ

摩耶「しつれいしまーっす、っと早霜おつかれ」

早霜「おつかれさまです」

提督「どうした?」

摩耶「べっつにー、弁当のおかず作り過ぎたからおすそわけに来てやったぜ」

提督「あぁ、いつもありがとう」

摩耶「はぁ!?なんだぁいつもって!?今日もたまたまだよ!」

提督「そうだな」ニコニコ

摩耶「うぜー野郎だな!ほらっいるんだろっじゃあな!」

バタン!


提督「……これがデレだ」

早霜「なるほど…」

提督「補足するなら今のはツンデレだ」

早霜「つんデレ…」

提督「あぁ」

提督「ちなみに装備しているのは素直になれない乙女心だ」

早霜「それが…つんデレ」

提督「あぁ、照れ隠しの見え透いた言い訳がたまらない」

早霜「はぁ…難しいですが…少しだけデレというものが理解できました」

提督「そうかそうか」


早霜「しかし、やんデレというものは理解しがたいです…」

早霜「刃物とデレ…相容れない気がしますが…」

提督「まぁ、刃物なくてもいいんだけどな」

早霜「え…そうなんですか…」

提督「うーむ、どうして説明しようものか…」

コンコン

提督「どうぞ」

ガチャ

摩耶「ちーっす、てーとくー」

提督「また来た!」


摩耶「いやぁ、さっき渡した弁当間違えててさぁー」弁当指さし

提督「お、そうだったか」

摩耶「こっちが真の弁当だぜ!」すりかえー

提督「わざわざすまんな」

摩耶「いいってことよ!」

早霜(………同じ人と思えないくらい素直に見える…)

摩耶「あ、それと」じぃー

早霜(?)目が合う

摩耶「」すたすた

ガバッ

摩耶(あんまてーとくに近づきすぎるな、そしてできるだけ見るな)ハイライトオフ

早霜(!?)ビクッ

摩耶(いい分かったか?)カッター押し当てる

早霜()ガクガク

摩耶(返事は?)

早霜(…はひ)ブルブル

摩耶(いい子だ)ニコォ

提督「?」

提督「どーした?二人で肩を組んで」

摩耶「あ、いやー、べっつにー」

摩耶「んじゃ、アタシ行くから弁当のこすなよー!」タタッ

バタぁぁ(隙間から早霜睨むぅ)あン!

早霜()青ざめ


提督「…………」チラッ

早霜()ぶるぶる

提督「その…どうだ。つながったか?」

早霜()こくこく

提督「よほど怖かったらしいな…」

提督「ほら、おいで」

早霜「え………あ…はい」ふら~

扉「ドンッ!!」

早霜(!?)ビクッ

提督(やりすぎだな…)

提督「ほら、大丈夫、おいで」

早霜「でも……」扉チラッ

提督「大丈夫」

早霜「………………はい」ちょこん

提督「よしよし」頭ナデナデ

早霜(怖かったわ……ほんとうに)うるうる


~十分後~

提督「落ち着いたか?」

早霜「えぇ…だいぶ」

提督「そうか」

早霜「あの…でも…しばらくこのままでも…」上目使いぃ

提督(かわいすぎるなぁ…)

提督「…………………」ほくほく

早霜「あの…ダメでしたら…どきますので……」

提督「っは、いや、すまん」

提督「全然かまわない」

早霜「そう…ですか…ではこのまま…」


早霜「その司令官…」

提督「なんだ?」

早霜「ヤンデレというものは…やはり理解しがたいです…」

早霜「司令官は…その…お好きなのですかヤンデレ?」

提督「そうだなぁ」

早霜「…………」

提督「愛する人を独占したいがために全てをささげる」

早霜「すべてを…」

提督「そうすべてを」

提督「最高の献身精神、それがヤンデレだ」

早霜「でも一方的すぎます…」

提督「そうだな」

早霜フモフ


提督「だから大抵の…いや、大半の結末は悪い方向になってしまう」

早霜「悪い関係になるのにお好きなのですか…?」

提督「献身的に尽くされるのは男の夢なのだよ」

早霜「尽くすにも限度ってものが……私…その…よく…わからないです…」

提督「そっかぁ…」残念

早霜「でも…司令官が…望むのであれば…」ボソッ

提督「えっ?」

早霜「あ…いや…今度…摩耶さん見かけたら司令官を守らないt――――

ぐぅ~……(腹の虫)

早霜「…っ///」

提督「ははっ、お腹すいたか?」

早霜「……はぃ//」マッカ

提督「食堂に行こうか」


早霜「あ…でも……お弁当」

提督「あー…たぶん開けないほうがいい」

早霜「…え?」

提督「ヤンデレ弁当は食べ者だからねぇ…」

早霜「??………食べ物なら…」

提督「いいのいいの!」

提督「さ、いこうか!」

早霜「……………」どかないー

提督「?」


早霜「………//」ぷるぷる

提督「早霜?」

早霜「し、司令官!……わたしは…その…」

早霜「ヤンデレ…とか…そういうの…わからないけど……」上目ぇえ

提督(くぁ、可愛過ぎィ!!)

早霜「尽くされたいこととか…」

早霜「デレくらいなら理解できたので…わたし…」

早霜「で…デレデレくらいには…なれますっ//」ぎゅー

提督(おうふっ)抱き着かれー

早霜「…っ///」マッカ

早霜「お、お先に失礼してますねっ…」ぴゅー

バタン!

提督(走り去っていった…)

提督(デレデレの早霜…ええやん)

提督(いやー天使だな、うん)


コンコン

提督(来たか)

提督「はい」

ガチャ

摩耶「三回目の登場!」

提督「おう、摩耶お疲れ」

提督「やり過ぎた感はあるが…いい演技だった」

摩耶「へっへー、なんたって摩耶様だからなぁ!」

提督「想像以上にこわがっててかわいそうだったが…」

提督「新たな早霜の一面見れたってことで」

提督(デレデレの早霜は素晴らしかったぁ…)

摩耶「さて後は食堂にてネタ晴らしといこうか!」

提督「そうだな、誤解は早めに解いたほうがいい」


コンコン

提督「ん?はい」

ガチャ

早霜「司令官まだ…って摩耶さん…!?」

早霜(また…また司令官にっ…!!)

(((最高の献身精神、それがヤンデレだ)))

摩耶「おう、早霜!」

(((だから大抵の…いや、大半の結末は悪い方向になってしまう)))

早霜「………」ハイライトオフ

(((献身的に尽くされるのは男の夢なのだよ)))

摩耶「さっきはごめんなー実はさぁー」

早霜(私が…司令官を…尽くすのは…ひとりで…!)スタスタ


ガシッ

摩耶「ちょっ!?」

早霜(ねぇ…あんまり…司令官をいじめちゃダメよ?)ナイフ突き立て

早霜(ヤンデレは害悪なの…お互いに幸せはないわ…)

摩耶(いや、まて、さっきのは)

スッ

早霜(…返事は?)首元ナイフ

摩耶()こくこく

早霜(ふふ…いい子です)にんまり

提督「は、早霜?」

早霜「では…司令官行きましょう」手を差し出し

提督「いや、早霜、実はさっきのは」チラッ

摩耶「…………」

早霜「行きましょう」手をにぎる

提督「ちょ」

バタン!


提督「なぁ、早霜聞いてくr―――――

早霜「ふふっ…司令官ってば優しいのね」抱き寄せ

提督「へ、どういう…?」

早霜「でもダメよ…!!」顔近づけ

提督「……う」

早霜「私は司令官をずっと見ています…これからもずっと…」じぃー

提督「は、早霜!?」

早霜「だから約束してくれません?その目は私を見るためにあると…」

提督「どうした?さっきまで普通だったのに!?」

早霜「司令官を守るためですよ…あのヤンデレから…」

提督「守るって…」

早霜「で…返事は?」ナイフかざす

提督「…」

早霜「へ・ん・じ・は?」ナイフゆーらゆーら

提督「わ…かった」

早霜「ふふ…絶対ですよ」

早霜「もし破るようでしたら…司令官の瞳を……ふふ」

提督「………ゴクリ」冷や汗


早霜「大丈夫…ふふ…私が目を離さない限り…司令官は…守られる…ふふ」

提督「」真っ青

早霜「…………うふふっ」

早霜「ふふ……ふふふっ…うふふふふ」

提督「!?」びくびく

早霜「あははっ!!」

提督「ど、どうしたんだよ!」おろおろ

早霜「ははっ…い、いえ……司令官が…ふふ…怯えている様子がおかしくて…うふふ」

提督「????」

早霜「あ…摩耶さん…もうネタ晴らしして大丈夫です」

早霜「十分に楽しませてもらいましたから…」

提督「!?」


ガチャ

摩耶「いやー、てーとくーすっかり騙されてたなぁ!」

提督「え、ん、んん?」

摩耶「わかんねーか?ドッキリだよ!いや、逆ドッキリか!!」

提督「どっきり…?」

早霜「ええ…ドッキリです…」

摩耶「てーとくがアタシを使って早霜にドッキリ仕掛ける」

早霜「摩耶さんは私を使って司令官にドッキリを仕掛ける」

提督「つ、つまり…?」

摩耶「すべては摩耶様の手の中だったつーわけだ!!」ナハハ

早霜「司令官の怯えた顔……」うっとり

提督「………………」ぽかーん

提督「…………はぁーぁああ」

提督「なんだ…そうか…そうかぁ」

提督「あーっ悔しいな!!」

摩耶早霜「「ふふふ」」にんまり


提督「でも早霜のヤンデレ見れて良かったぁああ!!」

提督「ありがとう!」手を差し出し

摩耶「おう!」手を握る

早霜「ええ」上に重ね

早霜「それにしても…演技とはいえ摩耶さん怖すぎです…」

提督「確かに。本気で怯えてたぞ。おかげで騙されたんだがな」

摩耶「なんたって摩耶様だからな!」どやぁ

提督「あーしかし悔しい。してやられた!」

提督「あっそうだ!悔しさついでに飯おごってやるよ!」

摩耶早霜「「あー……」」


提督「?」

摩耶「その…弁当あったろ?」

提督「あったな」

提督「でもあれ中身フェイクで石とか入れるって話だったろ?」

摩耶「じつは逆ドッキリの申訳けなさでな、な?」チラリ

早霜「ふふ…弁当ちゃんと作って入っているの…」チラリ

提督「なんと!?」

摩耶「ちなみに最初に持ってきたのがアタシので」

早霜「今執務室にあるのが私のです…」

提督「そうか、それなら食べなくてはな!」

摩耶「そんじゃ」右腕にぎゅっ

提督「!?」

早霜「行きましょ」左腕にぎゅっ

提督「!?」



三人で楽しいお昼になりましたとさ。


おわり

なんだこれは・・・俺得やん
乙でち

以上です。
安易にヤンデレ扱ってすいません…
でも、一度で二度おいしいSSにしたかったんで…

ここまで読んでくださったありがとうございました。

おつ
早霜はやっぱりかわいい


お弁当の隠し味は何なんでしょうねえ…

乙!

素晴らしい

素晴らしい

素晴らしい

大層乙であった

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年04月22日 (土) 12:04:38   ID: 3Gid2vAU

短いながらも、それでいて中身が充実している。
良作だってはっきりわかんだね

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