モバP「苺の苗が潰れてありすの涙腺がヤバい」 (21)

ロコ「グッドモーニングエブリワーンっ、ロコです!」

ロコ「いまロコの目の前にあるのはプランター、中身はストロベリーの苗」

ロコ「こちらはタチバナのラジオプログラムのコーナプランニングで育てているモノなのです!」

ロコ「実はロコもこのラジオプログラムにアシスタント役としてアピアランスしていて、苗の育成にもエンゲージしています」

ロコ「タチバナのストロベリーに対する執念はリアルガチであまりインターフェレンスできなかったのが正直な所ですが……」

ロコ「しかしプログラムを通じてフレンドシップが芽生えつつあるのも事実、ロコはこのタイミングをウェイティングしていました」

ロコ「というのも、タチバナのラジオプログラムは映像付き。つまりロコのアーティスティックな魅力をオーディエンスに伝えるチャンスでもあるのです」

ロコ「ストロベリーの実もなりつつある今、タチバナの機嫌もグッド。この機に乗じてプランターをロコの力でグレートアーティファクトしましょう!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1466568735

ロコ「絵の具の準備オッケー。ロコは寝っ転がって、それからプランターをリトル傾けてサーフィスにアートなイラストをぬりぬりと……」

ロコ「グッドですっ、さすがロコです! アザーサイドも同じように傾けて……うわっとー!」

ガシャーン

ロコ「………………」

ロコ「……お、落ち着きましょう。深呼吸、深呼吸。床にプランターを倒してしまいましたが一度塗った絵の具とは違って、苗は修復もポッシブル。とりあえず足元の土をホウキか何かで……とっとっ、とぅー?!」

ドンガラガッシャーン

ロコ「……………………」

ロコ「土に滑って転んでしましました。お、お腹に嫌な感触が……」ダラダラ

ロコ「Tシャツに汁気が……、ちょっと脱いで見てみますか……」ヌギ

ロコ「………………」

ロコ「べ、ベリーグッドです! 潰れた大量のストロベリーがシャツにプリントされてアメージングなデザインにっ! ……デザインに」

ロコ「……も、もしかして。ロコ、やらかしましたか?」

ありす「うっ……うえええ、ぐすっ」

P「スタジオではありすがガチ泣き、収録が一時中止に」

グリP「この度はご迷惑をお掛け下しました、申し訳ございません!」

ロコ「ご、ごめんなさいです……」

P「ラジオブースではアシスタント役のロコさんとそのプロデューサーが下着で土下座」

局長「………………」バタン

P「たったいま偉い人の退室を確認」

ありす「ひぅ……、わたっ、しの……そだてて、せっかく……うええぇっ」

P「大丈夫俺大丈夫! 乗りきれる絶対乗りきれるやれるって! 諦めるないけるいける負けるなできる頑張れいける! ……………よおおおおおおおしっ!」

ありす「ぷ、ぷろでゅー、さーさん、わだしっ、たいせっ、グスッ、いちごっ、が、グスッ」

P「よ、よしよし。ありす、ちょっと不幸だったな。苦しい気持ちも分かるが、まずはロコさんが詫びに持ってきた超高級くろいちごを食べて一服しようじゃないか。一箱5000円だってさ、俺も食べたこと無いよこんな高いのは」

ありす「うぇっ、ぐすっ、うえぇ」

P「ほら、これこれ。木箱に入ってるよ、すげーだろ。ご開帳、じゃーん。ひゃー、うまそうだぜ」

ありす「ぷろでゅーさーさんはぁ、……この、つぶれたっ、……ひっく、わたしっ、つぶれてしまった、苗を目の前にじてえええっ、ぐすっ。なんで、なんで……そんなにっ、だのしそうにほかのこのごどお、うわああああああっ」

P「他の子て……」

ありす「親指姫、ベリ助、ブライアン、紅丸、粒子、3号、ポップスター、羽佐美、37歳……」

P「そういや先々週ぐらいに苺の名前募集したんだよな、ご丁寧にひとつひとつ。……そのせいで余計に愛着が芽生えてしまったか」

ありす「ひぐっ、ごの子だちっ、わたしのだいじなっ、ともだぢで……ひぐっ、しんゆう、……そじてっ、かぞくだったん、っですぅ……うぅう、ぞれなのにぃ……、みんなどうじてっ」

P「苺が友達って……ありすには他にも友達いるだろ、なっ」

ありす「な、……ぐすっ、なま……」

P「ん、なんだ?」

ありす「名前で呼ばないで下さい、二度と」

P「ぐふっ……」

ありす「うえええええん、うえええええん……」

P「あの、橘さん。そろそろ泣き止んで。橘さんが泣くと、クールタチバナの看板も泣きますよ」

ありす「く、……くーる?」

P「そう、クール。いちおう、あなたの属性」

ありす「うぅうううう……、かぞっ、かぞくが、いなくなったのに、……ぐす。へいぜんとじて、いられるなんて、……うえっ、ぞんなのっ、ぞんなひとはっ、いません」

P「気持ちはわかるけれど、そろそろ仕事しないと、スタジオも限られた時間しか使えないし。何かしら収録はしないと、……残念だけれど、苺の苗についても視聴者に起こったことを報告もしないと……」

ありす「このざんげきを、みんなにっ、ぐすっ、ぜつめいをしろと……うっ、うえええぇ、ぷ、ぷろでゅーさー、さんはっ、お、おにですっ、うぅ、……ひっく」

ガチャ

ロコ「あ、あの……ごめんなさい。こうなったのはロコのせいです。タチバナ……橘さんが無理そうだったらロコが臨時で収録を……。その後にクビにしてもらってもいいので」

P「ロコさん、とりあえず服きましょうか」

ありす「ギロッ」

ロコ「ビクッ」

ありす「こっ、ごのっ、ひどごろしぃ!」

ロコ「………………フラッ」バタッ

グリP「うわー路子ォー!」

P「ロコさんがショックで卒倒してしまった……」

ありす「うえええええー、わだしのいぢごおがぁー」

P「そ、そうだ。コーナーを仕切りなおそう。新しく苗を新調して、新しい苺を育てればいいんだ。な、そうしよう、あり……橘さん」

ありす「ふーっ、ふーっ……」ブルブル

P「ご、ご不満ですか……」

ありす「ごのっ、ごのこだちのかわりなんて、どこにも、どこにもぉぉ!」

P「さ、さいですか……」

ありす「みんなには、わからないがもじれないけれどっ、……うぅ、どっ、どんなにたくさんのいちごが、いちごがあっても、わたしはっ、このごだちをみづけられるから。そんなにかんだんにはっ、わりぎれません」

P「………………」

ありす「…………ふぐううううっ」

P「あ、ありす……」

ありす「私はっ、小さいころからずっと、代わりがいましたけれど。友達だって、私が友達であっても代わりはたくさんいてっ、親からしたら私が生まれた必要だってなくてっ。だけど、この苺たちにはそんな思いはさせたくない、私にとってこの子たちは二つとない存在だったんですっ」

P「………………」

ありす「プロデューサーさんだって同じです、この潰れてしまった苺のように私を見ているんです。私がダメになっても、事務所に戻れば可愛い子や面白い子が山のようにいますから。……すいませんでした、取り乱して。もう大丈夫です、収録できます。お仕事なのに、泣いてしまって、迷惑をかけました。プロデューサーさんは帰って下さい、あとは一人で平気です。全部、これから一人で……んんっ!」

P「……………ありす」

ありす「何ですか急に抱きついて変態ですか通報しますよ! あと名前で呼ばないで下さい!」

P「ありすの代わりなんてどこにもいない、だからありすがダメになったら俺が困るんだ」

ありす「……嘘ですっ、信じられません!」

P「信じられないなら、友達になろうありす!」

ありす「……え?」

P「友達じゃなかったら親友でも良い、親友でも足りなかったら家族でもっ、何でもいい!」

ありす「……ほ、本当ですか?」

P「本当だ、絶対にっ!」

ありす「じゃ、じゃあ、……家族っ。家族がいいです!」

P「分かった、俺とありすは家族だ!」

ありす「もう、待たなくていいんですか……?」

P「待たなくて良い、いまからっ、俺とありすは正真正銘の家族だぞ!」

ありす「じゃ、じゃあプロデューサーさんの家に行って(永住して)も良いですか?」

P「構わない、いつでも(訪問して)来い!」

ありす「う、嬉しいです……、そ、その……私を、(妻として)あ、愛してますか?」

P「ああ、(娘として)愛してる!」

ありす「わ、私もです……。す、すす、……(夫として)好きです、プロデューサー」

P「これからもずっと、(アイドルとプロデューサーとして)一緒に歩んでいこうな、ありす」

ありす「はい、一生プロデューサーさんとは(夫婦として)離れませんっ」

P「あ、あははははは……」

ありす「あははっ。――いけないですね、早く収録をしないと」

P「そうだな、じゃあブースで見守っているから」

ありす「なに言っているんですかプロデューサーさん。時間がないんです、このまま開始しましょう」

P「え、でも映像的にマズいんじゃ」

ありす「家族なんですから、別に普通です。問題ありません!」

P「………………お、おう」

ありす「こんにちは、パーソナリティ橘ありすです。本日もよろしくお願いします」

P「(……ありすを抱っこした状態で撮影しているが、本当に大丈夫か)」

ありす「横で白い屍と化しているのはお馴染みのアシスタント、ロコさんです」

P「(ま、まあ父親って説明すれば問題はないか……)」

ありす「私を抱っこしてくれている人は私の家族――」

P「はい、ありすの父おy」

ありす「私の夫のプロデューサーさんです!」

P「」

ありす「あと4年待つつもりだったのですが、待たなくても良いと言われたので私、橘ありすは待つことを止めました。私たち結婚します。お母さんお父さん見てますか? 今日から私、この人と暮らしますから。さて、奥の手として考えていたのですが。結婚式については中東やアフリカには低年齢で結婚を行う伝統が残っているそうです。その辺に足を運んで、すみやかに挙式できればと思っています。ついでにハネムーンも済ませちゃいましょう。ね、プロデューサーさん」

P「(思考停止)」

ありす「だた、その……ただ性交渉に関しては互いの同意があったとしても、私が13歳未満の時点で強姦罪になってしまいますので、……エッチは待って下さいねプロデューサーさん!」

P「(思考停止)」

ありす「でも本当に待てますか? どうしても待てないというなら、周囲にはばれないようにこっそり。大丈夫ですプロデューサーさん、私は誰にも言いませんからっ」

P「(思考停止)」

ありす「さて大事なお知らせが済んだ所で、さっそく最初のコーナー『ふつおた』に入りたいと思います。まず一通目は……」

早苗「やっほー」

ありす「あれ、早苗さん。台本にはゲストが来るなんて書かれてなかったんですが。まあいいでしょう。このままコーナーを続行します、ハンドルネーム○○○○――」

ご拝読ありがとうございました。

どうにも投げかけのSSが終わらせられず、気晴らしに短いのを書いてみました。
このSSはフィクションであり現実の人物・団体・トマトとは一切関係がありません。
どうぞよしなに。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom