モバP「大禍時の雨」 (63)

モバマスSSです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1465737037

ご無沙汰しております。
古典シリーズです。

事務所

周子「こーえーをあげることもなく、ひーとり静かに~」

ちひろ「あ、自分の歌ですね」

周子「そそ。聞こえてた?」

ちひろ「えぇ」

周子「なんか恥ずかしいねー」ポリポリ

ちひろ「そうですか?」

周子「少しだけね」

周子「そう言えば、ちひろさんがこの間事務所であたしの歌歌ってたって話聞いたけど」

ちひろ「うぇ!?」

ちひろ「だ、誰からですか?」

周子「ん?Pさん。仮眠室で寝てたら歌が聞こえてきたってさ」

ちひろ「…あの時いたんですか」

周子「上手だって褒めてたよ?」

ちひろ「そう言う問題じゃないですって」

周子「これはCDデビューも近いね」

ちひろ「しないですってば」

P「お、周子いたのか」

周子「いちゃったりするんですよ。お疲れ様」

P「おつかれ」

周子「んー。杏じゃないけど仕事したくなーい」

P「ダメだな」

周子「ダメかー。Pさんがあたしの代わりに働いてくれてもいいかなぁと思ったけど」

P「俺が踊ったり歌ったりしてもファンは喜ばないぞ」

周子「だね。すっごい内輪ネタにしかならなそう」

P「だろ?」

周子「うん。だから、今度レッスン室でお願いね」

P「…内輪だな」

周子「そういうこと♪」

P「そういうことって……そうだ。コレ食べるか?」

周子「ん?」

P「アイス。暑かったから買ってきたんだ」

周子「おー、気が利くね」

P「でも、仕事しないなら……」

周子「するする。杏だって飴貰ったら仕事するんだし」

P「まぁ、してるわな」

周子「そういうこと。たまには我儘も言ってみるもんだね」

P「コンビニのアイスでそこまで言って貰うと少し恐縮するな」

周子「気にしない気にしなーい」

事務所

泰葉「お疲れ様です」

P「お、お帰りなさい」

周子「おかえりー」

泰葉「外、雨降ってきそうでしたよ」

周子「うぇ、ホント?」

泰葉「はい。モワってしてました」

P「生温い感じになりそうだな」

泰葉「ジメジメしそうですよね」

P「洗濯物どうしたっけな……」

ちひろ「天気予報では雨って言ってましたよ」

P「本当ですか。見てなかったなぁ」

周子「まぁ、Pさんは見てても習慣で外に干してそうだけどね」

P「否定は出来ないな」

泰葉「天気予報って言えば、昔靴投げて占ってましたよね」

P「あーした天気になーれって奴か?」

泰葉「そうです。あんまり私はやったことないですけど」

P「途中から誰が遠くまで靴を飛ばせるかってゲームになってたなぁ…」

周子「だろうね」

P「後は表なら晴れ。裏なら雨だったけど横はどうなんだ…ってなったことがあったな」

周子「雪か嵐かな?」

泰葉「男の子っぽいですね」

P「まぁそうだな。気合い入れてやったら天気も当たるって思ってたし」

周子「若いね」

ちひろ「いや、周子ちゃんもまだまだ若いですよ」

事務所

凛「……」

P「どうかしたか?」

凛「あ、うん。いや、別にどうかしたって訳じゃないけど」

凛「ちょっとスケジュールを見ててね」

P「あぁ、どこか不味かった所でもあったか?」

凛「いや、そういう訳じゃなくて……少しずつだけど階段は登ってるんだね。って」

P「確かにな」

凛「私が来た時は卯月の名前しかなかったよ」

P「そうだったな」

凛「それがさ、一人、また一人ってアイドルが増えてお仕事も増えていってここにいるって考えると感慨深い物があったんだ」

P「言われてみればな。遠かったけど、あっという間だったな」

凛「ふふ。そうだね」

P「あの時の選択は間違ってなかった。凛がそう思ってくれたら俺は幸せだ」

凛「そんなことずっと前から思ってるから。それに嘘にはさせないから大丈夫だよ」

P「…そうか」

凛「そうだよ。それじゃ、帰るね。お疲れ様」

P「あぁ、お疲れ様」

凛「それじゃばいばい。私のプロデューサー」

バタン

ちひろ「なーんかいい雰囲気でしたね」

P「そうでしたか?」

ちひろ「えぇ、長年連れだった夫婦みたいでした」

P「そこまで言いますか」

ちひろ「私の方がプロデューサーさんとの付き合い長いのになぁ」

P「まぁ、そりゃアイドルが所属する前から一緒にいますからね」

ちひろ「ですよねぇ」

ガチャ

杏「痴話話なら余所でやってよ…」

P「なんだ寝てたのか」

杏「まぁね。最近家で寝れなくてさ」

P「ゲームのやり過ぎか?」

杏「ん?そういう訳じゃなくて」

P「となるとまた狐がとか言い出すのか?」

杏「んー…事務所で寝過ぎててさ」

P「あぁ、なるほどな」

杏「なるほど。で済んじゃう辺りが何とも言えないね」

P「レッスンはしっかり行ってるみたいだし、仕事もしてるんだったら特に言わなくてもいいだろ?」

杏「まぁそうなのかもしれないけどさ」

ちひろ「少しは構って欲しいのかもしれませんよ?」

杏「なっ…!」

P「そうなのか。悪いな」

杏「杏は何も言ってないんだけどね…飴くれ」

P「ほい」

杏「ん。ありがと。もう仕事終わりそう?」

P「もうそろそろだな」

杏「周子にも連絡しておくから4人で帰ろうよ」

P「4人?」

杏「ちひろさんも入れて」

ちひろ「え?私もですか?」

杏「だって。Pさんがいなくなるってことはちひろさんも帰るはずだろうし」

ちひろ「まぁ…そうですけど…」チラ

P「俺は構わないですよ」

ちひろ「ありがとうございます」

車内

杏「んー快適だね」

周子「お偉いさんになった気分だよね」

ちひろ「わざわざ送って貰ってすみません」

P「いいですって」

周子「そだ。折角だし4人でご飯でも食べよっか」

P「どこか行くのか?」

周子「Pさんの手作りと言いたいトコだけど、あたしの部屋で食べてもいいよ」

ちひろ「それは流石に申し訳ない気がしますけど」

周子「じゃ、ちひろさんの家にレッツゴー♪」

ちひろ「ぜ、絶対ダメですっ!今日は部屋が綺麗じゃないんで」

杏「大丈夫。杏の部屋よりは綺麗だろうから」

ちひろ「そういう問題なんですかね…」

P「と言うか、流石に俺がちひろさんの部屋に入っちゃマズイだろうに」

周子「あたしの部屋はいいんだ?」

P「そもそも誰が手配したと思ってるんだ」

周子「確かにね」

P「まぁ…ファミレスに行くか」

周子「そだね」

ファミレス

周子「あ、Pさん。ドリンクバーなにがいい?」

P「なんでもいいぞ」

周子「そんなこと言うと混ぜちゃうけど大丈夫?」

P「それは大丈夫じゃないな。コーヒーで」

周子「はーい」

ちひろ「なんだか機嫌いいですね周子ちゃん」

ちひろ(さり気なくPさんの隣の席にいるし)

P「そうですね」

杏「まぁ、そりゃそうでしょ」

ちひろ「…やっぱりアレですか?」

杏「それしかないと思うよ」

P「アレ?」

ちひろ「アレですよ」

杏「予定に書いてあるから皆知ってるけど、明日からロケだよね」

P「あぁ、そうだな。京都だから周子の地元だな」

杏「当然Pさんも一緒な訳だ」

P「そうだな。向こうのディレクターの人との打ち合わせがあるしな」

ちひろ「不在の間は任せて下さいね!」

P「えぇ、お願いします。何かあったら連絡お願いしますね」

杏「そんな訳で周子はきっとPさんとロケに行けるから機嫌良いんじゃないかって考えてるのさ」

ちひろ「そんな気がしますよね」

P「現場から以上ですがどうなんだ?」

杏「ん?あっ」

周子「ん?んー…なんて答えればいいんだろうね」

杏「周子。顔赤いよ」

周子「誰のせいだと思ってるんだか」ハァ

杏「うん?」

周子「ま。いいじゃん。そんなこと。はいこれコーヒー」

P「お、ありがとな」

周子「んで、ちひろさんは紅茶で良かった?」

ちひろ「はい」

周子「杏はオレンジジュースでいい?」

杏「ん。ありがと」

杏「Pさん今度発売のゲーム買う?」

P「予定はないな」

杏「そ。じゃあ杏もいいかな」

P「買えばいいのに」

杏「複数人でやる前提のゲームを一人でやると悲しくなるからさ。他の皆もそんなにやるイメージないし」

P「まぁ、そうだな」

杏「すぐに積んじゃいそうだしね」

P「ちひろさんとかは…やらないだろうなぁ」

ちひろ「そ、そうですね。やらないですねRPGとかやるとすぐ死んじゃいますし」

周子「慌ててるのが容易に想像出来るよ」

杏「ホントだね」

ちひろ「そこまで言われるとちょっと頑張ってみたくはなりますね」

杏「まぁ、やりたくなったら杏も付き合うよ」

周子「あたしもPさんとちひろさんがやるなら買おうかなー」

P「どうだろうな」

周子「ま。案外あたしも飽きちゃって杏にちょっかい出したりするかもね」

杏「杏は部屋で一人でやるから。部屋近いから大丈夫だろうし」

周子「そっかー。それじゃ、あたしはPさんの部屋でやろうっかな」

P「俺はやるか分からないぞ?」

周子「それでもいいけどね」

ちひろ(結局プロデューサーさんの部屋にいるんですね…)

ちひろ「そう言えば明日の予定はどんな感じなんですか?」

P「予定ですか?」

P「朝から新幹線で向こうに行っちゃいますね」

周子「そーだね。起こしてくれると嬉しいな」

P「自分で起きろよ…」

周子「まぁ、起きるけどね」

ちひろ「なるほど。お気をつけて」

P「ありがとうございます」

杏「周子の実家には行くの?」

周子「あたしは行くよ」

P「俺も顔は出しに行くよ」

杏「ま。プロデューサーだもんね」

P「そうだな」

ちひろ「お気をつけて」

ちひろ「それでは、今日はありがとうございました」

周子「おつかれー」

杏「んー。おつかれ」

P「それでは、明日はお願いしますね」

ちひろ「はい。任せてください」

車内

杏「そういや、向こうって何日くらいいるの?」

P「予定では1泊の予定だな」

周子「そーだね」

杏「ふーん。おみやげよろしく」

P「はいはい」

杏「ま、杏はPさんがいないから羽でも伸ばしてるよ」

P「一人でも事務所に行けよ?」

杏「杏はそこまで子供じゃないって」

杏(行くかどうかは別の話だけど)

P「起こしてから向こうに行くことにするよ」

杏「わざわざ律儀なことで」

P「子供じゃないのと事務所行くのは別問題だからな」

杏「……エスパー?」

P「なんだ、当たってたのか」

杏「まぁ、ノーコメントで」

周子「意外に顔に出るよね」

杏「周子ほどじゃないけどね」

周子「ん?」

杏「なんでもない。お土産よろしく」

周子「ん。そこはPさんに期待しといて」

杏「りょーかい」

P「なんだかなぁ」

杏「それじゃ…くぁ…おやすみ」

P「おやすみ」

周子「おやすみー」

バタン

P「さて…」

周子「Pさんさー」

P「どうかしたか?」

周子「今、暇?」

P「暇。と言うかあとは帰って寝るだけだな」

周子「徒歩10秒だね」

P「まぁ、そうだな。今ドアの前にいる訳だし」

周子「ちょっと話そうよ」

P「ん?どうかしたか?」

周子「理由がないと喋っちゃダメ?」

P「そういう訳じゃないけどな」

周子「なら問題ないね」

P「ただ、ここで喋ると目立つな」

周子「んー…そうだね。それじゃ、電話にしよっか。ばいばーい」

P「…どうかしたのか?」

P宅

ピリリリ

P「はいはい」

周子『はーい。周子ちゃんだよー』

P「知ってる」

周子『わぉ、Pさんエスパーだね』

P「ディスプレイ見れば分かるさ」

周子『今度から非通知で掛けるね』

P「まーた面倒くさいことを…」

周子『まぁ、嘘だけど』

P「知ってた」

周子『ありゃ、バレてたか』

P「それで、どうしたんだ?明日も一緒な訳だけど」

周子『そーだね。明日ってきっとあたしの家行くよね?』

P「行くな。仕事終わってからだけど」

周子『だよねー』

P「ちょっと緊張するな。正直」

周子『そう?』

P「あぁ、事務所から距離があると中々やり取りが難しいじゃないか」

周子『まー、そうだね』

P「何かの折には、周子の近況やら送ってるけどどうにもな」

周子『…そんなことしてるの?』

P「あぁ、言ってなかったか」

周子『初めて聞いたよもう…恥ずかしいなぁ』

P「まぁ、そんなことをやってました」

周子『そっか。まぁ、お父さんたちなら平気かな』

P「そうだといいな」

周子『娘の家まで手配してくれた人を悪く言わないでしょうよ』

P「その娘をこっちに連れてきたのは俺なんだよなぁ…」

周子『ま。あたしは後悔してないけどね』

P「ありがとな」

周子『あの時あそこで会って良かったと思ってるよ。少女漫画じゃないけど』

P「周子…」

周子『まっ!そんなことは今はいいんだけどね。それじゃおやすみー』

P「おやすみ」

周子『明日は晴れるといいね』

翌日

ピンポーン

P「杏。起きろ」

P「入るぞ」

ガチャ

杏「……」スー

P「おーい」

杏「ん…?朝?」

P「朝だな」

杏「杏は昼まで寝るから」

P「いや、そういう訳にも行かないだろうに」

杏「そういう訳にもイケちゃうんだよね。これが」

P「とりあえず、ホットミルク用意したから飲んで事務所行けよ」

杏「ん。ありがと」

周子「Pさーん?」

P「お、周子か。早いな」

周子「まぁ、用事がある時は早いよね」

P「杏に聞かせてやりたいよ」

周子「だってさ」

杏「もう聞こえてる…」

P「ま、何はともあれ行ってくるからな」

杏「行ってら~」

新幹線内

周子「変装って息苦しいよねぇ」

P「変装って言うほど変装してないけどな」

周子「でも、伊達眼鏡とかすると印象変わる?」

P「ちょっとだけ変わるよ」

周子「Pさん的にはどっちが好み?」

P「なんだその質問は…」

周子「ん?個人的なアンケート」

P「そうだな。どっちも似合ってると思うぞ」

周子「何というか釣れないね」

P「ま。でもたまにそういう格好見るのも新鮮で良いな」

周子「おー、おーおー…まさかの不意打ちでシューコちゃんびっくり」

P「もう言わないぞ?」

周子「もっと言っていいよ?」

P「はいはい」

周子「うんうん♪」

周子「京都ってさ」

P「うん」

周子「東京から結構距離あるよね」

P「まぁ、名古屋までがまず結構距離があるよな」

周子「そーだね」

P「……」

周子「……」

P「暇なのか」

周子「おー、エスパー」

P「これだけ一緒にいたらな」

周子「そーだねぇ。思えば遠くに来たものだよね」

P「そうだなぁ…」

周子「考えるとよくあたしアイドルやってたね」

P「それを言うのか」

周子「よっぽど波長が合ったのかもね」

P「なにと?」

周子「Pさんと」

P「…そうか」

周子「いきなりテレビ出されたりした時はビックリしたけどね」

P「確かにな」

周子「それが今じゃ、少しは有名なアイドルしゅーこちゃんだよ?」

周子「なにがあるか分からないね」

P「本当だな」

周子「うん。なんか夢みたい」

P「夢?」

周子「別に昔からアイドルになるのが、シンデレラになるのが夢でした。って言うわけじゃないけどさ」

周子「ほら、あたしだって女の子じゃん?」

P「わざわざ確認しなくてもそうだよ」

周子「うんうん。だけどさーこうやって新幹線で帰ってるとね」

P「おう」

周子「理想発、現実行の電車に乗ってる感じだなぁと」

周子「普通の電車より速いから尚更ね」

P「デロリアンより速いからな」

周子「未来にレッツゴーって?」

周子「そこに望んだ未来が無かったらもう一回戻ってこようかな」

P「やり直しがきくのか」

周子「やり直しが利かない人生なんてね」

周子「電車だって行先間違えたら乗換ればいいだけだし」

P「そういうもんか」

周子「そ。まぁ、Pさんがいてくれたら間違えても何とかなるでしょ」

P「俺もいるのか」

周子「当たり前じゃん。そこは変わって欲しくないかな」

P「そうか」

周子「Pさんも折角このしゅーこちゃんのプロデューサーになれたんだからさ、そこは同じ思いでしょ?」

P「まぁ…な」ポリポリ

周子「……ま、60点くらいの回答かな」

P「参考までに満点の回答は?」

周子「100点の回答は秘密だね。75点くらいの回答なら教えてあげるよ?」

P「なんだその微妙な数字は」

周子「『俺は周子のプロデューサーだ。これからも』とか?」

P「聞いてて恥ずかしくなるな」

周子「まぁ、事実を復唱してもねぇ」

P「事実?」

周子「でしょ?」

京都

周子「とうちゃーく」

P「近いようで遠いな」

周子「ずっと座ってる訳だしね」

P「まぁ、そうか」

周子「流石にココだとずっといたら目立つかもね」

P「そうだな。とりあえず撮影場所の近くまで行くか」

周子「だねー」

周子「んー、変わんないねここらへんも」

P「そうなのか?」

周子「まぁ、そこの角にコンビニはなかったと思うけど」

P「時代の流れか」

周子「そうかもねー。今だったらなんでもネットで揃うし」

P「そうじゃなかったら杏とかは今頃野垂れ死んでるだろうしな」

周子「そうかもね」ケラケラ

周子「あ、そうだPさん」

P「ん?」

周子「あたしだから良いけどさ、あんまり女の子の前で他の子の話しない方がいいかもねー」

P「そうか。悪いな」

周子「んー?だからあたしは平気だって」

P「そういや、撮影終わったら周子は実家に行くよな」

周子「一応顔出さないとね。京都帰るとは言ってあったし」

周子「勿論、Pさんと一緒に行くって言ってあるからね」

P「あぁ、そこは分かってるつもりだ」

周子「そ。それじゃ撮影終わったらサクッと行こっか」

P「そうだな」

周子「なんかさー、やっぱり修学旅行でこっち来る人多いじゃん」

P「多いな」

周子「あたし達からするとわざわざ来るんだ~ってなるよね」

P「まぁ、それは都内に来ている修学旅行生にも言えることだけどな」

周子「きっと、中からじゃ見えない景色があるのかな」

P「どうだろうな」

周子「理想と現実はそう簡単には一致しないからね」

P「思い通りに進んでたら、俺は今頃大金持ちだったな」

周子「なんて言うか…夢がないね」

P「自分でも思った」

周子「まぁ、プロ野球選手とかになるとかそういう夢をあたしらに言うのも変な話だしね」

周子(この現実がPさんの望んだものとは違うってのは嫌だしね)

P「周子はどうなんだ?」

周子「ん?思い通りに進んでたら?」

P「そうそう」

周子「どうなんだろうね。あたしの場合は理想と現実はそんなに離れてないのかも」

P「今が割と理想なのか」

周子「そういうことにしといて」

P「なんだかなぁ」

周子「あはは。狐に化かされたみたいだね」

P「あー…懐かしいな」

周子「なにを思いだ……あっ!」

周子「思い出してもその話はしないでね」

P「頭撫でようか?」

周子「――っ!」カァァ

ロケ地

P「撮影は順調そうだな」

P(天気も良さそうだし、俺は仕事でもするか)

ピリリ

P「もしもし?」

ちひろ『お仕事中すみません大丈夫ですか?』

P「大丈夫ですよ」

ちひろ『えっと、先程お電話がありまして――』

P「――なるほど。ありがとうございます」

ちひろ『いえいえ。それじゃ対応お願いしますね』

P「分かりました。ありがとうございます」

ちひろ『そう言えば、京都どうですか?』

P「どう…って周子は元気にやってますよ」

ちひろ『そうですか』

P「そう言えば、周子をスカウトした時はちひろさんも一緒に京都いましたもんね」

ちひろ『懐かしいお話です』

P「ですねぇ。また、皆でどこか行けたらいいですね」

ちひろ『そ、そうですね。事務員の予定はいつでも調整可能ですから』

P「了解です」

ちひろ『と言うよりPさんも少しはおやすみ取って下さいね。倒れられても困りますから』

P「そうですね…」

ちひろ『今予定表見る限り明日おやすみになられても…』

P「そうですね。考えておきます。それじゃ」ピッ

P「さて…次のイベントの企画書でも進めとくか」カタカタ

周子「おつかれのようだねプロデューサーくん」

P「お、周子か」

周子「シューコちゃんですよー。物真似が不発に終わって拗ねてるシューコちゃんですよ」

P「物真似?」

周子「聞き直されて説明するほど恥ずかしいことはないからね」

P「悪い悪い。それじゃ、そろそろ移動するか」

周子「はーい。それじゃ連絡取るよ」

P「ありがとな」

P(えーっと…ここからホテルが20分掛からないから…)

周子「あ、もしもし、塩見ですけどー?」

周子「そっちも塩見さん?偶然ですねー」

周子「あ、うん。周子。なんかリアクションが欲しかったけど…無理?あ、はーい」

周子「うん。撮影終わってさ、これからそっち行こうかと」

周子「プロデューサーさん?んー、勿論行くよ」

周子「あ、うん。ちょっと聞いてみる」

周子「Pさんさ、何時ごろ行く予定?」

P「そうだな。今が17時だから…18時頃で」

周子「18時頃だって。うん。それじゃ」ピッ

周子「そういや、なんで18時だったの?」

P「ん?」

周子「いや、多分ココからウチまで20分も掛からないと思うけど」

P「あぁ、一回ホテルに荷物置いておこうと思ってな」

周子「ホテル?」

P「あぁ、ここから割りと近いんだよ。身軽で行きたいなと」

周子「まぁそっか」

P「なんなら周子は先に行っててくれてもいいが」

周子「んー、いいよ。そっちに付いていこうかな」

P「そうか。それじゃ、サクッと荷物置いてくるか」

周子「だね」

ホテル

P「それじゃ、ここで待っててくれ」

周子「はーい」

周子「……」

周子(思い通りに進んでたら…か)

周子(どうなんだろうね)

周子「思う通りに行動してるから、あんまり離れてないのかもね」

P「悪いな。お待たせ」

周子「ん。別に。今来たトコ」

P「なんだそりゃ」

周子「ほら、いつか言ってみたいデートの台詞」

P「なるほどなぁ……」

周子「なーにをしみじみしてるんだか。そういや、一つ聞いてなかったんだけど」

P「どうした?」

周子「あたしは今日どこに泊まるの?」

P「実家だろ?」

周子「だよねー」

P「不味かったか…?」

周子「いや、多分平気」

P「もう周子の部屋は無くなっててマズイとか…」

周子「多分それは平気かな」

P「良かった良かった」

周子「ま。万が一そうなってたらPさんと一緒に泊まるからいいけど」

P「宿空いてるか後で確認しておこう…」

周子宅

P「どうにも緊張するな」

周子「ただいまー」ガチャ

P「完全にスルーか…」

周子「ただいま」

P「失礼します。ご無沙汰しております」

周子父「遠い所までお疲れ様です」

周子「新幹線ですぐだけどね」

P「あはは…」

P「あ、そういえば以前よりご報告させて頂いております資料になります」バサ

周子「綺麗に集めてるねぇ」

周子母「色々やったのね」

周子「まぁ、雪女とかやったし」

周子(そういや、あの時Pさんの家泊まったっけ)

P「今回は、撮影との兼ね合いでお邪魔してすみませんでした」

P「今後とも更に精進致しますのでよろしくお願い致します」

周子父「こちらこそ、手のかかる娘ですがよろしくお願いします」

周子「手かかってる?」

P「えっと…」

周子父「誰が家を手配してくださったんだ」

周子「あ、確かに。感謝してるよPさん」

P「あはは」

P「それでは私はこれで」

周子「あ、送っていくよ」

P「いや、いいって。久しぶりに家族水入らずで過ごしてくれ」

周子母「あら、もう帰るんですか?」

P「えぇ、折角のお時間を邪魔しても悪いかと」

周子「気にしないでもいいのに」

周子母「なんならウチに泊まっていっても…」

P「あはは……」

P「…ふぅ」

P(緊張した…)ピリリリ

P「ん?周子?」

周子『Pさーん』

P「お、どうした?」

周子『ありがとね。ウチ来てくれて』

P「いや、こんなタイミングじゃないとな」

周子『お父さんもお母さんも嬉しかったって』

P「それは良かった」

周子(なーんか、色々思惑がありそうな気がするんだけど…ま、いっか)

P「明日もよろしくな」

周子『うんっ。あ、そうだPさん』

P「どうした?」

周子『これから少し時間ある?』

P「あるにはあるが……」

周子『もしかして、そういう店に…とか?』

P「どういう店か知らないがホテルに帰るだけだ」

周子「ふーん…折角だから付き合って♪」

P「え……?」

周子「足止め成功してよかった」ハァ

P「追いかけてきたのか?」

周子「追いかけるってほど真剣じゃないけどね」

周子「久しぶりに帰ってきて店番はやりたくないしね」

P「なるほど逃げてきたのか」

周子「また、ぶつかる寸前か何かで避けた方が良かった?」

P「今度は声掛けるか分からないぞ?」

周子「まー、その時はその時であたしから声掛けるよ」

P「そうか」

周子「そーそー。それよりどう?このカッコ」

P「似合ってるぞ」

周子「和菓子屋の娘は仮初の姿。本当の姿はアイドルの周子ちゃんでしたってね♪」

周子「なんだかさー」

P「ん?」

周子「前は遅くまで一人で遊んでても何も言われなかったけど、今はまた言われるようになっちゃった」

P「そりゃ、アイドルだからな」

周子「まぁ、そっか」

P「それにやっぱり大事なんだろうな」

周子「…かもね」

周子「Pさんと一緒ならいいってさ」

P「そういやどこ行きたいんだ?ダーツか?」

周子「んー、心揺れるけどそれはまた東京に帰った時にでも」

P「となると…」

周子「まぁ、ついてきてよ」

P「……?」

太鼓橋

周子「んー、懐かしー」

P「どこだココ?」

周子「あたしが好きな場所。雰囲気とか素敵じゃない?」

P「確かにそうかもな」

周子「うんうん。だから、Pさんと来ようかなって」

P「……」

周子「……」

周子「……ここで無言になられると困るんだけど」

P「あ、悪い。景色見てた」

周子「まぁ、綺麗だししょうがないよねー」

周子「そうそう。Pさんや」

P「なんだ?」

周子「文香ちゃんじゃないんだけどさ」

P「ん?」

周子「実はさ、ここって恋の架け橋ってのがあるんだよね」

P「そうなのか」

P(縁結びの神様的な奴か?)

周子「鯉が泳いでるから恋の架け橋なんてね」

周子「確かそんな由来だった気がするけど。ダジャレだね」アハハ

P「そうだな」

周子「ちなみに後ろに見えますは、件の橋でございます~」

P「えっ」

周子「渡っちゃったねPさん」

P「渡ったな」

周子「どうしよう。責任取ってくれる?」

周子「ま。いいけどね今は」

周子「んー」

P「どうした?」

周子「この格好でこうやっていつも歩いてた道を歩いてるとさ」

周子「なんだか、アイドルの自分は夢の中の出来事だったんじゃないかとか思っちゃうよね」

周子「とってもとっても長い夢。目を開けたらいつも通りの家の手伝いって感じ」

周子「そんなことはないんだけどね」

周子「こういう所の雰囲気も相まって現実と夢の境界が曖昧になって混じり合って分かんなくなっちゃうね」

P「周子…」

周子「ま。あたしにはこの手があるから大丈夫なんだけどね」ギュ

周子「この手があたしが一番輝ける場所に連れてってくれるんだから」

P「…任せろ」

周子「ん。任せる」

周子「あたしはPさんと一緒に仕事してて、担当してくれてつまらなかったことなんて一度もないよ」

周子「毎日が非日常。毎日が特別だよ」

P「俺も退屈してないさ」

周子「そっかー気が合うね」

周子「帰ろっか」

P「そうだな。送るよ」

周子「んー。ありがとね」

P「周子はこっちに何日いるつもりだ?」

周子「んー?なんだっけ」

P「一応休みいれてたろ」

周子「あ、そうだね。そこら辺は適当かな」

P「そうか。気を付けてな」

周子「あんまり長くいるとまた追い出されちゃうだろうしね」

P「あはは……」

P「そういやさ」

周子「ん?どしたの?」

P「狐の話をしたじゃないか」

周子「あーうん」

P「それだから言う訳じゃないけど」

周子「うん」

P「たまになら、我儘言っても問題ないからな」

周子「はーい」

周子「それじゃ、ウチの和菓子をお土産に買ってって~」

P「予想外のお願いが来たな」

周子「まぁ、あたしも一応和菓子屋の娘なもので」

P「確かにな。それじゃ、明日撮影終わった時にでも寄って買うことにするよ」

周子「よろしくね~」



周子「我儘…かぁ」ボソ

翌日

P「おーい。起きてるか?」

周子「寝てる…」

P「ほら、飴でも食え」

周子「ん…はっか?」

P「目醒めるだろ?」

周子「杏になった気分だよ」

P「杏には更に強烈な奴を渡してるな」

周子「…なんていうか杏の扱い慣れてるよね」

P「慣れるしかなかったというか…」

周子「うん。分かる」

P「まぁ、別に苦じゃないしな」

周子「そっか。ま。今日の撮影も頑張りますか」

P「そうだな」

周子「Pさんにはこの棚全部下さいってウチでやって貰わないとね」

P「お手柔らかに…」

周子「風の吹くままに~♪」

P(周子も撮影慣れたよなぁ…)

P(撮影現場で立ち止まる人も増えたし)

P「嬉しいことだよな。プロデューサー冥利に尽きる」

P「それにしてもお土産は何にしようかな」

P「シンプルに八つ橋か?それとも……」

P「って周子も順調だし今の内に仕事を終わらせておこう」

P「そういや…晴れたな。事務所の方は分からないけど」

周子「Pさーん」

P「お、お疲れ様」

周子「うん。お疲れ様。お団子食べる?」

P「どうしたんだ?」

周子「ロケ中に貰ったのよ」

P「そうか。ありがとな」

周子「あ、一個頂戴」

P「三個しかないんだけど」

周子「真ん中でいいよ。最初と最後はPさんにあげる」

P「…ほれ」

周子「ん。ありがと。美味しいねコレ。ウチのとどっちが美味しいんだろ」

P「そこはウチの言ってあげないと親父さん泣くぞ」

周子「シューコちゃんは嘘を吐けないんです」

P「どっちも美味しいと思うけどな」

周子「そうだね。美味しいものは美味しいよね」

周子「それじゃお土産でも買いに来てよ」

P「分かった」

和菓子屋

周子「ささ、どうぞ」

P「綺麗なもんだなぁ」

周子「えー、そんなん言われても~♪」

P「和菓子がな」

周子「うん。知ってるよ。だから言ってみたんじゃん」

P「知ってたか」

周子「勿論」

P「勿論、周子も綺麗だけどな」

周子「あー…そっちも言いそうだなとは思ってた」

P「そうか」

周子「うん。まさかウチで聞くとは思ってなかったけど」

周子(考えてみたら昨日も言ってたっけ……)

周子「Pさんは帰ったら明日は仕事?」

P「未定だな」

周子「お?未定?」

P「あぁ、まだ決めてない」

周子「そうなんだ。ふーん。でも、今日帰るんでしょ?」

P「そりゃ、宿がないからな」

周子「ふんふん。そりゃそうだね」

P「それじゃ、これとこれとこれを下さい」

周子「はーい。ありがとうございました」

P「ありがとな。それじゃ、久しぶりの実家でゆっくりしてくれ」

周子「ん。ありがとねー」

P「さて…どうするかな」

P(今から新幹線乗ってもいいが折角だしどこか回ってもいいな…)

P「夜ご飯はこっちで食べて行ってもいいかな。家に何もないし」

P「それじゃ、少しだけ時間潰すか」

P(何が有名なのか周子に聞いておけば良かった)

P「とりあえず駅のロッカーに荷物を入れて…と」

周子の部屋

周子「んー。久しぶりの実家は落ち着くねぇ」

周子「向こうも向こうでいいんだけどさ」

周子「明日も休みだし、どっか行こうかなー」

周子「親も出掛けちゃったし明日もお昼までいないしなー」

周子(休み取ってたの言い忘れてた)

周子「……」

周子(今までのあたしの日常が戻ってきた訳だけど…なーんか変な感じがするんだよね)

周子「シンデレラ…か」

周子「気に入った人にじゃなきゃ靴を履かせて貰いたくないよね」

周子(例え王子様ってのがいたとしてもさー、気に入らなきゃ…ね)

周子「…我儘ねぇ」

周子「ていっ!」ピッ

ガチャ
周子「もしもし?あ、うんうん。周子。お疲れ様」

周子「今どこ?え、京都にまだいるの?」

周子「夜ご飯食べてた?あー、時間も時間だしね」

周子「ちょっとだけあたしの我儘聞いてくれる?」

周子「え?さっき聞いた?まぁ、そうなんだけどさ」

周子「…いいじゃん。たまには」

周子「あ、うん。昨日の太鼓橋まで来てくれない?」

周子「あたしも今から向かうからじゃーね」ピッ



周子「なんとなく…なんとなくだから」

太鼓橋

周子「花と遊びー心任せー微笑みながら~」

周子「夢に出会うー、その日まーでー、流れゆこう~」

周子「早く着き過ぎたかな?」

P「周子か?」

周子「お、来た来た。悪いね」

P「どうしたんだよ一体」

周子「んー?ちょっとした我儘かな。ごめんね」

P「まぁ、夕飯食べてただけだったからいいが」

周子「どうだったご飯」

P「あぁ、美味かったよ」

周子「それはよーござんした」

P「それで、どうかしたのか?」

周子「うーん。大したことじゃないんだけどね」

P「…?」

周子「我儘をね言いたくなっちゃった。ていっ」

カランコロン

周子「お、明日は晴れるみたいだね」

P「懐かしいな」

周子「ま。雨の予報だとしてもきっとあたしは雨に濡れないかな」

P「手に傘持ってるもんな」

周子「あら、バレちゃった」

P「今も雨降りそうだもんな」

周子「そーだね。ま、Pさんがあたしのことを想ってくれてここまで来てくれたんだから雨は降らないよきっと」

P「そうだといいな。俺は傘持ってないし」

周子「相合傘でもする?シューコちゃんの隣今なら空いてるよ?」

P「もしもの場合はお願いするかもな」

周子「その時が来たら教えてね」

周子「あ、後さ悪いんだけど下駄取って貰っていい?」

P「考えなしに飛ばすなよ…」

周子「Pさんが取ってくれるって考えてたよ」

P「まぁ、いいか。ほれ」

周子「折角だからさ履かせてよ」

P「子供みたいだな」

周子「せめてお姫様とか言ってくれたらいいのに」

P「はいはい。お姫様」

周子「うん。くるしゅーない♪」

周子「なんかさー、こんな感じなのかな」

P「なにが?」

周子「シンデレラが王子様の靴を履かせて貰う時って」

P「どうだろうな。生憎俺は王子様じゃないしな」

周子「まぁ、考えてみたらあたしもあんな感じのシンデレラじゃないけどさ」

周子「Pさんは良く自分の事魔法使いって言ってるけどさ、魔法使いが王子様でも罰は当たらないと思うんだよね」

P「え……」

周子「Pさんはさ、あたし拾って良かったよね。毎日退屈しないでしょ」

P「まぁな」

周子「うんうん。これからも面白く楽しく生きよーね」

P「そうだな」

P「結局我儘ってなんだったんだ?」

周子「それ聞いちゃう?」

P「まぁ、教えてくれるなら」

周子「なら教えない方向で」

P「そうか。それなら仕方ない」

周子「そういうこと」

P「さてと…そろそろ帰るか」

周子「そーだね。駅まで送ろっか?」

P「いや大丈夫。ありがとな」

周子「はーい。それじゃこれからも頑張ろっか」

P「そうだな」

周子「あ、そーだ」

P「ん?」

周子「こんな風なシューコちゃんだけど、Pさんが本気の時はそれに応えるからね」

P「おう。頑張ろうな」

周子「キラキラな舞台を用意してくれるんだったらあたしは誰よりもキラキラなあたしを見せてあげるよ」

P「期待してるな」

周子「どーぞ期待しちゃってくださいな」

周子「あたしはさ、Pさんの本気に応える」

周子「だから、Pさんもいつかあたしの本気には応えてね」

P「えっ…」

周子「ふふっ…Pさんのばーか♪」

完結しました。
読んで下さった方ありがとうございました。

余談ですが、夏コミに受かりました。
頑張って本書きますのでよろしくお願い致します。

失礼いたしました。

あ、終わりました。
の間違いですね。すみません。

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