まほ「わからないのか」

エリカ「はい、まったくわかりません」

まほ「それでも黒森峰の副隊長か？しりとりに決まってるだろう」

エリカ「え、私が悪いのこれ」

まほ「行くぞ。りんご」

エリカ「ご、ゴリラ」

まほ「ラング」

エリカ「ぐ……あの、『く』でもいいですよね？」

まほ「ふむ……いや、どうなんだろう？」

エリカ「私が聞いてるんですが」

まほ「普通はアリなのか？」

エリカ「普通はアリです」

まほ「じゃあナシで」

エリカ「ナシなの！？」

まほ「普通の道を進むだけでは意味がない」

エリカ「しりとりにそもそも意味がないのでは」

まほ「いいから早く」

エリカ「ぐ……グデー、いや」

まほ「今グデーリアンと言いそうにならなかったか？ン！ンがついたらアウトだぞ」

エリカ「ちょっと口に出そうになったけどすぐ止めたでしょ。セーフですセーフ」

まほ「普通はセーフなの？」

エリカ(ここで普通はセーフと言ったら逆にアウトにしてくるはず……)

エリカ「普通はアウトですね」

まほ「そうか、じゃあアウトで」

エリカ「なんでよ！？」

まほ「お前がアウトと言ったんじゃないか」

エリカ「そうですけどそうじゃないでしょう！」

まほ「そうなのか？」

エリカ「そうなんです！グロリアーナ！はいどうぞ」

まほ「ナチス」

エリカ「さらっとそういうワードを……す、スリランカ」

まほ「カチューシャ」

エリカ「しゃれこうべ」

まほ「ん？待てエリカ。『しゃ』でいいのか？これ」

エリカ「うえ。めんどくさいから勝手に決めて続行したのに食い付いてきた」

まほ「『や』じゃなくていいのか？道を外れてないか？」

エリカ「なんでしりとりで道がどうのと言われなきゃいけないんですか。大丈夫ですよ！」

まほ「そこまで言うなら認めよう。ベトナム」

エリカ「ムカデ」

まほ「あ、いい作戦を思い付いた」

エリカ「口に出して良いんですかそれ」

まほ「いいのか？」

エリカ「いや知りませんよ！？」

まほ「とにかく食らえ。デマ」

エリカ「巻き貝」

まほ「居間」

エリカ「ま、松葉杖」

まほ「絵馬」

エリカ「ま……鞠」

まほ「リマ」

エリカ「リマ？」

まほ「ペルーの首都の名だ」

エリカ「あるんですね。ま……マスメディア」

まほ「海女」

エリカ「ま、ま……『ま』多いな！ま攻めですか！普通は『る』とかで攻めるのに」

まほ「ほら、早く」

エリカ「まくら」

まほ「ラマ」

エリカ「あの、『ま』なんかで攻めてもたくさんあるから意味ないですよあんまり」

まほ「ふん……」

エリカ(あれ？なんか拗ねてる？)

エリカ「うーん……まな板」

まほ「玉」

エリカ「まーた、『ま』ですか……」

まほ「馬鹿……」

エリカ「なんか機嫌悪くなってません？」

まほ「どうかな」

エリカ(はっ！もしかして)

エリカ「ま……まほ？//」

まほ「……うん///」

エリカ「隊長……可愛い……」



まほ「続けよう。ホモ」

エリカ「台無しだわ！！」

まほ「ちょっとした気の緩みだ。続けろ」

エリカ「では、モロッコ」

まほ「コロシアム」

エリカ「虫」

まほ「死体」

エリカ「なんかちょいちょい物騒ですね？」

まほ「自然に思い付いた言葉を言ってるだけだ」

エリカ「本当ですか？えーと、板」

まほ「田んぼ」

みほ「ボコ」

エリカ「コアラ」

まほ「ラング」

エリカ「ぐ、あれ？ラングってさっき言いませんでした？」

まほ「ぎくっ！言ってない」

エリカ「ぎくって自分で言うの！？バレバレの嘘つかないでください！」

まほ「違うんだ違う。ラング・ド・シャと言おうとしたら言葉が詰まっただけで」

エリカ「むちゃくちゃ苦しい言い訳ですね……」

まほ「苦しくない。むしろ気持ちいい」

エリカ「むしろって何！？おとなしく負けを認めてください！」

まほ「お、もうこんな時間だ。そろそろ訓練に行くぞエリカ」

エリカ「あ、逃げる気ですね！？逃がさないわよ！」

まほ「ふっ。なんだかんだでエリカもしりとりに夢中になってるな」

エリカ「あっ……//」

まほ「いいんだ。黒森峰はどんな勝負にも全力で戦うもの」

エリカ「隊長……」

まほ「最近、エリカは疲れぎみだったろう。頑張るのはいいが、休息も大事だということを忘れるな」

エリカ「もしかして、私のために？」

まほ「少しは気晴らしになったか？」

エリカ「は、はい！ありがとうございます！」

まほ「今度は、しりとりじゃなくてちゃんと遊ぼう。二人でどこかに出掛けるとか」

エリカ「是非行きたいです！」

まほ「よし。今日の訓練も頼んだぞ、エリカ」

エリカ「了解！！」



おわり