千早「貴方と歩んできた軌跡」 (71)

三部作、最終部となります。
千早「昔の貴方に、戻って」 から続いてきましたが、これにて完結です。
前作、二部目にあたる 千早「居ない筈の貴方」 の続編になります(P視点)

短いのにスレを三分割し、三部作とした理由に関しては、視点変更の関係上と言う事でご理解頂けると幸いです。
ですが、スレ分割によって皆様にご迷惑をお掛けした事は反省しております。

ここまでお付き合い下さった方々、そして一度でもお読みになってくださった方々に感謝を。

尚、この三部作は千早のとあるカバー曲をイメージして作られていますので
この物語の最後に出る曲を聴きながら読む事でまた新たな視点で楽しむ事ができる筈……!
では、第三部へ——↓

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1370854867

俺が 私が 共に歩んできた奇跡とも言えるような軌跡。

二人の夢と、恋と、信じ合う心が
重なり合い、物語と歌と言う結晶へと変わっていく。

互いを信じ合う心は絶対に裏切らない。
再び動き出した二人の時間はもう、止まる事はない。

それは「運命」によって最初から決められていた事なのだから……

今、奏でられる

「恋の歌」

今、綴られる

「恋の物語」

暗く、閉ざされてきた孤独の過去を乗り越え、夢を叶える時が来た。

運命の物語は今、ここに完結する——    (三部作、第三部 最終部)

千早との関係が進展し、夢の実現へとまた一歩近づき
俺の病気が完治して退院した後の出来事。

「やっと……帰って来れたか……」

ようやく退院して765プロの事務所へ帰ってくる事ができた。

「おかえりなさい。 全く、どれだけ仕事に穴を開け続ければ気が済むんですか?」

笑顔の千早が俺の事を待っていてくれたみたいだ。

「いや、ごめんごめん。 最初はこんなに長期間入院するとは思ってなくてさ」
「これから頑張ればいいんですよ。 頂点に上り詰めるんでしょう?」

「何度でも言うけど、俺は千早をトップアイドルにするつもりだからな!」
「なら、もう入院しないように体調には気をつけてくださいね」

「ハイ、ゴメンナサイ」

正論をストレートに突きつけられて声が小さくなってしまった……

「良く帰ってきてくれた」

事務所の奥の方から社長が突然姿を現す。

「しゃ、社長! すいません、こんなに長期間穴を開けてしまって……」
「いいのだよ、君の分まで如月君が頑張ってくれた」

「悩ませるどころかそこまでしてくれてたのか……本当にすまなかった、千早」
「何を今更。 私が望んでした事ですから気にしないでください」

「そ、そうだ! 千早に入院していた病院の住所を教えたのは社長ですか?」
「何の事だ? 君達が勝手に惹かれ合い、結ばれていただけの事じゃないか」

「え?」

俺はその言葉を聞いて凍りつく。
俺達の関係を……知られている……?
ま、まさか社長……俺の手紙を読んだのか……?

「とりあえず、その話は一旦置いておきたまえ。 私は君達の為に大きなプレゼントを用意した」
「プレゼント……? 俺達に、ですか?」

「どちらかと言うと如月君がメインになる。 ほら、これを読むといい」

社長から一枚の紙を渡される。
そして、そこに書かれていた内容とは——

「これ……トップアイドルだけが出演できる言われている超大規模ライブイベントじゃないですか……!」
「え? プロデューサー、私にも読ませてください」

紙を千早に手渡し、社長への質問を続ける事にした。

「これに出てくれ、とでもおっしゃるつもりで……?」
「出てくれ、ではない。 君達が出るのだ」

「!?」

突然の言葉に千早も顔を上げ、俺と顔を見合わせた。

「これが私にできる最大級の君達へのプレゼントだ。 君達二人の想いを人々に伝えたまえ」
「もう……決まっているんですか? 俺達は仕事に穴を開けていたと言うのに出れるんですか!?」

「ああ。 必死な姿と惹かれあう姿を見て、適役は君達しか居ないと思ったのだ」
「しゃ、社長……」

社長は俺達をこんなにも大規模なライブイベント出演にこじつけられるだけの権力を持っていたのか……
恐るべし、社長。

「頑張りたまえよ。 765プロ屈指の歌姫の名と歌を響かせるのだ」
「はい、必ず!」

「盛り上がっている所申し訳ないのですが、私の意見も聞かずに進めるのはやめていただきたいです」
「あ……」

確かに、勝手に盛り上がりすぎた。
これは俺だけの話ではないのだ。

「出演に関しては私も全然構いませんが、使用楽曲等に関してはどうしましょう?」
「それに関してなのだが、君達が作ってはくれないか?」
「!?」

再び俺は千早と顔を見合わせた。
そして、千早は社長の方を向き、問いかける。

「作るって……1から作るんですか?」
「そういう事だ。 君達の想いを歌に乗せてしまえば良いと思ったのだが……ダメかね?」

確かに。
この様々な出来事があった中で培った想いを乗せた歌を作ればかなり高水準な物ができる筈……!
しかし、問題は俺が何をできるか と言った所だな……。

俺は1から曲を作った事が無い。
というよりも、作ろうなんて考えた事もなかった。
前代未聞のチャンスを前にして……俺は何をすればいいんだ?

「構いません。 プロデューサーとやり遂げてみせます」
「ち、千早!? 俺、作曲なんてした事は——」
「歌は私が作るから大丈夫。 その代わり、他の事をやってもらいますけど」

いつかどこかで、見た事があるような優しい微笑み。
……千早がそういうなら大丈夫だろうか?
いや、大丈夫だ。千早の歌に対する熱情は人一倍熱い物がある。

しかし俺自身、何もしないようではプロデューサーとしての名が廃る——何かできる事を見つけないと。

「そうか。 それなら頑張りたまえよ、君達」

考え込んでいる最中、この一言だけを残し社長は俺達の前から去っていった。

「さて……曲を作る事になってしまった訳だが」
「本格的に作曲した事は無かったのですが、何とかして作り上げるしか無さそうですね」

もっとも、今俺達が置かれている状況の中でここまで冷静に振る舞える千早が羨ましくもあるが……
いや、ちょっと待てよ?

「ちょっと待て、千早は作曲した事があるのか!?」
「? ええ、一応……でもそこまでちゃんとした物では無いですよ」

——!
そうか……そうだ!閃いた!

「よし……千早、良く聞いてくれ」
「どうしました? いきなりそんな改まって……」

「先にこれだけは言っておこう。 俺は作曲はできない」
「え?」

「だが、俺は作曲ができない代わりに……物語を作る!」
「物語……ですか? 物語と作曲に何か関係でも?」

「ああ。 この物語をベースとした歌詞を作り上げる」
「で、でも今から物語を書いて作詞までするなんて……考えはあるんですか?」

「あるさ。 俺達の歩んできた軌跡を書くんだ」
「!?」

社長の言った言葉——その通りにするまでだ!

俺等が歩んできた軌跡には確かな意味と、沢山の想いが詰まっている。
これを使わずして何を使うのか……!

「社長にはお礼を言わないとだな。 俺に閃きをくれた」
「ちょっと待ってください。 私達の歩んできた軌跡を書くって……正気ですか?」

「正気だ。 俺等が歩んできた軌跡には様々な想いが詰まっているからな」
「そ、それは……確かにそうですけど……」

千早は何故か顔を赤くしているが、書くのをやめるつもりは無い。

「千早には、その俺が作った歌詞を元として曲にしてもらいたいんだが……できそうか?」
「努力はしてみますが、内容によると思います」

「なら、決まりだ! すぐにでも着手しよう。 このイベントで成功すれば……千早もトップアイドルだ!」

夢へと一気に迫る事ができたこの数ヵ月間。
思い返せば、本当に色々な事が起きたな……

決心を固めて、俺は物語を書く事にした。

「ここは……俺の考えを入れて、ここは……」

黙々と机に向かい独り言を呟いていると——

「順調そうですね。 プロデューサー」
「ああ。 本当に濃い数ヵ月間だったからかなり順調に進んでるよ」

「そうだ、千早。 千早の思っていた事とかも教えてくれないか?」
「確かに、物語にするなら私の考えていた事も重要になってきそうですね。 わかりました」

千早も俺の隣に座り、物語を考える手助けをしてくれるようだ。

時に笑いも有り、涙もある。
だが、その裏にはいつも何かしらの想いがあった——
俺等はそのすれ違いによって生まれた歪みに悩まされてきたのではないだろうか。

様々な壁を乗り越えてきた今だからこそそう思える。

「そういえば、俺の元に来た当初は本当に冷たかったよな」
「仕方ないですよ。 私にも色々あるんです」

「色々……か。 確かに、俺にはわからない事も沢山あったな」
「それと同じように、私もわからない事は多いんです」

時々、他愛ない会話も挟みつつも物語を順調に書き進めていく。
千早に聞きたい事も沢山あるが、物語を書き上げる事を優先しなくては……

それからと言うものの、かなりの時間を費やして物語を書き続けた。
それこそ一日に留まらず、何日も何日も……

時には、千早がわざわざ俺の家に泊まり込みで執筆を手伝ってくれた事もあった。
そして——

「ようやく……できた……!」

作り始めてから早くも一週間。
俺達二人が歩んできた「奇跡のような軌跡」の物語を書き終えたのだ。

「まだ完成じゃないですよ。 作詞もしないと」
「ガッ……」

伸びをしていた俺は千早のツッコミを受け、ひっくり返った。

「作詞、か……」

壮大ではあるものの、切ない歌詞になりそうな気がする。
しかし今一つ、ピンと来る物が無い。

「でも、私もさすがに疲れましたね……ここまで長くなるとは」
「寝るか? 今なら誰も居ないぞ?」

ちょっとだけしてみたかった事。

「え? プロデューサーがいるじゃないですか」
「膝枕してやる」

「!?」

普段から頑張っている千早に膝枕をしてあげたかった。

恥ずかしがる千早を連れ、応接室のソファに腰をかける。

「よし……っと。 ほら、いつでも寝ていいからな」
「な、ならお言葉に甘えて寝させてもらいますけど……変な事はしないでくださいね?」

「何を、そんな事はしないさ。 それとも、信用ならないかな?」
「いえ……こういう事に慣れていないもので」

千早は俺の膝の上に頭を置き、ソファーの上で横になった。

「おやすみ」
「お、おやすみなさい……」

妙に固い表情だった千早は目を閉じ、力を抜いたように見える。

さて、千早が寝てる間に歌詞を考えるとするか……

「…………」

一向に何も浮かんでこない。

「ん?」
「……んぅ」

寝返りをうっただけか。
こうして見ると……やはり、千早も一人の小さな女の子なんだな。

普段何気なく交わしてる会話も、行動も
良く考えてみるとかなり大人びているからな……

——確か、俺が入院していた病院に来る途中、自分は小さいけど俺の中では大きい存在である自信があった
そんな事を考えたって言っていたっけか。

……その通りだな。
確かに、千早は小さな女の子だ。

だが、それでも俺の中では一番大きな存在なんだ。

本人が言っていた通り、俺は直接的には何も言ってなかったが
千早を導くようにして手紙を残したんだろうな……

居ない筈の俺の声が聞こえた気がして、行くべき道を指差してくれた——か。

これぞ運命って感じだな。はは……

いかんいかん。歌詞を考えなくては——

ん? いや、待てよ……
俺自身が体験した事ではなく、千早が言っていた事を主軸に考えてみたらどうだろうか?

そんな閃きから、俺は数分間黙って考え込む。

「すー……すー……」

俺の耳には千早の寝息だけが聞こえていた。

……ん?

小さい……女の子……

千早は過去、辛い体験をしたと聞いた事がある。
そして、それによって閉鎖的になってしまったと……

……これだ。
千早の過去を抉るようになってしまうようだが

これが決定打になりそうだ!

千早が起きたら少し、聞いてみる事にしよう……

——暗黙の過去について。

「ん……ふぅ……」
「お、起きたか」

千早が眠そうな目を擦りながら起き上がる。

「……おはようございます」
「はは、まだ眠そうだな?」

少し冷やかすような感じで声を掛けてみる。

「そりゃ……眠いですよ。 卑怯ですよこんなの」
「ん? それは、どういう事だ?」

卑怯?
俺が卑怯な真似をしたか?

「……膝枕」
「え? 膝枕がどうしたって?」

膝枕が、卑怯な真似? ど、どうなっているんだ……?

「……膝枕が気持ちよすぎて眠いんです!」
「あっ……」

言い留まった理由がわかった気がした。

「私、こんなに他人に甘えた事なんて無かったので……」
「そう、か。 よしよし」

少し寂しげに見えた千早の頭を撫でる。

「ちょ、ちょっと! いきなりどうしたんですか?」
「いやー、少し寂しそうに見えたからな。 甘えたかったのかなと」

「…………」
「ん? どうした?」

下を向き、俺にもわかるぐらい小刻みに震えている……
怒らせてしまったのだろうか?

「ち、千早? 俺が悪かっ——あれ?」
「……もう少しの間、こうさせててください」

起き上がっていた筈の千早が再び俺の膝の上に頭を置いたのだ。

「何だ、甘えたかっただけか」
「…………」

無言で顔を赤くしている——図星だな!

「こうして、甘えたかっただけなのかもしれない」
「え?」

「突然どうしたんだ、千早?」
「……私、両親にも余り甘える事ができなかったので」

突然、千早の表情が曇ってしまった。
……俺は知らず知らずのうちに触れるべきではない場所に触れてしまっていたのか?

「——あの日が来る前までは私も家族と日常生活を楽しんでいました」
「千早……」

千早の少し震えている声が耳に入る。
——ここで全て聞いた上で千早の過去と今を受け入れるべきか

それとも……触れずにそっとしておくべきだろうか?

俺は——黙って前者を選んだ。

……それに、聞かなくてはならない気がしたんだ。
歌詞の事もある。

だが、歌詞を作る為だけではない。
千早を一人で悩ませるつもりは無かったからだ。

「千早、聞かせてくれ——お前の過去について」
「……わかりました」

千早は今まで話そうともしなかった自分の辛い過去の事を俺に打ち明けてくれた。
……辛く、暗く、重い過去の話を。

「……その中で、残されていたのが歌だったんです」
「歌……? それだから、ここまで歌に固執していたのか?」

「そうなりますね。 薄らと記憶に残っているあの歌が……私を縛り付けたのかもしれません」
「あの歌?」

「曲名も歌詞も殆ど覚えてはいませんが、メロディだけは覚えている歌があるんです」

千早が歌に固執していた理由は……「歌」にあったのか。

「楽しかったあの頃に歌った……意味も知らない歌を」
「…………」

俺は、千早の顔を見るのが少し辛くなっていた。
あまりにも重い過去の内容を知ってしまったからだろう……

「……! そうだ!」
「どうしたんです?プロデューサー」

そんな辛い過去は俺が消し去ってやる——

その「歌」が千早を縛り付けているなら

その「歌」で千早を解放させてやる!

「その歌、メロディだけは覚えているんだよな?」
「ええ……一応」

「そのメロディを使おう。 歌詞が浮かんだ」
「——え? で、でもこの歌は……」

「大丈夫だ、俺を信じろ。 その歌で俺が千早を解放してやる」
「……どんな歌にするつもりなんですか?」

「孤独の中、歌い続ける一人の少女の歌だ」
「孤独……」

「孤独な少女にも歌い続ける理由となる想い人が居る。 そんな切ない気持ちを歌にするんだ」
「……それって、プロデューサー。 貴方と、私の事ですか?」

「あっ……良くわかったな……」
「誰でもわかりますよ、そこまで言われたら。 ……私をまた一人にするつもりなんですか?」

「誰がそんな事を言った? そんな訳ないだろ」

「俺が、千早を孤独になんてさせる訳が無い」

「——俺が、千早を孤独から そして、過去から解放するんだから」

孤独の中、歌い続ける少女の歌とは言ったがそんなに寂しい内容じゃない。
むしろ、美しい物になるのでは?と言う自信すらも湧いてくる程だ。

「……絶対解放してくださいね? 貴方を信じて思い出したくもない過去を話したんですから」
「絶対にやってみせるさ。 それだけの覚悟があって話を聞いたんだから」

千早は全てを話し終えて安心したのだろうか、眠そうにしている。

「千早、眠いのか?」
「え? ……まぁ、少し」

「時間もまだあるし、寝ててもいいぞ? 俺はその間に歌詞を考えるから」
「なら、お言葉に甘えさせていただきます……」

再び俺の膝の上で眠ってしまった。

——ここまで暗い過去だとは思わなかった。
それが、俺が千早の過去の話を聞いて一番に思った事。

だが、それを払拭するだけの決意と愛情は持っているつもりだ。

……それに加え、俺が今まで傷つけてしまった分、千早に対して何か償いをしたい
それだけの思いで俺はひたすら歌詞を考え続ける。

「…………」
「ん……?」

千早の寝顔を静かに見つめていると、少しだけ眉間にしわを寄せているように見えた。
……何か、怖い夢でも見ているのだろうか?

「大丈夫だ、俺が傍に居るから……」

不安になり、俺は自然と声をかけていた。すると——

「……ふふ」

彼女は少しだけ笑みを浮かべ、再び安らかな寝顔に戻った。
俺の声が届いたのだろうか?等とも考えたが、今は余計な事を考えるのはよそう……

……沈黙の中で、俺は入院していた時の事を思い出した。

一人でただ寝たり、座っているだけの病室で暇を潰す為にしていた事は——
確か、千早の歌を思い出す事だったか。

彼女の歌唱力には本当に目を見張る物があり、歌姫と言われるだけはある。

最初の頃は、歌っている時の顔が何だか寂しくて
歌は上手くてもあまり好きにはなれなかったのだが……

俺の「時間が止まった頃」の一件以来、歌っている時も千早の顔は微笑みに満ちるようになって
その後から、彼女の歌が心の底から好きになったんだったな。

楽しそうで、それなのに歌も上手くて。

その時の俺は少し、千早が遠い所に行ってしまったような感覚を抱いていた。

でも、そんな事を考えていた時の事だったか?千早がいきなり病室に飛び込んできたのは。

突然見れた彼女の笑顔。

そして、受け入れられた俺の想い。

……遠くになんて行ってなかった。
彼女もまた、俺が想い続けていたように俺の事を想い続けていたと言う事。

千早が俺を傍に置いてくれたように
俺も彼女を過去から解放し、未練無く今を生きていけるようにしたいと思うんだ。

——だから、俺はこの歌に想いを託す。

千早が、過去に縛られずに心の底から笑えるように。

安心して歌う事ができるように。


思い出に浸りながら、俺は延々と歌詞について考え続けていた。
どこに何を持ってきて、どこをどうするのか。

そして何に何を付け加えるのか等、内容は様々な物だった。

しかし、これだけは言える

これなら千早にも安心して歌ってもらえるだろうと。

「……ふぅ」

ある程度の内容が固まり、俺は一息つく。

「……んにゃ?」

そして、それと同時に千早が目を覚まし、完全に気の抜けたような声を出した。

「はは、良く寝れたか?」
「……!」

「い、今のは聞かなかった事にしてください!」
「別に、俺以外は誰も居ないし恥ずかしがらなくてもいいぞ?」

「そ、そういう問題じゃなくて……!」

千早はさっきの声を必死に忘れさせようと顔を赤くしながら俺に訴えかけている。

「まぁ、良く寝れたか? 途中で寝苦しそうにしてた時もあったが」
「……はい。 でも、プロデューサーの声が聞こえたような気がしたので大丈夫でした」

お、俺の声が届いていたのか……?

「そ、そうか? ならいいんだが——」

表情には出していないものの、何故か凄く嬉しい。

「ところで、歌詞は進みましたか?」
「ああ。 これなら千早にも安心して歌ってもらえると思う」

「なら、すぐにでも書き出しましょう。 あまり時間は残されていませんから」
「わかった。 このまま完成まで頑張ろう!」

……こうして、再び奮闘が始まったのである。

「えーと、ここが千早に当たる部分でここが俺に当たる部分なんだが……どうかな?」
「聴いた人、理解してくれますかね? 大丈夫でしょうか?」

「……大丈夫だと信じたいが聴いた人の想像力に賭ける事にしよう」
「どうなっても知りませんよ……」

素人なりの知識を振り絞りつつ、千早と話し合いながら歌詞を仕上げていく。

いままで歩んできた軌跡の記憶を歌詞に込め、意味を持たせていくのだ。

しかし、思い出すだけでも時間がかかる上に更にそれを歌に合うように変える必要がある為
予想以上に時間を使う事に……それこそ物語を書くのに使った時間よりも長くなってしまった。

だが時間はかかったものの、千早の協力もあり
奮闘開始から二週間後、予想以上の歌詞が完成する。

「ここまで一つの事に時間をかけたのは始めてだ……」
「物語よりも短いから、と油断していたらこんなにも時間がかかるなんて……」

俺も、千早も疲労困憊である。
しかし疲労の裏では喜びも湧き上がってきていた。

「でも、ようやく完成したんだな……! これで休め——」
「まだ完成じゃないですよ……歌詞を考えただけに過ぎません。 これを歌にしないと意味が無いんです」

「ガッ……」

またも伸びをしていた俺はひっくり返り、物語を書いていた時と全く同じ事を繰り返してしまった……
しかし、今度の作業に関しては原型もあるのでまだ楽だろう。

「な、なら先にやってしまうか……ここまで来たら最後まで終わらせよう」
「逆に何故歌詞が出来上がった時点で気を抜いたのかが私にはわかりませんが……」

「たぶん物語を完成させた時と同じ感覚なんだ……ごめん、油断してた」
「気をつけてくださいね? 今度こそ最後の作業なんですから」

そうだ。
これで、本当に最後なんだ——

これが終われば俺と千早はライブイベントまでレッスンと仕事漬けの日々になる。

……何故かこの二人で考え続ける時間が名残惜しくもあった。
そして、このまま先に進む事が少し怖くもあった。

だが、進まなくてはならない。
いや、進むんだ。それが俺達の望んだ夢なのだから……

全ては俺が放った

「千早を絶対にトップアイドルにしてみせる」

この一言から始まった。

時間的に考えればもう結構経つ事にはなるが、俺はあの日の事を昨日起きた事のように思い出す事ができる。
……それだけ、その時の俺の願いが込められていたのだろう。

まさか、本当に実現するとはな。
嬉しくもあるが、少し悲しくもある。

それは何故か?
夢を実現させたら千早が遠くへ行ってしまうような気がするからだ……

……逆に、そうさせるのが俺の本来の目的だと言うのに。
今の俺は千早の傍に居たいと言う願望を持ち始めている。

やはり良くも悪くも、あの頃とは変わったんだな——

俺も、千早も。

「プロデューサー?」
「え?」

「どうしました? 何かお悩みでも?」
「あ、いや……」

彼女に余計な負担はもうかけたくはない。
そんな考えから結局、千早の前では何も言い出せない俺がいる。

入院していた時に勇気を出した事はあったけど遮られてしまったしな……あの後の千早の言葉には驚いたが。

「また何か考え込んでるんでしょう? 隠すのは止めてください。 私も全て打ち明けた事ですし」
「……ごめんな」

何故か咄嗟に出た言葉は謝罪の言葉だった。

「何で謝られないといけないんですか? 悩んでいるのはプロデューサーの方だって言うのに……」
「ごめん……ごめんよ……」

言うべき時に言い出せない。
その結果、何故か俺は謝り続ける事となった。

「……今度こそ、私にも聞かせてください。 何を考えているのか」
「でも……」

俺は躊躇っていた。
ここで言ってしまえば再び千早に重荷を背負わせる事になるのだから。

「もう……もう、悩んでいる貴方を見ているだけって言うのは嫌なんです!」
「——!」

前も同じような事があったっけか。
そう、確か「時間が止まった頃」に一度同じように考え込んでいた。

あの時は結局打ち明ける事もできず、強く当たってしまったんだったか……

打ち明けるべきなのだろうか?
しかし、重荷になっては意味が——

「過去に犯した過ちを再び繰り返すつもりなんですか? それだけはやめてください!」
「……そうだな」

重荷になる、ならないではないな。
……変わったんだ、俺等は。

今なら話せるだろう。

「重荷になってしまうかと思ってずっと黙っていたけど……さすがに、一人で考え込むのはもうやめだ」
「聞かせてください。 貴方がずっと何を考えていたのか」

「……ずっと、怖かったんだ。 千早をトップアイドルにさせるのが夢だと言うのに、トップアイドルにさせたら
千早が何処か遠い所へ行ってしまうような気がして」

矛盾していると言うのに、ずっと考え続けてきたんだ……

夢を叶えたら、俺が「孤独」になるのではないかと。

「夢を叶えたら、俺の傍から居なくなってしまうような気がして……」

ただそれだけの、自分勝手な悩みの為だけにこうして躊躇っていたんだ。

「……ふふっ」
「ん? な、何かおかしい事でも言ったか?」

「いえ……まさかプロデューサーがそんな事を考えてるなんて」
「……?」

意味が良くわからないのだが……

「私が、貴方の傍から居なくなる訳なんて無いじゃないですか」

「貴方も、私の傍からは居なくならなかったんだから。 居なくなったかと思えばしっかり考えてくれてた」

「貴方はプロデューサー。 そして、私はアイドル」

「仕事でも何でも、ずっと一緒に歩んでいくパートナーじゃないですか」

そして、俺は自分でもあまり意味のわからない問いをかける。

「で、でもトップアイドルになるってぐらいなんだからもっと良いプロデューサーがつく事になるんじゃ……」
「それは私が許しません。 というよりも、貴方以上に良いプロデューサーなんていませんから」

俺は不意をつかれたようにして、硬直する。

「パートナーを変えるつもりはありませんよ? 貴方はただのパートナーじゃない」

「人生のパートナーなんですから……」

そして、はっとしたように焦り出す俺。

「人生のパートナー……? どういう意味なんだ?」
「そ、それを言わせるんですか?」

「あ、あぁ……病室での一件もあったんだったな そういえば」
「そういう事です——って、忘れてたんですか!?」

ここ数週間はずっと思い出の整理をしていたからか、記憶の波に飲まれていたようだ……
忘れたくも無い、あの病室で言われた言葉。

「忘れる訳ないだろ! 忘れようとしても忘れられないって……」
「…………」

二人揃って赤面する。

「と、とりあえず! 先に歌を完成させますよ!」
「え? ああ、それもそうだな……急がないと」

あまり時間は残されていない。
この二人で共に作業する時間も残されてはいない。

だが……この千早が俺にかけてくれた言葉
これを信じる事にしよう——

千早がトップアイドルになっても、俺は孤独にはならない。

千早のパートナーとして。 そして、プロデューサーとしてずっと傍に居続ける事ができると。

俺達はとりあえず歌を完成させる事に。

薄ら記憶に残っている、とは言ったものの千早を縛り付けるきっかけになったと言うだけあって
メロディは直ぐに再現された。

そしてそれを歌詞と合わせ……たくても、俺達二人では経験が足りず結構苦戦する事になった。

それでも三日間で歌が完成する。

「これで……終わりだ!」
「やっと終わりましたね……長かった」

ようやく歌が完成した。
俺達の歩んできた軌跡と、過去が込められた歌が——

「でも、見直しましたよ。 まさかここまでしっかりとメロディに合うようになっているとは……」
「当たり前だろ? 俺達の全てが詰まった歌なんだから」

それだけは自信を持って言えた。

「とりあえず、早速歌ってみる事にしましょう。 レッスンお願いできますか?」
「おう、もちろんだ!」

なんだかとても久しぶりのレッスンな気がする。
物語や歌を作る為に、何週間も時間を費やしていたから仕方ないか……

レッスンをする為に千早を連れて移動し、準備を整えて

「よし、それじゃ歌ってみてくれ。 一度聴いてみてからどう変えていくか考えよう」
「はい。 それでは、始めますね」

音楽と千早の声を聴きながら、俺は歌詞を書き留めたノートに目を落とす。
歌詞に込めた意味を無駄にしないように、千早に歌い方を変えてもらう為だ。

「千早、今の所もう少し変えてもらってもいいか?」
「わかりました、物語ではどのような部分でしたっけ?」

「えっと、ここだ」
「……よし、やってみます」

話し合いながら物語や歌詞を作っただけあって、千早の理解も早くて助かる。

「うんうん、良い感じだよ千早」
「ありがとうございます。 でも、まだまだ全体的に修正の余地がありそうですね」

「ああ。 油断せずにいこう」

レッスンの時間は全てこの歌につぎ込む勢いで、歌を全体的に整えていく。

「全体的に安定してきたな。 一度、休憩しよう」
「え? 私はまだ歌えます、続けましょう!」

「いや、一度考えたい事もあるんだ。 後は千早の喉も本番に備えて大事に扱っていきたい」
「そうですか……でも、そういう事なら仕方ないですね」

千早もやる気に満ちているからか、常に歌いたがっている。

そしてそれの妨げにならないようにできるだけ俺は千早に合わせるつもりではあったが、時々挟む休憩だけは譲る
つもりはなかった。

「全体的に安定してきたものの、ここの辺りに物足りなさを感じるんだよな……」
「なら私がある程度、アレンジのような形で歌い方を変えてみましょうか? それによって何か良い物が見つかる

かもしれませんし」

「そうだな、ならそれでやってみてくれ」
「わかりました。 休憩が終わり次第、直ぐに始めましょう」

しかし……何かが足りない……
重要な看板のような物が——!?

「……ところで、思ったんだが」
「どうしました?」

「曲名を……考えてなかった……」
「あ……」

俺達は歌詞や物語を作る事に集中しすぎ、曲名の事を少しも考えてはいなかったのだ。

「ど、どうしようか……?」
「どうしようかって言われても……そうですね……」

「な、何か浮かんだか?」
「……ふふっ」

「え? 何で笑ってるの?」
「いや……浮かんだは浮かんだんですけど……ふふ」

何か嫌な予感がする。 こ、これは止めるべきだな!

「よ、よし。 曲名は俺が考えるからレッスンに戻ろう!」
「え? 折角浮かんだのに……」

このまま曲名を任せたらマズい気がするんだ……すまない

そしてレッスン再開後、千早は整えられた歌にアレンジを加えて歌い上げた。

「……うん! 物足りなさが無くなったな!」
「そうですか? なら、良かったです」

「これなら行けそうだ! 本番でも、これなら通用しそうだ」
「油断はできませんけどね。 ここまで大規模なイベントとなっては他のアイドルの方々も大物揃いでしょうし」

「それもそうだが、俺はこの歌を千早が歌えば絶対に注目されると思うんだ」
「注目……ですか。 私は自分が満足できるような歌を、歌うまでですけど」

「それでいいんだ。 千早が自分を出せばこの歌もそれと同じぐらいに輝く」
「確かに、私達の歌ですもんね。 逆に輝いてくれないと困ります」

俺にはもう不安は無い。
千早が注目される事によってどこか遠くに行ってしまう心配も無くなったんだ。

最初で、最後のチャンスかもしれないこのイベントで
社長が俺達にくれた最大級のプレゼントで

千早はトップアイドルになるんだ。

それも、俺と千早の歌で!

……これ以上に幸せな事は無い。

だが、本番まで気を抜かないようにしなくては……

「どうかしましたか? 顔がにやけてますけど……」
「いや、ちょっと先の事を考えてただけさ」

すると、千早が心配そうな顔をして

「……また、悩み事ですか?」

と問いかけてきたが、それに対する答えは決まっていた。

「悩みなんかじゃない。 夢が叶うんだって……俺達はようやく辿り着くんだって思ったんだ」

本当に、短いようで長い時間だったが俺達は様々な経験をした。

何回も俺達の想いはすれ違った。

だが、今はそうじゃない。

俺達の想いは重なったんだ。

重なったからこそ夢へと辿り着けたんだ。

そう——まさに最初から「運命」によって仕組まれていたかのように

俺達の想いは結晶となった。

少し前まで俺は孤独を恐れ、千早を縛りつけそうになっていたのだが

今はもう違うんだ。

俺達は一緒だ。 一緒に夢を実現させるんだ

もう、すれ違ったりはしない。

もう、振り向いたりはしない。

もう……過去の悲劇は繰り返さない。

過去から千早を解放すると同時に、俺もまた今まで縛られてきた過去から解放されるんだ。

……ようやく、辿り着くんだ。

時間が動き、辿り着く事ができるんだ。

「……そうですね。 ですが、これはまだ第一歩に過ぎません」
「……そうだな」

「私達はこれからも長い道のりを歩んでいく事になるんですから」
「わかってるさ」

「だから……絶対に、私を一人にしないでくださいね?」
「ああ。 千早も、約束してくれるな?」

「——もちろんです。 私達はパートナーなんですから」

それから、時間はあっという間に過ぎて行き

大規模ライブイベント当日、舞台袖。

千早の出番直前、俺達は二人である意味最後の会話を交わしていた。

「とうとう本番だな! 千早、準備はいいか?」
「万全ですよ。 この日の為に二人でずっと努力してきたんじゃないですか」

「はは、それもそうだな。 俺の想いの分まで、歌声を響かせてきてくれよ?」
「任せてください。 プロデューサー……いえ、貴方は私と一緒なんですから」

「頼んだぞ! 俺はずっと見守ってるから安心して行ってこい!」
「はい! 行ってきます!」

千早は元気そうな微笑みを俺に見せ、舞台へ上がっていった。

湧き上がる歓声。

それに対して千早は笑顔を見せている。

……以前はここまで観客に笑みを見せると言う事は無かった。

千早は、どうやら俺の言葉を信じて舞台に向かってくれたようだな。

……見守っているから安心して歌ってこい。 
言葉はかけられないが、俺は心の中で千早を応援した。

そして、音楽が流れ始め観客が静かになる。

「……始まるか」

とうとう来たんだ。

俺達の夢が叶う瞬間が……!

「……静かにただ 見つめてた」

千早が歌い出す。

舞台袖から見える千早の姿は、いつになく輝いていた。

そして、その表情も安心したような様子だ……

「水が怖くて 尻込みしてた——」

今まで本当に水にも似たような時間を恐れてきたんだよな。
時が止まったように感じた時もあった。

「——背中押されてはやっと泳げた」

……俺も、千早も互いに背中を押しあって、ようやく泳ぐ事ができたんだ。

「まるで昨日みたいです」

今までの出来事が、昨日のように俺の頭の中に甦ってくる。

「——声が聞こえる」

「行くべき道 指さしている」

入院していた時、俺は千早を導く事ができるように手紙を残したんだろうな。
さすがに声が聞こえたような気がした、と言われた時はびっくりしたが。

「さらさら流る 風の中でひとり」

「——私 歌っています」

千早が一息つくのと同時に、とてつもない歓声と拍手が湧き上がる。

そしてイベントの司会者が舞台に現れ、千早にインタビューを始める。

「ありがとうございました。 この歌はわざわざ本イベントの為に1から作られたと言うお話でしたが、そこには
何かドラマが?」

「はい。 私が一番大切な人物と歩んできた軌跡がこの歌には込められています」

「なるほど。 では、その運命的なドラマを語っていただくには欠かせない人物をお呼び致しましょう!」

……ん? 語るには欠かせない人物……?

「如月千早さんを長きに渡って支え続けてきた——プロデューサーさん、どうぞ!」

!?
お、俺が舞台に上がるなんて聞いてないぞ……!?

千早が早く出てこいと言わんばかりにこちらに視線を向ける。
そして、それに引っ張られるように俺は舞台へ上った。

「では、プロデューサーさん。 如月さんとのドラマは一体どのような物でしたか?」
「え? いや、えっと……」

戸惑っている俺を見たからか、観客から「頑張れ」と言う声が聞こえる。
……こんなところで、はしたない姿は見せられない!

「……困難や悲しみに満ちている時もありましたが、千早と共に乗り越えてきました」
「ふむふむ。 困難や悲しみ……そこには、何か理由があったのですか?」

「俺達二人の想いがすれ違った時に生じた歪みのような物が俺や千早を苦しめてきたんだと思います。 でも、俺
達はそれを乗り越えてきた」
「なるほど! では、そこには二人の強い絆のような物があったのですか?」

「ええ。 絆と言う言葉だけでは語れない程の強い想いや願いがありました」
「おお……とても壮大なお話ですね! 本来ならばその強い想いや願いをお聞きしたい所ではありますが、時間の
都合がありますので割愛させていただきます」

よ、ようやく終わったか……
俺が一息つくのを見て、千早が少し笑っていた。

「では、最後に! プロデューサーさん、そして歌姫、如月千早さん! この曲のタイトルをお聞きしてもよろし
いでしょうか!?」

この司会の言葉に動かされるようにして、千早が俺の隣に立つ。

そして俺達は息を合わせ、同時に声を発した。

「タイトルは——」

俺達の夢は叶った。

だが、動き始めた俺達の時間は止まらない。
これからもずっと一緒に歩み続け、軌跡を残していくだろう。

再び、呼吸を整えて。

声を

想いを

夢を合わせて

新たな未来へ羽ばたく前の最後の一言を発した。

俺達が歩んできた奇跡のような軌跡……
運命の物語……タイトルは——


「小さきもの」

第三部は以上です。

そして、これにて
三部作「小さきもの」は完結となります。
読んでくださった方々に感謝を。

千早のカバー曲「小さきもの」はとても良い曲ですので、聴いて頂けたら筆者としても嬉しいです。

では、これにて失礼致します。
ありがとうございました。

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