【モバマスSS】晶葉「できたぞ助手!百合カップルを発見するゴーグルだ!」 (55)

※百合注意
※キャラ崩壊注意


モバP(以下P表記)「で、それは何のために作ったんだ?」

晶葉「ユニットを組むときの参考になるかもしれんだろう?」

P「本音は?」

晶葉「好奇心だ」

P「それでこそ晶葉だよな!」

晶葉「さて使い方は、といってもあまり説明することはないな」

P「最初でだいたい説明終わってるよな」

晶葉「詳しい仕様についてだが、同性カップル同士が10m以内の距離に近づいたとき、間に赤い糸が見える」

晶葉「まあこの事務所だからな、百合カップル発見器のようなものと捉えてもらって問題ない」

晶葉「雰囲気を出してお互いの左手薬指に結ばれてるように見えるように設定済みだ」

P「なぜ10mなんだ?もっと遠ければ探し放題になるんじゃないか?」

晶葉「そうすると事務所じゅう赤い糸だらけになってしまうだろう?」

P「いやさすがに百合カップルに夢見すぎか毒されすぎだと思う」

晶葉「あと百合カップルの定義についてだが、『お互いが相手を恋人として認識している』状態を指す」

晶葉「両思いだが伝えてないとか、片思いとか、相手の気持ちに気づいてないとかは含まれない」

P「その辺全部反応するようにすれば相当面白いことになりそうだけどな」

晶葉「それはできない」

P「え?」

晶葉「女性に限らず、同性愛というのはやはり白い目で見られるものだ」

晶葉「今の関係が崩れるかも、嫌われてしまうかも、周りから心無いことを言われるかも」

晶葉「そういった恐れや苦悩を抱え、自分の気持ちを心にしまっておく人もいるかもしれないんだ」

晶葉「そんな人の気持ちを公にしてしまうのは間違っていると思う」

P「晶葉って実はいい子なんじゃね?」

晶葉「本当のいい子はこんな装置は作らんぞ?」

P「だよなあ。で、本音は?」

晶葉「これから生まれるかもしれない百合カップルを壊す可能性のあることなんてできるわけがない!」ダンッ

P「さっすが晶葉、好奇心と探求心の塊だわ」

晶葉「あとは、うちのアイドルが男性と恋愛してしまうといろいろ問題だからな」

晶葉「つまり百合に流れるのは水が高いところから低いところに流れるくらい必然」

P「何言ってるのこの子」

晶葉「さて、助手と私の分の2個作ってあるからそれぞれ装備していこうか」

P「装備て」

晶葉「そうび:ゆりかっぷるのゴーグル」

P「それって装備してる方が百合カップルみたいじゃね?」

P「しかし10mか・・・みんなをどこかに集めるくらいしないとなかなか難しそうだな」

晶葉「まあそんなに一度にわかっても面白くないだろう、ふとした時に赤い糸が見えて驚くくらいがいい」

P「だな、とりあえず事務所に・・・ってゴーグルつけてる理由を考えておかないと」

晶葉「私の新発明『見た女性の本当の体重とスリーサイズがわかるゴーグル』のテスト中ということにしておこう」

P「それ絶対事務所が阿鼻叫喚の渦になるだろ・・・何かもうちょいマイルドなやつで」

晶葉「まあ適当に『新発明に向けてのデータ収集中』ということにしておこう」

P「なぜその選択肢が最初に出ない」

晶葉「今は事務所にあまり人もいないからな、そう簡単に見つかるとも思えんな」

P「そもそもの絶対数が少なそうだしな」ガチャ

ちひろ「あっプロデューサーさん、晶葉ちゃん、おはようございます!あれ?そのゴーグルは・・・?」

P「おはようございますちひろさん。晶葉の新発明のデータ集めの最中でして」

晶葉「おはよう。こういうことは助手にも頼んだ方が効率がいいからな、助手には苦労をかけるが」

P(どの口が言うか)

晶葉(とか思っているのだろうな)

ちひろ「晶葉ちゃんの発明には助けてもらうこともありますからね・・・でも仕事に支障がでないようにはしてくださいね?」

P「大丈夫です、つけてる感じはただのゴーグルなので」

P(まあ仕事しながらちょくちょく様子見ることにするか)

~11:00~

P「えーと、今事務所にいる中で誰か・・・」

晶葉「うーむ、赤い糸は見えないな」

P「文香とありすがいるけど、これは確かにカップルって感じではないよなあ」

晶葉「ありすは尊敬、文香は単純に可愛がっている感じだろうな」

P「杏ときらりの間にも見えないのがけっこう意外だ」

晶葉「相当仲のいい親友、というとこだろう」

P「きらりは杏の身の回りの世話とか相当やってるから、通い妻みたいなものかと思ってたんだが」

晶葉「あくまでお互いが恋人と認識してないと反応しないからな」

~13:00~

晶葉「ここまでかなりの人数を見てきたが、今のところ一度も赤い糸は見えていないな」

P「やっぱり絶対数が少ないんじゃないのか?」

晶葉「いやそんなことはない、世の中は百合で溢れている筈なんだ」

P「いったい何に毒されたのこの子」


晶葉「しかし今この事務所には美波がいる、もし彼女が来てくれれば・・・」

ガチャ

アーニャ「ミナミ、お待たせしました」

美波「あ、アーニャちゃん!」

P&晶葉「き・・・きたああああああああああああ!」

晶葉「見ろ助手!ついに1組目の百合カップルが!」

P「落ち着け晶葉。しかし本当に事務所に百合カップルがいるとは・・・」

P「あと晶葉、いくら何でも左手薬指同士を直線で結ぶと違和感が酷い。そこは懸垂線にしてくれ」

晶葉「おおう、助手から普通にダメ出しが入った・・・次までに修正しておこう」

P「さて、ついに百合カップルを発見してしまったわけだが・・・どうする?」

晶葉「もちろんインタビューするに決まっているだろう」

P「まあ既に成立しているカップルなら問題は少ない・・・のか?」

晶葉「別に助手としても百合カップルを禁止する理由はないだろう?」

P「まあな、仮にバレたとしてもそこまでダメージはでかくないし」

P「むしろ盛り上がるファンもいると思う」

晶葉「とりあえずは話を聞いてみようではないか」

P「そうするか、おーい!美波ー!アーニャー!」

美波「あ、プロデューサーさん?どうしたんですか?」

アーニャ「シトー?・・・えっと、何ですか?」

P「次の仕事の件で二人に相談があるんだが・・・会議室まで来てくれないか?」

アーニャ「ダー、行きましょう、ミナミ?」

美波「はい、ちょっと待っててください」

~会議室~

P「晶葉、一応確認しておくけど盗聴はされてないな?」

美波「と、盗聴!?」

晶葉「安心してくれ、反応はない。一応廊下に小型のカメラもつけてあるから立ち聞きの心配もないだろう」

アーニャ「他の人に聞かれたくない話、ですか?」

P「まあな、ちょっと二人に質問があるんだが・・・」

晶葉「二人はいつから付き合ってるんだ?」

美波「え?つきあ・・・ええええええええっ!?な、何で・・・」

P「これな、誰がカップルかわかるゴーグルなんだ」

アーニャ「アキハ、すごいですね」

美波「ア、アーニャちゃん、何でそんなに落ち着いてるの!?」

アーニャ「私、ミナミのこと、大好きですよ?」

アーニャ「本当は、みんなにもミナミがとっても素敵なこと、教えてあげたいくらいです」

美波「え、えぇ・・・?」

P「まあ俺らも二人が付き合ってるからってどうこうしようというわけじゃないんだ、ただ・・・」

晶葉「詳しく話を聞かせてほしいだけだ、根掘り葉掘り」

美波「そ、そんな・・・」

P「まあ知的好奇心を満たすために犠牲になってくれ・・・後に引きずることはないからそこは安心してくれ」

晶葉「それで、二人はいつから付き合ってるんだ?」

アーニャ「ンー、3か月前、くらいでしょうか?」

アーニャ「もっと前から、ミナミのことは大好きでしたが」

アーニャ「少し、辛いことがあって、落ち込んでいた時に、ミナミが声をかけてくれて」

アーニャ「私の話を聞いてくれて、いっしょに悲しんでくれて・・・」

アーニャ「気づいたらミナミのことばかり考えていて、しばらくしてから、告白しました」

P「辛いことがあったって・・・それに気づかない俺ってプロデューサー失格じゃね?」

美波「いえ、プロデューサーさんは183人いっしょに見てますから仕方ないかと・・・」

P「担当してる以上それって関係ないよね?ねえ俺もう吊ったほうがいいよね?」

アーニャ「プロデューサー、私が隠していただけです、死んじゃダメです」

P「わかった」

美波「立ち直り早いですね!?」

晶葉「で、アーニャの方から告白したか・・・それで美波は?」

美波「え、ええと、私もアーニャちゃんのことは、妹みたいに可愛いと思っていましたし」

美波「私のことを好きでいてくれるのも、嬉しいって思ったので・・・」

晶葉「OKしたと」

美波「は、はい・・・」

アーニャ「でも、ミナミはもっと凄いです!ミナミに教えてもらって、気持ちいいこといっぱい知りました!」

P&晶葉「えっ」

美波「ちょっ」

アーニャ「ミナミに触ってもらうと、ぽかぽかして、じんじんして、とっても気持ちよくて」

美波「ア、アーニャちゃん、ちょっと」

アーニャ「私も、ミナミに気持ちよくなってほしくて、いっぱい触ったり舐めたりしました」

P&晶葉「お、おう」

アーニャ「この前使った二股」

美波「プ、プロデューサーさん!晶葉ちゃん!きょ、今日のところはこの辺で!でないと・・・」

美波「恥ずかしくて、死にそうです・・・」

P「わ、わかった、二人とも仲良くな」

アーニャ「えっ、まだ、ミナミの可愛いところが」

晶葉「うーむ、さすがに肉体関係の有無まではデリケートすぎて聞き出す気はなかったが」

P「まさか自白してくるとは」

晶葉「予想外にガチ百合だった」

P「ぜひ鑑賞したい、いっそ干渉したい」

晶葉「助手が混じってしまうとただの逆3P」

P「アイドルがそんな言葉を使うもんじゃありません」

~15:00~

P「糸が2本見える」

晶葉「いよっしゃあああああ!!」

P「晶葉の百合に対するその情熱の源は何なの」

P「ええと、1本は・・・未央と藍子か。もう1本は・・・卯月から出てるけど相方は仕切りの向こうか」

晶葉「すぐに確かめてもいいが、後のお楽しみとしておいてまずは未央と藍子に・・・」

P「だな。おーい、未央ー!藍子ー!」


~同じ流れで会議室に連れ込んだ後~

晶葉「で、どっちから告白したんだ?」

未央「えっ?ど、どういう」

晶葉「二人は付き合っているだろう?」

未央「ええええっ!?」

藍子「ど、どうして」

未央「あ、あーちゃんっ!」

藍子「あっ」

P「まあ隠してもムダだったんだけどな、このゴーグルが以下略」

未央「またそんな変なものを・・・」

晶葉「さてさてどっちから告白したのかなー?」

未央「・・・話さないと終わらなさそうだよね?」

P「まあ他言はしないし、付き合ってるからどうこうというつもりもないんだが・・・」

P「晶葉と俺の知的好奇心の犠牲になってくれ」

未央「わ、わかったよう・・・私から告白しました!」

晶葉「ほうほう、シチュエーションは?」

未央「・・・けっこう前からあーちゃんとは二人で出かけることが多くて」

未央「いっしょにいると楽しいし、ゆったりした雰囲気で過ごすのも好きだし、何よりあーちゃん可愛いし」

藍子「み、未央ちゃん///」

未央「それで、いつもみたいにお茶してた時にあーちゃんがふと『まるでデートみたいですね』みたいなことを」

未央「それまでは気にしてなかったんだけど、デートって言葉を聞いてからなんか意識しちゃって」

未央「それから事務所で会っても、プライベートで会ってもドキドキするようになって」

未央「気が付いたら告白してました・・・って本人の前で言うのめっちゃ恥ずかしいんだけど!?」

藍子「・・・照れてる未央ちゃんって可愛いですね」

未央「ふぇっ!?」

晶葉「確かに可愛いな」

P「これはレアな表情・・・可愛い」

未央「ふ、二人ともそんな、い、いや、あーちゃんの方が可愛いでしょ!?」

藍子「私のことを可愛いって言ってくれるのは嬉しいですけど、未央ちゃんも可愛いですよ?」

未央「ま、またまたー、私が可愛いなんて」

藍子「いーえっ、私は未央ちゃんのことで嘘なんかつきませんっ」

藍子「未央ちゃん可愛いですよね!二人とも?」

P&晶葉「全面的に同意する」

未央「・・・ほんとに?」

藍子「ええ、未央ちゃんはとっても可愛いですよ?」

未央「・・・もっと言って?」

藍子「ふふっ、甘えん坊さんの未央ちゃんも可愛いですね」

未央「えへへ・・・」

藍子「そんな可愛い未央ちゃんは頭をなでなでしてあげます」ナデナデ

未央「ふわぁ・・・あーちゃんの手あったかい・・・」

未央「ねーねーあーちゃん、膝枕、して?」

藍子「ふふっ、いいですよ?どうぞ」ポンポン

未央「ありがとう、あーちゃんの肌すべすべー」スリスリ

藍子「ひゃっ!?未央ちゃん、おとなしくしてないと、めっ、ですよ?」

未央「はーい」

藍子「ふふっ」ナデナデ


P「ゆるふわラブリータイムが始まって会議室が甘々空間になってしまったので退避してきた」

晶葉「いやあ堪能した、しかしあれはえっちぃ方向には行ってないな」

P「えっちぃとか言わない」

晶葉「まだマイルドにした方だろう・・・よし、そろそろ戻って卯月の相手を確かめるとしようか」

P「あの甘々空間の直後に元気だなおい・・・俺はブラックコーヒーが飲みたくなったぞ」

~16:00~

晶葉「卯月の相手は・・・凛か」

P「なんてことだ・・・ニュージェネのメンバーが三人とも百合だったとは」

晶葉「まあとにかくインタビューしてみようではないか」

P「そうだな。おーい、卯月ー!凛ー!」


~同じ流れで会議室に(ry~

P「一応第二会議室も用意しておいてよかった」

晶葉「隣ではまだあの二人がイチャついてるだろうしな」

凛「えっ?イチャついてるって・・・」

P「なあ卯月、卯月も凛とイチャつきたいよな?付き合ってるんだし」

凛「えっ、ちょっ、何を」

卯月「・・・やっと・・・」

凛「えっ?」

卯月「やっとわかってくれる人が現れましたっ!」ガシッ

P「お、おう」

卯月「そうなんですよ、聞いてくださいプロデューサーさんっ!」

卯月「凛ちゃんったらもう付き合って半年近くにもなるのに全く手を出してこないんですよ!」

晶葉「ほうほう、それでそれで?」

卯月「普通にデートしてるときは楽しそうでいいんですけど、いざいい雰囲気になったときに急にそっけなくなって」

卯月「頑張ってこっちからアプローチしてものらりくらりとかわされ続けて・・・」

卯月「いっそ抵抗できないようにして襲ってやろうかと何度考えたことか!」

P「おい」

晶葉「それで、半年でどこまで行ったんだ?」

卯月「手をつなぐところまでです」

P「純情か」

晶葉「乙女か」

凛「わ、私も、卯月と、キ、キスとか、そういうことをしたくないわけじゃないんだけど・・・」

凛「で、でもやっぱりファーストキスは、ちゃんと男の人と・・・」

卯月「そ、そうですよね・・・じゃあそこにプロデューサーさんがいるのでちゃっちゃと済ませてください」

凛「えええっ!?」

P「なんか俺の扱いぞんざいじゃない?」

卯月「まあ私のファーストキスは凛ちゃんにあげますけど」

卯月「凛ちゃんのファーストキスがプロデューサーさんに奪われるのを唇をかみしめながら怨嗟の目で見つめてますから」

P「いややめて普通に目が怖い」

凛「プ、プロデューサーと・・・キス・・・」

晶葉「二人とも百合ではなかったのか?」

卯月「・・・さっきの様子からすると、この事務所で私たち以外にも女の子同士のカップルって何組かいるんですよね?」

晶葉「ああ。誰がとは言えないがな」

卯月「私見ですけど、その中でもプロデューサーさんに押し倒されたら一線超えちゃいそうな子がほとんどだと思います」

P「怖いこと言うなおい・・・ってその言い方だと俺が今卯月を押し倒したら一線超えちゃうっていう風に聞こえるが?」

卯月「それ聞いちゃいます?」

P「やめておきます」

凛「プ、プロデューサーと・・・卯月と・・・キ、キス・・・プロデューサーと・・・」プシュー

P「あ、凛がオーバーヒートしてる」

卯月「・・・しょうがないですね」チュッ

凛「え、えっ?」

卯月「今はほっぺで我慢しますけど、次はもうちょっと頑張ってくれると嬉しいです」

卯月「それに、今の凛ちゃんがプロデューサーさんとキスしたら間違いなく一線超えそうですし」

凛「ち、ちょっと卯月!」

卯月「ふふっ、言いたいことがあるならキスしてから聞きますよ?」

凛「も、もうっ!」

凛「でも・・・卯月がこうしてほしい、っていう話を聞けたのはよかった、かな」

卯月「えっ?」

凛「私は今まで相手が男でも女でも誰かと付き合う、って経験をしたことがなかったから・・・」

凛「いざそういう関係になった時に、どこまで求めていいのか、どこまで応えればいいのかがわからなくって」

凛「でも、卯月がしてほしいことはできるだけしてあげたいっていうか」

凛「だからこんなきっかけでも、卯月の本心が聞けてよかったって思う」

卯月「凛ちゃん・・・ごめんなさい」

凛「えっ?」

卯月「さっき、凛ちゃんとの関係が進展しないのは凛ちゃんに非があるみたいに言っちゃったこと」

卯月「そもそも私が、もっとちゃんと凛ちゃんに話せばよかったんですよね」

卯月「でも、もしかしたら凛ちゃんに嫌われちゃうかも、って思うとなかなか言い出せなくて・・・」

凛「私が卯月を嫌いになるなんてこと・・・まあ、よっぽどのことがなければ」

卯月「そこは断言してください!」

凛「ごめんごめん、でも私は卯月のこと、その、大好きだから」

卯月「凛ちゃん・・・今度、もっといっぱい話しましょう?お互いのこととか、これからのこととか・・・」

凛「うん、私も、もっと卯月のことを知りたいし、もっと私のことを知ってほしい」

凛「それで、卯月がしてほしいことも、その、頑張るから」

卯月「・・・凛ちゃん、一つだけお願いが」

凛「なに?」

卯月「ぎゅーってしていいですか?」

凛「えっ?」

卯月「私のことを思ってくれる凛ちゃんが愛おしすぎて、ちょっと発散させないと危険です」

凛「危険って何が!?」

卯月「だ、大丈夫です、ぎゅーっとするくらいならきっと我慢できます、その先までは、たぶん」

凛「そこは断言してよ!・・・うん、でも、いいよ」

卯月「凛ちゃん・・・」ギュッ

凛「あ・・・卯月、あったかい」

卯月「私、今すっごいドキドキしてます」

凛「うん、わかるよ・・・私も、ドキドキしてる」

卯月「凛ちゃん、髪の毛、いい匂いします」

凛「ちょっと卯月!」

卯月「ああ、やっぱりこれ、我慢できないかも」

凛「え?ちょっと、卯月?」

卯月「凛ちゃん・・・」

凛「ひゃんっ!?ちょ、うづ、あっ」

P「さすがにあのままあそこにいたらまずいと思って退避してきた」

晶葉「途中から我々が目に入らないくらい二人の世界に入っていたからな」

P「なんだかんだで二人の仲が進展したみたいだしよかった・・・のか?」

晶葉「しかし選択肢次第では卯月と凛が助手と会議室でそのまま・・・という流れもあったように思えるな」

P「やめてくれ、クビにはなりたくないぞ」

P「しかし仮にそうなってたとすると晶葉はどうするんだ?」

晶葉「もちろん鑑賞させていただくが・・・場合によっては混ざるのもアリかもしれん」

P「どうしようなんか闇が深い」

~18:00~

P「そろそろ人も少なくなってきたな」

晶葉「しかしその中でも目の前には1本の赤い糸が」

P「・・・菜々と杏とは、さすがに予想外だった」

晶葉「まさかの歳の差カップル」

P「じゅうななさい!じゅうななさいだから同い年だから!」

晶葉「早めに仕事が終わった杏がウサミンを待っていたようだったが・・・」

P「これはまさか・・・」

晶葉「まあまずはインタビューだな」

P「二人とも最近めっぽう色っぽくなってるし、期待大だな」

~同じ流れで(ry~

P「第一会議室は・・・さすがにさっきの二人は帰ってるな」

菜々「それで、話というのは・・・?」

杏「早めに終わらせてよねー、もう帰るところだったんだからさー」

晶葉「では単刀直入に、○○歳差の歳の差カップルということだがきっかけは何だったのかを聞きたい」

菜々「え・・・えっ!?」

杏「・・・そのゴーグル」

晶葉「さすがに察しがいいな、このゴーグルをかけていると近くにいるカップルがわかる」

杏「あーあ、気づかれないようにしてたのになー、かがくのちからってすげー」

晶葉「まあ順を追って聞きたいところだな。馴れ初めから」

杏「これ言わないと帰れないやつ?」

晶葉「話が早い」

杏「まーいーや、杏は知っての通り怠けてることが多いし、よくきらりやプロデューサーに身の回りの世話もしてもらってるし」

杏「特に食べ物なんかはほっといたらいつもカップ麺になっちゃうんだよね」

P「カップ麺ばっかじゃ体に悪そうだから、ちょっと凝った料理を作るスキルなんてもんも身に着いちまったぞ」

杏「あははー、杏のおかげだねー・・・それで、いつだったか菜々さんと同じ番組に出ることがあって」

杏「料理番組だったんだけど、プロデューサー覚えてない?」

P「杏と菜々が共演してた料理番組・・・ああ、菜々が家庭料理をガッツリ作って審査員の心をわしづかみにしたあの特番?」

杏「そうそう、杏も作る側だったから菜々さんの料理は食べられなかったんだけど、すっごい美味しそうでさー」

杏「なんというか、おふくろの味っぽいというか」

菜々「おふくろって!ナナはじゅうななさいですからね!」

杏「はいはい・・・で、帰りに菜々さんと料理の話をしてたら、菜々さんが料理を作ってくれるってことになって」

杏「そのままウサミン星にお邪魔したんだよね」

杏「帰りにスーパーでいっしょに買い物して、菜々さんの家に着いたんだけど、すっごい居心地が良くて」

菜々「あ、あのときは急だったので、部屋を片付けるのが大変でした・・・」

杏「それで菜々さんが料理を作り始めて、買い物の量を見たときに違和感はあったんだけど」

杏「すっごい豪華な和食フルコースみたいなのが出てきてさー」

杏「菜々さんは『杏ちゃんはもっとしっかり食べないと』ってご飯山盛りにしてくるし、久々に実家に帰った時のおふくろか」

菜々「だからおふくろじゃありませんっ!」

杏「いや、でも量はともかくほんとに美味しかったよ?いつでもお嫁に行けるね」

菜々「お、お嫁って」

杏「それで、何回か菜々さんの家に通ったり、ウチに来てもらったりするうちに気づいたことがあって」

杏「きらりとかプロデューサーも料理とかいろいろしにウチに来てくれるじゃん?」

P「ああ、もうルーチンワークになるくらいにはな」

杏「きらりとかプロデューサー相手だと、杏は基本されるがままで甘えっぱなしになるんだけどさー」

杏「菜々さん相手だと、暇があれば弄りたいし、何か手伝ったりとか、とにかく何かしてあげたいとか思うってこと」

菜々「弄るのは勘弁してほしいところですが・・・」

菜々「でも、杏ちゃんのおうちにお邪魔した時、料理を作ってくれたことがありましたねー」

P「杏が!?」

晶葉「料理を!?」

杏「まあ珍しいかもしれないけどさー、さっき料理番組に出たって言ったばっかじゃん」

菜々「杏ちゃんはめったに本気を出さないだけで、本気を出すと凄いんですよ?」

杏「自分で食べる料理に本気出したくはないしー」

杏「菜々さんへのその気持ちに気づいたら、じゃあそれは何だってことになって・・・杏って、菜々さんのこと好きなんじゃ?」

杏「って結論に辿り着いたので告白したのでしたー、回想おわりー」

P「最後えらいはしょったな」

杏「いやー、本人を目の前にしてここまでいうだけでも相当恥ずかったのにこれ以上とか拷問じゃん」

菜々「た、確かに杏ちゃん顔真っ赤ですね」

杏「菜々さんもじゃん」

菜々「えっ!?そ、それは、いろいろと思い出したというか・・・」

晶葉「で、その告白を聞いてウサミンは?」

菜々「え、ええとですね、その時のナナは正直、女の子を好きになるってことがよくわからなくって」

菜々「それで、杏ちゃんがいつになく真剣だったので、ナナもちゃんと真剣に考えて返事をしないと、って思ったんです」

菜々「なので、一週間、しっかり考える時間が欲しい、その後ちゃんと返事をするって」

杏「で、菜々さんが真剣に考えてくれるのがわかってすごく嬉しかったんだけど、これを言わないのはフェアじゃないなって思って」

杏「菜々さんもいい歳だし、今ここで杏と付き合うってことは、これから先に男の人と出会う貴重な時間を削るかもしれないこと」

杏「百合営業なんて言葉もあるし、アイドルをやってる以上プラスに働く面もあるかもしれないけど、基本的にはマイナスなこと」

杏「他のいろいろなことも考えて、それでも杏と恋人同士になってもいい、って思えたときだけOKしてほしい、って」

P「いろいろ考えてんなあ」

菜々「まあ、現実的に見て菜々も実際いい歳ですからね・・・」

晶葉「じゅうななさい!とは言わなかったのか?」

菜々「杏ちゃんがこれだけ真剣に言ってくれてる以上、そこは誤魔化せませんでした」

P「自分の信念を折ってまで・・・」

菜々「それで一週間後、ちゃんと返事をしました」

P「今カップルになってる以上、OKしたんだよな?」

菜々「はい、ただ条件があって・・・」

晶葉「条件?」

菜々「私だけじゃなく、杏ちゃんもです。『好きな男の人ができて、上手くいきそうなら、お互いにちゃんとそれを伝えて」

菜々「この関係をきれいさっぱり解消して、元のお友達に戻る』という条件でOKしました」

菜々「私のこともですけど、何より杏ちゃんの将来を台無しにしたくなかったんです」

P「なんてええ子たちなんや・・・」

菜々「まあ、こうして今も関係が続いている時点でお察しなんですが・・・」

杏「アイドルやってると出会いって少ないよねー」

菜々「でも好きな男の人はいるんですけどね?」

杏「杏もー、ただ『上手くいきそうかどうか』ってとこに問題があってさー」

菜々「ライバル多いですからねえ・・・」

P(・・・今までの態度と、さっきの卯月の発言・・・)

杏「あれ?事務所のアイドルが、好きな男がいるとか言っちゃってるのに何も言わないの?」

P「・・・それを俺に言うか?」

杏「よかったー、鈍感じゃなかったね」

P「でもさっき、俺が相手だと甘えるばっかになるみたいなこと言ってなかったか?」

杏「そういう『好き』もあるってことだよ、それに恋人同士になったら変わるかもよ?」

P「・・・どう反応していいかわからん」

杏「あははー、ちなみにプロデューサーとしても男性としても気になってるかもしれないから一応言っておくと」

杏「まだ膜はあるから安心していいよー、破らなくても気持ちいいことはいっぱいできるしー」

P「膜て」

菜々「あ、杏ちゃん!?///」

杏「菜々さん、肌キレーだしくちびる柔らかいし、杏と違ってスタイルいいし、杏の気持ちいいところ全部知ってるし」

杏「杏相手でもすっごい乱れてくれて」

菜々「わーっわーっ!!!そ、そこまでにしてください杏ちゃん!」

杏「えー?ここまで知られちゃった以上もう関係なくない?」

P「どおりで最近色っぽくなったと」

杏「えー、プロデューサー、杏たちをそんな目で見てたんだー、やらしー」クネクネ

P「はいはい、まあ仕事に支障は出ないようにほどほどにな」

菜々「プ、プロデューサーさん!///」

杏「で、ウサミン星におじゃましたり菜々さんに来てもらったりで最近楽しくってさー」

P「あ、だから最近迎えに行かなくてもちゃんと事務所に来るのか」

杏「ちなみにきらりはもう知ってるよー、最近家で会う時間が減ってるから事務所でできるだけ一緒にいるようにしてるけど」

晶葉「ウサミンはきらりに嫉妬したりはしないのか?」

菜々「きらりちゃんも今の杏ちゃんを作る一部ですからね、そこまで含めて杏ちゃんが好きなので問題ありません!」

杏「あ・・・ありがと」

P「おっ?照れてる杏とはまた珍しいものが」

杏「てっ照れてないし!」

菜々「またまたー、照れてる杏ちゃんもかわいいですねー」ウリウリ

杏「あ、あう・・・」

P「ここぞとばかりに杏弄りをする菜々」

杏「それがさー、菜々さん二人きりだと意外と弄ってくるんだよ」

杏「新たな一面も見れてよかったけどさー」

P「しかし、最初のカップルのあの発言からするとあの二人の膜は・・・」

晶葉「考えないようにしよう」

~20:00~

P「さて、だいたいみんな帰ったな」

晶葉「今日確認できた百合カップルは4組か」

P「満足したか?」

晶葉「ああ、充分堪能した」

P「ゴーグルを外して・・・と」スチャ

P「一日中つけてたからなあ、顔に跡とかついてないか?」

晶葉「事前に私と助手の顔のサイズを考慮して作ったからな、つけてる感覚すらほぼなかっただろう?」

P「あ、確かに。でも一応、俺これから飲みに行くし・・・ちょっと顔洗ってからにするか」

晶葉「お?誰かとデートか?」

P「まさか・・・プロデューサー仲間とだよ、ちひろさんもいるし」

晶葉「そうか、では私はここで」

P「おう、気をつけて帰れよー」

晶葉「しまった、ゴーグルを返してもらうのを忘れていた」

晶葉「一度洗面所に行ってからだからまだ近くにいるかも・・・おっ見つけた、助手と、ちひろさんと」

晶葉「他の事務所のプロデューサー二人と、知らない顔が二人と・・・765Pさん?」

晶葉「おいちょっと待て、何で助手との間に赤い糸が、この事実をどう受け止めれば」

晶葉「というか万一情報が漏れたらウチの事務所のアイドルたちの精神がもたないぞ・・・」

晶葉「・・・見なかったことにしよう・・・このゴーグル、壊した方がいいのか?」スチャ

以上で完結です。ここまで読んでくれた方ありがとうございました。
私の好きなカップリングは多々ありますが、その中でも妄想が迸った4組を登場させました。
ふみありも大好きですが百合カップルって感じではないよなあ。

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