ロラン「やっぱりアレですか?ミカさん絶対殺すマンだし」
キラ「コックピットに剣ブチこむし、モビルスーツでパイロット踏みつぶすしさ」
ロラン「……ま、アレは確かに、みんなドン引きでしたけど」
キラ「ほら、僕って心優しい性格じゃない?」
ロラン「自分で言いますか?」
キラ「戦闘能力奪うだけで勝てるし」
ロラン「ダルマさんになった機体が、戦場でえらいことになってましたけどね」
キラ「三日月にも見習ってもらいたいなぁ」
ロラン「人の話聞いてます?」
キラ「やっぱり、バルバドスも戦闘能力を奪うべきかな?」
ロラン「だから人の話を……はぁ。このままだとアレだし、ちょっと他の人に相談してみますよ」
三日月「キラと一緒にいるの嫌だな」
シン「わかる」
三日月「キラと一緒だと、戦いがやりにくい」
刹那「そうだろうな。あの男は甘すぎる」
三日月「敵と戦ってる最中に、『ひどすぎる』とか『やめてよね』とか、正直うるさいんだよな」
シン「……ま、お前のアレも、みんなドン引きだったけどな」
三日月「オマケにあいつ、戦場で敵をなぶり殺しにするだろう?」
刹那「アレはどうかと思う。動けない機体が、水に落ちるわ爆発に巻き込まれるわだからな」
三日月「仲間も危険にさらすし、きっちりトドメを刺すべきだろう」
シン「お前は少しやり過ぎなんだよ!」
刹那「仕方ない。紛争解決のため、介入しよう」
~アムロの部屋の前~
カミーユ「ん? ジュドー、お前もここに用事か」
ジュドー「あれ? するとカミーユさんもか。俺、後にした方がいいかな?」
カミーユ「……いや、どうせならお前にも話聞いてもらおう。一緒に来いよ」
トントン
カミーユ「アムロさん! ちょっと、キラと三日月のことで」
ジュドー「あれ!? カミーユさんもその件か。やっぱロランに相談されたの?」
カミーユ「いや……俺は刹那からだけど」
アムロ「やれやれ、面倒な話を持ちかけてくれるな。アレは水と油だろう」
カミーユ「誰かさんとクワトロ大尉と同じですか」
アムロ「嫌な名前出すな! ……ま、その二人だと、どういう内容かは聞かなくても分かる」
ジュドー「どうするの? やっぱ、あの二人の同時出撃はナシ?」
アムロ「今後のためにも、それはよくないな」
ジュドー「スパロボとかでも絡みそうだしね」
アムロ「それは言いっこナシだ! むー……そうだな、アイツにも相談してみるか」
コウ「何ですか、相談って?」
アムロ「ソリの合わない、とある二人を、打ち解けさせる方法を考えてるんだ」
カミーユ「何でコウさんなんですか?」
アムロ「ガンダム乗りの中で、一番アクが弱いから。中間の意見が聞けるかと思って」
コウ「最近の新人のアクが強すぎるんですよっ!……そうだ、一つ考えが」
アムロ「ほう、聞かせてもらおうか」
コウ「定番は、二人に共同作業をさせることですよ」
アムロ「戦闘そのものが共同作業だろう。戦闘スタイルが合わない二人だから困ってるんだ」
コウ「いえ。戦闘じゃなくて……」
~翌日~
アムロ「というわけで、キラ、三日月」
キラ「はい」
アムロ「お前ら二人、来週の宴会でコンビ組んで、漫才やるんだ」
三日月「……何で?」
キラ「どうしてそうなるんです!?」
アムロ「戦闘の絡まない共同作業ってことでな。こないだも、シャアが裸踊りやっただろう」
キラ「お盆持ってやったアレでしょ?お酒が入ってたとはいえ、アレはさすがに」
アムロ「ムービー撮ったから、ネットに上げると言ったら、アクシズ落とすのやめてくれたぞ」
三日月「完全に脅迫だろ」
アムロ「とにかく、平和をもたらすには出し物が一番なんだ。だから漫才やれ」
キラ「何でそんな……大体、漫才ったって、台本はあるんですか?」
アムロ「ない! ネタから自分たちで考えるんだ」
三日月「命令だから仕方ないな。キラ、台本は頼んだぞ」
キラ「はぁ!? 何で!? 君は!?」
三日月「俺、そもそも字もロクに書けないからな」
キラ「……仕方ない。分かりました考えます……」
~さらに翌日~
三日月「……台本をテープに起こしてくれたのか。助かる」
キラ「おかげで徹夜だったけどね……」
三日月「ただ、棒読みで吹き込むのはどんなもんだ?これじゃ受けるネタも受けない」
キラ「そこは合わせ稽古で、ちゃんと抑揚つけるの! ……とにかく稽古始めようか」
三日月『ガンダム乗りの皆さん! 三日月のここ、空いてますよ』
キラ『あはは。今まで塞がってたことがないんですけどね』
三日月『三日月のここ、差し込めますよ』
キラ『あのね、そこガンダムとつながるところ!』
三日月『なら、刹那はオッケーだな』
キラ『いや、確かに俺がガンダムとか言ってるけどさ』
三日月「なるほどな。ここで客いじりを入れるわけか」
キラ「そういうのは適当に入れた方がウケそうだからね」
三日月『一つだけ言っておく。俺がガンダムだ!』
キラ『刹那か!』 バシ!
三日月『ガンダム売るよ!』
キラ『ガロードか!』 バシ!
三日月『いやぁぁ! あたしのガンダムが!』
キラ『紫豚か! ガンダム乗ってないからその人!』 バシ!
三日月「これまずくない? コウが怒らないか?」
キラ「大丈夫でしょ。あの人、評判元々悪いし」
三日月「お前のところのラクスも大概……それはともかく続けよう」
読み合わせは進んで。
キラ『やめてよね。このサイコ野郎!』 バシ!
三日月『人のこと言えるか!』 バシーン!
キラ「あつつつ……。そこ、『余計なお世話だ!』じゃなかったっけ?」
三日月「そこはアドリブだ。ところで、今のツッコミ少し強すぎたか?」
キラ「いや、今くらいでいいよ……僕がまず、頭への軽いツッコミを連打して」
三日月「うんうん」
キラ「終盤で、今までのをまとめるくらい、君がキツめのツッコミで返す流れだから」
三日月「分かった」
キラ『もー君とはやってられないよ!』
三日月『それ本気で言ってるのか?』
キラ『いや本気だったら並んで漫才やらないでしょ』
三日月・キラ『わははは』
三日月「これでオチというわけだな」
キラ「うん。後は稽古を繰り返して、完成度を高めればいいと思う」
~宴会の翌日~
キラ「大受けでよかったよね!」
三日月「ああ。お前の台本のおかげだ。さて戦闘だ」
ピキューン!ドウッ!ジャリーン!ドガーン!
キラ「ああっ! 三日月! モビルスーツの首刈って、見せつけなくてもいいだろ!?」
三日月「戦闘で手加減なんか必要ないって」
キラ「もー君とはやってられないよ!」
三日月「それ本気で言ってるのか?」
キラ「いや本気だったら並んで戦場に出ないでしょ」
三日月・キラ「わははは」
ロラン「……あの二人、すっかりアレが定番になりつつありますね」
刹那「紛争解決、終了した。ガンダムは世界を変える存在だ。すなわち、俺がガンダムだ!」
ロラン「じゃ、ミカさんとつながっといてくださいよ!」
刹那「断る。これはそういうSSじゃない」
チャンチャン
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