初霜「提督が基地航空隊につきっきりです」 (26)
提督「……では作戦概要の最終確認だ。陸攻と攻撃機の部隊は敵水上打撃部隊を強襲、艦戦隊と局地戦闘機の部隊はこちらの水雷戦隊及び攻撃隊の護衛と基地の防空を頼む。敵戦闘機の新型機、及び強力な防空巡洋艦には十分注意してかかってくれ!」
提督「今回の作戦は君達の活躍が不可欠だ。たのんだぞ!」
搭乗員の妖精さん隊「(`・ω・´)ゞ」
提督「では、出撃!」
提督「続いて水雷戦隊も出撃してくれ」
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五十鈴「五十鈴に任せて!」
時雨「行ってくるよ」
霞「戦果を期待して待ってなさい」
若葉「出る」
初霜「……」
提督「初霜?」
初霜「あっ、すみません!初霜.出撃します!」
提督「ああ、たのんだぞ」
航行中
時雨「初霜、大丈夫かい?」
初霜「ええ、大丈夫です」
霞「何かあるなら言いなさいったら」
初霜「大したことじゃないので……」
五十鈴「提督のことでしょ?」
初霜「ええ!?そ、そうです。何でわかったのですか?」
五十鈴「初霜はわかりやすいもの」
霞「あいつ、開設したての基地航空隊にてんやわんやでこっちを蔑ろにしすぎじゃないかしら!本当にクズだわ!」
初霜「新しい戦力なわけですから…」
時雨「まあ多少は仕方はないとはいえ、少し寂しいね」
初霜「はい…」
五十鈴「前は確認が多くてしつこかったけど、それだけ五十鈴たちを心配してくれてたのよね」
初霜「でも提督が忙しくなったのなら、支えてあげるの私達はもっと頑張らないと、ですね!」
五十鈴「初霜……」
霞「アンタ……」
時雨「天使かな?」
若葉「いるぞ」
五十鈴「……っと水上電探に感あり!全艦単縦陣!」
駆逐隊「了解!」
霞「敵は軽巡2、駆逐4ね」
初霜「艦上機は無しね。見てなさいっ」
五十鈴「じゃあ距離を詰めるわよ!」
時雨「ちょっと待って、味方の航空隊だ」
若葉「攻撃するようだな」
初霜「すごい…あんな低空を飛んで…」
五十鈴「全部沈めちゃったわ!すごいわね」
霞「私達の仕事が無いじゃない!」
時雨「次に備えればいいさ。先を急ごう」
五十鈴「敵航空隊よっ!」
初霜「空は任せてください!」ジャキ
時雨「残念だったね!」ジャキ
若葉「む、戦闘機がかなり落としてくれてるな…」
霞「爆弾の一発も落ちてこないわ…」
五十鈴「航空隊から無線!『我敵空母ヲ発見セリ』!?事前連絡ではいなかったはずだけど…」
霞「いたならしょうがないじゃない!やるわよ!」
初霜「今度こそ!」
五十鈴「『ナオ先制雷撃ヲ実行シ中破サセタリ』だそうよ」
時雨「本当に僕達の仕事なさそうだね」
初霜「」
大淀「提督、艦隊が帰還しました」
提督「みんなよく帰ってきてくれた。すぐに入渠と補給をとってくれ」
五十鈴「なんともないわ」
霞「弾もほとんど撃ってないわね」
提督「それは何よりだ。ではな」
初霜「あっ提督…」
時雨「走って行っちゃったね」
大淀「先ほど、航空基地が敵の空襲にあって損害をうけたんです。その被害状況と修復の目処が心配で気が気でないご様子ですね」
初霜「そうでしたか…」
時雨「やっぱり少し放っておかれてるみたいだね、僕達」
霞「これくらいで手が回らなくなるなんてだらしないったら!」
初霜「……」
日向「水雷戦隊、帰ってきてたのか」
五十鈴「あら、日向達の支援艦隊もご苦労様」
日向「なんのことはない。今回は基地航空隊のお手柄だ」
日向「私もこの主砲と艦載機に自信はあるが、あそこまでの戦果を挙げられると、仕事が無くなってしまうな」
五十鈴「提督も航空隊にご執心みたいね」
日向「ああ、帰投のあいさつもそこそこに基地への補給準備だと引っ込んでしまった」
日向「これは本当に単なる船の時代は終わってしまったかな…いや、すまない。そういうつもりじゃないんだ」
五十鈴「わかってるわ。じゃあね日向」
初霜「(船の時代が、終わる…?)」
第二一駆逐隊の部屋
初春「ふむ、日向がそんなことをのう」
初霜「はい…」
子日「航空戦艦って、ひどいひどい!」
初霜「それは関係ないです、姉さん」
若葉「あながち絵空事ではないな、今日の戦いを振り返ると」
初霜「今まで空母はいたけど、飛行機が本格的に艦隊の主力となりそうだったわね」
初春「再就職先を探さねばのう」
初霜「ね、姉さん!」
初春「なに、冗談……だといいんじゃがのう」
子日「子日、何して働こうー?」
若葉「若葉印のわかばマーク売りとかどうだろう」
初霜「わけがわかりません」
初霜「(提督は本当に私達なんかどうでもいいのかしら…いえ、違うわ。提督だもの!)」
初霜「(でも……でも、もしこんな風に……)」
提督『本日付けで空母以外の艦船は全て除籍とする!』
提督『これからは好きなように生きなさい』
提督『就職や進路の斡旋はもちろん全力でさせてもらう!』
提督『ではな!』
金剛『Oh my godネー!!!!』
暁『司令官!ひどいわ!』
鈴谷『航巡はセーフ?』
提督『アウトです』
伊勢『航戦は?』
提督『アウトです』
瑞穂『よしんば私が水上機母艦だとしたら?』
提督『アウトです』
加賀『皆さん…元気でね…』
赤城『私達はこれからも…ウウ…提督のお側で頑張ります…グスッ』
初霜『そ、そんな…提督ー!!』
初霜「(なんてことになったらどうしよう)」ガタガタ
初霜「(ここを出たらどうしましょう…そうだ、パン屋さんとかどうかしら…)」
初春「初霜?大丈夫かや?」
初霜「えっ、あっ!大丈夫です!あっ!そうだ、輪形陣になって踊りませんか?」
子日「大丈夫じゃなーい!!」
若葉「気を確かに持て」
敬礼が左手なのがどうしても気になる
初春「それほど気になるのならば提督に直接真偽を尋ねればよいのではないか?」
初霜「えぇっ、そんな…」
子日「案ずるより産むが易し、だよっ」
若葉「うむ」
初霜「えーっ…そういうものですかね?」
子日「うんっ!そうと決まったら行っていでー!」
初霜「わ、わか」提督「初霜、いるか?」
初霜「て、提督!?」
提督「いたか。帰投早々すまない。初霜「あっ、あのっ!」
提督「な、何だ?」
初霜「提督は、駆逐艦がお嫌いですか!?」
提督「!!!???」
子日「質問下手!」
初春「何にも伝わってないのう」
若葉「うむ」
初霜「じゃ、じゃなくて…先日開設された航空隊さえいれば、私達はもはや必要ないのではないでしょうか!?」
提督「!なるほど…」
提督「確かに基地航空隊は強力な戦力になった。打撃力や機動力は駆逐艦より大きいと言っても過言ではない」
初霜「やっぱり…」
提督「でもそれだけじゃ駄目だ」
提督「航空隊にだって完全無欠なわけではない。不安要素はある。それはスコールだったり、燃料の少なさだったりするが、何より敵機の撃ち漏らしだ」
提督「撃ち漏らした敵機が空母や輸送艦を狙う。空母本体の対空兵装なんてたかが知れてる。でかい的だ。そこで初霜達だよ」
提督「君達がいることで輸送船団や空母は守られる。もちろん、艦隊決戦では十八番の魚雷だってある。他の艦船だって巡洋艦も戦艦も、水上機母艦や潜水艦にも替えの効かない重要な役割がある。基地航空隊が開設出来たのだって、場所と資材を確保してくれた艦隊のおかげさ」
初霜「!」
提督「私は決して艦隊を疎かにするつもりは無かったのだが、何分航空隊出来たてで、いささか手に付かなかったのは事実だ。すまないことをした」
初霜「頭を上げてください提督!ありがとうございます、そんなに私達のことを…」
提督「誤解が解けてよかった。実はここへ来たのも対空電探の改修をお願いしに来たんだ。来てくれるか?」
初霜「はいっ!任せてください!」
初春「よかったのう、ハロワには通わなくて良さそうじゃ」
子日「子日、安心したー!一件落着だね!」
若葉「そうか、これが奇跡の作戦、キスカ、だな?」
初春・子日「『違う』ぞ・よ」
若葉「なに、違うのか…」
おわり
>>14
すみません…初めてなので…
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