千川ちひろ「お兄ちゃーん、○○社の人から電話ー」 (310)




荒木比奈「えっ」


神谷奈緒「お?」


渋谷凛「は?」


棟方愛海「ほう」


楓(電話にでんわ)


渋谷凛「は?」


財前時子「……」


渋谷凛「  は  ?  」


千川ちひろ「……あっ」





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1464014862





P「○○社……ああ、あの件かな。すぐ繋いでくれ」


ちひろ「は、はい……」


P「? 急にお兄ちゃん呼びしたと思ったとたんまた敬語になったり……忙しいなお前」


P「まあいいや……あーもしもし、お電話代わりましたPです、ああいえとんでもない、いつもお世話になっております……」



ちひろ「さ、さて、お仕事もひと段落したし備品の買い出しにでも行こっかなー」


ガシッ


ちひろ「って……」


ちひろ「……り、凛ちゃん? そんな強く腕握って、どうしたんですか?」


凛「……」ギリギリ


比奈(目が笑ってねぇっス。こえぇ)


凛「奈緒」


奈緒「話が長くなってしばらく飲まなくても大丈夫なくらいあっつあつの茶の準備できてるぜ。あとお茶請け」


凛「愛海」


愛海「プロデューサーにハンドサインで会議室の使用許可もらったよー」


愛海(めっちゃ笑顔で)


ちひろ「で、でも、備品……」


楓「昨日補充したばっかりですよね?」


ちひろ「え、えぅ……」



凛「時子さん」


時子「…………」


時子「…………」




時子「豚」



凛「決まりだね。じゃ、ちひろさん。詳しく話を聞かせてもらおうかな」ズリズリ


ちひろ「えっっちょっとまって今の何」ズリズリ




奈緒「いやー今日オフだったけど面白くなりそうだ。来ててよかったー」


比奈「加蓮ちゃんも呼んだらどうっスか? アタシも沙紀ちゃん呼ぶっス」


奈緒「あー、そうすっかなあ」


愛海「取り調べっぽくするんだったら部屋の電気消して電気スタンド用意する?」


楓「楽しそうですね。カツ丼も出前取りましょう♪」


ちひろ「ぷ、プロデューサーさーん……」


P(愛海、あとで混ぜてくれ)←ハンドサイン


愛海(k)グッ


ちひろ「み、味方がいない……ああっ、そんな引っ張らないで凛ちゃん……」ズリズリ






加蓮「かつ丼買ってきたよ。コンビニのだけど」


奈緒「いやー、近くにいて助かったよ。ちょうどよかった」


加蓮「いやー面白そうなネタがあるって聞いて飛んできちゃったよー。ちひろさんのとこ置けばいいんだよね?」


時子「豚」


愛海「大丈夫らしいよー」


加蓮「はーい」


楓「お茶の用意、できました」


比奈「部長からスタンドライト借りてきたっス~」


ちひろ「なんでこんなときだけコンビネーション抜群なんですか!」


凛「被告人は黙って」


ちひろ「……はいぃ」


凛「では」


凛「神妙に」


凛「裁判を開始します」





凛「では最初に、検察側から」


ちひろ(検察て)


沙紀「っす。被告人は千川ちひろ25歳。3サイズは82-58-84」


愛海(いつの間に来たんだろこの人)


ちひろ「いや後ろの方要ります? 恥ずかしいんですけど」


加蓮(そういえば取り調べじゃなかったっけ。なんで裁判なんだろ)


凛「静粛に」


ちひろ「……はい」


沙紀「あたしは確認してないんですが、被告人は勤め先が一緒のP氏を“お兄ちゃん”と呼んだとか」


楓(あ、かつ丼おいし……)モグモグ


沙紀「この事実から、いくつか推論が立てられるっす」


比奈「フリップ用意したんでどぞっス」スッ


奈緒(いつの間に用意したんだろこの人)



①被告人千川ちひろとPとは本当に兄弟である

②兄妹の関係ではないが従妹等の近親の関係である

③血縁関係ではないが小さいころからの交流がある、いわゆる幼馴染である

④常日頃からそういうプレイをしている



ちひろ「最後! 最後ッ!!!!」



比奈「あ、書き忘れが一つ」カキカキ



⑤実は懇ろな関係で家で二人っきりの時は兄と呼んでいる



加蓮「これ④と似てない?」


比奈「いやいや、似て非なるものっスよ」


愛海「どれぐらい違う?」


比奈「人間の乳と豚の父ぐらいっスかね」


愛海「全然違うじゃん!!!!」


沙紀「っすねぇ」


凛「静粛に……検察側、続きは?」


沙紀「ああ、はい。というわけで、アイドルからも多く慕われるプロデューサー、その実プライベートのことはさっぱりわからないので」


沙紀「そのプロデューサーをお兄ちゃんと呼んだちひろさんから詳しく話を聞きたい、と。こんな感じっすかね」


凛「ん。沙紀ありがとう。じゃあ次、弁護側」


奈緒(もう口調も戻っちゃったよ)


楓(ぶれぶれですね。ぶれりん)ケフッ


ちひろ「あ、あの……弁護もこれ取り調べじゃあ……」


ちひろ(でも誰が弁護人なんだろう……)






時子「……………」


時子「……………」


時子「豚」



凛「ハイ終わり! はい弁護終わり! 有罪! 裁判官は死刑を求刑します!」


ちひろ「いやいやおかしいでしょう!? なんかもういろいろおかしいでしょう!?」


凛「あーあーあー聞こえない!」


加蓮「待って凛!」


凛「なに!」


加蓮「もしホントにちひろさんがPさんの妹だったらちひろさん経由でPさんのプライベートを知れるよ!」


凛「…………ッ!」


比奈(雷にうたれた顔してるっス)


愛海(間違ってもアイドルのしちゃいけない顔だ。今更だけど)


楓(お茶請けのお菓子おいしい……)モグモグ


ちひろ「り、凛ちゃん……?」


凛「ごめんねちひろさん。かつ丼しかないけど、いいかな?」キリッ


奈緒「この変わり身よ」


沙紀「つかかつ丼楓さんが食べちゃいましたよ」




加蓮「でさでさちひろさん! 結局どうなの? ①~⑤のどれなの?」


ちひろ「え、えぇっとですね……」


愛海「まさか……どれにも当てはまらないほど淫らな……!?」


奈緒「ば、バカッ! ……本当にそうなのか?」


ちひろ「そ、その……」


比奈「言いよどむ……怪しいっスねぇ」ニヤニヤ


楓「っすねぇ」ニヤニヤ


ちひろ「だ、だから……」


ちひろ(ど、どうしよ……別に言ってもいいんだけど、なんか恥ずかしい……)


ちひろ(!!!!)


ちひろ(まずい、本人が来たら事実プラスアルファで絶対余計なこと喋る!)


ちひろ「(ここはあの人が来る前に!)えっとですね、私とプロデューサーさんとの関係は!」


凛「関係は!!!?!!??!?!?!?」


沙紀(必死過ぎて逆に笑うっす)


ガチャ


P「うぃーっす」


愛海「あプロデューサー! ちひろさんとの関係って結局何なの?」


P「ん? そういうプレイ」


ちひろ「ちょっとおおおおおおおおおお!? お兄ちゃあああああああああああん!?」




加蓮「結局普通の兄妹か~」


ちひろ「~~~~ッ」カオマッカ


奈緒「②か③だったらアニメならヒロイン候補なんだけどなあ」


比奈「個人的には⑤も捨てがたいっスねえ」


愛海「④……」ショボーン


P「いや番号②とか⑤ってなんやねん」


沙紀「気にしなくても特には……」


凛「ねえ、今まで二人が兄妹って黙ってた理由ってなに?」


P「まあ聞かれなかったし喋る理由もないしなあ。……ってかあれだぞ。楓さんは知ってるはずだぞ」


時子「豚」


P「ああ、時子もか。酒はいるとアイドルの前でもお兄ちゃん呼びに戻るからなあ」


凛「…………へえ」


ちひろ「~~ッ! もうっ! もうっ!」ポカポカポカポカ


P「いててててなんやねんもうほんまに」


奈緒「ってか楓さんたちも知ってたのか。言ってくれればよかったのに」


楓「そっちの方が面白そうだったので」ズズー


楓「高垣楓25歳、空気は読めます」ブイ





加蓮「じゃあさじゃあさ! これを機に一回聞いてみたいことがあるんだけど!」ズイッ


P「こういう話題の時ほんと楽しそうな顔するよね君」


加蓮「いいじゃんいいじゃん! でさでさ、聞きたいことっていうのは」


P「おう、どんとこい」


加蓮「スタドリとかエナドリで稼いだお金ってどこに消えてるの?」


ちひろ「」ビックゥゥゥゥ


P「あー、それかー」


ちひろ「あの、おに、プロデューサー」


P「比奈、沙紀」


比奈「合点っス」ガシッ


沙紀「っすねえ」ガシッ


ちひろ「ちょっと!!!お兄ちゃん!!!!ねえってば!!!!」


P「愛海」


愛海「ははっ」


P「手段は問わん。口をふさいで差し上げなさい」


ちひろ「えっ」


愛海「よろしいのですか!?!?!?!?!?」


P「構わん。兄のお達しである」


ちひろ「ちょっ」


愛海「わぁい!!」


ちひろ「待っ」


ちひろ「やっ、来ないで、愛海ちゃん……」





―――――――――しばらくお待ちください――――――――――







ちひろ「」


奈緒「うわぁ……うわぁ……」


沙紀「あられもない姿に……」


時子「見てられないわね」


比奈(正直デッサンしたい)


愛海(時子さんって豚以外喋れたんだ……)


P「で、お金の行方だったか」


加蓮「そーそー! 妹が兄から搾取するってなんかおかしいじゃん!」


凛「私も教えてほしいな。聞いても大丈夫?」


P「なんも問題ないぞ」


ちひろ「ゃ……ほんと……ほんとだめだから……」


比奈「おお、生きてた」


楓「…………」ジー


沙紀(この人いつの間にビデオカメラなんて……)


P「まあそろそろみんなに説明しようと思ってたところなんだ。薫にも似たようなこと聞かれたみたいだしな」


奈緒「ぶっこむァ薫ちゃん」


P「じゃ、ネタ晴らしするか」





P「あのお金な、実は原価分だけ回収したら半分は貯金してるんだ」


P「お兄ちゃんお金あったらあるだけ使うから私が責任もって管理しますーとか言ってな」


愛海「へえー、じゃあもう半分は?」


ちひろ「半分のうち半分は俺に返ってくるな。それでも結構な額だから実質俺のお小遣い。ほとんど使わんけど」


沙紀「もう半分の半分は?」


P「親への仕送り」


ちひろ「」


P「ついでに言っとくと生活費は全部ちひろが出しててそれ以外のちひろの給料はほとんど実家に入れてるぞ」


ちひろ「」


P「さらに加えるならこいつうちの家事全部やってくれるんだ。料理もうまい」


ちひろ「」


加蓮「……え!? 2人って同じ部屋住んでるの!?」


P「酒飲んできた日は同じベッドで寝ろって命令されるなあ」


ちひろ「」


凛「」


奈緒「」


楓(死人がしにん(4人)……ふふ)


楓(あ、一人足りない)ショボン






沙紀「やー、兄思いのいい妹さんだったんっすね! ちひろさんって!」


比奈「天使! 女神! ちひろ!」


ちひろ「やめて……もうやめて……恥ずかしい……」


P「別に困ることでもなかろうに」


ちひろ「は!ず!か!し!い!ん!で!す! もう……」


加蓮「んー、でもさ、兄思いっていうか、どちらかというと……」


時子「ブラコン、ね」


ちひろ「」グサァー


P「んふっ。そうとも言えるかもしれん」


ちひろ「ッ! ッ! ッ!」ゲシゲシゲシ


P「いてててて。まあ兄離れできない不肖の妹ですがこれからも仲良くしてやってくれ」



ハーイ

ッス



P「……時間もいい感じだな。帰る準備しろよーまとめて家まで送ってくぞー」


P「あ、愛海はもう揉むなよー」


愛海「…………ちっ」




ちひろ「そんなこんなで、ばれちゃいました。プロデューサー……お兄ちゃんとの関係が」


ちひろ「当然と言えばまあ当然に、その日のうちにこの事実は事務所中に広まって」


ちひろ「知らない人はいない、って状況になっちゃいました。恥ずかしい……」


ちひろ「私がいじられつつ、みんながこのことをいじりつつの、今までとはほんのちょっぴり違う事務所での日常が」


ちひろ「始まろうとしているのでした……」


ちひろ「……やだなあ。明日事務所行きたくないなあ」


P「なあちっひ、そろそろ俺の布団から出てくれません? 寝たい」


ちひろ「だーめーでーすー! もう!バカ! お兄ちゃんなんて知らない!」


P「今日は一緒に寝ていいからさー」


ちひろ「……バカ」



モノローグ調ですが盛大に何も始まらない

何番煎じかもわかりませんがこれからちょこちょこ書いていきます

出したい子だけ出したら安価でアイドル何人か出して終了って形式にしたいんで、その時はよろしくお願いします


本日ここまで。ありがとうございました。

お待たせしました。続き書いていきます



―――――――――――


―――――――


―――


ちひろ「はあ……」モグモグ


P「どうした。トーストかじりながらため息なんかついて」


ちひろ「今日事務所行きたくないなー、って思ったり」


P「アホ言うな。ちひろがいなきゃ誰が事務所回すんだよ」


ちひろ「だってぇ……」ゴクン


P「むしろ今までよくばれなかったなって感じだよ。事務所で二人でいるときはお兄ちゃん呼びなのにな」


ちひろ「それのせいでつい昨日もお兄ちゃんって言っちゃったし……あーあ、いっぱいいじられるんだろうなあ」


P「あんまりちひろが弄ばれるってなかったもんなあ」


ちひろ「ちょっと。言い方」


P「まあまあ。 っと、時間だな」


ちひろ「洗い物つけとくねー」


P「はいよ。んじゃ、車回してくるかー」






ちひろ(お兄ちゃんと二人で住んでる家は、事務所から車で10分のところにあるちょっと高めのマンション)


ちひろ(二人で頑張って働いて、懐があったかくなってきたところでお兄ちゃんが一人暮らししてた頃からのアパートから引っ越した)


ちひろ(住みやすいし安全なんだけど、アパートで住んでた時はずっと一緒の布団だったから)


ちひろ(そこはちょっとだけ寂しかったり、なんて」


P「多分そこらへんがいじられるポイントなんだろうなー」


ちひろ「んひゃっ!?」ビクゥ


ちひろ「……聞こえてた?」


P「そら運転中でも助手席で何か言ってたら聞こえるさ」


ちひろ「もうっ、そこら辺はさらっと聞き流すのが女の子を扱うときの……」


P「女の子(25)」


ちひろ「……」ガスッガスッガスッ


P「落ち着け肩はまずいハンドル揺れるいたたたたた」


P「……いや待って。肩がダメだからってこめかみがいいってわけじゃない。笑顔で竜頭拳の構えを作るのはやめよう。な? 拳下ろそう?」






―――――――――――


―――――――


―――


ちひろ「事務所まで来ちゃった……」


P「いい加減諦めろって。あるがままを受け入れようぜ」


ちひろ「まあ私たちが鍵持ってるし一番乗りだからいいんだけど……鍵鍵……」ゴソゴソ


P「…………」


ちひろ「心の準備だけはしとかなきゃ……」ゴソゴソ


P「……あれれー、おかしーぞー? どうして鍵が開いてるんだろー?」ガチャ


ちひろ「えっ、お兄ちゃん昨日鍵占めたよね? まさか泥棒……」





奈緒「やあ」ヌッ


加蓮「待ってた」ヌッ


凛「よ」ヌッ





ちひろ「」






ちひろ「なんでスペアの鍵凛ちゃんたちに渡したの! なんでスペアの鍵凛ちゃんたちに渡したの!!!」グワングワン


P「面白くなるかなって」グワングワン


ちひろ「なんでスペアの鍵凛ちゃんたちに渡したの!!!!!!!」グワングワン


P「怒りすぎてボキャブラリーがすごいことになってるぞ」ガックンガックン


ちひろ「きぃーー! もーーっ!」グワングワングワン


P「肩持って揺らすな揺らすなどうどうどうどう」ガックンガックン



凛「プロデューサー滅茶苦茶揺れてる」


加蓮「首がっくんがっくんなってるね」


奈緒「ちひろさんってPさんに対しては怒っててもああなんだな……」


凛「怒ってないんじゃない?実は」


加蓮「あれもじゃれつきの範囲内ってやつ?」


奈緒「だとしたら相当だな……」






ちひろ「ぜぇ……ぜぇ……」


P「最近暑いのに頑張って動くから……」


ちひろ「誰のせいで!!! 誰のせいで!!!!!」


P「誰のせいでもない。強いて言うなら……」


ちひろ「お兄ちゃん!!! 私の目の前にいる千川Pさんのせいだって!!!!」


P「そうか? まあなんだっていいさ」スッ


ちひろ「? なに? ソファーの方指さして……」






凛「さあ」←スタンドライト


奈緒「ちひろさん」←ビデオカメラ


加蓮「こっち、来て?」←かつ丼(ほっかほか)









ちひろ「……お兄ちゃん」


P「なんだ」


ちひろ「なに? あの邪悪な満面の笑みのうちの看板アイドルたち」


P「ありがたい話じゃないか。かわいいかわいい現役JK×3と仲良く交流できるぞ!」


ちひろ「交流(取り調べ)って。行きたくないんですけど」


P「心配すんな。安心して逝ってこい」


ちひろ「でも仕事……」


P「やっとくから」


ちひろ「買い出し」


P「この前行ったばっかなんだろ? 楓さんから聞いたぞ」


ちひろ「…………」チラッ


TP「」ニッコリ


ちひろ「……逝ってきます」


P「ゴートゥーヘール」


ちひろ「そこはせめてグッドラックって言って」






凛「では」


加蓮「昨日は昨日でよくわかんなくなっちゃったから」


奈緒「取り調べを」


TP「始めます」


ちひろ(なんでこんなに不必要なくらい息ぴったりなの……)




凛「プロデューサーとの関係は?」


ちひろ「普通の兄妹です」


凛「ホントに?」


ちひろ「ホントです」


凛「じゃあ今から加蓮がいくつか質問してブラコン度チェックするから嘘つかずに答えてね」


加蓮「結構質問多いよー」ペラペラ


ちひろ(A4サイズびっしりなんですがそれは)





加蓮「プロデューサーのこと、好きか嫌いかで言うと?」


ちひろ「好きです」サラッ


奈緒(さすがにこれは即答か……)メモメモ



加蓮「どれくらいの頻度で同じベッドで寝てる?」


ちひろ「週2か3は……」


奈緒(まあ酒飲む頻度って言ったらそれくらいか……)メモメモ



加蓮「幼稚園のころの夢とかって覚えてる?」


ちひろ「小学校卒業するまではお兄……プロデューサーのお嫁さんでした」


加蓮「……プロデューサーの手料理で一番好きなのは?」


ちひろ「プロデューサーの作るご飯で好きじゃないのなんてないですよ♪」


奈緒(……まあ仲良し兄妹ならギリ許容範囲内だな)メモメモ



加蓮「この職場を選んだ理由は?」


ちひろ「お兄ちゃんがいたから……ですかね」


奈緒(さすがにここまでくるとブラコンって呼ばれても……)メモメモ



加蓮「ぶっちゃけまだ一緒にお風呂入ってる?」


奈緒「」ブフォ




ちひろ「え……それ答えなきゃダメですか?」


凛「ダメ」


加蓮「だめ」


奈緒「な、なっ……おま……」プルプル


ちひろ「ほ、ほら! 奈緒ちゃん顔真っ赤ですし!」


凛「ダメ」


加蓮「だめ」


ちひろ「で、でも」


凛「ダメ」


加蓮「だめ」


ちひろ「え、ええー……」





ちひろ「……そ、その、ですね?」


ちひろ「この年になって一緒にお風呂入るのはちょっと恥ずかしいんで。やっぱり」


加蓮「恥ずかしいんで?」


凛「やっぱり?」クワッ


奈緒(そこは羞恥心あんのかよ……てか凛こえぇ)メモメモ


ちひろ「えと、その……週に一回、水着で一緒に入ったりとか」


奈緒「」ピタッ


ちひろ「別の日週一回で、背中洗ってあげたりとか……」


加蓮「おおお……だいたん……」


凛「……ちなみに、いつまで一緒に入ってた?」


ちひろ「私が中学校卒業するまで……」


奈緒「」


加蓮(あ、奈緒が考えるのやめた)




奈緒「筋金入りすぎんだろ……どんだけ好きなんだよ……かつ丼うめえ……」モグモグ



加蓮(またかつ丼が容疑者以外のお腹に……)


凛「……ちひろさんさ、なんでそんなにプロデューサーのこと好きなの?」


ちひろ「え?」


凛「いや、だって。成人してからもここまでブラコ……お兄ちゃんっ子の人、芸能界でも見たことないから」


加蓮(そこはぼかさなくていいと思うんだけどなあ)


ちひろ「うーん、そうですねぇ……」






ちひろ「特別、こんなことがあったからそれ以来、とかそんなんじゃないんですよ?」


ちひろ「ただ、おに……プロデューサーさんって、周りの奴ら全部敵、みたいな思春期特有のアレがなかったんです」


ちひろ「もともと覚えてる限りでも、幼稚園のころから私はおにい……プロデューサーさんにべったりで」


ちひろ「おにいch……プロデューサーにアレがなかったんで、私を邪険に扱うこともなく」


ちひろ「小さいころからべったりだったのがそのままずるずる続いちゃってる感じですかね」


ちひろ「まあもともと、親が共働きで家にいるのがお兄ち……プロデューサーさんだけだったんで、そのまま甘えるしかなかったって言うのがその実なんですけどね」


ちひろ「お兄ちゃ……プロデューサーさんもそれが分かってたみたいで、ずっと私に構っててくれて」


ちひろ「友達と約束があっても、私がちょっとわがまま言うとすぐこっちのことを優先してくれて……」


ちひろ「嫌いになれるわけ、ないじゃないですか。そこまで甲斐甲斐しく面倒見てくれる人のこと」


ちひろ「だから、お兄ちゃん……プロデューサーのことは今までもずっと好きなんです。これからも大好きなんです」


ちひろ「あ、そうですそうです、聞いてください凛ちゃん加蓮ちゃん。この間の話のことなんですけどね、お兄ちゃんが……」テレテレ





加蓮(正直砂糖吐きそう)


凛(つよい……圧倒的正妻力……!)ギリギリ


だいたい2時間後


――――――――

――――


ちひろ「それでね? そのときお兄ちゃんが……」ペラペラ


加蓮「これいつまで続くんだろ……」ヒソヒソ


奈緒「ここまでで話が一つも被ってないのが逆にすげえ……」ヒソヒソ


凛「へえ……そんなことがあったんだ……」キリッ




奈緒「そして凛のこの真剣さよ」ヒソヒソ


加蓮「今までの全部暗記してそう」ヒソヒソ


奈緒「もう取り調べがいつの間にかのろけに変わってるんですがそれは」ヒソヒソ


加蓮「ってか奈緒、今まで話が一つも被ってないってわかるってことは……」ヒソヒソ


奈緒「ばっ、ちがっ、別に最初から全部聞き流さずに聞いてたとかそんなんじゃ……」ヒソヒソ



ちひろ「……二人とも、聞いてます?」


凛「そうだよ、加蓮、奈緒」キリッ


凛「人の話は」キリッ


凛「最初から最後まで聞くのが」キリッ


凛「マナーってやつだよ」キリッ


奈緒(あ、今日の凛めんどくさい凛だ)





ちひろ「……あ、もうこんな時間なんですね。お、プロデューサーさーん?」


<事務はあらかた片づけたぞー


奈緒(マジかよ)


加蓮(プロデューサーっていったい……)


ちひろ「ごめんなさーい、迷惑かけましたー」


<いいってことよー


<超恥ずかしかったけどなー


ちひろ「ふふっ、はいはい。コーヒー入れてあげますね」


<助かるー。……あー


ちひろ「わかってますって。事務仕事で疲れたから角砂糖一個だけ入れるんでしょー?」


<頼むわー


ちひろ「すぐ用意しますねー」



ちひろ「……さて、話はこれで終わりですね」


凛「もっと聞きたかったのに……」


奈緒(もうええわ)


加蓮(さすがにね)


ちひろ「ま、そうですね……。最後に何か言うとするなら……」










ちひろ「私からお兄ちゃんを奪うなら、私以上の思い出をお兄ちゃんと作ってくださいね?」










ちひろ「じゃ、お話おしまいです!」スクッ


ちひろ「確か3人ともお昼ご飯食べたらその後すぐレッスンなんで、よろしくお願いしますねー」スタスタ





凛「…………」


加蓮「…………」


奈緒「…………」



凛「頑張らないと」グッ


加蓮(勝てる気しないんだけど)


奈緒(あれ? これ無理じゃね? 詰んでね?)





完!

今日の分はおしまいです

次はいつになるでしょう。分かり次第また書き込みますね~

ご無沙汰してます。続き書いていきます


――ちひろ尋問中――



愛海「なんていうかさ」


P「いきなりどうした愛海。こちとら仕事中なんだが」カタカタ


沙紀「ちひろさんいけにえに捧げといてよく言うっス」


P「聞こえんなあ」カタカタ


愛海「プロデューサーってさ」


P「んー」


愛海「シスコンだよね」


P「あー」


沙紀「あー」





沙紀「まあ確かになかなかいないっすよね。お互い社会人で実家じゃない家借りて一緒に住んでる兄妹って」


愛海「お兄ちゃんがかわいがるからあんなブラコンになったんじゃないの~?」ウリウリ


P「あー、それはあるかもしれん」


沙紀「中学生ぐらいになったら落ち着きそうなもんっすけど」


P「あんまりそういうのはなかったなあ。言われてみれば周りはそんなんだった気がする」


P「あ、そうだ。今度実家からちひろの昔の写真持ってくるか」


愛海「動画は?」


P「そらもちろん」


P「なんなら上映会でもするか。そん時は手伝いよろしくな」


愛海「k」グッ


愛海「82に育つ前のちひろさん……ふひひっ」ボソッ


沙紀(業が深いっす)





沙紀「向こうでちひろさん何吐かされてるんっすかねぇ」


P「加蓮が満面の顔でかつ丼レンチンしてるの見たけど」


愛海「何それSNSに上げたら炎上しそう」


P「逆に親近感沸きそう」


沙紀「一応芸能人とその付き人なんすからノリでSNS使うのやめてほしいっす……」


P「まあ今のちひろに何聞いても多少のことじゃあ動じないと思うけどな」


沙紀「へえ。何か口裏合わせてたりするんすか?」


愛海「トライアドの先輩方凛さんに隠れてあれだけど加蓮さんも奈緒さんもゾッコンだもんね」


P「その言い方やめて。……まあ、なんだ」


P「開き直ったブラコンは強い? 的な?」


愛海「うわあなにその嫌な格言っぽいの」


比奈「千葉の兄妹なら割と普通なんスけどねぇ」ヌッ


沙紀「うわっ、びっくりした」





沙紀「あ、比奈さん。おはっす」


比奈「っス」


愛海「そいやあれだよね、比奈さんも成人してるよね?」


比奈「? はい、そうっスねぇ」


愛海「いや、特に意味はないんだけどさ、成人してるんだったらプロデューサーとちひろさんの関係も知ってたんじゃないかなって」


P「あー、楓さんが酒の席でーって言ってたもんな」


比奈「それはあれっス。実はちひろさん、最初は兄妹ってこと隠してなかったんスよ」


沙紀「え、そうなんすか」


比奈「っスっス。私が入社したときはまだお兄ちゃん呼びだったんスよね」


P「そうそう。んで比奈に、「ちひろさんってあれっスか、ブラコンってやつなんスか?」って聞かれてな」


比奈「それ以来恥ずかしがっちゃって。以降プロデューサー呼びってわけっスね」


愛海「へー……」






P「あいつが入社する前にここでアイドルやってたやつはみんな知ってたんだけど、なんかいじるのはダメみたいな暗黙の了解になってたみたいでな」


比奈「ド新人の私がその了解破っちゃったみたいで。てへ」


沙紀「あ、そう言えば聞いたことあるっす。ここである程度技術磨いて他の大手プロダクションに移籍してアイドル活動するって人が多い、みたいな」


P「ここ、よくも悪くも緩いからな。高みを目指すならそれを応援すんのがプロデューサーってもんだろ」


愛海「はー、なんかプロデューサーがプロデューサーに見えてきた」


P「なんだと貴様」


比奈「なんだかんだ先輩方も結構移籍しちゃって……。今じゃ私より先輩のアイドルって言うのが……」


楓「私と」ニュッ

留美「私と」ニュッ

美優「わ、私ってわけです……」ニュッ




沙紀(また増えた)


P「ここのアイドルってタケノコみたいに生えるの流行ってるんですか?」


楓「まさか。たまたまですよ、たまたま」


美優「でも、ついにばれちゃいましたね……」


留美「ついに。っていうか、やっと。って感じよね」


沙紀「見事に成人組っすね」


P「正確に言うと留美さんは比奈の後に入ってきて酒の席で知ったんだけどな」


比奈「常にPさんの近くにいるちひろさんを警戒する留美さん怖かったっスよね」ヒソヒソ


美優「妹ってわかった時のほっとした顔も……」ヒソヒソ


留美「なに?」


比奈美優「「なんでも」」






留美「それよりあれよね? ちひろさんのビデオの上映会やるのよね?」


P「ええ、もう隠す意味もないですしね。需要があればやろうかと」


美優「小さいころのちひろさん、かわいいんですよね……」


愛海「へえー」


沙紀「あれ?美優さんがそういうってことは前にもやったんですか、そういうの」


楓「まだ私美優さん比奈ちゃんしかいない時に、ね。しばらく話のネタがそればっかりで……」


P「いやあなた率先してちひろいじってたじゃないですか」


楓「」ピュ~ピュ~♪


比奈(お願い!シンデレラ……)


美優(無駄にうまい……)


沙紀「ってことは、留美さんは知らない、と」


留美「そう。だからずっと気になってたのよ」




愛海「なんかお勧めみたいなのある?」


楓「そう、ね。……ああ、あのドッキリのやつですかね」


美優「あー」


比奈「あー」


P「あー」


沙紀「ほう、ドッキリとは?」


楓「なんかね、親御さんが撮ってるビデオなんだけど」


美優「お義母様が、「実はもうお兄ちゃんと寝る部屋を離れなくちゃいけなくなったの」って言っちゃったんですよね」


P(なんか今ニュアンスおかしかったぞ)


比奈(聞かなかったことにしよう)


留美「それで?」


楓「えっとですね、確かそのあとは……」


ダンッ!!!!!!!




ちひろ「…………」


比奈(あ、ちひろさんだ)


愛海(持ってきたコーヒーめっちゃこぼれてる)



ちひろ「コーヒー」


ちひろ「入れてきましたよ」


ちひろ「お兄ちゃん!!!!」クワッ


ちひろ「楓さんたちの分も!!!!!」クワワッ




P「お、おう」


美優「あ、ありがとうございます……」





P「こぼれてるけど……」


ちひろ「お兄ちゃんにはこれで十分です!」


P「そっかー……」


ちひろ「あ、いや、そういうわけじゃなくてその」アセアセ


愛海(意志よっわ)


比奈(そりゃあもう筋金入りっスから)


愛海(こいつ、直接脳内に……!)


留美「邪魔されちゃったわね……。ねえP君、詳しく話聞きたいし、今日飲みに……」


美優「わ、いいですね。久々にみんなで……」


ちひろ「」ギロォ


美優「ぴゃっ!?」ビクッ


愛海(これはアイドルをレアメダルにしてる目だわ)


楓(そりゃあもう事務員ですから)


愛海(こいつもっ……直接脳内に……!)





P「ははは、今日はゴキゲン斜めみたいなんで、それはまた別の機会ってことで」


留美「そう。残念ね……」


P「まあ近々スケジュール調整して上映会はやりますし、その時にでも」


留美「あら」


ちひろ「お に い ちゃ ん?」ギロォ


P「ははは、こわいこわーい」


比奈「手慣れまスよねぇ本当」


P「ドッキリの件じゃないけどな。こういうのは慣れてる」


ちひろ「」ゲシッゲシッ


P「いたたたたいたいいたいちひろ痛い。あ、早いですけど今日はもう上がりますんで」


美優「戸締りはやっておきますね」


P「助かります。まだこっちもスペア持ってるんで、鍵はまた事務所に来た時に置いといてください」


美優「わかりました」


楓「お酒……」


愛海「楓さんよしよし」モミモミ




P「んじゃ、お疲れ様でーす」ガチャ


ちひろ「お疲れ様でーす」ゲシゲシ


沙紀「お疲れさまっすー」


比奈「っスー」





―――――――――


――――――


――――




P「まだ怒ってんの?」


ちひろ「知らないっ」ツーン






完!

一旦切ります。飯食べてから続き書きますね~

おさらい

ちひろが隠す前から事務所にいた→楓・美優・比奈

ちひろが隠していて酒の席で知った→留美・時子

ちひろの自爆で知った→凛・奈緒・加蓮・沙紀・愛海

帰宅中、車内


――――――――


―――――


―――


ちひろ「…………」


P「まーだ怒ってんのか?」


ちひろ「……」プイッ


P「ちひろー?」


ちひろ「……」ツーン


P「ちっひー?」


ちひろ「」ゲシッ


P「いてっ」




P「いじられるってわかってたろ?」


ちひろ「だからって自分からいじられに行く人なんていないもん」


P「もんってお前。25歳お前」


ちひろ「」ゲシッ


P「いてっ」


ちひろ「上映しちゃダメだよ」


P「えー」


ちひろ「絶対だよ?」


P「どーしよっかなー」


ちひろ「ぜ っ た い だ よ ?」ギロリ


P「ッス」




ちひろ「あ、あと」


P「んー?」


ちひろ「今日は飲みたい気分かなーって」


P「あー。久しぶりの早上がりだしなー」


ちひろ「明日私お昼からだし」


P「明日私凛たちの仕事についていくから朝一なんですが……」


ちひろ「ん?」ニッコリ


P「……なんでもないっす」


P「じゃあ、いったん車家において店探すか? それか適当に買って家で飲むか?」


ちひろ「んー、今日はお店の気分かなー」


P「りょーかい。店はいつものとこか?」


ちひろ「アイドルのみんなは来てないんだし他のとこでもいいんじゃない?」


P「それもそうか。アイドルの方々の粗相を見られないようにあの店使ってるんだもんな」


ちひろ「楓ちゃん酔っぱらうと絡み酒だから……」


P「それがまたいいんだけどな」


ちひろ「」ガスッ


P「いてっ」





ちひろ「そういうわけで、今日は新規のお店を開拓したいなって」


P「まあ構わんか。ほどほどにな?」


ちひろ「それはもうお兄ちゃん次第でしょ」


P「ちひろ次第じゃないんですかねえ……」


ちひろ「んふふ」


P「どうしたいきなり。 もしかしてもう酔ったか?」


ちひろ「んーん。お兄ちゃんと二人で飲むの、久しぶりだなーって思って」


P「あー、帰ってくる時間ばらばらだったから家でも飲まんかったし、店で飲むときは誰かしらついてきてたからなあ。楓さんとか」


ちひろ「だから、ブラコンの妹としては兄を独占出来てうれしいわけですよ」


P「はいはい。俺も妹が独占出来てうれしいですよー」


ちひろ「シスコンだもんね」クス


P「……聞いてたのか?」


ちひろ「さあ? なんのことやら」


P「……はよ帰るぞ」


ちひろ「はーい♪」



――――


―――――――


――――――――――


駅周辺にて


―――――――――


――――――


―――


ちひろ「どこ入ろっかなー♪」キョロキョロ


P「あんまり遠くまでいくなよー」


ちひろ「もう子供じゃないから大丈夫ですよーだ」


P「はいはい」


ちひろ「チェーン店で無難に行く? 居酒屋でパーッとやる? それかたまにはおしゃれにバーにでも……」ブツブツ


P(それにしてもこの妹、ノリノリである)


ちひろ「……よし、決めた!」


P「どこにするんだ?」


ちひろ「あそこ!」ビシッ


P「どれだ……? ああ、あそこか」


ちひろ「あれ? 知ってるの?」


P「他のプロダクションのプロデューサーと飲むときにちょくちょく使ってるんだよ。料理上手いぞあそこ」




ちひろ「ホント? よーし、じゃあ今日は飲んで食べて騒ごー」


P「太るぞ」


ちひろ「」ドゴォ


P「気付いてる? あなたさっきからどんどん殴る強さ強くなってるよ?」


ちひろ「いいもん! まだ大丈夫だもん! まだまだこれからだもん!」


P「確かにスタイルはいいけどなあお前」


ちひろ「また調子いいこと言って……。まあいっか。入ろ?」


P「そうするかー」



ガララッ



ちひろ「すいませーん、2名なんですけど……」


時子「あ?」


ちひろ「えっ」




時子「…………」


ちひろ「…………」


イラッシャイマセー2メイサマデー?


ちひろ「あっすいませんまちがえました」



ピシャン



ちひろ「…………」


P「…………」


ちひろ「……さ、どこいこっかお兄ちゃん!」


P「何も見なかったことにするのやめよう?」


P(というか、なんで時子も一人であんなとこで飲んでたんだ……)





ちひろ「今日は2人でって言ったじゃん! 今日は2人でって言ったもん!」


P「いやいや、これから新しいとこ探す方がめんどくさいわ。諦めて入るぞ」


ちひろ「えー……」


P「また2人でならいつでも来れるだろ?」


ちひろ「え……」


P「一緒に住んでるんだしさ」


ちひろ「お兄ちゃん……」トゥンク


P「お互い恋人もいないんだし」


ちひろ「…………」


P「ん? どうした?」


ちひろ「」シュッシュッ


P「いって! 綺麗にワンツー入れんのやめろ!」




飯食べてくるんでちょっと待っててください

今日は満漢全席じゃないんで……




時子「……で? さっきの茶番は何? 外まで聞こえてたんだけど」←カウンターから席にPたちの席に移動した


P「俺に聞かれてもなあ……」


ちひろ「」ツーン


時子「なに怒ってるのよ、この守銭奴は」


P「お兄ちゃんと二人で飲みたかったんだけど邪魔が入ったからゴキゲン斜めなんだよ」


ちひろ「」ジロリ


時子「ハッ、大した兄妹愛だわ」


P「そういう時子って愛持ってるの?」


時子「アァン?」


P「ッス。なんでもねぇっす」







時子「いやそもそもなんで豚共が被害者みたいになってんのよ。私が一人で店に来てんのをアンタたちが邪魔しに来たんじゃない」


P「いやだってうちのアイドルが居酒屋で生ジョッキ片手にほっけつまんでるのなんか想像できんやん」


時子「アァン!? あの25歳児に影響されたのよ! 悪い!?」


P「いや悪くはないけどもさ」


ちひろ「…………」クイクイ


P「ん?」


ちひろ「ん」メニュー


P「んあ、とりあえずあれにするわ」


ちひろ「ん」コクリ


P「ちひろもいつものか?」


ちひろ「ん」コクリ


P「はいよ。……すいませーん、生一つとスクリュードライバー一つー」


カシコマリマシター





時子「…………」


P「ん、どうした時子」


時子「……会話のキャッチボールを真面目にしないで意思疎通ができてることに呆れてただけよ」


時子「しかも妹豚ほとんどしゃべらないし」


P「だいたい最初はあれ頼むからな。てか妹豚て」


P「ちひろもいつまで拗ねてんだ。ほら」


ちひろ「……今日」


P「わかったわかった」


ちひろ「そ。ならばよし」


時子「…………」



オマタセシマシター



ちひろ「は~い♪」




時子(今の、何?)


P(一緒の布団で寝ないと許さない、的な?)


ちひろ「~♪」


時子「…………」


ちひろ「? どうしました、時子ちゃん」


時子「…………アンタ、気持ち悪いわね」


ちひろ「久方ぶりの罵倒でもエッジ聞いてますね時子ちゃん!?」





ちひろ「あ、これお兄ちゃんの分のスクリュードライバー」


P「ありがと」


時子「……ちょっと待って。妹豚が生で豚がスクリュードライバー?」


ちひろ「お兄ちゃんビール飲めないんですよー♪」


P「いやだって名前かっこいいじゃん。スクリュードライバー」


時子「…………はあ」




完!

二次の妹なんざ痛いぐらいでちょうどいいと思ってます。退行みたいな。

次の更新で書きたい分は終わりです。

では、また。

ぎりぎり間に合った。書き始めます

事務所にて



ちひろ「そう言えばお兄ちゃん」カタカタ


P「本格的に事務所でもお兄ちゃん呼びにシフトしてきたよね君」カタカタ


ちひろ「茶化さない」カタカタ


P「ッス」カタカタ


P「で、なんだ?」


ちひろ「……休憩にしよ? コーヒー入れるから」


P「なんだ、改まって話すことでもあるのか?」


ちひろ「まあ、そんな感じかな」


P「了解、じゃあ茶菓子でも用意するかなー」


ちひろ「あ、ありがと。お願い」


P「はいはーい」




P「いやー、アイドル全員出払ってると静かでいいな」


ちひろ「こういうのもあれだけど、お兄ちゃんアイドルにかかりきりだもんね。一人でもいると」


P「まあなあ。で、アイドルが全員休みか仕事かの時にしかできない話なのか? それなら家でもいいもんだろうけど」


ちひろ「まあ、そうなんだけどね。早めに話しておきたかったから……」


P「なんかあったかあ……?」


ちひろ「うん、あのね、お兄ちゃんさ」


P「ん?」


ちひろ「明日休みだよね?」


P「おう」


ちひろ「私もなんだよね」


P「社長がうまいこと休み被せてくれたんだよなー誰が調整したんだろうなー」


ちひろ「…………」シラー




P「……あー、わかったわかった。明日出かけるか?」


ちひろ「うんっ!」


P「朝から?」


ちひろ「朝から!」


P「昼まで?」


ちひろ「晩まで!」


P「休みとは……」


ちひろ「まあまあ。いいでしょ?」


P「まあ、構わんけどな」


ちひろ「っし!」グッ


P(そこまでうれしいか……)





ちひろ「いや、だってデートとか久しぶりだし」


P「そういやそうか。最近忙しかったからなあ」


ちひろ「社長に直談判してお願いしたんだよ? 魔法の呪文で」


P「魔法の呪文?」


ちひろ「ロウキ、ツウホウ、ナイブコクハツ」


P「あっ……(察し)」


ちひろ「ぼちぼち事務員も増やしていいと思うんだけどね」


P「そろそろ増やすだろうさ。愚痴言ってもしょーがない」


ちひろ「まあそうなんだけどね……。さ、話はおしまい! 明日のことは仕事終わってから話そ!」


P「はいはい」






P「そういや、アイドルたちがいない時にこの話をしようとした理由は?」


ちひろ「……いや、そこは察してよ」


P「………?」


ちひろ「誰かに聞かれたらすぐ情報広まっちゃうし。それに……」


P「それに?」


ちひろ「2人でデートとか言ったら、絶対邪魔されるもん」ボソッ


P「? なんか言ったか?」


ちひろ「なんでもない!」


凛「うんうん。私もなんて言ったか聞こえなかった」


加蓮「ところでさ、いったい何が」


奈緒「広がるんだ?」




ちひろ「ひゃっ!?」


P「いつの間に湧いたお前ら。びっくりするから音もなく現れるのはやめろ」


奈緒「人を虫みたいに言うのやめろよ……」


加蓮「や、ただいまーって言ったよ? 2人で仲良くお話してるからさー」


凛「……最近誰かさんが事務所でもブラコンっぷりを隠さなくなってきたしね」シラー


ちひろ「………」メソラシ


P「で、今の話聞いてたのか?」


凛「ううん、聞こえてなかったよ。なんの話?」


P「新しいプロジェクトの話だよ。また忙しくなるなーって」


ちひろ「事務所にも余裕が出来たから、新しく求人もしてみたらって社長に提案しようって話してたんですよ」


加蓮「ほんとにー……?」


P「本当だって。ほら、今日疲れたろ。車出すから帰るぞ」


奈緒「はいはい……」




――――――――――


――――――


―――


P「ただいま戻りましたーっと」


ちひろ「あ、お兄ちゃんお帰り。……そのー」


P「かまかけてみたけど本当に聞こえてなかったみたいだぞ。明日邪魔されることはないんじゃあないか?」


ちひろ「ほっ……よかった……」


P「ただ、あいつらも最近は演技上手くなってきたからなあ。うまいこと隠したのかもしれん」


ちひろ「まだわからない、か」


P「ああ。なんとでもなると思うけどな」


ちひろ「実の兄とデートするのにここまで苦労するなんて……」


P「実の妹との買い物になんでここまで気使わないかんのだ……」


ちひろ「デート! デ!エ!ト!」


P「ああ、はいはい。戸締りしたな? 帰るぞー」


ちひろ「もう……」


申し訳ない、一旦切ります。

就活終わったんでエタることはないと思いますが、最後までお付き合いください




P「明日どこ行くよ?」


ちひろ「それ含めてお兄ちゃんがエスコートしてくれるんでしょ?」


P「うへぇ……。明日だぞ? ろくに下調べも出来ねぇ」


ちひろ「へえ。下調べ、してくれるんだ?」


P「デートなんだろ?」


ちひろ「わかってるんだったら最初からエスコートするって言うくらいの甲斐性見せてよっ」


P「へーへー」


P「……あ、そうか。デートか。んなら……」


ちひろ「なに?」








P「待ち合わせ、とか。やるか?」


ちひろ「やる」


P「即答かい」






ちひろ「なーんだ、お兄ちゃんも思い出してきたじゃん。私が教えたデートの仕方」


P「今のドリンクの販促と同じペースで子供のころに覚えさせられたからな。そりゃ嫌でも思い出すわ」


ちひろ「む。今の言い方いやな感じ」


P「どないせえっちゅうねん……」


ちひろ「ま、いっか」


ちひろ「ね、お兄ちゃん」


P「ん?」



ちひろ「明日、楽しみだね!」


P「……そうだなー」


ア、イマテキトウニナガシタデショー?


ドナイセエッチュウネン……




――――


――――――――


――――――――――――



――――――――――


―――――――


――――


P「で、次の日の朝になったわけだ」




ちひろ『明日の朝11時! 駅前集合! 遅刻現金!』





P「とのお言葉を前日にいただいたから、余裕をもって二時間前に起きてみた。なんか罰金されそうな字面だしな」


P「で、起きたのはいいものの……」


P「ちひろさんが消えていらっしゃる」


P「同じ布団で寝た日は俺が起こすまで起きないでいらっしゃるのに消えていらっしゃる」


P「……まあ同じ家から出たら待ち合わせの意味なくなるしな」


P「とりあえず適当に準備でもするかー。腹も減ったしなー」





P「っと。なんか朝飯と一緒に書き置き? ちひろか……?」



『遅れたらダメだからね!先に待ってます。 ちひろ』



P「…………」


P「書き置きがあるってことは、もう家を出てるってことだもんな」


P「しかも朝飯作って、出かける準備して、だ」


P「まだ待ち合わせまで2時間あるけど、あいつ何時間待つ気なんだ……?」


P「こうしちゃいられんな。さっさと食ってさっさと行くか」


P「あ、これ美味い。あいつまた腕上げたな……」





P「で、なんだかんだで一時間と少し前に来てしまったわけだが」


P「探さなきゃこの人ごみの中から探さなきゃいかんのか。大変だな……」キョロキョロ


P「……ん? あそこの集団だけ人の動きが止まってる?」


P「喧嘩でも起きたのか? 探すがてら覗いて見るか」



P「って、あれは……」


一旦切ります。日曜には完結させます


姉ちひろ……姉ちひろを書く人を早く用意するのです……なんでも島村……




卯月「うわー! ちひろさんかわいー! まさかデートですか!?」


ちひろ「え、ええまあ……。そんな感じです……」


愛梨「ちひろさんにも彼氏さんが出来たんですね! いい人なんだろうなあ……」


ちひろ「あ、あはは……」


愛梨「ふー、なんか久しぶりにちひろさんに会って興奮しちゃったから暑くなってきちゃった。脱いでも……」


卯月「だ、ダメですよ愛梨ちゃん! っていつの間にか変装用のウィッグも外してるし! 注目されちゃってるじゃないですかー!」



P「卯月に愛梨か。久しぶりだな……。おーい!」





ちひろ「あ、お兄ちゃん」


愛梨「え!? プロデューサーさん! どうしてこんなところに!?」


卯月「えっえっえっ、じゃ、じゃあ、ちひろさんのデートの相手って……」


P「まあ、そういうことだ」


卯月「ちひろさん、やっぱりプロデューサーさんのこと大好きなんですね!」


ちひろ「あ、あはは……恥ずかしながら……」


愛梨「ふう、なんか久しぶりにプロデューサーさんにも会えて興奮しちゃったから暑くなってきちゃった。脱いでも……」


P「ダメだっつってんだろ。お前らも人気アイドルなんだから変装せずに歩いたら騒ぎになるって自覚をもってだな……」


P「……とりあえず移動するぞ。ここはうるさくてやってやれん」


卯月「えっ、ご一緒していいんですか?」


愛梨「もしかしなくてもお邪魔なんじゃ……」






P「そうも言ってられんだろ。ちひろも、いいか?」


ちひろ「……うん。仕方ないよね。ここで分かれても悪目立ちしそうだし」


P「すまんな。じゃ、アイドルズがサインねだられる前に移動するぞ」


P「っと。ちひろ結構高いヒール履いてるんだな。これじゃあ走れん」


ちひろ「ご、ごめん……」


P「しゃーねえな。……ほらっと!」ヒョイ


ちひろ「わ、わわわっ」


卯月「うわー! お姫様抱っこ!」


愛梨「しかも人の往来で! プロデューサーさん大胆ですね!」


ちひろ「あの、お、おに、おにおにおにおにぉ」


P「落ち着け。じゃ、行くぞー」ダダダダダ


卯月「わー!」テテテテテ

愛梨「わー!」トトトトト






P「さて、ここまで来れば大丈夫か?」


卯月「結構走っちゃいましたね。汗が……」


愛梨「…………」


P「脱ぐなよ」


愛梨「はい……」


ちひろ「おにおおににおにいちゃんもうだいじょうぶ」


P「あ、抱えたままか。軽いから気付かんかった」スッ


ちひろ「……ふう。向こうにベンチありますし、少し休憩しますか? 卯月ちゃんたちも」ニコ


卯月「あ、はい! よろしければぜひ!」


愛梨「あ、ちょうど木陰になってるんですねあのベンチ。行きましょうプロデューサーさん!」グイ


P「引っ張るのやめていただいてよろしいか十時さん」


ちひろ「…………」ニコニコ


P(ひえぇ……)







P「二人とも、向こうの事務所はどうだ」


卯月「はい! 皆さんいい人ばっかりで!」


愛梨「プロデューサーさんたちの事務所にいたときには会わなかった方々にも『あの事務所出身の子か!』って言われて……。スタッフの方も優しくしてくださるんですよ!」


P「事務所の規模的にアイドルの原石がいっぱいいても事務員の数的に事務所が回らんからなあ……」


P「今更言うのもあれだけど、移籍という形になって申し訳なかった、二人とも」


卯月「そんな! 移籍先でも不自由しないようにいろいろ手配してもらったことは聞いてますし!」


愛梨「いつでも会えるさ、って言ったのはプロデューサーさんですから。へっちゃらです!」


P「ありがとう。そう言われるだけで助かるよ」


ちひろ「…………」ニコニコ


P(表情が笑顔のままどんどん冷たくなってきとる。そろそろ限界か……)






P「あー、二人とも、そろそろ……」


卯月「あ、そうでした! デートなんですよね!」


愛梨「ごめんなさいちひろさん! なんか邪魔しちゃって……」


ちひろ「いえいえ、いいんですよ」ニコ


ちひろ「全然怒ってなんか、いませんので」ニコ


P「…………」


卯月「じゃあ私たち、行きますね!」


愛梨「デート、楽しんできてください!」


P「おう。お前らもオフだろ? たまの休みくらいゆっくりしとけ」


P「アイドル、頑張れよ。俺らも頑張るからさ」


卯月「……はい! 島村卯月、頑張ります!」


愛梨「また会いましょう! ちひろさんも!」


ちひろ「はい」ニコ





オツカレサマデース


サヨーナラー



P「…………」フリフリ


ちひろ「…………」フリフリ


P「…………」


ちひろ「…………」


P「……ちょっと早いけど、昼飯でも食うか?」


ちひろ「…………」コク





ちひろ「…………」ブスー


P(適当な店に入ったけど一向に機嫌が直らん)


P(…………)


P「ちひろ」


ちひろ「……なに?」


P「すまなかった」ペコ


ちひろ「…………」


P「もう少し早くついていればああはならなかったかもしれん。愛梨たちと接するときも、デート相手と一緒にいるときとしてはいろいろと配慮が足りなかったと思う。すまなかった」


ちひろ「……別に、そこじゃないもん」


P「? どういうことだ?」






ちひろ「わかってるよ、お兄ちゃんは悪くないもん」


ちひろ「ただちょっと、タイミングが悪かっただけ」


ちひろ「お姫様抱っこはうれしかったし……恥ずかしかったけど」ボソボソ


P「ん?」


ちひろ「なんでもないっ」


ちひろ「だから、そのことはまったく怒ってないっていうか、なんていうか。その……」チラ


P「…………」


P「あっ」


ちひろ「わかって、くれた?」


P「ちひろ」


ちひろ「うん」


P「その服、似合ってるぞ」



ちひろ「……うん。ありがと、お兄ちゃん」ニコ





――――――――――


―――――――


――――



ちひろ「んー! 遊んだねー!」ノビー


P「映画見て服見てカラオケか。我ながらこんな遊んだのは久しぶりだわ」


ちひろ「今日は楽しかったー。エスコート、ありがとね」


P「実は夕食のとこも予約してるんだ。時間は余裕あるけどな」


ちひろ「え、そうなの? いつの間に……」


P「ちひろが熱心に服見てる間にちょろっとな。んじゃ、ゆっくり行くかー」


ちひろ「うんっ。……ね、お兄ちゃん」


P「ん? ああ、はいはい」スッ


ちひろ「よろしい!」ギュッ


P「んじゃ改めて、しゅっぱーつ」


ちひろ「おー♪」






ちひろ「……なんかすごい高いビルの高い階にあるんだけど?」


P「美優さんがよそのプロダクションの姫川さんと飲みに来た時に知った店でな。実際客として来るのは初めてなんだが」


ちひろ「客として?」


P「前来た時は潰れた姫川さん引き取りに来た時だったから……」


ちひろ「ああ。なるほど」


P「今度はぜひ客として、って言われてたんだよ。いやー、ようやく来れた」


ちひろ「……私で良かったの?」


P「いや? ちひろがよかったんだ」


ちひろ「もうっ……」



オマタセイタシマシタ



P「お、来たな。じゃあ先乾杯だけするか」


ちひろ「うん……」


P「今日はデートしてくれてありがとな」


ちひろ「ううん。こちらこそ、付き合ってくれてありがと」




P・ちひろ「……乾杯」チンッ





P「……大分飲んだな。頭クラクラする」


ちひろ「…………」


ちひろ「ねえ、お兄ちゃん」トローン


P「ん?」


ちひろ「またね、お母さんから電話来たの」


P「え、またか。懲りんなあ母さんも」


ちひろ「早くいい人見つけなさい、って。いつまでもお兄ちゃんに甘えちゃいけなよ、って」


P「…………」


ちひろ「わかってるんだけどさ。気持ち悪いと思われるかもしれないけど、お兄ちゃんより好きな人ってまだ出来たことないんだ」




P「…………」


ちひろ「ね、私。邪魔かな? 早く出てった方がいい?」


P「…………」


ちひろ「そうだよね。ダメだよね。居心地いいからってずっと居座ってちゃ」


ちひろ「お兄ちゃんとずっと一緒なんて、考えちゃダメなんだよね」


ちひろ「お兄ちゃんにもいい人が出来るかもしれないもんね。その時に私いたらダメだもんね」


ちひろ「かんがえちゃ、だめ、なんだ……」ジワ


ちひろ「…………」ポロポロ


ちひろ「やだ……まだ一緒にいたい……やだ……」ポロポロ


P「今度、実家帰るか」


ちひろ「ぇ……」


P「そこらへんも含めて、親にいろいろ話しとかなきゃかもなって思ってさ」






P「俺個人としても当分結婚とかは期待できそうにないからしばらくはちひろと一緒にいさせてくれーとでも頼み込んでみるさ」


ちひろ「え、でも……」


P「いいんだいいんだ。俺もちひろと二人だと居心地いいからさ」


ちひろ「……うん」


P「それに、俺も大概シスコンだっていうかなんていうか……妹離れできないのは俺も同じだからさ……」


ちひろ「……うん」グス


P「だからまあ……泣くのやめろって。ずっと一緒かはわからんが、今日明日で離れることはないからさ」


ちひろ「うん……うん……!」ポロポロ



――――――――


―――――


―――


P「……落ち着いたか」


ちひろ「お見苦しいところをお見せしました……」


P「化粧崩れてたものな。目真っ赤だし」


ちひろ「っ」ゲシ


P「いって」


ちひろ「もう。ほんっとそこらへんはデリカシーないんだから。そんなだから彼女出来ないんだよ」


P「痛いところを……」


ちひろ「……ううん。できない方がいいんだけどね、私にとっては」


P「…………」


ちひろ「なんか言ってよ」


P「妹の愛が重いなーと思って」


ちひろ「っ!」ゴスッ


P「いた゛っ!?」





P「ってて。……じゃ、帰るか」


ちひろ「うん。帰ろ?」


P「すいません、会計を……」


ちひろ「先出て待ってるからねー」


P「当たり前に奢られに行くのか……」


ちひろ「割り勘なの?」


P「……デートなんだろ? それくらいの甲斐性はあるさ」


ちひろ「ん、よろしい。じゃあエレベーターのとこで」


P「ん。了解」







ちひろ「今日、もう終わっちゃうね……」


P「明日からまた仕事だもんなー」


ちひろ「いや?」


P「まさか。そっちは?」


ちひろ「まさか」


P「……もうすぐ家か」


ちひろ「あ、先家上がっていい?鍵貸して?」


P「ん? ああ」スッ


ちひろ「オッケーって言ったら入ってね」


P「はいよ」



ガチャ

バタン



P「……?」



オッケー




P(うちの妹はこういうの好きだなあ)ガチャ










ちひろ「お兄ちゃん、お帰り!」



P「……ただいま、ちひろ」






おしまい

妹ちひろは書いたから今度はすごく文才がある人が姉ちひろを書いてくれるだろう(願望)

長々とお付き合いありがとうございました

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年06月27日 (月) 18:48:38   ID: AvZOJ_Ka

ぼかぁね!期待してるんですよ期待をぉ!

2 :  SS好きの774さん   2016年07月23日 (土) 12:49:51   ID: 4kF0CRSp

ぼかぁね!期待してるんですよ期待をぉ!

3 :  SS好きの774さん   2017年04月20日 (木) 16:17:25   ID: DnDZHLZE

妹ちっひ可愛すぎか

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom