「来ちゃった♪」理樹「……えっ」 (21)

怪しげな研究室


マッド鈴木「では力んでみてくれたまえ」

美魚「んっ……………どうでしょうか?」

マッド鈴木「どうだ?」

科学部部員「ダメっぽいッス!基準値を下回っているッス!」

マッド鈴木「チッ……そのエネルギー保存液も捨てておけ。微弱なNYPを含んでいるとはいえ危険である事は変わりない」

科学部部員「ハッ!」

美魚「……もう、帰ってもよろしいでしょうか?」

マッド鈴木「ま、待ってくれ!くそうっ!どうして『なんだかよく分からないパワー』通称”NYP”は発動しない!」

美魚「はぁ」

マッド鈴木「ええい、仕方がない!NYP拡大装置の設定を最大限まで上げろ!」

科学部部員「し、しかし……」

マッド鈴木「やれと言ったらやれ!」

科学部部員「サ、サーイエッサー!」

パチンッ

ボボボボボ………

マッド鈴木「さあ西園君!」

美魚「はい…………はっ」

ピピピピピピピ……

マッド鈴木「こ、これは!?」

科学部部員「部長!メーターが振り切ってるッス!こ、このままじゃ……」

ドドドドドドォォォオーーーーーッッ!!!

「「「うわぁぁあああーーーっっ!!!」」」







シューーッ………

科学部部員「部長!起きて下さい!部長!」

マッド鈴木「……………ハッ!ここは…」

科学部部員「しっかりしてください!あなたは先ほどの機械の爆発で気を失っていたんですよ!」

マッド鈴木「…西園君は……?」

科学部部員「ああ、それならさっき研究室から出て行きましたが………」

マッド鈴木「な、なんだと!?」




西園「………フフフ…」

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裏庭

葉留佳「いやぁーたまには大きな樹の下でこうゆっくりご飯を食べるっていうのも乙ですなァ」

来ヶ谷「うむ。これも一つの侘び寂びだ」

鈴「でもクドと美魚がまだ来ていないのに食べ始めてよかったのか?」

小毬「クーちゃんは真人君と用事があって美魚ちゃんは今日ちょっと遅れるって言ってたのです。だから先にやってていいよーって」

鈴「そっか」

タッタッタッ

来ヶ谷「……むっ。言ってるそばから来たんじゃないか?」

タッタッタッ

鈴「美魚だっ。なんか袋を持ってるな」

西園「ふぅ……ふぅ……」

小毬「美魚ちゃん、どうしたの?すっごい荷物だね…」

西園「うん、色々とね!じゃあ、とりあえずまずはお昼ご飯食べよっか!」

小毬「み、美魚ちゃん…?」

西園「ん?どうしたの小毬ちゃん?」

小毬「あ…え…あ、あははっ、な…なんでもないよっ」

葉留佳「いやいやいや!なんでもあるでしょ!キャラ変わりすぎでしょ!?」

来ヶ谷「こういう時、私はどうすればいいんだ?」

鈴「まー…こーゆう気分の時もある」

西園「それじゃあいっただっきまーす!」





数十分後

西園「うんうん。それでさーっ」

小毬「へぇー!」



葉留佳「あ、姉御……!」

来ヶ谷「……なんだね葉留佳君」

葉留佳「な、なんだかはるちんおかしくなった気がするんでさ……さっきまでこの美魚ちゃん、違和感しかなかったはずなのに……なのにいつの間にかこういう美魚ちゃんの方が自然に思えてくるような…」

来ヶ谷「……奇遇だな、私もだ。現に小毬君や鈴君は自然と会話している……きっと本当に分からなくなってしまったんだろう」

来ヶ谷「そしてこの状態……いつかの『あの世界』の時に似ている……」

葉留佳「!!」

葉留佳「で、でもここは現実ですヨ!?そんな事が……」

西園「あっ、そうだ。今日はみんなと一緒に読むためにこんなもの持ってきたんだった!」

鈴「なんだこれ?」

小毬「んーと……ほぁぁあ!?お、男の人と男の人がキ、キスして……」

西園「フフフ……興味ある?」

葉留佳「こ、これは……」

来ヶ谷「俗にいう”BL本”という奴だな…前々からそういうのを好む事は知っていたがここまでおおっぴらにするとは……気を付けろ葉留佳君。この美魚君はいつもと様子がおかしい」

葉留佳「合点承知のスケ!だいたい男同士で恋なんておかしいっすよ!やっぱり恋愛は男女の健全としたものでないと!こんなのむさ苦しいったらありゃしな……」

西園「……本当にむさ苦しいのかな?こんなのもあるんだけど」

葉留佳「っておわぁあ!?いつの間に!!………ほぇ?これってただの男女のカップルじゃ…」

西園「確かに女の子っぽいけど読み進めてみて?」

葉留佳「ん?んんん?……う、うわっ……凄っ…えっ、ええぇぇーーっっ」







1時間後

葉留佳「み、みおちん!他にも今みたいな本ってあるの!?」

西園「あるよぉーっ。そのために今日は大量に引っ張ってきたんだから」

ドサドサーッ

小毬「ド、ドキドキ……」

来ヶ谷「クッ……だ、ダメだ…これ以上ここに居ては!……すまないが私はここを離れさせてもらう」

西園「えーっ。もっとゆっくりしていけばいいのになーっ」

来ヶ谷「美魚君……君には色々と聞きたい事があるがこのままだとその疑問すら忘れてしまうだろうッ。ここは引かせてもらうっ」

西園「フフフ………残念」

続く






理樹部屋

コンコンッ

真人「誰か来たぜ」

恭介「よし、俺が開け…」

ガチャッ

来ヶ谷「緊急事態だっ」

謙吾「く、来ヶ谷!何故ここにっ」

来ヶ谷「ええい、そんなことはどうでもいい。それより話を聞けっ!」







恭介「………なるほど。西園の様子がおかしくなって、しかもその違和感自体も不思議となくなっていっている訳か」

来ヶ谷「ああ。しかし今でも変な事だと思えるという事はその効果は近くにいないと発動しないと言ってもいいだろう」

謙吾「なるほど。珍しくお前が取り乱す訳だ」

来ヶ谷「解決策も考えたいところだが理樹君はどこだ?」

真人「理樹ならグラウンドに忘れ物を取りに行ったぜ」

恭介「あっ!く、来ヶ谷!さっき西園達は裏庭にいるって言ったよな!」

来ヶ谷「ああ。きっと入れ違いになったんだ…グラウンドに行くなら確実に裏庭を通ってしまう…」

謙吾「マズいな…今がそんな西園なら理樹が色々と危ない!行くぞ!」

裏庭

西園「じゃあ葉留佳ちゃんは直枝×真人?変わってるなー!」

葉留佳「なんですとー!?これは王道中の王道ですヨ!言わばカレーに福神漬け!」

小毬「うぅーん私はやっぱり直枝×宮沢かなぁ…」

西園「やっぱり小毬ちゃんは無難だねー」

クド「わふー!私は直枝×棗を押します!」

西園「棗×直枝じゃなくて?」

クド「はいっ。その訳はですね……」

「…………あれっ、みんなどうしたの?」

「「「あっ」」」

理樹「『あっ』ってなにさ。『あっ』て…」

西園「…………な、生の理樹君……」

理樹「な、生?」

小毬「あ、あわわわ……」

クド「ゴクリ……」

葉留佳「改めて見ると可愛い……」

鈴「zzz………」

西園「よぅしチャンスだ皆!今こそ理樹君の理樹君を妄想の参考にするのだー!!」

理樹「えっ!?」

小毬「理樹君、ちょーっと大人しくしててねっ」

葉留佳「よっしゃー!服を千切れー!裂けー!」

理樹「ちょっと!や、やめてー!」

西園「グッフッフ……」

「待てぇぇえい!!」

クド「そ、その声は!」

恭介「話は聞いたぜ!このマッド鈴木からな!」

マッド鈴木「ああ。遂に見つけたよ西園君……」

西園「!」

恭介「ビックリしたぜ。まさかNYPをこっちでも再現出来たなんてな…。最初は噂を聞いてそれを参考にネタで作った物だったが本当に現実にもあったとは……」

理樹「い、いったい何の話を……」

マッド鈴木「フフフ…私達の研究を甘く見てもらっては困る……そして見よ!この兵器を!」

バサッ

マッド鈴木「これは名付けて”NYP圧縮機”そう、前とは逆に君のNYPを抑える為の装置だ。棗が言うには君が私達の前から姿を消した後、様子がおかしくなったと聞いて急遽こさえたのだよ!安易な発想だが、これで君の暴走したNYPを元に戻し、それと同時に今の君から元通りになるはずだ」

西園「…………あーあ。もう終わりか…」

理樹「!」

マッド鈴木「よし、それじゃあスイッチO……」

理樹「ちょっと待った!」

マッド鈴木「む?」

理樹「に、西園さん……いや、今はそう…今の君は美鳥……なの?」

「……………」

美鳥「……正解。よく分かったね」

恭介「!」

理樹「な、何故君が!?」

美鳥「安心して。ここはちゃんと現実の世界よ。それに美魚を乗っ取ろうって気もさらさらない。ただ、偶然引っ張ってこられたからちょっとの間だけみんなとおしゃべりしたかっただけ」

理樹「そ、そうなんだ……でも僕は久々に会えて嬉しかったよ…。ごめん、やっぱり少し君の事を忘れかけていた」

美鳥「それは仕方がないよ。その訳も知ってる。でも、案外すぐ帰ることになっちゃったな…」

理樹「せ、せっかくなんだしもう少しだけいれば……!」

美鳥「ううん、ダメだよ。私、本当はずっと表に出ちゃダメな存在なんだから。……美魚の陰なんだから」

美鳥「だから、これを機会にまた元に戻る。あんまりいると美魚が寂しがってないか心配だしね!」

理樹「美鳥……」

美鳥「さっ、科学部さん。色々ありがとね!そろそろ『私』を元に戻してちょうだい」

マッド鈴木「あ、ああ……それではスイッチON!」


美鳥「バイバイ、理樹君……」

理樹「美鳥…………」

西園「……………」

バタンッ

理樹「あっ!」

マッド鈴木「大丈夫、気を失っただけだ。保健室へ運ぼう」

…………………………………

…………………

….



保健室

美魚「………….ここは」

理樹「起きたんだね。西園さん」

美魚「直枝さん……」

理樹「西園さん、君はさっきまで…」

美魚「分かっています。さっきまで話していました」

理樹「さっきまで?」

美魚「ええ。彼女と」

理樹「そっか……」

美魚「色々と暴れていたらしいのですが大丈夫だったんでしょうか…?」

理樹「大丈夫。ちょっと身ぐるみ剥がされそうになっただけで…」

美魚「そうですか」

美魚「はわわ……なんだかまだ眠たいです」

理樹「まだ寝る?」

美魚「いえ、そろそろ保健室の迷惑になりますから」

理樹「そっか。じゃあ送っていくよ」

美魚「……直枝さん。もし私と美鳥、どちらの性格を選べと言われたらどうなさいますか?」

理樹「ええっ!?」

理樹「え、えっと!そ、それは…どっちと言われても……!!」

美魚「うふふっ。冗談ですよ」

理樹「もう!」

美魚「うふふっ」

理樹「……はははっ」

理樹・美魚「ははははっ!」




終わり

同時刻

食堂

真人「というわけで!」

クド「というわけで!」

真人「倒れた西園に元気を出してもらうためのマッスルメニューを作っていきたいと思います!よっ、拍手~!」

クド「わーっ!」

パチパチ……

真人「そんじゃさっそくレシピを紹介します」

クド「はいっ。具材はこちらですっ」

真人「鶏肉、牛肉、卵白、サバ缶、豆、ブロッコリー、ダークチョコレート、低脂肪カッテージチーズ、発芽パン、エクストラヴァージンオイル、プロト・マッスルエクササイザー!以上だ!」

クド「では作り方を先生、お願いしますっ!」

真人「作り方は簡単!まずこれらを全てミキサーに入れます。ボタンを押します。以上だ!」

クド「わふー!大胆かつとても簡単なのです!」

真人「そして出来上がったのがこちらになります!」

形容のしがたい何か「まっする~ん……」

クド「とても精力が付きそうな飲み物ですね!」

真人「じゃあ早速西園に渡す前に味見をしてみたいと思います!」

クド「と言って実は井ノ原さんが飲みたかったんじゃないんですかぁ~?」

真人「へへっ、ばれたか!クドも飲むかい?」

クド「では一口頂きます!」

トクトクトク…

真人「では!」

真人・クド「「いただきまーす!」」

ゴクッ







本当に終わり

NYPによってリトルバスターズ内で騒動が起こるとか。

クドと真人のマッスルクッキングで頼む

美魚ちんが女性陣にBLを布教して、理樹のカップリングで論争とか

課題を全部混ぜ合わせた結果こうなった。
真人の筋肉が暴徒と化すのは見直してから無かったことに気づいた!すまん!

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